特開2018-204169(P2018-204169A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204169(P2018-204169A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】使い捨てマスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20181130BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   A41D13/11 B
   A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-135940(P2018-135940)
(22)【出願日】2018年7月19日
(62)【分割の表示】特願2016-82439(P2016-82439)の分割
【原出願日】2016年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066267
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】若杉 慶
(72)【発明者】
【氏名】柴田 彰
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA11
2E185BA18
2E185CB07
(57)【要約】
【課題】、マスク本体及び耳掛け部が同色に着色されており、かつ、マスク本体において色ムラがなく、全体として意匠的に統一感のある使い捨てマスクの提供。
【解決手段】 マスク10のマスク本体20は、基材シート21から形成されており、基材シート21を折り重ねて形成されて上下方向Yへ並ぶ複数の襞部28を有する。基材シート21は、内面側に位置する内層シート25と、外面側に位置する外層シート26と、内外層シート25,26間に介在された中間シート27とを有し、内外層シート25,26は、中間シート27よりも全光線透過率が高く、基材シート21のうちの中間シート27のみ着色されており、耳掛け部30は、細紐状であって、中間シート27と同色系に着色されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向及び幅方向を有し、内面及び外面を有するマスク本体と、マスク本体の両側縁から延びる一対の耳掛け部とを含む使い捨てマスクにおいて、
前記マスク本体は、基材シートから形成されており、前記基材シートを折り重ねて形成されて前記上下方向へ並ぶ複数の襞部を有し、
前記基材シートは、前記内面側に位置する内層シートと、前記外面側に位置する外層シートと、前記内外層シート間に介在された中間シートとを有し、
前記内外層シートは、前記中間シートよりも全光線透過率が高く、
前記基材シートのうちの前記中間シートのみ着色されており、
前記耳掛け部は、細紐状であって、前記中間シートと同色系に着色されていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記基材シートは、繊維不織布から形成されており、前記中間シートは、前記内外層シートの繊維不織布の繊維よりも繊度が小さい極細繊維によって構成された繊維不織布から形成されている請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記マスク本体は、前記外面側に折曲された前記内層シートと前記中間シートとから構成される折曲部分と前記外層シートとの間に介在して位置し、前記幅方向へ延びるプラスチック製の帯状部材をさらに有し、前記帯状部材は白色である請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記内外層シートは、スパンボンド繊維不織布から形成されており、前記中間シートは、前記極細繊維を使用したメルトブローン繊維不織布から形成されており、平面視において、単位面積当たりにおける前記中間シートの繊維間隙の総面積が、単位面積当たりにおける前記内外層シートの繊維間隙の総面積よりも小さい請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
【請求項5】
前記内外層シートを形成する繊維不織布の全光線透過率は70〜85%であって、前記中間シートを形成する繊維不織布の全光線透過率は40〜60%である請求項1〜4のいずれかに記載のマスク。
【請求項6】
前記マスク本体は、下端縁が下方へ凸曲した形状を有し、上下端縁と前記両側縁とが交差する隅部が曲状である請求項1〜5のいずれかに記載のマスク。
【請求項7】
前記内外層シート及び前記中間シートは、前記マスク本体の外形縁に沿う外周シール域を介して互いに接合されており、前記外周シール域は前記マスク本体の外形ラインに沿うラウンド形状を有する請求項1〜6のいずれかに記載のマスク。
【請求項8】
前記外周シール域は、円形または楕円形の複数のシール部から形成されている請求項7に記載のマスク。
【請求項9】
前記外周シール域は、前記マスク本体の前記両側縁に沿って前記上下方向へ延びるサイドシール域と、前記上下端縁に沿って前記幅方向へ延びる上下方シール域とを有し、前記サイドシール域を形成する前記シール部は円形であって、前記上下側シール域を形成する前記シール部は楕円形である請求項7又は8に記載のマスク。
【請求項10】
前記耳掛け部は、前記マスク本体の上端部と下端部とに位置し、上下固定域を介して固定された両端部を有し、前記上下固定域は、円形または楕円形の複数の接合部から形成される請求項1〜9のいずれかに記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスク本体と、マスク本体の両側縁から延びる一対の耳掛け部とを備える使い捨てマスクは、公知である。例えば、特許文献1には、マスク本体と、マスク本体の両側縁から延びる一対の耳掛け部を備え、マスク本体を形成する複数の繊維不織布のいずれかの不織布(着色不織布)がピンク色等の白色以外の色に着色されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−223302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された使い捨てマスクにおいては、マスク本体は、幅方向へ延びる複数の襞部を有し、不織布が折り重なる重畳部分と、不織布が折り重なっていない非重畳部分とにおいて、着色不織布以外の不織布の色(白色)による濃淡差が生じている。また、マスク本体の上端部に位置する帯状部材(ノーズフィット)は白色であるから、比較的に全光線透過率の高い、肌当接面側に位置する内層シート及び/又は非肌当接面側に位置する外層シートを着色しても、外面視において、ノーズフィットが透けて白色が目立ってしまうことがある。また、耳掛け部は、着色されていない不織布から形成されていることから、マスク本体における色の濃淡差、ノーズフィットが透視されることによる色の違い、および耳掛け部がマスク本体と異なる色を有することから、マスク全体の外観視において、色の統一感がなく、意匠性が低下していた。
【0005】
本発明は、従来の使い捨てマスクの改良であって、マスク本体及び耳掛け部が同色に着色されており、かつ、マスク本体において色ムラがなく、全体として意匠的に統一感のある使い捨てマスクの提供を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は、上下方向及び幅方向を有し、内面及び外面を有するマスク本体と、マスク本体の両側縁から延びる一対の耳掛け部とを含む使い捨てマスクに関する。
【0007】
本発明に係る使い捨てマスクは、前記マスク本体は、基材シートから形成されており、前記基材シートを折り重ねて形成されて前記上下方向へ並ぶ複数の襞部を有し、前記基材シートは、前記内面側に位置する内層シートと、前記外面側に位置する外層シートと、前記内外層シート間に介在された中間シートとを有し、前記内外層シートは、前記中間シートよりも全光線透過率の高く、前記基材シートのうちの前記中間シートのみ着色されており、前記耳掛け部は、細紐状であって、前記中間シートと同色系に着色されていることを特徴とする。
【0008】
前記基材シートは、繊維不織布から形成されており、中間シートは、前記内外層シートの繊維不織布の繊維よりも繊度が小さい極細繊維によって構成された繊維不織布から形成されていることから、中間シートを形成する着色不織布の繊維密度が比較的に高くなり、色ムラが少なくなって、全体として均一的な色合いを有する。
【0009】
前記マスク本体は、前記外面側に折曲された前記内層シートと前記中間シートとから構成される折曲部分と前記外層シートとの間に介在して位置し、前記幅方向へ延びるプラスチック製の帯状部材をさらに有し、前記帯状部材は白色であるから、帯状部材がその内外面側に位置する着色不織布からなる中間シートに介在された状態となるので、内外面側から白色の帯状部材が目立つことはない。
【0010】
前記内外層シートは、スパンボンド繊維不織布から形成されており、前記中間シートは、前記極細繊維を使用したメルトブローン繊維不織布から形成されており、平面視において、単位面積当たりにおける前記中間シートの繊維間隙の総面積が、単位面積当たりにおける前記内外層シートの繊維間隙の総面積よりも小さいから、中間シートを形成する着色不織布の色ムラが少なく、マスク本体は、外観視において均一的な色合いを有する。
【0011】
前記内外層シートを形成する繊維不織布の全光線透過率は70〜85%であって、前記中間シートを形成する繊維不織布の全光線透過率は40〜60%であるから、内外層シートが中間シートを形成する着色不織布を透過して外部から着色された色が確実に視認される。
【0012】
前記マスク本体は、下端縁が下方へ凸曲した形状を有し、上下端縁と両側縁とが交差する隅部が曲状であるから、マスク本体が全体的に丸みのある外観を有し、全体的に矩形である場合に比して、柔らかな印象を与えることができる。
【0013】
前記内外層シート及び前記中間シートは、前記マスク本体の外形縁に沿う外周シール域を介して互いに接合されており、前記外周シール域は前記マスク本体の外形ラインに沿うラウンド形状を有するから、着用するときに、マスク本体がカップ状を呈しやすく、隅部をその外形に沿って顔面にフィットさせることができる。
【0014】
前記外周シール域は、円形または楕円形の複数のシール部から形成されているから、全体的に丸みのあるマスク本体の外観をと相まって、丸みのある柔らかな印象を与えることができる。
【0015】
前記外周シール域は、前記マスク本体の前記両側縁に沿って前記上下方向へ延びるサイドシール域と、前記上下端縁に沿って前記幅方向へ延びる上下側シール域とを有し、前記サイドシール域を形成する前記シール部は円形であって、前記上下側シール域を形成する前記シール部は楕円形であるから、外周シール域全体において統一感があり、また、接合部が矩形である場合に比べて、シール面積を減少させることができる。
【0016】
前記耳掛け部は、前記マスク本体の上端部と下端部とに位置し、上下固定域を介して固定された両端部を有し、前記上下固定域は、円形または楕円形の複数の接合部から形成されるから、外周シール域と上下固定域とに配置された接合部の形状が同一又は類似する丸みのある形状を有し、意匠的な統一感が向上するとともに、柔らかなイメージを与えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る使い捨てマスクによれば、マスク本体を構成する基材シートのうちの中間シートのみが着色され、かつ、耳掛部が中間シートと同色に着色されていることから、マスク本体は、ムラの少ない均一的な淡い色合いを有し、マスク全体として意匠性に優れた、統一感のある外観を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明に係る使い捨てマスクの正面図。
図2図1のII−II線に沿う斜視断面図。
図3】マスク本体の平面図。
図4】着用状態におけるマスクの側面図。
図5】(a)図2のV(a)線で囲んだ領域の一部拡大図。(b)図2のV(b)線で囲んだ領域の一部拡大図。
図6】(a)着色不織布と非着色不織布とからなる積層シートの色評価結果を示すLab値の表。(b)図6(a)の表の平均値に基づくグラフ。
図7】着用状態におけるマスクの正面図。
図8】(a)従来のマスクのマスク本体の下端部近傍における一部拡大図、(b)図2のVIII(b)線で囲んだ領域の一部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
下記の実施の形態は、図1図8に示す使い捨てマスクに関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。
【0020】
図1図3を参照すると、本発明の使い捨てマスクの一例として示す、マスク10は、上下方向Y及び幅方向Xを有し、肌対向面及びそれに対向する非肌対向面と、上下方向Yの寸法を2等分する横断中心線Qと、マスク本体20と、マスク本体20の両側縁20c,20dから延びる一対の環状の耳掛け部30とを含む。
【0021】
マスク本体20は、基材シート21から形成されており、幅方向Xへ直状に延びる上端縁20aと、下方へ僅かに凸曲して幅方向Xへ延びる下端縁20bと、上下端縁20a,20b間において上下方向Yへ延びる両側縁20c,20dとを有する。マスク本体20の下端縁20bは、幅方向Xへ直状に延びる中央部位19aと、中央部位19aの幅方向Xの両側に位置に位置して両側縁20c,20dから中央部位19aまで曲状に延びる一対のサイド曲状部位(両側部位)19b,19cとを有する。また、マスク本体20は、耳掛け部30の上下固定域34A,34Bの内側縁から幅方向Xの外側に位置する両側部18を有する。
【0022】
マスク本体20は、さらに、上下端縁20a,20bと両側縁20c,20dとが交差する曲状の隅部17を有する。隅部17が、先鋭状ではなく曲状を有することによって、着用者の顔面が隅部17に触れても刺激を与えることはない。
【0023】
マスク本体20(マスク10)の上下方向Yの寸法(両側縁20c,20dの長さ寸法)L1は、60〜100mm、幅方向Xの寸法(上下端縁20a,20bの長さ寸法)W1は、140〜180mmである。マスク本体20の上下方向Yの寸法L1が、60mm以下の場合には、大人の着用者の標準的な大きさの顎部を十分に被覆することができず、一方、寸法L1が100mmよりも大きい場合には、マスク本体20の下端が顎から下方へ離間して、正面視において、実際よりも面長な印象を与えてしまうおそれがある。
【0024】
マスク本体20を形成する基材シート21は、肌対向面側に位置する内層シート25と、非肌対向面側に位置する外層シート26と、それらの間に介在された中間シート27とから構成されている。内外層シート25,26及び中間シート27は、マスク本体20の外周縁に沿って断続的に延びる外周シール域(外周高剛性域)40によって互いに接合されている。外周シール域40は、その延在方向へ所定寸法離間して配置された複数の接合部41A,41Bから形成される。外周シール域40は、マスク本体20の上端縁20aに沿って幅方向Xへ断続的に延びる2条のラインからなる上側シール域42と、下端縁20bに沿って幅方向Xへ断続的に延びる下側シール域43と、両側縁20c,20dに沿って上下方向Yへ断続的に延びるサイドシール域44とを有する。
【0025】
内層シート25と外層シート26とは、例えば、熱融着性繊維を含む質量10〜40g/mの通気性を有する、着色されていない繊維不織布(非着色不織布)であって、比較的に全光線透過率の高いシート材料、例えば、スパンボンド繊維不織布、SMS繊維不織布及びエアスルー繊維不織布等の各種公知の繊維不織布やプラスチックフィルムから形成することができる。本実施形態においては、内外層シート25,26として、着色されていない白色のスパンボンド繊維不織布が使用されている。中間シート27は、内外層シート25,26間に位置して微粒子のフィルター機能を有するものであって、中間シート27は、マスク10の用途に応じて、適宜、抗菌剤、芳香剤等を含浸させていてもよい。
【0026】
中間シート27は、白色以外の色、本実施形態においてはピンク色、に着色された不織布(着色不織布)であって、メルトブローン繊維不織布から形成されている。メルトブローン繊維不織布は、製造工程において、ノズルから熱風を吹き付けながら押し出した比較的に繊度の小さな極細繊維(微細繊維)をネット上に集積してウエブ状に形成したものであって、繊維密度が高く、平面視における繊維間隙が比較的に小さくなっている。中間シート27の着色不織布に使用する着色顔料は、この種の分野において通常される有機系または無機系のものであって、着色顔料の代わりに染料を使用することもできる。
【0027】
外周シール域40は、断続的に配置された複数の接合部41A,41Bにおいて内外層シート25,26と中間シート27とを互いに溶着する溶着シールラインであって、互いに重なり合うこれらのシート25−27は外周シール域40においてのみ接合され、他の部分において互いに接合されていない。したがって、これらのシート25−27の対向面全体が互いに接合されている場合に比して、マスク10全体は柔軟性及び通気性に優れる。上側シール域42のシールライン間の上下方向Yの離間寸法は、下側シール域43のシールライン間の上下方向Yの離間寸法よりも大きくなっている。
【0028】
図2を参照すると、外周シール域40の接合部41A,41Bは、曲状であって、サイドシール域44を形成する接合部41Aは円形、上下側シール域42,43を形成する接合部41Bは、上下側シール域42,43の延在する幅方向Xへ長い楕円形状を有する。
【0029】
耳掛け部30は、好ましくは弾性的に伸縮可能なものであって、断面円形の丸ゴムや断面矩形の平ゴムから形成されている。耳掛け部30は、全体的に中間シート27を形成する着色不織布と同系色に着色されている。ここで、同系色とは、同一の色を含む同系統の色であって、色相が同じまたは近似する色(色相環で、隣り合う色や近くに位置する色)を意味し、例えば、中間シート27が緑色であって耳掛け部30が黄緑色、中間シート27が赤色であって耳掛け部30がピンク色の場合等を含むものである。本実施形態においては、中間シート27と耳掛け部30とが、ともに、ピンク色に着色されている。
【0030】
耳掛け部30は、マスク本体20の上端部と下端部に位置する一対の上下端(固定両端部)31A,31Bと、上下端31A,31B間において環状に延びる自由部32とを有する。上端31Aは、マスク本体20の上端縁20a側において上固定域34Aを介して固定され、下端31Bは、下端縁20b側において下固定域34Bによって固定されている。上下固定域34A,34Bは、複数の接合部41Cを配置して形成された縦長楕円状又は角丸矩形状であって、上下端31A,31Bよりも一回り大きな外形を有し、上下端31A,31Bをマスク本体20に溶着又は接着している。
【0031】
上下固定域34A,34Bが、上下端31A,31Bの外形よりも大きいことによって、上下端31A,31Bは、マスク本体20に対して所要の剥離強度を有し、着用中に上下端31A,31Bにそれを剥離しようとする力が作用しても、容易に剥離することはない。また、上下固定域34A,34Bを構成する接合部41Cの一部は、上下側シール域42,43を形成する接合部41Bと重なっており、かかる互いに重なり合う部分においてより接合強度が高くなっている。耳掛け部30の上下端31A,31Bは、上下固定域34A,34Bによってマスク本体20の非肌対向面に固定されている。自由部32の両端が、マスク本体20の非肌対向面に固定されていることによって、着用状態において、自由部32の両端がマスク本体20を顔面に押し当てるように作用し、マスク本体20の密着性を向上させることができる。
【0032】
図2,3及び図5(a)を参照すると、内層シート25と中間シート27との上下端縁部は、外層シート26の上下端縁部よりも上下方向Yの外側へ延出している。かかる上下延出部が上下方向Yの内側へ曲状に折り曲げられて、上側シール域42と下側シール域43を介して外層シート26の非肌対向面側に固定されることによって、上下折曲部分35,36が形成されている。上折曲部分35は下折曲部分36よりも上下方向Yの寸法が大きく、上固定域34Aは上折曲部分35に位置している。一方、下折曲部分36は下固定域34Bの下方に位置している。
【0033】
上側シール域42のシールライン間には、幅方向Xへ延びる帯状部材(ノーズフィット)60が配置されている。帯状部材60は、上折曲部分35と外層シート26との間に介在されており、具体的には、上側シール域42を形成する2つのシールライン間に形成された筒状の空間内に挟持固定されている。帯状部材60の両端の幅方向の外側には、帯状部材60の幅方向Xへの移動を規制するための接合部41Dが配置されている。帯状部材60は、白色であって、それが外層シート26のみから被覆されている場合には、白色が透過して淡いピンク色を有するマスク本体において目立つので、色の統一感が損なわれるおそれがある。また、例えば、帯状部材がマスク本体の外面に貼付されているのみの場合や1枚の外面シートのみで被覆されている等の場合には、着用状態において帯状部材が湾曲したときに、マスク本体から外に飛び出すように外れ出てしまうおそれがある。一方、非着色の中間シートと内面シートとからなる折曲部分で被覆した場合には、帯状部材の飛び出しは防止することができるが、帯状部材の白色と相俟って被覆部分の大部分が濃い白色となって、マスク全体の統一感が損なわれるおそれがある。したがって、本実施形態のように、着色された中間シート27を含む上折曲部分35によって被覆されることによって、マスク本体のピンク色と同色系の薄いピンク色となるので、マスク全体の色の統一感と帯状部材60の飛び出し防止とを両立することができる。
【0034】
マスク本体20は、上端縁20aから上固定域34Aまで延びる上端部22と、下端縁20bから下固定域34Bまで延びる下端部23と、上下端部22,23間に位置する中間部24とをさらに有する。中間部24は、基材シート21をプリーツ状に折り曲げて形成された幅方向Xへ延びる複数の襞部28を有する。襞部28は、上側から順に、マスク本体20の非肌対向面側において上向きに凸となる第1〜第3襞部28A〜28Cと、第3襞部28Cの下方において下向きに凸となる第4襞部28Dとを有する。基材シート21は、第3襞部28Cと第4襞部28Dとにおいて、断面Ω状に折り曲げられている。したがって、横断中心線Qの下方において、基材シート21が折り重ねられてそれが複数に積層された重畳部分29Aと、第3襞部28Cと第4襞部28Dとの間に位置する、基材シート21が折り重ねられていない、単層構造を有する非重畳部分29Bとが位置する。
【0035】
図4を参照すると、本実施形態に係る使い捨てマスク10においては、上端部22において中央側から両側部18へ向かう力F3と、耳掛け部30の自由部32を後方へ引っ張る力F5が生じることによって、上固定域34Aには、下方へ向かう力F1が作用する。一方、下端部23において着用者の顎が当接された中央部から両側部へ向かう力F4、耳掛け部30の自由部32においてそれを斜め上方へ引っ張る力F6が作用することによって、下固定域34Bには、上方へ向かう力F2が作用する。
【0036】
マスク10では、中間部24において、基材シート21を折り重ねて形成された重畳部分(高剛性域)29Aからなる第3襞部28Cと第4襞部28Dとの間に位置する単層構造を有する非重畳部分(低剛性域)29Bが、横断中心線Qよりも下方に配置されていることによって、下固定域34Bに作用する上方へ向かう力F2を非重畳部分29Bにおいて吸収、分散することができる。非重畳部分29Bにおいてかかる力F2を吸収、分散することによって、マスク本体20の両側部18における変形を抑制することができる。
【0037】
近年、花粉やウイルスの感染を防止するために使い捨てマスクを着用することに加えて、若い女性を中心としてファッションの一部として使い捨てマスクを着用する傾向がある。そのために、意匠性の高いマスクの需要が求められており、マスク本体及び/又は耳掛け部が赤色や青色等に着色されたマスクが製造、販売されている。しかし、マスク本体を形成する基材シート全体を着色した場合には、肌対向面側に位置する内層シートも着色加工が施されることになるので、繊維不織布本体の柔軟性や風合いが損なわれて、着用者に対して、ごわごわとした触感を与えるおそれがある。特に、そのような意匠性の高いマスクを好む女性や子供は、顔の肌が比較的に刺激に弱く、マスクの内面が柔軟性の低いシート材料から形成されている場合には、違和感を与えたり、肌に刺激を与えるおそれがある。
【0038】
また、非肌対向面側に位置する外層シートに着色加工を施す場合には、着色された繊維不織布が外部に露出された状態となるので、繊維に混合される着色顔料の色合いや量を調整しても、主として女性の着用者が好むような淡い色合いを付すことは困難である。
【0039】
本実施形態に係る使い捨てマスクにおいては、マスク本体20を形成する基材シート21のうちの中間シート27のみが着色されており、耳掛け部30が中間シートと同色系に着色されていることから、マスク全体として同色系にまとめらえて意匠的に統一感のある外観を有するとともに、外部に着色された繊維不織布が露出しないので、マスク本体20の内外面全体が淡い色合いを有することができる。また、肌対向面側に位置する内層シート25が着色されていないことによって、繊維不織布本来の柔軟性や風合いが損なわれることはなく、肌をいたずらに刺激することはない。
【0040】
また、耳掛け部の色がマスク本体と異なる場合には、マスクの外面視において、耳掛け部の上下端部のみが異なる色となって目立ち、意匠的な統一感が損なわれるおそれがある。かかる外観上の問題を避けるために、耳掛け部の上下端部をマスク本体の肌対向面側(内面側)に固定することも考えられるが、その場合には、着用したときに上下端部がマスク本体を顔面に密着させるように作用することができない。本実施形態においては、耳掛け部30の上下端31A,31Bがマスク本体20の外面に固定されていることから着用したときに耳掛け部30の引張力によってマスク本体20を顔面に押し当てるように作用し、かつ、マスク本体20と同色系の色を有していることから、上下端31A,31Bがマスク本体20の外面に位置していても、それが異なる色を有して意匠的な統一感を低減させることない。
【0041】
また、マスク本体20を着用者の鼻梁部にフィットさせるための白色の帯状部材60は、肌対向面側及び非肌対向面側の両側において、着色された中間シート27によって被覆されていることから、その外形が目立たず、マスクをファッションの一部として捉える若い女性であっても、抵抗感なく着用することができる。本実施形態においては、マスク本体20及び耳掛け部30の色としてピンク色を採用することによって、白色や青色、黄色等の他の色よりも顔面の肌の色に近くなり、より抵抗感なく着用することができ、化粧をした女性の肌色のファンデーションやピンク色や紅色等の暖色系の口紅がマスク10の内面に付着しても、マスクの内面が白色の場合に比べて、目立つことはない。
【0042】
マスク10の製造上及びコスト上の利点についていえば、マスク10を高速生産するときに、マスク本体20の幅方向Xを機械方向MDとして資材を連続的に搬送して各工程を通過することになるが、例えば、中間シート27を形成する着色不織布が機械方向と交差する方向CDへ位置ブレしても、上下折曲部分35,36で折り返して調整されるので、マスク本体20の主体部分(上下折曲部分35,36以外の部分)の着色領域にバラつきが生じることはない。また、提供する資材のうちの耳掛け部30の材料となる連続弾性材料と中間シート27の資材となる連続繊維ウエブとにのみ着色加工を施せばよいので、マスク10を構成する資材すべてを着色する場合に比べて、製造コストを抑えることができる。
【0043】
中間シート27は、内外層シート25,26の繊維不織布の繊維よりも繊度が小さい極細繊維によって構成された繊維不織布から形成されている。具体的には、中間シート27は、製造工程においてノズルから熱風を吹き付けながら押し出された極細繊維をネット上に集積して形成された繊維ウエブからなるメルトブローン繊維不織布であって、内外層シート25、26は、製造工程においてノズルから押し出して延伸してネット上で積層して形成された繊維ウエブからなるスパンボンド繊維不織布であるから、中間シート27の繊維密度は、内外層シート25,26の繊維密度よりも高くなっている。
【0044】
通常、繊維不織布は、プラスチックフィルムに比べて着色加工したときに色ムラが発生しやすいが、中間シート27は、内外層シート25,26に比べて、繊維密度が高く、平面視において、単位面積当たりの繊維間隙の総面積が小さくなっていることから、それを着色したときに、色ムラが比較的に少なくなるといえる。したがって、内外層シート25,26を形成するスパンボンド繊維不織布に比べて、中間シート27を形成するメルトブローン繊維不織布は、色ムラが少なく全体としてほぼ均一に発色されることから、着色による意匠的な統一感が損なわれることはない。
【0045】
内外層シート25,26の全光線透過率は70〜85%であって、中間シート27の全光線透過率は40〜60%である。このように、内外層シート25,26の全光線透過率が比較的に高いことから、着色された中間シート27が透過されて外部から視認されるといえる。また、内外層シート25,26の肌触りを向上させるために、熱処理等の表面平滑加工を施す場合において、シートが着色顔料を含有するときには表面処理が阻害されるおそれがあるが、中間シート27のみが着色顔料を含有して内外層シート25,26は着色顔料を含有していないで、スムーズに表面処理を施すことができる。
【0046】
このように、内外層シート25,26は、平面視における繊維間隙の総面積が大きく、全光線透過率が比較的に高いことから、中間シート27の色を透過しやすいといえるが、その繊維密度が低すぎる場合には、中間シート27の色が濃く視認されて、マスク本体20を想定した色合いとすることができない。一方、中間シート27は、平面視において繊維間隙の総面積が小さく、全光線透過率が比較的に低いことから色ムラが少なくて均一的かつ鮮明な色を有することができるが、その繊維密度が高すぎると、マスク本体20の通気性が阻害されるおそれがある。したがって、内外層シートは、所要の全光線透過率を実現し、かつ、中間シート27の色が濃く視認されないようにするために、その繊維密度は、4.0〜12.0g/cmであり、好ましくは、7.0〜10.0g/cmであることが好ましい。また、中間シート27は、色ムラを抑えて鮮明な色を有し、かつ、マスク本体20の通気性と捕集性の観点から、平均繊維径が2.0〜8.0μmであることが好ましい。
【0047】
再び、図2図5(a),(b)を参照すると、マスク本体20の上下端部22,23に位置する上下折曲部分35,36の配置領域では、外面側から順に、内層シート25(白色)、中間シート27(ピンク色)、外層シート26(白色)、中間シート27(ピンク色)、内層シート25(白色)の順に積層されている。このように、上下折曲部分35,36の配置領域では、着色された中間シート27の積層枚数が2枚であるから、マスク本体20の他の領域に比べて色が濃くなるといえる。しかしながら、中間シート27が外部に露出されておらず、かつ、着色された中間シート27が着色されていない内外層シート25,26間に前後方向Zにおいて交互に積層されてそれらの間に介在された状態となっていることから、太陽光や蛍光灯等の光源下において、白色の内外層シート25,26が光を反射して着色された中間シート27の色合いがぼやけて視認される。それによって、マスク本体20は、中間シート27本来の色合いよりも淡い色合いを有するので、上下折曲部分35,36とその他の部分とにおいて色合いに大きな差異はなく、外部において目立つようなグラデーションが形成されず、全体的に均一な色合いを有することができる。
【0048】
着色された耳掛け部30の上下端31A,31Bは、上下固定域34A,34Bによってマスク本体20の外面において溶着されてフィルム化していることから、マスク本体20の他の部分に比して色が濃くなっている。特に、耳掛け部30の上端31Aは、2枚の着色された中間シート27が積層された上折曲部分35に固定されていることから、下端31Bに比べて色が濃くなっている。したがって、マスク10全体において、耳掛け部30の上端31Aの位置する領域が最も濃い色を有る部分(最濃色部分)であって、ほぼ均一の色合いを有するマスク10の外観視において、アクセントを加えている。
【0049】
また、上下折曲部分35,36において、内層シート25の上下端縁部(上下フラップ部分)25a,25bは、中間シート27の上下端縁部27a,27bよりも上下方向Yへ延在している。そのために、内層シート25の上下端縁部25a,25bの位置する部分では、1枚の着色された中間シート27に対して3枚の着色されてない内外層シート25,26が積層されていることから、マスク本体20のうちで最も色が薄い部分(最薄色部分)50A,50Bとなっている。このように、上下端部22,23において最薄色部分50A,50Bが幅方向Xへライン状に延びていることによって、ほぼ均一の色合いを有するマスク10の外観視において、デザイン的なアクセントを与えている。
【0050】
<シートの色評価>
図6(a)は、ピンク色に着色されたメルトブローン繊維不織布(着色不織布)と、着色されていない、質量約20g/mのスパンボンド繊維不織布(非着色不織布)とを使用した、シートの色評価の結果を示した表、図6(b)は、図6(a)の測定結果を示す表に基づくグラフである。なお、測定に使用した着色不織布の着色顔料の含有率は1.0〜10.0%である。着色顔料の含有率が10.0%を超える場合には、ごわついて繊維不織布としての風合いが損なわれるので、マスク本体の基材シートの構成シートとして不適当であり、また、含有率が1.0%未満の場合には、それが外部に露出した場合であっても、太陽光下において、着色された色を明瞭に視認することができないおそれがある。
【0051】
<測定方法>
光源(LEDライト等)の光をテーブル上に配置された測定対象のシートに対して連続的に照射する。測定には、公知の色彩式差計を使用し、測定対象のシートからの透過光を測定して、測定した光の三刺激値XYZから透過光(Lab)を算出する。測定は、テーブル上に黒色の文鎮を配置し、かつ、文鎮の色(黒)が透けて色差に影響を与えないようにするために、測定する着色繊維不織布と同一の繊維不織布(メルトブローン繊維不織布)を10枚積層してなる積層体を文鎮の上に配置し、該積層体の上に測定対象のシートを配置して行った。また、測定は、対象シートごとに10回(N=10)行い、平均値及び標準偏差(Δ値)を求めた。なお、色という人間の感覚量を数値化したものがLab値であって、一般的に用いられる色の「明度」はLの関数、彩度と色相は、それぞれ、aとbの関数(いわゆる、「色合い」)である。
【0052】
実施例1の測定は、光源側から順に、1枚の非着色不織布と1枚の着色不織布とを重ねた2枚の積層シート、実施例2は、光源側から順に、2枚の非着色不織布と1枚の着色不織布とを重ね合わせた3枚の積層シート、比較例1は、1枚の着色不織布からなる単層シート、比較例2は、3枚の非着色不織布と1枚の着色不織布からなる4枚の積層シートをそれぞれ対象シートとして測定した。
【0053】
図6(a),(b)を参照すると、光源側の枚数が増えるほどにL値が高く、a値は下がっていた。着色不織布をマスク10の基材シート21を構成する中間シート27として使用した場合において、マスク10の外面から着色された色(ピンク色)の視認される色合い(濃淡)は、主にa値の大きさに依るものであって、それらの値が大きいほどに、着色された色が濃くなり、それらの値が小さいほどに、着色された色が薄く、淡い色となる。
【0054】
光源側に位置する非着色不織布が配置されていない場合(比較例1)には、a値が13.0以上となり、比較的に濃いピンク色がマスク10の外面に現れて、繊維不織布としての柔軟な外観が損なわれてしまうおそれがある。その光源側に非着色不織布を配置することでa値を任意に下げることができる。非着色不織布によるマスキング効果によるΔa値は、−0.6〜−1.0/1枚である。実施例1及び実施例2においては、光源側に非着色不織布が1枚又は2枚配置されており、Δa値は、−0.7〜−1.8であって減少させている。このように、外部から視認したときに、マスク本体20は、光源側に着色不織布を配置するよりも淡いピンク色を有し、繊維不織布としての柔軟な外観を損なうことはなく、かつ、光量が比較的に小さい場合であっても、着色された色を視認することができるといえる。
【0055】
図7は、着用状態におけるマスク10の正面図である。マスク本体20の下端部23は、着用者の顎部に沿う下方へ凸曲した形状を有することから、顔面にフィットして、空気中の花粉や粉塵等が入り込むような隙間が発生し難くなっている。また、マスク本体の四隅が先鋭状の場合には、肌が触れたときに刺激を与えるとともに、着用したときに丸みのある顔面形状に沿わないことから、顔面が大きく見えるような印象を与えるおそれがある。本実施形態に係るマスク10においては、上端縁20aと、マスク本体20の下方へ凸曲した形状を有する下端縁20bと、両側縁20c,20dとが互いに交差する隅部17が曲状であることから、マスク本体20が顔面形状に沿う丸みのある柔軟な印象を与えることができる。
【0056】
また、外周シール域40のうちの隅部17に位置する角部が、隅部17の形状に沿う曲状であって、外周シール域40全体がマスク本体20の外形ラインに沿うラウンド形状を有することから、マスク本体の形状を相俟って、着用者に対してさらに丸みのある柔軟な印象を与えることができる。さらに、外周シール域40を形成する接合部41A,41B、すなわち、サイドシール域44を形成する接合部41Aが円形であって、上下側シール域42,43を形成する接合部41Bが横長の楕円形状であることから、マスク本体20、外周シール域40の形状と併せて、より丸みのある柔軟な印象を与えることができる。
【0057】
さらにまた、耳掛け部30の上下端31A,31Bを固定するための上下固定域34A,34Bは縦長楕円状又は角丸矩形状であって、それを形成する接合部41Cは、接合部41Bとほぼ同形同大の楕円状である。このように、マスク本体20、外周シール域40の外形ライン、上下固定域34A,34B、並びに、各接合部41A,41B,41Cがすべて曲状であることから、マスク10は、外観において、先鋭状部分のない、全体として丸みのある柔らかな印象を与えることができる。
【0058】
図8(a)は、従来のマスク110のマスク本体120の下端部近傍における一部拡大図、図8(b)は、図2のVIII(b)線で囲んだ領域の一部拡大図である。
従来のマスク110と本実施形態のマスク10とは、外周シール域40,140の各接合部41A,41B,141A,141Bの構成及び従来のマスク10が着色不織布を有していない点を除き、同一の構成を有する。
【0059】
従来のマスク110においては、外周シール域140の接合部141A,141Bの形状が本実施形態のマスクの接合部41A,41Bと異なり、サイドシール域144を形成する接合部141Aが上下方向へ延びる矩形状、下側シール域143を形成する接合部141Bが幅方向Xへ延びる矩形状である。図示していないが、従来のマスク110の外周シール域140は、マスク本体120の外形に沿う環状であって、上側シール域も複数の接合部141Bから形成されている。
【0060】
従来のマスク110において、マスク本体120の表面積に対する接合部141A,141Bの総面積率は、2.5〜3.0%である。また、マスク本体120の一方の側縁120d(他方の側縁も同じ)から幅方向Xの内方へ1cm延びた幅寸法を有する帯状領域の面積に対する該領域内の接合部141A,141Bの総面積率は、5.0〜8.0%である。また、各接合部141A,141Bの面積は、1.2〜1.6mmである。
【0061】
図8(b)を参照すると、本実施形態に係るマスク10の外周シール域40を形成する各接合部41A,41Bは曲状であって、マスク本体20の表面積に対する接合部41A,41Bの総面積率は、1.8〜2.2%である。また、マスク本体20の側縁20d(側縁20cも同じ)から幅方向Xの内方へ1cm延びた幅寸法を有する帯状領域の面積に対する該領域内の接合部41A,41Bの総面積率は、2.5〜3.5%である。また、各接合部41A,41Bの面積は、0.8〜1.2mmである。
【0062】
このように、マスク本体20の接合部41A,41Bを矩形状ではなく、円形及び楕円形にすることによって、マスク本体20の表面積に対するシール領域の面積率を低くすることができ、特に、サイドシール域44を形成する接合部41Aは、それを矩形状にする場合に比べて、1個当たりのシール面積は60%程度の大きさとなる。それによって、サイドシール域44のシール強度が抑制されて、着用したときに、より頬に対して柔らかに追従させることができる。
【0063】
マスク10を構成する部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書において使用されている「第1」及び「第2」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。
【符号の説明】
【0064】
10 使い捨てマスク
17 隅部
20 マスク本体
20a 上端縁
20b 下端縁
20c 側縁
20d 側縁
21 基材シート
22 上端部
23 下端部
25 内層シート
26 外層シート
27 中間シート
28 襞部
30 耳掛け部
34A 上固定域
34B 下固定域
35 上折曲部分
36 下折曲部分
40 外周シール域
41A 接合部
41B 接合部
41C 接合部
41D 接合部
42 上側シール域
43 下側シール域
44 サイドシール域
60 帯状部材
X 幅方向
Y 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2018年8月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向及び幅方向を有し、内面及び外面を有するマスク本体と、前記マスク本体の両側縁から延びる一対の耳掛け部とを含む使い捨てマスクにおいて、
前記マスク本体は、基材シートから形成されており、前記基材シートを折り重ねて形成されて前記上下方向へ並ぶ複数の襞部を有し、
前記基材シートは、前記内面側に位置する内層シートと、前記外面側に位置する外層シートと、前記内外層シート間に介在された中間シートとを有し、
前記内外層シートは、前記中間シートよりも全光線透過率が高く、
前記基材シートのうちの前記中間シートのみ着色されており、
前記内層シートと前記中間シートとの一部が前記外層シートの外面に固定されることによって上下折曲部分が形成され、
前記上下折曲部分は、前記内層シートのみから形成された部分を有することを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記基材シートは、繊維不織布から形成されており、前記中間シートは、前記内外層シートの繊維不織布の繊維よりも繊度が小さい極細繊維によって構成された繊維不織布から形成されている請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記マスク本体は、前記上折曲部分と前記外層シートとの間に介在して位置し、前記幅方向へ延びるプラスチック製の帯状部材をさらに有し、前記帯状部材は白色である請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記内外層シートは、スパンボンド繊維不織布から形成されており、前記中間シートは、前記極細繊維を使用したメルトブローン繊維不織布から形成されており、平面視において、単位面積当たりにおける前記中間シートの繊維間隙の総面積が、単位面積当たりにおける前記内外層シートの繊維間隙の総面積よりも小さい請求項2に記載のマスク。
【請求項5】
前記内外層シートを形成する繊維不織布の全光線透過率は70〜85%であって、前記中間シートを形成する繊維不織布の全光線透過率は40〜60%である請求項1〜4のいずれかに記載のマスク。
【請求項6】
前記マスク本体は、下端縁が下方へ凸曲した形状を有し、上端縁及び前記下端縁と前記両側縁とが交差する隅部が曲状である請求項1〜5のいずれかに記載のマスク。
【請求項7】
前記内外層シート及び前記中間シートは、前記マスク本体の外形縁に沿う外周シール域を介して互いに接合されており、前記外周シール域は前記マスク本体の外形ラインに沿うラウンド形状を有する請求項1〜6のいずれかに記載のマスク。
【請求項8】
前記外周シール域は、円形または楕円形の複数のシール部から形成されている請求項7に記載のマスク。
【請求項9】
前記外周シール域は、前記マスク本体の前記両側縁に沿って前記上下方向へ延びるサイドシール域と、前記上下端縁に沿って前記幅方向へ延びる上下シール域とを有し、前記サイドシール域を形成するシール部は円形であって、前記上下側シール域を形成するシール部は楕円形である請求項7又は8に記載のマスク。
【請求項10】
前記耳掛け部は、前記マスク本体の上端部と下端部とに位置し、上下固定域を介して固定された両端部を有し、前記上下固定域は、円形または楕円形の複数の接合部から形成される請求項1〜9のいずれかに記載のマスク。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る使い捨てマスクは、前記マスク本体は、基材シートから形成されており、前記基材シートを折り重ねて形成されて前記上下方向へ並ぶ複数の襞部を有し、前記基材シートは、前記内面側に位置する内層シートと、前記外面側に位置する外層シートと、前記内外層シート間に介在された中間シートとを有し、前記内外層シートは、前記中間シートよりも全光線透過率が高く、前記基材シートのうちの前記中間シートのみ着色されており、前記内層シートと前記中間シートとの一部が前記外層シートの外面に固定されることによって上下折曲部分が形成され、前記上下折曲部分は、前記内層シートのみから形成された部分を有することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記マスク本体は、前記上折曲部分と前記外層シートとの間に介在して位置し、前記幅方向へ延びるプラスチック製の帯状部材をさらに有し、前記帯状部材は白色であるから、帯状部材がその内外面側に位置する着色不織布からなる中間シートに介在された状態となるので、内外面側から白色の帯状部材が目立つことはない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
前記マスク本体は、下端縁が下方へ凸曲した形状を有し、上端縁及び前記下端縁と前記両側縁とが交差する隅部が曲状であるから、マスク本体が全体的に丸みのある外観を有し、全体的に矩形である場合に比して、柔らかな印象を与えることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
前記外周シール域は、前記マスク本体の前記両側縁に沿って前記上下方向へ延びるサイドシール域と、前記上下端縁に沿って前記幅方向へ延びる上下側シール域とを有し、前記サイドシール域を形成するシール部は円形であって、前記上下側シール域を形成するシール部は楕円形であるから、外周シール域全体において統一感があり、また、接合部が矩形である場合に比べて、シール面積を減少させることができる。

手続補正6 削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5