特開2018-206467(P2018-206467A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-206467(P2018-206467A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】透明導電膜
(51)【国際特許分類】
   H01B 5/14 20060101AFI20181130BHJP
   C01G 35/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H01B5/14 A
   C01G35/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-106343(P2017-106343)
(22)【出願日】2017年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100144211
【弁理士】
【氏名又は名称】日比野 幸信
(72)【発明者】
【氏名】須田 具和
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明久
【テーマコード(参考)】
4G048
5G307
【Fターム(参考)】
4G048AA03
4G048AB01
4G048AB06
4G048AC04
4G048AC08
4G048AD02
4G048AE05
5G307FA01
5G307FB01
5G307FC09
5G307FC10
(57)【要約】
【課題】透明性及び導電性に優れ、さらに高い硬度を有する透明導電膜を提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係る透明導電膜は、下地上に成膜された透明導電膜である。上記透明導電膜は、酸化スズと、1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタルと、0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブとを含む。このような透明導電膜は、酸化スズと、1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタルと、0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブとを含むので、高い硬度を有し、さらに透明性及び導電性に優れたものになる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地上に成膜された透明導電膜であって、
酸化スズと、
1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタルと、
0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブと
を含む透明導電膜。
【請求項2】
請求項1に記載の透明導電膜であって、
前記透明導電膜は、1000nm以下の厚みを有する
透明導電膜。
【請求項3】
請求項1または2に記載の透明導電膜であって、
前記透明導電膜は、100Ω/sq.以下のシート抵抗を有する
透明導電膜。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の透明導電膜であって、
前記透明導電膜は、3500μΩ・cm以下の抵抗率を有する
透明導電膜。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の透明導電膜であって、
前記透明導電膜は、1000kgf/mm以上のビッカース硬度を有する
透明導電膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明導電膜に関する。
【背景技術】
【0002】
表面保護膜の代表的なものに、DLC(Diamond Like Carbon)膜がある。DLC膜は、例えば、sp結合とsp結合とを含み、sp結合の比率が多ければダイヤモンド性となり、sp結合の比率が多ければグラファイト性になる。例えば、sp結合の比率が高いと、DLC膜では、透明性、高硬度性、絶縁性が優位になり、sp結合の比率が高いと、非透明性、低硬度性、導電性が優位になる。DLC膜は、温度センサの表面保護膜に用いられたり(例えば、特許文献1参照)、表示パネルの表面保護膜に用いられたりする(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−207396号公報
【特許文献2】特開2013−130854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表面保護膜として低抵抗の仕様が要求された場合、DLC膜においてsp結合の比率を増加させると、その抵抗は下がるものの、膜の透明性が低減し、硬度が低くなってしまう。一方、DLC膜においてsp結合の比率を増加させると透明性及び硬度は向上するものの、抵抗が上昇してしまう。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、透明性及び導電性に優れ、さらに高い硬度を有する透明導電膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る透明導電膜は、下地上に成膜された透明導電膜である。上記透明導電膜は、酸化スズと、1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタルと、0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブとを含む。
このような透明導電膜は、酸化スズと、1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタルと、0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブとを含むので、高い硬度を有し、さらに透明性及び導電性に優れたものになる。
【0007】
上記透明導電膜は、1000nm以下の厚みを有してもよい。
このような薄い透明導電膜においても、高い硬度を有し、さらに透明性及び導電性に優れたものになる。
【0008】
上記透明導電膜は、100Ω/sq.以下のシート抵抗を有してもよい。
このような透明導電膜によれば、シート抵抗が100Ω/sq.以下になり、導電性に優れたものになる。
【0009】
上記透明導電膜は、3500μΩ・cm以下の抵抗率を有してもよい。
このような透明導電膜によれば、抵抗率が3500μΩ・cm以下になり、導電性に優れたものになる。
【0010】
上記透明導電膜は、1000kgf/mm以上のビッカース硬度を有してもよい。
このような透明導電膜によれば、ビッカース硬度が1000kgf/mm以上になり、硬度が優れたものになる。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように、本発明によれば、透明性及び導電性に優れ、さらに高い硬度を有する透明導電膜が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る透明導電膜を形成する成膜装置の概略断面図である。
図2】本実施形態に係る透明導電膜の光学特性を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。
【0014】
図1は、本実施形態に係る透明導電膜を形成する成膜装置の概略断面図である。
【0015】
本実施形態に係る透明導電膜は、例えば、図1に示すマグネトロン方式のスパッタリング装置1により形成される。スパッタリング装置1は、真空容器10、ガス導入配管15、基板トレイ16、成膜源20、電源21A、21B及び真空排気ポンプ30等を具備する。
【0016】
真空容器10は、上端が開口した容器本体101と、容器本体101の上端を覆う蓋体102とを有する。真空容器10は、グランド電位になっている。真空容器10の側壁には、開口10hが設けられている。開口10hには、ゲートバルブ11が設置されている。真空容器10は、ゲートバルブ11を介して、例えば、他の真空容器に連結されている。
【0017】
真空容器10は内部に処理室103を画成している。処理室103は、真空排気ポンプ30によって減圧状態(例えば、1×10−5Pa以下)に維持されることが可能になる。真空排気ポンプ30は、例えば、ターボ分子ポンプと、その排圧側に接続されたロータリーポンプとにより構成される。また、真空容器10には、処理室103内に放電ガスを導入するためのガス導入配管15が真空容器10に設けられている。放電ガスは、例えば、アルゴン及び酸素の少なくとも1つを含む。放電ガスは、アルゴン、酸素に限らない。
【0018】
処理室103には、基板50を支持するための基板トレイ16が設置されている。基板トレイ16は、回転軸17を中心に回転可能である。基板トレイ16と蓋体102との間には、ヒータ機構等の温度調整器18が設けられている。基板トレイ16は、例えば、グランド電位になっている。基板トレイ16には、複数の基板50を設置できる。基板トレイ16は、回転軸17に対して脱着可能であり、例えば、複数の基板50を基板トレイ16とともに、処理室103内外に搬送することができる。
【0019】
基板トレイ16下には、成膜源20が配置されている。成膜源20は、基板トレイ16に対向する。図1の例では、成膜源20として、複数のカソードユニット20A、20Bが例示されている。カソードユニット20Aは、ターゲット201A、バッキングプレート202A及びマグネット203Aを有する。カソードユニット20Bは、ターゲット201B、バッキングプレート202B及びマグネット203Bを有する。
【0020】
カソードユニット数は、図示された数に限らない。ターゲット201A、201Bは、スパッタリング源であるとともに、カソード電極でもある。基板50とターゲット201A、201Bとの間の距離は、例えば、60mm以上300mm以下である。
【0021】
ターゲット201A、201Bのいずれかは、酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブを含む。または、ターゲット201Aは、酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブの少なくとも2つの材料を含み、ターゲット201Bが酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブの中からターゲット201Aの材料を除く材料を含んでもよい。または、カソードユニット20A、20B以外に別のカソードユニットを処理室103に設け、ターゲット201Aが酸化スズを含み、ターゲット201Bが酸化タンタルを含み、残りのターゲットが酸化ニオブを含んでもよい。
【0022】
ターゲット201A、201Bのそれぞれの平面形状は、例えば、円形である。例えば、それぞれの直径は、4インチである。ターゲット201Aには、スパッタリング時に、電源21Aからケーブル22Aを介して、1W/cm以上3W/cm以下の電力が供給される。ターゲット201Bには、スパッタリング時に、電源21Bからケーブル22Bを介して、1W/cm以上3W/cm以下の電力が供給される。
【0023】
マグネット203Aは、バッキングプレート202Aの背面側に設置される。マグネット203Aから発せられる磁場は、バッキングプレート202Aを介して、ターゲット201Aの表面に漏洩する。マグネット203Bは、バッキングプレート202Bの背面側に設置される。マグネット203Bから発せられる磁場は、バッキングプレート202Bを介して、ターゲット201Bの表面に漏洩する。
【0024】
ターゲット201Aの表面は、所定の距離を隔ててシャッタ23Aによって覆われたり(閉状態)、または、シャッタ23Aから開放されて処理室103に露出されたりする(閉状態)。ターゲット201Bの表面は、所定の距離を隔ててシャッタ23Bによって覆われたり、シャッタ23Bから開放されて処理室103に露出されたりする。
【0025】
本実施形態では、一例として、ターゲット201Aがスパッタリング源となって、基板50に酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブを含む透明導電膜が形成される例を示す。すなわち、ターゲット201Aが酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブを含み、シャッタ23Aが開状態でターゲット201Aがスパッタリング源となって、基板50に酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブを含む透明導電膜が成膜される。なお、スパッタリング時には、シャッタ23Bは、閉状態である。
【0026】
ターゲット201Aは、例えば、主成分である酸化スズ(SnO)と、1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタル(Ta)と、0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブ(Nb)とを含む。ターゲット201Aにおいては、例えば、96.8wt%以上98.2wt%以下の酸化スズが含まれる。
【0027】
一例として、ターゲット201Aにおいては、酸化スズが主成分となり、2.0wt%の酸化タンタルと、0.5wt%の酸化ニオブとが含まれる。この場合、ターゲット201Aにおいては、例えば、97.5wt%の酸化スズが含まれる。酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブのそれぞれの組成は、化学両論組成のほか、化学両論組成に近い組成でもよい。
【0028】
電源21A、21Bのそれぞれは、例えば、DC電源、RF電源(周波数:13.56MHz)またはDCパルス電源(パルス周波数:5kHz以上400kHz以下)のいずれかである。ターゲット201Aは、ケーブル22Aを介して電源21Aに接続されている。ケーブル22Aの中途には、整合回路が設けられてもよい。ターゲット201Bは、ケーブル22Bを介して電源21Bに接続されている。ケーブル22Bの中途には、整合回路が設けられてもよい。
【0029】
スパッタリング装置1では、処理室103が所定圧力の放電ガスに維持された状態で、所定パワーの電力が電源21Aからターゲット201Aに印加される。これにより、処理室103には、プラズマが発生して、プラズマ中のイオンがターゲット201Aをスパッタリングする。この結果、ターゲット201Aから放出されたスパッタリング粒子が基板50上に堆積する。つまり、基板50の表面に、透明導電膜が成膜される。放電ガスは、例えば、酸素ガスまたは酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスである。
【0030】
また、スパッタリング装置1は、マグネトロン方式を採用しているため、ターゲット201A近傍では、電子のトラッピング効果が促進して、放電ガスが効率よく電離する。これにより、放電ガス中のイオンが高い頻度でターゲット201Aに衝突し、スパッタリング粒子がターゲット201Aから効率よく放出される。スパッタリング時における真空容器10内のガス雰囲気は、0.1Pa以上10Pa以下である。
【0031】
透明導電膜の下地である基板50としては、例えば、サファイア基板、ガラス基板、半導体基板等が用いられる。基板50には、その表面に導電膜、導電膜パターン、絶縁膜(無機物、有機物)、絶縁膜パターン等が形成されてもよい。スパッタリング時には、基板50の温度は、例えば、25℃(室温)以上300℃以下に制御される。基板50の平面形状は、例えば、矩形であり、一辺の長さが30mm以上200mm以下である。
【0032】
成膜条件の例を以下に示す。
ターゲット材:酸化スズ(97.5wt%)/酸化タンタル(2.0wt%)/酸化ニオブ(0.5wt%)
電力:2W/cm(DC電源)
アルゴン分圧:0.5Pa
酸素分圧:2×10−2Pa
基板温度:室温
膜アニール(成膜後):250℃、1時間(大気雰囲気)
ここで、酸素分圧は、一例であり、酸素分圧を調整することにより透明導電膜中の酸素濃度が適宜調整され、その抵抗率が所望の値に調整される。また、透明導電膜の厚みは、1000nm以下である。
【0033】
本実施形態において、基板50上に成膜される透明電極膜は、例えば、センサの表面保護膜、ESD(Electro Static Discharge)対策用の表面保護膜、表示パネルの表面保護膜等に適用される。基板50上に成膜される透明電極膜は、透明性、導電性に優れ、且つハードコーティグに適している。
【0034】
以下、基板50上に成膜される透明電極膜について説明する。
【0035】
透明導電膜は、主成分である酸化スズ(SnO:1.5≦x≦2)と、1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタル(Ta:3.5≦y≦5)と、0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブ(Nb:3.5≦z≦5)とを含む。透明導電膜には、例えば、96.8wt%以上98.2wt%以下の酸化スズが含まれる。酸化スズ、酸化タンタル及び酸化ニオブのそれぞれの組成は、化学両論組成でもよく、化学両論組成に近い組成でもよい。化学両論組成に近い組成とは、例えば、酸素が若干欠損状態にある組成である。
【0036】
一例として、透明導電膜においては、酸化スズが主成分となり、2.0wt%の酸化タンタルと、0.5wt%の酸化ニオブとが含まれる。例えば、透明導電膜における酸化スズの濃度は、97.5wt%である。このような透明導電膜は、酸化スズと、1.5wt%以上2.5wt%以下の酸化タンタルと、0.3wt%以上0.7wt%以下の酸化ニオブとを含むので、高い硬度を有し、さらに透明性及び導電性に優れたものになる。
【0037】
例えば、1000kgf/mm以上のビッカース硬度を有する。また、透明導電膜は、可視光領域において、76%以上の光透過率を有する。さらに、透明導電膜は、100Ω/sq.以下のシート抵抗を有し、3500μΩ・cm以下の抵抗率を有する。
【0038】
なお、透明導電膜には、ターゲット材の製造過程において導入される、微量なアルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)等の元素が含まれる場合がある。透明導電膜に、微量元素(Al、Zr等)が含まれたり、含まれなかったりしても、本実施形態では、実質的に同じ効果が得られる。なお、副成分としては、上記の酸化物のほか、第3族元素のいずれかが該当する。
【0039】
次に、透明導電膜の具体的な効果について説明する。
【0040】
図2は、本実施形態に係る透明導電膜の光学特性を表すグラフ図である。図2の横軸は、波長(nm)であり、縦軸は、光透過率(%)である。
【0041】
図2には、透明導電膜が形成されたサファイア基板の光透過率(Aライン)と、サファイア基板の光透過率(Bライン)とが示されている。Bラインは、透明導電膜付きのサファイア基板の光透過率のバックグラウンドに相当する。ここで、サファイア基板の厚みは、0.5mmである。透明導電膜の厚みは、360nmである。
【0042】
図2に示すように、400nm以上の波長帯域では、透明導電膜付きのサファイア基板の光透過率は、65%以上83%以下となった。サファイア基板の光透過率(バックグラウンド値)から透明導電膜の単層の光透過率を換算すると、透明導電膜では、波長が400nm以上で光透過率が76%以上97%以下になっている。
【0043】
また、図2に示す透明導電膜においては、シート抵抗が75Ω/sq.以上100Ω/sq.以下となり、抵抗率は、2625μΩ・cm以上3500μΩ・cm以下になった。透明導電膜において、シート抵抗が100Ω/sq.より大きくなると、電極として用いる場合、シート抵抗が高く不具合が生じる場合があり好ましくない。
【0044】
また、表1に、本実施形態に係る透明導電膜の硬度と、比較例に係るITO(Indium Tin Oxide)膜の硬度とを示す。
【0045】
比較例(ITO膜)における成膜条件は、
ターゲット材:酸化インジウム(90wt%)/酸化スズ(10wt%)
電力:2W/cm(DC電源)
アルゴン分圧:0.5Pa
酸素分圧:5×10−3Pa
基板温度:室温
膜アニール(成膜後):250℃、1時間(大気雰囲気)
である。
【0046】
【表1】
【0047】
表1において、「HM」は、マルテンス硬さである。「HIT」は、ナノインデンテーション硬さである。「HV」は、ビッカース硬さである。基板50としては、サファイア基板を用いている。
【0048】
表1に示すように、実施例(透明導電膜)のマルテンス硬さ、ナノインデンテーション硬さ及びビッカース硬さは、比較例(ITO膜)のそれらよりも高い。ITO膜は、透明性導電膜として、広く知られた材料である。本実施形態に係る透明導電膜は、ITO膜に比べてさらに高い硬度を有している。例えば、実施例(透明導電膜)のそれぞれの硬度は、比較例(ITO膜)のおよそ3倍になっている。
【0049】
このように、本実施形態に係る透明導電膜は、高い硬度を有し、さらに透明性及び導電性に優れる。特に、本実施形態に係る透明導電膜をデバイスの表面保護膜として用いれば、デバイスの耐傷性が大きく向上する。例えば、人手やペンで透明導電膜をタッチしても、透明導電膜は長時間にわたり損傷を受けにくく、且つ帯電もしにくくなる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
1…スパッタリング装置
10…真空容器
101…容器本体
102…蓋体
103…処理室
10h…開口
11…ゲートバルブ
15…ガス導入配管
16…基板トレイ
17…回転軸
18…温度調整器
20…成膜源
20A、20B…カソードユニット
201A、201B…ターゲット
202A、202B…バッキングプレート
203A、203B…マグネット
21A、21B…電源
22A、22B…ケーブル
23A、23B…シャッタ
30…真空排気ポンプ
50…基板
図1
図2