【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述のように、無機繊維廃棄物を埋め立て処分したりセメント原料等の工業原燃料としてリサイクルしたりする過程では、無機繊維廃棄物を重機等を用いて積み込み、運搬、投入等の作業を行う場合がある。このような作業を行った際には、無機繊維廃棄物(無機繊維材)を構成する無機繊維が空気中に飛散することになる。また、ベルトコンベア等の開放型輸送機を用いて搬送する場合等には、搬送前に無機繊維廃棄物を比較的細かく裁断することが必要となり、裁断及び搬送にともなって無機繊維が空気中に飛散することになる。このような無機繊維の飛散が生じると、作業者が無機繊維を吸引して健康に障害をきたす要因となったり、無機繊維が皮膚に付着して作業者に不快感を与えたりする場合がある。また、無機繊維廃棄物(無機繊維材)に作業者が直接触れることもあり、このような場合にも、無機繊維廃棄物から飛散した無機繊維を作業者が吸引して健康に障害をきたす要因となったり、無機繊維が皮膚に付着して作業者に不快感を与えたりする場合がある。
【0009】
また、無機繊維廃棄物を重機等を用いて搬送したり、無機繊維廃棄物をセメント原料としてプレヒーターや仮焼炉等を介してキルンへ供給したりする場合には、無機繊維廃棄物の見かけ密度が比較的高くなるように処理した方が効率的な搬送やキルンへの供給を行うことができる。しかしながら、上述のように無機繊維廃棄物を押圧して圧縮した場合には、無機繊維廃棄物は、見かけ密度が一時的に高い状態になるものの、その状態を保持することができないため、見かけ密度が低い状態に復元し易い。このため、無機繊維廃棄物の効率的な搬送やキルンへの供給を行い難い。また、圧縮した無機繊維廃棄物に番線、PPバンド、ロープ等を巻き付けたり、テープを巻き付けてラッピングしたりすることで圧縮した無機繊維廃棄物を締め付けて形状を保持しようとしても、無機繊維廃棄物が脆弱なものであるため締め付けによって無機繊維が破断して飛散し、上述のような健康障害や不快感を生じさせることになる。
【0010】
そこで、本発明は、無機繊維材を用いて形成された無機繊維成形物であって、無機繊維材を構成する無機繊維の飛散が抑制された無機繊維成形物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る無機繊維成形物は、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形されてなるものである。
【0012】
斯かる構成によれば、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形されてなることで、無機繊維材を構成する無機繊維同士が熱可塑性樹脂を介して結合された状態になるため、無機繊維成形物から無機繊維が飛散(無機繊維成形物からの分離を含む。以下、同じ。)するのを抑制することができる。
【0013】
本発明に係る無機繊維成形物は、強熱減量が10%以上54%以下であることが好ましい。
【0014】
斯かる構成によれば、例えば、無機繊維成形物をセメント原料として用いる場合には、セメントクリンカーを焼成するためのキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができると共に、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。具体的には、有機成分を含有したセメント原料がキルンへ供給されると、セメント原料中の有機成分が燃焼するため、キルン内の温度に想定外の変化が生じる虞がある。このため、セメント原料中には有機成分が少ないことが好ましい。ここで、本発明のように、強熱減量が上記の範囲の上限値以下であることで、無機繊維成形物中の熱可塑性樹脂の含有量が比較的少なくなる。このため、本発明に係る無機繊維成形物をセメント原料として使用する場合、無機繊維成形物をキルン内へ供給した際にキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができる。一方、強熱減量の範囲が上記の下限値以上であることで、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形された状態を良好に維持することができる程度の熱可塑性樹脂を含有することになる。このため、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。
【0015】
本発明に係る無機繊維成形物は、発熱量が1000cal/g以上5250cal/g以下であることが好ましい。
【0016】
斯かる構成によれば、例えば、無機繊維成形物をセメント原料として用いる場合には、セメントクリンカーを焼成するためのキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができると共に、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。具体的には、有機成分を含有したセメント原料がキルンへ供給されると、セメント原料中の有機成分が燃焼するため、キルン内の温度に想定外の変化が生じる虞がある。このため、セメント原料中には有機成分が少ないことが好ましい。ここで、本発明のように、発熱量が上記の範囲の上限値以下であることで、無機繊維成形物中の熱可塑性樹脂の含有量が比較的少なくなる。このため、本発明に係る無機繊維成形物をセメント原料として使用する場合、無機繊維成形物をキルン内へ供給した際にキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができる。一方、発熱量の範囲が上記の下限値以上であることで、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形された状態を良好に維持することができる程度の熱可塑性樹脂を含有することになる。このため、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。
【0017】
本発明に係る無機繊維成形物は、圧縮強度が2.2N/mm
2以上であることが好ましい。
【0018】
斯かる構成によれば、圧縮強度が上記の範囲であることで、貯蔵や搬送等を行う際に、無機繊維成形物が意図せずに崩壊して無機繊維が飛散してしまうのを抑制することができる。
【0019】
本発明に係る無機繊維成形物は、見かけ密度が0.8g/cm
3以上であることが好ましい。
【0020】
斯かる構成によれば、見かけ密度が上記の範囲であることで、無機繊維成形物の移動を効率的に行うことができる。例えば、無機繊維成形物を気流に反した方向へ移動させる際には、見かけ密度の低い無機繊維成形物よりも見かけ密度の高い無機繊維成形物の方が気流の影響を受け難い。このため、無機繊維成形物を気流に反した方向へ効率的に移動させることができる。
【0021】
本発明に係る無機繊維成形物は、無機繊維成形物中の無機繊維の平均長さが50μm以下であることが好ましい。
【0022】
斯かる構成によれば、無機繊維成形物中の無機繊維の平均長さが上記の範囲であることで、仮に無機繊維成形物の一部が崩れて無機繊維が飛散し、作業者に付着した場合や、無機繊維成形物の表面に露出した無機繊維が作業者に付着した場合などに、付着した無機繊維によって作業者が不快感を感じるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、無機繊維材を用いて形成された無機繊維成形物からの無機繊維の飛散を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0026】
本発明に係る無機繊維成形物は、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形されてなるものである。具体的には、無機繊維材と熱可塑性樹脂とから構成される樹脂含有物が圧縮成形されてなるものである。
【0027】
前記無機繊維成形物は、強熱減量が10%以上54%以下であってもよく、10%以上50%以下であることが好ましく、10%以上30%以下であることがより好ましく、15%以上25%以下であることが更に好ましい。なお、強熱減量は、後述する実施例に記載する方法で測定されるものである。
【0028】
また、前記無機繊維成形物は、発熱量が1000cal/g以上5250cal/g以下であってもよく、1000cal/g以上5000cal/g以下であることが好ましく、1000cal/g以上3000cal/g以下であることがより好ましく、1500cal/g以上2500cal/g以下であることが更に好ましい。なお、発熱量は、後述する実施例に記載する方法で測定されるものである。
【0029】
また、前記無機繊維成形物は、見かけ密度が0.8g/cm
3以上であってもよく、1.4g/cm
3以上であることが好ましく、1.5g/cm
3以上であることがより好ましい。なお、見かけ密度は、後述する実施例に記載する方法で測定されるものである。
【0030】
前記無機繊維成形物は、塩素成分の含有量が1000ppm以下であることが好ましく、760ppm以下であることがより好ましい。
【0031】
前記無機繊維成形物は、圧縮強度が2.2N/mm
2以上であることが好ましく、2.7N/mm
2以上であることがより好ましい。
【0032】
前記無機繊維成形物の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、柱状(具体的には、円柱状)のものが挙げられる。柱状の無機繊維成形物の長さ(軸線方向の長さ)としては、特に限定されるものではなく、例えば、10mm以上150mm以下であることが好ましく、20mm以上100mm以下であることがより好ましい。また、無機繊維成形物が円柱状である場合には、軸線に直交する断面の直径が10mm以上50mm以下であることが好ましく、15mm以上40mm以下であることがより好ましい。
【0033】
前記無機繊維成形物は、無機繊維材を構成する無機繊維同士が熱可塑性樹脂を介して結合されることで、所定の形状が保持される。具体的には、無機繊維成形物は、表面(具体的には、前記軸線を中心とする外周面)側の領域(以下、表面側領域とも記す)においては、無機繊維材中に熱可塑性樹脂が含浸した状態になることが好ましい。また、無機繊維成形物は、表面側領域よりも内側の領域(以下、内側領域とも記す)では、無機繊維材中に熱可塑性樹脂が分散した状態、又は、含浸した状態となってもよい。そして、表面側領域において熱可塑性樹脂が無機繊維材中に含浸した状態となる(換言すれば、無機繊維同士が熱可塑性樹脂を介して結合された状態の領域が形成される)ことで、内側領域において熱可塑性樹脂が分散した状態であっても(換言すれば、無機繊維同士が熱可塑性樹脂を介して結合されていない部分があっても)無機繊維成形物の形状を良好に維持することができるため、無機繊維成形物から無機繊維が飛散(無機繊維成形物からの分離を含む。以下、同じ。)するのを効果的に抑制することができる。
【0034】
また、無機繊維成形物中の無機繊維の平均長さ(繊維長さ)は、50μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましい。無機繊維成形物中の無機繊維の平均長さが上記範囲であることで、仮に無機繊維成形物の一部が崩れて無機繊維が飛散したり、無機繊維成形物の表面における無機繊維が露出した部分に作業者が触れたりすることによって、作業者の皮膚に無機繊維が付着した際にも、無機繊維が皮膚に深く突き刺さりにくいため、皮膚への刺激が起きにくい。また、無機繊維成形物中の無機繊維の平均アスペクト比は、20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。無機繊維成形物中の無機繊維のアスペクト比が上記の範囲であることで、仮に無機繊維成形物の一部が崩れて無機繊維が飛散したり、無機繊維成形物の表面における無機繊維が露出した部分に作業者が触れたりすることによって、作業者の皮膚に無機繊維が付着した際にも、無機繊維が皮膚に突き刺さりにくく、また突き刺さった無機繊維が皮膚の表面付近で折れにくいため、皮膚内部に突き刺さったままの状態になりにくい。なお、無機繊維の平均長さ及び平均アスペクト比は、後述する実施例に記載する方法で測定されるものである。
【0035】
無機繊維材としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロックウールやグラスウール等が挙げられる。また、無機繊維材は、例えば、住宅やオフィスビルなどで断熱材や吸音材等として使用されていたものが廃棄されたもの(以下、無機繊維廃棄物とも記す)であってもよい。なお、無機繊維材は、樹脂成分を含有するものであってもよい。例えば、無機繊維同士を結合するバインダー樹脂や、樹脂製の包装材等を含むものであってもよい。
【0036】
ロックウールとしては、例えば、高炉スラグや天然岩石(玄武岩など)等の主原料を1,500℃〜1,600℃で溶融した状態で遠心力で吹き飛ばす等することで繊維状に形成し、形成される無機繊維同士をバインダーで一体としたものが挙げられる。一方、グラスウールとしては、例えば、主原料がガラスであること以外は、ロックウールと同様の方法で形成されるものが挙げられる。
【0037】
また、無機繊維材の嵩密度としては、特に限定されるものではなく、例えば、100kg/m
3以上1000kg/m
3以下であってもよく、10kg/m
3以上100kg/m
3以下であってもよい。具体的には、無機繊維材がロックウールである場合には、無機繊維材の嵩密度は、30kg/m
3以上100kg/m
3以下であってもよく、30kg/m
3以上50kg/m
3以下であってもよい。また、無機繊維材がグラスウールである場合には、無機繊維材の嵩密度は、10kg/m
3以上35kg/m
3以下であってもよく、15kg/m
3以上25kg/m
3以下であってもよい。
【0038】
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ABS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、これらから一つ以上を選択して使用することができる。また、熱可塑性樹脂としては、溶融温度が300℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることが更に好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂を含有する樹脂廃棄物中に含有されるものを用いることができる。このため、無機繊維材と熱可塑性樹脂から構成される前記樹脂含有物は、熱可塑性樹脂以外の樹脂が含有されるように構成されてもよい。具体的には、前記樹脂含有物は、廃棄された熱可塑性樹脂からなる廃プラスチックや、混合廃棄物から金属等の異物を除去することで得られる廃プラスチックを用いて構成されてもよい。
【0039】
前記無機繊維材と熱可塑性樹脂とから構成される樹脂含有物中の熱可塑性樹脂の含有量は、4質量%以上であれば、特に限定されるものではなく、例えば、10質量%以上37質量%以下であることが好ましく、15質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。なお、樹脂含有物中の熱可塑性樹脂の含有量は、無機繊維材が熱可塑性樹脂を含有する場合には、無機繊維材中の熱可塑性樹脂を含む含有量となる。
【0040】
前記無機繊維成形物を形成する方法としては、例えば、無機繊維材と熱可塑性樹脂とから構成される樹脂含有物中の熱可塑性樹脂を熱溶融させつつ樹脂含有物を圧縮成形する圧縮成形工程を行う方法が挙げられる。該圧縮成形工程を行うことで、無機繊維成形物の表面側領域において無機繊維材に熱可塑性樹脂が含浸した状態となり、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形された無機繊維成形物が形成される。
【0041】
上記の圧縮成形工程を実施する装置としては、樹脂含有物中の熱可塑性樹脂を熱溶融しつつ樹脂含有物を圧縮成形する圧縮成形部を備えた処理装置であれば、特に限定されるものではない。例えば、無機繊維材(例えば、無機繊維廃棄物)と熱可塑性樹脂(具体的には、熱可塑性樹脂を含有する樹脂廃棄物)とが混合されて樹脂含有物が形成される場合には、RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)の製造装置を用いることができる。
【0042】
斯かる処理装置としては、例えば、
図1に示す処理装置1のように、樹脂含有物が一方向に沿って搬送される内部空間を形成する本体部2を備えるものが挙げられる。本体部2は、樹脂含有物を圧縮成形して無機繊維成形物を形成する圧縮成形部3と、本体部2の内部空間へ樹脂含有物を供給可能に構成された供給部4とから構成される。
【0043】
また、本体部2は、一方向に沿って樹脂含有物を搬送する搬送手段2aを備える。該搬送手段2aは、一方向に沿って伸びるスクリュー部材2aから構成される。該スクリュー部材2aは、一方向に沿った軸線を中心に回転可能に構成される。具体的には、スクリュー部材2aは、一方向に沿って伸びる軸部2bと該軸部2bの周囲に螺旋状に形成される羽部2cとから構成され、軸部2bを軸として回転可能に構成される。また、スクリュー部材2aは、本体部2の内部空間に配置される。具体的には、スクリュー部材2aは、一方向の一端部が圧縮成形部3内に配置され、圧縮成形部3内に配置された部分よりも一方向の他端側の部分が供給部4内に配置され、一方向の他端部(図示せず)がスクリュー部材2aを回転させる動力を発生させる動力発生部(図示せず)に連結される。また、スクリュー部材2aは、軸部2bの太さが供給部4側よりも圧縮成形部3側の方が太くなるように形成される。
【0044】
本体部2における内部空間を形成する内周面とスクリュー部材2aとの間(即ち、スクリュー部材2aの周囲)には、樹脂含有物が一方向に沿って搬送される搬送空間Rが形成される。該搬送空間Rは、供給部4内から圧縮成形部3内に亘って連続的に形成される。また、搬送空間Rは、供給部4内の容積よりも圧縮成形部3内の容積の方が小さくなるように形成される。本実施形態では、スクリュー部材2aの軸部2bの太さが供給部4側よりも圧縮成形部3側の方が太くなるように形成されることで、圧縮成形部3の内周面と軸部2bの太い部分との間隔が供給部4の内周面と軸部2bの細い部分との間隔よりも狭くなる。これによって、搬送空間Rの容積は、供給部4内よりも圧縮成形部3内の方が小さくなるように構成される。
【0045】
圧縮成形部3は、樹脂含有物が圧縮成形されてなる無機繊維成形物を排出する排出部2dを備える。該排出部2dは、管状の形状を有し、内側に形成される空間(以下、成形空間とも記す)を圧縮された樹脂含有物が通過することで、成形空間に対応した形状の無機繊維成形物を形成可能に構成される。また、排出部2dから単位時間に排出される無機繊維成形物の排出量(本実施形態のように複数の排出部2dを備える場合にはその合計量)は、供給部4から圧縮成形部3へ単位時間あたりに搬送される樹脂含有物の搬送量よりも少なくなるように構成される。なお、供給部4は、スクリュー部材2aを収容する内部空間へ樹脂含有物を投入可能な開口部4aを備える。
【0046】
上記のように構成された処理装置1を用いて無機繊維成形物を製造する際には、まず始めに、スクリュー部材2aを回転させつつ開口部4aから本体部2(供給部4)内に樹脂含有物を供給する。供給される樹脂含有物としては、無機繊維廃棄物と樹脂廃棄物とが破砕されて混合されたものを用いることができる。
【0047】
樹脂含有物を形成する方法(樹脂含有物を形成する工程)としては、特に限定されるものではなく、例えば、無機繊維材(具体的には、無機繊維廃棄物)と熱可塑性樹脂(具体的には、樹脂廃棄物)とを所定のサイズに破砕した状態で(又は、破砕しつつ)混合する(具体的には、樹脂含有物中に熱可塑性樹脂を略均一に分散させる)ことで樹脂含有物を形成することができる。熱可塑性樹脂と混合される際の無機繊維材(無機繊維廃棄物)のサイズとしては、特に限定されるものではなく。例えば、50mm以下であることが好ましく、10mm以上50mm以下であることがより好ましい。
【0048】
本体部2(供給部4)内に供給された樹脂含有物は、スクリュー部材2aの回転によってスクリュー部材2aの一方向の他端側から一端側へ向かって(即ち、供給部4から圧縮成形部3へ向かって)搬送空間R内を搬送される。この際、樹脂含有物は、スクリュー部材2aの作用によって搬送空間Rで更に混合される。
【0049】
そして、樹脂含有物は、供給部4から圧縮成形部3に搬送されることで圧縮成形される(圧縮成形工程)。具体的には、供給部4よりも圧縮成形部3の方が搬送空間Rの容積が小さくなると共に、排出部2d(本実施形態では、2つの排出部2d,2d)から排出される無機繊維成形物の排出量が供給部4から圧縮成形部3へ搬送される樹脂含有物の搬送量よりも少ないため、樹脂含有物は、圧縮成形部3における搬送空間R内で圧縮される。
【0050】
また、圧縮成形部3では、樹脂含有物は、圧縮による発熱(圧縮成形部3における搬送空間Rを形成する内面との摩擦熱を含む)によって、又は、圧縮成形部3自体が加熱装置を備える場合には該加熱装置による加熱によって、樹脂含有物中の熱可塑性樹脂が溶融しつつ樹脂含有物が圧縮される。つまり、圧縮成形工程では、樹脂含有物中の熱可塑性樹脂が溶融する程度の温度で樹脂含有物が圧縮される。そして、圧縮された樹脂含有物が排出部2dから排出されることで、排出部2d内の成形空間に対応した形状の無機繊維成形物が形成される。
【0051】
圧縮時の樹脂含有物の温度としては、例えば、熱可塑性樹脂がポリエチレンである場合には、120℃以上であることが好ましく、150℃程度であることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂がポリプロピレンである場合には、170℃以上であることが好ましく、200℃程度であることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂がポリスチレン(例えば、発泡スチロール)である場合には、160℃以上であることが好ましく、280℃以上であることがより好ましい。
【0052】
以上のように、本発明に係る無機繊維成形物によれば、該無機繊維成形物からの無機繊維の飛散(無機繊維成形物からの分離を含む。以下、同じ。)を抑制することができる。
【0053】
即ち、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形されてなることで、無機繊維材を構成する無機繊維同士が熱可塑性樹脂を介して結合された状態になるため、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのを抑制することができる。
【0054】
また、強熱減量が上記の範囲であることで、例えば、無機繊維成形物をセメント原料として用いる場合には、セメントクリンカーを焼成するためのキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができると共に、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。具体的には、有機成分を含有したセメント原料がキルンへ供給されると、セメント原料中の有機成分が燃焼するため、キルン内の温度に想定外の変化が生じる虞がある。このため、セメント原料中には有機成分が少ないことが好ましい。ここで、本発明のように、強熱減量が上記の範囲の上限値以下であることで、無機繊維成形物中の熱可塑性樹脂の含有量が比較的少なくなる。このため、本発明に係る無機繊維成形物をセメント原料として使用する場合、無機繊維成形物をキルン内へ供給した際にキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができる。一方、強熱減量の範囲が上記の下限値以上であることで、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形された状態を良好に維持することができる程度の熱可塑性樹脂を含有することになる。このため、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。
【0055】
また、発熱量が上記の範囲であることで、例えば、無機繊維成形物をセメント原料として用いる場合には、セメントクリンカーを焼成するためのキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができると共に、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。具体的には、有機成分を含有したセメント原料がキルンへ供給されると、セメント原料中の有機成分が燃焼するため、キルン内の温度に想定外の変化が生じる虞がある。このため、セメント原料中には有機成分が少ないことが好ましい。ここで、本発明のように、発熱量が上記の範囲の上限値以下であることで、無機繊維成形物中の熱可塑性樹脂の含有量が比較的少なくなる。このため、本発明に係る無機繊維成形物をセメント原料として使用する場合、無機繊維成形物をキルン内へ供給した際にキルン内の温度に想定外の変化が生じるのを防止することができる。一方、発熱量の範囲が上記の下限値以上であることで、無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形された状態を良好に維持することができる程度の熱可塑性樹脂を含有することになる。このため、無機繊維成形物から無機繊維が飛散するのをより効果的に抑制することができる。
【0056】
また、圧縮強度が上記の範囲であることで、貯蔵や搬送等を行う際に、無機繊維成形物が意図せずに崩壊して無機繊維が飛散してしまうのを抑制することができる。
【0057】
また、見かけ密度が上記の範囲であることで、無機繊維成形物の移動を効率的に行うことができる。例えば、無機繊維成形物を気流に反した方向へ移動させる際には、見かけ密度の低い無機繊維成形物よりも見かけ密度の高い無機繊維成形物の方が気流の影響を受け難い。このため、無機繊維成形物を気流に反した方向へ効率的に移動させることができる。
【0058】
また、無機繊維成形物中の無機繊維の平均長さが上記の範囲であることで、仮に無機繊維成形物の一部が崩れて無機繊維が飛散し、作業者に付着した場合や、無機繊維成形物の表面に露出した無機繊維が作業者に付着した場合などに、付着した無機繊維によって作業者が不快感を感じるのを抑制することができる。
【0059】
また、圧縮成形工程で該樹脂含有物が圧縮成形されて無機繊維成形物が形成されることで、無機繊維成形物の見かけ密度が圧縮成形前の樹脂含有物の嵩密度よりも高くなる。これにより、単位質量当たりの体積が小さくなるため、輸送コストの低減を図ることができる。
【0060】
また、所定のサイズに破砕された無機繊維材と熱可塑性樹脂とを混合して樹脂含有物を形成することで、表面だけでなく内部にも熱可塑性樹脂が存在した樹脂含有物となる。このため、圧縮成形工程において熱可塑性樹脂が溶融した際に、熱可塑性樹脂により無機繊維同士の結合をより効果的に行うことができる。これにより、無機繊維成形物からの無機繊維の飛散をより効果的に抑制することができると共に、圧縮成形前よりも見かけ密度が高い状態をより保持し易い無機繊維成形物を得ることができる。
【0061】
また、無機繊維成形物は、圧縮されていない無機繊維材よりも見かけ密度が高いものであるため、無機繊維成形物をセメント原料として使用する場合、無機繊維成形物をキルンへ直接的又は間接的に供給する際(例えば、キルンの窯尻へ直接供給する場合、又は、プレヒーターや仮焼炉やライジングダクト等を介してキルンへ間接的に供給する場合)にも気流(例えば、キルンの窯尻や、プレヒーターや仮焼炉やライジングダクト等の内部の気流)の影響を受け難い。このため、キルンへの無機繊維成形物の供給を効率的に行うことができる。また、圧縮によって単位質量あたりの体積が小さくなるため、圧縮されていない無機繊維材を貯蔵場所に貯蔵する場合よりも専有面積が小さくなり、効率的な貯蔵を行うことができると共に、貯蔵場所からキルンへの供給部分へ無機繊維成形物を搬送する場合にも効率的な搬送を行うことができる。
【0062】
なお、本発明に係る無機繊維成形物は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、他の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0063】
例えば、上記実施形態では、無機繊維成形物の用途として、セメント原料が例示されているが、これに限定されるものではない。例えば、ガラスを製造する際の原料や燃料、高炉に供給されるコークス等の燃料、製紙用ボイラーの燃料、ゴミ焼却炉の燃料、又は、火力発電用の燃料等として無機繊維成形物を用いることもできる。
【実施例】
【0064】
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
<使用材料>
1.無機繊維材:グラスウール1(断熱用マットとして使用されたものの廃棄物)
2.無機繊維材:グラスウール2(設備配管の保温・保冷として使用されたものの廃棄物)
3.無機繊維材:ロックウール(断熱用マットとして使用されたものの廃棄物)
4.熱可塑性樹脂:ポリエチレンとポリプロピレンの積層フィルム(包装材として使用されたものの廃棄物)
【0066】
<無機繊維成形物の作製>
1. 上記の各無機繊維材と熱可塑性樹脂とをそれぞれ50mm程度の大きさに粉砕した。そして、各無機繊維材と熱可塑性樹脂との混合割合が異なる樹脂含有物を作製した。
2. 得られた樹脂含有物を上記実施形態で説明した処理装置1と同様の装置を用いて圧縮成形することで、円柱状の無機繊維成形物を得た(各実施例及び比較例2)。斯かる処理装置における排出部2d内の成形空間は、φ25mm×長さ130mmとした。なお、圧縮成形時における樹脂含有物の温度(処理温度)及び樹脂含有物の嵩密度については、下記表1〜3に示す。
なお、比較例1,3,4では、各無機繊維材のみを用いたこと以外は、各実施例及び比較例2と同様の方法で無機繊維成形物の作成を試みた。
【0067】
<強熱減量>
得られた無機繊維成形物に対して、以下の測定方法に基づく強熱減量の測定を行った。具体的には、得られた無機繊維成形物をロータリークラッシャー(NR−04A、三圧インダストリー社製)を用いて3mm以下のサイズに粉砕し、105℃±5℃乾燥器で60分乾燥させた。乾燥後の無機繊維成形物を約1gを分取し、電子天秤を用いて質量(強熱前質量)の測定を行った。分取した無機繊維成形物をるつぼに入れ、650±25℃の電気炉内で60分間加熱(強熱)した。強熱後の無機繊維成形物をデシケータ中で放冷した後、電子天秤を用いて質量(強熱後質量)の測定を行った。そして、以下の(1)式を用いて強熱減量を算出した。測定結果(無機繊維成形物3個分の平均値)については、下記表1〜3に示す。なお、各質量は、0.001gの桁まで測定したものである。
強熱減量=強熱前質量(g)/強熱後質量(g)×100・・・(1)
【0068】
<発熱量>
得られた無機繊維成形物に対して、発熱量の測定を行った。具体的には、ロータリークラッシャー(NR−04A、三圧インダストリー社製)を用いて無機繊維成形物を3mm以下のサイズに粉砕し、粉砕した無機繊維成形物の発熱量をカロリーメーター(C5000、IKA社製)を用いてアディアバティックモードで測定した。測定結果(無機繊維成形物3個分の平均値)については、下記表1〜3に示す。
【0069】
<見かけ密度>
得られた無機繊維成形物に対して、見かけ密度の測定を行った。具体的には、予め重量を測定した一つの無機繊維成形物をポリ塩化ビニリデン製ラップフィルム(厚さ11μm)で包み、純水(20℃)の入ったメスシリンダーに浸漬した。そして、浸漬前後の水位の変化を測定し、その変化量を見かけ容積とした。そして、予め測定した無機繊維成形物の重量と見かけ容積とから下記式を用いて見かけ密度を算出した。測定結果(無機繊維成形物3個分の平均値)については、下記表1〜3に示す。
見かけ密度(g/cm
3)=重量÷見かけ容積
【0070】
<圧縮強度>
得られた無機繊維成形物に対して、圧縮強度の測定を行った。具体的には、フォースゲージ(DPS−50、IMADA社製)に平型アタッチメント(S−2、直径15mm、IMADA社製)を装着し、一つの無機繊維成形物(サイズ:φ20mm×長さ30mm)を軸線方向に沿って押し潰して破壊した際の荷重(N)を測定した。そして、下記式のように、測定された荷重をアタッチメントの面積で割って圧縮強度(N/mm
2)を算出した。算出された圧縮強度(無機繊維成形物3個分の平均値)については、下記表1に示す。
圧縮強度(N/mm
2)=荷重(N)÷(7.5×7.5×3.14)
【0071】
<水分率>
得られた無機繊維成形物に対して、水分率の測定を行った。具体的には、ロータリークラッシャー(NR−04A、三圧インダストリー社製)を用いて無機繊維成形物を3mm以下のサイズに粉砕し、粉砕した無機繊維成形物の水分率を加熱乾燥式水分計(ML−50、エー・アンド・ディ社製)を用いて設定温度105℃で測定した。測定結果(無機繊維成形物3個分の平均値)については、下記表1〜3に示す。
【0072】
<外観評価>
無機繊維成形物の外観を目視にて確認し、無機繊維の飛散が十分に抑制されたものを「○」、無機繊維の飛散が生じてしまうもの(形状を保持できないもの)を「×」として評価した。評価結果については、下記表1〜3に示す。
【0073】
<成分分析>
得られた無機繊維成形物に対して、成分分析を行った。具体的には、ロータリークラッシャー(NR−04A、三圧インダストリー社製)を用いて無機繊維成形物を3mm以下のサイズに粉砕し、粉砕した無機繊維成形物の成分分析をエネルギー分散型蛍光X線分析装置(XEPOS、SPECTRO社製)を用いてFP法で行った。測定結果(無機繊維成形物3個分の平均値)については、下記表1〜3に示す。
【0074】
<断面観察>
実施例5の無機繊維成形物の断面を電子顕微鏡で観察した。具体的には、実施例5の無機繊維成形物(円柱状のもの)を軸線に対して交差する断面で切断し、切断面における表面側領域と内側領域とを走査型電子顕微鏡で撮影した。撮影倍率は、100倍と400倍とした。表面側領域を撮影した画像は、
図2に示し、内側領域を撮影した画像は、
図3に示す。なお、分析装置及び測定条件については、以下のとおりである。
・分析装置:日立製作所製 走査型電子顕微鏡S−3400N(EDS:Oxford社、INCA PentaFETx3)
・測定条件:加速電圧15kV、プローブ電流50〜60nA
【0075】
<無機繊維の平均長さ、平均アスペクト比>
上記で撮影した表面側領域の100倍の画像から、繊維長さが概ね均一である3カ所を選択し、各カ所を400倍で撮影した。選択した3カ所の400倍の画像のそれぞれにおいて、無機繊維を50本選択し、各無機繊維の繊維径(繊維の端面における中央部を中心とする外周部の対称位置間の長さのうち最長の長さ)、及び、繊維長さ(無機繊維の軸線方向の長さ)を測定した。そして、繊維径、及び、繊維長さの平均値(具体的には、無機繊維150本の平均値)を算出し、下記の(2)式から平均アスペクト比を算出した。その結果、平均繊維長さは、50μm以下であり、平均アスペクト比は、20以下であった。
平均アスペクト比=平均繊維長さ/平均繊維径・・・(2)
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
<まとめ>
上記の表1〜3を見ると、各実施例の方が各比較例よりも外観評価が良好であることが認められる。つまり、各実施例のように無機繊維材と熱可塑性樹脂とが一体的に成形されてなる無機繊維成形物は、各比較例のように一体的に成形できなかったものよりも無機繊維の飛散を抑制することができる。
また、各実施例の強熱減量になる無機繊維成形物は、熱可塑性樹脂の含有量が比較的少ないものであるが、無機繊維の飛散が効果的に抑制されることが認められる。また、各実施例の発熱量を有する無機繊維成形物は、熱可塑性樹脂の含有量が比較的少ないものであるが、無機繊維の飛散が効果的に抑制されることが認められる。
また、実施例1〜8のような圧縮強度となる無機繊維成形物は、意図せずに崩壊して無機繊維の飛散が生じてしまうのを抑制することが可能となる。
また、各実施例の見かけ密度となる無機繊維成形物は、圧縮成形前の樹脂含有物のような嵩密度の状態よりも、気流の影響を受けにくいため、キルンやプレヒーター等への供給を効率的に行うことができる。
【0080】
また、各実施例の無機繊維成形物は、無機物を主成分とするものであるため、セメントの原料として使用することができる。
【0081】
また、
図2の電子顕微鏡写真を見ると、無機繊維成形物の表面側領域では、無機繊維材中に熱可塑性樹脂(色の濃い部分)が含浸した状態となっていることが認められる。また、
図3を見ると、無機繊維成形物の内側領域では、無機繊維材中に熱可塑性樹脂(色の濃い部分)が分散していることが認められる。また、
図2(b),
図3(b)を見ると、無機繊維成形物を構成する無機繊維は、上記のように、平均繊維長さが50μm以下であり、平均アスペクト比が20以下であることが認められる。つまり、このような平均繊維長さ及び平均アスペクト比となることで、仮に無機繊維成形物の一部が崩れて無機繊維が飛散し、作業者に付着した場合や、無機繊維成形物の表面に露出した無機繊維が作業者に付着した場合などに、付着した無機繊維が皮膚に刺さって作業者が不快に感じるのを抑制することができる。
1. 上記の各無機繊維材と熱可塑性樹脂とをそれぞれ50mm程度の大きさに粉砕した。そして、各無機繊維材と熱可塑性樹脂との混合割合が異なる樹脂含有物を作製した。
(各実施例及び比較例2)。斯かる処理装置における排出部2d内の成形空間は、φ25mm×長さ130mmとした。なお、圧縮成形時における樹脂含有物の温度(処理温度)及び樹脂含有物の嵩密度については、下記表1〜3に示す。