特開2019-129171(P2019-129171A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-129171(P2019-129171A)
(43)【公開日】2019年8月1日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20190708BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20190708BHJP
【FI】
   H01L27/04 A
   H01L27/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-7919(P2018-7919)
(22)【出願日】2018年1月22日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】渕上 千加志
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AC04
5F038AC05
5F038AR02
5F038AR13
5F038AR18
5F038AZ03
5F038BH02
5F038BH03
5F038BH07
5F038BH13
5F038CA02
5F038CA16
5F038CD02
5F038CD09
5F038EZ13
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】 その上に形成される回路素子の面積を低減することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】 半導体装置は、基板上に形成され且つ絶縁膜で囲まれた抵抗素子が形成された第1導電型領域と、抵抗素子の上面に接して積層形成された第2導電型領域と、抵抗素子の上に層間絶縁層を介して形成されたキャパシタと、抵抗素子の一端子およびキャパシタの一端子を電気的に直列に接続するビアと、抵抗素子の他端子およびキャパシタの他端子のそれぞれに電気的に接続する電源ラインおよび接地ラインと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され且つ絶縁膜で囲まれた抵抗素子が形成された第1導電型領域と、
前記抵抗素子の上面に接して積層形成された第2導電型領域と、
前記抵抗素子の上に層間絶縁層を介して形成された前記キャパシタと、
前記抵抗素子の一端子および前記キャパシタの一端子を電気的に直列に接続するビアと、
前記抵抗素子の他端子および前記キャパシタの他端子のそれぞれに電気的に接続する電源ラインおよび接地ラインと、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記抵抗素子は前記一端子から前記他端子まで連続するマイクロストリップであり、前記基板と前記第2導電型領域との間につづら折り状態にて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記キャパシタは、前記層間絶縁層上に形成された間隙部を介して互いに対向した1対の櫛形電極からなるインターデジタルキャパシタであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ビアに入力側として接続され且つ前記電源ラインおよび前記接地ラインの間にて前記電源ラインおよび前記接地ラインとにそれぞれ接続された少なくとも一つもインバータ回路と、前記インバータ回路の出力側に接続された保護回路と、をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記前記抵抗素子および前記第2導電型領域の両者の側面に接して両者を取り囲むように配置された環状の絶縁体トレンチをさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、静電気放電(Electrostatic Discharge:ESD)から保護するために、被保護回路に接続された電源線に発生するサージを検出する検出回路と、互いに直列に接続された少なくとも1つのインバータと、検出回路の出力により制御される保護用トランジスタと、該保護用トランジスタに接続された時定数回路とを備える半導体装置が、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−111186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載されているような従来の半導体装置において、検出回路を構成する抵抗素子及びキャパシタが表面に並べて形成され、それらの占有面積が半導体装置上の他の素子に比して大きいという欠点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体装置に形成される回路素子の占有面積を低減することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体装置は、基板と、
前記基板上に形成され且つ絶縁膜で囲まれた抵抗素子が形成された第1導電型領域と、
前記抵抗素子の上面に接して積層形成された第2導電型領域と、
前記抵抗素子の上に層間絶縁層を介して形成された前記キャパシタと、
前記抵抗素子の一端子および前記キャパシタの一端子を電気的に直列に接続するビアと、
前記抵抗素子の他端子および前記キャパシタの他端子のそれぞれに電気的に接続する電源ラインおよび接地ラインと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の半導体装置によれば、抵抗素子及びキャパシタを表面に並べて形成することなく、両素子の抵抗素子とキャパシタとが重ねて配置することが可能であるため、前記抵抗素子および前記キャパシタからなるRC回路の占有面積を縮小できる。さらに、Deep Trench Isolation(深層分離絶縁構造)を有する製造プロセスにて半導体装置の製造が実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による実施例である半導体装置に係る半導体集積回路の一例を示す回路図である。
図2】本実施例の変形例に係る半導体集積回路を示す回路図である。
図3】本実施例に係る半導体装置のRC回路に対応する部分の部分平面図である。
図4図3のXX線における部分断面図である。
図5図4のYY線における部分断面平面図である。
図6】本実施例の変形例に係る抵抗素子を示す部分断面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例の半導体装置について詳細に説明する。なお、実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
図1は、実施例の半導体装置に係るESD保護回路を含む半導体集積回路の一例を示す回路図である。図1に示される保護回路104は、電源電位の電源ラインVDDと基準電位のグランドラインVSSの間に接続された保護対象回路102のESD保護のためのものである。同図に示されるように、従来の半導体装置100は、半導体集積回路に相当する保護対象回路102、及び保護回路104を含んで構成されており、保護対象回路102はその一方端子が電源ラインVDDに、その他方端子がグランドラインVSSに各々接続されている。
【0011】
図1に示されるように、保護回路104は、電源ラインVDDおよびグランドラインVSSと接続されたRC直列回路111と、RC直列回路111、電源ラインVDDおよびグランドラインVSSに接続されたインバータ回路112と、インバータ回路112、電源ラインVDDおよびグランドラインVSSに接続された保護用NMOSトランジスタ113と、を備えている。
【0012】
RC直列回路111は、電源ラインVDDとグランドラインVSSの間に直列に接続された抵抗素子114及び容量性負荷としてのキャパシタ115と、から成る。
【0013】
インバータ回路112は、PMOSトランジスタ118及びNMOSトランジスタ120を相補形に配置することにより構成されたCMOSインバータである。すなわち、インバータ回路112は、PMOSトランジスタ118のゲートとNMOSトランジスタ120のゲートとが接続され、その接続点を入力端子112inとし、PMOSトランジスタ118のドレインとNMOSトランジスタ120のドレインとが接続され、その接続点を出力端子112outとしている。RC直列回路111の抵抗素子114及びキャパシタ115の接続点は、入力端子112inに接続されている。
【0014】
保護用NMOSトランジスタ113は、そのゲートがインバータ回路112の出力端子112outに、ドレインが電源ラインVDDに、ソースがグランドラインVSSに各々接続されている。
【0015】
ESDに起因して生じる高電圧波形による電圧(以下、「サージ電圧」という。)が印加された場合、RC直列回路111、インバータ回路112、保護用NMOSトランジスタ113の動作は、以下の通りである。即ち、ESD放電により、電源ラインVDDとグランドラインVSSの間に電源ラインVDD側を正とするサージ電圧(急上昇する高電圧)が印加されると、入力端子112inの電位はサージ電圧の上昇よりも遅れて上昇する。その遅れはRC直列回路111の時定数に依存する。RC直列回路111の時定数が十分大きければ、サージ電圧の印加が終わるまで、入力端子112inの電位はインバータ回路112の閾値よりも低い状態に保たれ、インバータ回路112のNMOSトランジスタ120がオフ、PMOSトランジスタ118がオンの状態に保たれ、その結果、電源ラインVDDの電圧が保護用NMOSトランジスタ113のゲートに印加され、保護用NMOSトランジスタ113は、サージ電圧が印加されている間オン状態に保たれる。例えば、ESD放電の持続時間は、5ナノ秒乃至数百ナノ秒である。
【0016】
このように構成された半導体装置100では、サージ電圧が電源ラインVDDまたはグランドラインVSSに印加されると、そのサージ電圧をトリガーとして、電源ラインVDDとグランドラインVSSとの間の電位差を無くすように保護回路104が作動するため、保護対象回路102が保護される。
【0017】
図1の例では、1個のインバータ回路が接続されているが、インバータ回路の個数は1個に限らず、3個以上の奇数個(保護用トランジスタがNMOSトランジスタ場合)であっても良い。また、図1の例の変形例において、例えば保護用トランジスタがPMOSトランジスタ場合、インバータ回路の個数は2個以上の偶数個であっても良い。
【0018】
電源ラインVDDが電源電圧VDDで保持されているときは、RC直列回路111(キャパシタ115)は、高インピーダンス状態なので、抵抗素子114とキャパシタ115とを接続する入力端子112inの電位は、ほぼハイレベル(VDD)をとる。このハイレベルは、3つのインバータのうちの初段の第1のインバータ回路1121の入力に印加されるので、その出力がローレベル(VSS)をとる。この第1のインバータ回路1121の出力(ローレベル)は、第2および第3のインバータ回路1122,1123の各出力を確定している。このとき、第2のインバータ回路1122の出力はハイレベル、第3のインバータ回路1123の出力はローレベルとなる。
【0019】
従って、このとき、保護用NMOSトランジスタ113のゲートはローレベル(VSS)であるため、保護用NMOSトランジスタ113のチャネルは閉じている。したがって、電源電圧VDDが印加された電源ラインVDDから、基準電位VSSが印加されたグランドラインVSSへ電流は流れない。
【0020】
次に、本実施例の半導体装置において、抵抗素子及びキャパシタを表面に並べて形成することなく、抵抗素子114とキャパシタ115(RC直列回路111)を重ねて配置することについて説明する。
【0021】
図3のRC直列回路111に対応する部分の部分平面図に示すように、P型半導体基板Psub上に形成され第1導電型領域であるN型ウェル領域NWLとして、絶縁膜IIF(シリコン酸化膜)で囲まれた抵抗素子114が形成されている。N型ウェル領域NWLは、所定マスク開口を介して半導体基板Psubの表層にN型の不純物(例えばリン)をイオン注入することにより形成することができる。絶縁膜IIF用の所定パターンでドライエッチングを施して溝を掘り該溝に絶縁体を埋めて抵抗素子114が形成されてもよい。
【0022】
図4に示すように、抵抗素子114の上面には、これ接して積層形成された第2導電型領域であるP型ウェル領域PWLが配置されている。抵抗素子114(N型ウェル領域NWL)上にポリシリコン膜を成膜し、このポリシリコン膜を形成し、所定マスク開口パターンを介して、その表層にP型の不純物(例えばボロン)を高濃度にイオン注入することにより形成することができる。
【0023】
キャパシタ115は、抵抗素子114の上に層間絶縁層IIF2(シリコン酸化膜)を介して金属膜によって形成されている。
【0024】
図3に示すように、キャパシタ115は、インターデジタルキャパシタIDCとして1対の金属の櫛型電極115a,115bから構成されている。が分岐している。櫛型電極115a,115bは、互いの歯部BRHa,BRHbが間隙部を介して噛み合うように対向している。櫛型電極115a,115bによって容量が保持される。
【0025】
抵抗素子114の一端子(N型ドーパント高濃度拡散領域N+)およびキャパシタ115の一端子(櫛型電極115a)は、ビアVIAによって電気的に直列に接続されている。
【0026】
抵抗素子114の他端子(N型ドーパント高濃度拡散領域N+2)はコンタクトプラグCPGを介して電源ラインVDDに電気的に接続されている。
【0027】
また、キャパシタ115の他端子(櫛型電極115b)は、グランドラインVSSに電気的に接続されている。キャパシタ115の櫛型電極115bは、その歯部BRHa各々の先端と根元において、コンタクトプラグCPGとP型ドーパント高濃度拡散領域P+2を介してP型ウェル領域PWLに接続されている。
【0028】
図5に示すように、抵抗素子114は一端子から他端子(N+乃至N+2)まで連続するマイクロストリップであり、P型半導体基板PsubとP型ウェル領域PWLとの間につづら折り状態にて配置されている。
【0029】
図3図4に示すように、ビアVIAは、インバータ回路112(図1)の入力端子112inの入力側として接続されている。
【0030】
環状の絶縁体トレンチDTIは、抵抗素子114(N型ウェル領域NWL)およびP型ウェル領域PWLの両者の側面に接して両者を取り囲むように配置されている。
【0031】
本実施例の半導体装置によれば、抵抗素子及びキャパシタを基板表面に並べて形成することなく、深層分離絶縁構造のための製造プロセスを通して、抵抗素子114(つづら折り状態)及びキャパシタ115を膜厚方向に重ねて配置することが可能となる。よって、RC回路の深層面積の縮小を実現することができる。
【0032】
なお、本実施例の半導体装置の変形例によれば、図6に示すように、抵抗素子114のマイクロストリップをつづら折り状態以外の、渦巻状の抵抗素子114aにしてP型半導体基板PsubとP型ウェル領域PWLとの間にて配置することもできる。
【符号の説明】
【0033】
100…半導体装置
102…保護対象回路
104…保護回路
111…RC直列回路
112…インバータ回路
113…保護用NMOSトランジスタ
114…抵抗素子
115…キャパシタ
118…PMOSトランジスタ
120…NMOSトランジスタ
VIA…ビア
VDD…電源ライン
VSS…グランドライン
CPG…コンタクトプラグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6