特開2019-132785(P2019-132785A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-132785(P2019-132785A)
(43)【公開日】2019年8月8日
(54)【発明の名称】検体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20190712BHJP
【FI】
   G01N35/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-16921(P2018-16921)
(22)【出願日】2018年2月2日
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】高谷 栄治
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CB07
2G058CB08
2G058CB11
2G058CB16
(57)【要約】
【課題】
検査室内の人の動線を確保し易い検体搬送装置を提供する。
【解決手段】
1本の検体容器101を収容するホルダ102と、コンベアベルトにより前記ホルダを搬送するベルト搬送部260と、前記ホルダを搭載し搬送レール230上を自走するホルダ搬送車201により前記ホルダを搬送するレール搬送部270と、を備えるように検体搬送装置200を構成する。前記搬送レールが昇降部を有し、当該昇降部により当該搬送レールの地上からの高さが変更されるように構成してもよい。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の検体容器を収容するホルダと、
コンベアベルトにより前記ホルダを搬送するベルト搬送部と、
前記ホルダを搭載し搬送レール上を自走するホルダ搬送車ホルダにより前記ホルダを搬送するレール搬送部と、を備えた
検体搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体搬送装置であって、
前記ホルダ搬送車が、
バッテリと、
前記バッテリにより給電されるモータと、
前記モータにより駆動され、前記搬送レールと接触する走行用車輪と、
前記モータを制御する制御部と、を備えた
検体搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の検体搬送装置であって、
前記搬送レールが昇降部を有し、当該昇降部により当該搬送レールの地上からの高さが変更される
検体搬送装置。
【請求項4】
請求項2に記載の検体搬送装置であって、
前記ホルダ搬送車が、衝突検知センサを更に備え、
前記制御部が、前記衝突検知センサが前走している他のホルダ搬送車または前記搬送レール上に設置されたストッパを検知した場合に前記モータを停止する、
検体搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の検体搬送装置であって、
前記制御部が、無線データ通信機能を有する
検体搬送装置。
【請求項6】
請求項2に記載の検体搬送装置であって、
前記ホルダ搬送車が、当該ホルダ搬送車が走行中、停止中、またはエラー状態であることを表示する表示部を更に備えた
検体搬送装置。
【請求項7】
請求項2に記載の検体搬送装置であって、
前記搬送レールが、
前記ホルダ搬送車の走行用車輪をガイドする溝と、
前記ホルダ搬送車のガイド用車輪をガイドする溝と、を備えた
検体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置と検体搬送装置とを備えた検体検査自動化システムにおいて、血液、髄液、尿などの検体は、専用の検体容器に採取され、自動分析装置、または検体搬送装置にて分析または分析の前処理(分注処理など)が行われる。
【0003】
検体(親検体や前処理後の子検体など)を収めた検体容器や空の検体容器は、検体ラック(複数本の検体容器を収容可能な容器)またはホルダ(1本の検体容器を収容可能な容器)に搭載され、コンベアベルトなどの搬送路を経由し、各自動分析装置へと搬送される。
【0004】
コンベアベルトを用いない方式の検体搬送装置としては、ホルダにモータと車輪を組み込んだものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−300220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、検体の採取を行う部屋から検査室までなど、従来よりも長い距離検体を搬送することが検体搬送装置に求められている。このため、長い距離にわたって検体搬送装置を設置する必要がある。しかし一方で、検体搬送装置が、検査室内等での人の動線を遮断する可能性が高くなる。特許文献1では、この点の検討はなされていない。
【0007】
そこで本発明は、検査室内の人の動線を確保し易い検体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0009】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、検体搬送装置が、1本の検体容器を収容するホルダと、コンベアベルトにより前記ホルダを搬送するベルト搬送部と、前記ホルダを搭載し搬送レール上を自走するホルダ搬送車ホルダにより前記ホルダを搬送するレール搬送部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検査室内の人の動線を確保し易い検体搬送装置を提供することができる。
【0011】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】検体搬送装置を含む検体検査自動化システムの構成図。
図2】ホルダ搬送車の概略図。
図3】ホルダ搬送車の正面図。
図4】ホルダ搬送車の側面図。
図5】ホルダ搬送車の上面図。
図6】搬送レールの概略図。
図7】レール搬送部の上面図。
図8】レール搬送部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【0014】
図1は本実施例に係る検体検査自動化システムの構成例である。検体検査自動化システムは、前処理装置100、検体搬送装置200、自動分析装置300、前処理装置操作部150、搬送制御部250、自動分析装置操作部350、から構成される。
【0015】
前処理装置100は分析処理の前に検体の前処理を行う。前処理装置100では、検体受付、遠心分離が必要な検体に対して遠心分離処理、検体の液量などの情報の取得、検体容器の栓を取り除く開栓処理、複数の検体容器101に検体を小分けする分注処理などの検体の前処理工程が実施される。
【0016】
検体搬送装置200は前処理装置100、自動分析装置300との間で検体を収容した検体容器101を搬送する。検体容器101は、例えば試験管である。検体搬送装置200は、検体容器101を搭載したホルダ102をコンベアベルトにより搬送するベルト搬送部260のほかに、ホルダ102をホルダ搬送車201および搬送レール230により搬送するレール搬送部270を搬送路として備える。検体搬送装置200は搬送制御部250により制御されている。
【0017】
前処理の完了した検体は、検体搬送装置200によって自動分析装置300に搬送され分析処理が行われる。分析装置での採取が完了した検体は検体搬送装置200によって前処理装置100などに備えられた検体収納部に搬送され保管される。
【0018】
図2は、レール搬送部270で用いられるホルダ搬送車201の概略図である。
【0019】
検体を収容した検体容器101は、1本ずつホルダ102に収容される。ホルダ102は、ホルダ搬送車201の上面に搭載され、ホルダ搬送車用の搬送レール230上を搬送される。
【0020】
図3乃至5はホルダ搬送車201の構成図であり、図3は正面図(搬送レール230の長手方向から見た図)、図4は側面図(搬送レール230の側面方向から見た図)、図5は上面図である。
【0021】
ホルダ102は、自走式のホルダ搬送車201に搭載され、ホルダ搬送車201用の搬送レール230上を搬送される。
【0022】
ホルダ搬送車201は、ガイド用車輪204、走行用車輪205、衝突検知センサ206、モータ207、制御部208、バッテリ209、固定部品210、充電用端子211、表示部212を備えている。
【0023】
搬送レール230の上面には上面ガイド溝232が、側面には側面ガイド溝233が設けられている。上面ガイド溝232と走行用車輪205とが、側面ガイド溝233とガイド用車輪204とが嵌合する。上面ガイド溝232および側面ガイド溝233は搬送レール230の長手方向に設けられ、これらの溝に沿って走行用車輪205とガイド用車輪204が回転する。ガイド用車輪204は、ホルダ搬送車201の回転を抑制する機能を有する。
【0024】
走行用車輪205はモータ207により駆動される。走行用車輪205により、ホルダ搬送車201は搬送レール230上を自走することが可能である。
【0025】
衝突検知センサ206は、搬送路上に設けられたストッパ、または搬送路上を前走する他のホルダ搬送車201を検知した場合にホルダ搬送車201を停止させるために用いられる。衝突検知センサ206として、接触式やレーザー反射式などのセンサを使用することが可能である。
【0026】
モータ207はホルダ搬送車201が前進または後退する為に用いられる。本実施例では、モータ207は減速用ギアボックスを介して走行用車輪205に接続されている。
【0027】
制御部208は、モータ207の制御と状態表示の制御を行う。また、無線データ通信機能をもち、搬送制御部250からの命令の受信による緊急停止や速度変更等の制御や、搬送制御部250への自らの状態(走行中、停止中、エラー発生等)の送信を行うことができる。
【0028】
充電式バッテリ209は、モータ207と制御部208に電力を供給する。充電式バッテリ209に代えて、搬送レール230を介して給電することも可能である。この場合、ホルダ搬送車201内にバックアップ用バッテリをもつことが望ましい。また、搬送レール230を介して給電する場合、搬送レール230のカーブや検体ホルダ102の受け渡し位置等に応じた速度制御を、搬送レール230からの制御により行うことも可能である。
【0029】
固定部品210は、ホルダ搬送車201にホルダ102を搭載した際に、ホルダ102の側面及び上面を固定する。固定部品210は、例えば樹脂または金属、またはこれらの組み合わせにより構成される。本実施例では、固定部品210は図示しないスプリングにより付勢されている。ホルダ102がホルダ搬送車201の側面方向からホルダ搬送車201のホルダ保持部へ押し込まれると、固定部品210がその付勢力によってホルダ102を保持する。
【0030】
充電用端子211は、搬送レールの充電位置において、バッテリ209への充電を行う為のものである。
【0031】
表示部212は、ホルダ搬送車201の状態表示を行う。例えば、表示部212としてLEDを設け、その色によって、青:走行中、黄色:停止中、赤:エラー発生、等の表示を行うことが可能である。
【0032】
図6は搬送レール230の構成を示す図である。搬送レール230は、断面が円形状の樹脂製または金属製の部材により構成される。搬送レール230は、樹脂製または金属製のパイプによって構成してもよい。搬送レール230の表面には、ホルダ搬送車201の走行用車輪205をガイドする上面ガイド溝232、ホルダ搬送車201のガイド用車輪204をガイドする側面ガイド溝233が設けられている。
【0033】
図7はホルダ搬送車201と搬送レール230とを用いたレール搬送部270の上面図である。
【0034】
搬送レール230はホルダ102の搬入位置276と搬出位置279とを備え、全体としては環状に構成されている。ホルダ搬送車201は、搬入位置276でホルダ102の搬入を行い、搬出位置279へホルダ102を搬送する。搬出位置279でホルダ102を搬出した後は、ホルダ搬送車201は再び搬入位置276まで移動する。このように、ホルダ搬送車201は、ホルダ102を搬入位置276への到着順に搭載して、搬出位置279まで搬送することを繰り返す。
【0035】
本実施例では、搬入位置276、搬出位置279のそれぞれに対して、ホルダ102をコンベアベルトにより搬送するベルト搬送部260が接続されている。検体検査自動化システムのレイアウトに応じて、搬入位置276、搬出位置279のそれぞれに対して、前処理装置100、自動分析装置300、他のレール搬送部270などを接続しても良い。
【0036】
搬入位置276において、ホルダ102はホルダ搬送車201への搬入を待機する。ホルダ搬送車201は、搬入位置276へ移動後に、搬入位置用ストッパ274にて停止する。ホルダ102は、停止したホルダ搬送車201の進行方向から見て横側からセットされる。ホルダ搬送車201のホルダ保持部にある固定部品210により、ホルダ102の側面及び上面が固定される。ホルダ102を搭載後、搬入位置用ストッパ274が開放されると、ホルダ搬送車201の前面の衝突検知センサ206の出力がOFF(障害物なし)となり、ホルダ搬送車201は前進を開始する。
【0037】
搬入位置276にはホルダ102の搬入用コンベアベルト273と搬入位置用ストッパ274とが設けられている。ホルダ搬送車201の手前にてストッパ(図示せず)によってホルダ102を待機させ、押し出し機構(図示せず)によって、ホルダ搬送車201へとホルダ102を押し込む。搬入位置用ストッパ274は、ホルダ102の搭載位置へ1つずつホルダ搬送車201を送り出すように動作する。
【0038】
ホルダ搬送車201のバッテリ209への充電は、搬入位置276前のホルダ搬送車201の待機位置275にて行う。
【0039】
搬入位置276にて、ホルダ102をホルダ搬送車201へ搬入する。
【0040】
搬出位置279には、ホルダの搬出用コンベアベルト277と搬出位置用ストッパ278とが設けられている。搬出位置279にてホルダ搬送車201より搬出されたホルダ102は、搬出用コンベアベルト277にて搬送される。
【0041】
搬出位置279まで搬送されたホルダ搬送車201は、搬出位置用ストッパ278にて停止する。ホルダ搬送車201の前面の衝突検知センサ206が搬出位置用ストッパ278を検知し、ホルダ搬送車201のモータ207を停止させる。
【0042】
搬出位置279にてホルダを搬出したホルダ搬送車201は、環状になった搬送レール230を走行し、待機位置275にて待機する。
【0043】
図8はホルダ搬送車201と搬送レール230とを用いたレール搬送部270の側面図であり、図7のレール搬送部270を矢印Aの方向から見た図である。
【0044】
搬送レール230は搬送路の途中で地上からの高さが変化する昇降部を有するように構成されている。本実施例では、支柱280によって搬送レール230の一部を山状に高くし、搬送レール230の下(2つの昇降部の間)を人が通れるように構成している。
【0045】
以上説明したごとく、本実施例に係る搬送レール230ではコンベアベルトを用いない。搬送路がコンベアベルトである場合、搬送路の伸長に伴い、(1)ベルト自体の伸びやズレが発生する可能性の増大、(2)ベルトを駆動するモータの負荷の増大、(3)コンベアベルトを駆動させた状態で検体ラックまたはホルダを停止させることによるコンベアベルト表面の摩耗、などを考慮する必要がある。これらの要因により、メンテナンスや部品交換の頻度が多くなる可能性がある。
【0046】
搬送路の特に長い距離の部分を、搬送レール230で構成し、この搬送レール230上でホルダ搬送車201を自走させることにより、処理速度を落とさずに、メンテナンス性を高めることができる。また、搬送レール230は、構造が簡単で、あらゆる方向に曲げることができるため、システムの拡張性を高めることができ、搬送システムのレイアウトの自由度を高めることができる。更に、コンベアベルトを用いることなく搬送路の伸長が可能であるため、上述のようなメンテナンスや部品交換を抑制することも可能である。
【0047】
また、搬送路の一部を搬送レール230とすることにより、搬送レール230部分を人が横断可能に構成することができる。コンベアベルトを用いる搬送路では、人の横断を可能とするためには、搬送路上に階段(跨線橋)を設けるか、搬送ラインの昇降機を設置する必要がある。一方、本実施例によれば、搬送レール230を用いることで搬送路の上下昇降を容易に行うことができる。図8で説明したような山状の形状の他、例えば、搬送レール230を螺旋状に構成して上下昇降を行うことも可能である。
【0048】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
100 前処理装置
101 検体容器
102 ホルダ
150 前処理装置操作部
200 検体搬送装置
201 ホルダ搬送車
204 ガイド用車輪
205 走行用車輪
206 衝突検知センサ
207 モータ
208 制御部
209 バッテリ
210 固定部品
211 充電用端子
212 表示部
230 搬送レール
232 上面ガイド溝
233 側面ガイド溝
250 搬送制御部
260 ベルト搬送部
270 レール搬送部
273 搬入用コンベアベルト
274 搬入位置用ストッパ
275 待機位置
276 搬入位置
277 搬出用コンベアベルト
278 搬出位置用ストッパ
279 搬出位置
280 支柱
300 自動分析装置
350 自動分析装置操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8