(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-138907(P2019-138907A)
(43)【公開日】2019年8月22日
(54)【発明の名称】軸受の無い角度測定装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/245 20060101AFI20190726BHJP
【FI】
G01D5/245 110X
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-20277(P2019-20277)
(22)【出願日】2019年2月7日
(31)【優先権主張番号】10 2018 202 239.9
(32)【優先日】2018年2月14日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・ターラー
(72)【発明者】
【氏名】エーリヒ・シュトラサー
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA43
2F077NN02
2F077NN04
2F077NN16
2F077PP06
2F077UU15
2F077VV13
2F077VV14
2F077VV31
(57)【要約】
【課題】本発明は、軸受の無い角度測定装置に関し、この軸受の無い角度測定装置が、角度スケール1.2と、走査ユニット2.2と、評価電子機器2.21とを備えている。前記走査ユニット2.2と前記角度スケール1.2とは、走査間隔Dにおいて、互いに相対的に軸線Xを中心に回転可能に配設されており、従って、前記走査ユニット2.2によって、角度に依存する出力信号が生成可能であり、これら出力信号が、前記評価電子機器2.21内において後続処理可能である。前記出力信号に基づいて前記走査間隔Dは決定可能である。
【解決手段】前記角度測定装置は、更に、補整カップリング2.1を有しており、その際、この補整カップリング2.1が、1つの機械部材に固定可能であり、且つ、前記軸線Xの方向に弾性的に変形可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受の無い角度測定装置であって、この軸受の無い角度測定装置が、
− 角度スケール(1.2)と、
− 走査ユニット(2.2)と、
− 評価電子機器(2.21)と、
を備え、
前記走査ユニット(2.2)と前記角度スケール(1.2)とが、走査間隔(D)において、互いに相対的に軸線(X)を中心に回転可能に配設されており、且つ、前記走査ユニット(2.2)によって、角度に依存する出力信号が生成可能であり、これら出力信号が、前記評価電子機器(2.21)内において後続処理可能であり、
前記角度測定装置が、前記出力信号に基づいて前記走査間隔(D)が決定可能であるように構成されている様式の上記軸受の無い角度測定装置において、
前記角度測定装置が、更に、補整カップリング(2.1)を有しており、
この補整カップリング(2.1)が、1つの機械部材に固定可能であり、且つ、前記軸線(X)の方向に弾性的に変形可能に構成されていること、
を特徴とする軸受の無い角度測定装置。
【請求項2】
前記補整カップリング(2.1)は、前記軸線(X)の方向に、少なくとも0.5mmの昇降ストロークにわたって弾性的に変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項3】
前記補整カップリング(2.1)は、屈曲された複数の構成要素(2.11)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項4】
前記構成要素(2.11)は、それぞれに、半径方向の方向成分を有する方向に延びている第1の脚部(2.111)と、軸線方向の方向成分を有する方向に延びている第2の脚部(2.112)とを有していることを特徴とする請求項3に記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項5】
前記角度測定装置は、1つのケーシング(2.3)を有しており、および、前記走査ユニット(2.2)が、回転不能にこのケーシング(2.3)と結合されており、および、更に、前記補整カップリング(2.1)が、回転不能にこのケーシング(2.3)に固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項6】
前記補整カップリング(2.1)は、ねじれ剛性があるように構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項7】
前記角度測定装置は、誘導的な角度測定装置として形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項8】
前記走査ユニット(2.2)は、この走査ユニット(2.2)によって前記角度スケール(1.2)が少なくともこの角度スケールの半分の周囲を走査可能であり、且つ、従って、角度に依存する出力信号が生成可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項9】
前記角度測定装置は、前記出力信号に基づいて、前記走査ユニット(2.2)に対して相対的な前記軸線(X)の傾斜が決定可能であるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の軸受の無い角度測定装置。
【請求項10】
前記評価電子機器(2.21)は、更に、前記出力信号の信号振幅の決定のための1つのユニットを備えており、および、
前記走査間隔(D)が、前記出力信号の前記信号振幅に基づいて決定可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の軸受の無い角度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
角度測定装置が、誘導的、磁気的、または、容量的な測定原理に基づいていることは可能であり、且つ、例えば、回転検出器内において、互いに相対的に回転可能な2つの機械部材の角度位置の決定のために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
誘導的な角度測定装置において、しばしば走査ユニットとして、パターン導線の様式における励磁コイルおよび受信部コイルが共通のプリント基板の上に付着され、このプリント基板は、例えば回転検出器のステーターと強固に結合されている。このプリント基板と反対側に更に別の基板が位置し、この基板の上に、角度スケールとして、周期的な間隔において導電性の、目盛り構造としての面が付着されており、且つ、この基板が、回転検出器のローターと回転不能に結合されている。
励磁コイルに電気的な励磁場が賦与された場合、受信部コイル内において、ローターとステーターとの間の相対的な回転の間じゅう、角度位置に依存する出力信号が生成される。これら出力信号は、その場合に、評価電子機器において後続処理される。
【0003】
原理的に、自己軸受部を有する角度測定装置と、以下で軸受の無い角度測定装置と称される、自己軸受部の無い角度測定装置との間に相違がある。
自己軸受部を有する角度測定装置は、通常、比較的に小さなころ軸受を有しており、従って、互いに相対的に回転可能な構造部材群が、当該の角度測定装置の内側で、所定の軸線方向および半径方向の位置において、互いに相対的に配設されている。
それに対して、軸受の無い角度測定装置において、機械における組み付けの際に、互いに回転可能な構造部材群が、正確な位置において、特に正確な軸線方向の間隔において、互いに固定されることは留意されねばならない。
【0004】
特許文献1および特許文献2内において、それぞれに、角度測定装置が記載されており、この角度測定装置は、走査間隔を決定することの目的のために適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開第1 750 101 A1号明細書
【特許文献2】ヨーロッパ特許出願公開第1 126 248 A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底をなす課題は、軸受の無い、特に誘導的な角度測定装置を提供することであり、従って、走査間隔の精確な決定が可能であり、その際、最適化された機械的な結合が保証される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明に従い、請求項1の特徴によって解決される。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、それに従って、軸受の無い角度測定装置を備えており、この軸受の無い角度測定装置が、特に、角度スケールと、走査ユニットと、評価電子機器とを有している。前記走査ユニットと前記角度スケールとは、走査間隔において、互いに相対的に軸線を中心に回転可能に配設されている。更に、前記走査ユニットによって、角度に依存する出力信号が生成可能であり、これら出力信号が、前記評価電子機器内において後続処理可能である。その際、前記角度測定装置が、前記出力信号に基づいて前記走査間隔が決定可能であるように構成されている。
前記角度測定装置は、更に、補整カップリングを有しており、その際、この補整カップリングが、1つの機械部材に固定可能であり、且つ、前記軸線の方向に弾性的に変形可能に構成されている。
【0009】
特に、補整カップリングは、この補整カップリングが、角度測定装置、特に走査ユニットが回転不能に固定されている角度測定装置のその構造部材群を、永続的に機械部材へと押し付けるように形成されている。
【0010】
角度に依存する出力信号は、特に、角度スケールと走査ユニットとの間の相対的な角度位置に関する情報を備えている信号である。
【0011】
有利には、補整カップリングは、軸線の方向に、少なくとも0.5mm、特に少なくとも1mm、有利には少なくとも1.5mmの昇降ストロークにわたって弾性的に変形可能に構成されている。
【0012】
本発明の更なる構成において、補整カップリングは、屈曲された複数の構成要素を有している。この関連において、これら構成要素は、それぞれに、半径方向の方向成分を有する方向に延びている第1の脚部と、軸線方向の方向成分を有する方向に延びている第2の脚部とを有している。
【0013】
本発明の有利な構成において、走査ユニットは、回転不能にケーシングと結合されており、および、補整カップリングが、更に、回転不能にこのケーシングに固定されている。
【0014】
有利には、補整カップリングは、ねじれ剛性があるように構成されており、即ち、この補整カップリングが、導入された、接線方向に整向された力の際に、変形しない、または、極めてほんの少しだけ変形する。それに加えて、補整カップリングが、半径方向に関して、剛性に構成されていることは可能である。
【0015】
本発明の更に別の構成に従い、角度測定装置は、誘導的な角度測定装置として形成されている。
【0016】
本発明の有利な構成において、走査ユニットは、この走査ユニットによって角度スケールが少なくともこの角度スケールの半分の周囲を走査可能であり、且つ、従って、角度に依存する出力信号が生成可能であるように構成されている。有利には、角度スケールは、走査ユニットによって、周囲の少なくとも66%にわたって、または、有利には75%にわたって走査可能である。
特に、その場合に、角度測定装置が、出力信号に基づいて、走査ユニットに対して相対的な軸線の傾斜が決定可能であるように構成されていることは可能である。
【0017】
しばしば、誘導的な角度測定装置は、角度スケールが、走査ユニットもしくはセンサーコイルによって、この角度スケールの周囲の大部分にわたって走査可能であり、且つ、従って、角度に依存する出力信号が生成可能であるように構成されている。選択的に、角度測定装置は、角度スケールが周囲にわたって分配された複数の走査位置によって走査され、従って、このことによって、軸線Xの傾斜が決定可能であるように構成されていることは可能である。
【0018】
本発明の更に別の構成に従い、評価電子機器は、更に、出力信号の信号振幅の決定のための1つのユニットを備えており、および、走査間隔が、出力信号の信号振幅に基づいて決定可能である。
【0019】
有利には、信号振幅の決定のためのこのユニットは、調節ユニットに所属して設けられており、この調節ユニットが、出力信号の信号振幅が調節量に対する作用によって目標振幅値からの予め与えられた偏差を超過しないように構成されている。
【0020】
本発明の有利な構成に従い、角度測定装置は、自体、1つの電子機器を有して構成されており、この電子機器によって、走査間隔が決定され得る。特に、有利には、上記の評価電子機器は、この評価電子機器によって、走査間隔が決定可能であるように構成されている。走査間隔は、その場合に、例えばデジタルインターフェースを介して、(角度測定装置に関して)外部の後続の電子機器に、更に別の電子的な処理のために伝送され得る。
選択的に、この目的のために、本発明は、それら角度測定装置内において、決定された走査間隔が、内部的に、角度測定装置の内部で電子的に更に処理される該角度測定装置も備えている。決定もしくは計算された走査間隔は、従って、角度測定装置の内側または外側で、更に別の電子的な処理のために利用される。
【0021】
有利には、評価電子機器から、走査間隔に関するデジタル値、即ち、いわば、2進数が生成され、この2進数は、その場合に、マイクロプロセッサー内において更に処理可能である。このマイクロプロセッサーが、角度測定装置の外側に配設されている場合、有利な方法で、この角度測定装置は、1つのインターフェースを有していることは可能であり、このインターフェースを介して、数値が、後続の電子機器に伝送可能である。
【0022】
本発明の有利な構成は、従属請求項から見て取れる。
【0023】
本発明による軸受の無い角度測定装置の更なる利点、並びに詳細は、添付の図に基づいて、実施例の以下の説明から与えられる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図内において、角度測定装置の実施例が図示されており、この角度測定装置は、ここで、誘導的な角度測定装置として構成されている。この角度測定装置は、第1の構造部材群1と第2の構造部材群2とを有しており、その際、これら両方の構造部材群1、2が、互いに相対的に軸線Xを中心に回転可能に配設されている。
相対的な回転可能性の達成のために、本発明の角度測定装置において、如何なる自己軸受部も、即ち、如何なるころ軸受または滑り軸受も設けられていない(軸受の無い角度測定装置)。むしろ、第1の構造部材群1は第1の機械部材に、および、第2の構造部材群2が第2の機械部材に固定されている。その際、第1の機械部材は、相対的に第2の機械部材に対して回転可能に配設されている。構造部材群1、2は、空隙によって互いに分離されて、向かい合って位置する。
【0026】
角度測定装置の第1の構造部材群1は、軸1.1を有しており、この軸1.1が、提示された実施例において、機械軸またはモータ軸における、剛性な、且つ、回転不能な固定のためのテーパー状の端部を有している。上記のことに応じて、軸1.1は、凸状の組み付け面1.11を有している。
軸1.1に、角度スケール1.2が固定されている。この角度スケールは、リング形状のプリント基板から成っており、このプリント基板の上に、周期的な順序および同じピッチステップにおいて、導電性および非導電性の領域、即ち、異なる電気的な伝導率の領域が設けられている。しばしば、角度測定装置の第1の構造部材群1は、同様にローターとも称され得る。
【0027】
角度スケール1.2に、走査間隔Dにおいて向かい合って位置して、走査ユニット2.2が配設されており、この走査ユニットは、第2の構造部材群2に所属して設けられており、この第2の構造部材群が、ここで、同様にステーターとも称され得る。走査ユニット2.2は、ここで、同様に、リング形状のプリント基板として形成されており、このプリント基板が、励磁コイル及びセンサーコイルを備えている。更に、走査ユニット2.2は、ケーシング2.3に固定されている。ケーシング2.3内において、それに加えて、評価電子機器2.21の構成要素が位置している。
特に、評価電子機器2.21に、ASIC構成要素が所属して設けられている。このASIC構成要素内において、走査ユニット2.2と角度スケール1.2との間の相対的な角度位置を決定するための回路、並びに、制御器ユニットが統合されている。それに加えて、ケーシング2.3内において、差込みコネクタ2.22が位置しており、この差込みコネクタ2.22に、後続の電子機器への接続ケーブルが接続可能である。
【0028】
ケーシング2.3は、回転不能に、補整カップリング2.1と結合されている。
補整カップリング2.1は、提示された実施例において、4つの構成要素2.11、並びに、フランジ2.12を備えている。構成要素2.11は、薄板から製造されており、且つ、それぞれに、屈曲された形状を有しており、従って、これら構成要素2.11が、それぞれに、第1の脚部2.111と第2の脚部2.112とを有している。第1の脚部2.111は、それぞれに、半径方向の方向成分を有する方向に延び、且つ、第2の脚部2.112が、それぞれに、特に軸線Xに対して平行の、軸線方向の方向成分を有する方向に延びている。
提示された実施例において、それぞれに、第1の脚部2.111はケーシング2.3に、および、第2の脚部2.112がフランジ2.12に固定されている。構成要素2.11は、補整カップリング2.1が、軸線Xの方向において弾性的に変形可能に形成されているように構成されている。
提示された実施例において、補整カップリング2.1は、同様に1.0mmの軸線方向の昇降ストロークの際にもただ弾性的にだけ変形し、且つ、偏位力が低下された場合に再び出発位置を占める。
【0029】
更に、補整カップリング2.1は、ねじれ剛性があり、且つ、半径方向に剛性である。
【0030】
角度スケール1.2と走査ユニット2.2とは、互いに相対的に回転可能に配設されており、その際、軸1.1に固定された角度スケール1.2が、角度測定装置の作動状態において回転する。それに従って、ここで、走査ユニット2.2と角度スケール1.2との間の相対的な回転数は、同様に、軸1.1と、固定状態のケーシング2.3もしくはフランジ2.12との間の回転数に相応する。
ステーター側の走査ユニット2.2の上の回転しない励磁コイルによって、角度測定装置の作動状態において、均一の交番磁場が生成され、この交番磁場は、角度スケール1.2によって、角度位置、もしくは、軸1.1の回転角度に依存して変調される。同様に、走査ユニット2.2の上に位置するセンサーコイル内において、変調された電磁場によって、角度に依存する出力信号が生成される。
【0031】
提示された実施例において、角度測定装置は、いわゆる全周走査(Rundumabtastung)に従い構成されている。このことは、特に、角度スケール1.2が、走査ユニット2.2もしくはセンサーコイルによって、ほぼ全周囲を走査可能であり、且つ、従って、角度に依存する出力信号が生成可能であるように構成されていることを意味する。
従って、ほぼ、角度スケール1.2の全体の目盛り構造が、位置信号の取得のために、走査ユニット2.2によって走査される。
【0032】
そのように生成された出力信号は、次いで、評価電子機器2.21に供給され、ここで、これら出力信号が更に処理される。制御器ユニット内において、出力信号は、これら出力信号が、常に同じ信号振幅もしくはレベルを有するように調節される。
この目的のために、先ず第一に、このユニット内において、出力信号の信号振幅が、実際値として決定される。その後、先に決定された信号振幅と予め与えられた目標振幅値との間の偏差が決定される。この偏差の分量に依存して、偏差を予め与えられた限界の内に保持する目的で、調節量が算出される。
提示された実施例において、送信コイルの通電であるこの調節量に対する作用によって、信号振幅は、十分に一定の大きさを保持される。
【0033】
例えば、角度測定装置は、電気モータのブレーキとの結合において使用され得る。この場合、補整カップリング2.1、もしくは、この補整カップリング2.1のフランジ2.12は、第2の機械部材に固定され得る。第2の機械部材が、例えば、ブレーキシューであることは可能である。
その際、補整カップリング2.1は、同様に軸線方向のばね作用(Anfederung)、もしくは、軸線方向の押付け力(Andruckkraft)の形成のためにも利用され、この押付け力が、ケーシング2.3を、永続的に、ブレーキがかけられた(eingefallen)、またはかけられていないかどうかに依存せずに、第2の機械部材に対して押し付ける。
軸1.1は、モータ軸と強固に結合される。通常、この様式の配設の場合、ブレーキは、保持ブレーキとして利用され、且つ、回転するモータ軸の場合に係合状態に無い。
【0034】
ここで、ブレーキがかかった(einfaellt)場合、ケーシング2.3は、方向ξに移動する(
図1を参照)。それに対して、第1の構造部材群1は、不変の軸線方向の位置に留まる。このことは、補整カップリング2.1の、軸線方向において弾性的な構成要素2.11が、変形される、特に第1の脚部2.111が曲げ稜部の領域内においてフランジ2.12のリングの平面から外へと移動することの結果として招く。同時に、その場合に、走査間隔Dは低減する。
【0035】
角度測定装置の作動状態において、先ず第一に、走査間隔Dの実際上の実際値が決定される。この目的のために、出力信号、ここで90°だけ位相をずらされたインクリメンタル信号が、評価電子機器2.21の走査ユニット2.2から供給される。制御器ユニット内において、決定された信号振幅の調節のために必要な調節量の分量が形成される。
提示された実施例において、それぞれに相前後して連続する8つの出力信号から1つの振幅平均値が形成されるというやり方で、このユニット内において信号振幅が決定される。その後、どのような程度において、このように決定された信号振幅が予め与えられた目標振幅値から偏差しているかが検査される。
偏差の分量が過度に大きい場合、もしくは、信号振幅が、予め決定された調節範囲の外側にある場合、調節量もしくは増幅率の分量は相応して変化され、従って、出力信号のレベルもしくは信号振幅が、目標振幅値に近接される。
【0036】
更に、回路内において、軸1.1の角度位置もしくは位置値は、出力信号に基づいて決定される。
【0037】
基本的に、調節量もしくは増幅率の分量、または、送信コイルの通電が、増大する実際の走査間隔Dと共に増大することは確認され得る。
【0038】
走査間隔Dは、従って、ブレーキがかけられた(eingefallen)、またはかけられていないかどうかの情報を備えている。これに伴って、先ず第一に、ブレーキのそれぞれに、現在の状態(ブレーキがかけられている(eingefallen)、または、自由である)が上記された方法で算出され得る。
【0039】
更に、走査間隔Dの正確な決定により、ブレーキの摩耗状態は検知され得る。提示された実施例において、調節量もしくは増幅率の分量は、連続的に監視される。
この量の遅鈍な変化の際に、この変化が、ブレーキをかけることによって引き起こされたのでは無く、むしろ、他の影響、例えば角度測定装置内における温度の変化によって引き起こされたということが出発点とされ得る。調節量もしくは増幅率の分量の迅速な変化の際に、それに対して、ブレーキ過程が出発点とされ得る。
この場合に、走査間隔Dの決定された変化度(Gradienten)の発生から、相応する移動の終わりの到達に至るまで、この走査間隔Dの変化は測定される。ブレーキが摩耗されていればされている程、走査間隔Dの変化は、ブレーキ過程の結果としてより大きくなる。このようにして、0.1mmのブレーキ摩耗は、精確に決定され得、従って、ブレーキの残留耐用期間に関する情報出力が可能である。
【0040】
しばしば、この様式のブレーキは、同様に必要な余剰性の理由から2つのブレーキシューが存在するようにも構成されており、これらブレーキシューが、向かい合って位置して、それぞれに軸線Xの一方の側において作用する。均一でない摩耗の際に、ブレーキをかけることがケーシング2.3もしくは走査ユニット2.2に対して相対的な軸線Xの傾倒を生起することは、いずれの場合でも生じ得る。
走査ユニット2.2が、角度スケール1.2が走査ユニット2.2もしくはセンサーコイルによってほぼ全周にわたって走査可能である(全周走査)ように構成されていることによって、出力信号は、軸線Xの傾斜の決定のために参照され得る。
相応して、提示された実施例において、角度測定装置は、出力信号に基づいて走査ユニット2.2に対して相対的な軸線Xの傾斜が決定可能であるように構成されている。傾斜もしくは傾斜角度の程度は、それに従って、ブレーキ、特に2つのブレーキシューの摩耗の均等性の、状態もしくは位置に関する情報を与える。
【0041】
角度測定装置によって、従って、ブレーキが係合の状態にあるか、または、係合の状態に無いかどうかは確認可能である。更に、同様に、例えば上記された傾斜の過度な程度による欠陥も検知可能である。
それに加えて、ここで与えられた測定精確性に基づいて、同様にブレーキの摩耗状態も算出され得る。その際、走査間隔Dの決定のためにも、軸線Xの傾斜の決定のためにも、別個の位置測定機器は必要ではない。
【0042】
それぞれの必要条件に従い、角度測定機器に設備されているインターフェースを介して、走査間隔D、または、軸線Xの傾斜、または、両方の大きさは、例えばシリアルデータ伝送を介して後続の電子機器に伝送され得る。更に、後続の電子機器に、同様に軸1.1の角度位置および回転数も、更に別の電子式の処理のために転送される。
【符号の説明】
【0043】
1 第1の構造部材群
1.1 軸
1.11 凸状の組み付け面
1.2 角度スケール
2 第2の構造部材群
2.1 補整カップリング
2.11 構成要素
2.111 第1の脚部
2.112 第2の脚部
2.12 フランジ
2.2 走査ユニット
2.21 評価電子機器
2.22 差込みコネクタ
2.3 ケーシング
D 走査間隔
X 軸線
ξ 方向
【外国語明細書】