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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-145721(P2019-145721A)
(43)【公開日】2019年8月29日
(54)【発明の名称】真空処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190802BHJP
【FI】
   H01L21/302 101M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2018-30295(P2018-30295)
(22)【出願日】2018年2月23日
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】植村 崇
(72)【発明者】
【氏名】一野 貴雅
(72)【発明者】
【氏名】中本 和則
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩平
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004AA16
5F004BB07
5F004BB14
5F004BB22
5F004BC01
5F004CA05
5F004CA06
(57)【要約】
【課題】稼働率あるいは処理の効率を向上させた真空処理装置を提供することにある。
【解決手段】試料台を構成する金属製の基板の下方に配置されその内部の空間が大気圧にされ当該空間上方に前記基板及びこれと締結された前記基材並びに絶縁部材が載せられた状態で前記基板と接続された円筒形の架台と、前記架台の前記空間内で前記基板の下面との間に隙間をあけて配置され前記空間の中心から外側に向けてTまたはY字状に延在した板状の梁部と、当該梁部と前記基板、絶縁部材及び基材を貫通し前記試料台の上方で先端上に前記試料を支持してこれを上下に移動する複数本のピンと、前記梁部の中央部下面に取り付けられた前記複数本のピンの駆動部と、前記梁部に配置されたピンが貫通する貫通孔の周囲に配置され内外を気密に封止するシールを備えた真空処理装置。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器内部に配置され内側が排気され減圧される処理室と、この処理室内に配置され処理対象のウエハがその上面に載置される試料台と、この試料台の下方に配置され処理室内部を排気する排気ポンプと連通した開口とを備え、前記試料台上方の前記処理室内に形成されたプラズマを用いて前記試料を処理する真空処理装置であって、
前記試料台が、その上面に前記ウエハが載置される誘電体製の膜を備えた金属製の基材と、この基材の下方に配置されて当該基材と絶縁部材を挟んで絶縁された金属製の基板と、この基板の下方から前記基材の中心部に挿入されて当該基板下面に取り付けられ前記基材に高周波電力を供給するコネクタと、前記基板の下方に配置されその内部の空間が大気圧にされ当該空間上方に前記基板及びこれと締結された前記基材並びに絶縁部材が載せられた状態で前記基板と接続された円筒形の架台と、前記架台の前記空間内で前記基板の下面との間に隙間をあけて配置され前記空間の中心から外側に向けてTまたはY字状に延在した梁部であってその端部が前記架台の内周壁面と接続された板状の梁部と、当該梁部と前記基板、絶縁部材及び基材を貫通し前記試料台の上方で先端上に前記試料を支持してこれを上下に移動する複数本のピンと、前記梁部の中央部下面に取り付けられた前記複数本のピンの駆動部と、前記梁部に配置され前記複数本のピンの各々が貫通する貫通孔の周囲に配置され当該ピン各々の周囲と大気圧にされた前記架台内の前記空間との間を気密に封止するシールを備えたプラズマ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
前記基材が前記架台に取り付けられた状態で前記梁部上面の前記シールの封止が形成されるプラズマ処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
前記コネクタが前記基板に取り付けられた状態で当該基板及びこれと締結された前記基材並びに絶縁部材が前記架台から取り外し可能に構成されたプラズマ処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
前記梁部上面と前記基板下面との間の前記隙間と前記空間を通して前記高周波電力を供給得する高周波電源との間が着脱可能に接続されたプラズマ処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
前記基材に電力を供給するケーブルまたはガス或いは流体を供給する配管が前記梁部の複数のTまたはY字状の梁同士の間の前記空間を通して前記基板に接続されたプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空容器内部の減圧される処理室内の試料台上に配置された処理対象の試料を当該処理室内に形成したプラズマを用いて処理する真空処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの被処理物の処理を行う真空処理装置では、例えば、真空処理室内部を減圧した状態でその内部に処理用ガスを導入し、導入された処理用ガスをプラズマ化して、ラジカルとの化学反応や電子のスパッタリングにより、静電チャックを備えた試料台に保持された半導体ウエハなどの被処理物の処理を行っている。
【0003】
真空処理装置では処理用ガスを使用しており、処理用ガスをプラズマ化して被処理物(ウエハ)を処理した際に反応生成物が真空処理室内部に付着する。処理室内部に配置された部品の表面に反応生成物が付着すると、その部品の劣化から表面から反応生成物が微小粒子となって剥離し、落下してウエハ等に異物として付着し汚染してしまうという問題が生じる。これを抑制するために、処理室内部の部品は定期的に交換したり清掃したりして、異物の原因となる反応生成物等を除去したり、各部品の表面を再生する処理が行われる(メンテナンス)。メンテナンスの間は処理室内部が大気圧の雰囲気に開放されており処理を行うことができず装置の稼働が停止しているので、処理の効率が低下することになる。
【0004】
更に近年、被処理物である半導体ウエハの大口径化が進められている。そのため、真空処理装置も大型化し、それを構成する個々の部品も大型化すると共にその重量も増加傾向にあり、部品の取り外しや移動、取り付け等が容易ではなくメンテナンスに要する時間が長くなることが予想され、メンテナンス効率の更なる低下が危惧される。
【0005】
このような真空処理装置のメンテナンス効率を向上させるための技術は、例えば特許文献1に開示されている。また、真空処理チャンバ内で使用される静電チャックについては、例えば特許文献2に開示されている。
【0006】
特許文献1には、外側チャンバの内部に被処理物の処理を行う処理室を構成する上部内筒チャンバと試料台、及び排気部側に配置された下部内筒チャンバを備えた真空処理装置が開示されている。本真空処理装置ではメンテナンスの際に、上部内筒チャンバの上部に配置され、プラズマを生成する放電室を構成する放電室ベースプレートを搬送室側に配置されたヒンジ部を支点として回転させるように上方に持ち上げ、上部内側チャンバの作業空間を確保することにより上部内側チャンバを上方に持ち上げて外側チャンバから取り出す。更に、試料台の鉛直方向の中心を軸として軸周りに配置され固定された支持梁を備えたリング状の支持ベース部材(試料台ブロック)が固定された試料台ベースプレートを搬送室側に配置されたヒンジ部を支点として回転させるように上方に持ち上げ、下部内側チャンバの作業空間を確保することにより下部内側チャンバを上方に持ち上げて外側チャンバから取り出す技術が記載されている。なお、支持梁を試料台の鉛直方向の中心を軸として軸対称に配置(即ち、試料台の中心軸に対するガス流路形状が略同軸軸対称)することにより、上部内筒チャンバ内の試料台上の空間のガス等(処理ガス、プラズマ中の粒子や反応生成物)が、この支持梁同士の間の空間を通り下部内筒チャンバを介して排気される。これにより、被処理物周方向におけるガスの流れが均一になり、被処理物に対する均一な処理が可能となる。
【0007】
この放電室ベースプレート及び試料台ベースプレートをヒンジ部を支点にして引き上げる技術を大口径化した被加工物のメンテナンスに適用する場合、放電ベースプレートや試料台が固定された支持梁が大型化し重量が増加するため、人手によりこれらを上部に引き上げることが困難になり、上部内筒チャンバや下部内筒チャンバの作業空間を確保することが困難になることが危惧される。また、排気部のメンテナンスは外側チャンバの上部から覗き込むようにして行うことになるが、装置の大型化により手が届かず十分な清掃等が困難になることが危惧される。更に、上部に引き上げられた放電ベースプレートや試料台を構成する部品の整備や交換等の非定常メンテナンスは足場が不安定となることが危惧される。仮にクレーン等により放電ベースプレートや試料台が固定された支持梁を引き上げたとしても、後者の2つは解消されない。
【0008】
また、特許文献2には、真空処理チャンバの側壁に設けられた開口部を(水平方向に)通過させることにより、チャンバに取り付け・取り外しが可能で、静電チャックアセンブリが搭載された片持ちの基板支持部が開示されている。この技術を大口径化した被加工物のメンテナンスに適用する場合、基板支持部はチャンバ側壁の開口部で真空シールされているため、重量が増加すると真空シール部への荷重負荷が大きくなり真空を保持することが困難になることが危惧される。また、片持ちのため試料支持部の中心軸に対するガス流路形状が同軸の軸対称とはならず、被処理物の周方向におけるガスの流れが不均一になり、被処理物に対して均一な処理を行うことが困難になると思われる。
【0009】
このような従来技術を解決するための技術として、試料台または静電チャックを構成する部分とこれらを上下に挟んで配置される複数の部分に分けた上で相互の間をシールして真空容器を構成し、試料台または静電チャックを構成する部分は、真空処理装置または処理ユニット本体に連結させた状態で本体水平方向に回転させて移動させ、上下の部分を順次取り外し可能に構成することで、メンテナンスの効率を向上させるものが知られている。このような技術の例としては、特開2015−141908号公報(特許文献3)に開示されたものが従来知られている。
【0010】
特許文献3は、ベースプレート上に配置された、円筒形の下部容器、試料台を支持する支持梁を内側に備えたリング状の試料台ベース、円筒形の上部容器および円筒形の放電ブロック、さらに放電ブロックの上部を閉じる誘電体製の蓋部材とを備えた真空容器を有した真空処理装置が開示されている。本従来技術の処理ユニットでは、真空容器の部材同士の間がシールされて真空容器内部に構成される処理室内に蓋部材を透過して供給されるマイクロ波あるいはVHFまたはUHF帯の高周波電界と放電ブロックの上方及び側方周囲を囲んで配置されたソレノイドコイルからの磁界とによって、処理室内に供給された処理用のガスの原子または分子が励起されてプラズマが形成され、試料台上面上方に載せられて保持された半導体ウエハ等の基板状の試料が処理される。
【0011】
さらに、真空容器を構成する部材あるいは処理室内表面を構成する部材の清掃や交換等の保守、点検を行う際には、処理室内を大気圧またはこれと見做せる程度に近似した圧力値にした後、蓋部材または放電ブロックを他と分離させ、上部容器の取り外し、あるいは試料台ベースを試料台毎水平に回転させて下方の下部容器やベースプレート並びにベースプレート下方に配置されたターボ分子ポンプ等の真空ポンプの上方から移動させて退避させる。上部容器や下部容器の交換や保守点検、或いは試料台とこれに連結された部品の交換や保守、点検の作業をする作業者は、各部分が他の部分から取り外され或いは他の部分が退避させられた状態で作業を十分なスペースを確保して行うことができ、作業の効率を向上させ、真空処理装置が試料を処理していない時間を短縮させその運転の効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−252201号公報
【特許文献2】特開2005−516379号公報
【特許文献3】特開2015−141908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の従来の技術は、次の点について考慮が不足していたため、問題が生じていた。
【0014】
すなわち、半導体ウエハ等の試料は、通常、処理に適したまたは許容される範囲内の温度にされて処理が実施されるが、この範囲内に試料台または試料の温度を調節する上で、試料台の温度を検出するために試料台に温度を検知するセンサ等の検知器が配置されている。このような検知器は、試料台に取り付けられた状態が異なると、同じ温度の値に対して異なる出力をする場合があるため、予め判明している特定の温度に対する出力の値を設定する或いは補正するための較正を行う必要が有るものが存在する。
【0015】
このような検知器が複数備えられた試料台では、検知器を試料台に装着する個数だけ、当該試料台への装着の後に較正の作業を実施する必要がある。一方で、試料台の上面や側面はプラズマに面する、処理室の内表面を構成する部材であるため、表面が清浄な状態から開始された試料の処理の累計の枚数が増大するに伴って表面に付着する処理中に生じた反応生成物等の付着物を除去するため、上記メンテナンスの作業において当該内側表面を構成する部材である試料台を構成する部分を取り外して洗浄や清掃、或いは交換を行う必要が生じる。
【0016】
上記従来技術において検知器が装着されていた部分が当該交換の対象である場合には、このようなメンテナンスの作業毎に検知器の較正の作業を要するため、真空処理装置が試料の処理をしていない時間が増大して、運転の効率や可動率或いは処理の効率が損なわれていた。
【0017】
また、ウエハを試料台の上方で上下させる複数のピンを上下に移動させるピン駆動部は中心に配置されており、試料台に印加する高周波電力の給電ポイントが試料台中心に配置されておらず、給電ポイントが高周波印加時に特異点となり、ウエハをプラズマ処理する際にウエハ面内の均一性が損なわれていた。
【0018】
このような課題に対して、上記従来技術では十分に考慮されておらず、問題が生じていた。
【0019】
本発明の目的は、保守、点検等の作業を実施して試料を処理していない時間を短縮して、稼働率あるいは処理の効率を向上させ、且つウエハ面内を均一に処理し、歩留まりを向上させる真空処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的は、真空容器内部に配置され内側が排気され減圧される処理室と、この処理室内に配置され処理対象のウエハがその上面に載置される試料台と、この試料台の下方に配置され処理室内部を排気する排気ポンプと連通した開口とを備え、前記試料台上方の前記処理室内に形成されたプラズマを用いて前記試料を処理する真空処理装置であって、前記試料台が、その上面に前記ウエハが載置される誘電体製の膜を備えた金属製の基材と、この基材の下方に配置されて当該基材と絶縁部材を挟んで絶縁された金属製の基板と、この基板の下方から前記基材の中心部に挿入されて当該基板下面に取り付けられ前記基材に高周波電力を供給するコネクタと、前記基板の下方に配置されその内部の空間が大気圧にされ当該空間上方に前記基板及びこれと締結された前記基材並びに絶縁部材が載せられた状態で前記基板と接続された円筒形の架台と、前記架台の前記空間内で前記基板の下面との間に隙間をあけて配置され前記空間の中心から外側に向けてTまたはY字状に延在した梁部であってその端部が前記架台の内周壁面と接続された板状の梁部と、当該梁部と前記基板、絶縁部材及び基材を貫通し前記試料台の上方で先端上に前記試料を支持してこれを上下に移動する複数本のピンと、前記梁部の中央部下面に取り付けられた前記複数本のピンの駆動部と、前記梁部に配置され前記複数本のピンの各々が貫通する貫通孔の周囲に配置され当該ピン各々の周囲と大気圧にされた前記架台内の前記空間との間を気密に封止するシールを備えたことにより達成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、処理の効率を向上させた真空処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例に係る真空処理装置の構成の概略を説明する上面図及び斜視図である。
図2図1に示す実施例に係る真空処理装置における被処理物の搬送を説明するための要部概略上面図である。
図3図1に示す実施例の真空処理室の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
図4図1に示す実施例の真空処理室の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
図5図1に示す本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理室におけるメンテナンスの手順を説明するための上面図及び縦断面図である。
図6図1に示す本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理室におけるメンテナンスの手順を説明するための上面図及び縦断面図である。
図7図1に示す本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理室におけるメンテナンスの手順を説明するための上面図及び縦断面図である。
図8図1に示す本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理室におけるメンテナンスの手順を説明するための上面図及び縦断面図である。
図9図1に示す本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理室におけるメンテナンスの手順を説明するための上面図及び縦断面図である。
図10図1に示す本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理室におけるメンテナンスの手順を説明するための上面図及び縦断面図である。
図11図1に示す本発明の実施例に係る真空処理装置の真空処理室におけるメンテナンスの手順を説明するための上面図及び縦断面図である。
図12図3に示す実施例に係る真空処理室の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
図13図12に示された実施例に係る真空処理室の試料台の構成を拡大して模式的に示す縦断面図である。
図14図12及び図13に示された実施例に係る試料台が複数の部品に分解された状態を模式的に示す縦断面図である。
図15図12乃至14に示した実施例に係る真空処理室のTフランジの構成の概略を模式的に示す上面図である。
図16図13に示した実施例に係る真空処理室の試料台の概略を模式的に示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明者等は、上記目的を達成するための手段として、次の点を想起した。すなわち、(1)良好な処理の均一性を確保するために、被処理物を載置する試料台の中心軸に対して処理チャンバ形状を略同軸軸対称とすること。
【0024】
(2)容易な定常メンテナンスを可能とするために、大口径化対応であっても定常メンテナンスの対象部品であるチャンバ部材から反応生成物等を迅速に取り除くことができること。なお、ここでは定常メンテナンスが容易とは、電源ケーブルを切り離したり、水冷却パージを行うなど、非定常メンテナンスの際に行う作業を不要にすることを含む。(3)容易な非定常メンテナンスを可能とするために、大口径化対応であっても非定常メンテナンス対象である放電用電極ヘッドや各種センサが容易に引き出せること。
【0025】
さらに、上記を実現する構成として次の構成を想到した。
【0026】
(1)に対しては、少なくとも真空処理室の水平断面の内壁形状を円形状とし、試料台を支持する支持梁は、試料台の鉛直方向の中心を軸として軸対称に配置し、リング状の支持ベース部材に固定する。(2)に対しては、定常メンテナンスを行う部品はスワップ(交換)可能とする。すなわち、反応生成物等が付着した部品をその場で清掃するのではなく、新しい部品或いは清掃済みの部品と交換可能とする。更に、非定常メンテナンス対象部品を関連部品毎にユニットに纏め、ユニット単位で水平方向に移動可能とし、定常メンテナンスの際にこれらが作業の障害とならないように 回避を容易にする。(3)に対しては、非定常メンテナンス対象部品を関連部品毎に纏めたユニットをメンテナンスの際に水平方向に移動させ、周囲に作業空間を設ける。
【0027】
以下に説明する実施例では、このような構成を備えた真空処理装置において、上記目的を達成する構成を備えた例を説明する。なお、図中において同一符号は同一構成要素を示す。
【実施例】
【0028】
本発明の実施例に係る真空処理装置を、以下、図1乃至図11を用いて説明する。図1は、本発明の実施例に係る真空処理装置の構成の概略を説明する上面図及び斜視図である。
【0029】
本実施例の真空処理装置100であるプラズマ処理装置は、大気ブロック101と真空ブロック102とを有する。大気ブロック101は、大気圧下で半導体ウエハ等の被処理物(試料)を搬送、収納位置決め等をする部分であり、真空ブロック102は大気圧から減圧された圧力下でウエハ等の試料を搬送し、処理等を行ない、試料を載置した状態で圧力を上下させる部分である。
【0030】
大気ブロック101は、大気搬送室106と、この大気搬送室106の前面側に取付けられ、処理用又はクリーニング用の試料が収納されているカセットがその上面に載せられる複数のカセット台107を備えている。大気ブロック101は、カセット台107上の各カセットの内部に収納された処理用またはクリーニング用のウエハが大気搬送室106の背面に連結された真空ブロック102との間でやりとりされる箇所であり、大気搬送室106内部にはこのようなウエハの搬送のためにウエハ保持用のアームを備えた大気搬送ロボット109が配置されている。
【0031】
真空ブロック102は減圧して試料を処理する複数の真空処理室200−1、200−2、200−3、200−4と、これらの真空処理室と連結されその内部で試料を減圧下で搬送する真空搬送ロボット110−1、110−2を備えた真空搬送室104−1、104−2、及びこの真空搬送室104−1と大気搬送室106を接続するロック室105、真空搬送室104−1と真空搬送室104−2を接続する搬送中間室108とを備えている。この真空ブロック102は、その内部は減圧されて高い真空度の圧力に維持可能なユニットで構成されている。これら大気搬送ロボットや真空搬送ロボットの動作や、真空処理室における処理の制御は、制御装置により行われる。
【0032】
図3は、図1に示す実施例の真空処理室の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。特に、図3では真空処理室200における真空処理室の構成の略図を示している。本実施例では同一構造の真空処理室を配置しているが、他の構造を有する真空処理室を組み込んでもよい。
【0033】
図3に示す真空処理室は、上部容器230や下部容器250を含む真空容器と、これに連結されて配置された下方の排気ポンプ270と、上方の第1高周波電源201およびソレノイドコイル206とを備えている。上部容器や下部容器は水平断面形状が円形状の内壁を有し、その内部の中央部には、円筒形状の試料台241が配置されている。
【0034】
上部容器や下部容器の外壁は真空隔壁を構成している。試料台241は試料台ベース242に設けられた支持梁により保持されており、支持梁は試料台の鉛直方向の中心を軸として軸対称に配置(即ち、試料台の中心軸290に対するガス流路形状が略同軸軸対称)されている。
【0035】
上部容器230内の試料台241上の空間のガス等(処理ガス、プラズマ中の粒子や反応生成物)が、この支持梁同士の間の空間を通り下部容器250を介して排気されるため、被処理物(試料)300が載置された試料台241の周方向におけるガスの流れが均一になり、被処理物300に対する均一な処理が可能となる。なお、試料台ベース242は支持梁を備えたリング形状を有しており、このリング部分が真空容器である下部容器と上部上記の周囲で保持され、真空シールされるため、試料台等の重量が増加しても対応可能である。
【0036】
真空処理室は、本実施例ではベースプレート260上に順次積層された円筒形状の下部容器250、支持梁を備えたリング状の試料台ベース242、円筒形状の上部容器230、アースリング225、円筒形状の放電ブロック224、ガス導入リング204を含む複数の部材により構成されており、それぞれの部材はOリング207により真空シールされている。放電ブロック224の内側には円筒形状の石英内筒205が配置されている。また、試料台ベース242には試料台底部蓋245を有する試料台241が固定されて試料台ユニットを構成し、ヒータ222が取り付けられた放電ブロック224は放電ブロックベース221に固定されて放電ブロックユニットを構成している。
【0037】
また、上部容器230、下部容器250、ベースプレート260はフランジ部を有し、上部容器230と下部容器250はフランジ部でベースプレート260にそれぞれネジ止めされている。なお、本実施例では、真空処理室を構成する部材は円筒形状を有するが、外壁形状に関しては水平断面形状が円形ではなく矩形であっても、他の形状であってもよい。
【0038】
真空処理室の上方には、真空容器を構成する円板形状を有する蓋部材202とその下方に真空処理室の天井面を構成する円板形状のシャワープレート203が配置されている。これらの蓋部材202とシャワープレート203は石英等の誘電体製の部材である。このため、これらの部材はマイクロ波やUHF、VHF波等の高周波電界が透過可能に構成されており、上方に配置された第1高周波電源からの電界がこれらを通り真空処理室内に供給される。また、真空容器の外側側壁の外周にはこれを囲んで磁場の形成手段(ソレノイドコイル)206が配置され発生された磁場を真空処理室内に供給可能に構成されている。
【0039】
シャワープレート203には、複数の貫通孔である処理用ガスの導入孔が配置されており、ガス導入リング204から導入された処理用ガスがこの導入孔を通して真空処理室内に供給される。シャワープレート203の導入孔は、試料台241の上面である試料の載置面の上方であって試料台241の中心軸290の回りの軸対称の領域に複数個配置されており、均等に配置された導入孔を通り所定の組成を有して異なるガス成分から構成された処理用ガスが真空処理室内に導入される。
【0040】
真空処理室内部に導入された処理用ガスは、電界形成手段である第1高周波電源201と磁界形成手段であるソレノイドコイル206により発生する電磁波及び磁場が真空処理室内に供給されることにより励起されて試料台241上方の放電ブロック224内の空間においてプラズマ化される。このとき、処理用ガス分子は電子とイオンに電離されたり、あるいはラジカルに解離されたりする。このプラズマが生成される領域は、その周囲が放電ブロックベース221上に配置された放電ブロック224により囲まれ、当該放電ブロック224の外周側壁上にはこれを囲んで第1温度コントローラ223に接続されたヒータ222が取り付けられ、プラズマと接触するプ石英内筒205を加熱することができる。
【0041】
このような構成により、石英内筒205や放電ブロック224への反応生成物の付着を低減することができる。このため、これらの部材は定常メンテナンスの対象から外すことができる。
【0042】
ウエハを載置する試料台241は、真空処理室の内部にこのシャワープレート203の中心軸290と合致するように配置される。プラズマによる処理を行う際は被処理物300であるウエハは試料台241の上面である円形の載置面に載せられてこの面を構成する誘電体の膜静電気により吸着されて保持(静電チャック)された状態で処理が行われる。
【0043】
本実施例では、試料である半導体ウエハは直径450mmのものを使用することを考慮して円筒形状の真空処理室の内径は800mmとした。但し、この寸法以下(600mm程度)とすることもできる。
【0044】
また、試料台241内部に配置された電極には高周波バイアス電源(第2高周波電源)243が接続されており、供給される高周波電力により試料台241及びこの上に載せられた試料300の上方に形成される高周波バイアスによりプラズマ中の荷電粒子を試料の表面に誘引して衝突させることによる物理反応と前記ラジカルとウエハ表面との化学反応との相互反応によりエッチング処理が進行する。また、試料台の温度は第2温度コントローラ244により所望の温度に制御することができる。
【0045】
試料台241への高周波バイアスの印加や試料台241の温度制御は、支持梁を含む試料台ベース242内部に形成された空洞内に配置された電源用配線コードや温度制御用の配線コード或いは冷媒用配管を介して行われる。なお、図示してはいないが、前記配線コードの他、温度センサや静電チャック用配線コードも含むことができる。試料台241の周辺に配置される上部容器230には反応生成物が付着し易いため、定常メンテナンスの対象部材である。
【0046】
真空処理室の下方にはその底部と排気開口を有するベースプレート260を介して連結された排気ポンプ270が配置されている。ベースプレート260に設けられた排気開口は、試料台241の真下に配置され、排気開口上に配置された略円板形状を有する排気部蓋261をシリンダ262により上下に移動することにより排気コンダクタンスを調整することができ、排気ポンプ270により真空処理室外に排出される内部のガスやプラズマ、生成物の量、速度が調節される。
【0047】
この排気部蓋261は被処理物を処理する際には開放されており、処理用ガスの供給と共に排気ポンプ270等の排気手段の動作とのバランスにより、真空処理室内部の空間の圧力は所望の真空度に保持される。本実施例では、処理中の圧力は、0.1〜4Paの範囲で予め定められた値に調節される。
【0048】
本実施例においては、排気ポンプとしてはターボ分子ポンプ及び真空処理装置が設置される建屋に備えられたロータリーポンプ等の粗引きポンプが用いられる。なお、排気部蓋261は、メンテナンスの際には閉じて排気ポンプをOリングにより真空シールすることが可能に構成されている。
【0049】
さらに、本実施例において、符号111は第1ゲートバルブ、符号112は第2ゲートバルブ、符号115はバルブボックス、符号280は支柱を示している。
【0050】
本実施例では、真空処理室内に導入された処理用ガス、及びプラズマや処理の際の反応生成物は、排気ポンプ270等の排気手段の動作により真空処理室上部から試料台241の外周側の空間を通り、下部容器250を介して下方のベースプレート260に設けられた開口まで移動する。下部容器250は反応生成物が付着し易いため、定常メンテナンスの対象部材となる。
【0051】
エッチング処理中の真空処理室内部の圧力は真空計(図示せず)にて監視され、排気部蓋261によって排気速度を制御することで真空処理室内部の圧力を制御している。これらの処理用ガスの供給や電界形成手段、磁界形成手段、高周波バイアス、排気手段の動作は図示しない通信可能に接続された制御装置により調節される。
【0052】
プラズマ処理に使用する処理用ガスには、各プロセスの条件毎に単一種類のガス、あるいは複数種類のガスを最適な流量比で混合されたガスが用いられる。この混合ガスは、その流量がガス流量制御器(図示せず)により調節されこれと連結されたガス導入リング204を介して真空容器上部の真空処理室上方のシャワープレート203と蓋部材202との間のガス滞留用の空間に導入される。本実施例ではステンレス製のガス導入リングを用いた。
【0053】
次に、被処理物の真空処理室内への搬入、真空処理室からの搬出の手順について図2図4を用いて説明する。図2は、図1に示す実施例に係る真空処理装置における被処理物の搬送を説明するための要部概略上面図である。
【0054】
図2(a)は、ゲートバルブが開の状態であり、搬送ロボットが被処理物を真空処理室に搬入している状態、或いは搬出しようとしている状態)である。図2(b)は、真空搬送室104にウエハ300が搬入された状態であって、ゲートバルブが閉の状態であり、被処理物が真空搬送室へ搬入された状態を示す。
【0055】
先ず、大気ブロックにおいて、カセットから大気搬送ロボットにより取り出されたウエハはロック室を経て真空搬送室104へ搬送される。真空処理室と真空搬送室とは第1ゲートバルブ111と第2ゲートバルブとを介して接続されている。
【0056】
本図ではゲートバルブは両方とも閉じられており、Oリング207で真空シールされている。符号115はバルブボックス、符号210は旋回リフター(移動手段)である。
【0057】
旋回リフター210については後述する。次に、真空処理室と真空搬送室の圧力を揃えた上で、図2(a)に示すように、アームを備えた真空搬送ロボット110を用いて真空搬送室104から真空処理室へウエハ300を搬入する。
【0058】
このとき、第1及び第2ゲートバルブ111、112が両者とも開の状態である。次いで、図3に示すように、ウエハ300を真空処理室内の試料台241に載置し、真空搬送ロボットは真空搬送室へ戻り、第1、第2ゲートバルブ111、112は閉じられる。
【0059】
真空処理室内においてウエハ300への処理が完了すると、真空処理室と真空搬送室との圧力を調整後、図4に示すように第1、第2ゲートバルブ111、112を開状態とする。図4は、図1に示す実施例の真空処理室の構成の概略を模式的に示す縦断面図であって、第1、第2のゲートバルブ111,112が開放されている状態を示している。
【0060】
この状態から図2(a)に示されるものと同様にして真空搬送ロボット110を用いて試料台241からウエハ300が上方に持ち上げられて試料台241上面から遊離される。引き続き、図2(b)に示されるように、ウエハ300を真空搬送室104へ搬入する。その後、ウエハ300は他の真空処理室で処理された後、或いは処理されることなく、ロック室を介してカセットへ搬送される。
【0061】
次に、定常メンテナンスの手順について図5図11を用いて説明する。図5は、図3,4に示した真空処理室の構成からソレノイドコイル206と第1高周波電源201を取り除くと共に、排気ポンプ270に接続されるベースプレート260の開口部を排気部蓋261で塞ぎ真空シールした構成を示し、図5(a)は平面図、(b)は断面図である。
【0062】
排気部蓋261により排気ポンプ270を真空シールし、排気ポンプ270を稼働させておくことにより、メンテナンス後の真空処理室の立ち上げ時間を短縮することができる。なお、図5(b)に示す断面図は、旋回リフター210を説明するために、図3図4とは見る方向が異なる。
【0063】
すなわち、図3図4に示す断面図では、図5(a)に示す平面図において右側から見た図であるが、図5(b)に示す断面図では、図5(a)に示す平面図において下側から見た図となっている。図6図11に示す縦断面図は、図5(b)に示す断面図と同じ方向から見た図である。
【0064】
次に、図6に示すように、石英板202、その下方のシャワープレート203及び石英内筒205を上方に移動させて取り外す。これにより、真空処理室の上端にはガス導入リング204が露出する。
【0065】
また、真空処理室内部には、試料台241と試料台ベース242の支持梁の部分が露出する。次いで、図7に示すように、ガス導入リング204を上方へ移動させて取り外す。
【0066】
引き続き、図8に示すように、旋回リフター210の可動部に固定された放電ブロックベース221と、その上に取り付けられた放電ブロック224及びヒータ222を含む放電ブロックユニット220を、矢印310に示すように旋回軸211を中心として上方へ移動後、水平に反時計方向に旋回させることにより、鉛直上方から見て真空処理室の領域外へ移動する。本実施例では放電ブロックユニットを反時計方向に旋回したが、旋回リフターの位置を反対側(図中右側配置を左側配置)に変更して時計方向に旋回させる構成とすることもできる。
【0067】
放電ブロックユニット220を上方に移動する距離は、アースリング225の突起部を越える高さ以上とする。本実施例では5cmとしたが、これに限定されない。
【0068】
なお、アースリングの突起部の高さが低い場合には、Oリング207が放電ブロックユニット220或いはアースリング225から離れる高さ(数cm)以上とする。又、旋回角度は180度としたが、90度以上270度以下とすることができる。
【0069】
但し、作業性を考慮すると180度±20度が好適である。定常メンテナンスの対象ではない放電関連部材を放電ブロックユニット220として纏めて旋回することにより、真空処理室の上部からこれらを迅速・容易に回避させることができる。放電ブロックユニット220を回避させることにより、真空処理室の上端にはアースリング225が露出する。
【0070】
次に、図9に示すように、アースリング225及び主要な定常メンテナンス対象部材である上部容器230を上方へ移動させて取り外す。すなわち、スワップ(交換)可能な状態で容易に上部容器230を取り外すことができる。
【0071】
本実施例においては真空処理室を構成する真空隔壁自体(上部容器)が交換可能である。これにより、真空処理室を解体してからの上部容器230のメンテナンス時間を最小限に抑えることができる。
【0072】
なお、メンテナンスを行う際、第1ゲートバルブは閉とし、第2ゲートバルブは開としておく。第1ゲートバルブ111は閉じて真空搬送室104を真空シール状態とすることにより、他の真空処理室での処理が可能となり、真空処理装置としての稼働率の低下を最小限に抑えることができる。
【0073】
一方、第2ゲートバルブ112を開放状態とすることにより、上部容器230とバルブボックス115とを分離することができる。上部容器230の取り外しは、上部容器230とベースプレート260とをフランジ部で固定していたネジを取りはずしてから行った。
【0074】
放電ブロックユニットの移動は、旋回リフターを制御する制御装置により行った。この制御装置は旋回リフター専用でもよいが、真空処理装置全体の制御装置の一部として組み込んでも良い。上部容器230を取り外すことにより、試料台241と支持梁の他、試料台ベース242のリング部分が露出する。
【0075】
次いで、図10に示すように、旋回リフター210の可動部に固定された試料台ベース242と、その上に取り付けられた試料台241及び試料台底部蓋245を含む試料台ユニット240を、矢印320に示すように旋回軸211を中心として上方へ移動後、水平に反時計方向に旋回させることにより鉛直上方から見て真空処理室の領域外へ移動する。本実施例では試料台ユニットを反時計方向に旋回したが、旋回リフターの位置を反対側(図中右側配置を左側配置)に変更して時計方向に旋回させる構成とすることもできる。
【0076】
試料台ユニット240を上方に移動する距離は、Oリング207が試料台ユニット240或いは下部容器250から剥がれる高さ以上とする。本実施例では2cmとしたが、これに限定されない。
【0077】
又、旋回角度は放電ブロックユニット220と同じとなるように設定することが望ましい。これにより、鉛直上方から見た場合、放電ブロックユニット220と試料台ユニット240の両者の合計面積を小さくすることができる。
【0078】
定常メンテナンスの対象ではない試料台関連部材を試料台ユニット240として纏めて旋回することにより、真空処理室の上部からこれらを迅速・容易に回避させることができる。試料台ユニット240の移動は、旋回リフターを制御する制御装置により行った。
【0079】
この制御装置は旋回リフター専用でもよいが、真空処理装置全体の制御装置の一部として組み込んでも良い。試料台ユニット240を回避させることにより、真空処理室の上端には下部容器250が露出する。また、排気部蓋261の全表面が露出する。
【0080】
引き続き、下部容器250とベースプレート260とをフランジ部で固定していたネジは取りはずした後、図11に示すように、主要な定常メンテナンス対象部材である下部容器250を上方へ移動させて取り外す。
【0081】
すなわち、スワップ(交換)可能な状態で容易に下部容器250を取り外すことができる。これにより、真空処理室を解体してからの下部容器250のメンテナンス時間を最小限に抑えることができる。
【0082】
下部容器250を取り外した後、ベースプレート260の表面や排気部蓋261の表面の点検・整備を行う。通常、ベースプレート260の露出部は下部容器250で覆われていたため反応生成物の付着が少ない。
【0083】
また、排気部蓋261の上部表面は、被処理物を処理する際には試料台の下に配置されており、反応生成物の付着は少ないが、必要に応じて清掃することができる。ベースプレート260の周辺には真空処理室を構成する壁等(メンテナンス上の障害物)が無くフラットなため、作業者400(図10Bでは図示せず)のメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【0084】
定常メンテナンス対象の部材の清掃や、点検・整備、交換(特に、上部容器と下部容器)を行った後、上記説明と逆の手順で組み立てられ、真空処理に供せられる。
【0085】
次に、非定常メンテナンスの手順について説明する。非定常メンテナンスの対象部材は主に放電ブロックユニット220を構成する部材と試料台ユニット240を構成する部材である。
【0086】
放電ブロックユニット220を構成する部材の場合には、図8に示したように放電ブロックユニット220を上方へ持ち上げ、水平方向に旋回した後、所望の方向から、ヒータ222の点検・交換、放電ブロック224の内壁の点検、清掃等のメンテナンスを行うことができる。放電ブロックユニット220は、他の真空処理室を構成する部材から回避されているため作業効率の向上を図ることができる。
【0087】
試料台ユニット240を構成する部材の場合には、図10に示したように試料台ユニットを上方へ持ち上げ、水平方向に旋回した後、図11(b)に示すように試料台底部蓋を取り外して所望の方向から、各種電源コードやセンサの配線、温度調節用部品等のメンテナンスを行うことができる。支持梁内部の空洞には、被処理物を試料台に静電吸着させるため用いられる配線コード、試料台へ高周波バイアスを印加するために用いられる配線コード、試料台の温度を制御するために用いられる配線コード或いは冷媒用配管、試料台の温度を検出するために用いられる配線コードの中の少なくとも一つが配置されており、それらも非定常メンテナンスの対象となる。
【0088】
なお、放電ブロックユニット220が作業の障害となる場合には、鉛直上方から見て真空処理室が配置された領域、又はその近傍迄時計方向に旋回させることができる。これにより、試料台ユニット240の作業効率の向上を図ることができる。また、放電ブロックユニットと試料台ユニットの旋回角度を適当にズラせることにより、両ユニットを同時にメンテナンスすることができるため、作業効率が向上する。
【0089】
なお、本実施例では、放電ブロックユニットや試料台ユニットを、上方に持ち上げた後水平方向に旋回したが、持ち上げた後水平方向に直線状に引き出す構成としてもよい。これにより、移動範囲を最小限とすることができる。また、移動機構の構成の簡略化が図れる。但し、水平方向への旋回の方がメンテナンスの作業空間を確保する上で有利である。
【0090】
また、本実施例では、上部容器だけでなく下部容器も交換したが、下部容器内面を覆うようにライナー(カバー)を取り付け、当該ライナーを交換する構成としてもよい。
【0091】
また、本実施例では旋回リフターを1つとし、放電ブロックユニットと試料台ユニットとを同一方向に旋回させたが、作業領域を確保できる場合には旋回リフターを2つ設け、それぞれ別々の方向に旋回させることもできる。放電ブロックユニット用の旋回リフターと試料台ユニット用の旋回リフターとをそれぞれ設けることにより、それぞれのユニットの高さを自由に設定することができる。また、作業者をより多く配置することができるため作業の同時進行を容易に行うことが可能となり、短時間で作業を終了することができ、作業効率が向上する。
【0092】
また、上記実施例では、旋回リフターを用いて移動を行う放電ブロックユニットや試料台ユニット以外の構成部品の移動は人手で行ったが、クレーン等の起重機を用いても良い。
【0093】
次に、図12乃至図15を用いて、本実施例に係る真空処理室の構成についてより詳細に説明する。図12は、図3に示す実施例に係る真空処理室の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
【0094】
図12(a)は、特に、図3または図4に示す真空処理室200-1乃至4の何れかの下部を拡大して示す縦断面図であり、真空処理室200-1乃至4の上部に配置された第1高周波電源201、蓋部材202,コイル206等の部材は省略している。すなわち、図3または4に示された真空処理室200−1乃至4の何れかの、上部容器230から下側の部分が拡大して示されている。
【0095】
図3または4に示された真空処理室200−1乃至4の何れかを、以下図12乃至図15の説明においては真空処理ユニット2001と呼称する。本図に示される真空処理ユニット2001は、大きく分けて真空容器およびその下方に配置され当該真空容器を下方から支持する架台、当該架台の下方に接続され真空容器内の空間と連通して当該内部を排気する排気手段を備えている。
【0096】
なお、本図では、図3等先に説明された図面において示された符号が振られた部分について、必要でない限り説明を省略する。さらに、真空容器の側壁に配置され真空容器内の空間の内部と外部との間を連通する開口であるゲートの周囲で側壁と当接してゲートを閉塞して気密に封止または開放する第2ゲートバルブ112とこれを内部に備えるボックス115が示されている。
【0097】
本図の真空処理室2001の真空容器は、図3、4の実施例と同様に、上部容器230及びその下方の試料台ベース242並びにこの下方に配置された下部容器250を備えて、これらが上下方向に層を成すように載せられて構成されている。下部容器250は、その下面がベースプレート260上面にこれと接して載せられている。下部容器250、試料台ベース242及び上部容器230並びにゲート内部にその弁体の凸部を挿入してゲート外周側の上部容器230外壁とシール部材を挟んで当接してこれを閉塞した第2ゲートバルブ112と、図示しない上部容器230上方のアースリング225、放電ブロックユニット220とで外部から区画される内部の空間は、試料台241上面にウエハ300が載せられた状態でプラズマが形成されこのプラズマ内の粒子と反応した当該ウエハ300が処理される空間であり、以下反応処理室2002と呼称する。
【0098】
また、真空処理ユニット2001は、架台であるベースプレート260の下面下方であって真空処理ユニット2001が配置された建屋の床面上方のこれらの間で、ベースプレート260にその上端部が接続されてベースプレート206とその上方の真空容器とを支持する複数本の支柱280とを備えている。また、ベースプレート260が支柱280で支持されて形成されたベースプレート260下面と床面との間の空間でベースプレート260の中央部に配置された内部の排気用の排気口と連通して当該貫通孔の下方に配置された排気ポンプ270と、下部容器250の内側に配置され排気口を開放または気密に閉塞する排気部蓋261を排気口に対して上下に駆動するアクチュエータであるシリンダ262とを備えている。
【0099】
なお、真空処理ユニット2001の真空容器においても、ベースプレート260は接地電極と電気的に接続されて接地電位にされている。このため、ベースプレート260と下面を接触させて接続された下部容器250、試料台ベース242、上部容器230は接地電位にされている。
【0100】
排気手段は、下部容器250及びベースプレート260に配置された貫通孔である排気口の下方でこれと連通されて配置されたターボ分子ポンプ等の排気ポンプ270と、排気ポンプ270の入り口と排気口とを連結して相互に連通させる排気ダクト(図示せず)を備えている。なお、本図の真空処理ユニット2001においても、排気ポンプ270の排出口は真空処理ユニット2001が接地される建屋に予め配置されたロータリーポンプ等の粗挽きポンプに連結されており、また排気口から排出される排気の流量または速度は、排気部蓋261がシリンダ262が駆動され排気口に対して上下に移動することで、排気口への排気の流路の面積を増減させることで調節される。
【0101】
図12(b)は、図12(a)に示した試料台ベース242を含む主要部の構成を拡大して模式的に示す縦断面図である。特に、試料台ベース242に連結されて上部容器230、試料台ベース242及び下部容器250で構成される真空容器の内部の反応処理室2002内に配置され、上面に載せられたウエハ300を保持する試料台241の構成がより詳細に拡大されて示されている。
【0102】
図12(a)と同様に、本図に示される真空処理ユニット2001は、真空容器、その下方に配置されたベースプレート260、この下方に配置された排気手段とが上下方向に配置されている。さらに、真空容器は、内部の側壁面が円筒形を有した上部容器230、試料台ベース242、下部容器250の各々が上下方向に接続されて、互いにその上下方向の中心軸を水平方向に合致させる、或いはこれと見做せる程度に近似した位置に配置されて構成されている。
【0103】
試料台ブロックは、大きく分けて下部を構成する試料台ベース242と、この上方に載せられて接続されて円筒形を有したヘッド部1201を含む試料台241、並びに試料台ベース242上方且つ試料台241の外周側でこれを囲んでリング状に配置された外周リング1202とを備えて構成されている。本実施例では、これらの部分は、真空処理ユニット2001が部品交換や点検等の保守が行われる作業において、真空容器内部が大気圧にされて開放された状態で、真空容器または下方の部分から着脱され交換可能に構成されている。
【0104】
試料台241の上部を構成するヘッド部1201は、円形を有した 金属製の板状の部材であるベースプレート1203と、この上方に載せられた円板または円筒形を有した金属製の基材ならびに、基材の円形を有した上面を覆って配置された誘電体製の膜とを備えて構成されている。これらベースプレート1203と誘電体製の膜を有する基材とは、後述の通り、連結されて一体に着脱可能に構成されている。
【0105】
試料台ベース242は、試料台241をその上方に載せる架台として機能する部材であって、円筒形状のベースシリンダと、ベースシリンダの中央部上方に載せられて接続されると共に上方にヘッド部1201が載せられてベースプレート1203外周下面と接続されるTフランジ1205と、これらベースシリンダ及びTフランジ1205内側の空間である収納空間1207とを備えている。収納空間1207は、後述するように、ウエハ300をヘッド部1201上方で上下させる複数のピンを上下に移動させるピン駆動部1208や、ヘッド部1201に接続されたセンサや電極へのコネクタ等が内部に配置されている空間で、大気圧または真空処理ユニット2001が接地される建屋内部のものと同じ圧力にされている。
【0106】
ベースシリンダは、最外周部を構成してその上下を上部容器230および下部容器250に挟まれて真空容器を構成するリング状のベースリング1204と、ベースリング1204の中心側に配置された円筒形を有する中央円筒と、これらの間を連結して一体に構成された複数本の支持梁1206とを備えて構成されている。本実施例において、ベースリング1204の内周及び中央円筒の外周は上下方向の中心が合致またはこれと見做せる程度に近似した水平方向の位置に配置された半径の異なる円筒形を有し、支持梁1206はその軸が当該中心軸の位置から放射状に半径方向に沿って配置され、隣接するもの同士の軸間の角度が等しいかこれと見做せる程度に近似した値にされて配置されている。
【0107】
中央円筒の下面は、試料台部蓋245が着脱可能に構成しており、中央円筒に対して内部の収納空間1207を気密に封止して閉塞するように取り付けられている。収納空間1207は各支持梁1206及びベースリング1204の内部で中央円筒の内部と真空処理ユニット2001の外部までこれを貫通して連通して配置された筒状の空間を含んでいる。
【0108】
Tフランジ1205は、円筒形の外周部と内部に収納空間1207を構成するスペースとを有し、スペース内にはピン駆動部1208が配置されている。円筒形の外周部は、その上端部が上方のベースプレート1203外周縁部下面と、その下端部が下方のベースシリンダの中央円筒上端部と、各々Oリング等のシール部材を挟んで対向または当接する。
【0109】
試料台ベース242内部の収納空間1207内部には、ピン駆動部1208の他に、ヘッド部1201に供給される冷媒の配管やセンサ或いは電極への給電ケーブル等の配線が配置される。そして、収納空間1207を構成する支持梁1206内の通路は、試料台241と真空処理ユニット2001外部に配置された電源や冷媒の供給源との間を連結する配管やケーブルが設置される空間となっている。
【0110】
基材の内部に配置された複数の凹み部内に挿入されて基材の温度を検知する複数の温度センサはその端部が収納空間1207内に配置され、支持梁1206内の空間を通して当該端部とベースリング1204または真空処理ユニット2001外部に配置された容器コントローラ1209とケーブルにより通信可能に接続されて、ウエハ300の処理中に発信された各温度センサの出力が容器コントローラ1209で受信可能に構成されている。また、ピン駆動部1208も同様に、容器コントローラ1209とケーブルにより通信可能に接続されており、容器コントローラ1209からの指令信号に応じてピン駆動部1208の動作が調節される。
【0111】
また、金属製の基材はプラズマを形成するための電界の周波数より小さい周波数の高周波電力がウエハ300の処理中に供給されて、誘電体製の膜の上面に載せられたウエハ300上にバイアス電位が形成される。本実施例では、第2高周波電源243からのバイアス電位形成用の高周波電力を受けるためのコネクタが基材に挿入され電気的に接続されてヘッド部1201に取り付けられ、収納空間1207内部に配置された当該コネクタの端部と第2高周波電源243との間を電気的に接続する給電用のケーブルが特定の支持梁1206内部の空間を含む収納空間1207内に配置されている。
【0112】
さらに、金属製の基材の内部には、温度が所定の範囲内の値に調節された冷媒が供給されて循環する冷媒流路が配置されている。このような冷媒はチラー等の冷凍サイクルを用いた温度調節器を備えた第2温度コントローラ244において温度が調節されて内部のポンプにより、基材内部の冷媒流路に供給され熱交換して排出された冷媒が第2温度コントローラ244に戻されて再度温度調節された後、再び基材内部の冷媒流路に供給される。冷媒流路と第2温度コントローラ244とを接続する冷媒の配管も支持梁1206空間を含んだ収納空間1207内に配置される。
【0113】
容器コントローラ1209は、演算装置を含み、真空処理ユニット2001または真空容器外部に配置され、試料台241及び収納空間の内部に配置されたピン駆動部1209等の複数の機器と通信可能に接続されている。容器コントローラ1209は、通信可能に接続された機器から信号を受信して信号に含まれる情報を検出し、これらの機器に対して指令信号を発信しその動作を調節する。
【0114】
本実施例の容器コントローラ1209は、半導体デバイスで構成された演算器と、機器との間で信号を送受信するインターフェースと、データを内部に格納して記録または記憶するRAMやROM等のメモリーデバイス或いはハードディスクドライブ等の記憶装置とを備えており、これらが容器コントローラ1209内部で通信可能に接続されている。外部からの信号をインターフェースを通して受信した容器コントローラ1209は、当該信号から演算器が情報を検出して記憶装置内に情報を格納すると共に、記憶装置内部に予め格納されたソフトウエアを読み出してこれに記載されたアルゴリズムに沿って先の信号に対応した指令信号を算出し、インターフェースを通して制御の対象となる機器に指令信号を発信する。
【0115】
容器コントローラ1209の記憶装置は、容器コントローラ1209内部に収納されていても、外部に通信可能に配置されていても良い。本実施例の容器コントローラ1209は、温度センサおよびピン駆動部1208と通信可能に接続されている。
【0116】
図12(b)の試料台ブロックの主要部の構成を拡大してより具体的に説明する。図13は、図12に示された実施例に係る真空処理室の試料台の構成を拡大して模式的に示す縦断面図である。本例において図13(a),(b)は、試料台241及び試料台ベース242を異なる方向でこれらの中心軸を通る縦方向の面で切った断面を示す図である。
【0117】
図13(a)に示される試料台ブロックは、試料台241と試料台ベース242と外周リング1202を含んで構成されている。試料台ブロックは、図10に示されるように、真空処理ユニット2001の上部容器230を含む試料台ベース242より上側の部分を、試料台ベース242から取外した後に、試料台ベース242を旋回リフター210の上下方向の軸回りに回転させて、試料台241と一体に下方の下部容器250上方から移動可能に構成されている。
【0118】
図13(a),(b)に示されるように、試料台ブロックは、試料台ベース242の上方に、ベースプレート1203を下面に有する試料台241が載せられ、これらがボルト等の締結手段を介して着脱可能に接続されて構成されている。この状態で、試料台241の外周側でベースプレート1203の外周縁上面上方には、金属製の外周リング1202が配置される。
【0119】
試料台ベース242は、外周リング1205と支持梁1206と中央円筒とを備えたベースシリンダと、その上方でこれとOリング等のシール部材を挟んで当接あるいは対向して配置されたTフランジ1205とを備えている。さらに、これらが接続されて内部に配置される収納空間1207とを備えて構成される。
【0120】
Tフランジ1205は、上記の通り円筒形を有し試料台ベース242の真空処理ユニット2001内の外周側壁を構成する円筒部と、この円筒部内部の収納空間1207内に配置され円筒部の円筒形を有した内周壁に一体に接続または形成されたT字状またはY字状の梁部1301とを有している。さらに、円筒部は上端部が試料台241のヘッド部1201のベースプレート1203に、下端部がベースシリンダの中央円筒にOリングを介して挟まれて配置されて収納空間1207が真空処理ユニット2001に対して気密に封止されている。
【0121】
また、T字状またはY字状の梁部1301はこれらの端部が円筒部の内周壁面に一体に接続または形成されて円筒部の内部に配置され、梁部1301の中央から円筒部の内周壁面に延在する複数の梁同士の間に収納空間1207を構成する空間が形成されている。このような梁間の空間はベースプレート1203を通してヘッド部1201内部に連結される上記センサやコネクタのケーブル等配線や冷媒やガスの配管が配置され通る経路になっている。
【0122】
梁部1301は各梁を含めて板状の部材であって各梁の先端部が円筒部の円筒形を有した内周壁面の高さ方向上下端の中間の位置に一体に接続または形成されており、Tフランジ1205上方にベースプレート1203が載せられて内部が封止された状態で梁部1301の上面と上方のベースプレート1203下面との間に空間が形成され、このベースプレート1203との間の空間も上記コネクタやセンサが配置される空間として利用される。さらに、梁部1301の中央部下面には上記の通りピン駆動部1208の上端部が接続され、各梁にはピン駆動部1208の下端部に連結されてピン駆動部1208の上下方向に伸縮する動作に応じて上下方向に移動する複数(本実施例では3本)のピン1302が貫通する孔が配置されている。
【0123】
これらのピン1302は、上方のベースプレート1203を含むヘッド部1201を貫通して当該ヘッド部1201の上面を構成する誘電体製の膜上に配置された開口と連通した貫通孔1303内に挿入され、上記上下方向の移動により誘電体製の膜上方に載せられるウエハ300をヘッド部1201または試料台241の上面に対して上下に遊離、接近、載置する動作を行う。このため収納部1207内に位置するピン1302の外周側の空間は真空処理ユニット2001と連通することになり、梁部のピン用の貫通孔の上下の収納空間1207とピンとの間にピン1302外周側の真空処理ユニット2001内部と連通した空間との間を気密に封止するため、梁部のピン用の貫通孔の周囲にOリング等のシール部材が配置されている。
【0124】
すなわち、ベースプレート1203の下部には、その周囲のベースプレート1203の下面から下方に突出する円筒形または円錐台形状を有して上記各ピン1302が貫通して内側に収納される貫通孔1303が中央部に配置された凸部1203’が、複数の箇所(本実施例では3箇所)に配置されている。ベースプレート1203とTフランジ1205とが上下に連結された状態で、各凸部1203’の下端面と梁部1301の各梁に配置されたピン用の貫通孔の外周の上面とが当接または対向してOリング等のシール部材を挟み、各梁のピン用の貫通孔及びヘッド部1201内の貫通孔1303の内側の空間と外側の収納空間1207との間を気密に封止する。
【0125】
各ピン1302は、収納空間1207内部において梁部1301中央部の下面に上端部が連結されたピン駆動部1208の上下の伸縮の動作によりピン駆動部1208下端部に接続された3本のアームの先端部上面に接続され、当該各アーム先端部上面からヘッド部1201内部の貫通孔1303内部まで延在する。各ピンの上先端はピン駆動部1208が最も収縮した状態で試料台241上面の上方の最大の高さに位置しピン駆動部1208が最も伸長した状態でヘッド部1201内の貫通孔1303内に位置する。
【0126】
梁部1301の各梁下方に位置する各ピン1302の外周には各梁下面と各ピン1302が接続された各アームの上面との間を接続してアーム及びピン1302の上下の移動に応じて収縮するベローズ1304が配置されている。各梁下面及び各アーム上面と接続されるベローズ1034の上下端は、梁下面及びアーム上面との間にOリング等のシール部材を挟んで当接または対向して連結されており、各ピン1302が内部に収納された貫通孔1303及び梁部1301の梁の貫通孔を介して真空処理ユニット2001内部と連通したベローズ1302内側と外側の収納空間1207との間が気密に封止される。
【0127】
このような構成により、容器コントローラ1209からの指令信号により駆動されるピン駆動部1207の最大、最小の間の伸縮に応じて上下方向にピン1302が移動しベローズ1304が伸縮する。このようなピン1302の移動及びベローズ1304の伸縮の動作に対しても、ベローズ及び貫通孔1302の内部と収納空間1207との間は気密に封止される。このため、ウエハ300を処理する真空処理ユニット2001の運転の最中でも、真空処理ユニット2001内に形成されるプラズマや処理用ガスの反応性を有した粒子や反応生成物の粒子が収納空間1207内に配置されたピン駆動部1208やセンサやコネクタ等の端子に悪影響を及ぼすことが抑制される。
【0128】
本実施例の試料台241を構成するヘッド部1201は、ベースプレート1202とその上方に載せられた絶縁部材1305とその上方に載せられた金属製の基材1306とを備えて構成され、円板または円筒形状を有した基材1306の円形を有した上面には、ウエハ300がその上に載せられる載置面を構成するイットリアあるいはアルミナ等のセラミクスを含んで構成された誘電体膜1307が配置される。また、ベースプレート1202、絶縁部材1305、基材1306との各々の間は、Oリング等のシール部材が挟まれて一体に接続され、真空処理ユニット2001内部と収納空間1207と連通した試料台ブロックの内部の空間とが気密に封止されると共に、ヘッド部1201を一纏まりの部材として試料台ベース242に対して取り付け、上方に取外し可能に構成されている。
【0129】
すなわち、ベースプレート1202は円板形状を有し、外周側部分に配置された貫通孔を通してベースプレート1202下方から挿入された金属製のボルト1308によって、上方に載せられた絶縁部材1305を介して上方の基材1306と締結されている。これにより、ベースプレート1203、絶縁部材1305,基材1306が一体に連結される。
【0130】
さらに、円板形状を有したベースプレート1202の径は外周が円板または円筒形を上有した上方に配置される絶縁部材1305及び基材1306よりも大きくされ、ベースプレート1202外周縁部下面の下方でOリングを挟んでこれと上端部が対向または当接するTフランジ1205の円筒部の上端部とボルトにより、絶縁部材1305の外周側で締結される。これにより、外周側のボルトの締結を解除することにより、ヘッド部1201を一体としてTフランジ1305または試料台ベース242から上方に取外し可能に構成されている。
【0131】
図13(b)に示される通り、基材1306は円板または円筒形状を有した金属製の2つの上部基材1306a及び下部基材1306bが各々の上面と下面とを当接させ、ろう付けや摩擦撹拌等の手段によって接合させて一体にされた部材であって、下部基材1306b内部に冷媒流路1313が配置される。さらに、上部基材1306a内部の中央部に形成され図上下方に開口を有するように形成された凹み部には第2高周波電源242からの高周波電力が供給される受電コネクタ1310が挿入されて基材1306と接続される。
【0132】
受電コネクタ1310の下部は、給電用のケーブルの先端部と接続された給電コネクタ1309と接してこれと電気的に接続されている。第2高周波電源243から基材1306に供給された高周波電源によってヘッド部1201またはその載置面上方に載せられたウエハ300上面の上方に形成されたバイアス電位とプラズマとの電位との差に応じてプラズマ中の荷電粒子がウエハ300上面方向に誘引され衝突することによる処理の促進とともにウエハ300およびその下方の基材が加熱されることになる。
【0133】
本実施例では、この加熱により変化するウエハ300および基材1306またはヘッド部1201の温度を、処理に適した所望の範囲内の値に調節するために、基材1306内部の冷媒流路1313に第2温度コントローラ244において所定温度にされた冷媒が供給されて循環すると共に、基材1306上の誘電体膜1307上面とこの上に載せられて吸着保持されたウエハ300の裏面との間にHe等の熱伝達性を有したガスが供給される。本実施例では、基材1306の外周側にリング状に配置され熱伝達性のガスが内部を通流するガス流路1317、及び当該ガス流路1317とウエハ300及び誘電体膜1307の間の隙間とを連通して基材1306上の載置面を構成する誘電体膜1307上面に配置された開口とに連通された貫通路であるガス供給路1318とが試料台241に備えられている。
【0134】
ガス供給路1318から開口を通して熱伝達性を有したガスが誘電体膜1307上面との間の隙間に供給され、ウエハ300と基材1306ひいては内部の冷媒の循環路1313に供給され循環する冷媒との間の熱の伝達が促進されその量が大きくされる。ウエハ300または基材1306上面の温度は、これら冷媒の温度の値や流量或いはその速度、さらには熱伝達性ガスの隙間での圧力の値とその分布によって調節することが可能となる。
【0135】
上記のように、金属製の基材1306には、ウエハ300と比較して相対的に大きな熱容量を有して、第2温度コントローラ244からの所定の範囲内の温度にされた冷媒が供給される。基材1306は、上方に載せられ温度の調節対象となるウエハ300の温度の値の基盤となるともに、ウエハ300上方にバイアス電位を形成するための高周波電力が供給される電極として機能する。
【0136】
上記の通り、金属製の円板または円筒形部材である上部基材1306aは、その外周側部分が中央側を囲んでリング状に配置された凹み部が配置され、当該凹み部により囲まれた中央側部分は凹み部の底面から上方に凸の形状を有した円筒形の部分となっている。上部基材1306aの凸状部分の円形の上面は、誘電体膜1307に被覆されて当該誘電体膜1307上面がウエハ300の載置面として用いられる。
【0137】
凸状部分上面の円形を有した載置面はウエハ300と同じか近似した直径を有しており、ウエハ300はその処理の期間中およびその前後で載置面に載せられた状態で複数の直流電源からその値が調節されて誘電体膜1307内部の複数の箇所に供給された電力により、ウエハ300と誘電体膜1307との間に静電気力が形成されて誘電体膜1307上面に対して吸着され保持され、或いは供給された直流電力により熱が生成されウエハ300の温度の値またはその分布が調節される。
【0138】
すなわち、誘電体膜1307は、イットリアまたはアルミナを含むセラミクスを材料として用いて構成され、本実施例では溶射法により上部基材1306aの載置面となる全領域を含むより大きな上面の領域に材料の粒子が半溶融状態で吹付けられて膜状形成される。誘電体膜1307内部には、ウエハ300を吸着するための静電気力を形成するための直流電力が供給される複数の膜状のESC(静電吸着)電極1311、及びウエハ300の温度を処理に適した所望の範囲内の値に加熱して調節するためのヒータとして用いられる複数の膜状のヒータ電極1312が配置されている。
【0139】
ESC電極1311は、ウエハ300が載せられた状態で、これが覆う誘電体膜1307の載置面の投影面の下方の領域に配置された複数の膜状の電極である。本実施例のESC電極1311は、誘電体膜1307と同様に溶射法によって形成されたものである。
【0140】
複数のESC電極1311のうちの2つは、各々が異なる直流電源1319と接続され互いに異なる極性の電位が付与されて、誘電体膜1307を構成するセラミクスの材料を挟んでウエハ300内で電荷が分極して蓄積されて誘電体膜1307の方向にウエハ300を処理中に吸引して保持する静電気力が形成される。さらに、これらのESC電極1311にウエハ300の処理後に処理中と逆の極性が付与されることでプラズマが消失後でも処理前または処理中にウエハ300を吸着する静電気力を形成するために蓄積された電荷の分極が緩和あるいは容器に除去される。
【0141】
各ESC電極1311は、ベースプレート1203下面に取り付けられたESC電極給電ケーブルコネクタユニット1320上部とベースプレート1203、絶縁部材1305並びに基材1306を貫通する給電経路を介して電気的に接続される。さらに、複数のESC電極が電気的に接続されたESC電極給電ケーブルコネクタユニット1320上部の下方でこれと接続されたESC電極給電ケーブルコネクタユニット1320下部は、真空処理ユニット2001外部に配置され当該複数のESC電極1311に直流電力を供給するように割り当てられた直流電源1319の一つと収納空間1207に配置された1つの給電ケーブルを介して電気的に接続されている。
【0142】
直流電源1319は、出力する電流または電圧の大きさを可変に調節可能に構成されるとともに、容器コントローラ1209と通信可能に接続されている。直流電源1319から容器コントローラ1209へ上記電流または電圧の値を示す信号が送信され、容器コントローラ1209が演算器を用いて算出して発信した指令信号を受信した直流電源1319からは、当該指令信号に基づいて直流電源1319によって電圧または電流の大きさが調節された直流電力が、これに接続された複数のESC電極1311に試料台241外部の給電ケーブル及び試料台241内部の複数の給電経路を通して供給される。
【0143】
ヒータ電極1312は、誘電体膜1307内部の高さ方向下方の位置に配置された金属製の膜状の複数の電極であって、各々が誘電体膜1307と同様に溶射法によって形成され円形または扇状あるいは円弧状を有したものである。各々のヒータ電極1312は、各々の下方に配置された複数のヒータ給電コネクタ1322の各々及び少なくとも1つのヒータ給電コネクタユニット1323を介して電気的に接続され、直流電源1321において電流または電圧が所望の値に調節された直流電力が供給されて生起される熱量が調節される。
【0144】
各々のヒータ電極1312の下方でこれと電気的に接続されたヒータ給電コネクタ1322は、図13(b)に示されるように、ヒータ電極1312の下方の誘電体膜1307下部及びその下方の基材1306を貫通して下部基材1306bの下面下方から収納空間1207内に露出した下端部を有している。ヒータ給電コネクタ1322の下端部は、その絶縁用部材の内部を通り接続端子に電気的に接続された接続ケーブル1322’を介し、ベースプレート1203を貫通して下部基材1306b下方に位置するヒータ給電コネクタユニット1323と電気的に接続されている。
【0145】
また、ヒータ給電コネクタ1322は、その内部に接続ケーブル1322’と電気的に接続され給電経路を構成するための金属製の接続端子とその外周側に配置され基材1306から接続端子を絶縁する誘電体製の絶縁ボスとを備えている。各ヒータ給電コネクタ1322は、基材1306の下方からこれに配置された挿入孔内に挿入されて基材1306に取り付けられる。
【0146】
この状態で、挿入孔の内部でヒータ給電コネクタ1322の接続端子は、ヒータ電極1312と電気的に接続され挿入孔の上部から下方に延在したヒータ側の接続端子とヒータ給電コネクタ1322の絶縁ボスの内側で接触、あるいは一方が他方の内部に嵌め込まれて、上下の接続端子の両者が接続される。ヒータ給電コネクタ1322の下端部は絶縁体内部の給電経路とベースプレート1203に取り付けられたヒータ給電コネクタユニット1323の上部とベースプレート1203と基材1306との間の絶縁部材1305内部の空間において接続ケーブル1322’を介して接続されている。
【0147】
後述の通り、絶縁部材1305及び基材1306の中央側の隙間や空間は収納空間1207と連通されてその一部を構成している空間であり、これらの外周側でこれらを囲んで配置されたOリング等のシール部材により内部と外部とが気密に封止されている。このため、上記空間に配置されている給電経路上のコネクタやケーブルの接続部分は、収納空間1207と同様に、真空処理ユニット2001の運転の有無に関わらず大気圧またはこれと見做せる程度に近似した値の圧力にされている。
【0148】
ヒータ給電コネクタユニット1323は、ベースプレート1203に取り付けられた給電経路上で接続、切断する端子を備えたコネクタであり、上下2つの部分を備えている。
【0149】
ヒータ給電コネクタユニット上部1323aが複数のヒータ給電コネクタ1322の接続ケーブル1323’とベースプレート1203上面と基材1306の下面との間の箇所において接続される。ヒータ給電コネクタユニット下部1323bはヒータ用の直流電源1321に接続された給電ケーブルとベースプレート1203の下面下方の収納空間において接続されている。
【0150】
これらヒータ給電コネクタユニット上部1323a及びヒータ給電コネクタユニット下部1323bは着脱可能に構成され、両者が一体に接続された状態で、各々の内部に備えられたケーブルと電気的に接続された接続端子が接続して直流電源1321と複数のヒータ給電コネクタ1322とが電気的に接続される。このことにより直流電源1321から出力される直流の電力は、複数のヒータ給電コネクタ1322及びこれらの各々に電気的に接続された複数のヒータ電極1312に並列に供給される。
【0151】
このようにESC電極1311およびヒータ電極1312を内蔵する誘電体膜1307は、各々の材料を溶射法により吹き付けて積層させて形成される。まず、予め材料が付着し易くするために凹凸が形成された上部基材1306aの上面にセラミクスを材料とした粒子を用いて溶射法により誘電体膜1307の下層の被膜が形成され、その上にヒータ電極1312の膜が形成される。
【0152】
これら下層の被膜及びヒータ電極1312の膜上面を覆ってセラミクスを材料として誘電体膜1307の中間の層が溶射法により形成された後、中間の層上にESC電極1311が溶射法により形成される。その後、中間の層及びESC電極1311の膜層を覆って誘電体膜1307の上層の膜が溶射法により形成される。
【0153】
溶射法により積層された誘電体膜1307は、少なくとも載置面を構成する面が削られて、溶射により形成された表面の粒子同士の間の孔が塞がれるとともに形状が整えられる。ウエハ300が載置面を構成する誘電体膜1307上面に載せられ静電気力により吸着された状態で、ウエハ300の裏面と載置面の上面との間に形成される隙間には、He等の熱伝達性を有したガス等の流体が供給されて、ウエハ300と試料台241との間の熱伝達が促進されるが、ウエハ300と載置面を構成する誘電体膜1307との間で接触する面積が両者の間の所望の熱伝達の量が得られるように、上記表面の形状の調節が行われる。
【0154】
図13(a)に示される通り、金属製の基材1306には金属製の受電コネクタ1310が挿入されて接触し、真空処理ユニット2001内にプラズマが形成されるウエハ300の処理中に第2高周波電源243からの高周波電力が収納空間1207に配置されたケーブルを通して給電コネクタ1309及びこれに接した受電コネクタ1310を介して電極である基材1306に供給される。この高周波電力の供給により試料台241の載置面に載せられて静電吸着されて保持された状態でウエハ300上方にプラズマの電位との間の電位差に応じて、プラズマ中の荷電粒子をウエハ300上面の方向に誘引して表面上の処理対象の膜層に衝突させエッチング等の処理を促進させるバイアス電位が形成される。
【0155】
円板または円筒形状を有した下部基材1306bの上部には、その中心の周りに同心または螺旋状に配置され半径方向に多重に形成された溝が配置され、上部基材1306aと接合されることで基材1306内部に冷媒流路1313が形成される。冷媒流路1313の入口及び出口は、第2温度コントローラ244と接続された冷媒供給または戻し用の配管1314の端部とベースプレート1203下方に配置された接続用のコネクタを介して収納空間1207内側で接続される。
【0156】
第2温度コントローラ244のチラー等の冷凍サイクルを用いて所定の範囲内の温度にされた冷媒は、配管1314を通して入口を通して冷媒流路1313内に供給され、基材1306内において熱交換して温度が上昇した冷媒が冷媒流路1313の出口及びこれに接続された配管1314を通って第2温度コントローラ244に戻された後、再度温度が所定の範囲内の値に調節された後に基材1306内の冷媒流路1313に供給されて、閉じた環路内を循環する。このような冷媒を順環させた供給により、基材1306が処理に適した所望の範囲内の値に調節される。
【0157】
本実施例では、基材1306上部の円筒形を有した凸部及び当該凸部の円形を有した上面を覆ってウエハ300の載置面を構成する誘電体膜1307を貫通して配置された複数のガス供給路1318及びこれに連通した誘電体膜1307上面の載置面の外周側の複数の箇所に配置された開口が備えられている。上部基材1306aの載置面の外周縁を覆う誘電膜1307の当該外周縁部分には、上面の中央側を囲んでリング状に配置されその平坦な上面が、誘電体膜1307の載置面上方に載せられたウエハ300が吸着された状態でウエハ300の裏面と当接するリング凸部1307’が配置されており、このリング凸部1307’に沿ってその中央側の凹まされた載置面の表面に上記複数の開口が配置されている。
【0158】
ウエハ300が載せられた状態で開口からリング凸部1307’の中央側の円形の領域である凹み部内のウエハ300と誘電体膜1307の隙間に供給され熱伝達性のガスは、リング凸部1307’によって上記領域の外周側の端部が閉じられているか、熱伝達性のガスが微小量だけ試料台241外部の真空処理ユニット2001内漏れ出している状態となって、凹み部内を充満してウエハ300の面内の方向における熱伝達の量の変動(分布)が小さくされるとともに、ウエハ300の外周縁の近傍の周方向の領域においても熱伝達の量またはウエハ300の温度が所期のものにより近づけることが可能となる。
【0159】
絶縁部材1305は誘電体製の材料により構成された部材であって、ボルト1308により上下方向に締結された金属製の基材1306と金属製のベースプレート1203との間で挟まれて配置され、これらの間及び図13(a)に示されたように、ベースプレート1203に取り付けられこれを通して基材1306内に挿入されている温度センサ1315との間を絶縁している。さらに、絶縁部材1305とベースプレート1203及び基材1306との間には、Oリング等のシール部材が挟まれて変形して保持されており、収納空間1207と連通したベースプレート1203上方の絶縁部材1305及び基材1306の内側の隙間等の空間と外側の真空処理ユニット2001内部との間を気密に封止している。
【0160】
本実施例の絶縁部材1305は大きく分けて2つの部材から構成される。すなわち、外周側に配置されリング形状を有し外周側壁が円筒形を有してアルミナ等のセラミクスを材料として構成された絶縁リング1305’と、絶縁リング1305’の中央側でこれに囲まれた領域に配置されポリテトラフルオロエチレン等の弾性を有した樹脂を材料として構成された上下2枚の絶縁板1305a,1305bを備えて構成され、これらの間には隙間が配置されている。
【0161】
ボルト1308による基材1306とベースプレート1203との締結により、外周側の絶縁リング1305’の上下の端部は平滑な面を有し、この平滑な面と上下の基材1306およびベースプレート1203の外周側の面との間にOリング等シール部材が挟まれる。このことにより、絶縁リング1305’の内側の空間とボルト1308を用いて絶縁リング1305’とこれを挟んで上下方向に締結された基材1306及びベースプレート1203との内側の収納空間1207に連通した隙間の空間は外部から気密に封止される。
【0162】
さらに、絶縁リング1305’は剛性の相対的に高いアルミナ等のセラミクスを材料として構成され、変形が抑制され、締結されて両者はその位置が固定されたと見做し得る状態となる。絶縁リング1305’の変形が相対的に小さいため、この状態からボルト1308を用いた基材1306及びベースプレート1203の締結によって両者の間の上下方向の距離の変動が所期のもの以下に小さくされて、温度センサ1315やベースプレート1203と基材1306とが接触あるいは電気的に通電してしまいこれらの間の絶縁が損なわれてしまうことが生起することが抑制されると共に、ベースプレート1203または基材1306に取り付けられた配管、ケーブルやセンサといった機器が、上記締結の作業や締結後の試料台241上でのウエハ300の処理における温度の増減によるヘッド部1201を構成する各部材の形状、寸法の変化に伴って変位したり外力を受けたりして損傷したり検知、検出の性能が変動したりすることが低減される。
絶縁リング1305’は、ヘッド部1201および絶縁部材1305の外周側の部分を構成するリング状の部材であって、上方の基材1306と下方のベースプレート1203との間に挟まれて保持される。その上部には、外周側の部分には上方に突出して中央側を囲むリング状の凸部と、当該リング状の凸部の内周(中央)側の上下方向の高さが凸部より低くされた部分に平坦な上面を有している。
【0163】
また、基材1306の下部を構成する下部基材1306bの下部の外周側の領域には、上下方向の厚さが小さくされ、下部基材1306下面から見て上方に凹まされた凹み部が中央側の部分を囲んでリング状に配置されている。絶縁リング1307’がベースプレート1203と基材1306とに挟まれて保持された状態で、絶縁リング1307’のリング状の凸部は、下部部材1306bの外周側の凹み部に係合し凹み部内に入れられて、凸部の平坦な上面と凸部の内周側の平坦な上面とが上方の基材1306と、平坦な下面が下方のベースプレート1203上面と、Oリング等シール部材を挟んで接続あるいは隙間を開けて対向する。
【0164】
さらに、絶縁リング1305’は、基材1306とベースプレート1203とはボルト1308により両者を締結するボルト1308が内部を上下に貫通する貫通孔をリング状凸部の内周側の上面に開口を有して備えており、ボルト1308はベースプレート1203の貫通孔の下方から内部に挿入されて、その上方で軸方向を合致して配置された絶縁リング1305’の貫通孔を貫通して上方の基材1306の雌ねじ穴に挿入されてねじ込まれ、基材1306と下方のベースプレート1203とが絶縁リング1305’およびこれらの間のOリングを挟んで連結され締結される。
【0165】
本実施例では、絶縁リング1305’上部の凸部が下部基材1306b外周側の凹み部内に嵌め合わされて両者がOリングを挟んで当接または表面同士が隙間を介して対向させて連結された状態で、試料台241またはヘッド部1201の上下方向の中心軸からの絶縁リング1305’のリング状の凸部の内周側壁面と下部基材1306bの凹み部の外周側壁面との半径方向の位置は前者の方が大きくされており、両者の間に半径方向について所定の長さ(幅)の隙間が当該中心周りにリング状に形成される。このリング状の隙間は、図示しないガス源に接続された配管とのコネクタとベースプレート1203の配管用の貫通孔を介して気密に連結され、He等の伝熱性の高いガスが内部に供給されてヘッド部1201内部の外周側の部分をリング状に通流するガス流路1317となる。
【0166】
ガス流路1317に供給されたHe等のガスは、その内部でヘッド部1201の周方向に拡散し、互いに試料台241の中心軸周りに同等の角度で配置された複数のガス供給路1318各々から載置面の外周側部分に導入される。ウエハ300裏面の外周側の複数の部分に同等の流量または速度で熱伝達性のガスが供給されて、誘電体膜1307を介したウエハ300と基材1306またはその内部の冷媒流路1313内の冷媒との間の熱伝達の量の周方向のばらつき、ひいてはウエハ300の温度のばらつきが低減される。
【0167】
ヘッド部1201の中央側の領域に配置された上下2枚の絶縁板1305a,1305bは絶縁リング1305’と比較して相対的に剛性の小さな樹脂を材料として構成された部材であり、本実施例では各々に、ベースプレート1203の図上下方からこれを貫通して基材1306内部に挿入される複数の温度センサ1315が内側に配置される貫通孔が複数配置されている。さらに、絶縁板1305a,1305bの中央部には、ベースプレート1203を貫通して基材1306に挿入される受電コネクタ1310が内側に配置される貫通孔が配置されている。
【0168】
受電コネクタ1310及び各温度センサ1315は、基材1306の図上下方から図上上向き挿入され、これらの下端部は、基材1306が絶縁部材1305を挟んでベースプレート1203に締結された状態でベースプレート1203に取り付けられてその位置が固定される。
【0169】
上下に積み重ねられて配置される樹脂製の絶縁板1305a,1305bは、これらを貫通する温度センサ1315、受電コネクタ1310に合わせて貫通孔が配置されている。本実施例では、温度センサ1315、受電コネクタ1310がベースプレート1203に取り付けられた状態で絶縁板1305a,1305bの貫通孔の内周壁面と温度センサ1315の外周側壁面及び受電コネクタ1310の外周側壁面との間には、所定の隙間が配置される。
【0170】
本例の温度センサ1315は、各々が、上部に棒状の形状を有してその軸に沿った中心側の領域に配置され軸方向に延在するセンサ本体である熱電対と、軸方向に所定高さを有して熱電対の外周を囲んで配置された金属製のシースと、シース及び熱電対と連結または結合されベースプレート1203下面に取り付けられるコネクタ部を備え、コネクタ部は熱電対とは絶縁される一方で内部を通って熱電対と電気的に接続され熱電対からの信号が内部を通して送信されるケーブルが接続されている。各温度センサ1315のコネクタ部からの複数のケーブルは、ベースプレート1203の下面に連結されて配置された1つのセンサケーブルコネクタユニット1316に接続され、当該センサケーブルコネクタユニット1316から一纏まりのケーブルとして容器コントローラ1209に通信可能に接続されている。
【0171】
各温度センサ1315は、ベースプレート1203の複数の箇所およびその上方の対応する位置に配置された絶縁板1305a,bさらに下部機材1306bの各々の複数の箇所に配置された貫通孔を通して、ベースプレート1203の下方から貫通孔に挿入されて熱電対およびシースの先端部が上部基材1306aの上記貫通孔に対応した位置に配置された円筒形の凹み部内に挿入される。コネクタ部がベースプレート1203に取り付けられた状態で、各温度センサ1315の熱電対は上部基材1306aの凹み部内壁面とは接触していない。
【0172】
なお、各温度センサが挿入される上記貫通孔及びこれに対応した位置に配置された上部基材1306aの凹み部は、円筒または円板形状を有した試料台241または基材1306の上面について半径方向及び周方向に異なる箇所に配置されている。この状態で、温度センサ1315の熱電対が温度を検知した信号が、容器コントローラ1209に送信され容器コントローラ1209内部に配置された演算器が内部を構成する記憶装置に記憶されたソフトウエアのアルゴリズムに沿って各温度センサ1315の箇所での温度の値及びこれらの分布を検出する。
【0173】
各温度センサ1315の金属製のシースは、当該温度センサ1315のコネクタ部がベースプレート1203に取り付けられた状態で、その下端部またはコネクタ部との接続部においてベースプレート1203と接触して電気的に接続されている。また、各温度センサ1315のシースは、熱電対の外周側で距離をあけてこれを囲んで配置された円筒形状を備え熱電対から絶縁されている。
【0174】
各温度センサ1315が試料台241にベースプレート1203下方から挿入されて取り付けられた状態で、各温度センサ1315のシースは基材1306とは距離をあけて配置されている。つまり、シースは基材1306とは電気的に絶縁され且つベースプレート1203とは電気的に接続されている。
【0175】
ベースプレート1203は下方の試料台ベース242及び下部容器250を介して接地電位にされたベースプレート260と電気的に接続されて接地電位にされる。このため各温度センサ1315のシースも接地電位にされることで、第2高周波電源243から基材1306に供給される高周波電力の成分が温度センサ1315から出力される信号に重畳されてノイズとなることが抑制され、容器コントローラ1209における試料台241内部またはその上面の温度の値あるいはその半径方向あるいは周方向の分布の検出の精度が損なわれることが抑制される。
【0176】
本実施例では、上記のように、第2高周波電源から出力された高周波電力は、給電用のケーブルを通りその一端に接続されベースプレート1203下方の収納空間1207の中央部に配置された給電コネクタ1309とこれに接続された受電コネクタ1210を介して、当該受電コネクタ1210が中心部に挿入されて接続された基材1306に供給される。基材1306とベースプレート1203との間の絶縁板1305a,bの中心部にもこれら給電コネクタ1309および受電コネクタ1310が内部に挿入される貫通孔が配置されている。
【0177】
ベースプレート1203下面に取り付けられた給電コネクタ1309の収納空間1207に露出した端部は、その一端が第2高周波電源244と接続された給電ケーブルが接続される。容器コントローラ1209と通信可能に接続された第2高周波電源244によって当該容器コントローラ1209からの指令信号に応じて出力する高周波電力の大きさ或いは量が調節され、受電コネクタ1310を通して供給される高周波電力によりヘッド部1201上方に形成されるバイアス電位の大きさとその分布が調節される。
【0178】
本実施例では受電コネクタ1310は、L字または逆T字形状を有した部材である。受電コネクタ1310は、金属等の導電体製の上方部材(上部)及びその上端で当該上部と電気的に接続され、その下部の端部で給電コネクタ1309と接続する接続端子を有して、Lまたは逆T字の形状を有した下方部材(下部)を備えている。
【0179】
受電コネクタ1310は、ベースプレート1203および絶縁板1305aまたは絶縁板1305bの中央部に配置された貫通孔の内部に挿入されて、上部と下部とが接続された状態で、その下部は、当該貫通孔内部に挿入されてベースプレート1203下面に取り付けられる。
【0180】
受電コネクタ1310の上部は、金属製の棒状部材であって、下部基材1306bの中央部の貫通孔に挿入されて貫通しその貫通この上方で上部基材1306aの中央部にはいちされた凹み部である嵌入穴内に挿入されて上部基材1306aと電気的に接続される。また、上部の下端部は受電コネクタ1310下部に接続された状態で下部の金属製の接続端子に配置された凹み部内に嵌め込まれる。
【0181】
受電コネクタ1210の下部はL字または逆T字の形状を有した部材である。そして、金属製の上部の下端部に接続される端子及びLまたは逆T字の下部の端部に給電コネクタ1209と接続される端子とこれらの端子同士の間で接続された給電用の経路を誘電体または絶縁体材料から構成された部材の内部に有している。
【0182】
当該下部の上端部には、受電コネクタ1210の上部と下部とが一体に接続された状態で、上部を構成する金属製の棒状の部材の下端部が嵌め込まれて接続する嵌入孔を有した端子が配置されている。さらに、受電コネクタ1210のL字または逆T字状の形状を有した下部は、上部と下部とが接続された状態で、ベースプレート1203下面下方の収納空間1207に露出され、その一端の接続端子に収納空間1207内に配置された給電コネクタ1209が接続される。
【0183】
給電コネクタ1209は、誘電体または絶縁体の材料により構成された本体の中心部に配置され、第2高周波電源244からの高周波電力が流れる給電ケーブルと電気的に接続される接続端子を備えた高周波給電用のコネクタである。その一端には接続端子が露出され、他端部は給電ケーブルと接続されるか、または内部で接続端子に電気的に接続された給電ケーブルが曳き出されて延在している。
【0184】
第2高周波電源244に給電ケーブルを介して接続された給電コネクタ1209は、受電コネクタ1210と収納空間1207内において着脱作業が可能に構成されている。これらの着脱は、受電コネクタ1210がヘッド部1201またはベースプレート1203に取り付けられたそのL字または逆T字の下方部分であってベースプレート1203下面下方の収納空間1207内に露出した部分の端部に対して行われる。
【0185】
本実施例は、受電コネクタ1310の下部は、これがベースプレート1203下面下方に露出してこれに取り付けられた状態で、第2高周波電源244との間を電気的に接続する給電ケーブルが曳き出された給電コネクタ1309の上端部が取り付けられる。そして、ベースプレート1203と上方の絶縁部材1305及び基材1306とは一体に取り付けられた状態で給電コネクタ1309と受電コネクタ1310とは着脱作業が可能に構成されており、ヘッド部1201は試料台ベース242に対しを一体として着脱することが可能に構成されている。
【0186】
また、受電コネクタ1310の棒状の上部と下部とが接続される箇所の外周側にこれを囲んでセラミクス等の絶縁性を有した材料或いは誘電体から構成された円筒形状あるいはリング形状を有した絶縁ボスが備えられる。絶縁ボスは、受電コネクタ1310がヘッド部1201に取り付けられた状態で、絶縁板1305a、bおよびベースプレート1203の中央部で半径方向について絶縁板1305a、または1305b及びベースプレート1203と受電コネクタ1310の上部下部とが接続される箇所との間に、これらと隙間をあけて、上下方向について下部基材1306b下面及びベースプレート1203上面との間に隙間をあけて配置される部材であり、これらから受電コネクタ1310の給電経路をから絶縁している。
【0187】
このような本実施例のヘッド部1201では、まず、基材1306に対して受電コネクタ1310の上部が取り付けられ両者が接続される。その後、絶縁リング1305’及びその中央側の絶縁板1305a,bが基材1306下面の図上下方に配置されるとともに、中央部において受電コネクタ1310上部がその内側の貫通孔に挿入されて絶縁ボスが配置される。
【0188】
この後、ベースプレート1203と基材1306とが、絶縁部材1305及び絶縁ボスを間に挟んでボルト1308が用いられて締結される。セラミクス材料で構成された絶縁ボスも、受電コネクタ1310とベースプレート1203との間のみでなく、その上下端面は所定の僅かな隙間を介して基材1306中央部の下面及びベースプレート1203中央部の上面とに対向して配置され絶縁部材1305と同様に基材1306及びベースプレート1203の間を絶縁する部材として機能すると共に両者の間の上下方向の空間の距離(高さ)が所期の値以下になることを抑制する部材として機能する。
【0189】
図13(b)に示すように、ヘッド部1201内には、誘電体膜1307内部の複数のヒータ電極1312各々の下面と電気的に接続された複数のヒータ給電コネクタ1322が配置されている。これらのヒータ給電コネクタ1322各々の下端部は、ヒータ電極1312への給電経路を構成する接続ケーブル1323が内部の接続端子から曳き出されて、ベースプレート1203上面上方に位置するヒータ給電コネクタユニット1324のヒータ給電コネクタユニット上部1324aと接続されており、ヒータ給電コネクタユニット1324を介してヒータ用の直流電源1321からの直流電力を受ける構成となっている。
【0190】
ヒータ給電コネクタユニット1324は、ベースプレート1203に取り付けられてベースプレート1203上面上方に露出したヒータ給電コネクタユニット上部1324aと、当該ヒータ給電コネクタユニット上部1324a下面に下方から着脱可能に取り付けられ内部の給電経路と電気的に接続されてヒータ用の直流電源1321と電気的に接続されたヒータ給電コネクタユニット下部1324bとを備えている。
【0191】
絶縁板1305a、bの各々には、ヒータ給電コネクタ1322各々の基材1306内の位置に合わせて配置された貫通孔が備えられ、絶縁板1305が基材1306とベースプレート1203との間で挟まれてヘッド部1201が一体に構成された状態で、ヒータ給電コネクタ1322の下端部はその周囲に隙間を明けて当該各々の貫通孔内部に収納される。絶縁板1305a、bは、基材1306とベースプレート1203との間で挟まれてヘッド部1201を構成した状態で、これらの間に隙間が形成され、当該隙間内に各ヒータ給電コネクタ1322とヒータ給電コネクタユニット1324との間を電気的に接続する複数本の接続ケーブル1323が配置される。
【0192】
本実施例のヒータ給電コネクタ1322の各々は、誘電体または絶縁体材料で構成された円筒形を有したボスとその内部に配置された接続端子とを備えている。接続端子は、ヒータ給電コネクタ1322が基材1306に挿入されて取り付けられた状態で、その上端部がヒータ電極1312側の接続端子とで接続してこれと電気的に接続され、下端部は接続ケーブル1323と電気的に接続される。
【0193】
ヒータ給電コネクタ1322の各々は、下部基材1306bの貫通孔と上部基材1306aに配置された円筒形の穴とで構成された挿入孔内に挿入されて、当該挿入孔内部の上端部(底部)に配置されて上方のヒータ電極1322と電気的に接続され下方に延在するヒータ側の接続端子とボスの内側において外周を囲む基材1306から絶縁された状態で嵌合されて接触する。このようにして、収納空間1207内部と連通されて大気圧にされた挿入孔内部において、ヒータ電極1312とヒータ用の直流電源1321との間が電気的に接続される。
【0194】
各々の給電ケーブル1323は、絶縁板1305a、bの間の隙間で、各々のヒータ給電コネクタ1322の下端部とベースプレート1203上面上方に位置するヒータ給電コネクタユニット1324上部1324aとを接続している。ヒータ給電コネクタユニット下部1324bと直流電源1321との間は1本または一纏まりの給電ケーブルで接続され、ヒータ用の直流電源1321からの直流電力は、ヒータ給電コネクタユニット上部1324aから分岐された接続ケーブル1323各々及びこれに接続された各々のヒータ給電コネクタ1322を通して複数のヒータ電極1312に並列に供給される。
【0195】
本実施例においては、樹脂材料から構成された絶縁板1305a,bは、周囲に配置された部材との間に隙間を開けて配置されており、ウエハ300の処理中の温度に応じて生じる基材1306の変形が生じる場合でも、給電ケーブル1323の端部とヒータ給電コネクタ1322或いはヒータ給電コネクタユニット1324との間の接続部分が損傷したり、切断したりすることが抑制される。
【0196】
本実施例の外周リング1202は、試料台241の外周側に配置されその周囲を覆うリング状の部材であって、大きく分けてサセプタリング1325,カバーリング1326,閉込めリング1327とを備えて構成されている。これらの部材は、試料台241に対して或いは相互に締結する手段を有さず単に試料台241の外周側に載せられる。
【0197】
外周リング1202が試料台241に載せられた状態で、サセプタリング1325は上部基材1306a上部外周側に配置され、カバーリング1326はサセプタリング135下方且つベースプレート1203上方でヘッド部1201の外周側面の周囲に配置され、閉込めリング1327はベースプレート1203上方でカバーリング1326外周側に配置される。また、これらの部材同士の対向する表面の間には所定の大きさの隙間が配置される。
【0198】
本実施例では外周リング1203は、試料台241またはヘッド部1201に対して、カバーリング1326が装着された後に,サセプタリング1326及び閉込めリング1327が順番に試料台241に装着される。以下は、カバーリング1326の装着後に閉込めリング1327、さらにサセプタリング1325が装着される順番で説明するが、試料台の形状や仕様に応じて先にサセプタリング1325が装着されても良い。
【0199】
まず、カバーリング1326は、アルミナ或いはイットリア等のセラミクス材料から構成されたリング状あるいは円筒形状を有した部材である。ベースプレート1203と基材1306とが絶縁部材1305を挟んで締結されて構成されたヘッド部1201の当該円筒形の外側壁形状を有した絶縁部材1305の絶縁リング1305’の円筒形の外周側壁の外周側に、その内周壁面が所定の隙間をあけて上方から嵌め込まれてベースプレート1203の外周縁部上面の上方に載せられる。
【0200】
本実施例では、カバーリング1326の内周壁面の大きさ(高さ)は絶縁リング1305’の外周側壁のものと同じにされているが、この構成に限られないものの、絶縁リング1305’の外周側壁を覆って配置される。また、カバーリング1326の平坦な下端面は、ベースプレート1203上面上方に載せられた状態で、絶縁リング1305’の外周端からベースプレート1203上面の外周端までの間の上面に対してこれを覆って載せられる。
【0201】
閉込めリング1327は、金属製の基体の表面にアルミナあるいはイットリア等のセラミクス材料から構成された被膜を備えたリング状の部材であって、縦方向の断面は円筒形を有する内周側部分と内周側部分の上端部から外周方向に延在するリング板状のフランジ部とを備えている。この点で、閉込めリング1327は逆L字状の断面を備えた部材である。
【0202】
閉込めリング1327の内周側部分の円筒形の内周側壁の直径はカバーリング1326の外周側壁の直径より僅かに大きくされ、試料台241にカバーリング1326が装着された状態で、カバーリング1326の外周側に上方から隙間を開けて嵌められてカバーリング1326の外周側のベースプレート1203外周縁部上面上方に載せられる。この状態で、カバーリング1326または閉込めリング1327は、絶縁リング1305’の外周側のベースプレート1203外周縁部の上方から挿入されてベースプレート1203とTフランジ1205とを締結する複数本のボルトの上方を真空処理ユニット2001に対して覆っている。
【0203】
閉込めリング1327の円筒形の内周側部分の底面は金属製の基材が露出している。閉込めリング1327がカバーリング1326の外周側でベースプレート1203の外周縁部上面に載せられて両者が当接した状態で、この露出した底面とベースプレート1203の露出した金属製の部材とが当接して電気的に接続されている。
【0204】
このため、閉込めリング1327はベースプレート1203及びTフランジ1205とを介して下部容器250と電気的に接続されており、これらと同様に、ウエハ300の処理中に接地電位にされる。このような電位にされる閉込めリング1327のフランジ部は、真空処理ユニット2001内において試料台241の外周側で真空処理ユニット2001の内周壁面との間の空間に試料台241の該周囲を囲んで配置される。
【0205】
閉込めリング1327のリング円板状の形状を備えたフランジ部には、上下方向に上下面を貫通する貫通孔が複数配置されている。真空処理ユニット2001の当該試料台241の外周側の空間は、試料台241の上方の空間で形成されたプラズマや真空処理ユニット2001内に供給されたガス或いはウエハ300の処理中に形成された反応生成物等の粒子が下方に通過して流れ試料台241下方に移動して排気される、謂わば通路となっている。
【0206】
閉込めリング1327はそのフランジ部が当該通路内で上記流れの方向を横切って配置されることで、貫通孔を通ってガスの粒子やプラズマ中の中性の粒子を移動させ、プラズマ内の荷電粒子が下方に移動することが抑制される。つまり、プラズマが閉込めリング1327の下方の試料台241あるいは試料台242の外周側壁面や真空処理ユニット2001の内壁面の表面に到達してこれらを構成する部材の材料と相互作用を生起したり、その表面に付着したりすることが抑制される。
【0207】
さらに、試料台241の外周側の通路であってヘッド部1201または基材1306上面のウエハ300の載置面に高さ方向に近い箇所に接地電位にされた謂わば電極が試料台241または載置面上のウエハ300の外周を囲んで配置される。閉込めリング1327はベースプレート1203との間の電気的な接続が安定に維持されると共に、ヘッド部1201をTフランジ1205上に締結するためのボルトの上面が電極によって覆われることで、当該ボルトとプラズマまたはその荷電粒子や反応性を備えた粒子が接触して相互作用を生起することが抑制され、ウエハ300の処理中にプラズマの異常な放電の生起が抑制されて処理が安定し、さらにまた、これによる真空処理ユニット2001内の部材の消耗が抑制され、ウエハ300の処理の再現性が向上する。
【0208】
本実施例では、閉込めリング1327がカバーリング1326の外周側に装着された後に、ヘッド部1201の上部外周を囲んでカバーリング1326の上方にサセプタリング1325が載せられる。サセプタリング1325はアルミナ或いはイットリア等のセラミクス材料から構成されたリング状の部材である。
【0209】
サセプタリング1325は、上部基材1306の上部外周側の部分にウエハ300の載置面の外周を囲んで配置されその表面の高さが低くされた(段差を有した)凹み部に挿入されて上部基材1306aの凹み部に囲まれた円筒形の凸状部の上面である誘電体膜1307で構成された円形のウエハ300の載置面またはこれに載せられたウエハ300を囲んで、凹み部の上面あるいは凸状部分の外周側壁面を真空処理ユニット2001内のプラズマに対して覆っている。
【0210】
本実施例のサセプタリング1325は、基材1306上部の凹み部に装着された状態で、その内周縁の基材1306またはウエハ300の載置面の中心からの半径方向の位置は、凹み部に囲まれた凸状部分または載置面の外周縁の半径方向の位置より僅かに大きくされて、これらの間には隙間が配置される。また、ウエハ300が載置面に載せられた状態で、ウエハ300の外周縁の上記半径方向の位置は、サセプタリング1326の内周縁より外周側に大きくされ、この結果、ウエハ300は載置免状に載せられて保持された状態で外周縁が凸状部分及びその外周側に位置するサセプタリング1326の内周縁より半径方向の外側にオーバーハングして位置している。
【0211】
さらに、本実施例のサセプタリング1326の上面の高さは、上部基材1306aの載置面の高さ、或いは誘電体膜1307の載置面または凸状部分の外周端部に配置され中央川部分を囲んだ誘電体膜1307によるリング凸部1307’の平坦な上面の高さより小さくされている。ウエハ300は載置面上にそのオーバーハングする外周縁部の裏面がその下方のサセプタリング1325の内周縁部上面を覆うように配置される。
【0212】
さらに、図示していないがサセプタリング1325の内周縁部の外周側の上面は高さが内周縁部より高くされており、このためウエハ300がサセプタリング1326の当該高くされたリング状の部分の中央側で凹まされた(高さが低くされた)上面形状が円形の領域内に配置されることになる。このことで、ウエハ300が試料台241あるいは載置面上に載せられる際により中央側に自ら位置するように仕向けることができる。
【0213】
また、本実施例のサセプタリング1325は、その上下方向の厚さは外周側の部分が内周側より大きくされている。当該サセプタリング1325の内周側の部分は凹み部にはめられた状態で凹み部の上面(底面)に載せられ、外周側の厚さの大きな部分は上部基材1306aの外周側壁面の外周を囲んでこれを覆っている
さらに、この厚さが大きくされた外周側の部分の平坦な下面は、隙間を明けてカバーリング1326の上端面と対向して配置される。このような隙間の大きさやサセプタリング1325の上下方向の高さ位置は、上部基材1306aの凹み部の底面と当接する内周側部分の厚さによって定められる。
【0214】
サセプタリング1326の下端面およびカバーリング1326と閉込めリング1327との間の隙間により、真空処理ユニット2001の内部のプラズマあるいは荷電粒子とベースプレート1203およびTフランジを締結するボルト上端との間の距離が沿面されることで、当該ボルトとプラズマまたは荷電粒子との相互作用が生起することが抑制される。
【0215】
以下、図14を用いて、本実施例の試料台241が分解される動作の流れを説明する。図14は、図12及び図13に示された実施例に係る試料台が複数の部品に分解された状態を模式的に示す縦断面図である。
【0216】
本図において、図14(a)には、試料台241のヘッド部1201が試料台ベース242に取り付けられた状態で外周リング1202が試料台241から上方に取り外された状態が示されている。図14(b)には、図14(a)に示された状態から、さらにヘッド部1201が試料台ベース242上方に取り外された状態が示されている。
【0217】
図14に示される試料台241の分解は、真空処理ユニット2001におけるウエハ300の処理の枚数あるいは内部でプラズマを形成した時間の累積の値が予め定められた値に到達したことが容器コントローラ1209により検出されると、当該真空処理ユニット2001はそのウエハ300を処理する運転が停止され、保守、点検のための運転に変更される。この保守、点検の運転では、真空処理ユニット2001内部を大気圧にして開放し、作業者が真空処理ユニット2001内部の部材を取外して交換したり清掃、洗浄して再度取り付けたりする作業が行われる。
【0218】
このような作業に先立って、容器コントローラ1209は、処理済みのウエハ300は真空処理ユニット2001から取り出されたことが確認されると、保守点検の運転モードで運転することを使用者あるいは作業者に放置する。その後、ゲートを閉じて真空処理ユニット2001内を密封した後に、真空処理ユニット2001内に窒素或いはアルゴン等の希ガスを導入して、真空処理ユニット2001内の圧力を大気圧またはこれと同等と見做せる程度まで上昇させる。
【0219】
さらに、旋回リフター210等を利用して、真空処理ユニット2001の上部容器230を含んだ上側の部分が、取り外されて試料台ブロックの上方から取り除かれる。そして、試料台241と試料台ベース242を僅かに上昇させた後旋回リフター210の上下方向の軸周りに回転させて、下部容器250から取外してその上方からベースプレート260の周囲のメンテナンス用のスペースに移動させる。
【0220】
この状態で、試料台241及び試料台ベース242はその上方及び下方には部品や部材が作業の邪魔にならないような位置まで移動させられており、これらに対して作業者が作業を施す上で必要なスペースが確保され、その作業の効率が損なわれることが抑制される。
【0221】
本実施例において、作業差は先ず試料台241から外周リング1202を取り外すことができる。図14(a)においては、試料台ベース242に取り付けられた試料台241の上方に外周リング1202を構成するサセプタリング1325,カバーリング1326,閉込めリング1327が模式的にまとまって取り外されているように示されているが、これらは1つずつ取り外される。
【0222】
この取外しの際には、試料台241に取り付けられた際の順番と逆の順にこれらの部材が取り外される。すなわち、図13を用いて説明した場合と逆に、サセプタリング1325,閉込めリング1327,カバーリング1326の順で、試料台241の上方にこれら各々が取り外される。
また、本実施例では、外周リング1202を構成するこれらの部材同士及び他の部材ともは締結されていない。このため、作業者は、取外しの際はこれら部材を試料台241から上方に取り外すだけでよく、作業量が低減され保守や点検の作業に要する時間が低減される。
外周リング1202のカバーリング1326が試料台241から取り外されると、ベースプレート1203の外周縁部とTフランジ1205とを締結するボルト1401の上面作業者の側に露出される。この状態で、作業差は、これらの締結を解除して試料台241のヘッド部1201を試料台ベース242の上方に取り外すことが容易に行える。
【0223】
外周リング1202がその外周側の箇所から取り外された状態で、試料台241はそのヘッド部1201が試料台ベース242から上方に一体で取り外される。この際に、ベースプレート1203の外周側でこれをTフランジ1205上端部に締結していた複数本のボルト1401が取り外され、ベースプレート1203下面に取り付けられたセンサ、配管や給電ケーブルのコネクタの取り付けが解除されてから、ベースプレート1203に取り付けられたセンサやケーブル、コネクタ等とともに上方にヘッド部1201が取り外される。
【0224】
すなわち、本実施例では、試料台241の中心軸周りに等角度あるいはこれに近似した角度の間隔で周方向に配置されたボルト1401がベースプレート1203の上面外周側部分から取り外される。
これに先立って、試料台ベース242の底面を構成する試料台部蓋245が下方に取り外されて、収納空間1207が下方に解放される。このことで、作業者はベースプレート1203下面に取り付けられている給電ケーブルやセンサや配管のコネクタの取付を解除する作業を、試料台ベース242の下方から行うことが出来るので、作業効率を向上させることができる。
【0225】
作業者は、下方に開放された試料台ベース242下方から収納空間1207内部にアクセスして、給電コネクタ1209と受電コネクタ1210との間、センサケーブルコネクタユニット1316の上部と下部との間、さらにはESC電極コネクタユニット1320の上部と下部の間、さらにはヒータ給電コネクタユニット上部1324aとヒータ給電コネクタユニット下部1324bとの間の接続を解除する。同様に作業者は、図示していないが、冷媒流路1313に供給される冷媒が循環供給される配管1314とベースプレート1203またはヘッド部1201との間の接続を解除する。
【0226】
作業者は、ベースプレート1203の下面に取り付けられたケーブル、配管等のコネクタの接続が取外されたヘッド部1201を、その基材1306あるいは絶縁部材1305内部に複数の温度センサ1315やヒータ給電コネクタ1322が配置されている状態で、試料台ベース242上方に取り外すことができる。この取り出しの際にも、複数の温度センサ1315は、各々の下部がベースプレート1203の下面に取り付けられて位置が固定されており、出力の信号が流れる複数のケーブルはベースプレート1203下方の収納空間1207内においてベースプレート1203に取り付けられたセンサケーブルコネクタユニット1316の上部と接続される一方で、複数のものが一つにまとめられたケーブルが容器コントローラ1209との間を接続するセンサケーブルコネクタユニット1316の下部は収納空間1207内で作業者により上部から切り離される。
【0227】
同様に、複数のヒータ給電コネクタ1322の下部は、下部基材1306b下面から下方に延在してベースプレート1203上方で絶縁リング1305’内側の収納空間1207に連通されたヘッド部1201内の空間において絶縁板1305a,1305bの間を通り配置された給電ケーブル1323を介してヒータ給電コネクタユニット上部1324aに接続される。一方で、直流電源1321と電気的に接続されたヒータ給電コネクタユニット下部1324bはベースプレート1203下方でヒータ給電コネクタユニット1324aから切り離される。
【0228】
他のコネクタについても同様に、底面を構成する試料台部蓋245が開放された収納空間1207の内部において、作業者により下方から施される作業によりヘッド部1201との接続またはベースプレート1203との連結が切り離される。
【0229】
このようにして、本実施例では、真空処理ユニット2001でのウエハ300の処理の枚数或いはプラズマが形成された時間の累積の値が部品の交換や点検等メンテナンスを行うための所定のものに到達したことが容器コントローラ1209に検出されて開始された真空処理ユニット2001のメンテナンスのための運転中において、これを構成する部材の表面に付着物が堆積したり表面の部材が消耗したりしているヘッド部1201は一纏まりの部材(ユニット)として一体に取り外され、予め準備され表面が洗浄或いは新規に製造された部材から構成されたヘッド部1201とユニットとして交換され、新しいヘッド部1201が表面を覆う誘電体製のカバーが洗浄されたものや新品と交換された試料台ベース242のTフランジ1205上端と複数本のボルト1401により締結され接続される。
【0230】
このベースプレート1203を含んだ試料台241上部の上方への取外しに際して、ベースプレート1203下面に配置され当該下面から下方に突出する円筒形または円錐台形状を有して上記各ピン1302が貫通して内側に収納される貫通孔1303が中央部に配置された凸部1203’の下端面は、Oリング等のシール部材を挟んだ梁部1301の各梁に配置されたピン1303用の貫通孔の外周の上面との当接または対向および、各梁のピン用の貫通孔及びヘッド部1201内の貫通孔1303の内側の空間と外側の収納空間1207との間の封止は解除され、ピン1303用の貫通孔周囲の部分を含む梁部1301上面は大気に曝される。
【0231】
上記の通り、本実施例の試料台241のベースプレート1203と基材1306とが絶縁部材1305を間に挟んで締結されて構成されたヘッド部1201は、温度センサ1315、ヒータ給電コネクタ1322およびこれらの各々との間がケーブルで接続されたセンサケーブルコネクタユニット1316、ヒータ給電コネクタユニット1324の上部が取り付けられた状態で、ベースプレート1203を含んで試料台241上部が一体で試料台ベース242から取外し可能に構成されている。一体のユニットとして交換することで、メンテナンス運転の際の部品の交換や取り付け後の調節等作業の量が低減され、真空処理ユニット2001がウエハ300の処理のための運転をしていない、所謂ダウンタイムが大きくなり当該真空処理ユニット2001の運転の効率が低下してしまうことが抑制される。
【0232】
本実施例では、ベースプレート1203、絶縁部材1305、基材1306の外周側の部分同士で挟まれたOリング等のシール部材により気密に封止され上記温度センサ1315やヒータ給電コネクタ1322が配置されたヘッド部1201の内側の空間は収納空間1207と連通されて、ウエハ300の処理中にも大気圧またはこれと見做せる程度に近似した値の圧力にされている。この点で、ヘッド部1201内部の空間は、謂わば収納空間1207の一部になっている。
【0233】
当該収納空間1207は、ヘッド部1201が試料台ベース242上方に取り付けられて真空処理ユニット2001内に配置された状態で、真空処理ユニット2001内の空間とは気密に区画されている。このため、真空処理ユニット2001でウエハ300が処理された枚数やプラズマが形成された時間の累積が増大しても温度センサ1315の温度検知部分やコネクタの接続端子同士の接触部分の周囲の空間は圧力だけでなくガスや反応性を有した粒子の進入がなく条件の時間の経過に伴う変動が小さく抑制される。
【0234】
このように条件の変動が小さくされた環境に温度センサ1315やヒータ給電コネクタ1322の接続用端子が配置されることで、ウエハ300の処理枚数やプラズマが形成された時間の累積が増大することに伴って検知の出力や検出された結果が変化することが抑制される。さらに、このような検知や検出の結果を用いて算出され発信された所期の条件を実現するための指令信号に基づいてヘッド部1201内の電極に供給される電力や冷媒等の大きさの調節の精度が低下することが低減される。このことにより、真空処理ユニット2001におけるウエハ300の処理の歩留まりや再現性が向上される。
【0235】
また、このような1纏まりの部材であるユニットとしてのヘッド部1201内部に配置された温度センサ1315等の検知器は、検出対象との距離や配置の相対位置が変化した場合には、その場合が生起する毎に検知した結果としての出力の信号とこれから検出される温度との相関関係を実際の値(または十分に近似したものであってこれと見做せる値)に運転に十分となる精度で合ったものに調節する、較正の作業が必要となることが常識的である。一方、本実施例では、予め準備されたヘッド部1201のみが別途組立てられる際に取り付けられた温度センサ1315の較正は、メンテナンス運転の際に真空処理ユニット2001の試料台ベース242に取り付けられる前に、実施される。
【0236】
すなわち、交換のために準備されたヘッド部1201に複数の温度センサ1315が取り付けられ状態のヘッド部1201単体で、或いは較正用に容易された試料台ベース242に載せられて、雰囲気を含む条件がウエハ300の処理中と同等またはこれと見做せる程度に近似したものにされて温度センサ1315の較正が行われる。このような較正が実施された複数の温度センサ1315が取り付けられ構成する部材はその表面が洗浄され或いは新品であるヘッド部1201がウエハ300の処理に用いられたヘッド部1201と交換されて試料台ベース242に取り付けられた後の収納空間1207内の温度や圧力あるいは内部の粒子との相互作用の量等の環境の条件は較正が実施された条件との差は経時の変化が小さいため、温度センサ1315を用いた検出の精度も変化が抑制される。
【0237】
このことから、取り付け前に大気圧下で較正を実施しておくことで、ヘッド部1201を試料台242上方に取り付けた後に温度センサ1315の較正を改めて行う必要性が低減され、これを省くことで保守または点検の作業の後に真空処理ユニット2001でのウエハ300の処理のための運転の再開までの準備のための運転に要する時間が短縮される。さらに、真空処理ユニット2001において実施されるウエハ300の処理の再現性の経時的な変化が抑制され、処理の歩留まりや効率が向上する。
【0238】
図15を用いて、本実施例が備えるTフランジ1205の構成を説明する。図15は、図12乃至14に示した実施例に係る真空処理室のTフランジの構成の概略を模式的に示す上面図である。
【0239】
本実施例のTフランジ1205は、試料台ベース242の上部外周側壁を構成する外周側の円筒部1501と、その円筒形の内周壁面内側に配置され内周壁面同士の間を接続して一体に構成された梁部1301とを備えている。さらに、本実施例の梁部1301は、上方から見た平面形がT字またはY字形状を有して円筒部1501の中央部から半径方向に延在する3本の板状の梁を有し、各々の梁にピン1302が内側に挿入されるピン用の貫通孔1502が配置されている。
【0240】
さらに、梁部1301中央部の下面にはピン駆動部1208が連結されている。ピン駆動部1208の上端部は、梁部1301の下面に取り付けられて位置決めされ、下端部に長さが流体またはモータ等の電動で伸縮される円筒状のアクチュエータが備えられる。当該アクチュエータ下端には、梁部1301と同じくT字またはY字状の板部材であるアーム1208’が接続されて、収納空間1207内部に収納されて周囲の壁面と接触せずに上下するアーム1208’の3つの先端部各々には3本のピン1302の下端部及びピン1302下端部周囲のアーム1208’上面からその上方に位置する梁部1301の梁の下面まで接続されてアーム1208’の上下動によるアーム1208’上面と梁部1301の下面との間の距離の増減に伴って伸縮する蛇腹形状の部分を備えた金属製のベローズ1304が配置される。
【0241】
さらにまた、貫通孔1502を囲む外周側の梁部1301上面には、ベースプレート1203の凸部1203’のリング状の下面がOリング等のシール部材を介して当接、あるいはその端面同士を隙間を介して対向させる箇所である。ベローズ1304の上下端の面と梁部1301下面およびアーム1208’上面との間、及び凸部1203’下端面と梁部1301上面とは、間に挟まれたOリングが当接してピン1302が収納されベローズ1304の内側を含む貫通孔1502内部の空間と外周部分の収納空間1207との間が気密に封止される。
【0242】
Tフランジ1205は、貫通孔1502の外周側のT字またはY字形状の梁部1301上面に、当該梁部1301とベースプレート1203間を気密に封止されるためのOリング1503が内部に嵌め込まれ組み付けられるリング状の溝1504を有している。さらに、ベローズ1304の周囲の収納空間1207は上方において当該ピン1302が収納される基材1306の貫通孔1303を介して真空処理ユニット2001と連通されている。つまり、上記梁部1301の上下面とベローズ1304及びアーム1208’上面との間は、収納空間1207と反応処理室2002内部の間が気密に封止される箇所である。
【0243】
円筒部1501の上下端面とその上方のベースプレート1203の外周縁部下面との間、及びベースシリンダの中央円筒の上端面との間も、Oリング等のシール部材が挟まれて、これらの部材の内側の空間である収納空間1207と外側の空間である真空処理ユニット2001内部とが気密に封止される。
【0244】
本実施例のTフランジ1205の梁部1301は、円筒部1501の内周壁面の対向する箇所同士を接続する板状の梁を3本が円筒部1501の中央部で一つに接続された、上方から見てTまたはY字状の形状を有している。梁部1301は円筒部と一体に形成されるか或いは円筒部に接続されて一体にされた別の部材から構成される。この構成において、端部が円筒部に一体にされた梁部1301に外力が印加された場合にも、梁部1301の上下面の位置の変動が抑制される。
【0245】
ピン駆動部1208は、その上端面が梁部1301の中央部下面に接続されてこれに取り付けられている。ピン駆動部1208の下端部には上下方向に先端位置が移動してその長さが増減して筒状のアクチュエータが備えられ、当該アクチュエータの上端部がピン駆動部1208本体内に収納され下端部が梁部1301と同じT字またはY字の平面形を有したアーム1208’に接続されている。
【0246】
本例のアーム1208’は、梁部1301と同様中央部から外周側に延在する3本の板状の梁を備え、その先端部上面にピン1302の下端部が取り付けられて位置が固定されている。アーム1208’の梁の長さは上方の梁部1301のものより短くされピン駆動部1208のアクチュエータの上下方向の伸縮の動作に伴う上下の高さの移動においても先端部が収納空間1208内部の部材に接触しないように配置されている。また、ピン1302はアーム1208’の上下の移動に伴ってピン1302も貫通孔1303及び1502内を上下に移動することで、その先端上に乗せて支持するウエハ300を上下させる。
【0247】
上記の構成により、ピン駆動部1208の駆動に伴って梁部1301の下面に接続されたピン駆動部1208の取付位置が変動したり、その上面に接続されたOリングを挟んで接続されたベースプレート1203の凸部1203’のリング状の下端面と上面との間のシールが破れたりすることが抑制され、真空処理ユニット2001によるウエハ300の処理の信頼性が向上される。
【0248】
図16を用いて、本実施例が備える試料台ユニット241の構成を説明する。図16は、図13に示した実施例に係る試料台の構成の概略を模式的に示す下面図である。特に、図13(a)のA−A線に沿った試料台ユニット241の断面を下方から見た場合の構成の概略を模式的に示している。
【0249】
本実施例において、試料台ユニット241のTフランジ1205は、試料台ベース242と試料台241との間を接続する6本の支持梁1206を備え、これらの支持梁1206は試料台241外周側の周囲において試料台241の上下方向の中心軸回りに等しいかこれと見做せる程度に近似した角度で半径方向に延在して配置されている。また、支持梁1206の内部には収納空間1207の一部を構成し試料台241下方の収納空間1207の一部と連通する空間が配置されている。
【0250】
試料台241への高周波バイアスの印加や試料台241の温度制御は、支持梁1206を含む試料台ベース242及び試料台241内部の収納空間1207内に配置された電源用配線コードや温度制御用の配線コード或いは冷媒用配管を介して行われる。さらに、バイアス形成用の第2高周波電力を供給するための給電用のケーブルは、一端が第2高周波電源244と接続されると共に、支持梁1206内の収納空間1207の一部を通して収納空間1207内部に配置され他端が給電コネクタ1309に接続されている。
【0251】
また、ウエハ300の温度を増減するためのヒータ222に直流電源1321からの直流電力が供給されるケーブルやウエハ300または基材1306の温度を検知する温度センサ1315やピン駆動部1208と容器コントローラ1209との間の信号通信用のケーブル或いは基材1306内の冷媒流路1313と第2温度コントローラ244との間を接続する冷媒供給および戻り用の2つの配管1314は、各々が上記同様に収納空間1207を構成する支持梁1206各々の内部の空間及び試料台241のベースプレート1203下方の空間内に配置され、各々の一端がベースプレート1203下面のヒータ給電コネクタユニット1324、センサケーブルコネクタユニット1316、冷媒流路1313の出入り口に接続され、他端側の部分は試料台ベース242の外周側壁に配置された各々の支持梁1206内の収納空間1207の出口開口から真空容器外部に引き出されている。さらに、ウエハ300を試料台241上面に静電気力によって吸着させるためのESC電極1311に直流電源1319から供給される直流電力用の配線コードも同様に試料台ベース242の空洞となっている一つの支持梁1206内部とベースプレート1203下方の収納空間1207に配置され、他端側の部分が支持梁1206内の収納空間1207と連通した開口から試料台ベース242外周側の真空容器外部に引き出され、一端がベースプレート1203下面のESC電極給電ケーブルコネクタユニット1320に接続されている。
【0252】
本実施例において、図16の試料台241の上下方向の中心軸周りに均等またはこれと見做せる程度に近似した角度で放射状に配置された6本の支持梁1206のうち、図上最も上に示された支持梁1206aは、試料台241またはベースプレート1203下方で上記中心軸上に配置されたピン駆動部1208とバルブボックス115または第2ゲートバルブ112あるいは真空搬送室との間に配置され、上記中心軸あるいはピン駆動部1208に正対して配置されたものである。すなわち、当該支持梁1206aの中心軸と同じ方向に沿って延在する内部の収納空間1207の中心軸は反応処理室2002と真空搬送室との間で搬送されるウエハ300の搬送または真空搬送ロボットのアーム先端部の移動方向に平行に配置されている。さらに、この支持梁1206a内部の収納空間1207の試料台ベース242外周壁面の開口はバルブボックス115またはその下方に配置された第2ゲートバルブ112の駆動部に対向して配置されており、当該収納空間1207内には上記したケーブルや配管1313収納されていない。
【0253】
また、試料台241内のベースプレート1203下方の収納空間1207内部において、支持梁1206aが延在するウエハ300の搬送方向を横切ってTフランジ1205と一体に形成または接続されたT字形状の梁部1301のうちTフランジ1205と一体に形成または接続された両端側の部分に貫通孔1502を備える梁部1301aが配置され、Tフランジ1205と一体に形成または接続された端部において貫通孔1502を備える別の梁部1301bが梁部1301aの2つの貫通孔1502の間の中央部と一体に接続されている。梁部1301aの2つの貫通孔1502内には各々を上下に貫通して2つのピン1302が配置されており、これらのピン1302が試料台241上部の誘電体膜1307の貫通孔1303上部の開口から上方に突出した状態で、これらのピン1302の間に真空搬送ロボットのアームの先端部が第2ゲートバルブ112が開放したゲートを通して進入する、あるいはアーム先端部が進入して誘電体膜1307上方に位置した状態でピン1302が当該アーム先端部の進入または退出方向について両側に突出することで、ピン1302とアーム先端部との間でウエハ300が受け渡される。
【0254】
図16に示す実施例では、上記信号の通信用や給電用のケーブル或いは冷媒用の配管1313は、ベースプレート1203下方の収納空間と真空容器外部との間を支持梁1206aを除く他の支持梁1206内の収納空間1207との間に渡り配置されている。これらのベースプレート1203下方の収納空間1207側の端部は、下方から見て梁部1301aと1301bとTフランジの円筒形の外周壁とで分けられる2つの領域あるいは空間のいずれかを通してベースプレート1203下面と接続されている。
【0255】
以上の実施例によれば、真空処理ユニット2001がウエハ300の処理のための運転をしていない、所謂ダウンタイムが大きくなり当該真空処理ユニット2001の運転の効率が低下してしまうことが抑制される。
【0256】
また、試料台に印加する高周波電力の給電ポイントを試料台中心に配置することで、ウエハ面内の均一性を損なわれないため、歩留まりの高い処理が可能となる。
【0257】
さらに、条件の変動が小さくされた環境に温度センサ1315やヒータ給電コネクタ1322の接続用端子が配置されることで、ウエハ300の処理枚数やプラズマが形成された時間の累積が増大することに伴って検知の出力や検出された結果が変化することが抑制される。さらに、このような検知や検出の結果を用いて算出され発信された所期の条件を実現するための指令信号に基づいてヘッド部1201内の電極に供給される電力や冷媒等の大きさの調節の精度が低下することが低減される。
【0258】
このことにより、真空処理ユニット2001におけるウエハ300の処理の歩留まりや再現性が向上される。さらに、保守または点検の作業の後に真空処理ユニット2001でのウエハ300の処理のための運転の再開までの準備のための運転に要する時間が短縮される。さらに、真空処理ユニット2001において実施されるウエハ300の処理の再現性の経時的な変化が抑制され、処理の歩留まりや効率が向上する。
【0259】
なお、本実施例では、真空処理装置としてECRタイプの真空処理装置を用いたが、これに限らず、ICPタイプの装置等々にも適用することができる。また、リンク方式で配列された真空処理ユニット2001を備えた真空処理装置を用いたが、これに限らず、クラスター方式の装置にも適用することができる。
【0260】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある構成の一部を他の構成に置き換えることも可能であり、また、ある構成に他の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0261】
100・・・真空処理装置、
101・・・大気ブロック、
102・・・真空ブロック、
104、104−1、104−2・・・真空搬送室、
105・・・ロック室、
106・・・大気搬送室、
107・・・カセット台、
108・・・搬送中間室、
109・・・大気搬送ロボット、
110、110−1、110−2・・・真空搬送ロボット、
111・・・第1ゲートバルブ、
112・・・第2ゲートバルブ、
115・・・バルブボックス、
200、200−1、200−2、200−3、200−4・・・真空処理室、
201・・・第1高周波電源、
202・・・蓋部材(石英板)、203・・・シャワープレート、
204・・・ガス導入リング、
205・・・石英内筒、
206・・・コイル、
207・・・Oリング、
210・・・旋回リフター、
211・・・旋回軸、
220・・・放電ブロックユニット、
221・・・放電ブロックベース、
222・・・ヒータ、
223・・・第1温度コントローラ、
224・・・放電ブロック、
225・・・アースリング、
230・・・上部容器、
240・・・試料台ユニット、
241・・・試料台、
242・・・試料台ベース、
243・・・第2高周波電源、
244・・・第2温度コントローラ、
245・・・試料台底部蓋、
250・・・下部容器、
260・・・ベースプレート、
261・・・排気部蓋、
262・・・シリンダ、
263・・・バルブボックス付ベースプレート、
270・・・排気ポンプ、
280・・・支柱、
290・・・中心軸、
300・・・被処理物(ウエハ、試料)、
310・・・放電ブロックユニットの動く方向、
320・・・試料台ユニットの動く方向、
400・・・作業者。
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