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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-146689(P2019-146689A)
(43)【公開日】2019年9月5日
(54)【発明の名称】低体重児用おむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20190809BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
   A61F13/56 210
   A61F13/49
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-32265(P2018-32265)
(22)【出願日】2018年2月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】辻井 真紀
(72)【発明者】
【氏名】山中 康弘
(72)【発明者】
【氏名】坂口 智
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA11
3B200CA02
3B200CA07
3B200DE01
3B200DE11
3B200DE16
(57)【要約】
【課題】着用時にベルト部材が本体部から離脱し難い低体重児用のおむつを提供する。
【解決手段】吸収体(21)よりも非肌側に配された外装シート(24)と、幅方向の一方側及び他方側に係止部材(31)を備えたベルト部材(30)と、を有する低体重児用おむつ(1)であって、前記ベルト部材(30)は、前記一方側の前記係止部材(31)によって前記外装シート(24)の非肌側に係止されており、前記ベルト部材(30)の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シート(24)と接合する追加接合部(70)が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する長手方向と幅方向とを有し、
吸収体よりも非肌側に配された外装シートと、
前記幅方向の一方側及び他方側に係止部材を備えたベルト部材と、
を有する低体重児用おむつであって、
前記ベルト部材は、前記一方側の前記係止部材によって前記外装シートの非肌側に係止されており、
前記ベルト部材の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シートと接合する追加接合部が設けられている、
ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項2】
請求項1に記載の低体重児用おむつであって、
前記長手方向において、前記ベルト部材の中央よりも外側に前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の低体重児用おむつであって、
前記一方側の前記係止部材と重複した位置に前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項4】
請求項3に記載の低体重児用おむつであって、
前記幅方向において、前記一方側の前記係止部材の両端部に一対の前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項5】
請求項4に記載の低体重児用おむつであって、
前記一方側の前記係止部材の、前記長手方向の外側端、かつ、前記幅方向の両端と重複する位置に、前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項6】
請求項1または2に記載の低体重児用おむつであって、
前記一方側の前記係止部材と重複していない位置に前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項7】
請求項6に記載の低体重児用おむつであって、
前記幅方向において、前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側及び前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側に、前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項8】
請求項7に記載の低体重児用おむつであって、
前記幅方向において、
前記ベルト部材の内側端と、前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側の前記追加接合部の中心位置との間の距離は、
前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側の前記追加接合部の中心位置と、前記一方側の前記係止部材の内側端との間の距離よりも大きい、
ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項9】
請求項7または8に記載の低体重児用おむつであって、
前記幅方向において、
前記外装シートの外側端と、前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側の前記追加接合部の中心位置との間の距離は、
前記一方側の前記係止部材の外側端と、前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側の前記追加接合部の中心位置との間の距離よりも大きい、
ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の低体重児用おむつであって、
前記長手方向において、前記ベルト部材に対して占めている前記追加接合部の長さの合計は、
前記幅方向において、前記ベルト部材に対して占めている前記追加接合部の長さの合計よりも短い、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項11】
請求項10に記載の低体重児用おむつであって、
各々の前記追加接合部の前記長手方向における長さは、
各々の前記追加接合部の前記幅方向における長さよりも短い、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低体重児用おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オープンタイプの使い捨ておむつが広く用いられている。オープンタイプの使い捨ておむつでは、おむつ本体(例えば吸収性本体)の左右に設けられたベルト部材(例えばファスニングテープやストラップ)の両端部を、おむつ本体の腹側と背側とにそれぞれ係止させることで、おむつの着用を行う。特許文献1には、背側と腹側のどちら側にも着脱できるファスナー(係止部材)が設けられたストラップ(ベルト部材)を有する使い捨て吸収性衣類(おむつ)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開H6−218009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の使い捨ておむつによれば、腹側及び背側においてベルト部材が着脱可能であるため、おむつの着脱動作が容易になる。例えば、親が乳幼児におむつを着脱させる際に、乳幼児が俯せの姿勢で寝ている場合でも仰向けの姿勢で寝ている場合でも、腹側及び背側のどちらからでも簡単に着脱動作を行うことができる。
しかしながら、おむつを着用させる動作において、ベルト部材に設けられた係止部材の一部がおむつ本体から剥がれると、当該剥がれた係止部材が、乳幼児の衣類や乳幼児が寝ているマット等に引っかかって互いに係合してしまい、そのままおむつ本体からベルト部材が完全に離脱してしまうおそれがある。特に、おむつの着用対象者が低体重児である場合、おむつ着用動作時の負担を低減するために身体をなるべく動かさないようにする必要があるところ、おむつ本体からベルト部材が簡単に離脱してしまうと、おむつを着用させることが困難になる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、着用時にベルト部材が本体部から離脱し難い低体重児用のおむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
互いに交差する長手方向と幅方向とを有し、吸収体よりも非肌側に配された外装シートと、前記幅方向の一方側及び他方側に係止部材を備えたベルト部材と、を有する低体重児用おむつであって、前記ベルト部材は、前記一方側の前記係止部材によって前記外装シートの非肌側に係止されており、前記ベルト部材の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シートと接合する追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつである。
【0006】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、着用時にベルト部材が本体部から離脱し難い低体重児用のおむつを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】おむつ1を展開かつ伸長させた状態について表す平面図である。
図2図2Aは、おむつ1の後部7の概略断面について表した分解説明図である。図2Bは、おむつ1の股下部5の概略断面について表した分解説明図である。
図3図3A及び図3Bは、おむつ1の着用状態について示す図である。
図4図4A及び図4Bは、比較例のおむつ100を、低体重児に着用させる動作について説明する図である。
図5】追加接合部70の配置について説明する拡大平面図である。
図6】おむつ1を、低体重児に着用させる動作について説明する図である。
図7図7A図7Cは、追加接合部70の変形例について表す概略平面図である。
図8】追加接合部70が幅方向において内側係止部材31Aの両外側に設けられている場合について示す概略平面図である。
図9】展開かつ伸長させた状態のおむつ2について表す平面図である。
図10】おむつ2の後部7の分解説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに交差する長手方向と幅方向とを有し、吸収体よりも非肌側に配された外装シートと、前記幅方向の一方側及び他方側に係止部材を備えたベルト部材と、を有する低体重児用おむつであって、前記ベルト部材は、前記一方側の前記係止部材によって前記外装シートの非肌側に係止されており、前記ベルト部材の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シートと接合する追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【0010】
このような低体重児用おむつによれば、追加接合部によってベルト部材と外装シートとの係止が強くなっているため、低体重児におむつを着用させる際に、外装シートから係止部材が剥がれ難くなり、ベルト部材がおむつの本体部(外装シート)から離脱してしまうことを抑制しやすくなる。
【0011】
かかる低体重児用おむつであって、前記長手方向において、前記ベルト部材の中央よりも外側に前記追加接合部が設けられている、ことが望ましい。
【0012】
このような低体重児用おむつによれば、マット等の上に寝ている低体重児の身体とマットとの間におむつを挿入する動作において、挿入先端部分付近における係止が剥がれ難くなり、ベルト部材が捲れてしまうことが抑制される。これにより、ベルト部材をより離脱し難くすることができる。
【0013】
かかる低体重児用おむつであって、前記一方側の前記係止部材と重複した位置に前記追加接合部が設けられている、ことが望ましい。
【0014】
このような低体重児用おむつによれば、係止部材(ベルト部材)と外装シートとの係止がより強固になるため、おむつの本体部からベルト部材が離脱してしまうことをより抑制しやすくすることができる。
【0015】
かかる低体重児用おむつであって、前記幅方向において、前記一方側の前記係止部材の両端部に一対の前記追加接合部が設けられている、ことが望ましい。
【0016】
このような低体重児用おむつによれば、係止部材の角(かど)の部分において、外装シートとの係止がより強固になる。したがって、低体重児におむつを着用させる動作において、係止部材の角の部分が剥がれの起点となってしまうことが抑制され、ベルト部材を離脱し難くすることができる。
【0017】
かかる低体重児用おむつであって、前記一方側の前記係止部材の、前記長手方向の外側端、かつ、前記幅方向の両端と重複する位置に、前記追加接合部が設けられている、ことが望ましい。
【0018】
このような低体重児用おむつによれば、係止部材の角(かど)において、係止部材と外装シートとの間に隙間が形成され難くなるため、当該角が係止部材の剥がれの起点になりにくく、おむつの本体部からベルト部材をより離脱し難くすることができる。
【0019】
かかる低体重児用おむつであって、前記一方側の前記係止部材と重複していない位置に前記追加接合部が設けられている、ことが望ましい。
【0020】
このような低体重児用おむつによれば、係止部材の表面のフックが、溶着によって傷ついたり潰れたりすることが抑制される。したがって、おむつの外装シートからベルト部材を剥がした後で、外装シートにベルト部材を再度係止させる場合であっても、係止力が弱くなり難い。
【0021】
かかる低体重児用おむつであって、前記幅方向において、前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側及び前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側に、前記追加接合部が設けられている、ことが望ましい。
【0022】
このような低体重児用おむつによれば、幅方向において係止部材の両側端付近においてベルト部材と外装シートとが接合されるため、低体重児におむつを着用させる際に、外装シートから係止部材が剥がれ難くなる。これにより、おむつの本体部からベルト部材が離脱してしまうことをより抑制しやすくすることができる。
【0023】
かかる低体重児用おむつであって、前記幅方向において、前記ベルト部材の内側端と、前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側の前記追加接合部の中心位置との間の距離は、前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側の前記追加接合部の中心位置と、前記一方側の前記係止部材の内側端との間の距離よりも大きい、ことが望ましい。
【0024】
このような低体重児用おむつによれば、幅方向において係止部材の内側端により近い位置にベルト部材と外装シートとの接合部(追加接合部)が設けられる。したがって、低体重児におむつを着用させる際に、係止部材の内側端部が外装シートから剥がれ難くなる。これにより、おむつの本体部からベルト部材が離脱してしまうことをより抑制しやすくすることができる。
【0025】
かかる低体重児用おむつであって、前記幅方向において、前記外装シートの外側端と、前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側の前記追加接合部の中心位置との間の距離は、前記一方側の前記係止部材の外側端と、前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側の前記追加接合部の中心位置との間の距離よりも大きい、ことが望ましい。
【0026】
このような低体重児用おむつによれば、幅方向において係止部材の外側端により近い位置にベルト部材と外装シートとの接合部(追加接合部)が設けられる。したがって、低体重児におむつを着用させる際に、係止部材の外側端部が外装シートから剥がれ難くなる。これにより、おむつの本体部からベルト部材が離脱してしまうことをより抑制しやすくすることができる。
【0027】
かかる低体重児用おむつであって、前記長手方向において、前記ベルト部材に対して占めている前記追加接合部の長さの合計は、前記幅方向において、前記ベルト部材に対して占めている前記追加接合部の長さの合計よりも短い、ことが望ましい。
【0028】
このような低体重児用おむつによれば、ベルト部材の長手方向において追加接合部によって接合されている領域が小さいため、ベルト部材を幅方向に沿って引っ張った時には、追加接合部が剥がれやすい。一方、ベルト部材の幅方向において追加接合部によって接合されている領域が大きいため、ベルト部材を長手方向に沿って引っ張った時には、追加接合部が剥がれ難い。したがって、おむつを着用させる際に長手方向に沿った力が作用してもベルト部材はおむつの本体部から離脱し難く、おむつを脱がせる際に幅方向に沿った力が作用した時にはベルト部材をおむつの本体部から離脱させやすくなる。
【0029】
かかる低体重児用おむつであって各々の前記追加接合部の前記長手方向における長さは、各々の前記追加接合部の前記幅方向における長さよりも短い、ことが望ましい。
【0030】
このような低体重児用おむつによれば、各々の追加接合部は、ベルト部材を幅方向に沿って引っ張った時に剥がれやすく、ベルト部材を長手方向に沿って引っ張った時には剥がれ難くなる。したがって、おむつを着用させる際に長手方向に沿った力が作用してもベルト部材はおむつの本体部からより離脱し難く、おむつを脱がせる際に幅方向に沿った力が作用した時にはベルト部材をおむつの本体部からより離脱させやすくなる。
【0031】
===実施形態===
<使い捨ておむつ1の基本構成>
本実施形態の使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1とも呼ぶ)は、主に新生児や乳幼児を着用対象とした低体重児用使い捨ておむつであり、体重が3000g以下の低体重児、特に体重が2500g未満の低出生体重児に好適に用いられる。なお、低体重児には、低出生体重児(体重2500g未満)だけでなく、極低出生体重児用(体重1500g未満)や超低出生体重児用(体重1000g未満)も含まれる。
【0032】
図1は、おむつ1を展開かつ伸長させた状態について表す平面図である。図2Aは、おむつ1の後部7の概略断面について表した分解説明図である。図2Bは、おむつ1の股下部5の概略断面について表した分解説明図である。なお、おむつ1を展開かつ伸長させた状態とは、おむつ1の展開状態において、おむつ1に生じていた皺が実質的に視認されなくなる程に伸長させた状態であり、おむつ1を構成する各部材(例えば後述するトップシート22等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまでおむつ1が伸長した状態である。
【0033】
本実施形態のおむつ1は、所謂オープンタイプの使い捨ておむつであり、図1に示すように、前部3と、股下部5と、後部7とを有する。前部3は、着用者の前部(腹側、前胴回り)に位置することになる部分である。また、後部7は、着用者の後部(背側、後胴回り)に位置することになる部分である。但し、前部3及び後部7は便宜上の定義であり、おむつ1は前部3と後部7とを入れ替えて使用(着用)することも可能である。すなわち、後部7が着用者の腹側に、前部3が着用者の背側に位置しても良い。股下部5は、前部3と後部7との間に位置することになる部分である。
【0034】
以下の説明では、図1に示すように、各方向を定義する。すなわち、前部3から後部7に向かう方向を「長手方向」とし、長手方向と直交する方向を「幅方向」とする。図1に示されているCLは、長手方向におけるおむつ1の中心を示す線である。また、図2に示すように、長手方向及び幅方向と直交する方向を「厚さ方向」とし、着用者の肌の側を「肌側」とし、その逆側を「非肌側」とする。
【0035】
おむつ1は、本体部10と、ベルト部材30とを有する。
【0036】
(本体部10)
本体部10は、着用者によって排泄された尿等の液体を吸収し保持する部位であり、図1に示されるように前部3、股下部5及び後部7によって構成された平面視略長方形状の形状である。本体部10は、主に、吸収体21、トップシート22、防漏シート23及びバックシート24、及びサイドシート26を有する(図2A及び図2B参照)。
【0037】
吸収体21は、尿等の排泄物を吸収することが可能な液体吸収性素材を積層してなる吸収性コア21aを有し、前部3、股下部5及び後部7にわたって配置されている。図1の砂地で表示された領域は、吸収性コア21aの占める領域を示している。本実施形態の吸収体21(吸収性コア21a)は、長手方向に長い略長方形状を有する。但し、吸収体21の形状は、図1に示す形状に限定されるものではなく、少なくとも股下部5に設けられていれば良い。また、吸収性コア21aがコアラップシート21bによって覆われることによって吸収体21が構成されているのであっても良い。
【0038】
本実施形態の吸収体21は、厚さ方向においてトップシート22及び防漏シート23に挟まれて配置されている。吸収体21を構成する液体吸収性素材としては、例えばパルプ繊維等の液体吸収性繊維や、高吸収性ポリマー等の液体吸収性粒状物を使用することができる。また、液体吸収性繊維及び液体吸収性粒状物以外の液体吸収性素材を含んでいても良い。
【0039】
トップシート22は、吸収体21の肌側に配置された液透過性の部材であり、例えば不織布によって形成されている。防漏シート23は、吸収体21の非肌側に配置された液不透過性の部材であり、例えば、樹脂製のフィルムシートによって形成されている。バックシート24は、おむつ1の非肌側の外装を構成する部材(外装シート)であり、例えば不織布で構成されている。防漏シート23の非肌側にはバックシート24が配置されている(図2A及び図2B参照)。
【0040】
本体部10のうち少なくとも股下部5には、サイドシート26とバックシート24(図2Bではトップシート22)との間に、長手方向に伸縮可能な脚回り弾性部材25(例えば糸ゴム)が設けられている(図2B参照)。脚回り弾性部材25は、股下部5において本体部10に伸縮性を付与する部材である。本実施形態では、長手方向に伸長させた状態で脚回り弾性部材25が取り付けられる。これにより、脚回り弾性部材25は本体部10に対して長手方向に沿った収縮力を発現する。おむつ1の着用時においては、股下部5が長手方向に沿って収縮することにより、本体部10が着用者の身体に沿って丸みを帯びた形状に立体的に変形するとともに、本体部10の幅方向両側部を収縮させ、着用者の脚繰りに沿ったレッグギャザーを形成させる。これにより、本体部10が着用者の股間部を包み込むような形状で保持されるようになり、おむつ1のフィット感を向上する。また、着用者の脚繰りから排泄物がおむつ1の外部に漏れることを抑制しやすくなる。
【0041】
サイドシート26は、トップシート22よりも厚さ方向の肌側かつ、幅方向の両側に一対設けられた部材であり、例えば不織布によって形成されている。サイドシート26は、幅方向の外側端部領域においてトップシート22及びバックシート24と厚さ方向に接合されている。また、図2A及び図2Bに示されるように、サイドシート26は、幅方向の内側端26eiにおいて内側から外側に折り返され、当該折り返された部分が厚さ方向に折り重ねられている。そして、折り重ねられたサイドシート26,26の厚さ方向の間には、長手方向に沿って伸縮可能なLSG弾性部材27(例えば糸ゴム)が設けられている。LSG弾性部材27は、股下部5においてサイドシート26に伸縮性を付与する部材である。本実施形態では、長手方向に伸長させた状態でLSG弾性部材27が取り付けられており、LSG弾性部材27は長手方向に沿った収縮力を発現する。おむつ1の着用時においては、LSG弾性部材27が長手方向に沿って収縮することにより、サイドシート26のうちトップシート22(バックシート24)と接合されていない部分が着用者の肌側に立ち上がり、該サイドシート26が排泄物等の横漏れを抑制する防漏壁として機能する。
【0042】
(ベルト部材30)
ベルト部材30は、おむつ1の後部7(背側)において本体部10の幅方向の両側部に配置されている(図1参照)。本実施形態のベルト部材30は、幅方向の一方側(内側)及び他方側(外側)にそれぞれ係止部材31を備え、当該係止部材31をおむつ1の外装シート(バックシート24)に係止させることが可能である。係止部材31は、厚さ方向に突出した複数のフックを有する部材であり、例えば面ファスナー等によって構成される。係止部材31のフック(不図示)がおむつ1の外装シート(バックシート24)を構成する不織布の表面の繊維に引っかかることにより、該係止部材31を介してベルト部材30が本体部10(外装シート)に係止される。
【0043】
図1及び図2に示されるように、本実施形態のベルト部材30は幅方向の一方側(内側)及び他方側(外側)にそれぞれ係止部材31を有している。したがって、ベルト部材30は幅方向のどちら側でもおむつ1の外装シート(バックシート24)に係止させることができる。以下、幅方向の内側に設けられている係止部材31を内側係止部材31A、幅方向の外側に設けられている係止部材31を外側係止部材31Bとも呼ぶ。図2では、幅方向の内側に配置された内側係止部材31Aによって、ベルト部材30がバックシート24(外装シート)の非肌側に係止されている。また、ベルト部材30とバックシート24(外装シート)とは、追加接合部70によって接合されている。追加接合部70の詳細については後で説明する。
【0044】
おむつ1の着用時には、幅方向の外側に配置された外側係止部材31Bを、本体部10の前部3(腹側)においてバックシート24(外装シート)の非肌側に係止させることにより、おむつ1の胴回り開口及び一対の脚回り開口が形成され、着用者の身体(胴)に対しておむつ1の位置を固定することができる(図3A及び図3B参照)。なお、おむつ1の前部3において、バックシート24の幅方向中央部かつ厚さ方向の非肌側の領域に、外側係止部材31Bを係止させやすくするためのターゲットテープ(不図示)が設けられていても良い。また、おむつ1の着用時には、幅方向両側に設けられているベルト部材30のうち一方側のベルト部材30の非肌側面に、他方側のベルト部材30の外側係止部材31Bを係止させることによって胴回り開口が形成されるのであっても良い。
【0045】
本実施形態の低体重児用のおむつ1の長手方向の製品長(製品を長手方向に皺なく伸長させた状態での寸法)は、170〜330mmの範囲である。例えば、体重2500g未満の低出生体重児用のおむつ1の製品長は310mmであり、体重1500g未満の極低出生体重児用のおむつ1の場合の製品長は270mmであり、体重1000g未満の超低出生体重児用のおむつ1の場合の製品長は170mmである。
【0046】
また、本実施形態における低体重児用のおむつ1のウェスト寸法は、160〜295mmの範囲である。なお、ウェスト寸法は、一方のベルト部材30の幅方向外側端部を他方のベルト部材30の幅方向内側端部に合わせた状態で、皺なく製品を伸ばした状態での寸法である。すなわち、製品を幅方向に伸長させた状態での寸法である。例えば、低出生体重児用のおむつ1のウェスト寸法は273.5mmであり、体重1500g未満の極低出生体重児用のおむつ1の場合のウェスト寸法は220mmである。
【0047】
<おむつ1の着用動作について>
続いて、着用対象者である低体重児におむつ1を着用させる際の動作について説明する。図3A及び図3Bは、おむつ1の着用状態について示す図である。
【0048】
おむつ1のようなオープンタイプの使い捨ておむつを着用させる際には、まず、展開状態のおむつ1の後部7を着用対象者の背部に配置し、股下部5を股間部に、前部3を腹部にあてがう。そして、後部7(背側)において本体部10の幅方向両側に係止されている一対のベルト部材30を、着用者の胴回りに沿って背側から腹側に回しこむようにして、前部3(腹側)の非肌側に外側係止部材31Bを係止させ、着用者の胴回りに固定する。これにより、図3Aのように、着用対象者におむつ1を着用させることができる。逆に、おむつ1を脱がせる際には、着用時の動作とは逆に、前部3(腹側)においてバックシート24(外装シート)に係止されている外側係止部材31Bを剥がして、胴回りの固定を開放することにより、簡単におむつ1を取り外すことができる。
【0049】
ところで、本実施形態のおむつ1が着用対象としている低体重児は、一般に、病院等において保育器の中で育成されている。そのため、低体重児のおむつを着脱させる際には、作業者(おむつを低体重児に着脱させる人)は、保育器に設けられた作業用の窓から手を通して、狭いスペース内で作業を行う必要がある。また、低体重児は、保育器内において、図3Bに示すように背中をC字型に丸くカーブさせ、脚をM字型に強く曲げた俯せの姿勢を保持している場合がある。この姿勢は、母体内での胎児の姿勢(胎児様屈曲姿勢)に近く、安静させやすい姿勢であり「ポジショニング姿勢」とも呼ばれる。そして、低体重児がポジショニング姿勢を取っている場合、外側係止部材31Bは図3Bのように着用者(低体重児)の腹の下側で係止されている。
【0050】
したがって、従来、保育器内でポジショニング姿勢を取っている低体重児のおむつを交換する作業を行う場合、作業者は、狭いスペース内で、低体重児の腹の下に手を入れてベルト部材30の外側係止部材31Bを剥がす必要があった。これに対して、本実施形態のおむつ1では、ベルト部材30の内側係止部材31Aをバックシート24(外装シート)から剥がすことができる。そのため、図3Bにおいて、作業者は低体重児の背側から内側係止部材31Aを簡単に剥がすことができる。これにより、低体重児に姿勢を変えさせる等の負担をかけることなく、おむつの交換を行うことができる。さらに、本実施形態のおむつ1は、前部3が背側、後部7が腹側となるように、前後を逆にして着用させることも可能であるため、低体重児がどのような姿勢で寝ていても、身体を動かさずにおむつ1の着脱動作を行いやすく、低体重児に好適である。
【0051】
一方、おむつ1のようにベルト部材が幅方向両側の係止部材によって本体部に係止されている構造のおむつでは本体部に係止されている係止部材が、着用動作時に意図せず剥がれてしまい、ベルト部材が本体部から離脱してしまう場合がある。図4A及び図4Bは、比較例のおむつ100を、低体重児に着用させる動作について説明する図である。比較例のおむつ100は、ベルト部材30と本体部10とを接合する追加接合部70を有していない。すなわち、ベルト部材30は面ファスナー等の内側係止部材31Aによって外装シート(バックシート24)に係止されているだけであり、ベルト部材30(内側係止部材31A)は外装シートから簡単に剥がすことが可能である。比較例のおむつ100において、追加接合部70以外の他の構成は本実施形態のおむつ1と同様である。
【0052】
図4Aは、マット上に仰向けに寝ている低体重児におむつ100を着用させる動作を、横方向から見た場合について表している。先ず、低体重児の背部におむつ100の後部7を配置する動作が行われる。具体的には、展開した状態のおむつ100の後部7を低体重児の股下側から、低体重児の身体とマットとの間に挿入する動作が行われる。このとき、低体重児への身体的負担を少なくするため、低体重児の身体を持ち上げるのではなく、おむつ100をマット側(すなわち鉛直下側)に押し込みながら、おむつ100の後部7が低体重児の背部とマットとの間に挿入される。
【0053】
おむつ100がマット側に押し込まれることにより、ベルト部材30とマットとの間に摩擦力が作用しやすくなり、長手方向においてベルト部材30の外側端が図4Bのように捲れて係止部材31(内側係止部材31A)の一部がバックシート24(外装シート)から剥がれてしまう場合がある。そして、外装シートから剥がれた内側係止部材31Aはマットと係合し、おむつ100がそのまま低体重児の背部に挿入されることにより、内側係止部材31Aの全体がバックシート24から剥がれ、ベルト部材30が本体部10から完全に離脱してしまうおそれがある。ベルト部材30が離脱した場合、係止部材31を本体部10(バックシート24)に再度係止させて図4Aの動作からやり直す必要が生じ、低体重児の身体に負担がかかってしまう。
【0054】
<追加接合部70について>
これに対して、本実施形態のおむつ1では、ベルト部材30と本体部10のバックシート24(外装シート)との間に追加接合部70が設けられていることによって、おむつ1の着用動作時に、ベルト部材30が本体部10から離脱してしまうことを抑制することができる。図5は、追加接合部70の配置について説明する拡大平面図である。
【0055】
追加接合部70は、公知の溶着手段(例えばヒートシールやソニックシール)によってベルト部材30の一部をバックシート24(外装シート)と接合することによって形成される。図5では、長手方向においてベルト部材30の中央よりも外側、かつ、幅方向において内側係止部材31Aの両端部に、黒丸で示される一対の追加接合部71,71が設けられている。一対の追加接合部71,71は、図5において、長手方向における長さL71と幅方向における長さW71とがほぼ等しい略円形(ドット型)の形状である。また、一対の追加接合部71,71は、長手方向において同じ位置に配置されている。但し、追加接合部71,71の形状はこの限りでなはく、互いに異なる形状を有していても良い。また、追加接合部71,71の長手方向における位置がずれていても良い。
【0056】
なお、図5では、長手方向においてベルト部材30の中央よりも内側に白丸で示される追加接合部72,72が設けられている。追加接合部71に加えて追加接合部72が設けられることにより、おむつ1の着用動作においてベルト部材30をより離脱しにくくすることができるが、該追加接合部72は必ずしも設けられていなくても良い。
【0057】
この追加接合部70が設けられていることにより、おむつ1の着用動作において、ベルト部材30が本体部10の外装シート(バックシート24)から剥がれ難くなる。図6は、本実施形態のおむつ1を、低体重児に着用させる動作について説明する図である。同図6は、比較例のおむつ100の着用動作について説明した図4Bに対応する図である。
【0058】
仰向けの姿勢で寝ている低体重児におむつ1を着用させる場合、図4Aで説明したのと同様に、展開した状態のおむつ1の後部7が、低体重児の股下側から低体重児の身体とマットとの間に挿入される。このとき、ベルト部材30の長手方向の外側位置(すなわち、おむつ1を挿入する動作における先端部付近)においてベルト部材30と本体部10とが追加接合部71によって接合されているため、図4Bのように長手方向においてベルト部材30の外側端が捲れてしまうことが抑制される。したがって、内側係止部材31Aが外装シート(バックシート24)から剥がれ難くなり、おむつ1の着用動作を通してベルト部材30が本体部10から離脱することが抑制される。なお、図5では長手方向においてベルト部材30の中央よりも外側に追加接合部70(71)が設けられているが、長手方向の中央若しくは内側に追加接合部70(例えば図5における追加接合部72)が設けられている場合であっても、ベルト部材30が本体部10から離脱し難くなるという効果は得られる。
【0059】
また、図5では内側係止部材31Aと重複するように追加接合部71(70)が設けられているため、内側係止部材31Aと外装シート(バックシート24)との係止がより強固になり、ベルト部材30がより離脱し難くなっている。
【0060】
また、追加接合部70が設けられる位置は、内側係止部材31Aの外周縁になるべく近い位置であることが望ましい。内側係止部材31Aが外装シート(バックシート24)から剥がれる際には、内側係止部材31Aの外周縁、特に、内側係止部材31Aが矩形状である場合には、角(かど)の部分が起点となって剥がれが生じる可能性が高い。したがって、当該部分での係止を強固にすることで、ベルト部材30をより離脱させ難くすることができる。本実施形態では、内側係止部材31Aの長手方向外側端部かつ幅方向の両端部に一対の追加接合部71,71が設けられていることから、内側係止部材31Aの角(かど)の部分において外装シート(バックシート24)との係止が強くなり、ベルト部材30の離脱を抑制しやすい。
【0061】
さらに、内側係止部材31Aの長手方向の外側端と幅方向の両端との交点である角31Ac1,31Ac2において、追加接合部70が形成されていることがより望ましい。すなわち、内側係止部材31Aの角31Ac1,31Ac2が外装シート(バックシート24)と接合されていることが望ましい。このようにすれば、角31Ac1,31Ac2において、内側係止部材31Aと外装シート(バックシート24)とが厚さ方向に隙間なく接合されるため、係止が剥がれる起点が形成され難く、ベルト部材30の離脱をより抑制しやすくなる。
【0062】
ところで、おむつ1では、上述のように本体部10の前部3及び後部7において、ベルト部材30が自由に取り付け、取り外しできることにより、おむつ1の着脱時に低体重児の身体に負担がかからないようにしている。したがって、内側係止部材31Aを外装シート(バックシート24)に接合している追加接合部70は、人の力で簡単に剥がせる必要がある。すなわち、追加接合部70は、外装シート(バックシート24)に対してベルト部材30を剥離可能なように接合している必要がある。本実施形態では、図5で示されるように、内側係止部材31Aの一部にドット状の追加接合部71,71が設けられている。このような追加接合部70(71)は、おむつを着用させる際にベルト部材30とマットとの間に作用する摩擦力程度の力(図6参照)では剥がれ難い。一方、おむつを脱がせる際に、人がベルト部材30を強く引っ張ることにより、簡単に剥がすことができる。
【0063】
なお、ベルト部材30を本体部10の後部7から取り外す際には、一方の手で本体部10を掴み、他方の手でベルト部材30の幅方向の端部を掴んで、それぞれ幅方向の反対側に引っ張ることにより、係止部材31(内側係止部材31A)を剥がす動作が行われる。したがって、追加接合部70は、幅方向に沿った力が作用した時に剥がれやすいことが望ましい。一方、図6で説明したおむつ1の着用動作時には、係止部材31(内側係止部材31A)に対して長手方向に沿った力が作用することから、追加接合部70は、長手方向に沿った力が作用した時には剥がれ難いことが望ましい。
【0064】
そこで、おむつ1では、ベルト部材30において追加接合部70が幅方向に占めている長さの合計値σW70が、長手方向に占めている長さの合計値σL70よりも長くなるように追加接合部70が形成されている(σW70>σL70)。図5の例では、一対の追加接合部71,71が幅方向に占めている長さの合計値σW71(=2W71)が、一対の追加接合部71,71が長手方向占めている長さの合計値σL71(=L71)よりも大きくなっている(σW71>σL71)。
【0065】
このような構成であれば、ベルト部材30の長手方向において追加接合部70によって接合されている領域が小さいため、ベルト部材30を幅方向に沿って引っ張った時には、追加接合部70が剥がれやすい。一方、ベルト部材30の幅方向において追加接合部70によって接合されている領域が大きいため、ベルト部材30を長手方向に沿って引っ張った時には、追加接合部70が剥がれ難い。
【0066】
図7A図7Cは、追加接合部70の変形例について表す概略平面図である。
図7Aでは、図5の追加接合部71と同形状の追加接合部73,73…が、幅方向に沿って複数並んで設けられている。そして、同図7Aの場合も、ベルト部材30において追加接合部73が幅方向に占めている長さの合計値σW73は、追加接合部73が長手方向に占めている長さの合計値σL73よりも長くなっている(σW73>σL73)。したがって、ベルト部材30の追加接合部73は、おむつ1を着用させる際に長手方向に沿った力が作用した場合には剥がれ難い。一方、おむつ1を脱がせる際にベルト部材30に幅方向に沿った力が作用した場合には剥がれやすい。
【0067】
図7Bでは、図5の追加接合部71と比較して、幅方向に長い略楕円形の追加接合部74,74が設けられている。同図7Bの場合、ベルト部材30において追加接合部74が幅方向に占めている長さの合計値σW74が、長手方向に占めている長さの合計値σL74よりも長くなっている(σW74>σL74)。さらに、各々の追加接合部74についても、幅方向に占めている長さW74が、長手方向に占めている長さL74よりも長いため(W74>L74)、ベルト部材30の追加接合部74は、おむつ1を着用させる際に長手方向に沿った力が作用した場合に、より剥がれ難くなる。
【0068】
図7Cでは、図7Bの追加接合部74よりもさらに幅方向に長い、略楕円形の追加接合部75が一つだけ設けられている。同図7Cの場合も、ベルト部材30において追加接合部75が幅方向に占めている長さの合計値σW75が、長手方向に占めている長さの合計値σL75よりも長くなっている(σW75>σL75)。さらに、図7Bと同様に追加接合部75の単体でも、幅方向に占めている長さW75が、長手方向に占めている長さL75よりも長い(W75>L75)。したがって、ベルト部材30の追加接合部75は、おむつ1を着用させる際に長手方向に沿った力が作用した場合に、より剥がれ難くなる。
【0069】
また、上述の例では、ベルト部材30において追加接合部70が内側係止部材31Aと重複した位置に設けられていたが、追加接合部70が内側係止部材31Aと重複しない位置に設けられていても良い。図8は、追加接合部70が幅方向において内側係止部材31Aの両外側に設けられている場合について示す概略平面図である。
【0070】
図8では、長手方向においてベルト部材30の中央よりも外側、かつ、幅方向において内側係止部材31Aの内側端31Aeiよりも内側に、黒丸で示される追加接合部76が設けられている。同様に、長手方向においてベルト部材30の中央よりも外側、かつ、幅方向において内側係止部材31Aの外側端31Aeoよりも外側に、黒丸で示される追加接合部77が設けられている。なお、図8に示される追加接合部76と追加接合部77とは同じ形状を有しているが、互いに異なる形状を有していても良い。
【0071】
図8のように、内側係止部材31Aと重複しない位置に追加接合部70が設けられている場合であっても、図5及び図6で説明した追加接合部71と同様の効果を得ることができる。すなわち、低体重児におむつ1を着用させる際に、低体重児の身体とマットとの間におむつ1を挿入する動作を行っても、内側係止部材31Aが外装シート(バックシート24)から剥がれ難く、ベルト部材30が本体部10から離脱することを抑制できる。また、内側係止部材31Aの表面のフック(不図示)が溶着によって傷ついたり潰れたりし難くなる。したがって、内側係止部材31Aを外装シート(バックシート24)から剥がした後で、再度係止させる際に、係止力が弱くなることが抑制される。
【0072】
また、ベルト部材30において、追加接合部76と追加接合部77とが幅方向に占めている長さの合計値W76+W77は、追加接合部76と追加接合部77とが長手方向に占めている長さの合計値L76(≒L77)よりも長い。したがって、上述の場合と同様、追加接合部76及び追加接合部77は、おむつ1を着用させる際に長手方向に沿った力が作用した場合には剥がれ難く、おむつ1を脱がせる際に幅方向に沿った力が作用した場合には剥がれやすい。
【0073】
なお、追加接合部70が内側係止部材31Aと重複しない位置に設けられる場合であっても、該追加接合部70は、内側係止部材31Aの外周縁になるべく近くに配置されていることが望ましい。図8の幅方向において、内側係止部材31Aよりも内側の追加接合部76は、ベルト部材30の内側端よりも、内側係止部材31Aの内側端に近い位置に配置されている。言い換えると、幅方向において、ベルト部材30の内側端30eiと追加接合部76の中心位置との間の距離L1は、追加接合部76の中心位置と内側係止部材31Aの内側端31Aeiとの間の距離L2よりも長い(L1>L2)。これにより、おむつ1の着用動作時に、内側係止部材31Aの内側端31Aei(角31Ac1)が剥がれ難くなり、ベルト部材30が本体部10から離脱することが抑制される。
【0074】
同様に、幅方向において、内側係止部材31Aよりも外側の追加接合部77は、ベルト部材30の外側端よりも、内側係止部材31Aの外側端に近い位置に配置されている。言い換えると、幅方向において、バックシート24(外装シート)の外側端24eoと追加接合部77の中心位置との間の距離R1は、追加接合部77の中心位置と内側係止部材31Aの外側端31Aeoとの間の距離R2よりも長い(R1>R2)。これにより、おむつ1の着用動作時に、内側係止部材31Aの外側端31Aeo(角31Ac2)が剥がれ難くなり、ベルト部材30が本体部10から離脱することが抑制される。
【0075】
<おむつの変形例>
上述の実施形態では、おむつ1の本体部10が図1のような略長方形状を有している例について説明したが、おむつ1の構成を以下のように変形しても良い。図9は、おむつ1の変形例として、展開かつ伸長させた状態のおむつ2について表す平面図である。図10は、おむつ2の後部7の分解説明図である。
【0076】
おむつ2の本体部10は、中央帯状領域12と、サイドフラップ14とを有する。中央帯状領域12は、前部3、股下部5及び後部7によって構成された幅方向の中央部に位置する帯状の領域であり、おむつ1における本体部10に相当する領域である。中央帯状領域12は、主に、吸収体21、トップシート22、防漏シート23及びバックシート24(外装シート)を有する。
【0077】
サイドフラップ14は、中央帯状領域12の幅方向の両側部に位置する部位である。サイドフラップ14は、前部3、股下部5及び後部7にわたって形成されている。股下部5におけるサイドフラップ14の幅方向の長さ(幅)は、前部3及び後部7におけるサイドフラップ14の幅方向の長さ(幅)よりも狭い。サイドフラップ14は、主に、サイドシート26とバックシート24から構成されている(図10参照)。
【0078】
一対のサイドフラップ14には、長手方向に沿って伸縮するサイドフラップ弾性部材15がそれぞれ設けられている。サイドフラップ弾性部材15は、長手方向に沿って伸縮する糸ゴム等の弾性部材であり、おむつ2の着用時において、脚回り開口部に伸縮性を付与する部材である。すなわち、サイドフラップ弾性部材15はおむつ2の脚繰り部を着用者の脚に合わせてフィットさせる脚回り弾性部材である。また、サイドフラップ弾性部材15が股下部5のサイドシート26及びバックシート24に伸縮性を付与することによって、レッグギャザーが構成される。
【0079】
おむつ2において、ベルト部材30は、おむつ2の後部7においてサイドフラップ14の幅方向の両側部に配置されている(図9参照)。ベルト部材30の構成は、おむつ1と同様であり、幅方向の両側に面ファスナー等からなる係止部材31(31A,31B)を備え、幅方向内側に配置された内側係止部材31Aによって、サイドフラップ14の非肌側、すなわちバックシート24(外装シート)に係止されている。そして、追加接合部70によってベルト部30の一部とサイドフラップ14(バックシート24)とが接合されている。
【0080】
追加接合部70の構成及び機能は、おむつ1と同様である。すなわち、追加接合部70が設けられていることにより、低体重児におむつ2を着用させる際に、図4Bで説明したように、長手方向においてベルト部材30の外側端が捲れてしまうことが抑制される。これにより、内側係止部材31Aが外装シート(バックシート24)から剥がれ難くなり、おむつ2の着用動作を通してベルト部材30がサイドフラップ14から離脱することが抑制される。
【0081】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0082】
1 使い捨ておむつ(おむつ)、
2 使い捨ておむつ(おむつ)、
3 前部、5 股下部、7 後部、
10 本体部、
12 中央帯状領域、
14 サイドフラップ、
15 サイドフラップ弾性部材、
21 吸収体、21a 吸収性コア、21b コアラップシート、
22 トップシート、23 防漏シート、
24 バックシート(外装シート)、
25 脚回り弾性部材、
26 サイドシート、
27 LSG弾性部材、
30 ベルト部材、
31 係止部材、
31A 内側係止部材、31B 外側係止部材、
70 追加接合部、
71〜77 追加接合部、
100 使い捨ておむつ(比較例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2019年6月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する長手方向と幅方向とを有し、
吸収体よりも非肌側に配された外装シートと、
前記幅方向の一方側及び他方側に係止部材を備えたベルト部材と、
を有する低体重児用おむつであって、
前記ベルト部材は、前記一方側の前記係止部材によって前記外装シートの非肌側に係止されており、
前記ベルト部材の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シートと接合する追加接合部が設けられており、
前記一方側の前記係止部材と重複した位置に前記追加接合部が設けられている、
ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項2】
互いに交差する長手方向と幅方向とを有し、
吸収体よりも非肌側に配された外装シートと、
前記幅方向の一方側及び他方側に係止部材を備えたベルト部材と、
を有する低体重児用おむつであって、
前記ベルト部材は、前記一方側の前記係止部材によって前記外装シートの非肌側に係止されており、
前記ベルト部材の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シートと接合する追加接合部が設けられており、
前記長手方向において、前記ベルト部材に対して占めている前記追加接合部の長さの合計は、
前記幅方向において、前記ベルト部材に対して占めている前記追加接合部の長さの合計よりも短い、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の低体重児用おむつであって、
前記長手方向において、前記ベルト部材の中央よりも外側に前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の低体重児用おむつであって、
前記幅方向において、前記一方側の前記係止部材の両端部に一対の前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項5】
請求項4に記載の低体重児用おむつであって、
前記一方側の前記係止部材の、前記長手方向の外側端、かつ、前記幅方向の両端と重複する位置に、前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項6】
互いに交差する長手方向と幅方向とを有し、
吸収体よりも非肌側に配された外装シートと、
前記幅方向の一方側及び他方側に係止部材を備えたベルト部材と、
を有する低体重児用おむつであって、
前記ベルト部材は、前記一方側の前記係止部材によって前記外装シートの非肌側に係止されており、
前記ベルト部材の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シートと接合する追加接合部が設けられており、
前記一方側の前記係止部材と重複していない位置に前記追加接合部が設けられており、
前記幅方向において、前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側及び前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側に、前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項7】
請求項に記載の低体重児用おむつであって、
前記幅方向において、
前記ベルト部材の内側端と、前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側の前記追加接合部の中心位置との間の距離は、
前記一方側の前記係止部材の内側端よりも内側の前記追加接合部の中心位置と、前記一方側の前記係止部材の内側端との間の距離よりも大きい、
ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項8】
請求項6または7に記載の低体重児用おむつであって、
前記幅方向において、
前記外装シートの外側端と、前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側の前記追加接合部の中心位置との間の距離は、
前記一方側の前記係止部材の外側端と、前記一方側の前記係止部材の外側端よりも外側の前記追加接合部の中心位置との間の距離よりも大きい、
ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項9】
請求項に記載の低体重児用おむつであって、
前記一方側の前記係止部材と重複していない位置に前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【請求項10】
請求項に記載の低体重児用おむつであって、
各々の前記追加接合部の前記長手方向における長さは、
各々の前記追加接合部の前記幅方向における長さよりも短い、ことを特徴とする低体重児用おむつ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
互いに交差する長手方向と幅方向とを有し、吸収体よりも非肌側に配された外装シートと、前記幅方向の一方側及び他方側に係止部材を備えたベルト部材と、を有する低体重児用おむつであって、前記ベルト部材は、前記一方側の前記係止部材によって前記外装シートの非肌側に係止されており、前記ベルト部材の前記一方側の領域には、前記ベルト部材の一部を剥離可能に前記外装シートと接合する追加接合部が設けられており、前記一方側の前記係止部材と重複した位置に前記追加接合部が設けられている、ことを特徴とする低体重児用おむつである。