特開2019-149070(P2019-149070A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラピスセミコンダクタ株式会社の特許一覧

特開2019-149070シリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法
<>
  • 特開2019149070-シリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法 図000002
  • 特開2019149070-シリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法 図000003
  • 特開2019149070-シリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法 図000004
  • 特開2019149070-シリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法 図000005
  • 特開2019149070-シリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-149070(P2019-149070A)
(43)【公開日】2019年9月5日
(54)【発明の名称】シリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/04 20060101AFI20190809BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20190809BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
   G06F12/04 510E
   G06F12/00 564A
   G11C7/10 500
   G11C7/10 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-34204(P2018-34204)
(22)【出願日】2018年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】篠田 建
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160CC01
5B160CC09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シリアル方式のメモリにおいて書込アクセスから読出アクセスへの移行を迅速に行うことが可能なシリアルインタフェース回路、半導体装置を提供する。
【解決手段】シリアル信号を受け、シリアル信号に含まれるビット列をパラレル形態に変換してパラレルビット群を得るにあたり、夫々がビット列の1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号を生成する。第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号のタイミングでシリアル信号に含まれるビット列中の各ビットを保持しこれらを待機ビット群とし、第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号のタイミングで待機ビット群を取り込みパラレルビット群の一部とし、更に第(t+1)〜第nのタイミング信号のタイミングでシリアル信号に含まれるビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群をパラレルビット群の他部とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル形態のビット列を含むシリアル信号を受け、前記シリアル信号に含まれる前記ビット列をパラレル形態に変換してパラレルビット群を得るシリアルインタフェース回路であって、
夫々が前記ビット列の1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号を生成するタイミング信号生成部と、
前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を待機ビット群として出力する第1変換部と、
前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号のタイミングで前記待機ビット群を取り込み、取り込んだ前記待機ビット群を前記パラレルビット群の一部として出力する待機出力部と、
前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を前記パラレルビット群の他部として出力する第2変換部と、を有することを特徴とするシリアルインタフェース回路。
【請求項2】
前記第1変換部は、前記第1〜第tのタイミング信号のうちの対応するタイミング信号を夫々のイネーブル端子で受け、前記イネーブル端子で受けた前記タイミング信号に応じて前記シリアル信号に含まれる各ビットを取り込んで保持しつつ出力する第1〜第tのフリップフロップ回路を含み、
前記第2変換部は、前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のうちの対応するタイミング信号を夫々のイネーブル端子で受け、前記イネーブル端子で受けた前記タイミング信号に応じて前記シリアル信号に含まれる各ビットを取り込んで保持しつつ出力する第(t+1)〜第nのフリップフロップ回路を含み、
前記待機出力部は、前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号を自身のイネーブル端子で受け、このイネーブル端子で受けた前記タイミング信号に応じて前記待機ビット群を取り込んで出力するフリップフロップ回路を含むことを特徴とする請求項1に記載のシリアルインタフェース回路。
【請求項3】
前記タイミング信号生成部は、
前記ビット列の1ビット周期を有するクロック信号を受けて、前記クロック信号のパルス数をカウントして得たカウント値を出力するカウンタを含み、
前記カウント値に基づき前記第1〜第nのタイミング信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のシリアルインタフェース回路。
【請求項4】
複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、
シリアル形態のアドレスのビット列を含むシリアル信号を受け、前記シリアル信号に含まれる前記アドレスのビット列をパラレル形態に変換してメモリアドレスを得るアドレスシリアルパラレル変換部と、
前記メモリアドレスによって指定された前記メモリセルに駆動電圧を供給するデコーダと、を含む半導体装置であって、
前記アドレスシリアルパラレル変換部は、
夫々が前記ビット列の1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号を生成するタイミング信号生成部と、
前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を待機アドレスビット群として出力する第1変換部と、
前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号のタイミングで前記待機アドレスビット群を取り込み、取り込んだ前記待機アドレスビット群を前記メモリアドレスの一部として出力する待機出力部と、
前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を前記メモリアドレスの他部として出力する第2変換部と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記メモリセルに対する書込処理期間中に前記アドレスのビット列を含むシリアル信号を受け、
前記待機出力部は、前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のうちで前記書込処理期間の終了時点よりも後方のタイミングを表す前記1つのタイミング信号のタイミングで前記待機アドレスビット群の取り込みを行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
シリアル形態のビット列を含むシリアル信号を受け、前記シリアル信号に含まれる前記ビット列をパラレル形態に変換してパラレルビット群を得るシリアルパラレル変換方法であって、
夫々が前記ビット列の1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号を生成し、
前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を待機ビット群として出力し、
前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号のタイミングで前記待機ビット群を取り込み、取り込んだ前記待機ビット群を前記パラレルビット群の一部として出力し、
前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を前記パラレルビット群の他部として出力することを特徴とするシリアルパラレル変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、特にシリアルインタフェース回路を有する半導体メモリを含む半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末等の電子機器に搭載されるメモリとして、シリアルインタフエースを備えたメモリ(以下、SPIメモリと称する)が普及している。
【0003】
このようなSPIメモリとして、書き込みコマンド又は読み出しコマンド、アドレス及び書込み用のデータをシリアル形態で受けるDIポート、並びにメモリから読み出したシリアルデータを出力するDoポートを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図1は、特許文献1に記載のSPIメモリが書込アクセス及び読出アクセス時に受ける信号フォーマットの一例を表す図である。
【0005】
図1に示す書込アクセスでは、SPIメモリを動作デバイスとして選択する論理レベル0のチップセレクタCsの状態で、DIポートから、1ビットシリアルの形態にて書込コマンド、書込アドレス、書込データが順にシリアルクロック信号SKに同期して取り込まれる。これら書込コマンド、書込アドレス、書込データは、シリアルインタフエース回路を介して夫々個別にパラレルの形態に変換される。そして、当該パラレル形態に変換された書込アドレスにて指定された領域に、パラレル形態に変換された書込データを書き込む書込処理を開始する。
【0006】
また、読出アクセスでは、論理レベル0のチップセレクタCsの状態で、DIポートから、1ビットシリアルの形態にて読出コマンド、読出アドレス、ダミーデータが順にシリアルクロック信号SKに同期して取り込まれる。これら読出コマンド、及び読出アドレスは、シリアルインタフエース回路を介して夫々個別にパラレルの形態に変換される。そして、当該パラレル形態に変換された読出アドレスで指定された領域に書き込まれているデータが、読出データとして、Doポートから出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−265283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、特許文献1に記載のSPIメモリで、書込アクセスに続いて読出アクセスを連続して行うには、書込アドレスによって指定された領域に書込データを書き込むための書込処理が開始された後で、当該読出アクセスに移行することになる。
【0009】
ところで、書込アクセスに続いて読出アクセスを連続して行うにあたり、例えば図1に示す読出コマンドの取り込みに掛かる時間が短い、或いは書込処理に掛かる時間が長いと、書込処理の実施中に、読出アドレスの取り込みが行われる虞がある。この際、書込データを書き込んでいる最中に、この書込先の領域を指定するアドレスが書込アドレスから読出アドレスに切り替わってしまい、誤った書込がなされてしまうという不具合が生じる。
【0010】
このような不具合を回避するには、書込アクセスから読出アクセスに移行する間に、書込処理に掛かる時間を含むインターバル期間を設ける必要がある。よって、書込処理に掛かる時間分だけ読出アクセスを開始するタイミングが遅れるため、全体の処理時間が長くなるという問題が生じた。
【0011】
そこで、本発明は、シリアルインタフエースを備えたメモリにおいて、書込アクセスから読出アクセスへの移行を迅速に行うことが可能なシリアルインタフェース回路、半導体装置、及びシリアルパラレル変換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るシリアルインタフェース回路は、シリアル形態のビット列を含むシリアル信号を受け、前記シリアル信号に含まれる前記ビット列をパラレル形態に変換してパラレルビット群を得るシリアルインタフェース回路であって、夫々が前記ビット列の1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号を生成するタイミング信号生成部と、前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を待機ビット群として出力する第1変換部と、前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号のタイミングで前記待機ビット群を取り込み、取り込んだ前記待機ビット群を前記パラレルビット群の一部として出力する待機出力部と、前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を前記パラレルビット群の他部として出力する第2変換部と、を有する。
【0013】
また、本発明に係る半導体装置は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、シリアル形態のアドレスのビット列を含むシリアル信号を受け、前記シリアル信号に含まれる前記アドレスのビット列をパラレル形態に変換してメモリアドレスを得るアドレスシリアルパラレル変換部と、前記メモリアドレスによって指定された前記メモリセルに駆動電圧を供給するデコーダと、を含む半導体装置であって、前記アドレスシリアルパラレル変換部は、夫々が前記ビット列の1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号を生成するタイミング信号生成部と、前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を待機アドレスビット群として出力する第1変換部と、前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号のタイミングで前記待機アドレスビット群を取り込み、取り込んだ前記待機アドレスビット群を前記メモリアドレスの一部として出力する待機出力部と、前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を前記メモリアドレスの他部として出力する第2変換部と、を有する。
【0014】
また、本発明に係るシリアルパラレル変換方法は、シリアル形態のビット列を含むシリアル信号を受け、前記シリアル信号に含まれる前記ビット列をパラレル形態に変換してパラレルビット群を得るシリアルパラレル変換方法であって、夫々が前記ビット列の1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号を生成し、前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を待機ビット群として出力し、前記第1〜第nのタイミング信号のうちの第(t+1)〜第nのタイミング信号のいずれか1つのタイミング信号のタイミングで前記待機ビット群を取り込み、取り込んだ前記待機ビット群を前記パラレルビット群の一部として出力し、前記第(t+1)〜第nのタイミング信号のタイミングで前記シリアル信号に含まれる前記ビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を前記パラレルビット群の他部として出力する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るシリアルインタフェース回路を採用すれば、書込アクセスから読出アクセスに移行する際に、書込アクセスでの書込処理期間の終了を待つことなく、当該書込処理期間中にシリアル信号の形態で読出アドレスを受けることが可能となる。これにより、書込処理期間が終了するのを待ってから、読出アドレスを受ける場合に比べて、迅速に書込アクセスから読出アクセスへ移行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】SPIメモリが書込アクセス及び読出アクセス時に受ける信号フォーマットを表す図である。
図2】半導体メモリ100の構成を示すブロック図である。
図3】半導体メモリ100が書込アクセス及び読出アクセス時に受けるシリアル信号SB[3:0]のフォーマットの一例を表す図である。
図4】アドレスS/P変換部12の内部構成を示すブロック図である。
図5】書込/読出遷移期間TRPで半導体メモリ100が受けるシリアル信号SB[3:0]の一例と、アドレスS/P変換部12の内部動作と、を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図2は、半導体装置に含まれる半導体メモリ100の構成を示すブロック図である。
【0019】
半導体メモリ100は、例えばQuad SPI(Serial Peripheral Interface)規格に準拠しており、4本のシリアル信号によって書込アクセス及び読出アクセスを受ける。半導体メモリ100は、例えばデータ容量が4Mbitであり、19ビットのアドレスに基づき書込及び読出アクセスを受ける、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ20を有する。
【0020】
図2において、入出力バッファ部10は、4つの入出力端子SIO[0]〜SIO[3]を介して、各種(書込、読出)のコマンド、アドレス、又はデータの各々を、4本のシリアル信号SB[0]〜SB[3]で受ける。尚、以降、SIO[0]〜SIO[3]をまとめてSIO[3:0]と記述し、SB[3]〜SB[0]をまとめてSB[3:0]と記述する。
【0021】
入出力バッファ部10は、シリアル信号SB[3:0]を、シリアルインタフェース回路としてのコマンドS/P(Serial/Parallel)変換回路11、アドレスS/P変換回路12及びデータS/P変換回路13に供給する。
【0022】
図3は、半導体メモリ100の書込アクセス及び読出アクセス時に、入出力端子SIO[3:0]を介して受けるシリアル信号SB[3:0]のフォーマットの一例を示す図である。
【0023】
例えば、図3に示す書込アクセス時には、先ず、入出力バッファ部10は、8ビットの書込コマンド[7:0]を、以下のシリアル信号SB[3:0]の形態で受ける。
【0024】
つまり、入出力バッファ部10は、書込コマンド[7:0]中のビット[7]及び[3]を順に表すシリアル信号SB[3]と、ビット[6]及び[2]を順に表すシリアル信号SB[2]と、ビット[5]及び[1]を順に示すシリアル信号SB[1]と、ビット[4]及び[0]を順に示すシリアル信号SB[0]と、を受ける。
【0025】
次に、入出力バッファ部10は、19ビットの書込アドレスビット[18:0]を、以下の4系統のシリアル信号SB[3:0]の形態で受ける。
【0026】
つまり、入出力バッファ部10は、書込アドレスビット[18:0]におけるビット[15]、[11]、[7]及び[3]のビット列を順に表すシリアル信号SB[3]と、ビット[18]、[14]、[10]、[6]及び[2]のビット列を順に表すシリアル信号SB[2]と、を受ける。更に入出力バッファ部10は、書込アドレスビット[18:0]におけるビット[17]、[13]、[9]、[5]及び[1]のビット列を順に表すシリアル信号SB[1]と、ビット[16]、[12]、[8]、[4]及び[0]のビット列を順に表すシリアル信号SB[0]と、を受ける。
【0027】
以下、同様にして、夫々8ビットからなる2つの書込データD0[7:0]及びD1[7:0]を図3に示すようなシリアル信号SB[3:0]の形態で受ける。
【0028】
コマンドS/P変換部11は、シリアル信号SB[3:0]中から、図3に示す書込コマンド又は読出コマンドに対応した8ビット[7:0]分だけを取り込んで8ビットパラレルの形態に変換する。コマンドS/P変換部11は、パラレル形態に変換した書込コマンド又は読出コマンドをコントローラ14に供給する。
【0029】
コントローラ14は、書込コマンドを受けた場合には、メモリセルアレイ20にデータを書き込ませる為の各種の制御又はタイミング信号を生成する。また、コントローラ14は、読出コマンドを受けた場合には、メモリセルアレイ20からデータを読み出す為の各種の制御又はタイミング信号を生成する。また、コントローラ14は、入出力バッファ部10の入出力状態を制御する入出力制御信号、及び書き込み用の電圧、或いは読出し用の電圧をメモリセルアレイ20に供給する際のタイミングを示す各種タイミング信号を生成する。
【0030】
アドレスS/P変換部12は、シリアル信号SB[3:0]中から、図3に示す書込アドレス又は読出アドレスに対応した19ビット[18:0]分だけを取り込み、19ビットパラレルの形態に変換する。アドレスS/P変換部12は、パラレル形態に変換した19ビット[18:0]のメモリアドレス(書込又は読出アドレス)をデコーダ15に供給する。デコーダ15は、メモリアドレスにて指定されたメモリセルアレイ20の領域に含まれるメモリセルをアクセスする為の選択電圧、データ書込用の書込電圧又はデータ読出用の読出電圧等の駆動電圧を生成する。デコーダ15は、生成した駆動電圧を、コントローラ14から供給されたタイミング信号のタイミングでメモリセルアレイ20に供給する。
【0031】
データS/P変換部13は、シリアル信号SB[3:0]中から、図3に示す書込データに対応した16ビット分を取り込み、8ビットパラレルの形態からなる書込データD1[7:0]及びD0[7:0]に夫々変換する。データS/P変換部13は、パラレル形態に変換した書込データD1[7:0]及びD0[7:0]を入力データレジスタ16に供給する。入力データレジスタ16は、これら書込データD1[7:0]及びD0[7:0]を取り込み、コントローラ14から供給されたタイミング信号のタイミングで、メモリセルアレイ20に供給する。
【0032】
メモリセルアレイ20において、上記した選択電圧の供給を受け且つ書込電圧が供給されたメモリセルに上記した書込データに対応した電荷が蓄積される。また、当該選択電圧の供給を受け且つ読出電圧が供給されたメモリセルは、自身に蓄積されていた電荷に対応した読出電流をビット線(図示せず)に流す。
【0033】
センスアンプ21は、ビット線の電位を増幅することにより、読み出されたデータの値を1ビット毎に判定し、当該データ値を有する読出データを出力データレジスタ22に供給する。
【0034】
出力データレジスタ22は、当該読出データを取り込んで保持し、例えば図3に示す8ビットの読出データD1[7:0]及びD0[7:0]をデータP/S(Parallel/Serial)変換部23に供給する。
【0035】
データP/S(Parallel/Serial)変換部23は、読出データD1[7:0]及びD0[7:0]を1ビットシリアルの形態に変換し、且つこれを図3に示すように4つに分割したシリアル信号SB[3:0]を入出力バッファ部10に供給する。これにより、入出力バッファ部10は、入出力端子SIO[3:0]を介して、読出データD1[7:0]及びD0[7:0]からなる16ビット分の読出データを、図3に示すような4系統のシリアル信号SB[3:0]の形態で出力する。
【0036】
上記した構成により、半導体メモリ100は、書込アクセス時には、図3に示すようなシリアル信号SB[3:0]の形態で、書込コマンド[7:0]、書込アドレスビット[18:0]、書込データD1[7:0]、D0[7:0]を順に取り込む。これにより、半導体メモリ100は、書込アドレスビット[18:0]にて指定されるアドレスを書込開始アドレスとして、書込データD1[7:0]、D0[7:0]を順にメモリセルアレイ20に書き込む。
【0037】
また、半導体メモリ100は、読出アクセス時には、図3に示すようなシリアル信号SB[3:0]の形態で読出コマンド[7:0]、読出アドレスビット[18:0]、ダミーデータを順に取り込む。これにより、半導体メモリ100は、読出アドレスビット[18:0]で指定されたメモリセルアレイ20の領域に書き込まれているデータD1[7:0]、D0[7:0]を読出データとして読み出し、これらを図3に示すようなシリアル信号SB[3:0]の形態で出力する。
【0038】
次に、アドレスS/P変換部12の詳細な動作について説明する。
【0039】
図4は、アドレスS/P変換部12の内部構成を示すブロック図である。
【0040】
図4に示すように、アドレスS/P変換部12は、カウンタ31、タイミング信号生成回路32、夫々がイネーブル端子EN付きのフリップフロップ(以下、FFと称する)回路41〜46を含む。
【0041】
カウンタ31は、2値(論理レベル0、1)のシリアルクロック信号SCKの立ち上がりエッジのタイミングで、当該シリアルクロック信号SCKのパルス数をカウントし、カウント値を表すカウントデータCNTをタイミング信号生成回路32に供給する。尚、シリアルクロック信号SCKの周期は、シリアル信号SB[3:0]の各々に含まれるビット列の1ビット周期と等しい。
【0042】
また、カウンタ31は、半導体メモリ100の外部端子を介して、非選択を示す論理レベル1のチップセレクト信号CSを受けた場合には、そのカウント値を初期値(ゼロ)にリセットする。尚、チップセレクト信号CSは、図3に示すような書込アクセス又は読出アクセスを実施する期間中は、半導体メモリ100を動作デバイスとして選択することを表す論理レベル0の状態を維持し、それ以外の期間は非選択を表す論理レベル1の状態を維持する。
【0043】
タイミング信号生成回路32は、カウントデータCNTにて表されるカウント値が「3」を示す場合にイネーブル状態を表す論理レベル1を有し、他のカウント値では論理レベル0を有するタイミング信号e3を生成し、これをFF回路41のイネーブル端子ENに供給する。また、タイミング信号生成回路32は、カウントデータCNTにて表されるカウント値が「4」を示す場合にイネーブル状態を表す論理レベル1を有し、他のカウント値では論理レベル0を有するタイミング信号e4を生成し、これをFF回路42のイネーブル端子ENに供給する。また、タイミング信号生成回路32は、カウントデータCNTにて表されるカウント値が「5」を示す場合にイネーブル状態を表す論理レベル1を有し、他のカウント値では論理レベル0を有するタイミング信号e5を生成し、これをFF回路43のイネーブル端子ENに供給する。
【0044】
また、タイミング信号生成回路32は、カウントデータCNTにて表されるカウント値が「6」を示す場合にイネーブル状態を表す論理レベル1を有し、他のカウント値では論理レベル0を有するタイミング信号e6を生成し、これをFF回路44及び46各々のイネーブル端子ENに供給する。また、タイミング信号生成回路32は、カウントデータCNTにて表されるカウント値が「7」を示す場合にイネーブル状態を表す論理レベル1を有し、他のカウント値では論理レベル0を有するタイミング信号e7を生成し、これをFF回路45のイネーブル端子ENに供給する。
【0045】
すなわち、タイミング信号生成回路32は、シリアル信号SB[3:0]に含まれるビット列の1ビット周期分ずつ夫々が異なるタイミングを表すタイミング信号e3〜e7を生成する。
【0046】
FF回路41は、タイミング信号e3が論理レベル1の状態にある場合に、シリアルクロック信号SCKの立ち上がりエッジのタイミングでシリアル信号SB[2]、SB[1]及びSB[0]の各々に含まれるビットを個別に取り込んで保持する3つのFFを含む。FF回路41は、取り込んだシリアル信号SB[2]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[18]、SB[1]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[17]、SB[0]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[16]としてFF回路46に供給する。
【0047】
FF回路42は、タイミング信号e4が論理レベル1の状態にある場合に、シリアルクロック信号SCKの立ち上がりエッジのタイミングでシリアル信号SB[3]、SB[2]、SB[1]及びSB[0] の各々に含まれるビットを個別に取り込んで保持する4つのFFを含む。FF回路42は、取り込んだシリアル信号SB[3]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[15]、SB[2]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[14]、SB[1]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[13]、SB[0]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[12]としてFF回路46に供給する。
【0048】
FF回路43は、タイミング信号e5が論理レベル1の状態にある場合に、シリアルクロック信号SCKの立ち上がりエッジのタイミングでシリアル信号SB[3]、SB[2]、SB[1]及びSB[0] の各々に含まれるビットを個別に取り込んで保持する4つのFFを含む。FF回路43は、取り込んだシリアル信号SB[3]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[11]、SB[2]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[10]、SB[1]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[9]、SB[0]に含まれるビットを待機アドレスビットAQ[8]としてFF回路46に供給する。
【0049】
FF回路44は、タイミング信号e6が論理レベル1の状態にある場合に、シリアルクロック信号SCKの立ち上がりエッジのタイミングでシリアル信号SB[3]、SB[2]、SB[1]及びSB[0]の各々に含まれるビットを個別に取り込んで保持する4つのFFを含む。FF回路44は、取り込んだシリアル信号SB[3]に含まれるビットをメモリアドレスAT[7]、SB[2]に含まれるビットをメモリアドレスAT[6]、SB[1]に含まれるビットをメモリアドレスAT[5]、SB[0]に含まれるビットをメモリアドレスAT[4]としてデコーダ15に供給する。
【0050】
FF回路45は、タイミング信号e7が論理レベル1の状態にある場合に、シリアルクロック信号SCKの立ち上がりエッジのタイミングでシリアル信号SB[3]、SB[2]、SB[1]及びSB[0] の各々に含まれるビットを個別に取り込んで保持する4つのFFを含む。FF回路45は、取り込んだシリアル信号SB[3]に含まれるビットをメモリアドレスAT[3]、SB[2]に含まれるビットをメモリアドレスAT[2]、SB[1]に含まれるビットをメモリアドレスAT[1]、SB[0]に含まれるビットをメモリアドレスAT[0]としてデコーダ15に供給する。
【0051】
FF回路46は、タイミング信号e6が論理レベル1の状態にある場合に、シリアルクロック信号SCKの立ち上がりエッジのタイミングで11ビット分の待機アドレスビット群AQ[18:8]を取り込んで保持する11個のFFを含む。FF回路46は、取り込んだ待機アドレスビット群AQ[18:8]をメモリアドレスビット群AT[18:8]としてデコーダ15に供給する。
【0052】
以下に、書込アクセス及び読出アクセスが連続する場合における半導体メモリ100の動作について説明する。
【0053】
図5は、図3に示す書込/読出遷移期間TRPで半導体メモリ100が受けるシリアル信号SB[3:0]の一例と、アドレスS/P変換部12の内部動作とを表すタイムチャートである。
【0054】
先ず、半導体メモリ100は、図5に示すようなシリアル信号SB[3:0]の形態で書込データD0[7:0]を受ける。この際、データS/P変換部13は、シリアル信号SB[3:0]を取り込み、これをパラレル形態に変換して得た書込データD0[7:0]を、入力データレジスタ16に供給する。尚、この間、アドレスS/P変換部12は、その直前の段階で取り込んでパラレル形態に変換した書込アドレスビット[18:0]をメモリアドレスビット群AT[18:0]として、図5に示す時点t1以降において継続してデコーダ15に供給する。
【0055】
これにより、メモリセルアレイ20のメモリアドレスビット群AT[18:0]にて示される領域への書込データD0[7:0]の書込処理が図5に示す時点t1から開始される。尚、本実施例では、メモリセルアレイ20が書込処理を開始してから終了するまでに掛かる時間を、例えば図5に示すようなシリアルクロックSCKの7周期分の長さに相当する書込処理期間Pwとする。
【0056】
上記した書込データの取り込みが終了すると、半導体メモリ100は、インターバル期間IVTの間だけ非選択を示す論理レベル1の状態を維持し、その後、読出アクセスの期間に亘り論理レベル0の状態を維持するチップセレクト信号CSを受ける。
【0057】
ここで、アドレスS/P変換部12に含まれるカウンタ31は、チップセレクタ信号CSが非選択を示す論理レベル1の状態にある間、自身のカウント値をゼロにリセットする。その後、図5に示すように、チップセレクタ信号CSが論理レベル0に遷移すると、カウンタ31は、シリアルクロック信号SCKにおけるパルスの数を1つずつカウントする。カウンタ31は、そのカウント値を表すカウントデータCNTをタイミング信号生成回路32に供給する。
【0058】
インターバル期間IVTが終了すると、半導体メモリ100は、図5に示すようなシリアル信号SB[3:0]の形態で読出コマンド[7:0]として、例えば8ビットの[11101010]を受ける。この際、コマンドS/P変換部11は、シリアル信号SB[3:0]を取り込み、これをパラレル形態に変換して得た読出コマンド[7:0]をコントローラ14に供給する。
【0059】
そして、当該読出コマンド[7:0]に続き、半導体メモリ100は、図5に示すようなシリアル信号SB[3:0]の形態で19ビットの読出アドレスビット[18:0]を受ける。この際、アドレスS/P変換部12は、シリアル信号SB[3:0]を取り込み、これをパラレル形態に変換して得たメモリアドレスビット群AT[18:0]をデコーダ15に供給する。
【0060】
具体的には、インターバル期間IVTの終了後、先ず、シリアルクロック信号SCKの第3番目のパルスのタイミングで、図5に示すように読出アドレスビット[18:16]がシリアル信号SB[2:0]の形態でアドレスS/P変換部12に供給される。ここで、アドレスS/P変換部12のタイミング信号生成回路32は、図5に示すようにカウントデータCNTがカウント値「3」を表している間だけイネーブル状態を表す論理レベル1のタイミング信号e3をFF回路41に供給する。
【0061】
かかる論理レベル1のタイミング信号e3に応じて、FF回路41は、シリアルクロック信号SCKの第3番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングで、シリアル信号SB[2:0]によって表される読出アドレスビット[18:16]を取り込む。FF回路41は、取り込んだ読出アドレスビット[18:16]を待機アドレスビットAQ[18:16]として、図5に示すように、シリアルクロック信号SCKの第3番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングでFF回路46に供給する。
【0062】
次に、シリアルクロック信号SCKの第4番目のパルスのタイミングで、図5に示すように読出アドレスビット[15:12]がシリアル信号SB[3:0]の形態でアドレスS/P変換部12に供給される。ここで、アドレスS/P変換部12のタイミング信号生成回路32は、図5に示すようにカウントデータCNTがカウント値「4」を表している間だけイネーブル状態を表す論理レベル1のタイミング信号e4をFF回路42に供給する。かかる論理レベル1のタイミング信号e4に応じて、FF回路42は、シリアルクロック信号SCKの第4番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングで、シリアル信号SB[3:0]によって表される読出アドレスビット[15:12]を取り込む。FF回路42は、取り込んだ読出アドレスビット[15:12]を待機アドレスビットAQ[15:12]として、図5に示すように、シリアルクロック信号SCKの第4番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングでFF回路46に供給する。
【0063】
次に、シリアルクロック信号SCKの第5番目のパルスのタイミングで、図5に示すように読出アドレスビット[11:8]がシリアル信号SB[3:0]の形態でアドレスS/P変換部12に供給される。ここで、アドレスS/P変換部12のタイミング信号生成回路32は、図5に示すようにカウントデータCNTがカウント値「5」を表している間だけイネーブル状態を表す論理レベル1のタイミング信号e5をFF回路43に供給する。かかる論理レベル1のタイミング信号e5に応じて、FF回路43は、シリアルクロック信号SCKの第5番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングで、シリアル信号SB[3:0]によって表される読出アドレスビット[11:8]を取り込む。FF回路43は、取り込んだ読出アドレスビット[11:8]を待機アドレスビットAQ[11:8]として、図5に示すように、シリアルクロック信号SCKの第5番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングでFF回路46に供給する。
【0064】
次に、シリアルクロック信号SCKの第6番目のパルスのタイミングで、図5に示すように読出アドレスビット[7:4]がシリアル信号SB[3:0]の形態でアドレスS/P変換部12に供給される。ここで、アドレスS/P変換部12のタイミング信号生成回路32は、図5に示すようにカウントデータCNTがカウント値「6」を表している間だけイネーブル状態を表す論理レベル1のタイミング信号e6をFF回路44及び46に供給する。かかる論理レベル1のタイミング信号e6に応じて、FF回路44は、シリアルクロック信号SCKの第6番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングで、シリアル信号SB[3:0]によって表される読出アドレスビット[7:4]を取り込む。FF回路44は、取り込んだ読出アドレスビット[7:4]をメモリアドレスビットAT[7:4]としてデコーダ15に供給する。
【0065】
また、論理レベル1のタイミング信号e6に応じて、FF回路46は、前述したようにFF回路41〜43から供給された待機アドレスビット群AQ[18:8]を、シリアルクロック信号SCKの第6番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングで取り込む。そして、FF回路46は、取り込んだ待機アドレスビット群AQ[18:8]をメモリアドレスビット群AT[18:8]としてデコーダ15に供給する。
【0066】
次に、シリアルクロック信号SCKの第7番目のパルスのタイミングで、図5に示すように読出アドレスビット[3:0]がシリアル信号SB[3:0]の形態でアドレスS/P変換部12に供給される。ここで、アドレスS/P変換部12のタイミング信号生成回路32は、図5に示すようにカウントデータCNTがカウント値「7」を表している間だけイネーブル状態を表す論理レベル1のタイミング信号e7をFF回路45に供給する。かかる論理レベル1のタイミング信号e7に応じて、FF回路45は、シリアルクロック信号SCKの第7番目のパルスの立ち上がりエッジのタイミングで、シリアル信号SB[3:0]によって表される読出アドレスビット[3:0]を取り込む。FF回路45は、取り込んだ読出アドレスビット[3:0]をメモリアドレスビットAT[3:0]としてデコーダ15に供給する。
【0067】
このように、アドレスS/P変換部12は、先ず、シリアル信号[3:0]の形態で受けた読出アドレスビット[18:4]をパラレル形態に変換したメモリアドレスビット群AT[18:4]を、図5に示すようにシリアルクロック信号SCKの第6番目のパルスのタイミングでデコーダ15に供給する。これにより、図5に示すように、シリアルクロック信号SCKの第6番目のパルスのタイミングで、メモリアドレスビット群AT[18:0]のうちのAT[18:4]によって表される内容が、書込アドレスから読出アドレスに切り替わる。
【0068】
また、アドレスS/P変換部12は、シリアル信号[3:0]の形態で受けた読出アドレスビット[3:0]をパラレル形態に変換したメモリアドレスビット群AT[3:0]を、図5に示すようにシリアルクロック信号SCKの第7番目のパルスのタイミングでデコーダ15に供給する。これにより、図5に示すように、シリアルクロック信号SCKの第7番目のパルスのタイミングで、メモリアドレスビット群AT[18:0]のうちのAT[3:0]によって表される内容が、書込アドレスから読出アドレスに切り替わる。
【0069】
ここで、アドレスS/P変換部12は、図5に示すように、シリアル信号SB[3:0]の形態で表される読出アドレスビット[18:0]のうちの[7:4]及び[3:0]については、これらを書込処理期間Pwより後方のタイミングで受けている。よって、メモリアドレスビット群AT[7:0]の内容が書込アドレスから読出アドレスに切り替わるタイミングは、上記した書込処理期間Pwの後となる。よって、この際、デコーダ15に供給するメモリアドレスビット群AT[7:0]の内容が、書込処理期間Pw中に読出アドレスに切り替わるという不具合が生じることはない。
【0070】
一方、シリアル信号SB[3:0]の形態で受ける読出アドレスビット[18:0]のうちの[18:16]、[15:12]、[11:8]については、アドレスS/P変換部12は、これらを書込処理期間Pw中に受けている。よって、夫々を受けたタイミングでメモリアドレスビット群AT[18:8]、[15:12]、[11:8]の内容が書込アドレスから読出アドレスに切り替わってしまうと、書込処理期間Pw中に読出アドレスがデコーダ15に供給されてしまい、書込に不具合が生じる。
【0071】
そこで、アドレスS/P変換部12では、書込処理期間Pw中にシリアル信号SB[3:0]の形態で受ける読出アドレスビット[18:16]、[15:12]、[11:8]については、第1変換部としてのFF回路41〜43により、夫々を受けたタイミングで一旦取り込んで待機させておく。
【0072】
つまり、読出アドレスビット[18:16]については、FF回路41が、この読出アドレスビット[18:16]を受けたタイミング(シリアルクロック信号SCKの第3番目のパルスのタイミング)で取り込み、待機アドレスビット群AQ[18:16]として待機させる。また、読出アドレスビット[15:12]については、FF回路42が、この読出アドレスビット[15:12]を受けたタイミング(シリアルクロック信号SCKの第4番目のパルスのタイミング)で取り込み、待機アドレスビット群AQ[15:12]として待機させる。更に、読出アドレスビット[11:8]については、FF回路43が、この読出アドレスビット[11:8]を受けたタイミング(シリアルクロック信号SCKの第5番目のパルスのタイミング)で取り込み、待機アドレスビット群AQ[11:8]として待機させておく。
【0073】
そして、待機出力部としてのFF回路46が、上記した待機アドレスビット群AQ[18:8]を、書込処理期間Pwの直後のタイミングである、シリアルクロック信号SCKの第6番目のパルスのタイミングで一斉に取り込み、これをメモリアドレスビット群AT[18:8]としてデコーダ15に供給する。
【0074】
更に、アドレスS/P変換部12では、シリアル信号SB[3:0]の形態で受けた読出アドレスビット[7:4]、[3:0]については、第2変換部としてのFF回路44及び45が、読出アドレスビット[7:4]、[3:0]を受けたタイミングで取り込み、メモリアドレスビット群AT[7:0]としてデコーダ15に供給する。
【0075】
以上の動作により、書込処理期間Pw中にメモリアドレスビット群ATの内容が書込アドレスから読出アドレスに切り替わるという不具合が回避される。
【0076】
よって、アドレスS/P変換部12によれば、図5に示すように書込アクセスから読出アクセスに移行する間に設けるインターバル期間IVTを書込処理期間Pwの分だけ長くすることなく、上記した不具合を解消することができる。
【0077】
したがって、図5に示すように書込処理期間Pw中に、シリアル信号SB[3:0]の形態で読出アドレスビット[18:0]を受けることが可能となる。よって、書込処理期間Pwが終了するのを待ってから、シリアル信号SB[3:0]の形態で読出コマンド[7:0]及び読出アドレスビット[18:0]を順に受ける場合に比べて、迅速に書込アクセスの状態から読出アクセスへ移行させることが可能となる。
【0078】
また、アドレスS/P変換部12では、FF回路41〜43で取り込んで待機させた待機アドレスビット群AQ[18:8]を、書込処理期間Pwの経過後にメモリアドレスビット群AT[18:8]としてデコーダ15に送出する為に、タイミング信号e6を用いている。尚、タイミング信号e6は、前述したように、シリアル信号SB[3:0]の形態で受けた読出データ[7:4]をFF回路44で取り込ませる為に用いられている信号である。この際、FF回路44によるタイミング信号e6での読出データ[7:4]の取込みタイミングは、図5に示す書込処理期間Pwの終了時点t2よりも後方である。
【0079】
よって、待機アドレスビット群AQ[18:8]をメモリアドレスビット群AT[18:8]として、書込処理期間Pwの終了時点t2よりも後方のタイミングでデコーダ15に送出する為に、新たなタイミング信号を生成する必要が無いので、装置規模の増大を抑えることができる。
【0080】
尚、上記実施例では、半導体メモリ100のデータ容量を4Mbit、アクセス時のアドレス数を19ビットとして説明したが、データ容量及びアドレス数はこれに限定されない。
【0081】
また、上記実施例では、半導体メモリ100としてQuad SPIに準拠したものを採用しているが、これに限らず、シリアル信号の本線が2本のSPIであるDUAL SPI、1本のSPI、或いは他の高速データ転送技術を適用しても良い。
【0082】
また、上記実施例では、アドレスS/P変換部12においてシリアル信号の形態で書込又は読出コマンド、書込又は読出アドレス、或いは書込データ等のビット列を取り込んで保持する保持回路としてイネーブル端子付きのFF回路を採用している。しかしながら、イネーブル端子無しのFF回路を採用し、当該FF回路の前段にこのFF回路へのデータ入力又はクロック入力をタイミング信号に応じて受け付ける論理回路を設けた構成を採用しても良い。
【0083】
また、図4に示すアドレスS/P変換部12では、シリアル信号SBを取り込んで保持するFF回路として5系統のFF回路41〜45を採用しているが、当該FF回路の数は5つに限定されない。また、図4に示す構成では、FF回路41〜45のうちの3つのFF回路41〜43の出力を待機アドレスビット群AQとしているが、待機アドレスビット群AQを出力する第1変換部としてのFF回路の数は3つに限定されない。同様に、図4に示す構成では、FF回路41〜45のうちの2つのFF回路44及び45を第2変換部としているが、第2変換部に含むFF回路の数も2つに限定されるものではない。
【0084】
更に、図4に示す構成では、シリアルクロック信号SCKに同期して動作するFF回路41〜45により、シリアル信号SBの取り込み、保持及び出力を行っている。しかしながら、このようなシリアル信号SBの取り込み、保持及び出力を行う保持回路としては、FF回路だけではなくラッチ回路を採用しても良い。
【0085】
また、図4に示すアドレスS/P変換部12では、FF回路46が、タイミング信号e3〜e7のうちのe6のタイミングで、上記した待機アドレスビット群AQ[18:8]を取り込み、これをメモリアドレスビット群AT[18:8]として出力している。しかしながら、FF回路46では、タイミング信号e6より後方のタイミングを表すタイミング信号e7のタイミングで、待機アドレスビット群AQ[18:8]の取り込み及び出力を行うようにしても良い。
【0086】
つまり、タイミング信号e3〜e7のうちで、図5に示すような、書込処理期間Pwの終了時点t2よりも後方のタイミングを表すタイミング信号に応じて、待機出力部としてのFF回路46が、待機アドレスビット群の取り込み及び出力を行えば良いのである。
【0087】
また、図3及び図5に示す実施例では、半導体メモリ100における書込アクセスから読出アクセスへの移行時に生じる、書込処理期間中での書込アドレスから読出アドレスへの切り替えに伴う不具合を回避している。しかしながら、連続して行う処理(前段処理及び後段処理と称する)としては、書込アクセス及び読出アクセス以外の他の処理であっても良い。例えば、シリアル形態の第1のビット列を受けて当該第1のビット列を用いた前段処理を実行し、引き続きシリアル形態の第2のビット列を受けて当該第2のビット列を用いた後段処理を実行するようなシステムに、アドレスS/P変換部12と同様な構成のシリアルインタフェース回路を採用する。これにより、第1のビット列を用いた前段処理の実行中に、後段処理で用いるシリアル形態の第2のビット列を受ける状況となっても、前段処理の実行中に第1のビット列が第2のビット列に切り替わってしまうという不具合を回避することが可能となる。
【0088】
要するに、シリアル形態のビット列を含むシリアル信号(SB)を受け、このシリアル信号に含まれるビット列をパラレル形態に変換してパラレルビット群(AT[18:0])を得るシリアルインタフェース回路(12)として、以下のタイミング信号生成部、第1及び第2変換部、及び待機出力部を含むものを採用すれば良いのである。
【0089】
すなわち、タイミング信号生成部(31、32)は、夫々がビット列における1ビット周期分ずつ異なるタイミングを表す第1〜第n(nは2以上の整数)のタイミング信号(e3〜e7)を生成する。第1変換部(41〜43)は、第1〜第nのタイミング信号のうちの第1〜第t(tはn未満の整数)のタイミング信号(e3〜e5)のタイミングでシリアル信号に含まれるビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群を待機ビット群(AQ)として出力する。待機出力部(46)は、第1〜第nのタイミング信号のうちの第(t+1)〜第nのタイミング信号(e6、e7)のいずれか1つのタイミング信号(e6)のタイミングで待機ビット群(AQ)を取り込み、取り込んだ待機ビット群をパラレルビット群の一部(AT[18:8])として出力する。第2変換部は、第(t+1)〜第nのタイミング信号(e6、e7)のタイミングでシリアル信号に含まれるビット列中の各ビットを保持し、保持したビット群をパラレルビット群の他部(AT[7:0])として出力する。
【符号の説明】
【0090】
12 アドレスS/P変換部
20 メモリセルアレイ
31 カウンタ
32 タイミング信号生成回路
41〜46 FF回路
100 半導体メモリ
図1
図2
図3
図4
図5