【解決手段】外部に光を放射する発光面となる第1主面1cと、前記第1主面1cと反対側の第2主面1dとを有し、前記第2主面1dに凹部1bを設けてなる透光性の導光板1と、前記導光板1の前記凹部1bに配置してなる光調整部10と、前記光調整部10に接合してなる発光素子11とを備え、前記光調整部10が光拡散部13に波長変換部12を接合した層であって、前記光拡散部13が前記凹部1bの底面に配置されて、前記波長変換部12が前記発光素子11に接合されてなる発光モジュール。
前記波長変換部と前記光拡散部を積層してなる前記光調整部を前記発光素子に接合して発光素子ユニットとしてなる、請求項1ないし3のいずれかに記載の発光モジュール。
前記発光素子ユニットが、外周面を前記光調整部または前記波長変換部の外周面と同一平面とし、かつ前記発光素子を埋設する第1の封止樹脂部を有してなる、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発光モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光モジュールを例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0010】
(液晶ディスプレイ装置1000)
図1は、本実施形態にかかる発光モジュールを備える液晶ディスプレイ装置1000の各構成を示す構成図である。
図1で示す液晶ディスプレイ装置1000は、上側から順に、液晶パネル120と、2枚のレンズシート110a、110b、拡散シート110cと、発光モジュール100とを備える。
図1に示す液晶ディスプレイ装置1000は、液晶パネル120の下方に発光モジュール100を積層するいわゆる直下型の液晶ディスプレイ装置である。液晶ディスプレイ装置1000は、発光モジュール100から照射される光を、液晶パネル120に照射する。なお、上述の構成部材以外に、さらに偏光フィルムやカラーフィルタ等の部材を備えてもよい。
【0011】
(発光モジュール100)
本実施形態の発光モジュールの構成を
図2と
図3に示す。
図2は、本実施形態にかかる発光モジュールの模式平面図である。
図3は、本実施形態にかかる発光モジュールを示す一部拡大模式断面図であって、導光板を下に配置して上下を反転した図である。これらの図に示す発光モジュール100は、1枚の導光板1に複数の凹部1bを設けて、各々の凹部1bに対応して発光素子11を配置している。ただし、発光モジュールは、
図4の模式底面図に示すように、導光板1’に一つの凹部1bを設けて、凹部1bに発光素子11を配置して発光ビット5とし、複数の発光ビット5を配列して発光モジュール100’とすることもできる。
【0012】
図3の発光モジュール100は、導光板1と、導光板1の凹部1bに配設された光拡散部13と、光拡散部13に積層している波長変換部12と、波長変換部12の表面に接合している発光素子11とを備える。
図3の発光モジュール100Aは、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10と発光素子1を一体構造とする発光素子ユニット3Aの状態で導光板1に固着している。さらに、
図3に示す発光モジュール100Aの発光素子ユニット3Aは、発光素子11を埋設する第1の封止樹脂部15Aを備えており、第1の封止樹脂部15Aの外周面を、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10の外周面と同一平面としている。さらに、この発光モジュール100Aは、発光素子ユニット3Aを固着している導光板1の第2主面1dに、発光素子ユニット3Aを埋設する第2の封止樹脂部15Bを設けている。以下、
図3に示すように、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10と発光素子11を一体構造として発光素子ユニット3Aとし、この発光素子ユニット3Aを導光板1の凹部1bに固着してなる発光モジュール100Aについて詳述する。
【0013】
図3の発光素子ユニット3Aは、波長変換部12と光拡散部13とを積層している光調整部10の表面に発光素子11を固着している。発光素子11は、上面を電極形成面11dとして、下面を光放射面11cとしている。発光素子11は、主として光放射面11cから光を放射して波長変換部12に光を照射する。
図2と
図3の発光モジュール100Aは、複数の発光素子ユニット3Aを、導光板1上にマトリクス状に設けた凹部1bに配置して導光板1に固着している。導光板1は、第1主面1cを光を外部に放射する発光面として、第2主面1dに、複数の凹部1bを設けている。この凹部1b内には、発光素子ユニット3Aの一部、
図3において光拡散部13に波長変換部12を積層している光調整部10を配置している。光調整部10は、波長変換部12を発光素子11側に、光拡散部13を導光板1の凹部1bの底面側に接合している。この光調整部10は、波長変換部12を透過する光を光拡散部13で拡散して導光板1に照射して、導光板1から放射される光をより均一にできる。
【0014】
本発明に係る発光モジュール100は、導光板1に凹部1bを設けて、この凹部1bに、発光素子ユニット3の光調整部10を配置するので、全体を薄型化できる。また、導光板1に凹部1bを設けて、凹部1bに発光素子ユニット3の光調整部10を配置するので、基板上に発光素子を実装して導光板を組み合わせる発光モジュールに比べて、発光素子ユニット3と導光板1との位置ずれを防止できる。さらに、発光素子11と波長変換部12とを一体構造とする発光素子ユニット3を導光板1の凹部1bに配置する発光モジュール100は、波長変換部12と発光素子11の両方を導光板1の正確な位置に配置して、良好な光学特性を実現できる。特に、発光素子11の光を波長変換部12に透過させて導光板1に案内して外部に放射する発光モジュール100においては、発光素子11と波長変換部12と導光板1とを位置ずれなく配置できることから、導光板1から外部に放射される光の色むらや輝度ムラ等の発光特性を改善して、特に優れた発光特性を実現する。
【0015】
直下型の液晶ディスプレイ装置では、液晶パネルと発光モジュールとの距離が近いため、発光モジュールの色ムラや輝度ムラが液晶ディスプレイ装置の色ムラや輝度ムラに影響を及ぼす可能性がある。そのため、直下型の液晶ディスプレイ装置の発光モジュールとして、色ムラや輝度ムラの少ない発光モジュールが望まれている。
【0016】
本実施形態の発光モジュール100の構成をとれば、発光モジュール100の厚みを、5mm以下、3mm以下、1mm以下等と、薄くしながら、輝度ムラや色ムラを少なくできる。
【0017】
本実施形態にかかる発光モジュール100を構成する各部材および製造方法について以下に詳述する。
【0018】
(導光板1)
導光板1は、光源から入射される光を面状にして外部に放射する透光性の部材である。本実施形態の導光板1は、
図2に示すように、発光面となる第1主面1cと、第1主面1cと反対側の第2主面1dと、を備える。この導光板1は、第2主面1dに複数の凹部1bを設けて、隣接する凹部1bの間にはV溝1eを設けている。凹部1b内に発光素子ユニット3の一部を配置している。発光素子11の一部を導光板1の凹部1bに挿入することで、発光モジュール全体は薄型化が可能になる。導光板1は、
図2及び
図3に示すように、複数の凹部1bを設けて各々の凹部1bに発光素子ユニット3を配置して発光モジュール100とし、あるいは、
図4に示すように、ひとつの凹部1bのある導光板1’にひとつの発光素子ユニット3を配置して発光ビット5とし、複数の発光ビット5を平面状に配置して発光モジュール100’とすることができる。複数の凹部1bを設けている導光板1は、
図3に示すように、凹部1bの間に格子状のV溝1eを設けている。ひとつの凹部1bを設けている導光板1は、
図4に示すように、第2主面1dの外周部に、外周縁に向かって下り勾配となる傾斜面1fを設けている。
【0019】
V溝1eや傾斜面1fは、光を反射する、後述する封止樹脂部15が設けられる。V溝1eに充填される封止樹脂部15は、好ましくは光を反射する白色樹脂で、白色樹脂の封止樹脂部15は、発光素子11の発光が、V溝1eで区画された隣の導光板2に入射するのを防止して、各々の発光素子11の光が隣に漏れるのを防止する。ひとつの導光板1の第2主面1dの外周部に設けている傾斜面1fに接合される封止樹脂部15は、導光板1の周囲に光が漏れるのを防止して、導光板1の第1主面11cからの発光強度低下を防止する。
【0020】
導光板1の大きさは、凹部1bの個数によって最適な大きさに設定されるが、例えば、複数の凹部1bのある導光板1にあっては、一辺が1cm〜200cm程度とすることができ、3cm〜30cm程度が好ましい。厚みは0.1mm〜5mm程度とすることができ、0.5mm〜3mmが好ましい。導光板1の平面形状は例えば、略矩形や略円形等とすることができる。
【0021】
導光板1の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料やガラスなどの光学的に透明な材料を用いることができる。特に、熱可塑性の樹脂材料は、射出成型によって効率よく製造することができるため、好ましい。中でも、透明性が高く、安価なポリカーボネートが好ましい。製造工程において、リフロー半田のような高温環境にさらされることなく製造される発光モジュールは、ポリカーボネートのような熱可塑性であり耐熱性の低い材料であっても用いることができる。
【0022】
導光板1は、例えば、射出成型やトランスファーモールドで成形することができる。導光板1は、凹部1bのある形状に金型で形成して、凹部1bの位置ずれを低減しながら、安価に多量生産できる。ただし、導光板は、板状に成形した後、NC加工機等で切削加工して凹部を設けることもできる。
【0023】
本実施形態の導光板1は単層で形成されていてもよく、複数の透光性の層が積層されて形成されていてもよい。複数の透光性の層が積層されている場合には、任意の層間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けることが好ましい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した発光モジュールとすることができる。このような構成は、例えば、任意の複数の透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。また、導光板1の第1主面1c上に透光性の層と、導光板1の第1主面1cと該透光性の層の間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けてもよい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した液晶ディスプレイ装置とすることができる。このような構成は、例えば、任意の導光板1と透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。
【0024】
(光学機能部1a)
導光板1は、第1主面1c側に光学機能部1aを備えていてもよい。光学機能部1aは、例えば、光を導光板1の面内で広げる機能を有することができる。例えば、導光板1の材料と屈折率の異なる材料が設けられている。具体的には、第1主面1c側に設けられた逆円錐台や逆多角錐台等の凹み、あるいは、逆円錐や逆四角錐、逆六角錐等の逆多角錐形等の凹みであって、導光板1と屈折率の異なる材料(例えば空気)と凹みの傾斜面との界面で照射された光を発光素子ユニット3の側方方向に反射するものを用いることができる。また、例えば、傾斜面を有する凹部1bに光反射性の材料(例えば金属等の反射膜や白色の樹脂)等を設けたものであってもよい。光学機能部1aの傾斜面は、断面視において直線でもよく、曲線でもよい。光学機能部1aは、後述するように、それぞれの発光素子ユニット3に対応する、つまり、第2主面1d側に配置された発光素子ユニット3と反対側の位置に設けられることが好ましい。特に、発光素子ユニット3の光軸と、光学機能部1aの光軸とが略一致することが好ましい。光学機能部1aの大きさは、適宜設定することができる。
【0025】
(凹部1b)
導光板1は、第2主面1d側に、凹部1bを設けている。凹部1bは、発光素子ユニット3の一部を内側に配置して定位置に配置する。
図3に示す凹部1bは、第2主面1dの一部を切除する形状の凹部1bを設けている。ただ、図示しないが、凹部は、第2主面に環状に凸条を設けて、凸条の内側に設けることもできる。凹部1bの内形は、発光素子ユニット3を凹部1bに配置する挿入部17の外形よりも大きく、発光素子ユニット3の挿入部17を配置する状態で、凹部1bの内周と発光素子ユニット3の挿入部17の外周との間にリング隙間18を設ける。リング隙間18は、接合剤14が充填されて接合壁19となる。凹部1bの内形は、リング隙間18の容積が、発光素子ユニット3の挿入部17の体積よりも大きくなる形状とする。本実施形態の発光モジュールは、導光板1の凹部1bに光調整部10を配置しているので、光調整部10を発光素子ユニット3の挿入部17としている。ただ、発光素子ユニット3の挿入部17は光調整部10に特定されず、たとえば、光調整部10と発光素子11の一部を凹部1b内に配置する挿入部17とすることもできる。
【0026】
凹部1bの内形は、リング隙間18の容量が、発光素子ユニット3の挿入部17の体積の例えば1.2倍以上、好ましくし1.5倍以上、さらに好ましくは2倍以上とする大きさに設定される。リング隙間18は透光性の接合剤14が充填されて接合壁19となる。
図5の導光板1は、凹部1bの内形を四角形として、ここに配置する発光素子ユニット3の挿入部17の外形も四角形としている。四角形の挿入部17は、四角形の凹部1bに各々の辺が交差する姿勢で、いいかえると、四角形の凹部1bに対して回転する姿勢で凹部1bに配置されて、凹部1bと挿入部17との間にリング隙間18を設けている。この図の挿入部17は、各々の辺を45度傾斜させる姿勢で凹部1bに配置される。この姿勢で挿入部17を配置する凹部1bは、その内形を挿入部17の外形の2倍以上とする。
【0027】
挿入部17を
図5の姿勢で凹部1bに配置する導光板1は、第1主面1cの輝度ムラを少なくできる特徴がある。それは、挿入部17の各々の辺から周囲に放射される光が、
図5の鎖線で示す矢印Aの方向に強く放射されて、図のC領域を明るく照射するからである。四角形の挿入部17は、各々の辺に直交する矢印Aで示す方向の光の強度が、隅部から矢印Bで示す方向に放射される光よりも強くなる。
図5においてC領域は、D領域よりも挿入部17から離れた位置にあるので暗くなる傾向はあるが、矢印Aで示す方向の光が矢印Bで示す方向よりも強いので、輝度の低下が防止されて輝度ムラが少なくなる。
図6で示すように、四角形の凹部1bに四角形の挿入部17を各々の辺を平行姿勢で配置すると、C領域はD領域よりも挿入部17から離れた位置にあり、しかも挿入部17から放射される光の強度も低下するので、C領域はD領域よりも輝度が低下する。
【0028】
挿入部17の外形よりも内形を大きくしてなる凹部1bは、挿入部17を配置する姿勢の自由度を大きくして輝度ムラを防止できることに加えて、リング隙間18に充填する接合剤14の充填量の誤差による表面レベルのズレをも解消して、凹部1bの外周部の配光を理想的な状態にできる特徴も実現する。リング隙間18は、接合剤14を充填して透光性の接合壁19となるが、接合剤14の充填量の誤差は表面レベルを変動させて、発光を狂わせる原因となる。
図7と
図8は、接合剤14の充填量の誤差で接合壁19の液面レベルが狂う状態を示している。
図7は、接合剤14の充填量が少なすぎる状態を示している。この接合壁19は、表面レベルが導光板1の第2主面1dよりも低くなってリング隙間18の内部まで低下して、導光板1と挿入部17との間に空隙ができる。
図8は接合剤14の充填量が多すぎる状態を示しており、この状態の接合壁19は、接合剤14がリング隙間18から漏れ出して、第2主面1dに盛り上がった状態となる。導光板1と挿入部17との隙間や、第2主面1dに盛り上がった接合剤14は、挿入部17から導光板1に入射する光の経路を変化させて発光を狂わせる原因となる。
【0029】
凹部1bの内形を挿入部17よりも大きくして、リング隙間18の容積を、挿入部17の体積よりも大きくする構造は、リング隙間18に充填する接合剤14の充填量のバラツキによる液面レベルの変動を少なくして、導光板1と挿入部17との領域の発光を理想的な状態とする。
【0030】
挿入部17の外形と、以上の特性を考慮して、凹部1bの平面視における大きさは、円形にあっては直径、楕円形にあっては長径、四角形にあっては対角線の長さを、例えば、0.05mm〜10mmとすることができ、好ましくは0.1mm〜2mmが好ましい。深さは0.05mm〜4mmとすることができ、0.1mm〜1mmが好ましい。光学機能部1aと凹部1bの間の距離は光学機能部1aと凹部1bが離間している範囲で適宜設定できる。凹部1bの平面視形状は、例えば、略矩形、略円形とすることができ、凹部1bの配列ピッチ等によって選択可能である。凹部1bの配列ピッチ(最も近接した2つの凹部1bの中心間の距離)が略均等である場合には、略円形または略正方形が好ましい。中でも、略円形とすることは、発光素子ユニット3からの光を良好に広げることに効果がある。
【0031】
(発光素子ユニット3)
発光素子ユニット3は、発光モジュール100の光源である。発光素子ユニット3Aは、
図3に示すように、発光素子11に光拡散部と波長変換部12とを積層している光調整部10を接合している。さらに、本実施形態の発光素子ユニット3Aは、外周面を光調整部10の外周面と同一平面とし、かつ発光素子11を埋設する第1の封止樹脂部15Aを設けている。発光素子ユニット3Aは、導光板1の凹部1bに配置されて、導光板1を介して発光を外部に放射する。図の発光素子ユニット3Aは、光調整部10を導光板1の凹部1b内に配置する挿入部17として、凹部1bの内側に配置している。発光素子ユニット3Aは、光調整部10を凹部1bの底面に接合して、導光板1に設けた凹部1bに固着される。
【0032】
図3の発光素子ユニット3Aは、光調整部10を発光素子11の光放射面11cに接合している。発光素子11は、電極形成面11dの反対側を光放射面11cとして、この表面に光調整部10を接合している。本実施形態の発光モジュールは、電極形成面11dの反対側を光放射面11cとして、光放射面11cを主発光面とするフェイスダウンタイプを使用しているが、フェイスアップタイプの発光素子も使用できる。
図3の発光素子11は、光放射面11cと反対側を電極形成面11dとして、電極形成面11dには一対の電極11bを設けている。一対の電極11bは後述する構造で配線されて電気接続される。発光素子ユニット3Aと導光板1とは透光性樹脂等の透光性を有する接合材14を介して接合される。
【0033】
発光素子11は、例えば、サファイア等の透光性基板と、透光性基板の上に積層された半導体積層構造とを有する。半導体積層構造は、発光層と、発光層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含み、n型半導体層およびp型半導体層にn側電極およびp側電極11bがそれぞれ電気的に接続される。発光素子11は、例えば透光性基板を備える光放射面11cが導光板1と対向して配置され、光放射面11cと反対側の電極形成面11dに一対の電極11bを有する。
【0034】
発光素子11としては、縦、横および高さの寸法に特に制限は無いが、好ましくは平面視において縦および横の寸法が1000μm以下の半導体発光素子11を用い、より好ましくは縦および横の寸法が500μm以下であり、さらに好ましくは、縦および横の寸法が200μm以下の発光素子11を用いる。このような発光素子11を用いると、液晶ディスプレイ装置1000のローカルディミングを行った際に、高精細な映像を実現することができる。また、縦および横の寸法が500μm以下の発光素子11を用いると、発光素子11を安価に調達することができるため、発光モジュール100を安価にすることができる。なお、縦および横の寸法の両方が250μm以下である発光素子11は、発光素子11の上面の面積が小さくなるため、相対的に発光素子11の側面からの光の出射量が多くなる。つまり、このような発光素子11は発光がバットウィング形状になりやすくなるため、発光素子11が導光板1に接合され、発光素子11と導光板1との距離がごく短い本実施形態の発光モジュール100に好ましく用いられる。
【0035】
さらに、導光板1は、レンズ等の反射や拡散機能を有する光学機能部1aを設けることができる。この導光板1は、発光素子11からの光を側方に広げ、導光板1の面内における発光強度を平均化させることができる。しかし、複数の発光素子11の対応位置に複数の光学機能部1aを形成した導光板1は、全ての発光素子11と光学機能部1aとの相対位置を正確に維持することが難しくなる場合がある。とくに、小さい発光素子11を多数設ける構造にあっては、全ての発光素子11と光学機能部1aとの相対位置を正確に維持するのが難しい。発光素子11と光学機能部1aの相対位置のずれは、光学機能部1aによって光を十分に広げることができず、明るさが面内において部分的に低下するなどして、輝度のムラになるという問題がある。特に、配線基板に発光素子11を実装した後に導光板1を組み合わせる方法においては、配線基板と発光素子11との位置ずれと、導光板1の光学機能部1aとの位置ずれとを、それぞれ平面方向及び積層方向において考慮に入れる必要があるため、発光素子11と光学機能部1aとを良好に光学的に結合することが一層困難となる場合がある。
【0036】
本実施形態における発光モジュール100は、導光板1に複数の凹部1bと光学機能部1aとを設けて、凹部1bに発光素子ユニット3を配置する構造によって、発光素子11と光学機能部1aとの両方を高い位置精度で配置できる。このことにより、発光素子11からの光を光学機能部1aで精度よく均一化させ、輝度ムラや色ムラの少ない良質なバックライト用光源とすることができる。
【0037】
発光素子11を配置する凹部1bの反対側の面に光学機能部1aを設ける導光板1は、平面透視において、発光素子11を配置する凹部1bの位置に光学機能部1aを設けることで、発光素子11と光学機能部1aとの位置決めをより容易にして、高い位置精度で両者を相対的に位置ずれすることなく配置できる。
【0038】
発光素子11としては、平面視において正方形又は長方形である方形状の発光素子11を用いる。高精細な液晶ディスプレイ装置に使用される発光素子11は、好ましくは、長方形の発光素子を使用して、その上面形状が長手と短手を有することが好ましい。高精細な液晶ディスプレイ装置の場合、使用する発光素子の数は数千個以上となり、発光素子の実装工程は重要な工程となる。発光素子の実装工程において、複数の発光素子の一部の発光素子に回転ずれ(例えば±90度方向のずれ)が発生したとしても、平面視において長方形の発光素子を用いることで目視での確認が容易となる。また、p型電極とn型電極の距離を離して形成することができるため、後述する配線21の形成を容易に行うことができる。一方、平面視において正方形の発光素子11を用いる場合は、小さい発光素子11を量産性良く製造することができる。発光素子11の密度(配列ピッチ)、すなわち発光素子11間の距離は、例えば、0.05mm〜20mm程度とすることができ、1mm〜10mm程度が好ましい。
【0039】
複数の凹部1bのある導光板1に複数の発光素子ユニット3を配置する発光モジュール100Aは、導光板1の平面視において、発光素子ユニット3を二次元に配列する。好ましくは、複数の発光素子ユニット3は、
図2に示すように、直交する二方向、つまり、x方向およびy方向に沿って二次元的に配列される凹部1bに配設される。複数の発光素子ユニット3を配置する凹部1bのx方向の配列ピッチp
xと、y方向の配列ピッチp
yは、
図2の例に示すように、x方向およびy方向の間でピッチが同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、配列の二方向は必ずしも直交していなくてもよい。また、x方向またはy方向の配列ピッチは等間隔に限られず、不等間隔であってもよい。例えば、導光板1の中央から周辺に向かって間隔が広くなるように発光素子ユニット3を配置する凹部1bが配列されていてもよい。なお、凹部1bに配置される発光素子ユニット3間のピッチとは、発光素子ユニット3の光軸間の距離、すなわち中心間の距離である。
【0040】
発光素子11には、公知の半導体発光素子を利用することができる。本実施形態においては、発光素子11としてフェイスダウンタイプの発光ダイオードを例示する。発光素子11は、例えば青色光を出射する。発光素子11には、青色以外の光を出射する素子も使用でき、またフェイスアップタイプの発光素子も使用できる。また、複数の発光素子11として異なる色の光を発する発光素子を用いてもよい。発光素子11から出射される光は、波長変換部12で外部に放射される発光色が調整される。
【0041】
発光素子11として、任意の波長の光を出射する素子を選択することができる。例えば、青色、緑色の光を出射する素子としては、窒化物系半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)またはGaPを用いた発光素子を用いることができる。また、赤色の光を出射する素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどの半導体を含む発光素子を用いることができる。さらに、これら以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。半導体層の材料およびその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。用いる発光素子の組成、発光色、大きさ、個数などは、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0042】
(光調整部10)
本実施形態において、発光素子ユニット3Aは、発光素子11からの発光色を調整して導光板1に入射する光調整部10を設けている。光調整部10は発光素子11の発光色を調整する波長変換部12に、光を拡散する光拡散部13を積層している。波長変換部12は、発光素子11の光放射面11cに接合されて、発光素子11の発光色を調整する。光拡散部13は、発光素子11の発光を拡散して導光板1に入射させる。波長変換部12と光拡散部13を接合する光調整部10は、波長変換部12を発光素子11側に配置して、光拡散部を凹部1bの底面に配置している。光調整部10は、複数の波長変換部12や光拡散部13を積層することもできる。本実施形態の発光モジュール100Aは、光調整部10を導光板1の凹部1bに配置して、発光素子ユニット3Aの挿入部17としている。光調整部10は、発光素子11から入射される光を透過させて導光板1に入射する。光調整部10は、発光モジュール100Aの薄型化等の目的から、好ましくは、
図3に示すように、導光板1の凹部1bの内側にあって、第2主面1dから表面側にはみ出ることなく凹部1b内に配置される。
図3の光調整部10は、凹部1bの深さに等しい厚さとして、その表面を第2主面1dと同一平面に配置している。したがって、この発光モジュール100Aは、光調整部10が凹部1b内に配置されて、発光素子11が凹部1bの外部に配置される。ただ、図示しないが光調整部は、凹部の内側にあって、導光板の第2主面からわずかに表面側に出る厚さとすることもできる。
【0043】
図3の発光素子ユニット3は、光調整部10の外形を発光素子11の外形よりも大きくしている。この発光素子ユニット3は、発光素子11の光放射面11cから出射される全ての光を光調整部10に透過させて導光板1に入射して色ムラを少なくできる。
【0044】
波長変換部12は、母材に波長変換材を添加しており、光拡散部13は母材に拡散材を添加している。母材の材料は、たとえば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、これらを混合した樹脂、または、ガラスなどの透光性材料を用いることができる。光調整部10の耐光性および成形容易性の観点からは、母材としてシリコーン樹脂を選択すると有益である。光調整部10の母材としては、導光板1の材料よりも高い屈折率を有する材料が好ましい。
【0045】
波長変換部12が含有する波長変換材としては、YAG蛍光体、βサイアロン蛍光体またはKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体などが挙げられる。特に、複数種類の波長変換部材を1つの波長変換部12において用いること、より好ましくは、波長変換部12が緑色系の発光をするβサイアロン蛍光体と赤色系の発光をするKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体とを含むことにより、発光モジュールの色再現範囲を広げることができる。この場合、発光素子11は、波長変換部材を効率良く励起できる短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を備えることが好ましい。また、例えば、青色系の光を出射する発光素子11を用いた際に、赤色系の光を得ることができるように、波長変換部12にKSF系蛍光体(赤色蛍光体)を60重量%以上、好ましくは90重量%以上含有させてもよい。つまり、特定の色の光を出射する波長変換部材を波長変換部12に含有
させることで、特定の色の光を出射するようにしてもよい。また、波長変換材は量子ドットであってもよい。波長変換部12内において、波長変換材はどのように配置されていてもよい。例えば、略均一に分布していてもよく、一部に偏在してもよい。また、波長変換部材をそれぞれ含有する複数の層が積層されて設けられていてもよい。
【0046】
光拡散部13は、例えば上述した樹脂材料を母材として、これに白色粉末を分散状態に添加している。白色粉末には、好ましくはSiO
2やTiO
2等の無機微粒子を使用する。
【0047】
(封止樹脂部15)
図3の発光モジュール100は、導光板1の第2主面1dに封止樹脂部15を接合して設けている。封止樹脂部15は、好ましくは光を反射する添加物である白色粉末等を透明樹脂に添加している白色樹脂である。白色樹脂の封止樹脂部15は、発光素子11の外周部や電極面から放射される光と、光調整部10の裏面から放射される光と、接合壁19の裏面から放射される光と、導光板1の第2主面1dから放射される光を反射して、発光素子11の発光を有効に導光板1の第1主面1cから外部に放射させる。
図3の発光モジュール100は、封止樹脂部15を、第1の封止樹脂部15Aと第2の封止樹脂部15Bとに区画している。この図の発光モジュール100は、封止樹脂部15を、発光素子ユニット3と一体構造の第1の封止樹脂部15Aと、導光板1の第2主面1dに接合してなる第2の封止樹脂部15Bとに区間するが、封止樹脂部は、第1の封止樹脂部と第2の封止樹脂部とを区画することなく一体構造とすることもできる。この発光モジュールは、第1の封止樹脂部を設けていない発光素子ユニットを導光板に固着した後、導光板の第2主面に封止樹脂部を接合して製作される。
【0048】
第1の封止樹脂部15Aと第2の封止樹脂部15Bとを区画する発光モジュール100は、発光モジュール100の製造工程において、発光素子11と光調整部10に第1の封止樹脂部15Aを接合して、第1の封止樹脂部15Aを発光素子11と光調整部10を一体構造のブロックとする状態で製作される。第2の封止樹脂部15Bは、第1の封止樹脂部15Aを設けてなる発光素子ユニット3を導光板1に接合する状態で、導光板1の第2主面1dに接合されて、第1の封止樹脂部15Aの隙間に充填される。
【0049】
第1の封止樹脂部15Aと第2の封止樹脂部15Bは互いに密着される。さらに、第1の封止樹脂部15Aは、発光素子11にも密着される。第1の封止樹脂部15Aは、発光素子11の周囲にあって発光素子11を埋設して、発光素子11の電極11bを表面に露出させている。第1の封止樹脂部15Aは、外周面を光調整部10の外周面と同一平面として、光調整部10にも密着している。第1の封止樹脂部15Aは、発光素子11と光調整部10と一体構造に接合された発光素子ユニット3として製作されて導光板1に固着される。また、第1の封止樹脂部15Aは、好ましくは白色樹脂で、この第1の封止樹脂部15Aは、発光素子11の外周面方向に出射された光を反射して、発光モジュール100の発光効率を高めることができる。第2の封止樹脂部15Bは、導光板1の第2主面1dと接合壁19の裏面との境界で密着される。第2の封止樹脂部15Bは、第1の封止樹脂部15Aの電極11bを露出させている面と同一平面に設けられる。第2の封止樹脂部15Bは、第1の封止樹脂部15Aを一体構造とする発光素子ユニット3が固着された導光板1の第2主面1dに接合されて、第1の封止樹脂部15Aの間に設けられる。
【0050】
第2の封止樹脂部15Bは、導光板1に積層されて導光板1を補強する。また、第2の封止樹脂部15Bは、好ましくは白色樹脂で、この封止樹脂部15は発光素子11からの発光を導光板1に効率よく取り入れて導光板1の第1主面1cの発光出力を大きくできる。さらにまた、白色樹脂である第2の封止樹脂部15Bは、発光素子11を保護する部材と導光板1の第2主面1dの表面を反射する層とを兼ねることにより、発光モジュール100の薄型化を図ることができる。
【0051】
封止樹脂部15は、発光素子11から出射される光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する白色樹脂が適している。この封止樹脂部15は、白色粉末等の白色の顔料を含有させた樹脂であることが好ましい。特に、酸化チタン等の無機白色粉末を含有させたシリコーン樹脂が好ましい。これにより、導光板1の一面を被覆するために比較的大量に用いられる材料として酸化チタンのような安価な原材料を多く用いることで、発光モジュール100を安価にすることができる。
【0052】
(透光性接合部材)
図3の発光モジュール100は、波長変換部12と光拡散部13、光調整部10と発光素子11、発光素子ユニット3と導光板1を透光性接合部材で接合している。透光性接合部材は、波長変換部12と光拡散部13と接合して光調整部10とし、光調整部10と発光素子11とを接合して発光素子ユニット3としている。発光素子ユニット3と導光板1の凹部1bの底面とを接合する接合剤14である透光性接合部材16Aは、発光素子ユニット3を導光板1に固着し、凹部1bと発光素子ユニット3の挿入部17との間のリング隙間18に充填してなる接合剤14である透光性接合部材16Aは、接合壁19を構成して、光調整部10を凹部1bの内面に接合している。
【0053】
透光性接合部材は、光の透過率を60%以上とし、好ましくは90%以上とする。透光性接合部材16Aは、発光素子11から出射される光を導光板1に伝播する。この透光性接合部材16Aは、拡散部材等を含み、あるいは光を反射する添加物である白色粉末等を含むことは可能であるが、拡散部材や白色粉末等を含まない透光性の樹脂材料のみで構成されてもよい。
【0054】
透光性接合部材の材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性の熱硬化性の樹脂材料等を用いることができる。
【0055】
(発光モジュール100Aの製造工程)
図9A〜
図9D及び
図10A〜
図10Dは、本実施形態にかかる発光素子ユニット3Aの製造工程を示している。
図9A及び
図9Bに示す工程で、波長変換部12と光拡散部13が積層されて光調整部10となる。
図9Aに示す工程で、ベースシート30の表面に均一な厚さで波長変換部12を付着した第1のシート31と、ベースシート30の表面に均一な厚さに光拡散部13を付着した第2のシート32とを、波長変換部12と光拡散部13とを接合する状態で積層する。波長変換部12と光拡散部13は透光性接合部材で接合する。ベースシート30には、たとえば粘着層を介して剥離できるように長変換部12と光拡散部13を付着する。
さらに、
図9Bに示す工程で、第2のシート32のベースシート30をプレート33に剥離できるように付着し、第1のシート31の波長変換部12に接合しているベースシート30を剥離する。
【0056】
図9Cに示す工程で、光調整部10に発光素子11が接合される。発光素子11は、光放射面11c側を光調整部10に接合する。発光素子11は、光調整部10の波長変換部12に所定の間隔で接合される。発光素子11は、透光性接合部材を介して光調整部10に接合する。透光性接合部材は、光調整部10や発光素子11の表面に塗布されて、発光素子11と光調整部10を接合する。
図9Cは、塗布された透光性接合部材16Bが発光素子11の周囲にはみ出して発光素子11を光調整部10に接合する状態を示している。発光素子11の間隔は、
図10Dで示すように、発光素子11の間を裁断して、光調整部10の外形が所定の大きさとなる寸法に設定される。発光素子11の間隔が、光調整部10の外形を特定するからである。
【0057】
図9Dに示す工程で、発光素子11を埋設するように、第1の封止樹脂部15Aを形成する。第1の封止樹脂部15Aは、好ましくは白色樹脂である。白色樹脂からなる第1の封止樹脂部15Aは、光調整部10の表面に塗布され、発光素子11を埋設する状態で硬化する。第1の封止樹脂部15Aは、発光素子11を完全に埋設する厚さ、図にあっては発光素子11の電極11bを埋設する厚さに塗布される。
【0058】
図10Aに示す工程で、硬化した白色樹脂を研磨して発光素子11の電極11bを露出させる。
【0059】
発光素子11の電極11bに金属膜を用いて電極端子23を形成してもよい。この場合、例えば、
図10Bに示す工程で、第1の封止樹脂部15Aの表面に金属膜22を設ける。金属膜22は、たとえば銅、ニッケル、金等の金属膜をスパッタなどで第1の封止樹脂部15Aの表面に設けて、電極11bに接続する。
【0060】
図10Cに示す工程で、金属膜22の一部を除去して、電極11bに金属膜22を積層して発光素子ユニット3Aの電極端子23とする。金属膜22の除去は、ドライエッチング、ウエットエッチング、レーザアブレーション等を用いることができる。
【0061】
図10Dに示す工程で、白色樹脂からなる第1の封止樹脂部15Aと、光調整部10となる層を裁断して発光素子ユニット3Aに分離する。分離された発光素子ユニット3Aは、光調整部10に発光素子11が接合され、発光素子11の周囲には第1の封止樹脂部15Aが設けられて、電極端子23を第1の封止樹脂部15Aの表面に露出させている。
【0062】
以上の工程で製造された発光素子ユニット3Aは、
図11A〜
図11C及び
図12A〜
図12Cに示す工程で、導光板1の凹部1bに接合される。
導光板1は、ポリカーボネートで製作される。導光板1は、
図11A及び
図11Bに示すように、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂を成形して、第2主面1dに凹部1bを成形して、第1主面1cには逆円錐台状の光学機能部1aを設けている。この導光板1の凹部1bに、発光素子ユニット3Aが接合される。発光素子ユニット3Aは、未硬化状態で液状の透光性接合部材16Aを塗布した凹部1bに光調整部10を挿入し、透光性接合部材16Aを硬化させて導光板1に固着される。発光素子ユニット3Aは、光調整部10を凹部1bの中心に正確に挿入し、透光性接合部材16Aを硬化させて導光板1に接合される。凹部1bに塗布される未硬化状態にある透光性接合部材16Aは、発光素子ユニット3Aを導光板1に接合する状態で、リング隙間18に押し出されて接合壁19の表面レベルが導光板1の第2主面1dと同レベルなる充填量に調整される。ただ、未硬化状態の透光性接合部材は、発光素子ユニット3Aを導光板1に接合した後、リング隙間18に充填して接合壁19の表面レベルを導光板1の第2主面1dと同一平面とすることもできる。したがって、凹部1bに最初に充填する未硬化状態の透光性接合部材16Aの充填量は、発光素子ユニット3Aを凹部1bに接合する状態で、接合壁19の表面レベルが導光板1の第2主面1dよりも低いレベル、すなわちリング隙間18の内部に位置する少ない量とし、発光素子ユニット3Aを導光板1に接合した後、あとから透光性接合部材をリング隙間18に充填して、接合壁19の表面レベルを導光板1の第2主面1dと同一平面とする。
【0063】
光調整部10を凹部1bの底面に接合する透光性接合部材16Aは、未硬化状態で両者の表面に密着し、硬化して光調整部10の表面を凹部1bの底面に接合する。さらに、光調整部10と凹部1bの底面の間から押し出された透光性接合部材16Aは、接合壁19となって、光調整部10の外周を凹部1bの内周面に接合する。この製造方法は、凹部1bに充填した未硬化で液状の透光性接合部材16Aをリング隙間18に押し出して接合壁19とする。この方法は、凹部1bに充填された透光性接合部材16Aを接合剤14とするので、透光性接合部材16Aの充填量を、接合壁19と導光板1の第2主面1dが同一平面となる量に調整する必要がある。透光性接合部材16Aの充填量が少ないと、
図7に示すように、接合壁19の表面が導光板1の第2主面1dよりも低くなる。反対に透光性接合部材16Aの充填量の多いと、
図8に示すように、接合壁19がリング隙間18からはみ出して、接合壁19の表面が導光板1の第2主面1dから突出する。接合壁19の表面が導光板1の第2主面1dと同一平面でないと、発光部周辺の配光を理想的な状態にできない。凹部1bからはみ出した透光性接合部材や、透光性接合部材の充填されない隙間が、光の配光を狂わせるからである。透光性接合部材16Aの充填量は、接合壁19と導光板1の第2主面1dとが同一平面となるように調整されるが、僅かな充填量のバラツキが接合壁19と導光板1の第2主面1dとの相対位置を狂わせる原因となる。
【0064】
本実施形態の発光モジュール100Aは、透光性接合部材16Aの充填量のアンバランスによる接合壁19と導光板1の第2主面1dとの相対位置のズレを防止するために、接合壁19全体の体積を、凹部1bに配置される発光素子ユニット3Aの体積である凹部内体積よりも大きくしている。本実施形態において、発光素子ユニット3Aは光調整部10を凹部1bに配置しているので、凹部内体積は光調整部10の体積となる。したがって、本実施形態においては、接合壁19全体の体積を光調整部10の体積よりも大きくしている。接合壁19全体の体積が発光素子ユニット3Aの凹部内体積よりも大きい凹部1bは、充填する透光性接合部材16Aの充填量のバラツキに対して接合壁表面の位置ずれを少なくできる。
【0065】
たとえば、具体例として、
凹部の内形を、一辺が0.6mmである四角形で、深さを0.2mmとし、
光調整部の外形を、一辺を0.5mmとする四角形で厚さを0.2mmとし、
この凹部に光調整部を配置するとすれば、
発光素子ユニット3Aの凹部内体積は0.05mm
3、
接合壁19全体の体積は0.022mm
3となって、
接合壁19全体の体積は凹部内体積の約1/2となる。
この構造において、接合壁19表面のレベル差を±0.01mm以内とするには、
透光性接合部材の充填量を±0.0036mm
3以内と極めて正確にコントロールする必要がある。
【0066】
これに対して、
凹部1bの内形を一辺を1.0mmとする四角形で同じ深さとすれば、
凹部内体積は同じ0.05mm
3であるので、
接合壁19全体の体積は0.15mm
3と大きく、凹部内体積の約3倍とすれば、
接合壁19表面のレベル差を±0.01mm以内に調整するには、
透光性接合部材の充填量の誤差を±0.01mm
3以内と約2.8倍も大きくできる。
【0067】
このことから、リング隙間18の容積を大きくして、接合壁19のトータル体積を大きくしてなる発光モジュール100Aは、凹部1bに充填する透光性接合部材16Aの充填量の誤差を吸収して、接合壁19の表面レベルを導光板1の第2主面1dに正確に同一平面に配置できる。さらに、厚い接合壁19は、光調整部10から放射される光を透過して導光板1に案内するので、導光板1と光調整部10との間に、導光板1と異なる厚い接合壁19が積層される構造によって、光はより均一に分散されて導光板1から外部に放射される。また、発光素子ユニット3Aを凹部1bに接合して、接合壁19の表面レベルを導光板1の第2主面1dよりも低くして、その後、透光性接合部材16Aを凹部1bに補充して接合壁19の表面レベルを導光板1の第2主面1dと同一平面とする製造方法においても、凹部1bに補充する透光性接合部材16Aの充填量の誤差を大容量のリング隙間18が吸収して、接合壁19の表面レベルを第2主面1dと同一平面にできる。
【0068】
発光素子ユニット3Aを導光板1に固着した後、
図11Cに示す工程で、第2の封止樹脂部15Bを導光板1の第2主面1dに形成する。第2の封止樹脂部15Bには白色樹脂が使用され、発光素子ユニット3Aを内部に埋設する厚さに形成される。
【0069】
図12Aに示す工程で、硬化した第2の封止樹脂部15Bの表面を研磨して、電極端子23を表面に露出させる。
なお、
図11Cに示す工程では、第2の封止樹脂部15Bを、発光素子ユニット3を内部に埋設する厚さに形成したが、電極端子23の表面と同一平面、または電極端子23の表面よりも低い位置となる厚さに形成して、上述した研磨工程を省略してもよい。
【0070】
図12Bに示す工程で、封止樹脂部15の表面に導電膜24を積層する。この工程では、発光素子11の電極端子23と封止樹脂部15の上の略全面に、Cu/Ni/Auの金属膜24をスパッタ等で形成する。
【0071】
図12Cに示す工程で、導電膜24の一部を除去し、導電膜24を介して各々の発光素子11を電気接続する。
【0072】
以上の工程では、1枚の導光板1に複数の発光素子ユニット3Aを固着している発光モジュール100Aを製造する。1枚の導光板1’にひとつの発光素子ユニット3Aを固着して発光ビット5を製造する方法は、
図9A〜
図9D及び
図10A〜
図10Dで発光素子ユニット3Aを製作した後、
図11A及び
図11Bで示す工程で、一つの凹部1bを設けた導光板1の凹部1bに発光素子ユニット3Aを固着し、その後、
図11Cで示す工程と同様にして導光板1に第2の封止樹脂部15Bを接合し、さらに、
図12Aで示す工程と同様に第2の封止樹脂部15Bの表面を研磨して電極端子23を露出させ、さらに
図12Bで示す工程で導電膜24を積層して、
図12Cで示す工程で導電膜24の一部を除去して、一対の電源端子23に分離して導電膜24を電気接続する。
【0073】
以上の発光モジュール100Aは、光拡散部13と波長変換部12とを積層している光調整部10を発光素子11に固定して、光拡散部13のある光調整部10と発光素子11とを一体構造とする発光素子ユニット3Aとして導光板1に固着して製造している。この発光モジュール100Aは、光拡散部13を波長変換部12に積層して、導光板1の凹部1bに配置するので、光拡散部13を理想的な状態で能率よく導光板1の定位置に配置できる特徴がある。ただ、光拡散部13は必ずしも波長変換部12に積層して導光板1の凹部1bに接合することなく、
図13に示すように、光拡散部13を導光板1の凹部1bの底面に接合した後、波長変換部12と発光素子11とを一体構造とする発光素子ユニット3Bを導光板1の凹部1bに固着して製造することもできる。
【0074】
図13の発光モジュール100Bは、波長変換部12に光拡散部13を接合することなく、波長変換部12を発光素子11に接合してなる発光素子ユニット3Bを、導光板1の凹部1bに設けた光拡散部13に接合して製造される。この発光モジュール100Bは、光拡散部13を導光板1の凹部1bの底面に接合した後、波長変換部12と発光素子11とを一体構造とする発光素子ユニット3Bを凹部1bに配置し、波長変換部12を光拡散部13に接合して導光板1の凹部1bに固着される。この発光モジュール100Bは、凹部1b内において発光素子ユニット3Bの波長変換部12が光拡散部13に接合されて、光拡散部13に波長変換部12を接合した層からなる光調整部10が凹部1bに配置される。
【0075】
この発光素子ユニット3Bは、
図14A〜
図14C及び
図15A〜
図15Dに示す工程で製造される。
図14Aで示すように、表面に均一な厚さで波長変換部12を付着したベースシート30をプレート33に剥離できるように付着する。
図14Bに示す工程で、波長変換部12に発光素子11が接合される。発光素子11は、光放射面11c側を波長変換部12に接合する。発光素子11は、波長変換部12に所定の間隔で接合される。発光素子11は、透光性接合部材16Bを介して波長変換部12に接合する。透光性接合部材16Bは、波長変換部12や発光素子11の表面に塗布されて、発光素子11と波長変換部12を接合する。
図14Bは、塗布された透光性接合部材16Bが発光素子11の周囲にはみ出して発光素子11を波長変換部12に接合する状態を示している。
【0076】
図14Cに示す工程で、発光素子11を埋設するように、第1の封止樹脂部15Aを形成する。第1の封止樹脂部15Aは、好ましくは白色樹脂である。白色樹脂からなる第1の封止樹脂部15Aは、波長変換部12の表面に塗布され、発光素子11を埋設する状態で硬化する。第1の封止樹脂部15Aは、発光素子11を完全に埋設する厚さ、図にあっては発光素子11の電極11bを埋設する厚さに塗布される。
【0077】
図15A〜
図15Cに示す工程で、硬化した白色樹脂を研磨して発光素子11の電極11bを露出させた後、第1の封止樹脂部15Aの表面に金属膜22を設けて、電極11bに接続する。金属膜22の一部をドライエッチング、ウエットエッチング、レーザアブレーション等で除去して、電極11bに金属膜22を積層して発光素子ユニット3Bの電極端子23とする。
【0078】
図15Dに示す工程で、白色樹脂からなる第1の封止樹脂部15Aと、波長変換部12となる層を裁断して発光素子ユニット3Bに分離する。分離された発光素子ユニット3Bは、波長変換部12に発光素子11が接合され、発光素子11の周囲には第1の封止樹脂部15Aが設けられて、電極端子23を第1の封止樹脂部15Aの表面に露出させている。この発光素子ユニット3Bは、波長変換部12の外周面と第1の封止樹脂部15Aの外周面とを同一平面として、発光素子11が第1の封止樹脂部15Aに埋設されている。
【0079】
以上の工程で製造された発光素子ユニット3Bは、
図16A〜
図16D及び
図17A〜
図17Cに示す工程で、凹部1bの底面に光拡散部13を設けている導光板1の凹部1bに接合される。
図16Aで示す工程で、導光板1の凹部1bの底面に光拡散部13が形成される。光拡散部13は、凹部1bの底部に所定の厚さで形成される。
【0080】
図16Bで示す工程で、導光板1の凹部1bに設けた光拡散部13に発光素子ユニット3Bの波長変換部12が接合される。導光板1は、凹部1bの内部であって底部に設けた光拡散部13の表面に未硬化状態で液状の透光性接合部材16Aが塗布される。透光性接合部材16Aが塗布された凹部1bに発光素子ユニット3Bの波長変換部12を挿入し、発光素子ユニット3Bの波長変換部12を光拡散部13に接合させて、発光素子ユニット3Bを導光板1に固着する。発光素子ユニット3Bは、波長変換部12を凹部1bの中心に正確に挿入し、透光性接合部材16Aを硬化させて導光板1に接合される。この状態で、光拡散部13に波長変換部12が接合された層からなる光調整部10が凹部1bに配置される。凹部1bに塗布される未硬化状態にある透光性接合部材16Aは、発光素子ユニット3Bを導光板1に接合する状態で、リング隙間18に押し出されて接合壁19の表面レベルが導光板1の第2主面1dと同レベルなる充填量に調整される。
【0081】
波長変換部12を凹部1bに設けた光拡散部13に接合する透光性接合部材16Aは、未硬化状態で両者の表面に密着し、硬化して波長変換部12の表面を光拡散部13の表面に接合する。さらに、波長変換部12と光拡散部13の間から押し出された透光性接合部材16Aは、接合壁19となって、波長変換部12の外周を凹部1bの内周面に接合する。この製造方法は、凹部1bに充填した未硬化で液状の透光性接合部材16Aをリング隙間18に押し出して接合壁19とする。この方法は、凹部1bに充填された透光性接合部材16Aを接合剤14とするので、透光性接合部材16Aの充填量を、接合壁19と導光板1の第2主面1dが同一平面となる量に調整する。
【0082】
図13の発光モジュール100Bは、透光性接合部材16Aの充填量のアンバランスによる接合壁19と導光板1の第2主面1dとの相対位置のズレを防止するために、接合壁19全体の体積を、光拡散部13を設けた凹部1bに配置される発光素子ユニット3Bの体積である凹部内体積よりも大きくしている。本実施形態において、発光素子ユニット3Bは波長変換部12を凹部1bに配置しているので、凹部内体積は波長変換部12の体積となる。したがって、本実施形態においては、接合壁19全体の体積を波長変換部12の体積よりも大きくしている。接合壁19全体の体積が発光素子ユニット3Bの凹部内体積よりも大きい凹部1bは、充填する透光性接合部材16Aの充填量のバラツキに対して接合壁表面の位置ずれを少なくできる。リング隙間18の容積を大きくして、接合壁19のトータル体積を大きくしてなる発光モジュール100Bは、凹部1bに充填する透光性接合部材16Aの充填量の誤差を吸収して、接合壁19の表面レベルを導光板1の第2主面1dに正確に同一平面に配置できる。
【0083】
発光素子ユニット3Bを導光板1に固着した後、
図16Dに示す工程で、第2の封止樹脂部15Bを導光板1の第2主面1dに形成する。第2の封止樹脂部15Bには白色樹脂が使用され、発光素子ユニット3を内部に埋設する厚さに接合される。
図17Aに示す工程で、硬化した第2の封止樹脂部15Bの表面を研磨して、電極端子23を表面に露出させる。その後、
図17B及び
図17Cに示す工程で、封止樹脂部15の表面に導電膜24を積層した後、導電膜24の一部を除去し、一対の電源端子23に分離して導電膜24を電気接続する。
【0084】
以上の工程では、1枚の導光板1に複数の発光素子ユニット3Bを固着している発光モジュール100Bを製造する。1枚の導光板1’にひとつの発光素子ユニット3Bを固着して発光ビット5を製造する方法は、
図14A〜
図14C及び
図15A〜
図15Dで発光素子ユニット3Bを製作した後、
図16A〜
図16Cで示す工程で、一つの凹部1bを設けた導光板1の凹部1bに光拡散部13を設けて、この光拡散部13に発光素子ユニット3の波長変換部12を固着して光調整部10を形成し、その後、
図16Dで示す工程と同様にして導光板1に第2の封止樹脂部15Bを接合し、さらに、
図17Aで示す工程と同様に第2の封止樹脂部15Bの表面を研磨して電極端子23を露出させ、さらに
図17Bで示す工程で導電膜24を積層して、
図17Cで示す工程で導電膜24の一部を除去して、一対の電源端子23に分離して導電膜24を電気接続する。
【0085】
さらに、
図18の発光モジュール100Cは、発光素子11に波長変換部12と光拡散部13を接合することなく、導光板1の凹部1bに光拡散部13と波長変換部12を接合して光調整部10を設けて、光調整部10の波長変換部12の表面に発光素子11を接合して製造される。この発光モジュール100Cは、
図19A〜
図21Bに示す以下の工程で製造される。
【0086】
図19Aに示す工程で、導光板1の凹部1bの底面に光拡散部13を形成する。光拡散部13は、凹部1bの底部に所定の厚さで形成されて固着される。次に、
図19Bで示す工程で、導光板1の凹部1bの内部であって、凹部1bに設けた光拡散部13の表面に波長変換部12が形成される。波長変換部12は光拡散部13に積層されて、接合される。この状態で、光拡散部13に波長変換部12が接合された層からなる光調整部10が凹部1bに形成される。
【0087】
図19Cに示す工程で、光調整部10の波長変換部12に発光素子11が接合される。発光素子11は、光放射面11c側を波長変換部12の中心に接合される。発光素子11は、透光性接合部材16Bを介して波長変換部12に接合する。透光性接合部材16Bは、波長変換部12や発光素子11の表面に塗布されて、発光素子11と波長変換部12を接合する。
図20Aは、塗布された透光性接合部材16Bが発光素子11の周囲にはみ出して発光素子11を波長変換部12に接合する状態を示している。
【0088】
発光素子11を波長変換部12に接合して発光素子11を導光板1に固着した後、
図20Bで示す工程で、封止樹脂部15を導光板1の第2主面1dに形成する。封止樹脂部15は、発光素子11の周囲にあって、発光素子11を完全に埋設する厚さとなるように、導光板1の第2主面1dに接合される。封止樹脂部15には白色樹脂が使用される。この発光モジュール100Cは、発光素子11の周囲に第1の封止樹脂部を設けることなく、発光素子11の周囲と導光板1の第2主面1dの表面側とを封止樹脂部15で一体的に被覆する。
【0089】
図20Cに示す工程で、硬化した封止樹脂部15の表面を研磨して、電極端子23を表面に露出させる。その後、
図21A及び
図21Bに示す工程で、封止樹脂部15の表面に導電膜24を積層した後、導電膜24の一部を除去し、一対の電源端子23に分離して導電膜24を電気接続する。
【0090】
以上の工程では、1枚の導光板1に複数の凹部1を設けて、各凹部1bに光拡散部13と波長変換部12とを積層して光調整部10を設けた後、光調整部10の波長変換部12に発光素子11を接合して発光モジュール100Cを製造する。1枚の導光板1’にひとつの発光素子11を配置して発光ビット5を製造する方法は、
図19A及び
図19Bと同様にして、導光板1の凹部1bの底面に光拡散部13を設けて、この光拡散部13に波長変換部12を接合して光調整部10を設け、さらに、
図19C及び
図20Aと同様にして光調整部10の波長変換部12の表面の中心に発光素子11を接合する。その後、
図20Bで示す工程と同様にして導光板1の第2主面1dに封止樹脂部15を設け、さらに、
図20C〜
図21Bで示す工程と同様に、封止樹脂部15の表面を研磨して電極端子23を露出させて導電膜24を積層し、導電膜24の一部を除去して、一対の電源端子23に分離して導電膜24を電気接続する。
【0091】
以上の実施形態に示す発光モジュール100A、100B、100Cは、凹部1bに配置される光拡散部13と波長変換部12とを厚さが均一な層として、互いに積層する状態で接合して光調整部10としている。ただ、発光モジュールは、
図22及び
図23に示すように、光調整部10が光拡散部13と波長変換部12の境界部分において、部分的に凹凸を有する形状としてもよい。
【0092】
図22に示す発光モジュール100Dは、凹部1bの底面に配置される光拡散面13の表面であって、波長変換部12側の表面に突起13aを設けている。図の光拡散部13は、発光素子11の光放射面11cと対向する領域の中央部に1つの突起13aを設けている。図に示す突起13aは、光拡散部13の表面から発光素子11に向かって延伸された先窄み形状としている。このような突起13aとして、外形を円錐状あるいは角錐状の山形状として側面をテーパー面とすることができる。あるいは、突起13aは、側面を湾曲面とし、あるいはまた全体の形状を球面状やドーム状とすることもできる。さらに、光拡散部は、複数の突起を設けても良い。
【0093】
光拡散部13の表面には波長変換部12が積層されて接合されている。したがって、波長変換部12は、光拡散部13に設けた突起13aと対向する位置に、突起13aの外形に沿う内形の窪み部12aが形成されている。このように、光拡散面13が突起13aを有し、波長変換部12が窪み部12aを有する光調整部10は、発光素子11から光調整部10に入射される光を、この突起13aと窪み部12aの境界面で反射させることで、側面への出射光量(効率)を向上させることができる。また、同時に、中央部への出射光量(効率)を抑制することができる。
【0094】
この光調整部10は、側面へ出射光量(効率)と中央部への出射光量(効率)が最適となるように、光拡散部13に設ける突起13aの大きさ、形状、個数等を種々に変更できる。光調整部10は、突起13aを設ける領域を発光素子11の光照射面11cに対して大きくすることで、側面への出射光量(効率)を向上させて、中央部への出射光量(効率)を抑制できる。また、突起13aの表面における反射率が高くなるように突起13aの表面の傾斜角や湾曲度を調整することで、側面への出射光量(効率)を向上させて、中央部への出射光量(効率)を抑制できる。
【0095】
また、
図23に示す発光モジュール100Eは、凹部1bの底面に配置される光拡散面13の表面であって、波長変換部12側の表面に窪み部13bを設けている。図の光拡散部13は、発光素子11の光放射面11cと対向する領域の中央部に1つの窪み部13bを設けている。図に示す窪み部13bは、光拡散部13の表面から凹部1bの底面に向かって延伸された先窄み形状としている。このような窪み部13bとして、内形を逆円錐状あるいは逆角錐状のすり鉢状として側面をテーパー面とすることができる。あるいは、窪み部13bは、側面を湾曲面とし、あるいはまた全体の形状を球面状やお椀状とすることもできる。さらに、光拡散部は、複数の窪み部を設けても良い。
【0096】
光拡散部13の表面には波長変換部12が積層されて接合されている。したがって、波長変換部12は、光拡散部13に設けた窪み部13bと対向する位置に、窪み部13bの内形に沿う外形の突起12bが形成されている。このように、光拡散面13が窪み部13bを有し、波長変換部12が突起12bを有する光調整部10は、発光素子11から光調整部10に入射される光を、この窪み部13bと突起12bの境界面で反射させることで、中央部への出射光量(効率)を向上させることができる。また、同時に、側面への出射光量(効率)を抑制することができる。
【0097】
この光調整部10は、中央部へ出射光量(効率)と側面への出射光量(効率)が最適となるように、光拡散部13に設ける窪み部13bの大きさ、形状、個数等を種々に変更できる。光調整部10は、窪み部13bを設ける領域を発光素子11の光照射面11cに対して大きくすることで、中央部への出射光量(効率)を向上させて、側面への出射光量(効率)を抑制できる。また、窪み部13bの表面における反射率が高くなるように窪み部13bの表面の傾斜角や湾曲度を調整することで、中央部への出射光量(効率)を向上させて、側面への出射光量(効率)を抑制できる。
【0098】
以上の実施形態の発光モジュール100において、複数の発光素子ユニット3は、それぞれが独立で駆動するように配線されてもよい。また、導光板1を複数の範囲に分割し、1つの範囲内に実装された複数の発光素子ユニット3を1つのグループとし、該1つのグループ内の複数の発光素子ユニット3同士を直列又は並列に電気的に接続することで同じ回路に接続し、このような発光素子ユニットグループを複数備えるようにしてもよい。このようなグループ分けを行うことで、ローカルディミング可能な発光モジュールとすることができる。
【0099】
本実施形態の発光モジュール100は、1つが1つの液晶ディスプレイ装置のバックライトとして用いられてもよい。また、複数の発光モジュール100が並べられて1つの液晶ディスプレイ装置1000のバックライトとして用いられてもよい。小さい発光モジュール100を複数作り、それぞれ検査等を行うことで、大きく実装される発光素子11の数が多い発光モジュール100を作成する場合と比べて、歩留まりを向上させることができる。
【0100】
発光モジュール100は、
図24に示すように、配線基板25を有していてもよい。配線基板25は、例えば、配線基板25を構成する絶縁性の基材に設けられた複数のビアホール内に充填された導電性部材26と、基材の両面側において導電性部材26と電気的に接続された配線層27を形成している。そして、電極11bが、導電性部材26を介して配線層27と電気的に接続されている。
なお、1つの発光モジュール100は1つの配線基板に接合されてもよい。また、複数の発光モジュール100が、1つの配線基板に接合されてもよい。これにより、外部との電気的な接続端子(例えばコネクタ)を集約できる(つまり、発光モジュール1つごとに用意する必要がない)ため、液晶ディスプレイ装置1000の構造を簡易にすることができる。
【0101】
また、この複数の発光モジュール100が接合された1つの配線基板を複数並べて一つの液晶ディスプレイ装置1000のバックライトとしてもよい。この時、例えば、複数の配線基板をフレーム等に載置し、それぞれコネクタ等を用いて外部の電源と接続することができる。
【0102】
なお、導光板1上には、拡散等の機能を有する透光性の部材をさらに積層してもよい。その場合、光学機能部1aが凹みである場合には、凹みの開口(つまり、導光板1の第1主面1cに近い部分)を塞ぐが、凹みを埋めないように、透光性の部材を設けることが好ましい。これにより、光学機能部1aの凹み内に空気の層を設けることができ、発光素子11からの光を良好に広げることができる。