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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-175887(P2019-175887A)
(43)【公開日】2019年10月10日
(54)【発明の名称】発光素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/14 20100101AFI20190913BHJP
   H01L 33/44 20100101ALI20190913BHJP
   C30B 31/00 20060101ALI20190913BHJP
【FI】
   H01L33/14
   H01L33/44
   C30B31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-59003(P2018-59003)
(22)【出願日】2018年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】福井 義典
(72)【発明者】
【氏名】松下 良樹
(72)【発明者】
【氏名】岸 明徳
(72)【発明者】
【氏名】大栗 高章
【テーマコード(参考)】
4G077
5F241
【Fターム(参考)】
4G077FH09
5F241AA03
5F241AA21
5F241CA04
5F241CA40
5F241CA74
5F241CA77
5F241CA92
5F241CB04
5F241CB36
(57)【要約】
【課題】特性を安定化できる発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、発光素子の製造方法は、第1導電形の半導体を含む第1半導体層と、第2導電形の半導体を含む第2半導体層と、第1半導体層と第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含む半導体積層体を準備する準備工程を含む。製造方法は、第1半導体層に、絶縁材料からなる第1層を形成する第1層形成工程を含む。製造方法は、第1半導体層の一部及び第1層の一部を除去する除去工程を含む。製造方法は、除去工程の後に、半導体積層体を、酸素を含む雰囲気で処理することにより、除去工程で形成された第1半導体層の第1面を含む部分に酸素を導入する処理工程を含む。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電形の半導体を含む第1半導体層と、第2導電形の半導体を含む第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含む半導体積層体を準備する準備工程と、
前記第1半導体層に、絶縁材料からなる第1層を形成する第1層形成工程と、
前記第1半導体層の一部及び第1層の一部を除去する除去工程と、
前記除去工程の後に、前記半導体積層体を、酸素を含む雰囲気で処理することにより、前記除去工程で形成された前記第1半導体層の第1面を含む部分に酸素を導入する処理工程と、
を備えた、発光素子の製造方法。
【請求項2】
前記除去工程は、前記発光層の一部と、前記第2半導体層の一部とを、さらに除去することを含み、
前記処理工程は、前記除去工程で形成された前記第2半導体層の第2面を含む部分、及び、前記除去工程で形成された前記発光層の第3面を含む部分にさらに酸素を導入することを含む、請求項1記載の発光素子の製造方法。
【請求項3】
前記処理工程の後に、絶縁材料からなる第2層を形成する第2層形成工程をさらに備え、
前記第2層は、前記第1層と、前記第1面を含む前記部分と、前記第2面を含む前記部分と、前記第3面を含む前記部分と、を覆う、請求項2記載の発光素子の製造方法。
【請求項4】
前記第2層は、シリコン及び酸素を含む、請求項3記載の発光素子の製造方法。
【請求項5】
前記第2層形成工程の後に、前記第2層の一部を除去して前記第2半導体層の一部を前記第2層から露出させ、前記第2半導体層の前記一部に第2電極を形成する第2電極形成工程をさらに備える、請求項3または4に記載の発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記第1層は、シリコン及び酸素を含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記準備工程と前記第1層形成工程との間において、第1電極を形成する第1電極形成工程をさらに備え、
前記第1電極は、前記第1半導体層の一部に設けられ、
前記第1層は、前記第1電極と、前記第1半導体層のうちの前記第1電極に覆われていない領域と、を覆う、請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記処理工程は、酸素プラズマを用いた処理を含む、請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子において、安定した特性が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−208012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特性を安定化できる発光素子の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光素子の製造方法は、第1導電形の半導体を含む第1半導体層と、第2導電形の半導体を含む第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含む半導体積層体を準備する準備工程を含む。前記製造方法は、前記第1半導体層に、絶縁材料からなる第1層を形成する第1層形成工程を含む。前記製造方法は、前記第1半導体層の一部及び第1層の一部を除去する除去工程を含む。前記製造方法は、前記除去工程の後に、前記半導体積層体を、酸素を含む雰囲気で処理することにより、前記除去工程で形成された前記第1半導体層の第1面を含む部分に酸素を導入する処理工程を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、特性を安定化できる発光素子の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図1B】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図1C】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図1D】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図2A】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図2B】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図2C】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図2D】実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図3】実施形態に係る発光素子を例示する模式的平面図である。
図4】実施形態に係る発光素子を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1A図1D、及び、図2A図2Dは、実施形態に係る発光素子の製造方法を例示する模式的断面図である。
図1Aに示すように、半導体積層体15を準備する(準備工程)。半導体積層体15は、第1半導体層11、発光層13及び第2半導体層12を含む。第1半導体層11は、第1導電形である。第2半導体層12は、第2導電形である。第1導電形は、p形及びn形の一方である。第2導電形は、p形及びn形の他方である。以下では、第1導電形をp形とし、第2導電形をn形とする。第2半導体層12から第1半導体層11への方向をZ軸方向とする。
【0010】
発光層13は、第1半導体層11と第2半導体層12との間に設けられる。この例では、基体10sが設けられている。基体10sは、例えば基板である。1つの例において、基板は、サファイア基板である。基体10sと第1半導体層11との間に第2半導体層12が設けられる。
【0011】
この例では、第1電極21が設けられている。Z軸方向において、第1電極21と第2半導体層12の間に第1半導体層11が設けられる。例えば、第1半導体層11の一部は、第1電極21と重ならない。
【0012】
図1Bに示すように、第1半導体層11に、第1層31を形成する(第1層形成工程)。第1層31は、例えば、絶縁材料からなる。この例では、第1層31は、第1電極21、及び、第1半導体層11の一部(第1電極21と重ならない部分)に形成される。
【0013】
図1Cに示すように、第1層31の一部を除去する。例えば、マスクを用いたエッチングにより、第1層31の一部が除去される。第1層31に第1開口部31oが形成される。第1開口部31oにおいて、第1半導体層11の一部が露出する。
【0014】
さらに、図1Dに示すように、半導体積層体15の一部を除去する。第1層31の一部の除去、及び、半導体積層体15の一部の除去は、一括して実施されても良い。
【0015】
半導体積層体15の一部の除去は、少なくとも、第1半導体層11の一部の除去を含む。このように、図1C及び図1Dに示す工程では、第1半導体層11の一部及び第1層31の一部が除去される(除去工程)。
【0016】
この例では、除去工程において、発光層13の一部と、第2半導体層12の一部と、がさらに除去される。このように、実施形態において、この除去工程は、第1半導体層11の一部の除去に加えて、発光層13の一部と、第2半導体層12の一部と、をさらに除去することを含んでも良い。
【0017】
図1Dに示すように、除去工程により、第1半導体層の第1面11fが新たに形成される。除去工程において、第2半導体層12の一部が除去される場合には、除去工程により、第2半導体層12の第2面12fが新たに形成される。除去工程において、発光層13の一部が除去される場合には、除去工程により、発光層13の第3面13fが新たに形成される。
【0018】
図2Aに示すように、除去工程の後に、半導体積層体15を、酸素を含む雰囲気81で処理する(処理工程)。酸素を含む雰囲気81は、例えば、酸素プラズマを含む。これにより、第1半導体層11の第1面11fを含む第1部分p1に酸素が導入される。この例では、処理工程において、第2面12f及び第3面13fも酸素を含む雰囲気81で処理され、これらの面を含む部分に酸素が導入される。このように、処理工程は、第2半導体層12の第2面12fを含む部分、及び、発光層13の第3面13fを含む部分に、さらに酸素を導入することを含んでも良い。
【0019】
このように、実施形態においては、第1〜第3部分p1〜p3に酸素が導入される。これにより、例えば、第1部分p1の抵抗は、第1半導体層11のうちの第1部分p1を除く部分の抵抗よりも高くなる。例えば、第2部分p2の抵抗は、第2半導体層12のうちの第2部分p2を除く部分の抵抗よりも高くなる。例えば、第3部分p3の抵抗は、発光層13のうちの第3部分p3を除く部分の抵抗よりも高くなる。
【0020】
これらの第1〜第3部分p1〜p3は、半導体積層体15の側面を含む部分に対応する。これらの第1〜第3部分p1〜p3において高い抵抗が得られることで、例えば、半導体積層体15の側面を介したリークが抑制できる。例えば、リークに起因した動作の不安定性が抑制できる。例えば、特性を安定化した発光素子の製造方法が提供できる。
【0021】
図2Bに示すように、上記の処理工程の後に、絶縁材料からなる第2層32を形成しても良い(第2層形成工程)。
【0022】
第2層32は、第1層31と、第1面11fを含む上記の第1部分p1と、第2面12fを含む上記の第2部分p2と、第3面13fを含む上記の第2部分p2と、を覆う。第2層32を設けることで、より高い保護性能が得られる。
【0023】
さらに、以下の方法により、第2電極を形成しても良い。
図2Cに示すように、第2層形成工程の後に、第2層32の一部を除去する。第2層32に第2開口部32oが形成される。第2開口部32oにおいて、第2半導体層12の一部が露出する。
【0024】
図2Dに示すように、第2半導体層12の露出したこの一部に、第2電極22を形成する(第2電極形成工程)。このように、実施形態に係る製造方法は、第2層32の一部が除去されて露出した、第2半導体層12の一部に第2電極22を形成する第2電極形成工程をさらに含んでも良い。
【0025】
上記の方法により、発光素子が得られる。この発光素子によれば、上記の第1〜第3部分p1〜p3(半導体積層体15の側面)において高い抵抗が得られる。半導体積層体15の側面を介したリークが抑制できる。例えば、特性を安定化した発光素子が提供できる。
【0026】
発光素子において、駆動電圧にばらつきが生じる場合がある。半導体積層体15の側面でリーク電流が生じ、このリーク電流により駆動電圧が変動する場合があると考えられる。
【0027】
例えば、図1Bに例示した工程において、第1層31を形成すると、第1半導体層11と第1層31との間の界面部分11aの抵抗が低くなる場合がある。界面部分11aの抵抗は、他の部分の抵抗よりも低い。この後、図1Dに例示した工程において、半導体積層体15の一部を除去して、第1〜第3面11f〜13fを形成する。このとき、低抵抗の界面部分11aは、残っている。この後、図2Aに例示した処理を行わないで、図2B及び図2Cの工程を行うと、半導体積層体15の側面には、低抵抗の界面部分11aが存在する。このため、低抵抗の界面部分11aを介したリーク電流が生じ易い。これにより、駆動電圧のばらつきが生じると、考えられる。
【0028】
これに対して、実施形態においては、図2Aに例示した、酸素を含む雰囲気81での処理を行う。これにより、第1面11fを含む第1部分p1の抵抗が高くなる。これにより、リーク電流が抑制される。さらに、酸素を含む雰囲気81での処理により、第2面12fを含む第2部分p2、及び、第3面13fを含む第3部分p3の抵抗も高くなる。これにより、さらにリーク電流が抑制できる。その結果、駆動電圧のばらつきを抑制できる。実施形態によれば、特性を安定化できる発光素子の製造方法が提供できる。
【0029】
酸素を含む雰囲気81の処理は、半導体積層体15の一部を除去した部分(図1Dに例示した、第1開口部31oにおいて露出する部分)の他に、半導体積層体15の外周部分にも行われても良い。これにより、外周部分におけるリーク電流も低減できる。
【0030】
第1層31としてSiNが用いられる場合、第1半導体層11の、第1層31の側の界面部分11a(図1D参照)において、抵抗は低くなり難く、リーク電流は比較的小さい。しかしながら、SiNにおいては、光吸収が大きいため、光取り出し効率が低下し易い。
【0031】
一方、第1層31として、光吸収が小さいSiOを用いることが考えられる。しかしながら、この場合には、界面部分11a(図1B参照)において、抵抗は低くなり易いことが分かった。SiO層をCVDなどにより形成する際に、第1半導体層11とSiO層との間の界面に不完全な酸化層が形成され、この不完全な酸化層におけるダングリングボンドにより、抵抗が低くなると、考えられる。
【0032】
このとき、実施形態においては、酸素を含む雰囲気81での処理を行うことで、低抵抗の界面部分11aが形成された場合においても、表面の抵抗を高くでき、リーク電流を低減できる。これにより、光吸収の小さいSiOを第1層31に用いた場合にも、リーク電流を低減し、安定した特性を得ることができる。そして、高い光取り出し効率が得られる。
【0033】
図2Aに例示した、酸素を含む雰囲気81での処理は、例えば、電極(第1電極21など)が第1層31で覆われている状態で行われることが好ましい。酸素を含む雰囲気81での処理が電極にも行われると、電極が酸化される。例えば、電極が銀を含む場合、酸化銀が形成される。このため、所望の導電状態が得難くなる。電極(第1電極21など)が第1層31で覆われている状態で酸素を含む雰囲気81での処理を行うことで、所望の導電特性が維持できる。
【0034】
実施形態の1つの例において、第1層31は、シリコン及び酸素を含む。1つの例において、第1層31は、例えば、SiOを含む。これにより、光吸収が抑制でき、高い光取り出し効率が得られる。実施形態の1つの例において、第2層32は、例えば、シリコン及び酸素を含む。第2層32は、例えば、SiOを含む。これにより、光吸収が抑制でき、高い光取り出し効率が得られる。高い絶縁性が得られ、高い信頼性が得られる。1つの例において、第1層31は、例えば、SiONを含む。これにより、光吸収が抑制でき、高い光取り出し効率が得られる。また優れた防湿性を有し、高い信頼性が得られる。第2層32は、例えば、SiONを含む。これにより、光吸収が抑制でき、高い光取り出し効率が得られる。また優れた防湿性を有し、高い信頼性が得られる。
【0035】
実施形態において、酸素を含む雰囲気81での処理により、半導体積層体15の一部(第1〜第3部分p1〜p3)に酸素が入る。例えば、第1部分p1における酸素の濃度は、第1半導体層11の、第1部分p1以外の部分における酸素の濃度よりも高い。例えば、第2部分p2における酸素の濃度は、第2半導体層12の、第2部分p2以外の部分における酸素の濃度よりも高い。例えば、第3部分p3における酸素の濃度は、発光層13の、第3部分p3以外の部分における酸素の濃度よりも高い。
【0036】
図1Dに例示した、半導体積層体15の一部の除去では、例えば、塩素系のガスを用いたドライエッチング(RIE等)が行われる。
【0037】
実施形態に係る製造方法は、第1電極21の形成(第1電極形成工程)を含んでも良い。第1電極形成工程では、準備工程と第1層形成工程との間において、第1電極21が形成される。第1電極21は、第1半導体層11の一部に設けられる。第1層31は、第1電極21と、第1半導体層11のうちの第1電極21に覆われていない領域と、を覆う。
【0038】
第1電極21となる膜は、例えば、スパッタなどの方法により形成できる。マスクを用いた成膜を行っても良い。第1電極21となる膜を形成した後に、その膜の一部を除去しても良い。
【0039】
実施形態において、第1電極21は、Ag、Al、Ni、Ti、Ta、Pt及びRuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2電極22は、Ag、Al、Ni、Ti、Pt、Rh、Au及びRuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0040】
半導体積層体15は、例えば、窒化物半導体を含む。窒化物半導体は、例えば、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)を含む。第1半導体層11は、例えば、不純物としてMgを含む。第2半導体層12は、例えば、不純物としてSiを含む。
【0041】
以下、本実施形態に係る発光素子の例について説明する。
図3は、実施形態に係る発光素子を例示する模式的平面図である。
図4は、実施形態に係る発光素子を例示する模式的断面図である。
図3は、図4の矢印ARからみた平面図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である。図3及び図4に示すように、発光素子110は、半導体積層体15(第1半導体層11、第2半導体層12及び発光層13)、第1電極21、第2電極22、第1層31及び第2層32を含む。第1電極21は、第1半導体層11と電気的に接続される。第2電極22は、第2半導体層12と電気的に接続される。
【0042】
Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。発光素子110の厚さ(例えばZ軸方向に沿う長さ)は、例えば、50μm以上5000μm以下である。発光素子110の厚さは、例えば、150μmである。発光素子110の1つの辺の長さ(例えばX軸方向またはY軸方向に沿う長さ)は、例えば、500μm以上2000μm以下である。
【0043】
この例では、第1パッド層21Pが設けられる。Z軸方向において、第1パッド層21Pと第1半導体層11との間に、第1電極21が設けられる。第1パッド層21Pは、第1電極21と電気的に接続される。Z軸方向において、第1パッド層21Pの一部と、第1電極21の一部と、の間に、第1層31の一部が設けられる。
【0044】
この例では、Z軸方向において、第2電極22の一部と、第2半導体層12と、の間に、第2層32の一部が設けられる。Z軸方向において、第2電極22の別の一部と、第1半導体層11と、の間に、第1層31の一部、及び、第2層32の一部が設けられる。
【0045】
第1電極21は、例えば、Ag膜を含む。第1パッド層21Pは、例えば、Ag/Ni/Ti/Ptの積層膜を含む。第2電極22は、例えば、Ti/Pt/Auの積層膜を含む。
【0046】
実施形態によれば、特性を安定化できる発光素子の製造方法を提供できる。
【0047】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0048】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光素子の製造方法で用いられる基板、半導体積層体、電極及び層などのそれぞれの具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0049】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0050】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0051】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0052】
10s…基体、 11…第1半導体層、 11a…界面部分、 11f…第1面、 12…第2半導体層、 12f…第2面、 13…発光層、 13f…第3面、 15…半導体積層体、 21…第1電極、 21P…第1パッド層、 22…第2電極、 31…第1層、 31o…第1開口部、 32…第2層、 32o…第2開口部、 81…雰囲気、 AR…矢印、 p1〜p3…第1〜第3部分
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4