特開2019-176749(P2019-176749A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-176749(P2019-176749A)
(43)【公開日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】ゲル状食品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 29/281 20160101AFI20190920BHJP
【FI】
   A23L29/281
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-66532(P2018-66532)
(22)【出願日】2018年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】特許業務法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 渉
(72)【発明者】
【氏名】久保内 宏晶
【テーマコード(参考)】
4B041
【Fターム(参考)】
4B041LC03
4B041LD01
4B041LE08
4B041LK05
4B041LK07
4B041LK08
4B041LK14
4B041LK18
4B041LK21
4B041LK25
4B041LK37
4B041LK38
4B041LP01
4B041LP04
4B041LP16
4B041LP17
4B041LP18
(57)【要約】
【課題】しっかりとした硬さと、締まった食感と、口溶けの良さと、を有する新規のゲル状食品を提供すること。特に、卵由来成分を熱凝固させることによりゲル化させる食品についてのしっかりとした硬さと、締まった食感と、口溶けの良さと、を有する新規のゲル状食品を提供すること。
【解決手段】本発明は、タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、1.5重量%以上6.5重量%以下のタンパク質と、6重量%以上15重量%以下の脂質と、0.1重量%以上2重量%以下の乳化剤及び/又は リン脂質の2種類以上と、を含み、食品中の抽出脂質の10℃以上30℃以下における固体脂含量の傾きが2.1以上5以下、かつラウリン酸含量が0.01%以上45%以下であり、食品中の配合比が最も低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体における配合比率が15重量%以上であることを特徴とするゲル状食品を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、
1.5重量%以上6.5重量%以下のタンパク質と、
6重量%以上15重量%以下の脂質と、
0.1重量%以上2重量%以下の乳化剤及び/又はリン脂質の2種類以上と、
を含み、
食品中の抽出脂質の10℃以上30℃以下における固体脂含量の傾きが2.1以上5以下、かつラウリン酸含量が0.01%以上45%以下であり、
食品中の配合比が最も低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体における配合比率が15重量%以上であることを特徴とするゲル状食品。
【請求項2】
前記乳化剤が有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル(SE、HLB10未満)、PGPRのいずれかであり、前記リン脂質が大豆レシチン、卵黄レシチン、乳リン脂質、ひまわりレシチンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のゲル状食品。
【請求項3】
テクスチャーアナライザーによる貫入試験により得られる硬度の傾きが15gf/mm以上250gf/mm以下である請求項1又は請求項2に記載のゲル状食品。
【請求項4】
テクスチャーアナライザーによる貫入試験により得られる硬度が60gf以上600gf以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゲル状食品。
【請求項5】
動的粘弾性測定装置による貯蔵弾性率の温度依存性試験により得られる(G’)の比(%)が0.01%以上20%未満である請求項1から請求項4のいずれかに1項に記載のゲル状食品。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のゲル状食品の製造方法であって、
卵由来成分以外の原材料であって、乳化剤及び/又はリン脂質の2種類以上を溶解又は分散させる第一の組成物の予備乳化工程(1)と、
第一の組成物を加熱殺菌する工程(2)と、
卵由来成分を添加して第二の組成物を得る工程(3)と、
第二の組成物を均質化する工程(4)と、
均質化した第二の組成物を容器に充填し密封する工程(5)と、
前記(5)の容器に密封された第二の組成物を加熱、及び冷却する工程(6)を含むことを特徴とするゲル状食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル状食品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今は食品の嗜好が多様化しており、様々な食感の食品が求められていることから、これまでにゲル状食品に関するいくつかの発明が開示されている。
特許文献1は、焼プリンのような硬い食感を有しながら、口溶けが良好であるという、新しい食感を有するゲル状食品およびその製造方法を提供することを課題とし、JIS K6503によるゼリー強度が50〜300ブルームであるゼラチン、日寒式によるゼリー強度が200〜400g/cmである寒天、および水を含有し、該ゼラチンの含量が0.35重量%〜2重量%、寒天の含量が0.07重量%〜0.7重量%である第1の組成物を、85℃以上に加熱する工程aと、前記工程aの後、前記第1の組成物を少なくとも40℃になるまでは流動させながら冷却して、該第1の組成物の液温を25℃以下にする工程bと、前記工程bの後、前記第1の組成物を30〜55℃に加熱する工程cと、 前記工程cの後、前記第1の組成物を20〜25℃に冷却する工程dと、起泡性を有する起泡性組成物を、25℃以下の温度でオーバーランが100%以上となるように起泡させて第2の組成物を得る起泡工程と、前記工程dを終えた第1の組成物と、前記起泡工程で得た第2の組成物とを、混合後のオーバーランが20〜80%となるように混合して第3の組成物を得る混合工程と、前記第3の組成物を冷却してゲル化させるゲル化工程を有することを特徴とする、ゲル状食品の製造方法を開示している。
【0003】
特許文献2は、卵由来成分や乳清タンパク質を含み、ハイドロコロイドを用いてゲル化させるタイプのゲル状食品において、加熱殺菌工程を経ても、滑らかな食感が得られ、外観に凝集物の斑点が生じないようにすることを目的とし、卵由来成分及び/又は乳清タンパク質が配合され、かつハイドロコロイドでゲル化させてなるゲル状食品であって、さらに有機酸モノグリセリド及びHLBが10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが配合されてなることを特徴とするゲル状食品を開示している。
【0004】
特許文献3は、原料液にカゼインタンパク質を含むとともに、ゲル化剤としてκカラギナンを用いたゲル状食品において、カゼインタンパク質が由来する乳原料の熱履歴が変動しても、ゲル状食品の安定した硬度が得られるようにすることを目的とし、カゼインタンパク質を含有するとともにゲル化剤としてκカラギナンを含む原料液を、ゲル化してなるゲル状食品であって、前記原料液にチーズホエイ由来のタンパク質が配合されていることを特徴とするゲル状食品を開示している。
【0005】
しかしながら、特許文献1では、起泡物を混合する等煩雑な製造工程が必要であり、製造コストが高い課題がある。また、特許文献2、特許文献3では、ゲル化の主体がゲル化剤であるゲル状食品であり、しっかりとした硬さと口溶けの良さを両立するのが困難である。したがって、簡便な製造工程で製造可能なしっかりとした硬さと口溶けの良さを兼ね備えたゲル状食品は開示されていない。
また、特許文献1〜3のいずれの文献も、食品のゲル化にゼラチン、寒天、ペクチン、アルギン酸ナトリウム等のゲル化剤を用いることを必須としており、卵由来成分を熱凝固させることによりゲル化させる食品についてのしっかりとした硬さと口溶けならびに締まった食感に関する課題については開示も示唆も無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−68608号公報
【特許文献2】特開2002−262787号公報
【特許文献3】特開2005−110561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願は、しっかりとした硬さと、締まった食感と、口溶けの良さと、を有する新規のゲル状食品を提供することを課題とする。特に、卵由来成分を熱凝固させることによりゲル化させる食品についてのしっかりとした硬さと、締まった食感と、口溶けの良さと、を有する新規のゲル状食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、タンパク質と、特定の脂質と、2種類以上の乳化剤及び/又はリン脂質と、を所定量含有させることにより、しっかりとした硬さと、締まった食感と、口溶けの良さと、を有するゲル状食品を調製できることを見出し、本発明のゲル状食品とその製造方法を完成させた。
すなわち、本発明には以下の構成が含まれる。
[1]タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、
1.5重量%以上6.5重量%以下のタンパク質と、
6重量%以上15重量%以下の脂質と、
0.1重量%以上2重量%以下の乳化剤及び/又はリン脂質の2種類以上と、
を含み、
食品中の抽出脂質の10℃以上30℃以下における固体脂含量の傾きが2.1以上5以下、かつラウリン酸含量が0.01%以上45%以下であり、
食品中の配合比が最も低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体における配合比率が15重量%以上であることを特徴とするゲル状食品。
[2]前記乳化剤が有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル(SE、HLB10未満)、PGPRのいずれかであり、前記リン脂質が大豆レシチン、卵黄レシチン、乳リン脂質、ひまわりレシチンのいずれかであることを特徴とする[1]に記載のゲル状食品。
[3]テクスチャーアナライザーによる貫入試験により得られる硬度の傾きが15gf/mm以上250gf/mm以下である[1]又は[2]に記載のゲル状食品。
[4]テクスチャーアナライザーによる貫入試験により得られる硬度が60gf以上600gf以下である[1]から[3]のいずれか1項に記載のゲル状食品。
[5]動的粘弾性測定装置による貯蔵弾性率の温度依存性試験により得られる(G’)の比(%)が0.01%以上20%未満である[1]から[4]のいずれかに1項に記載のゲル状食品。
[6][1]から[5]のいずれか1項に記載のゲル状食品の製造方法であって、
卵由来成分以外の原材料であって、乳化剤及び/又はリン脂質の2種類以上を溶解又は分散させる第一の組成物の予備乳化工程(1)と、
第一の組成物を加熱殺菌する工程(2)と、
卵由来成分を添加して第二の組成物を得る工程(3)と、
第二の組成物を均質化する工程(4)と、
均質化した第二の組成物を容器に充填し密封する工程(5)と、
前記(5)の容器に密封された第二の組成物を加熱、及び冷却する工程(6)を含むことを特徴とするゲル状食品の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、しっかりとした硬さと、締まった食感と、口溶けの良さと、を有する新規のゲル状食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のゲル状食品及びその製造方法について以下に詳細に説明する。
【0011】
(ゲル状食品)
本発明のゲル状食品は、タンパク質と、脂質と、2種類以上の乳化剤及び/又はリン脂質と、を所定の範囲で含み、抽出される脂質の特性が所定のものであって、タンパク質の熱凝固を利用するゲル状食品であればいずれでもよく、蒸し機や焼成機を用いた熱凝固ゲル状食品が好ましい。このうちでも、卵由来成分を含み、該成分の熱凝固を利用する熱凝固プリン(蒸しプリン、焼きプリン等)が好ましい。また、洋生菓子、熱凝固プリンの種類としてはレアチーズプリン、カスタードプリン、ミルクプリン、クリームプリン、レモンプリン等を例示できる。
【0012】
(ゲル状食品の原材料)
本発明のゲル状食品の原材料について以下に詳細に説明する。
本発明のゲル状食品の製造に用いるタンパク質は卵白タンパク質(オボアルブミン、オボトランスフェリン)、卵黄タンパク質(リポビテリン、ホスビチン)、乳タンパク質(β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、カゼイン)、大豆タンパク質(コングリシニン)であり、ゲル状食品の製造には、上記のタンパク質だけでなく、これらのタンパク質を含む全卵、卵白、卵黄、脱脂粉乳、MPC(乳タンパク質濃縮物)、MPI(乳タンパク質単離物)、WPC(ホエイタンパク質濃縮物)、WPI(ホエイタンパク質単離物)、カゼイネート、ミネラル濃縮ホエイ、ストレートホエイパウダー、脱脂乳、脱脂濃縮乳等を原材料として用いることができる。
ゲル状食品中のタンパク質の含量は、1.5重量%以上6.5重量%以下であればよく、3.1重量%以上6.5重量%以下が好ましく、3.3重量%以上5.5重量%以下がさらに好ましい。
なお、ゲル状食品中のタンパク質の含量は、ケルダール法により測定できる。
【0013】
本発明のゲル状食品に含まれる脂質については、
ゲル状食品中の含量が6重量%以上15重量%以下かつ、ゲル状食品の抽出脂質の10℃〜30℃の固体脂含量(SFC)の傾きが2.1以上5以下かつ、該抽出脂質のラウリン酸含量が0.01%以上45%以下であればよく、該含量が6重量%以上15重量%以下かつ、10℃〜30℃の該SFCの傾きが2.4以上5以下かつ、該ラウリン酸含量が10%以上40%以下がなおよく、さらに該含量が7重量%以上12重量%以下かつ、10℃〜30℃の該SFCの傾きが2.1以上5以下かつ、該ラウリン酸含量が0.01%以上45%以下であれば好ましく、該含量が7重量%以上12重量%以下かつ、10℃〜30℃の該SFCの傾きが2.4以上5以下かつ、該ラウリン酸含量が10%以上40%以下がさらに好ましい。
なお、ゲル状食品中の脂質の含量は酸分解法により測定できる。
ゲル状食品中の脂質の抽出は、50gの試料と抽出溶媒(ヘキサンとイソプロパノールを3:2で混合)50mlを添加し、ホモジナイザーを用い10000rpm、5分間の条件で分散させ、遠心分離機を用い5000g、5分間の条件で浮上させた油相画分を分画し、エバポレータを用いた抽出溶媒の除去により実施できる。
ゲル状食品の抽出脂質のSFCは、核磁気共鳴法により測定できる。10℃〜30℃におけるSFCの傾きは以下の式で算出することができる。
10℃〜30℃におけるSFCの傾き=
(10℃におけるSFC−30℃におけるSFC)/(30−10)
また、ゲル状食品中の抽出脂質の脂肪酸組成は、3フッ化ホウ素メタノールメチルエステル化ガスクロマトグラフィー法により測定できる。
本発明のゲル状食品の製造に用いられる脂質は、動物性脂質、植物性脂質、さらにこれらの硬化脂質やエステル交換油を挙げることができる。具体的な脂質としては、乳脂肪および卵油の他、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム核油、硬化パーム核油、カカオバター、硬化カカオバター等が例示される。
【0014】
本発明のゲル状食品の製造に用いられる乳化剤は有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、SE(HLB10未満)、PGPR等を用いることができる。
本発明のゲル状食品の製造に用いられるリン脂質は、大豆レシチン、卵黄レシチン、乳リン脂質、ひまわりレシチン等を用いることができる。
本発明のゲル状食品の製造には、(1)2種類以上の乳化剤、(2)1種類以上の乳化剤と1種類以上のリン脂質、(3)2種類以上のリン脂質の(1)〜(3)のいずれかの組合せが好ましい。
この中でも、(1)の2種類以上の乳化剤の組合せが好ましく、より具体的にはモノグリセリドとSE(HLB5)の組合せ、モノグリセリドとPGPRの組合せがより好ましく、ならびに(2)の1種類以上の乳化剤と1種類以上のリン脂質の組み合わせも好ましく、より具体的にはモノグリセリドと大豆レシチンの組み合わせ、PGPRと大豆レシチンの組み合わせがより好ましい。
本発明のゲル状食品中の乳化剤及び/又はリン脂質の合計含量は、0.1重量%以上2重量%以下であればよく、0.2重量%以上1.5重量%以下が好ましく、0.3重量%以上1.3重量%以下がさらに好ましい。
また、2種類以上の乳化剤及び/又はリン脂質を含む場合、食品中における配合比が最も低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体における配合比率は15重量%以上が好ましく、30〜50重量%がさらに好ましい。
【0015】
(ゲル状食品の製造方法)
本発明のゲル状食品の製造方法は、一般的なゲル状食品の製造設備と製造条件で製造することができる。以下にその一様態を例示する。
【0016】
[工程a]第一の組成物の予備乳化工程
第一の組成物は、水(50〜90℃の溶解水)に卵由来成分以外の原材料を溶解または分散させて調製する。攪拌は、1000〜10000rpm、3〜60分間程度の条件でおこなう。
[工程b]第一の組成物を加熱殺菌する工程
第一の組成物を熱湯に浸漬し、60℃以上に加熱殺菌する。殺菌後の第一の組成物は氷冷水に浸漬し、60℃以下に冷却する。
[工程c]卵由来成分を添加し、第二の組成物を得る工程
工程bを経た第一の組成物に、卵由来成分を攪拌により混合し、第二の組成物を得る。
[工程d]第二の組成物の均質
第二の組成物を温湯に浸漬し、50℃以上に加温する。第二の組成物を均質機により、圧力3〜20MPaで均質化する。その後、容器に充填し、密閉する。
[工程e]第二の組成物の加熱凝固および冷却
工程dを経た第二の組成物を、蒸し機を用いて加熱凝固する。加熱条件は70℃以上、30分間〜2時間とし、第二の組成物の中心温度を70〜90℃、20分間以上保持し加熱凝固物を得る。加熱終了後、第二の組成物は氷冷水に浸漬し速やかに10℃まで冷却する。氷冷水で冷却後は、10℃以下で保存する。
【0017】
(ゲル状食品の評価方法)
(締まった食感)
本発明のゲル状食品の締まった食感は、TAによる貫入試験により得られる硬度測定の貫入深さ2mmにおける硬度(gf)から算出される硬度の傾き(gf/mm)を用いて評価することができる。硬度の傾きが15gf/mm以上250gf/mm以下のものを締まった食感「可」、20gf/mm以上200gf/mm以下を締まった食感「良」、このうちでも40gf/mm以上200gf/mm以下を締まった食感「優」とした。
硬度の傾きは品温の影響を受けるため、測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行う。
締まった食感は、他に、専門パネラーによる官能評価によっても評価することができ、後述する試験例のとおり官能評価と硬度の傾き測定による評価はほぼ整合性が確認されたことから、本試験例におけるゲル状食品の締まった食感は、少なくともいずれか一方により評価を行っている。
【0018】
(硬度)
本発明のゲル状食品の硬さは、TAによる貫入試験により得られる硬度(gf)として測定することができる。用いるTAとして、TA.XT plus(Stable Micro Systems製)を例示できる。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、容器のまま測定部にセットし、直径16mm円柱型(プラスチック製)のプランジャーを使用し、貫入深さ10mm、速度1mm/secの条件で行う。この時の硬度が0gf以上60gf未満のものをしっかりとした硬さ「不適」、60gf以上600gf以下をしっかりとした硬さ「可」、このうちでも100gf以上500gf以下をしっかりとした硬さ「良好」とした。
硬度は品温の影響を受けるため、測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行う。
硬さは、他に、専門パネラーによる官能評価によっても評価することができ、後述する試験例のとおり官能評価と硬度測定による評価はほぼ整合性が確認されたことから、本試験例におけるゲル状食品の硬さは、少なくともいずれか一方により評価を行っている。
【0019】
(口溶け)
本発明のゲル状食品の口溶けは、動的粘弾性測定装置を用いた測定で得られた貯蔵弾性率G’(Pa)の温度依存性により評価することができる。用いる動的粘弾性測定装置としてARES(TA Instruments製)を例示できる。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、25mmチタン平板プレートで厚さ2mmにセットし、10℃で1分間静置し、その後45℃まで2℃/分の速度で昇温させながら、線形性を有する周波数3.14rad/s、歪0.3%の条件で行う。
本発明では、(30℃のG’)/(10℃のG’)×100をG’比(%)と称し、これにより口溶けを評価した。本発明では、G’比が20%以上100%以下を口溶け「不適」、0.01%以上20%未満の場合を口溶け「可」、このうちでも0.01%以上10%以下の場合を口溶け「良好」とした。
測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行う。
口溶けは、他に、専門パネラーによる官能評価によっても評価することができ、後述する試験例のとおり官能評価と動的粘弾性測定による評価はほぼ整合性が確認されたことから、本試験例におけるゲル状食品の口溶けは、少なくともいずれか一方により評価を行っている。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の試験例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
〔試験例1〕
試験例1では、ゲル状食品の特性に対するタンパク質の含量の影響を評価した。
1.試験方法
表1に示す配合の試験品を調製した。表1の乳製品とは、食品衛生法における乳及び乳製品の成分規格等に関する省令第二条において定義されるものを指す。分散は、ローターステーター型攪拌機を用い、5000rpm、5分間の条件とした。遠心分離は、5000g、5分間の条件とした。
本試験例のゲル状食品の製造方法を次に示す。
[工程a]第一の組成物の予備乳化工程
第一の組成物は、水(約70℃の溶解水)に卵由来成分以外の原材料を溶解または分散させて調製した。攪拌は、ローターステーター型攪拌機を用い、5000rpm、5分間の条件とした。
[工程b]第一の組成物を加熱殺菌する工程
第一の組成物を熱湯に浸漬し、90℃に加熱殺菌した。殺菌後の第一の組成物は氷冷水に浸漬し、60℃以下に冷却した。
[工程c]卵由来成分を添加し、第二の組成物を得る工程
工程bを経た第一の組成物に、卵由来成分を攪拌により混合し、第二の組成物を得た。
[工程d]第二の組成物の均質
第二の組成物を温湯に浸漬し、60℃に加温した。第二の組成物を均質機により、圧力10MPaで均質化した。その後、容器に充填し、密閉した。
[工程e]第二の組成物の加熱凝固および冷却
工程dを経た第二の組成物を、蒸し機を用いて加熱凝固した。加熱条件は90℃、60分間とし、第二の組成物の中心温度を85℃、20分間以上保持し加熱凝固物を得た。加熱終了後、第二の組成物は氷冷水に浸漬し速やかに10℃まで冷却した。氷冷水で冷却後は、10℃庫で保存した。
【0022】
2.評価方法
(1)ゲル状食品の硬さの測定
本発明のゲル状食品の硬さは、TAによる貫入試験により得られる硬度(gf)として測定することができる。測定には、TA.XT plus(Stable Micro Systems製)を用いた。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、容器のまま測定部にセットし、直径16mm円柱型(プラスチック製)のプランジャーを使用し、貫入深さ10mm、速度1mm/secの条件で行う。この時の硬度が0gf以上60gf未満のものをしっかりとした硬さ「不適」、60gf以上600gf以下をしっかりとした硬さ「可」、このうちでも100gf以上500gf以下をしっかりとした硬さ「良好」とした。
硬度は品温の影響を受けるため、測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行った。硬度の測定は、製造後20日で実施した。
(2)ゲル状食品の締まった食感の測定
本発明のゲル状食品の締まった食感は、TAによる貫入試験により得られる硬度測定の貫入深さ2mmにおける硬度(gf)から算出される硬度の傾き(gf/mm)を用いて評価することができる。測定には、TA.XTplus(Stable MicroSystems製)を用いた。測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、容器のまま測定部にセットし、直径16mm円柱型(プラスチック製)のプランジャーを使用し、貫入深さ10mm、速度1mm/secの条件で行った。
硬度の傾きが15gf/mm未満又は250gf/mmより大きいものを締まった食感を「不適」、15gf/mm以上250gf/mm以下のものを締まった食感「可」、20gf/mm以上200gf/mm以下を締まった食感「良」、このうちでも40gf/mm以上200gf/mm以下を締まった食感「優」とした。
硬度の傾きは品温の影響を受けるため、測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行った。硬度の傾きの測定は、製造後20日で実施した。
(3)ゲル状食品の口溶けの測定
本発明のゲル状食品の口溶けは、動的粘弾性測定装置による測定で得られた貯蔵弾性率G’(Pa)の温度依存性により評価することができる。動的粘弾性測定装置はARES(TA Instruments製)を使用した。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、25mmチタン平板プレートで厚さ2mmにセットし、10℃で1分間静置し、その後45℃まで2℃/分の速度で昇温させながら、線形性を有する周波数3.14rad/s、歪0.3%の条件で行った。
本発明では、(30℃のG’)/(10℃のG’)×100をG’比(%)と称し、これにより口溶けを評価した。本発明では、G’比が20%以上100%以下を口溶け「不適」、0.01%以上20%未満の場合を口溶け「可」、このうちでも0.01%以上10%以下の場合を口溶け「良好」とした。G’の測定は、製造後20日で実施した。
(4)その他の測定
(i)ゲル状食品中のタンパク質
ゲル状食品中のタンパク質含量はケルダール法により測定した。
(ii)脂質の含量
ゲル状食品中の脂質含量は酸分解法により測定した。
(iii)抽出脂質のSFCの傾き、ラウリン酸含量
ゲル状食品中の脂質の抽出は、50gの試料と抽出溶媒(ヘキサンとイソプロパノールを3:2で混合)50mlを添加し、ホモジナイザーを用い10000rpm、5分間の条件で分散させ、遠心分離機を用い5000g、5分間の条件で浮上させた油相画分を分画し、エバポレータを用いた抽出溶媒の除去により行った。
前記抽出により得られた脂質のSFCは、核磁気共鳴法により測定した。10℃〜30℃におけるSFCの傾きは以下の式で算出した。
10℃〜30℃におけるSFCの傾き=
(10℃におけるSFC−30℃におけるSFC)/(30−10)
また、抽出脂質のラウリン酸含量は、3フッ化ホウ素メタノールメチルエステル化ガスクロマトグラフィー法により測定した。
【0023】
3.測定結果
表1に本試験例1の各試験品の硬度(しっかりとした硬さ)、G’比(口溶け)、硬度の傾き(締まった食感)を示す。
しっかりとした硬さは、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−3で「可」、実施例1−4、実施例1−5、実施例1−6、比較例1−2で「良好」であった。
口溶けは、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−6で「可」、実施例1−3、実施例1−4、実施例1−5で「良好」であった。
したがって、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「可」である水準は、実施例1−1、実施例1−2、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「良好」である水準は実施例1−3、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「可」である水準は実施例1−6、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」である水準は、実施例1−4、実施例1−5であった。
以上より、ゲル状食品のタンパク質含量が1.5重量%以上6.5重量%以下の範囲ではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けともに所望の食品が得られることがわかった。
ならびに、締まった食感は実施例1−1で「可」、実施例1−2、実施例1−3で「良」、実施例1−4、実施例1−5、実施例1−6、比較例1−2で「優」であった。
したがって、ゲル状食品のタンパク質含量が1.5重量%以上6.5重量%以下の範囲ではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けならびに締まった食感ともに所望の食品が得られることがわかった。
【0024】
〔試験例2〕
試験例2では、ゲル状食品の特性に対する脂質の種類の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表2に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
【0025】
2.測定結果
表2に試験品の硬度、G’比を示す。
しっかりとした硬さは、実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3で「良好」であった。
口溶けは、実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3で「良好」であった。
したがって、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」である水準は、実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3であった。
以上より、ゲル状食品中に用いた脂質のSFCの傾きが2.1以上5以下、かつ、ラウリン酸量が0.01%以上45%以下である場合は、しっかりとした硬さ、口溶けともに所望の食品が得られることがわかった。
ならびに、締まった食感は、実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3で、「優」であった。
したがって、ゲル状食品中に用いた脂質のSFCの傾きが2.1以上5以下、かつ、ラウリン酸量が0.01%以上45%以下である場合は、しっかりとした硬さ、口溶けならびに締まった食感ともに所望の食品が得られることがわかった。
【0026】
〔試験例3〕
試験例3では、ゲル状食品の特性に対する脂質の含量の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表3に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
【0027】
2.測定結果
表3に試験品の硬度、G’比を示す。
しっかりとした硬さは、実施例3−1で「可」、実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4、実施例3−5で「良好」であった。
口溶けは、実施例3−1で「可」、実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4、実施例3−5、比較例3−3で「良好」であった。
したがって、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「可」である水準は、実施例3−1、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」である水準は、実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4、実施例3−5であった。
以上より、ゲル状食品の脂質の含量が6重量%以上15重量%以下の範囲ではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けともに所望の食品が得られることがわかった。
ならびに、締まった食感は、実施例3−1、実施例3−5で「可」、実施例3−2で「良」、実施例3−3、実施例3−4で「優」であった。
したがって、ゲル状食品の脂質の含量が6重量%以上15重量%以下の範囲ではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けならびに締まった食感ともに所望の食品が得られることがわかった。
【0028】
〔試験例4〕
試験例4では、ゲル状食品の特性に対する乳化剤及び/又はリン脂質の種類の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表4に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
【0029】
2.測定結果
表4に試験品の硬度、G’比を示す。
しっかりとした硬さは、実施例4−1、実施例4−2、実施例4−7で「可」、実施例4−3、実施例4−4、実施例4−5、実施例4−6で「良好」であった。
口溶けは、実施例4−1、実施例4−2、実施例4−3、実施例4−4、実施例4−5、実施例4−6、実施例4−7で「良好」であった。
したがって、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「良好」である水準は、実施例4−1、実施例4−2、実施例4−7、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」である水準は、実施例4−3、実施例4−4、実施例4−5、実施例4−6であった。
以上より、有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、SE(HLB10未満)、PGPR及びリン脂質から選択される乳化剤及び/又はリン脂質の組合せではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けともに所望の食品が得られることがわかった。また、モノグリセリド、大豆レシチン、PGPR、SE(HLB2.5以上10未満)から選択される乳化剤及び/又はリン脂質の組合せではではさらに優れた食品が得られることがわかった。
ならびに、締まった食感は、実施例4−1、実施例4−2、実施例4−3、実施例4−4、実施例4−5、実施例4−6、実施例4−7で「良」であった。
したがって、有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、SE(HLB10未満)、PGPR及びリン脂質から選択される乳化剤及び/又はリン脂質の組合せではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けならびに締まった食感ともに所望の食品が得られることがわかった。
【0030】
〔試験例5〕
試験例5では、ゲル状食品の特性に対する乳化剤及び/又はリン脂質の含量の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表5に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
【0031】
2.測定結果
表5に試験品の硬度、G’比を示す。
しっかりとした硬さは、実施例5−1、実施例5−5で「可」、実施例5−2、実施例5−3、実施例5−4で「良好」であった。
口溶けは、実施例5−1、実施例5−5で「可」、実施例5−2、実施例5−3、実施例5−4で「良好」であった。
したがって、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「可」である水準は、実施例5−1、実施例5−5、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」である水準は、実施例5−2、実施例5−3、実施例5−4であった。
以上より、ゲル状食品の乳化剤及び/又はリン脂質含量が0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲ではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けともに所望の食品が得られることがわかった。
ならびに、締まった食感は、実施例5−1で「可」、実施例5−2、実施例5−5で「良」、実施例5−3、実施例5−4で「優」であった。
したがって、ゲル状食品の乳化剤及び/又はリン脂質含量が0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲ではゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けならびに締まった食感ともに所望の食品が得られることがわかった。
【0032】
〔試験例6〕
試験例6では、ゲル状食品の特性に対する乳化剤及び/又はリン脂質のうち、最も配合比が低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体に対する配合比率の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表6に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
【0033】
2.測定結果
表6に試験品の硬度、G’比を示す。( )内の%は、乳化剤及び/又はリン脂質のうち、最も配合比が低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体に対する配合比率を示す。
しっかりとした硬さは、実施例6−1(20%)、実施例6−5(20%)で「可」、実施例6−2(30%)、実施例6−3(50%)、実施例6−4(30%)で「良好」であった。
口溶けは、実施例6−1(20%)で「可」、実施例6−2(30%)、実施例6−3(50%)、実施例6−4(30%)、実施例6−5(20%)で「良好」であった。
したがって、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「可」は、実施例6−1(20%)、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「良好」は、実施例6−5(20%)、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」は、実施例6−2(30%)、実施例6−3(50%)、実施例6−4(30%)であった。
以上より、最も配合比が低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体に対する配合比率が15重量%以上では、ゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けともに所望の食品が得られることがわかった。
ならびに、締まった食感は、実施例6−1で「可」、実施例6−2、実施例6−3、実施例6−5で「良」、実施例6−4で「優」であった。
したがって、最も配合比が低い乳化剤又はリン脂質の、乳化剤及び/又はリン脂質全体に対する配合比率が15重量%以上では、ゲル状食品は、しっかりとした硬さ、口溶けならびに締まった食感ともに所望の食品が得られることがわかった。
【0034】
〔試験例7〕
試験例7では、ゲル状食品の特性に対するタンパク質、脂質の含量の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表7に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
【0035】
2.測定結果
表7に試験品の硬度、G’比を示す。
しっかりとした硬さは、実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3、比較例7−3で「可」、実施例7−4、比較例7−4で「良好」であった。
口溶けは、実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3で「可」、実施例7−4で「良好」であった。
したがって、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「可」である水準は実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」である水準は、実施例7−4であった。
ならびに、締まった食感は、実施例7−1で「可」、実施例7−2、実施例7−3、比較例7−4で「良」、実施例7−4で「優」であった。
したがって、しっかりとした硬さ、口溶けならびに締まった食感ともに所望の食品が、実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3、実施例7−4で得られた。
【0036】
3.官能評価
試験例7の試験品を対象に、機器測定結果による評価のほかに、官能評価専用パネラーによる官能評価を実施した。
官能評価専用パネラーは、12名で、しっかりとした硬さ、口溶け、風味それぞれについて、「不適」、「可」、「良好」の3段階で評価した。
その結果、しっかりとした硬さは実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3、比較例7−3で「可」、実施例7−4、比較例7−4で「良好」であった。
口溶けは、実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3で「可」、実施例7−4で「良好」であった。
風味は、比較例7−1、実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3、実施例7−4、比較例7−2、比較例7−3、比較例7−4で「良好」であった。
以上より、しっかりとした硬さ「可」、口溶け「可」である水準は実施例7−1、実施例7−2、実施例7−3、しっかりとした硬さ「良好」、口溶け「良好」である水準は、実施例7−4であった。これらの評価から、機器による測定結果と官能評価の整合性が確認された。
ならびに官能評価における締まった食感は、官能評価パネラー12名により、「不適」、「可」、「良」、「優」の4段階で評価した。
その結果、締まった食感は、実施例7−1で「可」、実施例7−2、実施例7−3、比較例7−4で「良」、実施例7−4で「優」であった。これらの評価から、機器による測定結果と官能評価の整合性が確認された。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、しっかりとした硬さと、締まった食感と、口溶けの良さと、を有する新規のゲル状食品を提供することができる。