【解決手段】レベル変換回路において、ハイサイド側ロジック回路202に設けられたロジックレベル確定回路におけるノードLSが論理値Lowから論理値Highとなり、ハイサイド側ロジック回路202の下側の電源電圧であるSW端子電圧の上昇が検出された際に、ノードLSXを論理値Highに保持し、ノードLSの電圧変動を防止するハイサイド側電源電圧遷移検出回路203が設けられており、出力信号の変化時における異常信号発生の確実な防止が図られるようになっている。
ローサイド側回路の下側と上側の電源電圧と、ハイサイド側回路の下側と上側の電源電圧が異なり、前記ローサイド側回路に入力された入力信号をレベル変換して前記ハイサイド側回路から出力するよう構成されてなるレベル変換回路であって、
前記ローサイド側回路は、入力信号に応じてオン・オフする信号入力用第1のトランジスタと、前記入力信号の反転信号に応じてオン・オフする信号入力用第2のトランジスタとを有してなる信号入力部を有し、
前記ハイサイド側回路は、前記信号入力用第1のトランジスタの出力側に接続された第1のノードと、前記信号入力用第2のトランジスタの出力側に接続された第2のノードにおける各々の電圧変化に応じてラッチ動作を行い、第3のノードの電圧を出力電圧とするロジックレベル確定回路を有し、
前記ロジックレベル確定回路は、前記第1のノードの信号が論理値Highから論理値Lowに変化し、かつ、前記第2のノードの信号が論理値Lowから上昇していゆく際に、前記第3のノードを論理値Highとする一方、前記第1のノードの信号が論理値Lowから上昇し、かつ、前記第2のノードの信号が論理値Highから論理値Lowに変化した際に、前記第3のノードを論理値Lowとするよう構成されてなるレベル変換回路において、
前記第3のノードが論理値Lowから論理値Highとなり、前記ハイサイド側回路の下側の電源電圧の上昇が検出された際に、前記第2のノードを論理値Highに保持し、前記第3のノードの電圧変動を防止するハイサイド側電源電圧遷移検出回路を設けたことを特徴とするレベル変換回路。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のレベル変換回路は、例えば、スイッチング電源を構成する際などにおいて用いられる。
図3には、レベル変換回路をスイッチング電源に用いた場合のスイッチング電源の構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、この構成例について説明する。
【0003】
レベル変換回路504Aが適用されるスイッチング電源500は、降圧型のDC−DCコンバータが構成されてなるものである。
かかるスイッチング電源500は、エラーアンプ(
図3においては「E.AMP」と表記)501、発振器(
図3においては「OSC」と表記)502、比較器503、レベル変換回路(
図3においては「L−CONV」と表記)504A、ドライバ(
図3においては「DRV」と表記))505、パワーMOSトランジスタ506、レギュレータ(
図3においては「REG」と表記)507とを主たる構成要素として構成されている。
【0004】
スイッチング電源500に外部から印加された電圧VINは、最終的には所望の直流電圧Vdcに変換、出力されるものとなっている。
発振器502の出力段は、比較器503の反転入力端子に接続されており、比較器503の非反転入力端子には、フィードバック信号がエラーアンプ501を介して印加されるようになっている。
【0005】
比較器503の出力は、レベル変換回路504Aによる電圧レベルの変換を受けてドライバ505へ入力されるようになっている。
ドライバ505は、レベル変換回路504Aの出力に応じてパワーMOSトランジスタ506をオン・オフ駆動するようになっている。
すなわち、ドライバ505の出力段は、NMOSのパワーMOSトランジスタ506のゲートに接続されており、パワーMOSトランジスタ506のドレインには、外部からの電圧VINが印加されるようになっている。また、パワーMOSトランジスタ506のソースはSW端子508に接続されている。
【0006】
スイッチング電源500の外部においては、一端がSW端子508に接続されたインダクタ509が設けられ、このインダクタ509の他端に直流出力電圧Vdcが得られるようになっている。
インダクタ509とSW端子508の接続点とグランドとの間には、アノードがグランド側となるようにダイオード510が設けられている。
また、SW端子508とBOOT端子511との間には、コンデンサ(
図1においては「CBOOT」と表記)512が接続されている。このコンデンサ512がチャージポンプされて生成された電圧は、パワーMOSトランジスタ506のゲート駆動電圧として用いられるようになっている。
【0007】
さらに、インダクタ509の他端、すなわち、SW端子508に接続された端子と反対側の端子とグランドとの間には、2つの抵抗器513a,513bが直列接続されて設けられると共に、コンデンサ515が設けられている。
抵抗器513a,513bの相互の接続点は、FB端子514に接続されている。
【0008】
スイッチング電源500内部においては、FB端子514とエラーアンプ501の反転入力端子とが接続されており、直流出力電圧Vdcの抵抗分割電圧がフィードバック信号としてエラーアンプ501の反転入力端子に印加されるようになっている。
一方、エラーアンプ501の非反転入力端子には、基準電圧VREFが印加されており、エラーアンプ501は、非反転入力端子に印加されたフィードバック電圧と基準電圧VREFの差を増幅出力するようになっている。
【0009】
また、レギュレータ507の出力電圧はダイオード516を介してレベル変換回路504A及びドライバ505のハイサイド電源電圧として供給されるようになっている。
かかる構成において、先に述べたようにパワーMOSトランジスタ506のゲート電圧は、コンデンサ512をチャージポンプすることで生成されているため、SW端子508の電圧は、パワーMOSトランジスタ506がオンとなると入力電圧VINまで上昇する。一方、パワーMOSトランジスタ506がオフすると、SW端子508の電圧は、SW端子508に接続されたダイオード510によりグランド電位付近まで低下する。
【0010】
コンデンサ512は、パワーMOSトランジスタ506がオフしているときにレギュレータ507の出力電圧からダイオード516の電圧降下分だけ下がった電圧まで充電される。
そのため、BOOT端子511における電圧は、パワーMOSトランジスタ506がオンすると、入力電圧VINよりもコンデンサ512の充電電圧だけ高い電圧に上昇する。
【0011】
図5には、従来のレベル変換回路504Aの回路構成例が、
図6には従来のレベル変換回路504Aの主要部におけるタイミングチャートが、それぞれ示されており、以下、これらの図を参照しつつ従来回路について説明する。
なお、以下の従来回路の説明においては、各素子を特定する際には、
図5において、各素子の近傍に表記された記号を用いることとする。
【0012】
最初に、入力端子INにおける入力信号が論理値Lowから論理値Highに変化した場合の回路動作について説明する。
入力信号が論理値Lowから論理値Highに変化すると、NMOSのMn1がオン、Mn2がオフとなる(
図6(A)の時刻t1の時点参照)。
それに伴い、NMOSのMn3のゲート側のノードLSにおけるLS信号が論理値Highから論理値Lowに変化する一方、NMOSのMn4のゲート側のLSX信号は論理値Lowから上昇してゆく(
図6(B)及び
図6(C)参照)。
【0013】
LS信号が論理値Lowに変化すると、インバータINV2の入力は論理値Lowから論理値Highに変化し(
図6(H)参照)、論理値Lowを出力する。このインバータINV2の論理値Lowの信号は、インバータINV4に入力される結果、出力信号OUTは論理値Highとなる(
図6(D)参照)。この出力信号OUTは、先に
図3に示したスイッチング電源500のパワーMOSトランジスタ506をオンとする信号として用いられる。
【0014】
LS信号が論理値Lowに変化した直後にあって、ノードLSXにおけるLSX信号が論理値Highに確定していない間(
図6(B)及び
図6(C)参照)、NOR1の出力は、論理値Lowから論理値Highに変化する(
図6(N)の時刻t2の時点参照)。この時、SRラッチのQ出力は論理値Highであるため(
図6(L)参照)、NAND1の出力は論理値Lowとなる。そのため、PMOSのMp6のゲート電圧が低下して、Mp6はオンとなり(
図6(P)の時刻t2の時点参照)、LSX信号を論理値Highへ引き上げることとなる(
図6(C)参照)。
【0015】
LSX信号が論理値HighになるとSRラッチのR端子が論理値Highとなるため(
図6(K)の時刻t3の時点参照)、Q出力は論理値Highから論理値Lowへ、Qの反転出力QBは論理値Lowから論理値Highに変化する(
図6(L)及び
図6(M)参照)。
その結果、NAND1の出力は論理値Highとなり、PMOSのMp6のゲート電圧が上昇して、Mp6はオフとなる(
図6(P)の時刻t3の時点)。
【0016】
一方、パワーMOSトランジスタ506(
図3参照)がオンとなると、SW端子電圧が上昇し(
図6(E)参照)、ハイサイド電源電圧VHも上昇する。
その結果、LS信号及びLSX信号も上昇することとなる(
図6(B)及び
図6(C)の時刻t4の時点参照)。
【0017】
LSX信号の電圧は、PMOSのMp9からの定電流によって、LSX電圧が生ずるLSXノードであるPMOSのMp9のドレインに接続されたNMOSのMn2、PMOSのMp2やNMOSのMn4、PMOSのMp4、ダイオードD1の寄生容量を充電するため、SW端子電圧の上昇に対して遅れて上昇するものとなる(
図6(C)及び
図6(E)参照)。
【0018】
VH−SW電源間において、SW端子電圧に対するノードLSXの電圧、すなわち、LSX−SW電圧は、論理値Highとなった後、一度下降して再び上昇する(
図6(G)の時刻t4〜時刻t5の時点参照)。
LSX−SW信号が論理値Highから一度下降したときに、インバータINV3の入力は、論理値Lowから論理値Highとなる(
図6(G)及び
図6(I)の時刻t4の時点参照)。
【0019】
そのため、NOR1の2入力は両方とも論理値Lowとなるので、NOR1の出力は論理値Highとなる。この時、NAND2の一方の入力端子に入力されるSRラッチのQB信号も論理値Highであるため、NAND2の出力は論理値Lowとなる。
NAND2の出力信号がゲートに印加されるPMOSのMp5は、オンとなり、LS信号を引き上げる(
図6(B)及び
図6(O)の時刻t5の時点参照)。
【0020】
このとき、NMOSのMn3はオンしてインバータINV2の入力は論理値Highから論理値Lowに変化するので(
図6(H)の時刻t5時点参照)、出力信号OUTも論理値Highから論理値Lowに変化する(
図6(D)の時刻t5の時点参照)。
同時にSRラッチのS端子が論理値Highになるので、Q出力は論理値Highに、QB出力は論理値Lowに、それぞれ変化する(
図6(J)、
図6(L)、
図6(M)の時刻t5の時点参照)。
【0021】
一方、LSX−SW信号が先の下降から上昇に転じて元に戻ると(
図6(G)参照)、インバータINV3の入力も論理値Lowに戻り(
図6(I)の時刻t7の時点参照)、NOR1の出力は論理値Lowに、NAND2の出力は論理値Highになって、PMOSのMp5はオフとなる(
図6(O)参照)。
【0022】
その結果、LS信号は論理値Lowに戻り、インバータINV2の入力は論理値Highとなって(
図6(H)の時刻t6の時点参照)、出力信号OUTも論理値Highに戻ることとなる(
図6(D)の時刻t6の時点参照)。
なお、この時、SRラッチのR端子は論理値Highに、S端子は論理値Lowに、それぞれ戻るため(
図6(J)及び
図6(K)の時刻t7の時点参照)、Q出力は論理値Lowに、QB出力は論理値Highに、それぞれ戻ることとなる(
図6(L)及び
図6(M)の時刻t7時点参照)。
【0023】
次に、入力端子INにおける入力信号が論理値Highから論理値Lowに変化した場合の回路動作について説明する。
入力信号が論理値Highから論理値Lowに変化(
図6(A)の時刻t8の時点参照))することよってNMOSのMn1がオフする一方、NMOSのMn2がオンとなる。
【0024】
LS信号は論理値Lowから上昇し、LSX信号は論理値Highから論理値Lowへ変化する(
図6(B)及び
図6(C)参照)。
LS信号の上昇によってNMOSのMn3がオンとなると、NMOSのMn5がLSX信号によってオンとなっていることから、インバータINV2の入力は論理値Highから論理値Lowとなり、OUT出力は、論理値Highから論理値Lowに変化する(
図6(D)及び
図6(H)参照)。
OUT出力が論理値Highから論理値Lowへ変化するに伴い、スイッチング電源500のパワーMOSトランジスタ506がオフとなる。
【0025】
パワーMOSトランジスタ506がオフすると、SW端子電圧はSW端子508に接続されたダイオード510の動作により下降する(
図6(E))の時刻t9の時点参照)。
このSW端子電圧の下降し始めの時に、ノードLSやノードLSXに接続されている各素子の寄生容量により、LS−SW電圧、及び、LSX−SW電圧は一時的に上昇する(
図6(F)及び
図6(G)の時刻t9の時点参照)。
このとき、LSX信号レベルの上昇により、インバータINV3の入力は、論理値Highから論理値Lowに変化する(
図6(I)参照)。
【0026】
SW端子電圧が下がりきると、LS信号は論理値Highに、LSX信号は論理値Lowに、それぞれ落ち着き(
図6(E)、
図6(B)及び
図6(C)参照)、インバータINV2の入力は論理値Lowに、インバータINV3の入力は論理値Highとなる(
図6(H)及び
図6(I)参照)。
【0027】
ここで、SW端子が下降しているときに、インバータINV3の入力が短時間の間、論理値Lowとなるが(
図6(E)及び
図6(I)参照)、OUT出力は論理値Highから論理値Lowに変化した後は、論理値Lowに保持された状態となっている(
図6(D)参照)。
このようなレベル変換回路は、例えば、特許文献1等に開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、
図1乃至
図4を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本発明の実施形態におけるレベル変換回路504が適用されるスイッチング電源500は、先に従来回路の適用例(
図3)として説明したものと同一である。
【0035】
図1には、本発明のレベル変換回路504の概略構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、
図1に示された概略構成例について説明する。
レベル変換回路504は、ローサイド側回路201と、ハイサイド側回路としてのハイサイド側ロジック回路(
図1においては「H−CIR」と表記)202及びハイサイド側電源電圧遷移検出回路(
図1においては「V−DET」と表記)203とに大別されて構成されたものとなっている。
【0036】
このレベル変換回路504は、ローサイド側回路201及びハイサイド側ロジック回路202とを主要部とする従来のレベル変換回路と基本的に同一構成に、本発明特有のハイサイド側電源電圧遷移検出回路203が設けられた構成を有するものである。
【0037】
ローサイド側回路201は、第1及び第2のNMOS(
図2においては、それぞれ「Mn1」、「Mn2」と表記)21,22と、入力部用インバータ39とを有して構成された信号入力部202を有している。
第1及び第2のNMOS21,22(入力信号用第1及び第2のトランジスタ)は、入力信号に対してドレイン電圧のレベルが相補関係となるように選択されたものである。
【0038】
第1のNMOS21のゲートは入力端子69に接続されると共に、信号入力用インバータ39の入力端子に接続されている。
そして、この第1のNMOS21のドレインは、ハイサイド側ロジック回路202に接続される一方、ソース及びバックゲートは、グランドに接続されている。
【0039】
信号入力用インバータ39の出力端子は第2のNMOS22のゲートに接続されている。
そして、第2のNMOS22のドレインは、ハイサイド側ロジック回路202に接続される一方、ソース及びバックゲートは、グランドに接続されている。
ハイサイド側ロジック回路202の電源供給のため、ハイサイド側ロジック回路202のローサイド側がSW端子508に接続される一方、ハイサイド側電圧VHラインがBOOT端子511に接続される。
かかる構成により、入力信号INは、出力信号OUTとして、電圧VHと電圧SWの間のレベルに変換されて出力されるようになっている。
【0040】
レベル変換回路としての基本的な動作は従来と同様であるが、本発明の実施の形態におけるレベル変換回路504においては、ハイサイド側電源電圧遷移検出回路203により、パワーMOSトランジスタ506がオン・オフする際に、電圧VHと電圧SWが遷移して出力信号OUTの信号の異常発生の要因となることが防止されている(詳細は後述)。
本発明の実施の形態におけるハイサイド側電源電圧遷移検出回路203は、概括すれば、電圧遷移時に検出された信号をハイサイド側ロジック回路202へ供することでレベル変換動作を円滑にしている。
【0041】
図2には、本発明の実施の形態におけるレベル変換回路504の具体回路構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、その回路構成及び回路動作について説明する。
なお、
図1、
図3に示された構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
図2において、ハイサイド側電源電圧遷移検出回路203は、点線で囲まれ、便宜的に符号202a、203b、203cが付された部分で構成されたものとなっている。
【0042】
以下、具体的な回路構成について説明する。
なお、
図2においては、第1乃至第17のPMOS1乃至17について、”Mp”の語句の後に、対応する1乃至17の数字を添え字として表記している。
また、第1乃至第8のNMOS21乃至28について、”Mn”の語句の後に、対応する1乃至8の数字を添え字として表記している。
また、第1乃至第8のインバータ31乃至38について、”INV”の語句の後に、対応する1乃至8の数字を添え字として表記している。
また、第1乃至第4のNAND41乃至44について、”NAND”の語句の後に、対応する1乃至4の数字を添え字として表記している。
さらに、第1乃至第5のNOR51乃至55について、”NOR”の語句の後に、対応する1乃至5の数字を添え字として表記している。
【0043】
まず、第1のNMOS21のドレインは、第1のPMOS1のドレインに接続されている。
第1のPMOS1は、ゲートがSW端子508に接続される一方、ソースは、第8のPMOS8のドレイン、第13のPMOS13のドレイン、第5のPMOS5のドレイン、第3のPMOS3のゲート、及び、第3のNMOS23のゲートに接続されている。
【0044】
なお、説明の便宜上、上述の第1のPMOS1のソースと、第8のPMOS8のドレイン、第13のPMOS13のドレイン、第5のPMOS5のドレイン、第3のPMOS3のゲート、及び、第3のNMOS23のゲートとの相互の接続点を「ノードLS」と称する一方、必要に応じて、このノードLS(第1のノード)における信号であるLS信号の電圧を「電圧LS」と称することとする。
【0045】
また、ノードLSとSW端子508との間には、第1のコンデンサ(
図2においては「C1」と表記)61が接続されると共に、第1のダイオード(
図2においては「D1」と表記)65が、ノードLS側にカソードが位置するように設けられている。
【0046】
第8のPMOS8は、第7のPMOS7とカレントミラーを構成するものとなっている。
すなわち、第7及び第8のPMOS7,8の各々のゲートは相互に接続されると共に、第7のPMOS7のドレインと接続されて、第7のPMOS7は、ダイオード接続状態とされている。そして、第7及び第8のPMOS7,8の各々のゲートの接続点は、第9のPMOS9のゲート及び第11のPMOS11のゲートに接続されている。
【0047】
一方、第7及び第8のPMOS7,8の各々のソースは、VH端子517に接続されている。
さらに、第7のPMOS7のドレインとSW端子508間には、定電流源68が設けられている。
【0048】
ノードLSにドレインが接続された第13のPMOS13は、ソースがVH端子517に接続される一方、ゲートが第12及び第14のPMOS12,14のゲートに接続されている。さらに、第13のPMOS13のドレインは、第1のコンデンサ(
図2においては「C1」と表記)61を介してSW端子508に接続されている。
また、ノードLSにドレインが接続された第5のPMOS5は、ソースがVH端子517に接続される一方、ゲートには第15のPMOS15のゲートと共に、第5のNOR55の出力端子が接続されている。
【0049】
また、ノードLSにゲートが接続された第3のPMOS3及び第3のNMOS23は、第4のPMOS4、第4乃至第6のNMOS24〜26と共に、ラッチ動作するロジックレベル確定回路210を構成している。
第3及び第4のPMOS3,4の各々のソースは、VH端子517に接続されている。
【0050】
第3のPMOS3のドレイン(第3のノード)は、第3のNMOS23のドレイン及び第6のNMOS26のゲートに接続されると共に、第2のインバータ32の入力端子に接続されている。
第3のNMOS23のソースは、第5のNMOS25のドレインに接続されており、第5のNMOS25のソースは、SW端子508に接続されている。
【0051】
一方、第4のPMOS4のドレインは、第4のNMOS24のドレイン及び第5のNMOS25のゲートに接続されると共に、第3のインバータ33の入力端子に接続されている。
第4のNMOS24のソースは、第6のNMOS26のドレインに接続されており、第6のNMOS26のソースは、SW端子508に接続されている。
また、第6のNMOS26のゲートとSW端子508との間には、第2の抵抗器(
図2においては「R2」と表記)64が接続されている。
【0052】
第4のPMOS4のゲートは、第6のPMOS6のドレイン、第4のNMOS24のゲート、第9及び第14のPMOS9,14の各々のドレイン、第2のPMOS2のソース、第2のダイオード(
図2においては「D2」)66のカソード、及び、第2のコンデンサ(
図2においては「C2」と表記)62の一端と相互に接続されている。
この第2のコンデンサ62と、先の第1のコンデンサ61と第2の抵抗器64は、レベル切り替え動作時の誤動作防止のために設けられている。
【0053】
第2のダイオード66のアノードと第2のコンデンサ62の他端は、共にSW端子508に接続されている。
第2のPMOS2のゲートは、SW端子508に接続される一方、ドレインは、第2のNMOS22のドレインに接続されている。
【0054】
なお、上述の第6のPMOS6のドレインが第4のPMOS4のゲートなどと接続された接続点を、説明の便宜上、「ノードLSX」と称する一方、必要に応じて、このノードLSX(第2のノード)における信号であるLSX信号の電圧を「電圧LSX」と称することとする。
また、第6及び第9のPMOS6,9のソースは、共にVH端子517に接続されている。
さらに、第6のPMOS6のゲートは、第16のPMOS16のゲートと共に、第4のNAND44の出力端子に接続されている。
【0055】
次に、第12及び第14のPMOS12,14は、カレントミラーを構成して設けられている。
すなわち、第12及び第14のPMOS12,14の各々のゲートは相互に接続されると共に、第12のPMOS12のドレインと接続されて、第12のPMOS12は、ダイオード接続状態とされている。
【0056】
第12及び第14のPMOS12,14の各々のソースは、VH端子517に接続される一方、第12のPMOS12のドレインは、第3のダイオード(
図2においては「D3」と表記)67のカソード、第10のPMOS10のソース、第11のPMOS11のドレイン、第15及び第16のPMOS15,16のドレイン、第17のPMOS17のゲート、及び、第8のNMOS28のゲートと相互に接続されている。
【0057】
この第12のPMOS12のドレインと上述の各素子との接続点を、説明の便宜上、「ノードLSD」と称する一方、必要に応じて、このノードLSDの信号であるLSD信号の電圧を「電圧LSD」と称することとする。
【0058】
第3のダイオード67のアノードは、第10のPMOS10のゲートと共に、SW端子508に接続されている。
第10のPMOS10のドレインは、第7のNMOS27のドレインと接続されており、第7のNMOS27のゲート及びソースは、共にグランドに接続されている。
【0059】
また、第11のPMOS11、第15乃至第17のPMOS15〜17のソースは、共にVH端子517に接続されている。
さらに、第17のPMOS17のドレインは、第8のNMOS28のドレインと接続されると共に、その相互の接続点は、第6のインバータ(
図2においては「INV6」と表記)36の入力端子と接続されている。
【0060】
また、第8のNMOS28のソースは、第1の抵抗器(
図2においては「R1」と表記)63を介して、バックゲートと共にSW端子508に接続されている。
次に、第2のインバータ32の出力端子は、SRラッチ30のS入力端子、第1のNOR51の一方の入力端子、第4及び第5のインバータ34,35の入力端子、及び、第3のNOR53の一方の入力端子に、それぞれ接続されている。
第3のインバータ33の出力端子は、SRラッチ30のR入力端子、及び、第1のNOR51の他方の入力端子に、それぞれ接続されている。
【0061】
SRラッチ30のQ出力端子は、第1のNAND41の一方の入力端子に、QB出力端子は、第2のNAND42の一方の入力端子に、それぞれ接続されている。なお、”QB”は、Q信号の反転信号を意味するものとする。
第1のNOR51の出力端子は、第1のNAND41の他方の入力端子と第2のNAND42の他方の入力端子に、それぞれ接続されている。
【0062】
第1のNAND41の出力端子は、第3のNAND43の一方の入力端子に接続されている。
第2のNAND42の出力端子は、第4のNOR54の一方の入力端子に接続されている。
第5のインバータ35の出力端子は、第2のNOR52の一方の入力端子に接続されている。
【0063】
第6のインバータ36の出力端子は、第2のNOR52の他方の入力端子、及び、第3のNOR53の他方の入力端子に、それぞれ接続されている。
第2のNOR52の出力端子は、第8のインバータ38の入力端子、及び、第4のNAND44の一方の入力端子に、それぞれ接続されている。
第3のNOR53の出力端子は、第4のNOR54の他方の入力端子、及び、第7のインバータ37の入力端子に、それぞれ接続されている。
【0064】
第4のNOR54の出力端子は、第5のNOR55の一方の入力端子に接続されている。
第7のインバータ37の出力端子は、第3のNAND43の他方の入力端子に接続されている。
第3のNAND43の出力端子は、第4のNAND44の他方の出力端子に接続されている。
第8のインバータ38の出力端子は、第5のNOR55の他方の入力端子に接続されている。
第4のインバータ34の出力端子は、レベル変換された出力信号OUTを出力する出力端子70に接続されている。
【0065】
次に、かかる構成における回路動作について、
図4に示されたタイミングチャートを参照しつつ説明する。
最初に、入力信号INが論理値Lowから論理値Highに変化した場合について説明する。
入力信号INが論理値Lowから論理値Highに変化することで、第1のNMOS21がオン、第2のNMOS22がオフとなる。
【0066】
また、ノードLSのLS信号が論理値Highから論理値Lowへ変化する一方、ノードLSXのLSX信号は論理値Lowから上昇してゆく(
図4(A)乃至
図4(C)における時刻t1付近参照)。
【0067】
LS信号が論理値Lowとなると、第2のインバータ32の入力は論理値Lowから論理値Highに変化すると共に、出力信号OUTは論理値Lowから論理値Highに変化し(
図4(J)及び
図4(E)における時刻t1付近参照)、それによって、パワーMOSトランジスタ506がオンとされることとなる。
【0068】
LS信号が論理値Lowに変化した直後において、LSX信号が論理値Highに確定していない間、第1のNOR51の出力が論理値Lowから論理値Highに変化する(
図4(Qにおける時刻t2の時点参照))。
この時、SRラッチ30のQ信号は論理値Highであるので、第1のNAND41の出力は論理値Lowとなる。
【0069】
一方、この時のLSD信号は、論理値Lowであるため第17のPMOS17がオンとなり、第6のインバータ36の出力は論理値Lowとなる。
第2のNOR52には、上述の第6のインバータ36からの論理値Lowと第5のインバータ35からの論理値Highが入力されるため、第2のNOR52の出力は論理値Highとなり、第4のNAND44の一方の入力となる。
【0070】
また、第3のNOR53には、第6のインバータ36からの論理値Lowと第2のインバータ32からの論理値Highが入力されるため、出力は論理値Highとなる。
第3のNAND43には、第7のインバータ37からの論理値Lowと第1のNAND41からの論理値Lowが入力されるため、出力は論理値Highとなる。
【0071】
その結果、第4のNAND44は、2入力共に論理値Highとなり、出力は論理値Lowとなる。
この第4のNAND44の論理値Lowの出力により、第6のPMOS6のゲート電圧は低下し(
図4(S)における時刻t2の時点参照)、第6のPMOS6はオンとなりLSX信号が論理値Highに引き上げられる(
図4(D)における時刻t2の付近参照)。
【0072】
LSX信号が論理値HighとなるとSRラッチ30のR入力端子が論理値Highとなるので、Q出力端子は論理値Highから論理値Lowに変化し、QB端子は論理値Lowから論理値Highに変化する(
図4(N)、
図4(O)、及び、
図4(P)における時刻t3の時点参照)。
その結果、第4のNAND44の出力は論理値Highとなり、第6のPMOS6のゲート電圧も論理値Highとなるため(
図4(S)の時刻t3時点参照)、第6のPMOS6はオフとなる。
【0073】
一方、パワーMOSトランジスタ506がオンすると、SW端子508の電圧は上昇する(
図4(F)参照)。
また、ハイサイド電源電圧VHも、BOOT端子511に接続されたコンデンサ512により上昇する。
【0074】
その結果、LS電圧とLSX電圧も上昇する(
図4(B)及び
図4(C)における時刻t4の時点参照)。
さらに、第7のNMOS27と第10のPMOS10の寄生容量が、第10のPMOS10のソース電圧であるLSD電圧を保持するように作用するため、SW端子電圧に対するノードLSDの電圧(LSD−SW)は、SW端子電圧の上昇とは逆に低下してゆく(
図4(F)及び
図4(I)における時刻t4時点参照)。
【0075】
このノードLSDの電圧(LSD−SW)の低下により、第17のPMOS17がオンとなる一方、第8のNMOS28はオフとなり、第6のインバータ36の出力は論理値Highから論理値Lowに変化する(
図4(L)における時刻t4付近参照)。
そのため、第6のPMOS6のゲート電圧が再び低下し(
図4(S)における時刻t4付近参照)、第6のPMOS6はオンとなり、LSX信号を論理値Highに保持するよう作用する(
図4(C)において時刻t4付近参照)。
【0076】
SW端子電圧が上昇してしまうとLSD電圧も上昇し(
図4(D)及び
図4(F)における時刻t5の時点参照)、第6のインバータ36の出力は論理値Highが戻るため(
図4(L)における時刻t5の時点参照)、第6のPMOS6のゲート電圧も論理値Highとなり(
図4(S)における時刻t5時点参照)、第6のPMOS6はオフとなる。
【0077】
上述したように、本発明の実施の形態におけるレベル変換回路504においては、出力信号OUTが論理値Lowから論理値Highとなった後に、SW端子電圧が上昇しても、従来と異なり、電圧(LS−SW)及び電圧(LSX−SW)の電圧レベルが保持されるため、出力信号OUTが異常(
図6(D)における時刻t5の時点参照)となることが確実に防止されるようになっている(
図4(E)参照)。
【0078】
次に、入力信号INが論理値Highから論理値Lowに変化した場合について説明する。
入力信号INが論理値Highから論理値Lowに変化すると、第1のNMOS21がオフ、第2のNMOS22がオンとなる。
これに伴い、ノードLSのLS信号が論理値Lowから論理値Highへ変化する一方、ノードLSXのLSX信号は論理値Highから論理値Lowへ変化する(
図4(A)乃至
図4(C)における時刻t6付近参照)。
【0079】
LS信号が上昇し、第3のNMOS23がオンとなると、第5のNMOS25がLSX信号によりオンとなっていることから、第2のインバータ32の入力は論理値Highから論理値Lowになる。そのため、出力信号OUTは、論理値Highから論理値Lowに変化い、パワーMOSトランジスタ506がオフとされることとなる。
【0080】
パワーMOSトランジスタ506がオフすると、SW端子電圧は、SW端子508に接続されたダイオード510の動作により下降する(
図4(F)における時刻t7の時点参照)。このSW端子電圧の下降し始めの際に、ノードLSやノードLSXに接続された各素子の寄生容量により、電圧(LS−SW)や電圧(LSX−SW)は、電圧上昇が生ずる(
図4の(G)及び
図4の(H)における時刻t7の付近参照)。
【0081】
電圧(LSX−SW)の上昇に伴い、第3のインバータ33の入力が論理値Highから論理値Lowに変化する(
図4(H)及び
図4(K)における時刻t7の付近参照)。
SW端子電圧が下がりきると、LS信号は論理値Highに、LSX信号は論理値Lowに落ち着くので(
図4(B)、
図4(C)、及び、
図4(F)における時刻t7以降参照)、第2のインバータ32の入力は論理値Lowとなる一方、第3のインバータ33の入力は論理値Highとなる(
図4(J)及び
図4(K)における時刻t8の箇所参照)。
【0082】
ここで、SW端子電圧が下降している際に、第3のインバータ33の入力が極短時間の間、論理値Lowとなるが(
図4(K)における時刻t7付近参照)、出力信号OUTは、論理値Highから論理値Lowに変化した後は論理値Lowに維持されている。