特開2019-201047(P2019-201047A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-201047(P2019-201047A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】クリーニング方法及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20191025BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20191025BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20191025BHJP
【FI】
   H01L21/302 101H
   H01L21/68 R
   H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-93308(P2018-93308)
(22)【出願日】2018年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】谷川 雄洋
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB30
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC15
2G084CC16
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF15
2G084FF21
5F004AA13
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB28
5F004CA04
5F004CA06
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA25
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA12
5F131EA03
5F131EB14
5F131EB17
5F131EB72
5F131EB82
5F131EB84
5F131EB89
(57)【要約】
【課題】エッジリングとその周辺のパーティクルを除去する。
【解決手段】処理室内の静電チャックに載置された基板の近傍に設けられる内側エッジリングと、前記内側エッジリングの外側に設けられ、移動機構により上下に移動が可能な中央エッジリングと、前記中央エッジリングの外側に設けられる外側エッジリングとを有するエッジリングのクリーニング方法であって、前記静電チャックに直流電圧を印加する工程と、前記中央エッジリングを上又は下の少なくともいずれかに移動させる工程とを有するクリーニング方法が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室内の静電チャックに載置された基板の近傍に設けられる内側エッジリングと、
前記内側エッジリングの外側に設けられ、移動機構により上下に移動が可能な中央エッジリングと、
前記中央エッジリングの外側に設けられる外側エッジリングとを有するエッジリングのクリーニング方法であって、
前記静電チャックに直流電圧を印加する工程と、
前記中央エッジリングを上又は下の少なくともいずれかに移動させる工程と、
を有するクリーニング方法。
【請求項2】
処理室内の載置台に載置された基板の近傍に設けられる内側エッジリングと、
前記内側エッジリングの外側に設けられ、移動機構により上下に移動が可能な中央エッジリングと、
前記中央エッジリングの外側に設けられる外側エッジリングとを有するエッジリングのクリーニング方法であって、
前記中央エッジリングの下部にクリーニングガスを供給する工程と、
前記中央エッジリングを上又は下の少なくともいずれかに移動させる工程と、
を有するクリーニング方法。
【請求項3】
処理室内の静電チャックに載置された基板の近傍に設けられる内側エッジリングと、
前記内側エッジリングの外側に設けられ、移動機構により上下に移動が可能な中央エッジリングと、
前記中央エッジリングの外側に設けられる外側エッジリングとを有するエッジリングのクリーニング方法であって、
前記静電チャックに直流電圧を印加する工程と、
前記中央エッジリングの下部にクリーニングガスを供給する工程と、
前記中央エッジリングを上又は下の少なくともいずれかに移動させる工程と、
を有するクリーニング方法。
【請求項4】
前記クリーニングガスは不活性ガスである、
請求項2又は3のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
【請求項5】
処理室内の静電チャックに載置された基板の近傍に設けられる内側エッジリングと、
前記内側エッジリングの外側に設けられ、移動機構により上下に移動が可能な中央エッジリングと、
前記中央エッジリングの外側に設けられる外側エッジリングとを有するエッジリングと、
制御部とを有する基板処理装置であって、
前記制御部は、
前記静電チャックに直流電圧を印加する工程と、
前記中央エッジリングを上又は下の少なくともいずれかに移動させる工程と、
を制御する、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クリーニング方法及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大流量のガスを処理容器内に供給し、圧力上昇による対流を発生させ、その対流により処理容器内に付着したパーティクルを剥離させ、剥離したパーティクルをガスの粘性力により排気することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−243915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、処理容器内には、可動部品があり、可動部品の裏面や可動部品と非可動部品との隙間のパーティクルを除去することが困難な場合がある。
【0005】
本開示は、エッジリングとその周辺のパーティクルを除去する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、処理室内の静電チャックに載置された基板の近傍に設けられる内側エッジリングと、前記内側エッジリングの外側に設けられ、移動機構により上下に移動が可能な中央エッジリングと、前記中央エッジリングの外側に設けられる外側エッジリングとを有するエッジリングのクリーニング方法であって、前記静電チャックに直流電圧を印加する工程と、前記中央エッジリングを上又は下の少なくともいずれかに移動させる工程とを有するクリーニング方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、エッジリングとその周辺のパーティクルを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る基板処理装置の一例を示す縦断面図。
図2】一実施形態に係るエッジリング及び移動機構の一例を示す図。
図3】一実施形態と比較例に係るパーティクルの状態の一例を示す図。
図4】一実施形態に係るクリーニング1のクリーニング処理及びウェハ処理の一例を示すフローチャート。
図5】一実施形態に係るクリーニング2のクリーニング処理及びウェハ処理の一例を示すフローチャート。
図6】一実施形態に係るクリーニング3のクリーニング処理及びウェハ処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0010】
[基板処理装置]
まず、本発明の一実施形態に係る基板処理装置5の構成の一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る基板処理装置5の構成の一例を示す。一実施形態では、基板処理装置5として容量結合型の平行平板プラズマ処理装置を例に挙げて説明する。
【0011】
基板処理装置5は、たとえばアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属製の円筒型真空容器である処理容器10を有している。処理容器10の内部はプラズマ処理を行う処理室となっている。処理容器10は、接地されている。
【0012】
処理容器10内の下部中央には、ウェハWを載置する円板状の載置台12が下部電極を兼ねる基板保持台として配置されている。載置台12は、静電チャック36と基台12aとを有する。基台12aは、たとえばアルミニウムからなり、処理容器10の底から垂直上方に延びる導電性筒状支持部16及びその内部に隣接して設けられたハウジング100により支持されている。
【0013】
導電性筒状支持部16と処理容器10の側壁との間には、環状の排気路18が形成されている。排気路18の上部または入口には環状のバッフル板20が取り付けられ、底部に排気ポート22が設けられている。処理容器10内のガスの流れを載置台12上のウェハWに対して軸対象に均一にするためには、排気ポート22を円周方向に等間隔で複数設ける構成が好ましい。
【0014】
各排気ポート22には排気管24を介して排気装置26が接続されている。排気装置26は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、処理容器10内の載置台12とシャワーヘッド51との間に形成されたプラズマ生成空間Sを所望の真空度まで減圧する。処理容器10の側壁の外には、ウェハWの搬入出口27を開閉するゲートバルブ28が取り付けられている。
【0015】
載置台12には、第2の高周波電源30が整合器32および給電線34を介して電気的に接続されている。第2の高周波電源30は、ウェハWに引き込むイオンのエネルギーを制御するために適した第2の周波数(例えば13.56MHz等)の高周波LFを可変のパワーで出力できるようになっている。整合器32は、第2の高周波電源30側のインピーダンスと負荷(プラズマ等)側のインピーダンスの間で整合をとるためのリアクタンス可変の整合回路を収容している。
【0016】
基台12aの上面には、ウェハWを静電吸着力で保持するための静電チャック36が設けられている。静電チャック36には、導電膜からなる電極36aが設けられ、電極36aは一対の絶縁膜36bの間に挟み込まれている。電極36aには直流電源40がスイッチ42および被覆線43を介して電気的に接続されている。ウェハWは、直流電源40から供給される直流電圧(HV)による静電力によって静電チャック36上に吸着保持される。
【0017】
載置台12の内部には、たとえば円周方向に延びる環状の冷媒流路44が設けられている。冷媒流路44には、チラーユニットより供給された所定温度の冷媒たとえば冷却水cwが配管46,48を介して循環する。これにより、冷媒の温度によって静電チャック36上のウェハWの温度が制御される。なお、載置台12の内部には、ヒータが設けられ、ヒータと冷媒の温度によってウェハWの温度を制御してもよい。
【0018】
静電チャック36の上面とウェハWの裏面との間には、伝熱ガス供給部から供給された伝熱ガス(例えばHeガス等)がガス供給管50を介して供給される。伝熱ガスは、静電チャック36の上面とウェハWの裏面との伝熱効率を高める機能を有する。なお、載置台12には、ウェハWの搬入及び搬出のために載置台12を貫通して上下に移動可能なプッシャーピンおよびその昇降機構等が設けられている。
【0019】
処理容器10の天井の開口には、シャワーヘッド51が設けられている。シャワーヘッド51は、その外縁部を被覆するシールドリング54を介して処理容器10の天井部の開口に取り付けられ、天井部を閉塞する。シャワーヘッド51は、アルミニウム又はシリコンにより形成されてもよい。シャワーヘッド51は、載置台12に対向する上部電極としても機能する。
【0020】
シャワーヘッド51には、ガスを導入するガス導入口56が形成されている。シャワーヘッド51の内部にはガス導入口56から分岐した拡散室58が設けられている。ガス供給源66から供給されたガスは、ガス導入口56を介して拡散室58に供給され、拡散されて多数のガス供給孔52からプラズマ生成空間Sに導入される。
【0021】
シャワーヘッド51には、整合器59および給電線60を介して第1の高周波電源57が電気的に接続されている。第1の高周波電源57は、高周波放電によるプラズマの生成に適した周波数であって、第2の周波数よりも高い第1の周波数(例えば40MHz等)のプラズマ生成用の高周波HFを可変のパワーで出力できるようになっている。整合器59は、第1の高周波電源57側のインピーダンスと負荷(プラズマ等)側のインピーダンスとの間で整合をとるためのリアクタンス可変の整合回路を収容している。
【0022】
制御部74は、たとえばマイクロコンピュータを含み、基板処理装置5内の各部の動作および装置全体の動作を制御する。基板処理装置5内の各部としては、排気装置26、第1の高周波電源57、第2の高周波電源30、整合器32,整合器59、スイッチ42、82,85、ガス供給源66、チラーユニット、伝熱ガス供給部等が挙げられる。
【0023】
基板処理装置5において、エッチング等の各種のウェハWへのプラズマ処理を行うには、先ずゲートバルブ28を開状態にして搬入出口27からウェハWを処理容器10内に搬入する。ウェハWはプッシャーピン上に置かれた状態でプッシャーピンを移動させることで静電チャック36の上に載置される。そして、ゲートバルブ28を閉めてから、ガス供給源66から所定のガスを所定の流量および流量比で処理容器10内に導入し、排気装置26により処理容器10内の圧力を所定の設定値まで減圧する。さらに、第1の高周波電源57をオンにしてプラズマ生成用の高周波HFを所定のパワーで出力させ、整合器59,給電線60を介してシャワーヘッド51に印加する。
【0024】
一方、イオン引き込み制御用の高周波LFを印加する場合には、第2の高周波電源30をオンにして高周波LFを所定のパワーで出力させ、整合器32および給電線34を介して載置台12に印加する。また、静電チャック36の上面とウェハWの裏面との間に伝熱ガスを供給するとともに、スイッチ42をオンにして直流電源40からの直流電圧を、静電チャック36の電極36aに印加し、静電吸着力により伝熱ガスをウェハWの裏面に閉じ込める。
【0025】
載置台12の外周側であってウェハWの近傍には、ウェハWの外縁を環状に囲むエッジリング38が設けられている。エッジリング38は、内側エッジリング38i、中央エッジリング38m、外側エッジリング38oに3分割されている。外側エッジリング38oには、電極83が埋め込まれ、電極83には直流電源84がスイッチ85および被覆線86を介して電気的に接続されてもよい。これにより、外側エッジリング38oに直流電圧を印加することができる。
【0026】
また、シャワーヘッド51には、直流電源81がスイッチ82および被覆線87を介して電気的に接続されてもよい。これにより、シャワーヘッド51に直流電圧を印加することができる。
【0027】
[3分割エッジリング]
3分割されたエッジリング38のうち、内側エッジリング38iは、処理室内の載置台12に載置されたウェハWの最も近傍に設けられる。中央エッジリング38mは、内側エッジリング38iの外側に設けられ、移動機構200により上下に移動が可能になっている。外側エッジリング38oは、中央エッジリング38mの外側に設けられる。
【0028】
移動機構200は、中央エッジリング38mを上下に移動させる。移動機構200は、リフトピン102を有する。リフトピン102は、ピエゾアクチュエータ101による動力によって部材104a及び軸受部105を介して上下に移動する。これにより、連結部103が上下に移動し、これに応じて連結部103に連結されている中央エッジリング38mが上下に移動する。
【0029】
(エッジリングの構成)
次に、エッジリング38及びその周辺の構成について、図2を参照しながら詳述する。
【0030】
図2は、エッジリング38及びその周辺を拡大した縦断面の一例を示す図である。図2には、一実施形態に係るエッジリング38、移動機構200及びピエゾアクチュエータ101が示されている。
【0031】
内側エッジリング38iは、ウェハWの外周の近傍にてウェハWを下から囲むように設けられる部材であって、エッジリング38の最も内側の部材である。中央エッジリング38mは、内側エッジリング38iの外側にて内側エッジリング38iを囲むように設けられる部材である。外側エッジリング38oは、中央エッジリング38mの外側に設けられる部材であって、エッジリング38の最も外側の部材である。内側エッジリング38iは、伝熱シート39iを介して静電チャック36の上面に固定されている。中央エッジリング38mは、移動機構200により上下に移動が可能である。外側エッジリング38oは、伝熱シートを介して静電チャック36の上面に固定されている。
【0032】
中央エッジリング38mは、ウェハWの周縁部を囲む環状部38m1と、3つのタブ部38m2とを有する。タブ部38m2は、環状部38m1の外周側に等間隔に配置され、環状部38m1の外周側から突出した矩形状の部材である。環状部38m1の縦断面はL字状である。環状部38m1のL字状の段差部は、縦断面がL字状の内側エッジリング38iの段差部に接触した状態から、中央エッジリング38mが上に持ち上げられると、離れた状態になる。
【0033】
(移動機構及び駆動部)
中央エッジリング38mのタブ部38m2は、環状の連結部103に接続されている。連結部103は、導電性筒状支持部16に設けられた空間16aの内部を上下に移動する。
【0034】
ハウジング100は、アルミナなどの絶縁物から形成されている。ハウジング100は、導電性筒状支持部16の内部にて側部及び底部が導電性筒状支持部16に隣接して設けられている。ハウジング100の内部下側には凹部100aが形成されている。ハウジング100の凹部100aには、移動機構200が設けられている。移動機構200は、中央エッジリング38mを上下に移動させるための機構であり、リフトピン102と軸受部105を含む。
【0035】
リフトピン102は、ハウジング100及び載置台12を貫通し、導電性筒状支持部16に設けられた空間16aにて連結部103の下面に接触している。軸受部105は、ハウジング100の内部に設けられた部材104aに嵌合している。リフトピン102のピン孔には、真空空間と大気空間とを切るためのOリング111が設けられている。
【0036】
軸受部105の先端の凹部105aには、リフトピン102の下端が上から嵌め込まれている。ピエゾアクチュエータ101による位置決めによって部材104aを介して軸受部105が上下に移動すると、リフトピン102が上下に移動し、連結部103の下面を押し上げたり、押し下げたりする。これにより、連結部103を介して中央エッジリング38mが上下に移動する。
【0037】
ピエゾアクチュエータ101の上端は、ネジ104cにより部材104aにネジ止めされ、ピエゾアクチュエータ101の下端は、ネジ104dにより部材104bにネジ止めされている。これにより、ピエゾアクチュエータ101は、部材104a、104bの間にてハウジング100に固定されている。
【0038】
ピエゾアクチュエータ101は、ピエゾ圧電効果を応用した位置決め素子で、約0.006mm(6μm)の分解能で位置決めを行うことができる。ピエゾアクチュエータ101の上下方向の変位量に応じてリフトピン102が上下へ移動する。これにより、中央エッジリング38mが、0.006mmを最小単位として所定の高さだけ移動する。
【0039】
ピエゾアクチュエータ101は、リフトピン102の下方に位置するハウジング100の内部空間に、リフトピン102と一対一に設けられている。つまり、3箇所に存在するリフトピン102に、一対一に対応して3つの移動機構200及びピエゾアクチュエータ101がハウジング100の内部に設けられている。部材104a、104bは環状部材であり、3つのピエゾアクチュエータ101は、上下でネジ止めされた部材104a、104bにより相互に接続される。なお、ピエゾアクチュエータ101は、駆動部の一例である。
【0040】
リフトピン102は、中央エッジリング38mの円周方向に等間隔に3箇所設けられている。かかる構成により、リフトピン102は、環状の連結部103を介して3箇所から中央エッジリング38mを押し上げ、所定の高さに持ち上げるようになっている。
【0041】
外側エッジリング38oの下面には、中央エッジリング38mのタブ部38m2の上部に、タブ部38m2よりも広い幅の凹部が形成されている。リフトピン102の押し上げにより、中央エッジリング38mが最上位まで移動すると、タブ部38m2が、凹部内に納まる。これにより、外側エッジリング38oを固定させたまま、中央エッジリング38mを上へ持ち上げることができる。
【0042】
以上に説明したように、かかる構成では、ハウジング100に載置台12及び静電チャック36が支持され、ハウジング100に移動機構200及び駆動部が取り付けられる。これにより、静電チャック36の設計変更を必要とせず、既存の静電チャック36を使用して中央エッジリング38mのみを上下に移動させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、静電チャック36の上面と中央エッジリング38mの下面の間には所定の空間が設けられ、中央エッジリング38mを上方向だけでなく、下方向へも移動可能な構造となっている。これにより、ウェハWの処理前及び処理中に中央エッジリング38mを、上方向だけでなく、所定の空間内を下方向に所定の高さだけ移動することができる。中央エッジリング38mを上方向だけでなく下方向へも移動させることで、シースの制御範囲を広げることができる。
【0044】
ただし、駆動部は、ピエゾアクチュエータ101に限定されず、約0.006mmの分解能で位置決めの制御が可能なモータを使用してもよい。また、駆動部は、1つ又は複数であり得る。更に、駆動部は、ウェハWを持ち上げるプッシャーピンを上下に移動させるモータを共用してもよい。この場合、ギア及び動力切替部を用いてモータの動力を、ウェハW用のプッシャーピンと中央エッジリング38m用のリフトピン102とで切り替えて伝達する機構と、約0.006mmの分解能でリフトピン102の上下移動を制御する機構が必要になる。ただし、300mmのウェハWの外周に配置される中央エッジリング38mの径は310mm程度と大きいため、本実施形態のようにリフトピン102毎に別々の駆動部を設けることが好ましい。
【0045】
制御部74は、ピエゾアクチュエータ101の上下方向の変位量が、中央エッジリング38mの消耗量に応じた量になるように、ピエゾアクチュエータ101の上下方向の変位量を決定してもよい。制御部74は、中央エッジリング38mの消耗量に関わらず、ウェハ処理及びクリーニング処理においてプロセス条件に応じてピエゾアクチュエータ101の上下方向の変位量を決定してもよい。
【0046】
さらに、以下に説明するように、本実施形態では、クリーニング処理時に中央エッジリング38mを上下に動作させる。これにより、中央エッジリング38mの裏面及び中央エッジリング38mの周辺に付着したパーティクルを効果的に除去することができる。
【0047】
[パーティクルが溜まりやすい場所]
かかる構成のエッジリング38を有する処理容器10内においてパーティクルが溜まりやすい箇所を見つけるための実験を行った。一実施形態と比較例に係るパーティクルの状態の一例を示す図3を参照して、その結果について説明する。
【0048】
図3(a)では、中央エッジリング38mを上下に移動させてプラズマ処理を実行した場合に、パーティクルが溜まりやすい場所を示す。Rで示すように、内側エッジリング38iの表面全体と、中央エッジリング38mの内側面と裏面側にパーティクルが溜まりやすいことがわかった。
【0049】
図3(b)では、中央エッジリング38mを下げた状態で、大流量のNガスを処理容器10内に供給し、圧力上昇による対流を発生させた。そして、その対流により処理容器内に付着したパーティクルを剥離させ、剥離したパーティクルをNガスの粘性力により排気するクリーニングを行った。
【0050】
この結果、Aで示すウェハWの外周側壁及びウェハWの下の静電チャック36の側壁、及び内側エッジリング38iと中央エッジリング38mの内側面のパーティクルを除去できた。しかし、Rで示す内側エッジリング38iの上面及び外側面と、中央エッジリング38mの内側エッジリング38iに近い内側面及び裏面側のパーティクルを剥離させることができず、クリーニングが不十分であることがわかった。
【0051】
(実施形態:クリーニング1)
これに対して、一実施形態にかかるクリーニング1について説明する。クリーニング1では、まず、静電チャック36の電極36aに直流電圧を印加した。そして、中央エッジリング38mを上下に移動させた。この結果、図3(a)にてパーティクルが溜まりやすいとされた箇所のすべて、すなわち、ウェハWの外周側壁及びウェハWの下の静電チャック36の側壁、内側エッジリング38iの表面全体と、中央エッジリング38mの裏面側のすべてにおいて、図3(c)のAに示すようにパーティクルを除去できた。
【0052】
クリーニング1では、電極36aに直流電圧を印加した。これにより、エッジリング38と静電チャック36との間に電界が発生する。この状態で中央エッジリング38mを上下に移動させると、中央エッジリング38mと、内側エッジリング38i及び外側エッジリング38oとの空間を変化させることで、その空間に生じる電界の向きや強さを変えることができる。その際、中央エッジリング38mを持ち上げたり、下げたりすることで中央エッジリング38mの周りの空間の変化により発生する電界の向きや強さがクリーニング中常時変化する。これにより、中央エッジリング38m及びその周辺にてパーティクルが取れやすい状況になり、クリーニング効果を高めることができる。これにより、図3(c)に示すように、中央エッジリング38mの裏面やその周辺の、除去することが困難であったパーティクルを剥離させ、除去することができたと考えられる。
【0053】
なお、静電チャック36の電極36aに印加する直流電圧は、プラスの電圧でもよいし、マイナスの電圧でもよいし、プラスとマイナスの電圧を交互に印加してもよい。プラスの直流電圧を印加することで、マイナスに帯電したパーティクルが剥離しやすくなる。またり、プラスの直流電圧を印加することで、マイナスに帯電したパーティクルが剥離しやすくなる。中央エッジリング38mの周辺に付着した付着物の種類によって、電極36aに印加する直流電圧のプラス・マイナスを制御してもよい。プラスとマイナスの直流電圧を交互に印加した場合には、プラスの電荷及びマイナスの電荷をもつ荷電粒子のいずれも剥離しやすくなる。
【0054】
また、外側エッジリング38oの電極83に直流電圧を印加し、中央エッジリング38mを上下に移動させてもよい。この場合にも、静電チャック36の電極36aに直流電圧を印加し、中央エッジリング38mを上下に移動させた場合と同じクリーニング効果が得られる。なお、外側エッジリング38oの替わりに内側エッジリング38iに電極83を埋め込み、電極83に直流電圧を印加し、中央エッジリング38mを上下に移動させてもよい。
【0055】
また、シャワーヘッド51に直流電圧を印加し、中央エッジリング38mを上下に移動させてもよい。つまり、電極36a、電極83、シャワーヘッド51の少なくともいずれかに直流電圧を印加しながら、中央エッジリング38mを上下に移動させることでクリーニング1の効果を得ることができる。後述するクリーニング3についても同様に、電極36a、電極83、シャワーヘッド51の少なくともいずれかに直流電圧を印加しながら、中央エッジリング38mを上下に移動させてもよい。
【0056】
(本実施形態:クリーニング2)
次に、一実施形態にかかるクリーニング2について説明する。クリーニング2では、まず、中央エッジリング38mの下部にクリーニングガスを供給した。そして、中央エッジリング38mを上下に移動させた。この結果、図3(a)にてパーティクルが溜まりやすいとされた箇所のすべての面において、図3(c)に示すようにパーティクルを除去できた。
【0057】
クリーニング2では、クリーニングガスの一例としてNガスを供給した。その状態で中央エッジリング38mを上下に移動させると、中央エッジリング38mが上がった状態では、Nガスが中央エッジリング38mの下側に回り込む。その状態で中央エッジリング38mを下げることで、剥離しているパーティクルをNガスとともに中央エッジリング38mの下側から側面方向に押し流す。
【0058】
このようにして、クリーニング2ではNガスの粘性力によりエッジリング38の可動部品である中央エッジリング38m及びその周りで浮いたパーティクルを押し流すことができる。その際、中央エッジリング38mを持ち上げたり、下げたりすることで中央エッジリング38m及びその周りでのガス流速がクリーニング中常時変化する。これにより、中央エッジリング38m及びその周辺にてパーティクルが取れやすい状況になり、クリーニング効果を高めることができる。
【0059】
なお、一実施形態にかかるクリーニング2を使用する場合、基板処理装置5は静電チャック36を必ずしも有しなくてもよい。
【0060】
(本実施形態:クリーニング3)
最後に、一実施形態に係る実施形態にかかるクリーニング3について説明する。一実施形態に係る実施形態にかかるクリーニング3は、一実施形態にかかるクリーニング1とクリーニング2とを組み合わせたクリーニング方法である。
【0061】
これによれば、クリーニング1とクリーニング2の両方の効果を得ることができる。例えば、プラス及びマイナスの荷電粒子のパーティクルは、クリーニング1の方法で発生させる電界を使って除去し、中性の粒子のパーティクルは、クリーニング2の方法で供給するNガスの流れを使って除去することができる。これにより、中央エッジリング38m及びその周辺にてさらにパーティクルが取れやすい状況になり、クリーニング効果をより高めることができる。
【0062】
なお、クリーニング1〜3の方法では、中央エッジリング38mを必ずしも上下に移動させる必要はなく、中央エッジリング38mを上方向又は下方向のいずれかに移動してもよい。
【0063】
また、クリーニング1〜3の方法では、中央エッジリング38mを可動部品として上下に移動させたが、これに限られず、内側エッジリング38i及び外側エッジリング38oの少なくともいずれかを可動部品として移動機構200により上下に移動させてもよい。
【0064】
また、クリーニング2、3の方法では、中央エッジリング38mを上下に移動させながら、Nガスをパージした。しかし、クリーニングガスは、Nガスに限られず、Nガス、Arガス、Heガス等の不活性ガスを使用することができる。このとき、大流量のNガス等のクリーニングガスを処理容器10内に供給し、圧力上昇による対流を発生させ、その対流により処理容器10内に付着したパーティクルを剥離することが好ましい。
【0065】
[クリーニング処理及びウェハ処理]
最後に、一実施形態にかかるクリーニング1〜3の方法を使用したクリーニング処理及びウェハ処理の一例について、図4図6を参照して説明する。図4は、一実施形態に係るクリーニング1のクリーニング処理及びウェハ処理の一例を示すフローチャートである。図5は、一実施形態に係るクリーニング2のクリーニング処理及びウェハ処理の一例を示すフローチャートである。図6は、一実施形態に係るクリーニング3のクリーニング処理及びウェハ処理の一例を示すフローチャートである。図4図6の各処理は、制御部74により制御される。図4図6の各処理が開始されるタイミングは、ウェハレスドライクリーニング(WLDC)終了後、又は、ロット間、又は、ウェハW毎であってもよい。
【0066】
(クリーニング1)
まず、クリーニング1のクリーニング処理及びウェハ処理について説明する。図4の処理が開始されると、制御部74は、処理容器10内を真空排気する(ステップS10)。次に、制御部74は、中央エッジリング38mの上下の移動を開始する(ステップS12)。次に、制御部74は、静電チャック36の電極36aに対して直流電圧(HV)の印加を開始する(ステップS14)。
【0067】
次に、制御部74は、所定時間が経過したかを判定する(ステップS15)。制御部74は、所定時間が経過するまで待ち、所定時間が経過したと判定すると、電極36aに対して直流電圧(HV)の印加を停止する(ステップS16)。次に、制御部74は、中央エッジリング38mの上下の移動を停止する(ステップS18)。
【0068】
次に、制御部74は、ウェハWを搬入し(ステップS20)、ウェハWにエッチング処理等の所定の処理を実行し(ステップS22)、本処理を終了する。処理済みのウェハWは搬出され、次のウェハWの処理が行われる。
【0069】
これによれば、クリーニング処理時において、中央エッジリング38mを上下に移動させつつ静電チャック36に直流電圧を印加することで、中央エッジリング38mの周りの電界の強度及び向きを変化させることができる。これにより、中央エッジリング38m及びその周辺のパーティクルを除去することができる。これにより、ウェハW処理時にパーティクル及びディフェクトの発生を抑制することができ、ウェハWの歩留まりを高め、生産性を向上させることができる。
【0070】
(クリーニング2)
次に、クリーニング2のクリーニング処理及びウェハ処理について説明する。図5の処理が開始されると、制御部74は、処理容器10内を真空排気する(ステップS10)。次に、制御部74は、中央エッジリング38mの上下の移動を開始する(ステップS12)。次に、制御部74は、Nガスの導入を開始する(ステップS30)。次に、制御部74は、排気装置26を用いてNガスをパージする(ステップS32)。
【0071】
次に、制御部74は、所定時間が経過したかを判定する(ステップS15)。制御部74は、所定時間が経過するまで待ち、所定時間が経過したと判定すると、Nガスの導入を停止する(ステップS34)。次に、制御部74は、中央エッジリング38mの上下の移動を停止する(ステップS18)。
【0072】
次に、制御部74は、ウェハWを搬入し(ステップS20)、ウェハWにエッチング処理等の所定の処理を実行し(ステップS22)、本処理を終了する。処理済みのウェハWは搬出され、次のウェハWの処理が行われる。
【0073】
これによれば、クリーニング処理時において、中央エッジリング38mを上下に移動させつつNガスをパージすることで、Nガスの粘性力により中央エッジリング38m及びその周りで浮いたパーティクルを押し流すことができる。これにより、中央エッジリング38m及びその周辺のパーティクルを除去することができる。これにより、ウェハW処理時にパーティクル及びディフェクトの発生を抑制することができ、ウェハWの歩留まりを高め、生産性を向上させることができる。
【0074】
(クリーニング3)
次に、クリーニング3のクリーニング処理及びウェハ処理について説明する。図6の処理が開始されると、制御部74は、処理容器10内を真空排気する(ステップS10)。次に、制御部74は、中央エッジリング38mの上下の移動を開始する(ステップS12)。次に、制御部74は、静電チャック36の電極36aに直流電圧(HV)の印加を開始する(ステップS14)。次に、制御部74は、Nガスの導入を開始する(ステップS30)。次に、制御部74は、排気装置26を用いてNガスをパージする(ステップS32)。
【0075】
次に、制御部74は、所定時間が経過したかを判定する(ステップS15)。制御部74は、所定時間が経過するまで待ち、所定時間が経過したと判定すると、Nガスの導入を停止する(ステップS34)。次に、制御部74は、直流電圧(HV)の印加を停止し(ステップS16)、中央エッジリング38mの上下の移動を停止する(ステップS18)。
【0076】
次に、制御部74は、ウェハWを搬入し(ステップS20)、ウェハWにエッチング処理等の所定の処理を実行し(ステップS22)、本処理を終了する。処理済みのウェハWは搬出され、次のウェハWの処理が行われる。これによれば、クリーニング処理時において、中央エッジリング38mを上下に移動させ、これに加えて、Nガスをパージし、かつ、静電チャック36に直流電圧を印加する。これにより、中央エッジリング38mの裏面やその周辺のパーティクルを含めた処理容器10内のパーティクルをより効果的に除去することができる。
【0077】
なお、中央エッジリング38mは、上記のクリーニング処理だけでなく、ウェハW処理中に駆動することでシースを制御する用途に使用することができる。これにより、ウェハWのエッジ部のエッチングレート等のプロセス特性を制御することができる。
【0078】
以上に説明したように、本実施形態にかかる基板処理装置にて実行されるクリーニング処理によれば、エッジリングとその周辺のパーティクルを除去することができる。
【0079】
今回開示された一実施形態に係るクリーニング方法及び基板処理装置は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0080】
本開示の基板処理装置は、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のどのタイプでも適用可能である。
【0081】
本明細書では、基板の一例としてウェハWを挙げて説明した。しかし、基板は、これに限らず、LCD(Liquid Crystal Display)、FPD(Flat Panel Display)に用いられる各種基板、CD基板、プリント基板等であっても良い。
【符号の説明】
【0082】
5:基板処理装置
10:処理容器
12:載置台
20:バッフル板
26:排気装置
30:第2の高周波電源
36:静電チャック
38:エッジリング
38i:内側エッジリング
38m:中央エッジリング
38m1:環状部
38m2:タブ部
38o:外側エッジリング
40:直流電源
44:冷媒流路
51:シャワーヘッド
57:第1の高周波電源
66:ガス供給源
74:制御部
100:ハウジング
101:ピエゾアクチュエータ
102:リフトピン
103:連結部
105:軸受部
200:移動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6