特開2019-201087(P2019-201087A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧
特開2019-201087部品の形成方法及びプラズマ処理装置
<>
  • 特開2019201087-部品の形成方法及びプラズマ処理装置 図000003
  • 特開2019201087-部品の形成方法及びプラズマ処理装置 図000004
  • 特開2019201087-部品の形成方法及びプラズマ処理装置 図000005
  • 特開2019201087-部品の形成方法及びプラズマ処理装置 図000006
  • 特開2019201087-部品の形成方法及びプラズマ処理装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-201087(P2019-201087A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】部品の形成方法及びプラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20191025BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20191025BHJP
【FI】
   H01L21/302 101G
   H05H1/46 A
   H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-94128(P2018-94128)
(22)【出願日】2018年5月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 道茂
(72)【発明者】
【氏名】永関 一也
(72)【発明者】
【氏名】金子 彰太
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB26
2G084BB33
2G084BB37
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC15
2G084CC17
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD37
2G084FF06
2G084FF15
2G084FF31
2G084FF38
2G084FF39
5F004AA16
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB28
5F004BB29
5F004CA04
5F004CA06
5F004CA09
5F004CB20
(57)【要約】
【課題】部品の製作時のリードタイムを短縮することを目的とする。
【解決手段】プラズマ処理装置内で使用される部品の形成方法であって、第1のセラミックスの原料と該第1のセラミックスとは異なる第2のセラミックスの原料とを供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程を含む、部品の形成方法が提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置内で使用される部品の形成方法であって、
第1のセラミックスの原料と該第1のセラミックスとは異なる第2のセラミックスの原料とを供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程を含む、
部品の形成方法。
【請求項2】
第1のセラミックスと第2のセラミックスとの一方の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程と、
第1のセラミックスと第2のセラミックスとの他方の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程と、を含む、
請求項1に記載の部品の形成方法。
【請求項3】
プラズマ処理装置内で使用される部品の形成方法であって、
金属の原料を供給しながら前記金属の原料にエネルギービームを照射することで基台を形成する第1の工程と、
前記基台の上に前記金属の原料とセラミックスの原料とを供給しながら前記金属の原料と前記セラミックスの原料にエネルギービームを照射することで前記基台の上に境界層を形成する第2の工程と、
前記セラミックスの原料を供給しながら前記セラミックスの原料にエネルギービームを照射することでセラミックス層を形成する第3の工程とを含む、
部品の形成方法。
【請求項4】
前記第2の工程は、前記基台の上に供給する前記金属の原料とセラミックスの原料との配合率を連続的又は段階的に変えて供給する、
請求項3に記載の部品の形成方法。
【請求項5】
前記第1の工程、前記第2の工程及び前記第3の工程の順に各工程を実行する、
請求項3又は4に記載の部品の形成方法。
【請求項6】
前記第3の工程、前記第2の工程及び前記第1の工程の順に各工程を実行する、
請求項3又は4に記載の部品の形成方法。
【請求項7】
更にヒータの原料を供給しながら前記ヒータの原料にエネルギービームを照射することでヒータ層を形成する第4の工程を含む、
請求項3〜6のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項8】
更に電極膜の原料を供給しながら前記電極膜の原料にエネルギービームを照射することで電極膜を形成する第5の工程を含む、
請求項3〜7のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
部品の形成方法。
【請求項9】
前記基台には、流路が形成されている、
請求項3〜8のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項10】
前記原料は、粉末状である、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項11】
前記エネルギービームは、前記原料が金属の場合には光学レーザ又は電子ビームであり、前記原料がセラミックスの場合には紫外線である、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項12】
処理容器と、
前記処理容器内において基板上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
プラズマ処理装置内に配置される部品とを有し、
前記部品は、第1のセラミックスの原料と該第1のセラミックスとは異なる第2のセラミックスの原料とを供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程により形成された境界層を有する部品である、プラズマ処理装置。
【請求項13】
前記部品は、更に前記第1のセラミックスと前記第2のセラミックスとの一方の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程により形成された第1の層と、
前記第1のセラミックスと前記第2のセラミックスとの他方の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程により形成された第2の層とを有する部品である、
請求項12に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
処理容器と、
前記処理容器内において基板上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
プラズマ処理装置内に配置される部品とを有し、
前記部品は、金属の原料を供給しながら前記金属の原料にエネルギービームを照射することで基台を形成する第1の工程により形成された第1の層と、
前記基台の上に前記金属の原料とセラミックスの原料とを供給しながら前記金属の原料と前記セラミックスの原料にエネルギービームを照射することで前記基台の上に境界層を形成する第2の工程により形成された境界層と、
前記セラミックスの原料を供給しながら前記セラミックスの原料にエネルギービームを照射することでセラミックス層を形成する第3の工程により形成された第2の層とを有する部品である、プラズマ処理装置。
【請求項15】
前記境界層は、前記基台の上に供給する前記金属の原料とセラミックスの原料との配合率を連続的又は段階的に変えて形成されている、
請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記部品は、前記第1の工程、前記第2の工程、前記第3の工程の順に各工程を実行することで形成された部品である、
請求項14又は15に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記部品は、前記第3の工程、前記第2の工程、前記第1の工程の順に各工程を実行することで形成された部品である、
請求項14又は15に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記部品は、更にヒータの原料を供給しながら前記ヒータの原料にエネルギービームを照射することでヒータ層を形成する第4の工程により形成されたヒータ層を有する部品である、
請求項14〜17のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項19】
前記部品は、更に電極膜の原料を供給しながら前記電極膜の原料にエネルギービームを照射することで電極膜を形成する第5の工程により形成された電極層を有する部品である、
請求項14〜18のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項20】
前記基台には流路が形成されている、
請求項14〜19のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項21】
前記原料は、粉末状である、
請求項12〜20のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項22】
前記エネルギービームは、前記原料が金属の場合には光学レーザ又は電子ビームであり、前記原料が樹脂の場合には紫外線である、
請求項12〜21のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品の形成方法及びプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラズマ処理装置に設けられる部品は、高機能化を図るために構造が複雑になっており、異なる部材を接着したり、接合したりして製作される場合がある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−46185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる部品の製作においては、中空構造等の複雑な構造があり、長期の生産期間及び開発期間が必要になるため、部品製作時のリードタイムの増加が課題となる。部品の製造工程における工数を減らし、リードタイムを短縮することが求められている。
【0005】
上記課題に対して、一側面では、部品の製作時のリードタイムを短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、プラズマ処理装置内で使用される部品の形成方法であって、第1のセラミックスの原料と該第1のセラミックスとは異なる第2のセラミックスの原料とを供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程を含む、部品の形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、部品の製作時のリードタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す図。
図2図1に示すプラズマ処理装置の載置台の一部を拡大して示す図。
図3】一実施形態に係る3Dプリンタの構成の一例を示す図。
図4】一実施形態に係る部品の形成処理の一例を示すフローチャート。
図5】一実施形態に係る部品の形成方法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0010】
[プラズマ処理装置]
図1に示すプラズマ処理装置100は、容量結合型のプラズマ処理装置である。プラズマ処理装置100は、処理容器112及び載置台116を備えている。処理容器112は、略円筒形状を有しており、その内部空間を処理室112cとして提供している。処理容器112は、例えば、アルミニウムから構成されている。処理容器112の内部空間側の表面には、アルマイト膜、及び/又は、酸化イットリウム膜といった耐プラズマ性を有するセラミックス製の皮膜が形成されている。処理容器112は接地されている。処理容器112の側壁には、ウェハWを処理室112cに搬入し、処理室112cから搬出するための開口112pが形成されている。開口112pは、ゲートバルブGVによって開閉することが可能となっている。
【0011】
載置台116は、ウェハWを処理室112c内で支持するように構成されている。載置台116は、ウェハWを吸着する機能、ウェハWの温度を調整する機能、及び、静電チャックの基台117に高周波を伝送する構造を有している。載置台116の詳細については、後述する。
【0012】
プラズマ処理装置100は、上部電極130を有する。上部電極130は、処理容器112の上部開口内に配置されており、下部電極として機能する載置台116の略平行に配置されている。上部電極130と処理容器112との間には、絶縁性の支持部材132が介在している。
【0013】
上部電極130は、天板134及び支持体136を有している。天板134は、略円盤状形状を有している。天板134は、導電性を有し得る。天板134は、例えば、シリコン又はアルミニウムから形成されており、その表面には、耐プラズマ性のセラミックス皮膜が形成されている。この天板134には、複数のガス吐出孔134aが形成されている。ガス吐出孔134aは、略鉛直方向に延びている。
【0014】
支持体136は、天板134を着脱自在に支持している。支持体136は、例えば、アルミニウムから形成されている。支持体136には、ガス拡散室136aが形成されている。ガス拡散室136aからは、複数のガス吐出孔134aにそれぞれ連通する複数の孔136bが延びている。ガス拡散室136aには、ポート136cを介して配管138が接続している。配管138には、ガス供給部139が接続されている。
【0015】
プラズマ処理装置100は、排気装置150を有する。排気装置150は、ターボ分子ポンプ、ドライポンプといった一以上のポンプ、及び、圧力調整弁を含んでいる。排気装置150は、処理容器112に形成された排気口に接続されている。
【0016】
プラズマ処理装置100は、第1制御部151を有する。第1制御部151の記憶部には、プラズマ処理装置100で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラム及びレシピデータが格納されている。例えば、第1制御部151の記憶部には、エッチング処理等のプラズマ処理をプラズマ処理装置100で実行するための制御プログラム及びレシピデータが記憶されている。
【0017】
以下、図1に加えて、図2を参照し、載置台116及び載置台116に付随するプラズマ処理装置100の構成要素について詳細に説明する。図2は、図1に示すプラズマ処理装置100の載置台116の一部を拡大して示す断面図である。
【0018】
載置台116は、基台117及び静電チャック120を有している。基台117は、たとえばアルミニウム合金(Al)、チタン(Ti)、シリコンカーバイト(SiC)等から形成されている。基台117は、処理容器112の底部から上方に延びる支持部材114によって支持されている。支持部材114は、絶縁性の部材であり、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)から形成されている。また、支持部材114は、略円筒形状を有している。
【0019】
基台117は、導電性を有する金属、例えば、アルミニウムから形成されている。基台117は、略円盤形状を有している。基台117は、中央部117a及び周縁部117bを有している。中央部117aは、略円盤形状を有している。中央部117aは、基台117の第1上面117cを提供している。第1上面117cは、略円形の面である。
【0020】
周縁部117bは、中央部117aに連続しており、径方向(鉛直方向に延びる軸線Zに対して放射方向)において中央部117aの外側で、周方向(軸線Zに対して周方向)に延在している。一実施形態では、周縁部117bは、中央部117aと共に、基台117の下面117dを提供している。また、周縁部117bは、第2上面117eを提供している。第2上面117eは、帯状の面であり、径方向において第1上面117cの外側にあり、且つ、周方向に延びている。また、第2上面117eは、鉛直方向において、第1上面117cよりも下面117dの近くにある。
【0021】
基台117には、給電体119が接続されている。給電体119は、例えば給電棒であり、基台117の下面117dに接続されている。給電体119は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。給電体119には、第1の高周波電源62が整合器66を介して接続されている。また、給電体119には、第2の高周波電源64が整合器68を介して接続されている。
【0022】
基台117には、冷媒用の流路117fが形成されている。流路117fは、基台117内において、例えば渦巻状に延在している。この流路117fには、チラーユニットから冷媒が供給される。流路117fに供給される冷媒は、一実施形態では、その気化によって吸熱し、冷却を行う冷媒である。この冷媒は、例えば、ハイドロフルオロカーボン系の冷媒であり得る。
【0023】
静電チャック120は、吸着部123を有している。吸着部123は、基台117上の基台121の上に設けられている。基台121は、下部電極を構成しており、基台117の上に設けられている。基台121は、導電性を有している。基台121は、例えば、窒化アルミニウム又は炭化ケイ素に導電性を付与したセラミックス製であってもよく、或いは、金属(例えば、チタン)製であってもよい。
【0024】
基台121は、略円盤形状を有している。基台121は、中央部121a及び周縁部121bを有している。中央部121aは、略円盤形状を有している。中央部121aは、基台121の第1上面121cを提供している。第1上面121cは、略円形の面である。
【0025】
周縁部121bは、中央部121aに連続しており、径方向において中央部121aの外側で、周方向に延在している。一実施形態では、周縁部121bは、中央部121aと共に、基台121の下面121dを提供している。また、周縁部121bは、第2上面121eを提供している。この第2上面121eは、帯状の面であり、径方向において第1上面121cの外側で周方向に延びている。また、第2上面121eは、鉛直方向において、第1上面121cよりも下面121dの近くにある。
【0026】
吸着部123と基台121との間には境界層129が形成されている。吸着部123は、略円盤形状を有しており、セラミックスから形成されている。吸着部123を構成するセラミックスは、室温(例えば、20度)以上、400℃以下の温度範囲において、1×1015Ω・cm以上の体積抵抗率を有するセラミックスであり得る。このようなセラミックスとして、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)が用いられ得る。
【0027】
静電チャック120は、軸線Z、即ち静電チャック120の中心軸線に対して同心の複数の領域RNを含んでいる。一実施形態では、静電チャック120は、第1領域R1、第2領域R2、及び、第3領域R3を含んでいる。第1領域R1は、軸線Zに交差しており、第3領域R3は、静電チャック120のエッジを含む領域であり、第2領域R2は、第1領域R1と第3領域R3との間にある。一例では、第1領域R1は、静電チャック120の中心から半径120mmまでの領域であり、第2領域R2は、静電チャック120において半径120mmから半径135mmまでの領域であり、第3領域R3は、静電チャック120において半径135mmから半径150mmまでの領域である。なお、静電チャック120の領域の個数は、一以上の任意の個数であり得る。
【0028】
静電チャック120の吸着部123は、電極膜125を内蔵している。電極膜125には、直流電源が電気的に接続されている。直流電源からの直流電圧が電極膜125に与えられると、吸着部123はクーロン力といった静電力を発生し、当該静電力によってウェハWを保持する。
【0029】
吸着部123は、複数のヒータHNを更に内蔵している。複数のヒータHNは、静電チャックの上記複数の領域RN内にそれぞれ設けられている。一実施形態では、複数のヒータHNは、第1のヒータ156、第2のヒータ157、及び、第3のヒータ158を含んでいる。第1のヒータ156は第1領域R1内に設けられており、第2のヒータ157は第2領域R2内に設けられており、第3のヒータ158は第3領域R3内に設けられている。複数のヒータHNは、ヒータ電源に接続されている。
【0030】
基台121と基台117の間には、複数の第1の弾性部材EM1が設けられている。複数の第1の弾性部材EM1は、静電チャック120を基台117から上方に離間させている。複数の第1の弾性部材EM1の各々は、Oリングである。複数の第1の弾性部材EM1は、互いに異なる直径を有しており、軸線Zに対して同心状に設けられている。また、複数の第1の弾性部材EM1は、静電チャック120の隣接する領域の境界及び静電チャック120のエッジの下方に設けられている。一実施形態では、複数の第1の弾性部材EM1は、弾性部材165、弾性部材167、及び、弾性部材169を含んでいる。弾性部材165は、第1領域R1と第2領域R2の境界の下方に設けられており、弾性部材167は、第2領域R2と第3領域R3の境界の下方に設けられており、弾性部材169は、静電チャック120のエッジの下方に設けられている。
【0031】
複数の第1の弾性部材EM1は、基台117の第1上面117cによって提供される溝の中に部分的に配置されており、第1上面117cと基台121の下面121dに接している。複数の第1の弾性部材EM1は、基台117と基台121と共に、基台117の第1上面117cと基台121の下面121dとの間に、複数の伝熱空間DSNを画成している。複数の伝熱空間DSNは、静電チャック120の複数の領域RNそれぞれの下方において延在しており、互いに分離されている。一実施形態では、複数の伝熱空間DSNは、第1の伝熱空間DS1、第2の伝熱空間DS2、及び、第3の伝熱空間DS3を含んでいる。第1の伝熱空間DS1は、弾性部材165の内側にあり、第2の伝熱空間DS2は、弾性部材165と弾性部材167との間にあり、第3の伝熱空間DS3は、弾性部材167と弾性部材169との間にある。後述するように、複数の伝熱空間DSNには、伝熱ガス(例えば、Heガス)が供給される。なお、複数の伝熱空間DSNの各々の鉛直方向における長さは、例えば、0.1mm以上2.0mm以下の長さに設定される。
【0032】
複数の第1の弾性部材EM1は、Heガスが供給されている複数の伝熱空間DSNの各々の熱抵抗よりも高い熱抵抗を有するように構成される。複数の伝熱空間DSNの熱抵抗は、伝熱ガスの熱伝導率、その鉛直方向の長さ、及びその面積に依存する。また、複数の第1の弾性部材EM1の各々の熱抵抗は、その熱伝導率、その鉛直方向における厚さ、及び、その面積に依存する。したがって、複数の第1の弾性部材EM1の各々の材料、厚さ、及び、面積は、複数の伝熱空間DSNの各々の熱抵抗に応じて、決定される。なお、複数の第1の弾性部材EM1には、低い熱伝導率及び高い耐熱性が要求され得る。したがって、複数の第1の弾性部材EM1は、例えば、パーフロロエラストマーから形成され得る。
【0033】
載置台116は、締付部材171を有する。締付部材171は、金属から形成されており、基台121及び複数の第1の弾性部材EM1を、当該締付部材171と基台117との間に挟持するように構成されている。締付部材171は、基台121と基台117との間の当該締付部材171を介した熱伝導を抑制するために、低い熱伝導率を有する材料、例えば、チタンから形成される。
【0034】
一実施形態において、締付部材171は、筒状部171a及び環状部171bを有している。筒状部171aは、略円筒形状を有しており、その下端において第1下面171cを提供している。第1下面171cは、周方向に延びる帯状の面である。
【0035】
環状部171bは、略環状板形状を有しており、筒状部171aの上側部分の内縁に連続して、当該筒状部171aから径方向内側に延びている。この環状部171bは、第2下面171dを提供している。第2下面171dは、周方向に延びる帯状の面である。
【0036】
締付部材171は、第1下面171cが基台117の第2上面117eに接し、第2下面171dが基台121の第2上面121eに接するように配置される。また、締付部材171は、基台117の周縁部117bに対してねじ173によって固定される。このねじ173の締付部材171に対する螺合を調整することにより、複数の第1の弾性部材EM1の潰し量が調整される。これにより、複数の伝熱空間DSNの鉛直方向における長さが調整される。
【0037】
一実施形態では、締付部材171の環状部171bの内縁部下面と基台121の第2上面121eとの間には、第2の弾性部材175が設けられている。第2の弾性部材175は、Oリングであり、締付部材171の第2下面171dと基台121の第2上面121eとの摩擦により生じ得るパーティクル(例えば、金属粉)が、吸着部123側に移動することを抑制する。
【0038】
また、第2の弾性部材175は、複数の第1の弾性部材EM1が発生する反力よりも小さい反力を発生する。換言すると、複数の第1の弾性部材EM1は、当該複数の第1の弾性部材EM1が発生する反力が第2の弾性部材175が発生する反力よりも大きくなるように構成される。さらに、この第2の弾性部材175は、高い耐熱性を有し、且つ、低い熱伝導率を有する材料として、パーフロロエラストマーから形成され得る。
【0039】
締付部材171の上には、ヒータ176が設けられている。このヒータ176は、周方向に延在しており、フィルタを介してヒータ電源に接続されている。フィルタは、高周波がヒータ電源に侵入することを防止するために、設けられている。
【0040】
ヒータ176は、第1の膜180と第2の膜182の間に設けられている。第1の膜180は、第2の膜182に対して締付部材171側に設けられている。第1の膜180は、第2の膜182の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有している。例えば、第1の膜180は、ジルコニア製の溶射膜であり、第2の膜182は酸化イットリウム(イットリア)製の溶射膜であり得る。また、ヒータ176は、タングステンの溶射膜であり得る。
【0041】
第2の膜182上には、エッジリングFRが設けられている。エッジリングFRは、例えばSiから形成されている。エッジリングFRは、ヒータ176からの熱によって加熱される。また、ヒータ176からの熱流束の多くは、第1の膜180よりも第2の膜182に向かい、当該第2の膜182を介してエッジリングFRに向かう。したがって、エッジリングFRが効率的に加熱される。
【0042】
また、載置台116の基台117、締付部材171等は、それらの外周側において一以上の絶縁性部材186によって覆われている。一以上の絶縁性部材186は、例えば、酸化アルミニウム又は石英から形成されている。
【0043】
以上説明したように、載置台116では、複数の第1の弾性部材EM1によって基台117と基台121とが互いに離間されている。また、この載置台116では、基台121と吸着部123との接合に、接着剤が用いられていない。したがって、静電チャック120の温度を、高温に設定することが可能である。また、複数の伝熱空間DSNに供給される伝熱ガスを介して静電チャック120と基台117との間の熱交換がなされ得るので、静電チャック120の温度を低温に設定することも可能である。また、この載置台116では、給電体119、基台117、及び、締付部材171により、静電チャック120の基台121に対する高周波の給電ルートが確保されている。さらに、給電体119が、静電チャック120の基台121に直接接続されるのではなく、基台117に接続されるので、当該給電体119の構成材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金を採用することができる。したがって、13.56MHz以上の高い周波数の高周波が用いられる場合であっても、給電体119における高周波の損失が抑制される。
【0044】
また、上述したように、一実施形態では、締付部材171の環状部171bの内縁部下面と基台121の第2上面121eとの間には、第2の弾性部材175が設けられている。基台121の周縁部121bの第2上面121eと締付部材171の第2下面171dは、互いに接しているので、それらの接触箇所において摩擦が生じ、パーティクル(例えば、金属粉)が発生することがある。第2の弾性部材175は、このようなパーティクルが発生しても、吸着部123及び当該吸着部123上に載置されるウェハWに、パーティクルが付着することを抑制し得る。
【0045】
また、複数の第1の弾性部材EM1は、これら複数の第1の弾性部材EM1が発生する反力が第2の弾性部材175が発生する反力よりも大きくなるように構成される。これにより、静電チャック120を基台117から確実に離間させることができる。
【0046】
また、一実施形態では、複数の第1の弾性部材EM1は、複数の伝熱空間DSNにHeガスが供給されているときの当該複数の伝熱空間DSNの熱抵抗よりも高い熱抵抗を有するように構成される。また、複数の第1の弾性部材EM1は、例えば、パーフロロエラストマーから形成される。これら複数の第1の弾性部材EM1によれば、静電チャック120と基台117との間では、複数の第1の弾性部材EM1を介した熱伝導よりも複数の伝熱空間DSNを介した熱伝導が優位となる。したがって、静電チャック120の温度分布が均一化され得る。
【0047】
また、一実施形態では、ウェハWと吸着部123との間に供給される伝熱ガス用のガスライン190が接着剤を用いずに形成されている。また、このガスライン190を部分的に構成するスリーブ192が配置される収容空間を画成する基台121の面121fが皮膜194で覆われており、且つ、当該収容空間を封止するように皮膜194と基台117との間において絶縁性の第3の弾性部材196が設けられている。これにより、プラズマが基台121と基台117との間に侵入すること、及び、それに伴う基台121の絶縁破壊が抑制される。
【0048】
また、上述した載置台116を有するプラズマ処理装置100によれば、低い温度から高い温度までの広い温度帯において、ウェハWに対するプラズマ処理を行うことができる。
【0049】
[3Dプリンタの構成]
次に、3Dプリンタ200の構成一例について、図3を参照しながら説明する。図3は、一実施形態に係る3Dプリンタ200の構成の一例を示す。本実施形態に係る3Dプリンタ200は、プラズマ処理装置内で使用される部品を形成(製造)する装置の一例である。ただし、部品を形成する装置は、図3に示す3Dプリンタ200の構成に限られない。
【0050】
また、本実施形態では、3Dプリンタ200にて形成する部品の一例として、構造が複雑な下部電極として機能する載置台116を挙げて説明する。しかし、3Dプリンタ200にて形成する部品はこれに限られず、例えば、上部電極130であってもよい。例えば、異種材料を含む部品や接着できない異種材料をねじ止めして固定している部品であってもよい。その他、プラズマ処理装置100に配置される部品であればいずれの部品であってもよい。
【0051】
3Dプリンタ200は、チャンバ210にて3次元形状の造形物を形成することが可能である。本実施形態にかかる3Dプリンタ200では、3次元形状の造形物として載置台116を形成するための3次元データをRAM256等の記憶部に記憶し、3次元データに基づき載置台116を製造する。載置台116は、テーブルに備えられたステージ202の載置面上で形成される。ステージ202は、載置台116の形成の進行に応じて、例えば除々に下降させるように昇降可能である。
【0052】
本実施形態では、テーブルに備えられた原料格納部203に載置台116を形成する原料の粉末が格納されている。原料は、載置台116を構成する各部材の材料と同じであればよい。例えば、載置台116を構成する部材のうち、基台117、121がアルミニウム合金により形成され、静電チャック120がSiCにより形成される場合、原料格納部203にはアルミニウム合金の粉末とSiCの粉末とが分けて格納される。
【0053】
ただし、基台117、121の材料はアルミニウム合金に限られず、SiC等のセラミックスであってもよい。また、静電チャック120の材料はSiCに限られず、アルミナ等のセラミックスであってもよい。基台117、121がSiCにより形成され、静電チャック120がアルミナにより形成される場合、原料格納部203にはSiCの粉末とアルミナの粉末とが分けて格納される。なお、基台117、基台121、静電チャック120とを構成する各材料の原料は粉末状に限られず、ワイヤ状であってもよい。また、本実施形態では、基台117と静電チャック120とは異種材料にて形成される。
【0054】
チャンバ210内では、原料の粉末を供給しながらエネルギービームを照射し、原料の粉末を溶かす。本実施形態では、照射するエネルギービームとしてレーザ光A(光学レーザ)が用いられる。
【0055】
レーザ光Aは、光源206から出力され、2次元走査するレーザ走査装置204により位置決めされた所定の位置に照射される。光源206及びレーザ走査装置204は、チャンバ210の外部に配置されることが好ましい。レーザ走査装置204は、第2制御部250がレーザ駆動部208を駆動することにより所定の位置に移動する。
【0056】
レーザ走査装置204は、ステージ202上でレーザ光Aを少なくとも2次元(XY)方向に走査する。例えばレーザ走査装置204は、載置台116の立体構造を示す3次元データに応じてステージ202上でレーザ光Aの照射スポットを移動させるよう制御される。具体的には、第2制御部250の制御により、レーザ走査装置204は載置台116を構成する基台117、121及び静電チャック120等のパーツの形成の進行に応じて2次元(XY)方向に走査する。
【0057】
第2制御部250は、ローラ駆動部207を制御し、ローラ205を駆動させる。これにより、基台117の材料であるアルミニウム合金の粉末及び/又は静電チャック120の材料であるSiCの粉末は、レーザ光走査スペース209に供給される。
【0058】
なお、原料格納部203は、加熱手段により温度が調整されていることが好ましい。また、チャンバ210には、不活性ガスの供給及びチャンバ210内の排気が可能な機構が設けられていることが好ましい。
【0059】
レーザ走査装置204が2次元方向に走査するレーザ光Aは、チャンバ210の天井部、例えばステージ202の中心の直上に設けられたレーザ透過窓211を介してステージ202上の照射領域に照射される。レーザ光Aは、ステージ202上のアルミニウム合金の粉末及び/又はSiCの粉末を加熱し(図3のB参照)、粉末を融解固化させ、載置台116を形成する。このようにして、基台117、静電チャック120が順に立体的に形成され、載置台116の製造が完成する。
【0060】
第2制御部250は、CPU252、ROM254及びRAM256を有する。第2制御部250は、原料格納部203からの原料粉末の供給制御、ステージ202の昇降制御を行う。また、第2制御部250は、光源206の点灯制御、レーザ走査装置204の走査制御、ローラ駆動部207及びレーザ駆動部208の制御を行う。これにより、第2制御部250は、載置台116を製造する動作を制御する。
【0061】
CPU252が実行する制御プログラムは、例えばROM254に格納されている。CPU252は、例えばRAM256に格納された3次元データに基づき、制御プログラムを実行することで、載置台116の製造を制御する。なお、制御プログラムは、固定的な記録媒体に格納してもよいし、各種フラッシュメモリや光(磁気)ディスク等の着脱可能であって、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。
【0062】
さらに、第2制御部250は、ディスプレイ258及びキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置260を有する。ディスプレイ258は、エッジリング87の修復進行状態等を表示するために用いられる。入力装置260は、エッジリング87の修復動作の開始、停止などの指令や設定時の制御パラメータの入力などに用いられる。
【0063】
3次元データは、載置台116を製造するためのデータであり、RAM256等の記憶部に記憶される。3次元データには、基台117の立体構造と基台117内の流路117f等の中空構造、基台121及び静電チャック120等、載置台116を構成する各種部分に関するデータが含まれる。また、3次元データには、静電チャック120の立体構造と、静電チャック120に埋設されるヒータHN及び電極膜125に関するデータが含まれる。また、3次元データには、基台117、121と静電チャック120の間に形成される境界層に関するデータが含まれる。
【0064】
[3Dプリンタの動作]
次に、3Dプリンタ200の動作の一例について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、一実施形態に係る部品の形成処理の一例を示すフローチャートである。図5は、一実施形態に係る部品の形成方法を説明するための図である。
【0065】
本処理が開始されると、第2制御部250は、RAM256に格納された3次元データを取得する(ステップS10)。第2制御部250は、3次元データに基づき、アルミニウム合金の粉末をレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末にレーザ光を照射する(ステップS12)。その際、第2制御部250は、ローラ駆動部207を制御してローラ205を動作させ、アルミニウム合金の粉末をレーザ光走査スペース209に供給する。また、第2制御部250は、レーザ駆動部208を制御してレーザ走査装置204を所定の位置に移動させ、レーザ光をアルミニウム合金の粉末に照射する。第2制御部250は、ローラ205を用いてアルミニウム合金の粉末を供給し、レーザ光により融解固化させる前記の動作を繰り返し実行する。これにより、第2制御部250は、基台117、121の形成を完了させる(ステップS14)。
【0066】
図5(1)に基台117、121の形成工程の一部を示す。この工程は、金属の原料の一例であるアルミニウム合金の粉末を供給しながらその粉末にレーザ光を照射することで基台を形成する第1の工程の一例である。これによれば、3次元データに基づき基台117の内部の流路117fの中空構造についても精密に形成することができる。
【0067】
図4に戻り、次に、第2制御部250は、アルミニウム合金の粉末とSiCの粉末との配合率を変えてレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末にレーザ光を照射する(ステップS16)。その際、第2制御部250は、3次元データに基づきアルミニウム合金の粉末の配合率を100%から徐々に減らし、0%まで連続的に変えて供給する。また、第2制御部250は、3次元データに基づきSiCの粉末の配合率を0%から徐々に増やし、100%まで連続的に変えて供給する。
【0068】
これにより、レーザ光走査スペース209に供給されるアルミニウム合金の粉末とSiCの粉末との配合率が、アルミニウム合金が多い状態からSiCが多い状態へと変化する。第2制御部250は、ローラ205を用いて所定の比率に配合されたアルミニウム合金の粉末とSiCの粉末とをレーザ光走査スペース209に供給し、レーザ光をアルミニウム合金の粉末とSiCの粉末とに照射し、融解固化させる動作を繰り返し実行する。これにより、第2制御部250は、境界層129の形成を完了させる(ステップS18)。
【0069】
図5(2)に境界層129の形成工程の一例を示す。この工程は、基台121上に金属の原料の一例であるアルミニウム合金の粉末とセラミックスの原料の一例であるSiCの粉末とが所定の割合で配合された粉末を供給しながらその粉末にレーザ光を照射することで基台上に境界層を形成する第2の工程の一例である。
【0070】
図4に戻り、次に、第2制御部250は、SiCの粉末をレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末にレーザ光を照射する(ステップS20)。第2制御部250は、ローラ205を用いてSiCの粉末を供給し、レーザ光により融解固化させる前記の動作を繰り返し実行する。これにより、静電チャック120の吸着部123を形成するセラミックス層がヒータ層の下まで形成される(ステップS22)。
【0071】
図5(3)にセラミックス層の形成工程の一例を示す。この工程は、セラミックスの原料の一例であるSiCの粉末を供給しながらその粉末にレーザ光を照射することで境界層129の上にセラミックス層(吸着部123)を形成する第3の工程の一例である。
【0072】
図4に戻り、次に、第2制御部250は、ヒータの原料の粉末をレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末にレーザ光を照射する(ステップS24)。第2制御部250は、ローラ205を用いてヒータHNの原料の粉末を供給し、レーザ光により融解固化させる動作を行い、吸着部123内にヒータ層を形成する。
【0073】
図5(4)にヒータHNの形成工程の一例を示す。この工程は、ヒータHNの原料の粉末を供給しながらヒータHNの原料にエネルギービームを照射することでヒータHNを形成する第4の工程の一例である。
【0074】
図4に戻り、次に、第2制御部250は、SiCの粉末をレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末にレーザ光を照射する(ステップS26)。第2制御部250は、ローラ205を用いてSiCの粉末を供給し、レーザ光により融解固化させる前記の動作を繰り返し実行する。これにより、吸着部123を形成するセラミックス層が電極膜の下まで形成される(ステップS28)。
【0075】
次に、第2制御部250は、電極膜の原料の粉末をレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末にレーザ光を照射する(ステップS30)。第2制御部250は、ローラ205を用いて電極膜の原料の粉末を供給し、レーザ光により融解固化させる動作を行い、静電チャック120内に電極層を形成する。
【0076】
図5(5)に電極層(電極膜125)の形成工程の一例を示す。この工程は、電極膜125の原料の粉末を供給しながら電極膜125の原料にレーザ光を照射することで電極膜125を形成する第5の工程の一例である。
【0077】
図4に戻り、次に、第2制御部250は、SiCの粉末をレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末にレーザ光を照射する(ステップS32)。第2制御部250は、ローラ205を用いてSiCの粉末を供給し、レーザ光により融解固化させる動作を繰り返し実行する。これにより、吸着部123の残りのセラミックス層が形成され(ステップS34)、本処理を終了する。これにより、図5(6)に示す静電チャック120の吸着部123の形成が完了し、載置台116の製造が終了する。
【0078】
かかる部品の形成方法によれば、基台121と吸着部123との間に各部材の材料の配合率を変えて形成した境界層129が設けられる。その際、異種材料の境界層129を滑らかに、かつグラディエーション状に形成することで載置台116の接着層を不要とすることができる。これにより、載置台116の異種材料間における熱伝達率を向上させ、熱特性を改善できる。
【0079】
境界層129の各材料の配合率は、基台121に近いほど基台121の材料であるアルミニウム合金の配合率が吸着部123の材料であるSiCの配合率よりも高くなる。逆に、吸着部123に近いほど吸着部123の材料であるSiCの配合率が基台121の材料であるアルミニウム合金の配合率よりも高くなる。
【0080】
このように境界層129は、アルミニウム合金とSiCの配合率がグラディエーション状に変化した材料を溶融固化し、積層することで形成される。境界層129の形成において異種材料の配合率がグラディエーション状に変化して積層されることを「傾斜積層」ともいう。
【0081】
かかる境界層129の形成工程では、基台121と吸着部123の間の境界層129を傾斜積層させることで、載置台116の異種材料間における熱伝達率を傾斜積層されていない場合と比べてより向上させることができる。また、かかる境界層129の形成工程では、基台121と吸着部123とを接着する接着層をなくすことで製造の工数を減らすことができ、製造のリードタイムを短縮できる。
【0082】
さらに、流路構造や配線構造等を3次元的に配置することで載置台116の高機能化を図ることができる。
【0083】
なお、3Dプリンタ200では、第1の工程→第2の工程→第3の工程の順に各工程を実行してもよいし、第3の工程→第2の工程→第1の工程の順に各工程を実行してもよい。これにより、下部電極として機能する載置台2と同様に、上部電極として機能する上部電極130を3Dプリンタ200により製造することができる。
【0084】
[境界層129のバリエーション]
境界層129は、アルミニウム合金の粉末とSiCの粉末との配合率を線形的に変化させるスロープ状(グラディエーション状)の傾斜積層に限られない。境界層129は、アルミニウム合金の粉末とSiCの粉末との配合率を段階的に変化させるステップ状の傾斜積層であってもよい。また、基台121及び吸着部123の材料毎の線膨張係数に応じて境界層129の傾斜(各材料の配合率)を変えてもよい。
【0085】
[3Dプリンタの種類]
なお、本実施形態では、載置台116の製造を行う3Dプリンタ200の一例として粉末床溶融型の3Dプリンタを適用した。粉末床溶融型の3Dプリンタでは、ステージ202に粉末状の原料を敷き詰めてレーザ光等で溶かし、再び粉末状の原料を敷き詰めてレーザ光等で溶かす作業を繰り返して部品を形成する。このため、粉末床溶融型の3Dプリンタは、予め形成する立体構造が明確であり、かつ中空構造等の複雑な構造を有する載置台116及び上部電極130の構造物の製造に適している。
【0086】
しかし、3Dプリンタ200は、かかる構成の3Dプリンタに限られず、例えば指向性エネルギー型の3Dプリンタであってもよいし、それ以外の方法を用いる3Dプリンタであってもよい。前記以外の方法を用いる3Dプリンタとしては、結合剤噴射型の3Dプリンタ、シート積層型の3Dプリンタ、光重合硬化(光造形)形の3Dプリンタ、材料押出し(熱溶融積層)形の3Dプリンタが一例として挙げられる。
【0087】
また、製造対象の部品の材料が樹脂材料又はセラミックスの場合、3Dプリンタが行う樹脂材料の原料を供給しながらエネルギービームを照射する工程では、エネルギービームとして紫外線が使用される。これにより、本実施形態に係る部品の形成方法によれば、金属材料の部品だけでなく、樹脂やセラミックス材料の部品を形成することができる。部品の材料が樹脂又はセラミックス材料の場合の3Dプリンタとしては、インクジェットヘッドから噴射した樹脂を紫外線で固めて積層する材料噴射型の3Dプリンタが一例として挙げられる。
【0088】
[異種のセラミックスの積層構造]
最後に、3Dプリンタを用いた異種のセラミックスの積層構造を有する部品の製造について簡単に説明する。例えば、基台121の材料がSiCであり、吸着部123の材料がアルミナである場合、載置台116は、異種のセラミックスの積層構造を有する部品の一例となる。この場合、基台121の材料は第1のセラミックスの原料の一例であり、吸着部123の材料は第1のセラミックスとは異なる第2のセラミックスの原料の一例である。
【0089】
このように異種のセラミックスの積層構造を有する部品を3Dプリンタ200を用いて形成する方法では、まず、第1のセラミックスと第2のセラミックスの一方の原料を供給しながら、その原料にエネルギービームを照射する工程を実行する。例えば、図3の第2制御部250は、3次元データに基づき、SiCの粉末をレーザ光走査スペース209に供給しながらSiCの粉末に紫外線を照射する。本工程及び以下の工程において照射されるエネルギービームは、紫外線に限られず、その他の周波数帯域の光であってもよい。
【0090】
次に、第1のセラミックスの原料と第2のセラミックスの原料とを供給しながら、その原料にエネルギービームを照射する工程を実行する。例えば、第2制御部250は、3次元データに基づき、SiCの粉末とアルミナの粉末とをレーザ光走査スペース209に供給しながらSiCの粉末とアルミナの粉末に紫外線を照射する。
【0091】
最後に、第1のセラミックスと第2のセラミックスとの他方の原料を供給しながら、その原料にエネルギービームを照射する工程を実行する。例えば、第2制御部250は、3次元データに基づき、アルミナの粉末とをレーザ光走査スペース209に供給しながらアルミナの粉末に紫外線を照射する。これにより、3Dプリンタ200を用いてSiCの基台121、境界層129、アルミナの吸着部123の積層構造を有する載置台116が形成される。
【0092】
2種類のセラミックスの粉末を供給しながら紫外線を照射する工程では、第2制御部250は、SiCの粉末とアルミナの粉末の配合率を変えてレーザ光走査スペース209に供給しながら該粉末に紫外線を照射する。その際、第2制御部250は、3次元データに基づき基台の材料と同じSiCの粉末の配合率を100%から徐々に減らし、0%まで連続的に変えて供給する。また、第2制御部250は、3次元データに基づき静電チャック120の材料と同じアルミナの粉末の配合率を0%から徐々に増やし、100%まで連続的に変えて供給する。
【0093】
これにより、レーザ光走査スペース209に供給されるSiCの粉末とアルミナの粉末との配合率が、SiCが多い状態からアルミナが多い状態へと変化しながらレーザ光走査スペース209に供給される。第2制御部250は、配合率が変化するSiCとアルミナの粉末に紫外線を照射し、融解固化させる動作を繰り返し実行する。これにより、SiCの基台121とアルミナの吸着部123の間に形成される境界層129を傾斜積層する。
【0094】
かかる製造工程では、基台121と吸着部123の間の境界層129を傾斜積層することで、載置台116の異種材料間における熱伝達率を向上させることができる。また、かかる製造工程では、境界層129を傾斜積層することで、基台121と吸着部123とを接着する接着層をなくすことで、製造の工数を減らすことにより製造のリードタイムを短縮できる。
【0095】
以上、部品の形成方法及びプラズマ処理装置を上記実施形態により説明したが、本発明にかかる部品の形成方法及びプラズマ処理装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0096】
本発明に係るプラズマ処理装置は、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のどのタイプでも適用可能である。
【0097】
本明細書では、基板の一例としてウェハWを挙げて説明した。しかし、基板は、これに限らず、LCD(Liquid Crystal Display)、FPD(Flat Panel Display)に用いられる各種基板、CD基板、プリント基板等であっても良い。
【符号の説明】
【0098】
62 第1の高周波電源
64 第2高周波電源
100 プラズマ処理装置
112 処理容器
116 載置台
117 基台
120 静電チャック
121 基台
123 吸着部
125 電極膜
129 境界層
130 上部電極
139 ガス供給部
151 第1制御部
200 3Dプリンタ
202 ステージ
203 原料格納部
204 レーザ走査装置
205 ローラ
206 光源
207 ローラ駆動部
208 レーザ駆動部
209 レーザ光走査スペース
210 チャンバ
250 第2制御部
HN ヒータ
図1
図2
図3
図4
図5