特開2019-201088(P2019-201088A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-201088部品の形成方法及び基板処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-201088(P2019-201088A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】部品の形成方法及び基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20191025BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20191025BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20191025BHJP
【FI】
   H01L21/302 101G
   H05H1/46 A
   H05H1/46 M
   C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-94129(P2018-94129)
(22)【出願日】2018年5月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 道茂
(72)【発明者】
【氏名】永関 一也
(72)【発明者】
【氏名】金子 彰太
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084BB23
2G084CC05
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC15
2G084CC17
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD24
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF07
2G084FF15
2G084FF38
2G084HH11
2G084HH30
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA03
4K030FA01
4K030GA02
4K030KA30
4K030KA39
4K030KA45
4K030LA15
5F004AA16
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB28
5F004CA04
5F004CA06
5F004CA09
5F004CB20
(57)【要約】
【課題】消耗部品を修復することを目的とする。
【解決手段】プラズマ処理装置内で使用される部品の形成方法であって、前記部品の表面状態に応じて該部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程を含む、部品の形成方法が提供される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置内で使用される部品の形成方法であって、
前記部品の表面状態に応じて該部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程を含む、
部品の形成方法。
【請求項2】
前記部品の表面状態を測定する工程を含み、
前記エネルギービームを照射する工程は、前記部品の表面状態を測定する工程を実行した後に行われる、
請求項1に記載の部品の形成方法。
【請求項3】
前記部品の表面状態は、3次元データとして測定される、
請求項1又は2に記載の部品の形成方法。
【請求項4】
前記3次元データは、非接触式の3次元スキャナにより測定される、
請求項3に記載の部品の形成方法。
【請求項5】
前記原料は、粉末状又はワイヤ状である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項6】
前記原料は、石英、SiC、Si、タングステンのいずれかである、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項7】
前記エネルギービームを照射する工程は、前記原料が金属の場合には光学レーザ又は電子ビームを照射し、前記原料が前記金属以外の場合には紫外線を照射する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項8】
前記部品は、エッジリング、カバーリング、インシュレータリング及びトップシールドリングの少なくともいずれかである、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項9】
前記部品の表面状態を測定する工程は、前記部品の消耗状態を測定し、
前記エネルギービームを照射する工程は、前記部品の消耗状態に応じて該部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の部品の形成方法。
【請求項10】
処理容器と、
前記処理容器の内部に配置される部品と、を有し、
前記部品は、前記部品の表面状態に応じて前記部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程により形成された部品である、基板処理システム。
【請求項11】
前記部品は、前記部品の表面状態を測定した後、測定した前記部品の表面状態に応じて前記部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程により形成された部品である、
請求項10に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記部品の表面状態は、3次元データとして測定される、
請求項10又は11に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記3次元データは、非接触式の3次元スキャナにより測定される、
請求項12に記載の基板処理システム。
【請求項14】
前記原料は、粉末状又はワイヤ状である、
請求項10〜13のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項15】
前記原料は、石英、SiC、Si、タングステンのいずれかである、
請求項10〜14のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項16】
前記エネルギービームを照射する工程は、前記原料が金属の場合には光学レーザ又は電子ビームを照射し、前記原料が前記金属以外の場合には紫外線を照射する、
請求項10〜15のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項17】
前記部品は、エッジリング、カバーリング、インシュレータリング及びトップシールドリングの少なくともいずれかである、
請求項10〜16のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項18】
前記部品の表面状態を測定する工程は、前記部品の消耗状態を測定し、
前記エネルギービームを照射する工程は、前記部品の消耗状態に応じて該部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する、
請求項10〜17のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品の形成方法及び基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高アスペクト比のエッチング及び微細化の要求に伴い、バイアス電圧発生用の高周波電力を高いパワーで印加するプラズマプロセスが増えている。これによれば、基板上へのイオンの引き込みを高め、高アスペクト比のエッチング及び微細化を実現する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−43470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかるプロセスでは、シリコン、石英、炭化ケイ素の部品やこれらの材料を溶射した部品の消耗レートが増大することで、かかる部品の寿命が短くなる。また、これらの部品は、所定以上消耗すると新品に交換する必要がある。このため、消耗商品を製作するリードタイムの増加が課題となっている。
【0005】
上記課題に対して、一側面では、消耗部品を修復することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、プラズマ処理装置内で使用される部品の形成方法であって、前記部品の表面状態に応じて該部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程を含む、部品の形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、消耗部品を修復することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す図。
図2】一実施形態に係る3Dプリンタの構成の一例を示す図。
図3】一実施形態に係る3次元スキャナの構成の一例を示す図。
図4】一実施形態に係る3次元データ生成処理の一例を示すフローチャート。
図5】一実施形態に係る部品の修復、形成処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0010】
[プラズマ処理装置]
まず、プラズマ処理装置1の一例について、図1を参照しながら説明する。本実施形態にかかるプラズマ処理装置1は、容量結合型(Capacitively Coupled Plasma:CCP)の平行平板プラズマ処理装置である。プラズマ処理装置1は、ウェハW上をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成手段を有する。なお、プラズマ処理装置1は、処理容器10の内部に配置される部品を有し、基板を処理する基板処理システムの一例であり、前記部品は、前記部品の表面状態に応じて前記部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程により形成される。
【0011】
プラズマ処理装置1は、略円筒形の処理容器10を有している。処理容器10の内面には、アルマイト処理(陽極酸化処理)が施されている。処理容器10の内部では、ウェハWに対してプラズマによりエッチングや成膜等のプラズマ処理が行われる。
【0012】
載置台20は、基台22と静電チャック21とを有する。静電チャック21の上面には、ウェハWが載置される。基台22は、たとえばAl、Ti、SiC等から形成されている。
【0013】
基台22の上には、静電チャック21が設けられている。静電チャック21は、絶縁体21bの間に電極膜21aを挟み込んだ構造になっている。電極膜21aにはスイッチ23を介して直流電源25が接続されている。スイッチ23がオンのとき、直流電源25から電極膜21aに直流電圧が印加されると、クーロン力によってウェハWが静電チャック21に静電吸着される。
【0014】
ウェハWの周辺には、ウェハWを囲む円環状のエッジリング87が載置される。エッジリング87は、例えば、Siから形成され、処理容器10においてプラズマをウェハWの表面に向けて収束し、プラズマ処理の効率を向上させる。
【0015】
載置台20は、支持体14により処理容器10の底部に支持される。基台22の内部には、冷媒を通す流路24が形成されている。チラーから出力された例えば冷却水やブライン等の冷媒は、冷媒入口配管24a→流路24→冷媒出口配管24b→チラーの経路を循環する。このようにして循環する冷媒により載置台20は抜熱され、冷却される。冷媒には、流体及び気体が含まれる。
【0016】
伝熱ガス供給源から供給されるヘリウムガス(He)やアルゴンガス(Ar)等の伝熱ガスは、ガス供給ライン28を通り静電チャック21の上面とウェハWの裏面の間に供給される。かかる構成により、流路24を循環する冷媒とウェハWの裏面に供給する伝熱ガスとによってウェハWが所定の温度に制御される。
【0017】
第1高周波電源32は、第1整合器33を介して載置台20に接続され、第1の周波数のプラズマ生成用の高周波電力HF(例えば、40MHz)を載置台20に印加する。また、第2高周波電源34は、第2整合器35を介して載置台20に接続され、第1の周波数よりも低い第2周波数の、バイアス電圧発生用の高周波電力LF(例えば、13.56MHz)を載置台20に印加する。このようにして載置台20は下部電極としても機能する。なお、本実施形態では、プラズマ生成用の高周波電力HFを載置台20に印加するが、HFシャワーヘッド40に印加してもよい。
【0018】
第1整合器33は、第1高周波電源32の出力インピーダンスとプラズマ側の負荷インピーダンスとを整合させる。第2整合器35は、第2高周波電源34の内部インピーダンスとプラズマ側の負荷インピーダンスとを整合させる。
【0019】
シャワーヘッド40は、処理容器10の天井部に取り付けられ、その外縁に設けられた円筒状のシールドリング42を介して天井部を閉塞する。シャワーヘッド40は、シリコンにより形成されてもよい。シャワーヘッド40は、載置台20(下部電極)に対向する対向電極(上部電極)としても機能する。シャワーヘッド40の周辺部には、シールドリング42の下面にて、石英(SiO)等から形成されたトップシールドリング41が配置されている。
【0020】
載置台20の側面及びエッジリング87の周辺には、円環状のカバーリング89及びインシュレータリング86が配置されている。カバーリング89及びインシュレータリング86は、石英により形成されてもよい。
【0021】
シャワーヘッド40には、ガス導入口45が形成されている。シャワーヘッド40の内部には拡散室46が設けられている。ガス供給源15から出力されたガスは、ガス導入口45を介して拡散室46に供給され、拡散されて多数のガス供給孔47から処理容器10内のプラズマ処理空間Uに供給される。
【0022】
処理容器10の底面には排気口55が形成されている。排気口55に接続された排気装置50によって処理容器10内が排気及び減圧される。これにより、処理容器10内を所定の真空度に維持することができる。処理容器10の側壁にはゲートバルブGが設けられている。ゲートバルブGは、処理容器10へのウェハWの搬入及び搬出の際に開閉する。
【0023】
排気口55の上方に形成された排気路49の上部には円環状のバッフル板81が取り付けられ、プラズマ処理空間Uと排気空間Dとを仕切るとともに、ガスを整流する。
【0024】
プラズマ処理装置1には、装置全体の動作を制御する第1制御部60が設けられている。第1制御部60は、CPU(Central Processing Unit)62、ROM(Read Only Memory)64及びRAM(Random Access Memory)66を有している。CPU62は、RAM66等の記憶領域に格納されたレシピに従って、エッチング等のプラズマ処理を実行する。レシピにはプロセス条件に対する装置の制御情報であるプロセス時間、圧力(ガスの排気)、高周波電力や電圧、各種ガス流量、処理容器内温度(上部電極温度、処理容器の側壁温度、ウェハW温度、静電チャック温度等)、冷媒の温度などが設定されている。なお、これらのプログラムや処理条件を示すレシピは、ハードディスクや半導体メモリに記憶されてもよい。また、レシピは、CD−ROM、DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に収容された状態で所定位置にセットされ、読み出されるようにしてもよい。
【0025】
かかる構成のプラズマ処理装置1において、プラズマ処理が実行される際には、ゲートバルブGの開閉が制御され、ウェハWが処理容器10の内部に搬入され、リフターピンの昇降により載置台20に載置される。直流電源25から電極膜21aに直流電圧が印加され、ウェハWが静電チャック21に静電吸着され、保持される。
【0026】
プラズマ生成手段は、ガス供給源15と第1高周波電源32と第2高周波電源34とを有する。ガス供給源15は、処理ガスを出力し、処理容器10内に供給する。第1高周波電源32は第1高周波電力を載置台20に印加する。第2高周波電源34は、第2高周波電力を載置台20に印加する。これにより、プラズマ生成手段は、プラズマ処理空間Uにプラズマを生成する。生成されたプラズマの作用によりウェハWにプラズマ処理が施される。
【0027】
プラズマ処理後、直流電源25から電極膜21aにウェハWの吸着時とは正負が逆の直流電圧が印加され、ウェハWの電荷が除電される。リフターピンの昇降により、処理済のウェハWは静電チャック21から剥がされ、ゲートバルブGが開かれると処理容器10の外部に搬出される。
【0028】
[3Dプリンタの構成]
次に、3Dプリンタ100の構成一例について、図2を参照しながら説明する。図2は、一実施形態に係る3Dプリンタ100の構成の一例を示す。本実施形態に係る3Dプリンタ100は、処理容器10内に配置され、プラズマにより消耗する部品(消耗部品)を修復する装置の一例である。ただし、消耗部品を修復する装置は、図2に示す3Dプリンタ100の構成に限られない。
【0029】
また、本実施形態では、3Dプリンタ100にて修復される消耗部品の一例として、エッジリング87を挙げて説明する。しかし、消耗部品はこれに限られず、例えば、カバーリング89、インシュレータリング86、トップシールドリング41であってもよい。消耗部品は、プラズマ処理装置1に配置され、プラズマ処理装置1から取り外し可能ないずれの部品であってもよい。
【0030】
3Dプリンタ100は、チャンバ110にて3次元形状の造形物を形成することが可能である。本実施形態では、エッジリング87の消耗部分の測定を予め行い、その測定結果に基づき3Dプリンタ100を使用してエッジリング87の消耗部分の3次元形状が修復され、エッジリング87が再形成される。
【0031】
修復の際、エッジリング87は、テーブル103に備えられたステージ102の載置面上に載置される。ステージ102は、エッジリング87の修復の進行に応じて、例えば除々に下降させるように昇降可能である。
【0032】
本実施形態では、原料格納部107には原料となるSiCの粉末が格納されている。原料は、エッジリング87を形成する材料と同じであればよい。例えば、エッジリング87が石英、Si、タングステンのいずれかにより形成されてもよい。この場合、原料格納部107には石英、Si、タングステンの粉末が格納される。また、原料は、粉末状に限られず、ワイヤ状であってもよい。図2に示すSiCの粉末Bは、原料格納部107から供給され、原料供給ヘッド105からチャンバ110内に噴射され、エッジリング87の消耗の修復に使用される。原料格納部107及び原料供給ヘッド105は、チャンバ110の外部に配置されることが好ましい。
【0033】
チャンバ110内にはSiCの粉末Bを供給しながらエネルギービームを照射し、SiCの粉末Bを溶かす。本実施形態では、照射するエネルギービームとしてレーザ光A(光学レーザ)が用いられる。レーザ光Aは、光源106から出力され、2次元走査するレーザ走査装置104により位置決めされた所定の位置に照射される。光源106及びレーザ走査装置104は、チャンバ110の外部に配置されることが好ましい。
【0034】
レーザ走査装置104は、ステージ102上でレーザ光Aを少なくとも2次元(XY)方向に走査する。例えばレーザ走査装置104は、エッジリング87の消耗状態(消耗量、消耗位置(消耗領域)、消耗形状等)に応じてステージ102上でレーザ光Aの照射スポットを移動させるよう制御される。具体的には、第2制御部150の制御により、レーザ走査装置104はエッジリング87の修復の進行に応じて2次元(XY)方向に走査する。例えば、図2の例では、エッジリング87の消耗状態を点線Eで示す。3Dプリンタは、このエッジリング87の消耗を元の新品の状態(つまり、点線Eの状態)に修復する。
【0035】
その際、レーザ走査装置104が2次元方向に走査するレーザ光Aは、チャンバ110の天井部、例えばステージ102の中心の直上に設けられたレーザ透過窓111を介してステージ102上の照射領域に照射される。レーザ光Aは、エッジリング87の上方にてSiCの粉末Bを加熱し(図2のC参照)、粉末Bを融解固化させ、固化層Dを形成する。固化層Dがエッジリング87の上面に積層することでエッジリング87の修復及び再形成が行われる。
【0036】
レーザ走査装置104及び原料供給ヘッド105は、第2制御部150が駆動部108を駆動することにより所定の位置に移動する。チャンバ110には、不活性ガスの供給及びチャンバ110内の排気が可能な機構が設けられてもよい。
【0037】
第2制御部150は、CPU152、ROM154及びRAM156を有する。第2制御部150は、原料格納部107及び原料供給ヘッド105からの原料粉末の供給制御、ステージ102の昇降制御を行う。また、第2制御部150は、光源106の点灯制御、およびレーザ走査装置104の走査制御及び駆動部108の制御を行う。これにより、第2制御部150は、エッジリング87の修復の動作を制御する。
【0038】
CPU152が実行する制御プログラムは、例えばROM154に格納されている。CPU152は、例えばRAM156に格納された3次元データに基づき、制御プログラムを実行することで、エッジリング87の修復を制御する。なお、制御プログラムは、固定的な記録媒体に格納してもよいし、各種フラッシュメモリや光(磁気)ディスク等の着脱可能であって、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。
【0039】
さらに、第2制御部150は、ディスプレイ158及びキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置160を有する。ディスプレイ158は、エッジリング87の修復進行状態等を表示するために用いられる。入力装置160は、エッジリング87の修復動作の開始、停止などの指令や設定時の制御パラメータの入力などに用いられる。
【0040】
エッジリング87の消耗状態の測定は、非接触式の3次元スキャナ200(以下、単に「3次元スキャナ200」という。)によって行われる。つまり、エッジリング87の消耗状態は、3次元スキャナ200によって測定され、測定情報は第2制御部150に送信される。第2制御部150は、測定情報を3次元データとしてRAM156に格納する。
【0041】
次に、前記工程を実行する前に、3次元スキャナ200によって実行されるエッジリング87の消耗状態を測定する工程について説明する。
【0042】
[3次元スキャナの構成]
まず、3次元スキャナ200の構成の一例について、図3を参照しながら説明する。図3は、一実施形態に係る3次元スキャナ200の構成の一例を示す。本実施形態に係る3次元スキャナ200は、エッジリング87の消耗状態を測定する装置の一例であり、かかる構成に限られない。
【0043】
3次元スキャナ200は、測定ステージ203、撮像部201、駆動部202、検出制御部204を有する。検出制御部204は、記憶部206及び3次元測定部208を有する。測定ステージ203の載置面上には、エッジリング87が載置される。エッジリング87の消耗状態を点線Eで示す。
【0044】
撮像部201は、測定ステージ203に対向して配置されており、エッジリング87を撮影する。駆動部202は、検出制御部204からの指示に応じて、撮像部201を高さ方向又は水平方向に移動させる。撮像部201は、3次元的にエッジリング87の消耗状態をスキャンし、画像データを撮像する。
【0045】
画像データは、検出制御部204に転送され、記憶部206に記憶される。3次元測定部208は、画像データとエッジリング87の新品時の状態との差分から、エッジリング87の3次元の消耗状態(3次元の消耗量、消耗位置(消耗領域)、消耗形状等)を3次元データとして生成する。3次元データは、3Dプリンタ100に送信される。
【0046】
[3次元スキャナの動作]
次に、3次元スキャナ200の動作の一例について図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る3次元データ生成処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、プラズマ処理装置1にてプラズマ処理が所定時間行われたとき、又はプラズマ処理装置1に配置されたエッジリング87が所定以上消耗したときに開始される。エッジリング87の消耗度合いは、処理されたウェハWのエッチング形状、エッチングレート等のエッチング特性から判定してもよい。消耗したエッジリング87は、プラズマ処理装置1から取り外され、3次元スキャナ200に運ばれる(ステップS10)。
【0047】
エッジリング87は、測定ステージ203の載置面上に載置される。撮像部201は、エッジリング87を3次元的にスキャンする(ステップS10)。スキャンしたエッジリング87の画像データは、検出制御部204に転送される。
【0048】
3次元測定部208は、エッジリング87の画像データとエッジリング87の新品時の状態との差分から、エッジリング87の3次元の消耗量、消耗位置、消耗形状等を示す3次元データを生成する(ステップS12)。3次元測定部208は、生成した3次元データを3Dプリンタ100へ送信し(ステップS14)、本処理を終了する。
【0049】
これにより、3Dプリンタ100は、エッジリング87の消耗状態を示す3次元データを取得し、3次元データに基づき、エッジリング87の消耗部分の修復を行い、エッジリング87を元の新品の状態に再形成する。
【0050】
[3Dプリンタの動作]
次に、3Dプリンタ100の動作の一例について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る部品の修復、形成処理の一例を示すフローチャートである。本処理が開始されると、第2制御部150は、3次元スキャナ200から3次元データを受信する(ステップS20)。
【0051】
次に、第2制御部150は、3次元データをRAM156等の記憶部に記憶する。第2制御部150は、3次元データに基づき、エッジリング87の消耗量が閾値を超えたかを判定する(ステップS22)。第2制御部150は、エッジリング87の消耗量が閾値を超えていないと判定すると、この時点ではエッジリング87の消耗は所定以下であるため、修復は実行しなくてもよいと判断し、本処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS22において第2制御部150は、エッジリング87の消耗量が閾値を超えていると判定すると、エッジリング87の修復が必要であると判断し、エッジリング87を3Dプリンタ100へ搬送し、ステージ102に載置する(ステップS24)。
【0053】
次に、第2制御部150は、3次元データに基づき駆動部108を制御して、原料供給ヘッド105とレーザ走査装置104とをそれぞれ移動させる(ステップS26)。次に、第2制御部150は、原料格納部107から原料であるSiCの粉末Bを供給しながら、レーザ光Aを照射する(ステップS28)。これにより、SiCの粉末Bを融解(図2のC参照)及び固化させ、エッジリング87の消耗状態に応じた位置に固化層(図2のD参照)を形成する。
【0054】
次に、第2制御部150は、エッジリング87の消耗部分の修復が完了したかを判定する(ステップS30)。第2制御部150は、エッジリング87の消耗部分の修復が完了していないと判定すると、ステップS26へ戻り、ステップS26〜S30の処理を繰り返す。一方、ステップS30において、第2制御部150は、エッジリング87の消耗部分の修復が完了したと判定すると、本処理を終了する。
【0055】
以上に説明したように、本実施形態に係るエッジリング87等の部品の形成方法では、部品の消耗状態を示す3次元データに基づき該部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程を含む。
【0056】
これによれば、エッジリング87等の部品を修復できる。これにより、エッジリング87等の部品が所定以上消耗してもその部品を新品に交換する必要がなくなり、部品の消費量を低下させることができる。
【0057】
また、修復対象の部品は、3次元スキャナ200用いて消耗状態を測定される。測定後、部品の消耗状態を示す3次元データに基づき、その部品の原料を供給しながらエネルギービームを照射して部品の修復を行う。これにより、部品の製作にかかるリードタイムの短縮を図ることができる。
【0058】
ただし、本実施形態に係るエッジリング87等の部品の形成方法では、部品の消耗状態を示す3次元データに基づき該部品の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射することに限られない。例えば、プラズマによる部品の消耗だけでなく、その他の原因によってエッジリング87を再形成したい場合にも、その部員の表面状態を示す3次元データに基づき、その部品の原料を供給しながらエネルギービームを照射して部品の再形成を行ってもよい。
【0059】
[3Dプリンタの種類]
なお、本実施形態では、エッジリング87の修復を行う3Dプリンタ100の一例として指向性エネルギー堆積型の3Dプリンタを適用した。指向性エネルギー堆積型の3Dプリンタでは、粉末状又はワイヤ状の原料を供給しながら、チャンバ110内の空間において原料をレーザ光で溶かし、溶かした原料を部品の所定位置に堆積させて部品の修復を行う。しかし、3Dプリンタ100は、かかる構成の3Dプリンタに限られない。
【0060】
例えば、粉末床溶融の3Dプリンタを使用してもよい。粉末床溶融型の3Dプリンタでは、ステージに粉末状の原料を敷き詰めてレーザ光等で溶かし、再び粉末状の原料を敷き詰めてレーザ光等で溶かす作業を繰り返して部品を修復する。部品を修復する方法は、更に指向性エネルギー堆積型及び粉末床溶融以外の3Dプリンタを用いてもよい。前記以外の3Dプリンタとしては、結合剤噴射型の3Dプリンタ、シート積層型の3Dプリンタ、光重合硬化(光造形)形の3Dプリンタ、材料押出し(熱溶融積層)形の3Dプリンタが一例として挙げられる。
【0061】
また、部品の材料が樹脂や酸化物等の金属以外の材料の場合、3Dプリンタが行う金属以外の原料を供給しながらエネルギービームを照射する工程では、エネルギービームとして紫外線及びその他の周波数帯域の光が使用される。これにより、本実施形態に係る部品の形成方法によれば、金属材料の部品だけでなく、樹脂等の金属以外の材料の部品を修復することができる。部品の材料が金属以外の材料の場合の3Dプリンタとしては、インクジェットヘッドから噴射した金属以外の材料を紫外線で固めて積層する材料噴射型の3Dプリンタが一例として挙げられる。
【0062】
以上、部品の形成方法及び基板処理システムを上記実施形態により説明したが、本発明にかかる部品の形成方法及び基板処理システムは上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0063】
例えば、上記実施形態では、エッジリング87の消耗状態を測定する工程と、測定されたエッジリング87の消耗状態に応じて、エッジリング87の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程と、を含むエッジリング87の形成方法について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、エッジリング87の表面状態を測定する工程と、測定されたエッジリング87の表面状態に応じて、エッジリング87の原料を供給しながら前記原料にエネルギービームを照射する工程と、を含んでもよい。
【0064】
例えば、エッジリング87等の部品の表面状態には、プラズマによるエッジリング87の消耗以外に傷や破損によるものも含まれる。部品の表面に破損などがある場合にも、破損部分を含む部品の表面状態を測定し、測定結果に基づき本発明に係る部品の形成方法により部品の修復や再形成が可能である。
【0065】
本発明に係るプラズマ処理装置は、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のどのタイプでも適用可能である。
【0066】
本明細書では、基板の一例としてウェハWを挙げて説明した。しかし、基板は、これに限らず、LCD(Liquid Crystal Display)、FPD(Flat Panel Display)に用いられる各種基板、CD基板、プリント基板等であっても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 プラズマ処理装置
10 処理容器
15 ガス供給源
20 載置台
21 静電チャック
21a 電極膜
22 基台
25 直流電源
26 ヒータ
32 第1高周波電源
34 第2高周波電源
40 シャワーヘッド
41 トップシールドリング
42 シールドリング
49 排気路
50 排気装置
60 第1制御部
81 バッフル板
87 エッジリング
86 インシュレータリング
89 カバーリング
100 3Dプリンタ
110 チャンバ
102 ステージ
104 レーザ走査装置
105 原料供給ヘッド
106 光源
107 原料格納部
150 第2制御部
U プラズマ処理空間
D 排気空間
図1
図2
図3
図4
図5