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特開2019-202476グラビアオフセット印刷方法及び印刷品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-202476(P2019-202476A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】グラビアオフセット印刷方法及び印刷品
(51)【国際特許分類】
   B41M 1/10 20060101AFI20191101BHJP
   B41N 1/06 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   B41M1/10
   B41N1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-98863(P2018-98863)
(22)【出願日】2018年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304036754
【氏名又は名称】国立大学法人山形大学
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】杉原 理規
(72)【発明者】
【氏名】加藤 幸男
(72)【発明者】
【氏名】篠浦 康隆
(72)【発明者】
【氏名】時任 静士
(72)【発明者】
【氏名】泉 小波
【テーマコード(参考)】
2H113
2H114
【Fターム(参考)】
2H113AA01
2H113AA06
2H113BA03
2H113BC12
2H113DA46
2H113DA47
2H113DA53
2H113DA57
2H113DA58
2H113EA08
2H113EA10
2H113EA25
2H113FA29
2H114AA03
2H114DA04
(57)【要約】
【課題】曲面に対して高精度のメッシュパターンを印刷することができる印刷方法及び印刷品を提供する。
【解決手段】基材の表面に、ブランケットロールを用いたグラビアオフセット印刷によりメッシュパターンを印刷する印刷方法において、該基材表面の少なくとも一部が曲面よりなり、前記ブランケットロールのゴム硬度が20度以下であることを特徴とする印刷方法。基材表面にメッシュパターンが印刷された印刷品であって、前記基材表面の曲面の曲率半径が30〜5000mmであり、前記メッシュパターンにおける線幅が1〜50μmであり、線と線の間隔が50〜300μmであり、かつ、パターン精度(設計メッシュパターン格子長と印刷メッシュパターン格子長との差異の割合)が25%以下であることを特徴とする印刷品。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に、ブランケットロールを用いたグラビアオフセット印刷によりメッシュパターンを印刷する印刷方法において、
該基材表面の少なくとも一部が曲面よりなり、
前記ブランケットロールのゴム硬度が20度以下であることを特徴とする印刷方法。
【請求項2】
前記ブランケットロールのゴム硬度が1〜15度であることを特徴とする請求項1の印刷方法。
【請求項3】
前記基材表面の曲面の曲率半径が50〜5000mmであることを特徴とする請求項1又は2の印刷方法。
【請求項4】
印刷される前記基材表面の全面が曲面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの印刷方法。
【請求項5】
前記凹版のメッシュパターンの印刷方向における格子長を、設計メッシュパターンの格子長よりも小さく設定し、該印刷方向と直交方向における格子長さを設計メッシュパターンの格子長よりも大きく設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの印刷方法。
【請求項6】
基材表面にメッシュパターンが印刷された印刷品であって、前記基材表面は曲率半径が50〜5000mmである1または2以上の曲面を有し、前記メッシュパターンにおける線幅が1〜50μmであり、線と線の間隔が50〜300μmであり、かつ、
パターン精度(設計メッシュパターン格子長と印刷メッシュパターン格子長との差異の割合)が25%以下であることを特徴とする印刷品。
【請求項7】
前記基材表面の曲面の頂部と麓部の高低差が0.3mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の印刷品。
【請求項8】
前記印刷品の印刷部に無機微粒子が含有されており、粒径が2.0μm以下であることを特徴とする請求項6又は7の印刷品。
【請求項9】
前記印刷品の基材が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の印刷品。
【請求項10】
前記メッシュパターンにおける線幅の印刷精度の範囲が±0.1μm以上±0.5μm以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の印刷品。
【請求項11】
前記メッシュパターンが、基材曲面の頂部および/または麗部に付与されており、印刷面積が基材投影面積のうち1%以上100%以下であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の印刷品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビアオフセット印刷方法に係り、特に、少なくとも一部が曲面となっている基材表面にメッシュパターンをグラビアオフセット印刷する方法に関する。また、本発明はメッシュパターンの印刷精度に優れる印刷品に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に導電性細線が形成された配線板は、各種電子機器における透明電極、電磁波シールド、タッチパネル等の部材として汎用されている。特に、タッチパネルは、携帯電話等の情報通信機器をはじめとする各種表示素子において広く用いられており、透明基板を用いた配線板は、重要な部材となっている。
【0003】
配線を備えた回路基板として、スクリーン印刷法により、銀等の導電性粒子を含む導電性インクでパターンを形成し、これを150℃程度の比較的低温で加熱処理することにより、配線パターンを形成して製造されたものがある(例えば特許文献1)。特許文献1には、配線として線幅が50〜70μm程度のものを形成でき、タッチパネルの製造へ応用できることも開示されている。
【0004】
特許文献2には、グラビアオフセット印刷法により、銀等の導電性粒子を含む導電性インクでパターンを形成して製造されたものが開示されており、配線として線幅が2〜20μm程度のものを形成でき、タッチパネルの製造へ応用できることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−253172号公報
【特許文献2】特願2015−559141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載される方法では、設計した微細配線パターンを基材表面に付与することが可能である。しかしながら、基材表面の形状が平面に限定され、曲面形状の基材に印刷することができない。
【0007】
上記特許文献2に記載される方法では、ある程度の曲面には印刷可能であるが、曲率半径の小さい曲面を有する基材表面への印刷は困難であった。また、ブランケットの変形に伴う印刷パターンの歪みが発生するため、印刷パターンの精度が低下し易い。
【0008】
本発明は、曲面に対して高精度のメッシュパターンを印刷することができる印刷方法及び印刷品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のグラビアオフセット印刷方法は、基材の表面に、ブランケットロールを用いたグラビアオフセット印刷によりメッシュパターンを印刷する印刷方法において、該基材表面の少なくとも一部が曲面よりなり、前記ブランケットロールのゴム硬度が20度以下であることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様では、前記ブランケットロールのゴム硬度が1〜15度である。
【0011】
本発明の一態様では、前記基材表面の曲面の曲率半径が50〜5000mmである。
【0012】
本発明の一態様では、印刷される前記基材表面の全面が曲面である。
【0013】
本発明の一態様では、前記凹版のメッシュパターンの印刷方向における格子長を、設計メッシュパターンの格子長よりも小さく設定し、該印刷方向と直交方向における格子長さを設計メッシュパターンの格子長よりも大きく設定する。
【0014】
本発明の印刷品は、基材表面にメッシュパターンが印刷された印刷品であって、前記基材表面は曲率半径が50〜5000mmである1または2以上の曲面を有し、前記メッシュパターンにおける線幅が1〜50μmであり、線と線の間隔が50〜300μmであり、かつ、パターン精度(設計メッシュパターン格子長と印刷メッシュパターン格子長との差異の割合)が25%以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様では、前記基材表面の曲面の頂部と麓部の高低差が0.3mm以上100mm以下である。
【0016】
本発明の一態様では、前記印刷品の印刷部に無機微粒子が含有されており、粒径が2.0μm以下である。
本発明の一態様では、前記印刷品の基材が熱可塑性樹脂である。
【0017】
本発明の一態様では、前記メッシュパターンにおける線幅の印刷精度の範囲が±0.1μm以上±0.5μm以下である。
【0018】
本発明の一態様では、前記メッシュパターンが、基材曲面の頂部および/または麗部に付与されており、印刷面積が基材投影面積のうち1%以上100%以下である。
【発明の効果】
【0019】
ブランケットロールとして、印刷の際に基材曲面に対して十分追従する低硬度のものを用いることにより、印刷時のブランケット変形に伴う印刷歪みを減少させ、曲率半径の小さい曲面を有する基材表面に対しても高精度のメッシュパターンを印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明方法の一例を示す概略断面図である。
図2】本発明のメッシュパターンを説明する模式図である。
図3】本発明のメッシュパターンの他の一例を説明する模式図である。
図4】メッシュパターンの開口の引き伸ばしを説明する模式図である。
図5】(A)は基材の斜視図、(B)は(A)のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0022】
<グラビアオフセット印刷方法>
本発明のグラビアオフセット印刷方法では、非常に軟らかいオフセットロールを適用した印刷手法により、基材にメッシュパターンを付与することが出来る。
【0023】
図1は本発明のグラビアオフセット印刷方法の一例を説明する模式的な縦断面図である。グラビア版1に付与するメッシュパターンと同じ形状に刻印された凹版1aが設けられており、シリンダ2及びドクターブレード3によってインクが凹版1aに充填される。ブランケットロール4が該凹版1a上を転動することによりインクがブランケットロール4に受理(転写)され、ブランケットロール4が基材5上を転動することにより基材表面5aにメッシュパターンを印刷する。この基材表面5aは全面的に曲面(この実施の形態では凸曲面)となっている。
【0024】
インクを基材表面5aに転写した後、加熱工程を行い、インク中の溶媒除去、およびインクの硬化工程を行ってもよい。加熱工程の加熱温度は、60℃以上120℃以下であることが好ましく、70℃以上110℃以下であることがより好ましく、80℃以上100℃以下であることがさらに好ましい。
【0025】
<印刷基材>
印刷基材表面の曲面は、曲率半径が50〜5000mm、特に50〜4000mm、とりわけ50〜3000mmであることが好ましい。
【0026】
また、印刷基材表面の曲面は1つでも良いし2つ以上あっても良い。2つ以上の曲面を有する場合、それらは連続していても不連続であってもよい。
【0027】
さらに、印刷基材表面の曲面について、基材を水平に接地した際の接地面からの高さが最も高い部分を頂部とし、最も低い部分を麓部とする。曲面が2つ以上存在する場合には、それぞれの曲面において頂部と麓部が存在する。このとき、頂部と麓部の高低差は0.3mm以上100mm以下であることが好ましい。
【0028】
基材の材料や色は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定される。例えば、透明、半透明または不透明の無機材料(例えば無機ガラス)や樹脂材料等からなる基材を使用することができ、作業性の観点からは、軽量で薄型の樹脂基材が好ましい。具体的には、ポリオレフィ¥ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上による複合基材であってもよい。
【0029】
<凹版>
本発明に使用できる凹版は、その加工方法によりある程度の材質が限定される場合がある。例えば、エッチングにより作製される場合には、ガラス、石英、銅など、アディティブ法により作製される場合には、スズニッケル等の合金、レーザアブレーションにより作製される場合には、当該レーザ光の波長を吸収する金属などである。
【0030】
印刷の観点から見た版の材質は、作業性、耐薬品性、耐衝撃性の観点から金属材料であることが好ましい。具体的には、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅、チタン等を使用することができる。
【0031】
また、微細なパターンを形成するためには、レーザによるミクロンオーダーの微細加工が可能である材質であることが好ましい。このような材質としては、例えば、金属、金属酸化物又は樹脂等が挙げられる。なかでも
【0032】
凹版の作製方法は、特に限定されることはなく、一般的に金属や樹脂を加工する方法を用いることができる。例えば、電気分解した金属イオンを基材表面へ電着させ、パターンを形成させることにより凹版を製作することができる。また、感光性樹脂を用いて露光、エッチングする簡易な手法を用いることも可能である。
【0033】
<メッシュパターンの形状>
本発明において、印刷されるメッシュパターンの形状は、特に限定されるものではない。例えば、図3(a)(b)に示すような、クロス形状、ハニカム形状等のパターンのように、特定の形状が繰り返され、かつ微細配線が連続しており、途切れることがないパターンである。このように、空間を導電性の材料で囲むことによって等電位面を形成し、その内部への電界の侵入を抑制するファラデー効果を発現する形状であればよく、閉じたパターンの繰り返しであればよい。
【0034】
メッシュ開口が図2(a)(b)に示すような正方形又は菱形となるクロス形状のメッシュパターンの場合、図4に示すように、一方の対角線(メッシュ開口の対角線)が印刷方向(MD)となり、他方の対角線が印刷方向と直交方向(TD)となることが好ましい。
【0035】
メッシュパターンの線幅は通常1〜50μm特に5〜30μm程度であり、平行な線同士の間の間隔は50〜300μm程度である。
【0036】
<ブランケットロール>
本発明に使用されるブランケットロールは、ゴム硬度が20度以下、好ましくは1〜15度特に好ましくは1〜10度である。なお、本発明では、ゴム硬度はデュロメータを用いたショアA硬度である。
【0037】
ブランケットロールの材質は、特に限定されるものではないが、凹凸面や曲面等の3次元表面形状を有する樹脂成形体等の基材表面にコーティングを可能とする観点から、ゴム又は樹脂であることが好ましく、特に、弾性を有することから、ゴムが好ましい。具体的には、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びこれらのうちの2種以上からなる混合物等が挙げられる。これらの中でも、耐溶剤性が高い、濡れ張力が低く溶媒の選択肢の幅が広がる等の観点から、シリコーンゴムが好適である。
【0038】
ブランケットロールの形状は円筒形であり、その厚さおよびサイズは印刷対象物となる印刷基材の形状に依存する。ブランケットロールの円筒形の長軸長さは、印刷対象物の1.2倍以上、好ましくは1.5倍以上有することが好ましい。なぜなら、軟らかいブランケットロールは、印刷圧力により大きく変形し、印刷パターンを歪める原因となるが、その歪みはブランケットロールの端に行くほど大きくなるためである。また、ブランケットロールの直径は、当該ロールの円周長さが印刷対象物の1.2倍以上好ましくは1.5倍以上とすることが好ましい。
【0039】
例えば、印刷基材の形状が200mm四方程度であれば、円筒形の長軸長さはその1.5倍以上の約300mm、半径は約100mmとすれば当該樹脂成形品を一度に印刷することが可能である。
【0040】
<インク>
本発明の印刷方法で使用されるインクは、好ましくは導電性の無機微粒子を含む。無機微粒子の粒径は0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上1.5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上1.0μm以下であることがさらに好ましい。導電性無機微粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、スズなどが例示される。インクは、無機微粒子の他、溶剤、バインダー樹脂、助剤などの通常のインク材料を含有する。
【0041】
無機微粒子のインク全量における含有量は60wt%以上85wt%以下であることが好ましく、65%以上80%以下であることがより好ましく、70wt%以上75wt%以下であることがさらに好ましい。
【0042】
<凹版メッシュパターンの補正>
本発明で用いるブランケットロールは、ゴム硬度が低いので図1,3のように凸に湾曲した曲面に対し図1のように押し付けられたときに、ブランケットロール外周面のうち基材に押し付けられた部位が周方向に伸長し易い。そのため、図1の印刷方法に従ってメッシュパターンの印刷を施した場合、印刷されたメッシュパターンは、図2に模式的に図示されるように、原メッシュパターンすなわち凹版メッシュパターンに比べて印刷方向(MD方向)に引き伸ばされ、逆に印刷方向と直交方向(TD方向)には縮むことになる。
【0043】
そのため、本発明方法によってメッシュパターンを印刷する場合には、原メッシュパターンのMD方向長さを製品基材表面上におけるメッシュパターンのMD方向長さよりも所定比率小さいものとし、TD方向においては原メッシュパターンの長さを製品基材表面上のメッシュパターンの長さよりも所定比率大きい補正原メッシュパターンとすることが好ましい。これにより、メッシュパターンの格子長の設計値(目標値)と実際の印刷品との差異の割合を小さい(例えば25%以下)とすることができる。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0045】
[実施例1〜9、比較例1,2]
図3に示す基材に対し、図1に示す方法に従ってメッシュパターンを印刷した。即ち、下記の凹版に下記のインクを充填し、ブランケットロールにインクを受理させた後、基材表面に転写させた。次いで、110℃の温度で1分加熱することにより硬化させて、メッシュ印刷部を形成した。そして、後述の方法でブランケット追従性及び印刷パターン精度を評価し、結果を表1に示した。
【0046】
<基材>
ポリカーボネート製の下記寸法の基材(1)又は基材(2)を用いた。
【0047】
基材(1):MD長さ(図3のa)60mm×TD長さ(図3のb)120mm×厚さ2mm(図3のc)、曲率半径r=800mm(実施例2〜9、比較例1,2で使用)
基材(2):MD長さ40mm×TD長さ76mm×厚さ0.3mm、曲率半径r=55mm(実施例1のみ使用)
【0048】
<凹版>
凹版パターン:メッシュパターン(直交クロス形状)
パターンの方向:メッシュ開口の一方の対角線方向は印刷方向(MD方向)、他方の対角線方向は印刷方向と直交方向(TD方向)
パターン線幅:10μm
パターン間隔:300μm(メッシュ開口の対角線長さ424μm)
パターン深度:10μm
【0049】
<ブランケットロール>
材質:ポリジメチルシロキサン
直径:100mm
幅:130mm
ショアA硬度:1度、3度、6度、15度又は30度
【0050】
<インク>
無機微粒子:銀(平均粒径0.5μm)72wt%
バインダー樹脂:フェノール系熱硬化性樹脂25wt%
溶媒:イソホロン2wt%
【0051】
<評価方法>
(1)ブランケット追従性
ブランケットロールに受理させたインクを、印刷基材上に転写させる際、ブランケットロールの基材全面に対する追従性を、基材に印刷されたパターンの印刷状態を目視で確認した。評価基準は以下とした。
○:基材全面にパターンが印刷されている。
×:基材全面にはパターンが印刷されていない。
【0052】
(2)印刷パターン精度
図3(A)の「測定箇所」にて示す箇所におけるメッシュパターンについて、設計パターンの再現性を顕微鏡で観察することにより評価した。設計パターンに対する印刷パターンの差異は、設計メッシュパターン格子長(メッシュ開口のMD方向対角線長さ)に対する、設計メッシュパターン格子長と印刷メッシュパターン格子長との差の割合を算出することにより評価した。
【0053】
<結果及び考察>
それぞれの工程について、上記評価を行い、結果を表1に示した。
【0054】
なお、表1における「凹版補正無」は、本実施例の上記<凹版>の項に記載した通りのメッシュパターンにて印刷したことを表わす。「凹版補正有」とは、凹版におけるメッシュパターンのMD方向長さを22%小さくし、TD方向長さを7%大きくした補正メッシュパターンを有した凹版を用いたことを表わす。
【0055】
【表1】
【0056】
表1の通り、本発明方法により印刷を行った曲面メッシュ印刷品は、基材表面が曲面であるにもかかわらず、メッシュパターンの精度が良好である。従って、本発明方法によると、印刷品の部位ごとにおけるパターンのムラを抑制することが可能となり、外観に優れた曲面印刷品を得ることができる。また、導電性パターンを印刷した場合には、印刷面全面において一定範囲内の安定した導電性を付与することができる。
図1
図2
図3
図4
図5