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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-203723(P2019-203723A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20191101BHJP
【FI】
   G01N35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-97534(P2018-97534)
(22)【出願日】2018年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】大草 武徳
(72)【発明者】
【氏名】坂入 進
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CB09
2G058CD04
2G058CE08
2G058HA01
(57)【要約】
【課題】
安全カバーを確実にロックできる自動分析装置を提供する。
【解決手段】
分析装置を収容する筐体(21)と、筐体(21)の上面である作業面(22)と、作業面(22)の上方を覆い、筐体(21)の一辺に設けられた支軸(28)のまわりに、閉止位置と上方に開いた開放位置との間を回動自在に軸支されたカバー(4)と、閉止位置でカバー(4)の開放を阻害可能な閉止手段(26)とを備え、閉止手段(26)はカバー(4)の前面から後方に向けて凸した突起部であるロック受け手段(25)と、回動支軸のまわりに回動自在に軸支され、作業面(22)からロック受け手段(25)に近接する向きに回動してロック受け手段(25)と係合してカバー(4)の開放を阻害するロックレバー(35)と、ロックレバー(35)を駆動する駆動手段(53)と、を備えた
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置を収容する筐体と、
前記筐体の上面である作業面と、
前記作業面の上方を覆い、前記筐体の一辺に設けられた支軸のまわりに閉止位置と上方に開いた開放位置との間を回動自在に軸支されたカバーと、
前記閉止位置で前記カバーの開放を阻害可能な閉止手段とを備え、
前記閉止手段は
前記カバーの前面から後方に向けて凸した突起部と、
回動支軸のまわりに回動自在に軸支され、前記作業面から前記突起部に近接する向きに回動して前記突起部と係合して前記カバーの開放を阻害するロックレバーと、
前記ロックレバーを駆動する駆動手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記ロックレバーは前記回動支軸から離れる方向に延伸した支棹部と、
前記支棹部の先端から前記回動支軸と平行に延伸された一対の係合部を前記支棹部を挟んで略対称に設け、
前記カバーには前記一対の係合部のそれぞれに対応して一対の突起部を設け、
前記駆動手段の作用によって前記一対の係合部は前記一対の突起部と係合することを特徴とする、
請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記係合部と前記突起部との係合する面は鋭角をなすことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記突起部の先端には、前記係合部と係合する向きに上方に凸した先端突起を備えたことを特徴とする、
請求項1ないし3の何れか1項に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記駆動手段が作用しない際に前記ロックレバー上面は前記作業面と面一であり、
前記駆動手段が作用すると前記ロックレバーは起立して前記突起部と係合して前記カバーの開放を阻害することを特徴とする、
請求項1ないし4の何れか1項に記載の自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿といった生物学的サンプルの定性的ないし定量的分析を行う自動分析装置に係る。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、血液その他の生物学的サンプルを自動的に分析して結果を出力する装置であり、病院や医療検査施設では必須の装置となっている。これらの自動分析装置は、より多種多用の検査をより短時間で行うことが求められている。
【0003】
自動分析装置は、分析作業を行う作業面の上部にインターロック機構を備えた開閉式の安全カバーを設け、装置の駆動中には安全カバーが開かないようロックをかける。操作者が消耗品の交換作業などを行う際には、装置を停止してインターロック機構によるロックを解除して安全カバーを開閉可能とする。安全カバーを開いた状態で操作者が作業面上にアクセスして、各種作業を行うことを可能とする。
【0004】
特許文献1に記載された自動分析器(自動分析装置)は、「検体処理装置の測定ユニット10の動作機構は、本体カバーC1により覆われている。また測定ユニット10には、本体カバーC1をロックして本体カバーC1の開放を禁止するロック機構が設置されている」(解決手段)よう構成されており、さらに「本体カバーC1の左側面の前方の内側には、支持部C12が設置されている。支持部C12の右端部分には、Y−Z平面に平行な鍔部C12aが形成されている。鍔部C12aの下端付近には、鍔部C12aをX軸方向に貫通する孔C12bが形成されている。」(明細書[0054])とともに、「ロック機構C2は、軸C21と、係合板C22と、バネC23と、モータC24からなる。軸C21は、Y軸方向に長さを有し、測定装置2内に設置されている。係合板C22は、軸C21を中心軸としX−Z平面内で回転可能となるよう軸C21に支持されている。係合板C22には、上端にL字型の係合部C22aが形成されており、下端近傍にY軸に対して平行な面を有する鍔部C22bが形成されている。バネC23の下端は、測定装置2内に固定されており、上端は、係合板C22に固定されている。モータC24は、X軸方向に長さを有する軸C24aを備えており、軸C24aの左端には押出し部材C24bが設置されている」(明細書[0055])構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−076678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された構成では、
本体カバーC1の左側面の前方の内側にロック受け部である支持部C12を設けた構成なので、本体カバーの左側面はロックされるものの、ロックした状態であっても本体カバーの右側面近傍に開き方向の力を加えた場合には、本体カバーが変形して撓むので、本体と本体カバー下端との間に隙間が開きやすい、という課題がある。
【0007】
また、係合板C22の上端に形成されたL字型の係合部C22a(先端が細く尖った形状をなしたロック爪部)は、本体カバーC1が開いた際に本体カバーC1の下端よりも上方に突出して露出した形態となるので、本体カバーC1の下端と相対した本体上面(以後、作業面と称することがある)が平坦にならない。そのため、清掃時に係合部C22aに清掃具が引っかかったり、係合部C22aが変形する恐れがある。
【0008】
本体カバーC1の内側にL字型の係合部C22aを備え、ロック解除の際は係合部C22aは本体カバーC1の内側に近接した位置であり、ロック状態では係合部C22aは本体カバーC1の内側から離反する方向に移動して鍔部C12aに近接する方向に移動し、係合部C22aはロック受け部である支持部C12の一部である鍔部C12aに設けられた孔C12bに嵌合する構成である。したがって、本体カバーC1と鍔部C12aとの間には空隙を設ける必要があり、その空隙はロック解除状態でL字型の係合部C22aが自在に挿入ないし離反可能な寸法が必要である。したがって、鍔部C12aを本体カバーC1に近接して設けることには限界があるとともに、L字型をした支持部C12と鍔部C12aが本体カバーC1の内側に突き出した形状となるために、ロック受け部の形状を小型化かつ滑らかな形状とすることには限界がある。
【0009】
さらに、作業面において係合板C22の周囲には隙間が必要となるので、隙間からの液体や異物の落下に対しては記載されていない。
【0010】
安全カバーを開いた際に、ロック爪(係合部C22a)が作業面から突出していたり、あるいは安全カバーの内側に設けられたロック受け部(支持部C12)が本体の前面中央部から大きく突出していたり、端部の尖った形状をしていると操作者の作業の妨げになったり、清掃時にたとえば布やブラシなどの清掃具が引っかかる。したがって、ロック爪やロック受け部の突き出し量が少なく、かつ滑らかな形状をなしていることが望ましい。
【0011】
ロック状態で安全カバーを確実に閉止できる、信頼性の高い自動分析装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、分析装置を収容する筐体と、前記筐体の上面である作業面と、前記作業面の上方を覆い、前記筐体の一辺に設けられた支軸のまわりに閉止位置と上方に開いた開放位置との間を回動自在に軸支されたカバーと、前記閉止位置で前記カバーの開放を阻害する閉止手段とを備え、
前記閉止手段は、前記カバーの前面から後方に向けて凸した突起部と、回動支軸のまわりに回動自在に軸支され、前記作業面から前記突起部に近接する向きに回動して前記突起部と係合して前記カバーの開放を阻害するロックレバーと、前記ロックレバーを駆動する駆動手段と、を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロック状態で安全カバーを確実に閉止できる、信頼性の高い自動分析装置を提供できる、という効果がある。
【0014】
本発明では、ロック機構を安全カバーの前面中央部に配置したので、ロック機構が作用して安全カバーをロックした際に、中央部を係止するので安全カバーの左右側面傍に開き方向の力を加えた場合でも、本体カバーが変形して撓みにくく、本体と本体カバー下端との間に隙間が開きにくい。
【0015】
ロック受け手段25を安全カバー4の内側から突き出す構成とし、ロックレバー35を作業面22から安全カバー4の前面に内側から近接するよう回動してロック受け手段25に作用してロックするよう構成したので、ロック受け手段25の突出量を低減して小型化が図れるとともに、ロック受け手段25が鉤形状や鍔形状ではない、滑らかな形状とすることができる。
【0016】
さらにロック受け部を手掛け部の後方に接して配置したので、ロック中に操作者が手掛け部に開き方向の力を加えた際に、確実に安全カバー4の開き動作を阻害するので好適である。
【0017】
ロック手段26が作用していない際には、ロックレバー35は作業面と同一面のツライチとなる構成としたので、安全カバー4を開放した際に作業面から鉤形状ないし鍔形状をなしたロックレバーの爪部が突き出ることがないので、作業面22を例えば布やブラシなどの清掃具を用いて清掃する際の妨げにならない。
【0018】
またさらに作業面22のロックレバー35を収納する凹部は有底としたので、隙間からの液体や異物の落下を防止することができる構成としたので、構造が簡単で小型化が可能でな自動分析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置の構成図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置の斜視図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置の左側面図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段の(a)上面図と(b)A−A断面図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック解除状態の斜視図である。
図6】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック解除状態の斜視図であり、安全カバーロック手段の構造を示す透視図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図である。
図8】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のB−B断面図である。
図9】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態の斜視図である。
図10】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図であり、ロックレバー部近傍の部分拡大図である。
図11】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図であり、ロックレバー部近傍の部分拡大図である。
図12】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段の後面図であり、(a)L字型形状と(b)T字型形状におけるロック時の反力を示す説明図である。
図13】本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図であり、ロックレバー部近傍の部分拡大図である。
図14】本発明の第二実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック解除状態のA−A断面図である。
図15】本発明の第二実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック解除状態の斜視図であり、安全カバーロック手段の構造を示す透視図である。
図16】本発明の第二実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図である。
図17】本発明の第二実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態の斜視図であり、安全カバーロック手段の構造を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
【0021】
図1から図12は、本発明の第一実施形態に係るもので、図1は試薬ディスク(以下、試薬容器ホルダと称することがある)を含む自動分析装置の平面図、図2は自動分析装置の斜視図であり安全カバーを開いた状態、図3は自動分析装置の左側面図である。
【0022】
また、以下の説明において、上下左右前後の方向は図1および図2中に示す上下左右前後の方向を基準とする。
【0023】
図1から図3に本実施形態に係る自動分析装置1の基本的な構成を示す。
【0024】
自動分析装置は基板や種々の流路などを覆った略直方体の筐体21の外形を有する。筐体の上面22(以降では、作業面と称することがある)には、サンプルを分析するのに必要な種々の機構(以降では、各種動作機構群と称することがある)が配置されている。機構としては、試薬保冷庫(以下、試薬容器コンテナないしドラムと称することがある)、試薬分注プローブ、サンプル搬送機構、サンプル分注プローブ、インキュベータ、検出部、各種プローブ洗浄機構などが含まれる。各機構の詳細については後述する。
【0025】
円筒形の試薬保冷庫は、鉛直軸のまわりに回転自在に支持された試薬ディスク2を収容する。試薬ディスクは、外周壁の内側に沿って、円周上に複数の試薬容器(以下、試薬コンテナ、試薬ボトル、ないし単にボトルと称する場合がある)を保持する。
【0026】
試薬分注プローブは、それぞれの試薬ボトル3から所定の試薬を所定量だけ、分注ピペットによって吸引して、反応容器に分注する。この反応容器には後述するサンプル搬送手段によって搬送された血液や尿といった生物学的サンプルが、サンプル分注プローブによって分取されて供給される。
【0027】
試薬とサンプルが混合された反応液を収容した反応容器は、インキュベータにより所定温度に管理され、所定の時間反応を促進される。反応が完了した反応液は後述する検出部にてその物理特性を検出される。物理特性としては発光量、散乱光量、透過光量、電流値、電圧値などが挙げられるが、これに限らずに公知の物理特性を計測する計測部が適用される。
【0028】
また、自動分析装置1には、例えば後方に向けてヒンジで開閉可能に支持された、可動部分を覆う安全カバー4が設けられている。安全カバー4は例えばソレノイドなどで駆動される所謂インターロックが設けられており、自動分析装置1の動作中はソレノイドに通電することによって閂をかけ、安全カバー4を閉じた状態に保持する構成である。自動分析装置1の停止中はソレノイドへの通電を解除することで安全カバー4は開放可能となるので、操作者が試薬ボトル3を交換することができる。
【0029】
インターロックは、安全カバー4の前面23の下辺である安全カバー前辺24の左右略中央に設けられ、安全カバー4の前面23から後向き、すなわち自動分析装置の内側に向けて凸した突起部であるロック受け手段25と、作業面22のうち安全カバー4を閉じた際にロック受け手段25と対向した位置に設けられ、ロック受け手段25に対して作用するロック手段(閉止手段)26とを備えている。インターロックの構成の詳細については後述する。
【0030】
分析を行うサンプルの搬送経路について説明する。分析を行うサンプル5aは、ベルトコンベヤやラックハンドラ等のサンプル搬送手段5によって自動分析装置1内を移動し、サンプルを分注する分注ピペットを備えたサンプル分注手段6まで搬送されて分注される。
【0031】
複数のサンプル分注チップと反応容器は、サンプル分注チップ/反応容器供給手段7(以降、チップラックと称することがある)に載置された状態で自動分析装置1内に供給される。
【0032】
反応容器はチップラック7からサンプル分注チップ/反応容器搬送手段8によって一つずつ把持された後、上昇して、インキュベータ9(培養ディスクと称することがある)へ移動させる。サンプル分注チップ10はチップラック7からサンプル分注チップ/反応容器搬送手段8によって一つずつ把持された後、上昇してサンプル分注チップバッファ11まで移動させる。
【0033】
このような移動を可能とするため、サンプル分注チップ/反応容器搬送手段8は、X軸(左右方向)、Y軸(前後方向)およびZ軸(上下方向)方向に移動可能に構成されており、その移動範囲としては、反応容器廃棄孔12、サンプル分注チップバッファ11、反応溶液撹拌手段13、チップラック7およびインキュベータ9の一部の上方、の範囲を移動可能に構成されている。
【0034】
サンプル分注チップバッファ11は、複数のサンプル分注チップ10を一時的に載置するバッファであり、サンプル分注手段6はサンプル分注チップバッファ11の上部に移動して、サンプル分注チップ10のいずれか1つを把持する。
【0035】
鉛直の中心軸のまわりに回転自在に軸支された円板状のインキュベータ9は、複数の反応容器14を外周近傍の円周上に係止する構成であり、インキュベータ9を回転することによって各々の反応容器14を所定位置まで移動させることができる。
【0036】
サンプル分注手段6はサンプルの上部領域に移動し、サンプル分注チップ10の内部にサンプルを吸引した後、インキュベータ9上の反応容器14の上部領域へ移動し、サンプルをサンプル分注チップ10内部から反応容器14内に排出する。この後、サンプル分注手段6は、サンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12の上部領域に移動し、サンプル分注チップ10を孔の内部に落下して廃棄する。
【0037】
次に、反応容器14内のサンプルに加える試薬の搬送経路について説明する。
【0038】
円筒状、かつ内側を空洞とした試薬保冷庫の中には、鉛直の中心軸のまわりに回転自在に軸支された試薬ディスク2が収納されている。試薬ディスク2は、内側空洞の外周壁に沿って複数の試薬ボトル3を放射状に保持するスロットを形成しており、試薬ディスク2を回転することで、各試薬ボトル3を円周上の所定位置へ移動させる。なお、試薬ボトル3の一部には、撹拌のための磁気粒子を多数含んだ試薬も含まれる。試薬ボトル3を一定の温度に制御するために、試薬保冷庫は断熱機能を有する。
【0039】
試薬保冷庫2の上部を覆う蓋には、試薬ボトル3の試薬ディスク2へのセット、および試薬ディスク2からの取り出しを行う試薬ボトル装填口20が設けられている。また、試薬ボトル装填口20には図示しない開閉式の試薬ボトル装填口フタが設けられており、さらに図示しないソレノイド等を用いたインターロックが設けられている。安全カバー4と同様、自動分析装置1の動作中にはロックされて閉じた状態であり、自動分析装置1の停止中には解除して開閉可能となる構成である。
【0040】
試薬分注ピペット15は、試薬ボトル3内の試薬を吸引して所定の位置まで移動できるよう、移動可能に構成されている。まず、試薬ディスク2上の所定の種類の試薬の上部領域へ試薬分注ピペット15が移動して所定の量の試薬を吸引した後、インキュベータ9上の所定の反応容器14の上部領域へ移動して試薬を反応容器14内に排出する。
【0041】
試薬保冷庫の上部には、試薬の撹拌手段16が設けられている。この撹拌手段16には、鉛直軸のまわりに回転可能な磁気粒子攪拌アーム(スティラーとも称される)が設けられている。この磁気粒子攪拌アームは、磁気粒子を含んだ攪拌するべき試薬が入っている試薬ボトル3の上部領域へ移動し、磁気粒子攪拌アームの下端に設けられた例えばパドル状ないし螺旋状の磁気粒子攪拌手段を試薬内に下降させ、この磁気粒子攪拌手段を回転させることによって磁気粒子溶液を攪拌する。溶液内の磁気粒子が自然沈殿しないようにするために、磁気粒子攪拌アームは、試薬が分注される直前に磁気粒子を攪拌する。攪拌後、磁気粒子攪拌アームは、試薬ボトル3の上部まで上昇した後、洗浄液が入った洗浄手段17の上部領域へ移動し、洗浄液内に降下した後、磁気粒子攪拌手段を回転させ、この攪拌手段に付着している磁気粒子を取り除く。
【0042】
サンプルと所定の試薬を分注してから所定の反応時間が経過した後に、反応溶液が形成される。この反応溶液を反応溶液吸引ノズル18によって反応容器14から吸引し、さらに検出手段19へ供給する。この検出手段19は反応溶液を分析する。分析方法については、任意の公知ないずれの手法でも可能となる。また、反応容器14内に反応液を保持したまま分析を行っても良い。
【0043】
次に、分析された反応溶液はサンプル分注チップ/反応容器搬送手段8によってサンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12の上部領域まで移動され、サンプル分注チップ10をサンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12内に廃棄する。なお、測定の種類によっては、反応容器を複数回の測定で使いまわしても良い。その場合は分析が終了した反応容器内の反応液を廃棄した後で、反応容器を洗浄水で洗浄する。
【0044】
装置のこれらの一連の動作は、制御手段であるホストコンピュータ100によって制御される。
【0045】
この自動分析装置は上記動作を組み合わせ、ないし繰り返すことで、複数の分析項目に関して複数のサンプルを効率的に分析することができる。
【実施例1】
【0046】
図3は、本発明の第一実施形態にかかわる自動分析装置の左側面図である。安全カバー4を閉じた状態を実線で図示し、安全カバー4を開いた状態を一点鎖線で示す。安全カバー4の前辺には、安全カバー4を閉じ位置から開放する際に手指を挿入する凹部である手掛け部27が設けられている。本実施形態においては、手掛け部27の後面に接して後方に延伸してロック受け手段25が設けられている。
【0047】
安全カバー4は本体後辺近傍に沿って設けられたカバー支点28のまわりに全開位置と閉止位置との間を回動自在に軸支されており、安全カバー4を開放して図示しないストッパに当接し、図示しない支持手段によって自重で閉じないように支持すれば、安全カバー4の前辺は高さH1まで上昇する。作業者は、作業面22と安全カバー4の前辺との隙間から腕、あるいは上半身を挿入して、作業面22上に設けられた各種動作機構群29の清掃や交換を行ったり、作業面22の清掃を行ったり、試薬ボトル3の交換を行うことができる。したがって、安全カバー4の前辺高さH1は十分な高さがあることが望ましく、またさらに安全カバー4の前辺よりも下向きには部分的な突起などが無いことが望ましく、あるいは突起があったとしても滑らかな外形形状であることが望ましい。
【0048】
図4(a)は本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック解除状態の上面図、図4(b)はA−A断面図である。
【0049】
図5は本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック解除状態の斜視図、図6はロック解除状態の斜視図であって安全カバーロック手段の構造を示す透視図である。
【0050】
図7は本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図、図8はB−B断面図、図9は斜視図である。
【0051】
図10および図11は本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図であり、ロック爪部近傍の部分拡大図である。
【0052】
図12は本発明の第一実施形態に係る自動分析装置における安全カバーロック手段の後面図であり、(a)L字型形状と(b)T字型形状におけるロック時の反力を示す説明図である。
【0053】
安全カバー4の前辺には、下端に沿って手指を挿入する凹部である手掛け部27が設けられ、手掛け部27の後面には、板状のロック受けベース30を介して左右一対のロック受け手段25が後方に向け突き出している。一対のロック受け手段25の下方を向いた面は、側面視でロック受け手段25が先端になるほど細くなるよう先細に形成された傾斜面としており、また一対のロック受け手段25の左端と右端とは、平面視でロック受け手段25が先端になるほど細くなるよう先細に形成された傾斜面としており、ロック受け手段25の側面の稜線が鈍角となるようにして、滑らかな形状としている。ロック受け手段25の上面は、安全カバー4前面から離れるほど高さが増加する傾斜面となっており、垂直面とロック受け手段25の上面とのなす角度であるθ1は90゜より小なる鋭角である。
【0054】
第一の支軸31は安全カバー前面23と平行に設けられ、第一のギヤ32は第一の支軸31のまわりに回動自在に軸支されている。第一のギヤ32は第一の支軸31のまわりに略90゜の範囲で設けられている。第一のギヤ32と一体に後方に向けて延伸した支棹部33と、支棹部33の先端は支棹部33を挟んで第一の支軸31と平行に左右方向に凸した一対のロック部34をなし、一対のロック部34と支棹部33は略T字型形状のロックレバー35を構成する。ロック部34は、左右方向からみた側面視で、上面は平面状で下方ほど細くなったテーパ状をなし、下側は半円筒状に滑らかな略半円筒形状の断面としている。さらに一対のロック部34の先端は上面からみて半円形状であり、下側半分は半球状の滑らかな形状としている。支棹部33と一対のロック部34との接合部はR形状で滑らかに繋ぎ、応力集中による破損を防止する構成である。
【0055】
一対のロック部34の支棹部33に対する左右方向への凸量は同じでなくてもよく、片方が長く片方が短い非対称な形状であってもよい。あるいはさらに、ロック部34は支棹部33に対して片側のみに延伸した、平面視で略L字型形状であってもよい。
【0056】
第一のギヤ32の下面側のギヤ歯先から支棹部33までは、第一のギヤ32の歯先円と等しく歯を持たない円筒部48としている。
【0057】
ロックレバー35は、ロック解除をした際には作業面22と平行に前後方向を向くよう配置され、作業面22には一対のロック解除をした際にロックレバー35を収納する凹部が設けられ、ロックレバー35の上面は平面状であって作業面22と同一面となる構成である。作業面22にはまたさらに、ロックレバー35を挟んで第一の支軸31をカバーする緩やかな突起である部分円柱状の左右一対の覆い部36が設けられていてもよい。
【0058】
ロック解除状態において、ロックレバー35の上面のうち左右一対の覆い部36に挟まれた部分は覆い部36と同様な部分円柱状をなし、覆い部36とロックレバー35とが連続的に滑らかに形成してもよく、段差や突起が生じないので、使用者が作業面22を清掃する際にも、たとえば布やブラシなどの清掃具がひっかかることがない。
【0059】
一対のロック受け手段25同士の左右方向の内側間隔は支棹部33の左右方向幅より大としていて、支棹部33は一対のロック受け手段25同士の間に進入可能な構成である。
【0060】
一対のロック手段26の左右方向の全幅は、一対のロック受け手段25の先端部の左右方向幅よりも大として、左側のロック手段26は左側のロック受け手段25に係合可能であり、右側のロック手段26は右側のロック受け手段25に係合可能な構成である。
【0061】
第二の支軸37は第一の支軸31と平行に設けられ、第二のギヤ38は第二の支軸37のまわりに回動自在に軸支され、第一のギヤ32と噛み合って回動する構成である。第二のギヤ38の歯数は、第一のギヤ32を90゜ないし90゜以上回転して起立させることが可能な範囲に設けられる。
【0062】
第二のギヤ38には第二の支軸37と平行に連結軸39が設けられ、連結軸39には連結板40の一端が回転自在に軸支されている。連結板40の他端は電磁アクチュエータであるソレノイド41の円筒状のプランジャ42の一端に設けられた駆動ピン43に回転自在に軸支されている。プランジャ42はソレノイド41に対して長手方向に移動自在に支持されており、図示しない電源装置からソレノイド41に通電するとプランジャ42はソレノイド41に近接するよう吸引され、通電が解除されると吸引力が解除される構成である。
【0063】
連結板40の一端には第一のばね掛け部44が設けられ、引きばね45の一端が掛けられる。引きばね45の他端は筐体21に固定されたフレーム47に設けられた第二のばね掛け部46に掛けられ、引きばね45によるばね力はプランジャ42をソレノイド41から引き出す方向に付勢され、ソレノイド41への通電が解除された際の復帰ばねとして作用する。
【0064】
ソレノイド41、プランジャ42、連結板40、第一のギヤ32、第二のギヤ38、引きばね45、はロックレバー35を駆動するための駆動手段53を構成する。
【0065】
ロックレバー35と駆動手段53とは、たとえば樹脂などの成型品で構成されたフレーム47で覆われ、さらにフレーム47の一部にはソレノイド41からの配線を外部に接続するコネクタ54を設けた一つのユニットとなした構成でもよく、フレーム47は作業面22の下側に取り付けられる構成であってもよい。
【0066】
図4から図6において、ソレノイド41への通電が解除されており、引きばね45によるばね力によってプランジャ42はソレノイド41から最大に引き出された状態である。連結板40と連結軸39とを介して第二のギヤ38は図4における時計回りに回動し、第一のギヤ32は図4における反時計回りに回動し、支棹部33と一対のロック部34の上面が作業面22と同一面となるよう、作業面22に設けられた凹部49に収納される。凹部49はT字形をしたロックレバー35を収納可能なように上面からみてT字形をしており、ロックレバー35の外周と干渉しないよう、ロックレバー35の外形の周囲からたとえば1mm程度の隙間をもって一回り大きく形成されている。
【0067】
すなわち、この状態ではロック部34は安全カバー4に設けられたロック受け手段25には作用しないのでロック解除状態にあり、使用者が安全カバー4を自在に開閉可能である。
【0068】
図7から図9においては、安全カバー4のロック状態を示す。安全カバー4が閉じた状態で、ソレノイド41に通電することでプランジャ42が引きばね45によるばね力を上回る力で吸引され、駆動ピン43を介して連結板40、連結軸39をソレノイド41に近接する方向に移動して、第二のギヤ38を図7における反時計まわりに回動させる。第一のギヤ32は第二のギヤ38と噛み合っているから時計回りに回動し、支棹部33とロック部34とは作業面22から起立して、安全カバー4の手掛け部27の後側に設けられた一対のロック受け手段25よりも上方において、ロック受けベース30に当接して停止する。この状態で使用者が手掛け部27に指を掛けて安全カバー4の前面を持ち上げて開こうとすると、ロック受け手段25が安全カバー4の前面とともに上昇し、左右一対のロック受け手段25の上面がそれぞれ対応する左右一対のロック部34の下面に当接して、安全カバー4が開くのを阻止する。すなわち、安全カバー4を開放できないロック状態である。
【0069】
言い換えると、分析装置を収容する筐体と、筐体の上面である作業面と、作業面の上方を覆い、筐体の一辺に設けられた支軸のまわりに閉止位置と上方に開いた開放位置との間を回動自在に軸支されたカバーと、閉止位置でカバーの開放を阻害可能な閉止手段とを備え、閉止手段はカバーの前面から後方に向けて凸した突起部(ロック受け手段25)と、回動支軸のまわりに回動自在に軸支され、作業面から突起部に近接する向きに回動して突起部と係合して安全カバー4の開放を阻害するロックレバー35と、ロックレバー35を駆動する駆動手段と、を備えたことにより、ロック状態で安全カバー4を確実に閉止できる、信頼性の高い自動分析装置を提供できる、という効果を奏する。
【0070】
作業面22に設けられたT字形の凹部49は底面50を備えた有底の形状をなしており、異物や液体が筐体21の内部に落下することを防止している。
【0071】
ロックレバー35とロック受け手段25とはともに樹脂成型部品としてもよく、安価に構成できるとともに、金属製、特に板金で構成した場合と比べて端面を滑らかにできるとともに、形状に自由度をもたせることができるので、ロック受け手段25安全カバー4からの突き出し量を少なくしつつ確実なロック状態を維持できるので好適である。
【0072】
次に、図10図11を用いて、ロック部34とロック受け手段25の詳細な形状について説明する。
図10図11は安全カバー4のロック手段26のロック状態におけるA−A断面図であり、ロックレバー部近傍の部分拡大図である。
【0073】
図10において、ロック受け手段25の上面は、安全カバー4前面から離れるほど高さが増加する傾斜面となっており、垂直面とロック受け手段25の上面とのなす角度であるθ1は90゜より小なる鋭角である。さらに、ロックレバー35の一部をなすロック部34の支棹部33に近接した側の面も、ロックレバーが起立した状態で垂直面となす角度は略θ1と等しく、90゜より小なる鋭角としている。
【0074】
すなわち、互いに当接するロック部34の下面とロック受け手段25の上面とを、それぞれ鋭角としたので、ロック状態で使用者が安全カバー4を開こうとした際に生じる反力はロック部34とロック受け手段25とを互いに呼び込んで近接させる方向に働くので、ロック部34とロック受け手段25の係合はさらに強固となり、ロック状態を確実に維持できる。
【0075】
図11において、ロック受け手段25の安全カバー4前面から最も離れた後端部には上方に向けて滑らかに凸した突起部51を設けている。図11においては、たとえばソレノイド41への印加電圧が低下してロックレバー35が図10に示した直立した状態まで回動せず、直角よりも小なる角度θ2まで回動した場合を示している。このような場合には、突起部51がロック部34後面側の半円筒部に当接し、安全カバー4を開こうとした時の反力は接触面に対する垂線の向きとなって第一の支軸31から半径Rだけ離れた向きに作用して、ロックレバー35をロック受けベース30に近接する向きのモーメントを生じる。したがって、ロックレバー35は外れることがなく、ロック状態を維持できる。
【0076】
本実施形態において、ロックレバー35は支棹部33から一方にロック部34を延伸した略L字型形状、ないし支棹部33から両側に一対のロック部34を延伸した略T字型形状のロックレバー35を構成している。図12を用いて略L字型形状と略T字型形状の作用と効果について説明する。
【0077】
図12(a)はロック部34が支棹部33から左方向にのみ突出した略L字型形状のロックレバー35に対して、安全カバー4を開こうとした際の反力Fが加わった状態を示している。反力Fは左方のロック部34のみに加わるから、ロックレバー35を右方に曲げる曲げモーメントMが生じ、ロックレバー35は右方に撓むとともに右方に移動しようとするから、ロック部34とロック受け手段25との係合が外れやすくなる。さらに支棹部33には、反力Fによる引張応力に加えて曲げモーメントMによる曲げ応力を生じるので、ロックレバー35に生じる応力が大となる。
【0078】
図12(b)は本実施形態における略T字型形状のロックレバー35に安全カバー4を開こうとした際の反力Fが加わった状態を示している。
【0079】
反力Fは左右一対のロック部34に均等に(F/2)ずつ加わる。反力(F/2)は支棹部33に対して左右対称に加わるから、左右いずれかの方向に移動しようとする力は生じることがなく、ロックレバー35は安定して作用する。またもし反力(F/2)が左右対称位置からずれた位置に作用した場合であっても、支棹部33に生じるモーメントは、対称位置からのずれ量と反力との積にすぎないので、曲げモーメントは小さく、ほぼ引張力のみが作用する。
【0080】
略T字型形状のロックレバー35においては、支棹部33には反力Fによる引張力が支配的であり、曲げモーメントは小さい構成である。したがって、反力Fが同じであったとしてもロックレバー35に生じる応力は図12(a)に示した略L字型形状のロックレバー35よりも小さく、より信頼性の高い自動分析装置を提供できる、という効果がある。
【0081】
図13は安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図であり、ロックレバー部近傍の部分拡大図であって、操作者が安全カバー4の手掛け部27に前方に向けて力を加え、安全カバー4が撓んで前方に移動した状態を示している。安全カバー4とともにロック受け手段25も前方に移動するので、ロックレバー35の直立した状態よりもロック部34が前方に移動するよう角度θ3だけさらに回動することが望ましく、安全カバー4が撓んだ状態でもロック部34とロック受け手段25との係合が確実である。このような構成は、ソレノイド41のプランジャ42を最大に吸引した際に、ロックレバー35が直立状態からさらに角度θ3だけ回動するよう、プランジャ42の動作量、第一のギヤ32と第二のギヤ38の歯数を適宜選択することで実現できる。
【実施例2】
【0082】
次に、本発明の第二実施形態について、図14から図17により説明する。第一実施形態と同一の構成を備えた部分については、詳細な説明を省略する。
【0083】
第二実施形態が第一実施形態と異なるところは、作業面22から上方に向けて凸し、前方が開口したロックレバーカバー部52を備え、ロックレバー35はT字形ではなく上端に鉤状のロック部34を設け、ロック解除状態でロックレバー35の上面は作業面22と同一面ではなく、ロック解除状態においてロックレバー35はロックレバーカバー部52内の待機位置にある。
【0084】
ロック受け手段25は左右一対ではなく、ロックレバー35に対向した位置に1箇所設けられる。
【0085】
連結軸39は、ロックレバー35と一体に設けられ、プランジャ42がソレノイド41に吸引されると、連結板40と連結軸39を介してロックレバー35先端の鉤状のロック部34が前方に回動して、ロック受け手段25と係合する構成としたことである。ロック受け手段25は一対ではなく、ロックレバー35に対応した位置に1箇所設けられる。
【0086】
図14は、第二実施形態に係る安全カバーロック手段のロック解除状態のA−A断面図、図15は斜視図であり、ソレノイド41のプランジャ42は引きばね45によってソレノイド41から離反する方向に移動しており、ロックレバー35は第一の支軸31のまわりに図示反時計まわりに回動して、ロックレバー35の上端に設けられた鉤形状のロック部34はロック受け手段25から離反しており、ロック部34とロック受け手段25とは係合していないので、操作者は安全カバー4を開閉自在なロック解除状態である。
【0087】
図16は第二実施形態に係る安全カバーロック手段のロック状態のA−A断面図、図17は斜視図であり、ソレノイド41に通電してプランジャ42は引きばね45による引張力に打ち勝ってソレノイド41に吸引された状態である。連結板40を介して連結軸39はソレノイド41に近接する方向に移動するので、ロックレバー35は第一の支軸31のまわりに図示時計まわりに回動し、ロック部34がロック受け手段25の上方に移動する。この状態は第1実施形態における図7と同様なロック状態である。
【0088】
第2実施形態においては、ロック解除状態でロックレバー35は作業面とツライチではなく、ロックレバーカバー部52の内部に収納された状態であり、ロック解除状態からロック状態までのロックレバー35の回動角度は第1実施形態よりも小であるため、第1実施形態に設けられた第一のギヤ32と第二のギヤ38は不要であり、部品点数が少なく構成が簡単になる、という効果がある。
【0089】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、図10に示したと同様にロック部34とロック受け手段25との係合部を鋭角とし、図11に示したと同様にロック受け手段25に突起部51を備え、図13に示したと同様に角度θ3だけさらに回動する構成とすることで、第1実施形態と同様にロック部34とロック受け手段25との係合がさらに確実になる効果がある。
【0090】
本実施形態においては、駆動手段53に設けられた駆動源はソレノイド41であるとしたが、ソレノイドに限定されるものではなく、ステッピングモータや直流モータ、あるいは交流モータなどのモータであってもよく、さらにはモータとロックレバーとの間にたとえばウォームギヤなどの減速手段をさらに備えていても良い。
【0091】
<効果>
本発明においては、ロックレバー35は、ロック解除をした際には作業面22と平行に前後方向を向くよう配置され、作業面22には一対のロック解除をした際にロックレバー35を収納する凹部が設けられ、ロックレバー35の上面は平面状であって作業面22と同一面となる構成として滑らかな形状としている。そのため、ロック解除状態で安全カバー4を開いた際に作業面22からの突き出しがなく、操作者が安全カバー4を開いて各種動作機構群29の清掃や交換、作業面22の清掃、試薬ボトル3の交換の際に邪魔になることがなく、また作業面22の清掃時に布やブラシのような清掃具がひっかかることがないので、使いやすい自動分析装置を提供できる、という効果がある。
【0092】
本発明においては、安全カバー4ないし手掛け部27前辺の後面に突き出して設けられたロック受け手段25は鉤状ではなく、滑らかな形状としたので、布やブラシのような清掃具がひっかかることがないので、使いやすい自動分析装置を提供できる、という効果がある。
【0093】
ロックレバー35は支棹部33から左右両側にロック部34が突き出した略T字型形状とすれば、ロックレバー35に安全カバー4を開こうとした際の反力Fは支棹部33に対して左右略対称に加わるから、ロックレバー35が左右いずれかの方向に移動しようとする力は生じることがなく、ロックレバー35は安定して作用する。また、支棹部33には引張応力が支配的であって曲げモーメントは小さい構成なので、応力が小さく、信頼性の高い自動分析装置1を提供できる、という効果がある。
【0094】
ロックレバー35の直立した状態よりもロック部34が前方に移動するよう角度θ3だけさらに回動するよう構成したので、安全カバー4が撓んだ状態でもロック部34とロック受け手段25との係合が確実であり、ロック状態で安全カバー4を確実に閉止できる信頼性の高い自動分析装置1を提供できる、という効果がある。
【0095】
作業面22に設けられた、ロック部34を収納する凹部49は有底として、隙間からの液体や異物の落下を防止する構成としたので、構造が簡単で信頼性の高い自動分析装置を提供できる、という効果がある。
【0096】
ロックレバー35と駆動手段53とは、たとえば樹脂などの成型品で構成されたフレーム47で覆われ、さらにフレーム47の一部には、ソレノイド41からの配線を外部に接続するコネクタ54を設けた一つのユニット構成としたので、ユニット単位での組み立てや交換作業が容易であり、構造が簡単で信頼性の高い自動分析装置を提供できる、という効果がある。
【0097】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 自動分析装置
2 試薬ディスク
3 試薬ボトル
4 安全カバー
5 サンプル搬送手段
6 サンプル分注手段
7 チップラック(サンプル分注チップ/反応容器供給手段)
8 サンプル分注チップ/反応容器搬送手段
9 インキュベータ
10 サンプル分注チップ
11 サンプル分注チップバッファ
12 サンプル分注チップ/反応容器廃棄孔
13 反応溶液撹拌手段
14 反応容器
15 試薬分注ピペット
15a 試薬分注位置
16 撹拌手段
16a 試薬攪拌位置
17 洗浄手段
18 反応溶液吸引ノズル
19 検出手段
20 試薬ボトル装填口
21 筐体
22 作業面
23 安全カバー前面
24 安全カバー前辺
25 ロック受け手段
26 ロック手段
27 手掛け部
28 カバー支点
29 各種動作機構群
30 ロック受けベース
31 第一の支軸
32 第一のギヤ
33 支棹部
34 ロック部
35 ロックレバー
36 覆い部
37 第二の支軸
38 第二のギヤ
39 連結軸
40 連結板
41 ソレノイド
42 プランジャ
43 駆動ピン
44 第一のばね掛け部
45 引きばね
46 第二のばね掛け部
47 フレーム
48 円筒部
49 凹部
50 底面
51 突起部
52 ロックレバーカバー部
53 駆動手段
54 コネクタ
100 ホストコンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17