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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-207110(P2019-207110A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】地中レーダ装置とその方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/88 20060101AFI20191108BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20191108BHJP
   G01V 3/12 20060101ALI20191108BHJP
   H01Q 21/08 20060101ALI20191108BHJP
   H01Q 3/04 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   G01S13/88 200
   G01S7/02 212
   G01V3/12 B
   H01Q21/08
   H01Q3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-101262(P2018-101262)
(22)【出願日】2018年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100129230
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 理恵
(72)【発明者】
【氏名】望月 章志
(72)【発明者】
【氏名】岡 宗一
【テーマコード(参考)】
2G105
5J021
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA02
2G105BB14
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE05
2G105LL02
2G105LL03
5J021AA05
5J021AA07
5J021DA04
5J021HA04
5J021JA10
5J070AC02
5J070AD05
5J070AD08
5J070AE11
5J070AF03
5J070AK40
(57)【要約】
【課題】道路の幅に対応させて送受信用アンテナを取り替える必要がなく、また、1回の走査で埋設物の探査が行える地中レーダ装置とその方法を提供する。
【解決手段】送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40を備える地中レーダ装置100において、送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40の各アンテナ素子間のそれぞれの間隔を、全て等間隔としつつ可変とする位置可変機構20を備え、位置可変機構20は、駆動部と、ジャバラを構成する複数のクロスバーと、ジャバラの谷及び山の傾斜角度を可変できるようにそれぞれ連結させる複数の連結部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アレイアンテナと受信アレイアンテナを備える地中レーダ装置において、
前記送信アレイアンテナと前記受信アレイアンテナの各アンテナ素子間のそれぞれの間隔を、全て等間隔としつつ可変とする位置可変機構を
備えることを特徴とする地中レーダ装置。
【請求項2】
前記位置可変機構は、
上下に配置される第1支点と第2支点との間隔を可変させる駆動部と、
前記第1支点と前記第2支点に、それぞれの一端を接続させて谷及び山を形成し、該谷を形成する他端及び該山を形成する他端にそれぞれ一端を接続させ、前記間隔に対応するように前記谷及び前記山の傾斜角度を変えて伸縮するジャバラを構成する複数のクロスバーと、
複数の前記クロスバーが交差する交差部分、前記谷の底、及び前記山の頂を形成する部分の2つの前記クロスバーを、前記谷及び前記山の傾斜角度を可変できるようにそれぞれ連結させる複数の連結部と
を備え、
前記連結部に、前記各アンテナ素子が配置されることを特徴とする請求項1に記載の地中レーダ装置。
【請求項3】
前記駆動部は、
所定の数の前記クロスバーで構成されるジャバラごとに設けられることを特徴とする請求項2に記載の地中レーダ装置。
【請求項4】
前記位置可変機構は、
複数の伸縮するアクチュエータと、
前記アクチュエータを連結させる連結部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の地中レーダ装置。
【請求項5】
前記各アンテナ素子は、
前記各アンテナ素子のそれぞれを回転させる回転部を介して、前記連結部のそれぞれに配置されることを特徴とする請求項2又は4に記載の地中レーダ装置。
【請求項6】
送信アレイアンテナと受信アレイアンテナを備える地中レーダ装置が実行する地中探査方法であって、
前記送信アレイアンテナと前記受信アレイアンテナの各アンテナ素子間のそれぞれの距離を、全て等間隔としつつ可変して地中を探査する地中探査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設された埋設物を探査する地中レーダ装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩道及び車道等の道路の下には多くの埋設物が存在する。また、陥没等の原因となる空洞なども存在する。埋設物及び空洞の有無、大きさ、位置、及び形状を地表面から調査する目的で地中レーダ装置が用いられる。
【0003】
地中レーダ装置に利用される電磁波の周波数帯は、一般には、数百MHZ〜数GHZまでの範囲である。周波数帯域は、探査対象の埋設物の大きさ、形状、地表面からの距離、及び土壌の種類によって決定される。ライフラインを構成する例えば埋設管に関しては、道路の種類(歩道、車道)によって変わらないため、同じ周波数帯が用いられることが多い。
【0004】
よって、従来は、地中レーダ装置の本体としての機能はそのままで、道路の幅に対応させて大きさの異なる送受信用アンテナを取り替えていた。例えば非特許文献1には、幅の異なる複数の送受信アンテナが開示されている。
【0005】
また、例えば特許文献1には、道路の幅よりも小さい幅の送受信アンテナを用いて、探査するラインをずらしながら複数回走査し、走査した複数の結果を合成する探査方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3936472号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Multi-Channel, Ground-Coupled Antenna Arrays for GPR. 〔平成30年5月11日検索〕、インターネット(URL: http://WWW.3d-radar.com/?page id=51)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1に開示された方法では、道路の幅に対応させて複数種類のアンテナを購入する必要があり、初期導入コストが高くなる。また、道路の幅に対応させて送受信用アンテナを取り替えて調整する必要があり作業効率が悪くなる。
【0009】
また、特許文献1に開示された方法では、探査を複数回繰り返す必要があり作業効率が悪くなる。このように従来の地中レーダ装置とその方法では、作業効率が悪いという課題がある。
【0010】
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、道路の幅に対応させて送受信用アンテナを取り替える必要がなく、また、1回の走査で埋設物の探査が行え、作業効率を改善させられる地中レーダ装置とその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本実施形態の一態様に係る地中レーダ装置は、送信アレイアンテナと受信アレイアンテナを備える地中レーダ装置において、前記送信アレイアンテナと前記受信アレイアンテナの各アンテナ素子間のそれぞれの距離を、全て等間隔としつつ可変とする位置可変機構を備えることを要旨とする。
【0012】
本実施形態の一態様に係る地中探査方法は、上記の地中レーダ装置が実行する地中探査方法であって、前記送信アレイアンテナと前記受信アレイアンテナの各アンテナ素子間のそれぞれの距離を、全て等間隔としつつ可変して地中を探査することを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、道路の幅に対応させて送受信用アンテナを取り替える必要がなく、また、1回の走査で埋設物の探査が行え、作業効率を改善させられる地中レーダ装置とその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る地中レーダ装置の機能構成例を示す図である。
図2図1に示す地中レーダ装置の第1実施形態に係る位置可変機構の具体例を示す斜視図である。
図3図1に示す送信アンテナの位置を変更した例を模式的に示す図である。
図4】駆動部を複数個備えるようにした変形例の位置可変機構の一部分を示す斜視図である。
図5】駆動部を複数個備えるようにした他の変形例の位置可変機構の一部を示す斜視図である。
図6図1に示す地中レーダ装置の第2実施形態に係る位置可変機構の具体例の一部を示す斜視図である。
図7図6に示す各アンテナ素子を90度回転させた例を示す斜視図である。
図8図1に示す地中レーダ装置を用いて埋設物を探査する方法を模式的に示す図である。
図9図8に示す埋設物を探査する方法を平面視した様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものに
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る地中レーダ装置の機能構成例を示す図である。図1に示す地中レーダ装置100は、電磁波を用いて埋設物を探査する装置である。
【0017】
地中レーダ装置100は、送信部10、位置可変機構20、複数の送信アンテナ素子30〜30、複数の受信アンテナ素子40〜40、受信部50、演算部60、及び表示部70を備える。複数の送信アンテナ素子30〜30と複数の受信アンテナ素子40〜40は、一列に配列されてアレイアンテナを構成する。以降において、配列されたアレイアンテナを指す場合、複数の送信アンテナ素子30〜30を送信アレイアンテナ30、及び複数の受信アンテナ素子40〜40を受信アレイアンテナ40と称する。又は、複数の送信アンテナ素子30〜30と複数の受信アンテナ素子40〜40を合わせて送受信アンテナと称する場合もある。送受信アンテナと称する場合は、参照符号の表記は省略する。
【0018】
位置可変機構20、送信アレイアンテナ30、及び受信アレイアンテナ40を除いた各機能構成部は、例えば、ROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで実現することができる。各機能構成部をコンピュータによって実現する場合、各機能構成部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。
【0019】
地中レーダ装置100は、位置可変機構20を備える点で従来の地中レーダ装置と異なる。よって、位置可変機構20について詳しく説明する。
【0020】
〔第1実施形態〕
(位置可変機構)
図2は、本発明の第1実施形態に係る位置可変機構20の具体例を示す斜視図である。位置可変機構20は、送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40の各アンテナ素子間のそれぞれの距離を、全て等間隔としつつ可変する機構である。
【0021】
図2に示すように、位置可変機構20は、駆動部21、複数のクロスバー22、及び複数の連結部23を備え、駆動部21を中心として左右方向に伸縮するジャバラ24,24で構成される。左右方向をx方向、上下方向をy方向、x−y平面に直交する奥行き方向をz方向とする。この例では、ジャバラ24とジャバラ24は、駆動部21を中心にx方向で対称(左右対称)である。
【0022】
図2では、+x方向のジャバラ24を構成する部品にのみ参照符号を表記し、その構成を説明する。-x方向のジャバラ24は、ジャバラ24と同じ構成である。よって、その説明は省略する。
【0023】
駆動部21は、上下に配置される第1支点21aと第2支点21bとの間隔を可変させる。駆動部21は、制御部80から入力される駆動信号に基づいて内部のモータ(図示せず)を回転させて第1支点21aと第2支点21bの間隔を可変する。
【0024】
第1支点21aと第2支点21bが設けられた駆動部21の面と反対側の面には、第3支点21c(図示せず)と第4支点21d(図示せず)が設けられる。第3支点21cと第4支点21dは、第1支点21aと第2支点21bと同様に制御部80からの駆動信号に基づいて、その間隔を可変させる。第3支点21cと第4支点21dの間隔は、第1支点21aと第2支点21bの間隔と同じである。
【0025】
ジャバラ24は、複数のクロスバー22〜2210と複数の連結部23〜2313で構成される。
【0026】
上側の第1支点21aに、クロスバー22の一端が、クロスバー22が斜め下方向に谷の斜面を形成するように接続される。また、下側の第2支点21bに、クロスバー22の一端が、クロスバー22が山の斜面を形成し、クロスバー22の中間点と交差するように接続される。
【0027】
クロスバー22とクロスバー22の交差する部分は、クロスバー22の谷の斜面とクロスバー22の山の斜面の角度が変えられるように連結部23で連結される。よって、第1支点21aと第2支点21bの間隔が近いと谷及び山の傾斜は緩くなり、連結部23の位置は駆動部21から遠ざかる。また、第1支点21aと第2支点21bの間隔が離れると谷及び山の傾斜はきつくなり、連結部231の位置は駆動部21に近づくことになる。
【0028】
クロスバー22の他端は、クロスバー22の一端と連結部23で連結され、駆動部21から数えて1個目の谷の底を形成する。クロスバー22の他端は、クロスバー22の一端と連結部23で連結され、駆動部21から数えて1個目の山の頂を形成する。
【0029】
つまり、クロスバー22は、駆動部21から数えて2個目の山を形成し、クロスバー22と平行になるようにその一端を、クロスバー22の他端に連結する。また、クロスバー22は、駆動部21から数えて2個目の谷を形成し、クロスバー22と平行になるようにその一端を、クロスバー22の他端に連結する。
【0030】
クロスバー22とクロスバー22の交差する部分は、クロスバー22の山の斜面及びクロスバー22の谷の斜面の角度が変えられるように連結部23で連結される。よって、駆動部21から数えて2個目の交差する部分の連結部23の位置は、駆動部21から数えて1個目の交差する部分の連結部23と同様に、第1支点21aと第2支点21bの間隔に対応させて近づき又遠ざかる。
【0031】
以降同様に、駆動部21から数えて3個目の谷は、クロスバー22の他端に一端を接続するクロスバー22と、クロスバー22の他端と連結部23で連結されるクロスバー22とで形成される。また、駆動部21から数えて3個目の山は、クロスバー22の他端に一端を接続するクロスバー22と、クロスバー22の他端と連結部23で連結されるクロスバー22とで形成される。
【0032】
また、駆動部21から数えて3個目の山を形成するクロスバー22と、駆動部21から数えて3個目の谷を形成するクロスバー22とが交差する部分は、連結部23で連結される。連結部23の駆動部21からの位置は、連結部23及び連結部23と同様に、第1支点21aと第2支点21bの間隔に対応させて近づき又遠ざかる。
【0033】
クロスバー22,22及び連結部23以降の説明は、上記の繰り返しであるので省略する。以降において、クロスバー及び連結部について特に場所を特定する必要が無い場合は、参照符号の添え字の表記は省略する。
【0034】
上記のようにクロスバー22を連結部23で連結することでジャバラ24を延長させることができる。ジャバラ24の長さは、連結部23におけるフリクションによる力のロスが無いと仮定すると無限に延長することが可能である。
【0035】
本実施形態に係る位置可変機構20によれば、クロスバー22が形成する谷の底と山の頂のそれぞれの間隔、及びクロスバー22同士が交差する部分のそれぞれの間隔は、等間隔としつつ可変することが可能である。
【0036】
図2に示すように、位置可変機構20のジャバラ24の連結部23、23、23、2310、及び2313のそれぞれの位置に、送信アンテナ素子30,30,30,30,30と、受信アンテナ素子40,40,40,40,40が配置され、送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40が構成される。ジャバラ24についても同様である。
【0037】
図3は、上記のように送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40が構成された場合に、それぞれのアンテナ素子の間隔が等間隔に変更される様子を模式的に示す図である。図3に示すaは連結部23、同3aは連結部23、同5aは連結部23、同7aは連結部2310、同9aは連結部2313にそれぞれ対応する。そして、0は駆動部21の位置を表す。
【0038】
図3に示す上側の△の列は、駆動部21の第1支点21aと第2支点21bの間隔が、その可動範囲内のある値(間隔)に設定された場合の各アンテナ素子の位置を表す。下側の△の列は、上側の列の場合よりも、アンテナ素子のそれぞれ間隔を外側に2δa伸張した各アンテナ素子の位置を表す。
【0039】
この上側の△の位置と、下側の△の位置は、駆動部21の第1支点21aと第2支点21bの間隔を変更することで可逆的に設定することができる。上側の△の位置から下側の△の位置にアンテナ素子を移動させる場合は、第1支点21aと第2支点21bの間隔を狭くする。また、その逆の場合は、第1支点21aと第2支点21bの間隔を広くする。
【0040】
このように本実施形態に係る位置可変機構20によれば、道路の幅に対応させて送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40の各アンテナ素子間のそれぞれの距離を、全て等間隔としつつ可変とすることができる。したがって、道路の幅に対応させた送受信用アンテナを予め用意する必要がない。また、道路の幅に対応させて送受信様アンテナを取り替える必要がない。よって、地中レーダ装置100による1回の走査で埋設物の探査が行え、作業効率を改善することができる。
【0041】
なお、図2では、第1支点21aと第2支点21bが設けられた駆動部21の面と反対側の面に設けられた第3支点21c(図示せず)と第4支点21d(図示せず)から、ジャバラ24と同じ形状のジャバラ(参照符号なし)が延伸され、当該ジャバラとジャバラ24の連結部23が連結棒で連結される例を示したが、この参照符号なしで表記したジャバラは無くても構わない。
【0042】
つまり、位置可変機構20は、ジャバラ24(とジャバラ24)のみで構成してもよい。また、その場合、送信アンテナ素子30〜30と受信アンテナ素子40〜40は、ジャバラ24の例えば谷の底23、23、23、及び2311にそれぞれ配置する。
【0043】
以上説明したように本実施形態に係る位置可変機構20は、上下に配置される第1支点21aと第2支点21bとの間隔を可変させる駆動21部と、第1支点21aと第2支点21bに、それぞれの一端を接続させて谷及び山を形成し、該谷を形成する他端及び該山を形成する他端にそれぞれ一端を接続させ、第1支点21aと第2支点21bとの間隔に対応するように谷及び山の傾斜角度を変えて伸縮するジャバラ24,24を構成する複数のクロスバー22と、複数のクロスバー22が交差する交差部分、谷の底、及び山の頂を形成する部分の2つのクロスバー22を、谷及び山の傾斜角度を可変できるようにそれぞれ連結させる複数の連結部23とを備え、連結部23に、各アンテナ素子が配置される。
【0044】
これによれば、道路の幅に対応させて地中レーダ装置100の送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40を取り替える必要がない。また、1回の走査で埋設物の探査が行えるので、地中探査の作業効率を向上させることができる。また、道路に対応させて複数の送受信用アンテナを用意する必要がないので、地中レーダ装置による探査費用のコストを削減することもできる。
【0045】
(変形例1)
上記の実施形態では、駆動部21を1個、備える例で説明を行ったが、駆動部21は複数備えるようにしてもよい。図4は、駆動部を複数個備えるようにした変形例の位置可変機構220の一部分を示す斜視図である。
【0046】
図4に示す変形例1の位置可変機構220は、位置可変機構20に対して2個目の駆動部221を備える点で異なる。駆動部21と2個目の駆動部221の間は、ジャバラ24で接続される。よって、駆動部21の第1支点21aと第2支点21bの間隔を可変することで、駆動部21と駆動部221の間隔を可変することができる。
【0047】
駆動部221のx方向には、更に複数のクロスバーで構成されるジャバラ24が接続される。ジャバラ24の伸縮は、駆動部221が行う。
【0048】
このように、駆動部は、所定の数のクロスバーで構成されるジャバラごとに設けるようにしてもよい。この構成によれば、ジャバラごとに例えば送信アレイアンテナ30の各々のアンテナ素子の間隔を変更することが可能である。つまり、様々なアンテナの配置が可能になる。
【0049】
なお、ジャバラ24、ジャバラ24、及び駆動部221は、重力の影響を受けるので−y方向に下がる場合がある。それを防止するために、それぞれを上下方向に保持するレール(図示せず)を設けるとよい。
【0050】
(変形例2)
図5は、駆動部を複数個備えるようにした他の変形例の位置可変機構230の一部を示す斜視図である。図5に示す変形例2の位置可変機構230は、例えば、送信アレイアンテナ30及び受信アレイアンテナ40のそれぞれのアンテナ素子の間隔を別々に可変できるようにしたものである。
【0051】
図5に示す送信アンテナ素子30〜30と受信アンテナ素子40〜40は、パッチアンテナの例で示す。図2に示した送受信アンテナは、テーパードスロットアンテナの例を示した。なお、参照符号から明らかなように、テーパードスロットアンテナとパッチアンテナは、形状は異なるが作用は同じである。
【0052】
図5に示すように、送信アンテナ素子30〜30のそれぞれの間隔は駆動部222によって可変される。また、受信アンテナ素子40〜40のそれぞれの間隔は駆動部223によって可変される。
【0053】
このように送信アレイアンテナ30及び受信アレイアンテナ40のそれぞれのアンテナ素子の間隔を個別に可変させるようにしてもよい。
【0054】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の地中レーダ装置100の第2実施形態に係る位置可変機構の具体例の一部を示す斜視図である。図6に示す位置可変機構240は、例えば4個の電動アクチュエータ241〜241を縦続に接続させた例を示す。図6は、伸縮可能な構成を示すことを目的としたものであり、上記の位置可変機構との対応関係は特にない。
【0055】
電動アクチュエータ241は、その長さ方向(x)に伸縮が可能である。伸縮は、電動アクチュエータ241の本体から延伸部244がピストンの様に伸び縮みすることで行われる。そして、伸縮方向の両端部のそれぞれに、直交する方向(z)の棒状のアンテナ保持部242,242が設けられる。
【0056】
延伸部244側(根本)のアンテナ保持部242のz方向の両端に、それぞれ回転部243,243が設けられる。回転部243の−y方向の先端部分に送信アンテナ素子30が配置され、回転部243の−y方向の先端部分に受信アンテナ素子40が配置される。この例では、短冊形状の送信アンテナ素子30と受信アンテナ素子40は、電動アクチュエータ241の長さ方向と平行する向きに配置されている。
【0057】
電動アクチュエータ241の本体側(先端)も、延伸部244側と同様に、アンテナ保持部242、回転部243、回転部243、送信アンテナ素子30、及び受信アンテナ素子40が配置される。
【0058】
延伸部244がピストンの様に、電動アクチュエータ241の本体から伸び縮みすることで、送信アンテナ素子30と30の間隔を変えることができる。この例の場合は、受信アンテナ素子40と40の間隔は、送信アンテナ素子30,30と同時に同じ幅で変化する。
【0059】
以上説明した構成を複数縦続させることで、送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40のそれぞれのアンテナ素子の間隔を任意に設定することが可能である。複数の電動アクチュエータ241は、連結部を介して連結させる。電動アクチュエータ241には、例えばリナック社製LA33アクチュエータ等を用いることができる。
【0060】
このように、位置可変機構240は、伸縮する複数の電動アクチュエータ241と、電動アクチュエータ241を連結させる連結部とで構成してもよい。なお、アクチュエータの駆動は油圧又は空気圧で行っても良く、駆動源は電動に限られない。
【0061】
なお、図6の送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40の各アンテナ素子の向きは変えてもよい。図7は、図6に示す各アンテナ素子を90度回転させた例を示す斜視図である。このように、各アンテナ素子から放射される電磁波の偏波方向を変えてもよい。
【0062】
なお、偏波方向の可変は、一度設定した方向に固定しても良いし、例えば上記の回転部243をモータで回転させるようにし、連続的に回転させるようにしてもよい。この偏波方向を変える考えは、位相可変機構20(第1実施形態)にそのまま適用することも可能である。
【0063】
つまり、各アンテナ素子は、各アンテナ素子のそれぞれを回転させる回転部を介して、連結部のそれぞれに配置される。これにより各アンテナ素子から照射される電磁波の偏波方向を変えた探査を行うことができる。
【0064】
(地中探査方法)
図8図9は、本発明の第1実施形態に係る地中レーダ装置100を用いて、道路の埋設物の探査を行う様子を模式的に示す図である。図8は側面からその様子を見た図である。図9はその様子を平面視した図である。
【0065】
図8は、車両90に地中レーダ装置100が載せられ、位置可変機構20とアンテナが車両90の後部から突出して設けられ、車両90が移動して埋設物を探査する様子を示す。
送信アレイアンテナ30から地表0に向けて電磁波91が照射され、埋設管92、空洞93からの反射波を受信アレイアンテナ40で受信する。この場合、図9に示すように位置可変機構20は、道路の幅に対応させた幅に設定され、各アンテナ素子は等間隔で配置される。
【0066】
なお、地中レーダ装置100の移動手段は車に限定されない。手押し車(カート)に載せ、押して移動させてもよいし、リヤカーに載せて引いて移動させてもよい。 車両の進行方向の道路の幅は狭くなるので、車両が進行すると位置可変機構20の幅は、狭くなった道路の幅に対応させて狭くなる(図示せず)。その場合でも地中レーダ装置100によれば各アンテナ素子は等間隔で配置される。
【0067】
このように本実施形態に係る地中レーダ装置100が実行する地中探査方法は、送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40の各アンテナ素子のそれぞれの間隔を、全て等間隔としつつ可変して探査する。
【0068】
また、地中レーダ装置100は、道路の幅を検出するセンサ85(図8)を備えてもよい。センサ85は、例えば車両90の走行方向の画像、又は車両90の両側面の画像を撮像するカメラであり、道路の幅を検出する。センサ85で検出したセンサ情報(道路の幅)に基づいて、制御部80を介して位置可変機構20の各アンテナ素子の間隔を制御する。このように道路の幅を検出し、道路の幅に対応させて送信アレイアンテナ30と受信アレイアンテナ40の各アンテナ素子のそれぞれの間隔を自動的に可変するようにしてもよい。
【0069】
以上説明したように本実施形態の地中レーダ装置及びその方法によれば、道路の幅が異なっていても1回の走査で埋設物の探査を行うことができる。よって、地中探査方法の作業効率を向上させることができる。また、幅の異なる複数の送受信アンテナを用意する必要が無くなるので、地中探査に関わる初期導入コストを下げることができる。
【0070】
なお、位置可変機構20等は、その具体例としてジャバラ24で構成した例と、電動アクチュエータ241で構成した例を示したが、送信アレイアンテナ30及び受信アレイアンテナ40のそれぞれのアンテナ素子の間隔を全て等間隔としつつ可変とできれば、どのように構成してもよい。
【0071】
また、一つのジャバラ24に5個の送受信アンテナを配置する例を示したが、アンテナ素子の数はこの例に限定されない。複数であれば何個でもよい。また、駆動部21は、例えば電動で駆動する例で説明したが、駆動源を持たなくてもよい。第1支点21aと第2支点21bの間隔を作業者が手動で設定し、送受信アンテナのアンテナ素子の間隔を全て等間隔としつつ可変としてもよい。
【0072】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0073】
10:送信部
20、220、230、240:位置可変機構
21、221:駆動部
21a:第1支点
21b:第2支点
22、22〜22:クロスバー
23、23〜2313:連結部
24、24〜24:ジャバラ
30:送信アレイアンテナ
30〜30:送信アンテナ素子
40:受信アレイアンテナ
40〜40:受信アンテナ素子
50:受信部
60:演算部
70:表示部
80:制御部
85:センサ
90:車両
91:電磁波
92:埋設管
93:空洞
100:地中レーダ装置
241、241〜241:電動アクチュエータ(アクチュエータ)
242、242〜242:アンテナ保持部
243、243〜24310:回転部
244、244〜244:延伸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9