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特開2019-210301電子デバイス加工用テープおよび電子デバイス加工用テープの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-210301(P2019-210301A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】電子デバイス加工用テープおよび電子デバイス加工用テープの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20191115BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20191115BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20191115BHJP
   B26F 1/38 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   C09J7/38
   H01L21/78 M
   B26F1/44 B
   B26F1/38 A
   B26F1/44 J
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-104185(P2018-104185)
(22)【出願日】2018年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴徳
(72)【発明者】
【氏名】丸山 弘光
【テーマコード(参考)】
3C060
4J004
5F063
【Fターム(参考)】
3C060AA04
3C060BA03
3C060BB08
4J004AA07
4J004AA10
4J004AA13
4J004AA14
4J004AB01
4J004AB07
4J004BA03
4J004BA05
4J004CB03
4J004CC06
4J004DB02
4J004FA05
5F063AA18
5F063AA41
5F063DD85
5F063DG26
5F063EE07
5F063EE13
5F063EE14
5F063EE18
5F063EE22
5F063EE27
5F063EE31
5F063EE43
5F063EE44
5F063EE58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基材テープが薄肉化され、引っ張り強度が低下しても、カス部に大きな引き裂き部が発生することを防止して、円滑にカス部を引き剥がすことができる電子デバイス加工用テープを提供する。
【解決手段】剥離フィルム11と、基材フィルム14の主面に粘着剤層15が形成された基材テープ13を備えた電子デバイス加工用テープ2。前記基材テープ13が、搬送方向に所定の間隔にて形成され、ラベル部21と、カス部31と、その外縁と接した周辺部41と、を備え、前記カス部31の前記間隔部分にて、前記搬送方向の前後から伸延した、前記カス部31の外縁を形成するカット線が終端し、一方向から伸延した前記カット線の終端に、平面視曲部を有する切り込み部が形成されており、該切り込み部が、該曲部から前記周辺部の方向へ伸延した部位を有する電子デバイス加工用テープ2。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離フィルムと、
基材フィルムの主面に粘着剤層が形成された基材テープであって、前記剥離フィルムと積層された基材テープと、を備えた電子デバイス加工用テープであって、
前記基材テープが、前記電子デバイス加工用テープの搬送方向に所定の間隔にて形成された、所定の平面視形状を有するラベル部と、該ラベル部の平面視外側を囲み、且つ前記所定の間隔を形成する間隔部分を有するカス部が、剥がされたカス剥離部と、平面視にて該カス剥離部の外縁と接した周辺部と、を備え、
前記カス部の前記間隔部分にて、前記搬送方向の前後から伸延した、前記カス部の外縁を形成するカット線が終端し、一方向から伸延した前記カット線の終端に、平面視曲部を有する切り込み部が形成されており、該切り込み部が、該曲部から前記周辺部の方向へ伸延した部位を有する電子デバイス加工用テープ。
【請求項2】
前記剥離フィルムの主面の一部に設けられた接着剤層を、さらに備え、
前記基材テープが、前記接着剤層を覆い、該接着剤層の周囲で前記剥離フィルムと接した請求項1に記載の電子デバイス加工用テープ。
【請求項3】
前記切り込み部の平面視曲部が、R0.25mm以上の曲率半径の円弧状曲線部となっている部位を有する請求項1または2に記載の電子デバイス加工用テープ。
【請求項4】
前記切り込み部の平面視曲部が、R1.0mm以上の曲率半径の円弧状曲線部となっている部位を有する請求項1または2に記載の電子デバイス加工用テープ。
【請求項5】
前記搬送方向に対して直交方向における、前記切り込み部の円弧状曲線部の基点と前記周辺部の方向へ伸延した部位の先端との距離Lが、前記曲率半径の寸法に対して0.5以上の比率である請求項3または4に記載の電子デバイス加工用テープ。
【請求項6】
前記搬送方向に対して直交方向における、前記切り込み部の円弧状曲線部の基点と前記周辺部の方向へ伸延した部位の先端との距離Lが、0.25mm以上である請求項3に記載の電子デバイス加工用テープ。
【請求項7】
前記搬送方向に対して直交方向における、前記切り込み部の円弧状曲線部の基点と前記周辺部の方向へ伸延した部位の先端との距離Lが、1.0mm以上である請求項4に記載の電子デバイス加工用テープ。
【請求項8】
基材フィルム上に粘着剤層を塗布して基材テープを作製する工程と、
前記基材テープを剥離フィルムと重ね合わせる工程と、
前記基材テープに、該基材テープの搬送方向に所定の間隔にて形成された、所定の平面視形状を有するラベル部と、該ラベル部の平面視外側を囲み、且つ前記所定の間隔を形成する間隔部分を有するカス部と、平面視にて該カス部の外縁と接した周辺部との区画を形成し、且つ前記カス部の前記間隔部分にて、前記搬送方向の前後から伸延した、前記カス部の外縁を形成するカット線が終端し、一方向から伸延した前記カット線の終端に、平面視曲部を有する切り込み部を形成し、該切り込み部が、該曲部から前記周辺部の方向へ伸延した部位を有する、プリカットを、回転打抜き刃を用いて行う工程と、
前記カス部をカス上げ処理して、前記基材テープにカス剥離部を形成する工程と、
を有する電子デバイス加工用テープの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス加工用テープに関し、特に、半導体ウエハのダイシング、ピックアップに使用される電子デバイス加工用テープおよび電子デバイス加工用テープの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハの加工用テープとして、長尺の基材テ−プ上に複数の所定の平面視形状を有するラベル部が所定間隔で形成されたダイシングテープやダイボンディングフィルムを備えた電子デバイス加工用テープが使用されている。基材テープのラベル部に対応する部位には、粘着剤層が設けられている。粘着剤層が設けられているラベル部に半導体ウエハが貼合されることで、半導体ウエハがラベル部にて位置決めされる。位置決めされた半導体ウエハは、ラベル部に貼合された状態でダイシングされることで、半導体チップが製造される。製造された半導体チップは、紫外線による硬化処理等によって粘着剤層の粘着力を低下させることで、ラベル部からピックアップされる。
【0003】
基材テ−プ上に複数のラベル部が所定間隔で形成された半導体ウエハの加工用テープとして、例えば、特許文献1では、半導体ウエハの加工用テープに所定のプリカット加工を施し、所定間隔で配置されたラベル部間の不要部分をプリカット加工のカット線に沿って剥離除去した半導体ウエハの加工用テープが開示されている。
【0004】
このように、基材テープは、プリカット加工によって、半導体ウエハが貼合されるラベル部と、ラベル部の平面視外側を囲む不要部であるカス部と、平面視にてカス部の外縁と接した周辺部とに区画されている。プリカット加工は、基材テープに対して対向配置された回転打抜き刃を用いて、基材フィルムと該基材フィルム面上に設けられた粘着剤層とに対し行う(特許文献2)。
【0005】
また、基材テープのカス部は、半導体ウエハをダイシングする前に、予め、巻き取り手段にて、基材テープの長尺方向(基材テープの搬送方向)に沿って巻き取られることで、電子デバイス加工用テープから引き剥がされている。従って、電子デバイス加工用テープから基材テープのカス部が除去された状態で、電子デバイス加工用テープは半導体ウエハの貼合機にセットされる。
【0006】
基材テープは、エキスパンド性やピックアップ性等、電子デバイス加工工程上の観点から、その材質や厚さが最適化される。そのため、次のような不具合を生じる場合があった。
【0007】
例えば、基材テープが薄肉の場合、基材テープの引裂強度が低下する。基材テープの引裂強度が低下すると、電子デバイス加工用テープから基材テープのカス部が引き剥がされる際にカス部にかかる張力によって、カス部、特に、所定間隔で形成されたラベル部間のカス部に大きな引き裂き部が発生、場合によってはラベル部間においてカス部が分断し、電子デバイス加工用テープから円滑にカス部を引き剥がすことができないことがあるという問題があった。また、電子デバイス加工用テープの使用条件によっては、基材テープの材質として、カス部が引き剥がされる際にカス部にかかる張力に十分に耐え得る引裂強度を有さないものが用いられることがある。基材テープの材質が十分な引裂強度を有さないものである場合にも、電子デバイス加工用テープから基材テープのカス部が引き剥がされる際にカス部にかかる張力によって、カス部、特に、所定間隔で形成されたラベル部間のカス部に大きな引き裂き部が発生、場合によってはラベル部間においてカス部が分断し、電子デバイス加工用テープから円滑にカス部を引き剥がすことができないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−111530号公報
【特許文献2】特開2014−017357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、基材テープが薄肉化され、または基材テープの材質によって引裂強度が低下しても、カス部に大きな引き裂き部が発生することを防止して円滑にカス部を引き剥がすことで、カス剥離部にカス部が残置されていることが防止された電子デバイス加工用テープおよび電子デバイス加工用テープの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
[1]剥離フィルムと、
基材フィルムの主面に粘着剤層が形成された基材テープであって、前記剥離フィルムと積層された基材テープと、を備えた電子デバイス加工用テープであって、
前記基材テープが、前記電子デバイス加工用テープの搬送方向に所定の間隔にて形成された、所定の平面視形状を有するラベル部と、該ラベル部の平面視外側を囲み、且つ前記所定の間隔を形成する間隔部分を有するカス部が、剥がされたカス剥離部と、平面視にて該カス剥離部の外縁と接した周辺部と、を備え、
前記カス部の前記間隔部分にて、前記搬送方向の前後から伸延した、前記カス部の外縁を形成するカット線が終端し、一方向から伸延した前記カット線の終端に、平面視曲部を有する切り込み部が形成されており、該切り込み部が、該曲部から前記周辺部の方向へ伸延した部位を有する電子デバイス加工用テープ。
[2]前記剥離フィルムの主面の一部に設けられた接着剤層を、さらに備え、
前記基材テープが、前記接着剤層を覆い、該接着剤層の周囲で前記剥離フィルムと接した[1]に記載の電子デバイス加工用テープ。
[3]前記切り込み部の平面視曲部が、R0.25mm以上の曲率半径の円弧状曲線部となっている部位を有する[1]または[2]に記載の電子デバイス加工用テープ。
[4]前記切り込み部の平面視曲部が、R1.0mm以上の曲率半径の円弧状曲線部となっている部位を有する[1]または[2]に記載の電子デバイス加工用テープ。
[5]前記搬送方向に対して直交方向における、前記切り込み部の円弧状曲線部の基点と前記周辺部の方向へ伸延した部位の先端との距離Lが、前記曲率半径の寸法に対して0.5以上の比率である[3]または[4]に記載の電子デバイス加工用テープ。
[6]前記搬送方向に対して直交方向における、前記切り込み部の円弧状曲線部の基点と前記周辺部の方向へ伸延した部位の先端との距離Lが、0.25mm以上である[3]に記載の電子デバイス加工用テープ。
[7]前記搬送方向に対して直交方向における、前記切り込み部の円弧状曲線部の基点と前記周辺部の方向へ伸延した部位の先端との距離Lが、1.0mm以上である[4]に記載の電子デバイス加工用テープ。
[8]基材フィルム上に粘着剤層を塗布して基材テープを作製する工程と、
前記基材テープを剥離フィルムと重ね合わせる工程と、
前記基材テープに、該基材テープの搬送方向に所定の間隔にて形成された、所定の平面視形状を有するラベル部と、該ラベル部の平面視外側を囲み、且つ前記所定の間隔を形成する間隔部分を有するカス部と、平面視にて該カス部の外縁と接した周辺部との区画を形成し、且つ前記カス部の前記間隔部分にて、前記搬送方向の前後から伸延した、前記カス部の外縁を形成するカット線が終端し、一方向から伸延した前記カット線の終端に、平面視曲部を有する切り込み部を形成し、該切り込み部が、該曲部から前記周辺部の方向へ伸延した部位を有する、プリカットを、回転打抜き刃を用いて行う工程と、
前記カス部をカス上げ処理して、前記基材テープにカス剥離部を形成する工程と、
を有する電子デバイス加工用テープの製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、カス部の間隔部分に、平面視曲部を有する切り込み部が形成されており、切り込み部が、曲部から周辺部の方向へ伸延した部位を有することにより、電子デバイス加工用テープから基材テープのカス部が引き剥がされる際にカス部に張力が負荷されても、カス部の外縁部から基材テープの中心線方向へ引き裂き部が発生することが防止される。カス部の外縁部から中心線方向への引き裂きの発生が防止されることにより、基材テープが薄肉化され、または基材テープに引っ張り強度が低下する材料が使用されても、カス部に大きな引き裂き部が発生することが防止される。よって、カス部の引き剥がしを円滑化することができるので、電子デバイス加工用テープのカス剥離部にカス部が残置されていることが防止される。
【0012】
本発明の態様によれば、切り込み部の平面視曲部が、R0.25mm以上の曲率半径の円弧状曲線部となっている部位を有することにより、カス部の外縁部から中心線方向への引き裂きの発生がより確実に防止される。
【0013】
電子デバイス加工用テープの搬送方向に対して直交方向における、切り込み部の円弧状曲線部の基点と切り込み部の周辺部の方向へ伸延した部位の先端との距離Lが、曲率半径の寸法に対して0.5以上の比率であることにより、カス部の外縁部から中心線方向への引き裂きの発生がより確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における積層構造の概要を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における平面視の概要を示す説明図である。
図3】本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における平面視の概要を示す拡大図である。
図4】本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープにプリカット加工を実施する回転打ち抜き刃の概要を示す説明図である。
図5】本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープの使用方法例の説明図である。
図6】本発明の他の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における積層構造の概要を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープについて、図面を用いながら説明する。図1は、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における積層構造の概要を示す断面図である。図2は、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における平面視の概要を示す説明図である。図3は、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における平面視の概要を示す拡大図である。図4は、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープにプリカット加工を実施する回転打ち抜き刃の概要を示す説明図である。図5は、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープの使用方法例の説明図である。図6は、本発明の他の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープのカス上げ処理前における積層構造の概要を示す断面図である。
【0016】
図1に示すように、電子デバイス加工用テープ1は、剥離フィルム11と、剥離フィルム11の主面61の一部に設けられた接着剤層12と、接着剤層12を覆い、接着剤層12の周囲で剥離フィルム11と接した基材テープ13とが積層された積層体である。基材テープ13は、後述するように、基材フィルム14の主面71に粘着剤層15が形成された積層構造物である。
【0017】
剥離フィルム11の形状は、矩形の長尺状であり、長手方向の長さが、長手方向に対して直交方向(幅方向)の長さに対して、十分に長くなるように形成されている。剥離フィルム11は、電子デバイス加工用テープ1の製造時及び使用時に支持体として機能する。電子デバイス加工用テープ1に半導体ウエハを貼合する際には、電子デバイス加工用テープ1から剥離フィルム11を剥離して、露出した接着剤層12に半導体ウエハを貼合する。
【0018】
剥離フィルム11の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系等を挙げることができる。剥離フィルム11の厚さは、特に限定されず、使用条件等により、適宜選択可能であるが、例えば、25〜50μmが挙げられる。また、剥離フィルム11の幅方向の寸法は、特に限定されず、半導体ウエハの大きさ等の使用条件により、適宜選択可能であるが、例えば、20〜70cmが挙げられる。
【0019】
接着剤層12は、剥離フィルム11の主面61の一部領域に設けられており、貼合される半導体ウエハの形状に対応した形状を有している。また、接着剤層12は、剥離フィルム11と基材テープ13との間に配置されている。接着剤層12は、基材テープ13の粘着剤層15と接触しており、半導体チップのピックアップ時に、半導体チップに付着した状態で粘着剤層15から剥離される。
【0020】
接着剤層12の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。接着剤層12の厚さは、特に限定されず、使用条件等により、適宜選択可能であるが、例えば、5〜100μmである。
【0021】
基材テープ13は、基材フィルム14の主面71の全体にわたって粘着剤層15が形成された、基材フィルム14と粘着剤層15の積層構造物であり、接着剤層12全体を覆うとともに、接着剤層12の周囲全域で剥離フィルム11と接触可能となっている。基材テープ13は、剥離フィルム11と同じく、矩形の長尺状であり、長手方向の長さが長手方向に対して直交方向(幅方向)の長さに対して、十分に長くなるように形成されている。
【0022】
基材フィルム14の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体若しくは共重合体、またはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチル(メタ)アクリレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン若しくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0023】
基材フィルム14の厚さは、特に限定されず、使用条件等により、適宜選択可能であるが、例えば、50〜200μmである。基材フィルム14の幅方向の寸法は、特に限定されず、半導体ウエハの大きさ等の使用条件により、適宜選択可能であるが、例えば、剥離フィルム11の幅方向の寸法と同じ寸法を挙げることができる。基材フィルム14の幅方向の寸法として、具体的には、例えば、20〜70cmが挙げられる。
【0024】
粘着剤層15の材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、紫外線硬化性化合物を粘着剤層15に配合して、紫外線による硬化処理により接着剤層12から剥離しやすい粘着剤層15としてもよい。紫外線硬化性化合物を配合することで、半導体チップのピックアック性が向上する。
【0025】
紫外線硬化性化合物としては、例えば、紫外線照射によって三次元に網状化し得る分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する化合物が用いられる。紫外線硬化性化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、オリゴエステル(メタ)アクリレート等の2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができる。
【0026】
また、紫外線硬化性化合物の具体例としては、上記(メタ)アクリレートモノマーの他に、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを挙げることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多官能イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端にイソシアナート基を有するウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等)を反応させて得られる。
【0027】
また、紫外線硬化性化合物を配合する場合には、紫外線硬化性化合物の光硬化を円滑化するために、光重合開始剤を配合してもよい。光重合開始剤としては、具体的には、例えば、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を挙げることができる。
【0028】
図2に示すように、電子デバイス加工用テープ1の基材テープ13は、カス部31が引き剥がされる前においては、半導体ウエハが貼合されるラベル部21と、平面視にてラベル部21の平面視外縁22を囲んでいる不要部分であるカス部31と、平面視にてカス部31の外縁34と接し、基材テープ13の縁部に位置する周辺部41とに区画されている。カス部31が引き剥がされるカス上げ処理を行って、カス部31であった領域をカス剥離部とすることで、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープ1が形成される。なお、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープを説明する図面では、説明の便宜上、カス部が引き剥がされずに残されている形態としている。基材テープ13のうち、平面視において接着剤層12と重なり合う部分と必要に応じて前記重なり合う部分の近傍とが、ラベル部21に対応する。従って、ラベル部21は、剥離フィルム11と接着剤層12と粘着剤層15と基材フィルム14が、上記順序で積層された構造となっている。一方で、カス部31と周辺部41には、接着剤層12が設けられていない。従って、カス部31と周辺部41は、剥離フィルム11と粘着剤層15と基材フィルム14が、上記順序で積層された構造となっている。
【0029】
なお、本明細書中、「平面視」とは、剥離フィルム11の主面61及び基材フィルム14の主面71に対向する位置から視認した状態を意味する。また、図2では、カス部31が引き剥がされる前における電子デバイス加工用テープ1は、ロール体に巻かれた形態となっている。
【0030】
ラベル部21は、電子デバイス加工用テープ1の搬送方向Dに所定の間隔にて複数形成されている。ラベル部21の平面視の形状及び面積は、特に限定されず、例えば、貼合される半導体ウエハの平面視の形状に略対応した形状及び面積となっている。電子デバイス加工用テープ1では、ラベル部21の平面視の形状は、円形状となっている。
【0031】
カス部31は、それぞれのラベル部21の平面視外縁22を囲む外周部33と、隣接するラベル部21の所定の間隔を形成する間隔部分32と、を有する。外周部33の外縁34は、ラベル部21の平面視外縁22に沿って延在している部分である。また、外周部33と間隔部分32は連続して形成されている。
【0032】
図3に示すように、カス部31の間隔部分32は、所定のラベル部21を囲む外周部33から上記所定のラベル部21に隣接した他のラベル部21方向へ伸延する外縁34と、所定のラベル部21に隣接した他のラベル部21を囲む外周部33から上記所定のラベル部21方向へ伸延する直線状の外縁34とにて、幅方向が区画されている。他のラベル部21を囲む外周部33から所定のラベル部21方向へ伸延する外縁34の先端34−1は、所定のラベル部21を囲む外周部33の外縁34には達していない。すなわち、他のラベル部21を囲む外周部33から所定のラベル部21方向へ伸延する外縁34の終端は、所定のラベル部21を囲む外周部33の外縁34までは伸延していない。一方で、所定のラベル部21を囲む外周部33の外縁34からは、切り込み部50が、上記他のラベル部21方向へ伸延している。すなわち、切り込み部50は、外周部33の外縁34と連続しており、所定のラベル部21を囲む外周部33から他のラベル部21方向へ伸延する外縁34の終端を形成している。間隔部分32では、切り込み部50は、隣接した他のラベル部21を囲む外周部33から伸延する外縁34と、平面視において重なり合わない位置に設けられている。また、切り込み部50は、他のラベル部21を囲む外周部33から伸延する外縁34よりも、電子デバイス加工用テープ1の搬送方向Dに対して平行な基材テープ13の中心線C側に設けられている。
【0033】
上記から、切り込み部50は、カス部31の間隔部分32に形成されている。また、切り込み部50は、カス部31の外周部33における外縁34から間隔部分32の領域へ伸延している。切り込み部50は、基材テープ13を貫通して形成された切り込みであり、剥離フィルム11と接着剤層12には、切り込みは形成されていなくてもよい。
【0034】
また、切り込み部50は、電子デバイス加工用テープ1の搬送方向Dに対して平行な基材テープ13の中心線Cよりも外側の部位にのみ形成されている。すなわち、切り込み部50は、搬送方向Dに対して平行な基材テープ13の中心線Cを横切るようには伸延していない。また、切り込み部50は、1箇所の間隔部分32あたり、2つ形成されており、中心線Cを境に略対称に配置されている。
【0035】
図3に示すように、切り込み部50の平面視形状には、曲部51を有している。また、切り込み部50の曲部51は、曲部51の基点(中心線Cに最も近い部分)56から周辺部41の方向へ伸延した外方向部位52を有する。曲部51の外方向部位52は、間隔部分32において、中心線Cから基材テープ13の幅方向外側に向かって、すなわち、基材テープ13の中心線Cから搬送方向Dに対して直交方向の縁部に向かって、伸延している部位である。カス部31では、外方向部位52の先端53、すなわち、曲部51の先端53は、隣接した他のラベル部21を囲む外周部33から伸延する外縁34とは、平面視において接していない。
【0036】
また、切り込み部50のうち、所定のラベル部21を囲む外周部33の外縁34から曲部51の基点56までの部位は、他のラベル部21を囲む外周部33から所定のラベル部21方向へ伸延する直線状の外縁34と沿うように伸延した、直線状部位54となっている。上記から、切り込み部50は、直線状部位54によって、所定のラベル部21から他のラベル部21の方向へ伸延している態様となっている。
【0037】
切り込み部50の曲部51が基点56から周辺部41の方向へ伸延した部位を有することにより、カス部31の間隔部分32における引っ張り強度及び破断強度が向上する。従って、基材テープ13のカス部31が巻き取り手段等にて引き剥がされるカス上げ処理の際に、カス部31に張力が負荷されても、間隔部分32においてカス部31の外縁34から基材テープ13の中心線C方向へ引き裂き部が発生することが防止される。
【0038】
カス部31の間隔部分32において、外縁34から中心線C方向への引き裂きが防止されることにより、基材テープ13が薄肉化され、または基材テープ13に引っ張り強度及び破断強度が低下する材料が用いられても、カス部31に大きな引き裂き部が発生することが防止されるので、カス部31のカス上げ処理を円滑化、確実化することができる。
【0039】
カス部31では、切り込み部50の曲部51は、平面視円弧状の曲線部となっている。すなわち、曲部51の基点56から周辺部41の方向へ伸延した外方向部位52は、平面視円弧状の曲線部となっている。平面視円弧状の曲線部の曲率半径は、特に限定されないが、その下限値は、カス部31の間隔部分32において、外縁34から中心線C方向への引き裂きの発生がより確実に防止される点から、R0.25mmが好ましく、R1.0mmがより好ましく、R2.0mmが特に好ましい。一方で、曲部51の曲率半径の上限値は、電子デバイス加工用テープ1の寸法に応じて、適宜、選択可能であるが、例えば、ラベル部間の距離を最小にする観点から、R20mmが好ましい。
【0040】
切り込み部50の曲部51について、搬送方向Dに対して直交方向、すなわち、基材テープ13の幅方向における、基点56と外方向部位52の先端53との距離Lは、特に限定されない。ただ、例えば、平面視円弧状の曲線部の曲率半径の寸法に対する上記距離Lの比率の下限値は、カス部31の間隔部分32において、カス上げ処理における外縁34から中心線C方向への引き裂きの発生がより確実に防止される点から、0.50の比率が好ましく、0.75の比率がより好ましく、1.0の比率が特に好ましい。一方で、平面視円弧状の曲線部の曲率半径の寸法に対する上記距離Lの比率の上限値は、カス上げ処理においてカス部がより確実に残らないようにする観点から、1.5の比率が好ましい。
【0041】
また、上記距離Lの寸法は、特に限定されないが、その下限値は、カス部31の間隔部分32において、外縁34から中心線C方向への引き裂きの発生がより確実に防止される点から、0.25mmが好ましく、1.0mmがより好ましく、2.0mmが特に好ましい。一方で、上記距離Lの寸法の上限値は、電子デバイス加工用テープ1の寸法に応じて、適宜、選択可能であるが、例えば、20mmが好ましい。
【0042】
次に、基材テープ13に、ラベル部21とカス部31と周辺部41の区画を形成する方法について説明する。基材テープ13に、半導体ウエハが貼合されるラベル部21と、ラベル部21の平面視外縁22を囲んでいるカス部31と、カス部31の外縁34と接し、基材テープ13の縁部に位置する周辺部41との区画を形成する方法には、例えば、回転打ち抜き刃を用いて基材テープ13をプリカット加工する方法が挙げられる。この場合、ラベル部21とカス部31と周辺部41との区画は、基材テープ13に設けられたカット線で形成されている。
【0043】
電子デバイス加工用テープ1を形成するためのカス部31を有する電子デバイス加工用テープは、図4に示す刃のパターンを有する回転打ち抜き刃100を用いて、基材テープ13にプリカット加工を施すことで、ラベル部21とカス部31と周辺部41との区画を形成でき、また、カス部31の間隔部分32に、曲部51を有する切り込み部50を形成することができる。回転打ち抜き刃100を円筒形のロール(図示せず)の外面に巻き付けて装着し、回転打ち抜き刃100に基材テープ13を押し当てながら円筒形のロールを回転させることで、基材テープ13にプリカット加工を施すことができる。円筒形のロールが1回転することで、プリカットされたラベル部21が1つ形成される。
【0044】
回転打ち抜き刃100は、ラベル部21の平面視外縁22を形成するためのラベル部形成用刃110と、ラベル部形成用刃110の外周部に設けられた、カス部31の外縁34を形成するためのカス部形成用刃120とを備えている。ラベル部21の平面視の形状が円形状となっていることに対応して、ラベル部形成用刃110は、円形状となっている。
【0045】
カス部形成用刃120には、切り込み部50を形成するための切り込み部形成用刃121と、間隔部分32に伸延する外縁34を形成するための間隔部分外縁形成用刃122と、ラベル部21を囲む外周部33の外縁34を形成するための外周部外縁形成用刃123と、を有している。切り込み部形成用刃121は、間隔部分外縁形成用刃122と対向する位置に形成されている。また、外周部外縁形成用刃123は、切り込み部形成用刃121及び間隔部分外縁形成用刃122と連設されている。また、切り込み部形成用刃121は、間隔部分外縁形成用刃122と外周部外縁形成用刃123を介して連設されている。
【0046】
切り込み部50が他のラベル部21を囲む外周部33から伸延する外縁34よりも基材テープ13の中心線C側に設けられていることに対応して、切り込み部形成用刃121の間隔S1は、間隔部分外縁形成用刃122の間隔S2よりも狭く設定されている。また、切り込み部50に曲部51が形成されていることに対応して、切り込み部形成用刃121には、切り込み部形成用刃121の伸延方向に曲げ部124が設けられている。曲げ部124の曲率半径は、切り込み部50の曲部51の曲率半径に対応している。
【0047】
さらに、切り込み部50の曲部51に外方向部位52が形成されていることに対応して、切り込み部形成用刃121の曲げ部124には、外方向に伸延した、外方向部125が設けられている。切り込み部形成用刃121の外方向部125は、上記距離Lに対応した寸法を有している。
【0048】
回転打ち抜き刃100の1回転目で、ラベル部形成用刃110により所定のラベル部21が形成され、外周部外縁形成用刃123により所定のラベル部21を囲む外周部33の外縁34が形成され、切り込み部形成用刃121により切り込み部50が形成される。そして、回転打ち抜き刃100の2回転目で、切り込み部50が形成された部分に、間隔部分外縁形成用刃122により間隔部分32の幅方向を区画する外縁34が形成されるとともに、ラベル部形成用刃110により所定のラベル部21に隣接した他のラベル部21が形成され、外周部外縁形成用刃123により他のラベル部21を囲む外周部33の外縁34が形成される。上記プリカット加工の操作を繰り返すことで、基材テープ13にラベル部21とカス部31と周辺部41との区画を連続的に形成することができる。
【0049】
次に、電子デバイス加工用テープ1の製造方法例を説明する。まず、剥離フィルム11の主面61上に接着剤層12を塗布した積層体に対し、回転打抜き刃を用いて、接着剤層12に対してプリカットを形成する1次プリカットを行う。1次プリカットの後、接着剤層12の不要部分(ラベル部21に対応する部分以外の部分)を除去する。これとは別に、基材フィルム14の主面71上に粘着剤層15を塗布した積層構造物である基材テープ13を作製しておく。次に、不要部分が除去された接着剤層12に粘着剤層15を対向させて、基材テープ13を剥離フィルム11と接着剤層12に対してラミネートする。次に、基材テープ13と対向配置されている回転打抜き刃100を用いて、基材テープ13に、半導体ウエハが貼合されるラベル部21と、ラベル部21の平面視外縁22を囲んでいるカス部31と、カス部31の外縁34と接し、基材テープ13の縁部に位置する周辺部41との区画(カット線)を形成する2次プリカットを行う。この2次プリカットにおいて、カス部31の間隔部分32に、切り込み部50も形成される。次に、基材テープ13のカス部31を巻き取り手段等にて引き剥がすカス上げ処理をして、カス剥離部を形成する。これにより、電子デバイス加工用テープ1を製造することができる。
【0050】
次に、電子デバイス加工用テープ1の使用方法例を説明する。図5に示すように、先ず、ロール状に巻かれた電子デバイス加工用テープ1を、剥離フィルム巻き取りローラ200にて、電子デバイス加工用テープ1のロール体から引き出す。電子デバイス加工用テープ1の引き出し経路には、剥離手段201が設けられており、剥離手段201の先端部を折り返し点として、電子デバイス加工用テープ1から剥離フィルム11のみが引き剥がされる。引き剥がされた剥離フィルム11は、電子デバイス加工用テープ1のロール体から引き出す機能を有する剥離フィルム巻き取りローラ200に巻き取られる。
【0051】
剥離手段201の先には、貼合部202が設けられており、貼合部202の上面には、半導体ウエハWとリングフレーム205が載置されている。剥離フィルム11が引き剥がされた、接着剤層12と基材テープ13の積層体は、接着剤層12と対向した半導体ウエハW上に導かれ、貼合ローラ203によって接着剤層12に半導体ウエハWを貼合する。
【0052】
次に、接着剤層12と基材テープ13の積層体を半導体ウエハWとリングフレーム205に貼りつけた状態で、半導体ウエハWをダイシングして半導体チップとする(図示せず)。ダイシングの後、基材テープ13に対して紫外線照射等の硬化処理を行って、基材テープ13の粘着剤層15を構成する粘着成分を硬化させて、粘着成分の粘着力を低下させる。粘着剤層15の有する粘着力が低下すると、接着剤層12は粘着剤層15から円滑に剥離して、半導体チップの裏面に接着剤層12が付着した状態で、半導体チップがピックアップされる。なお、半導体チップの裏面に付着した接着剤層12は、半導体チップをリードフレーム、パッケージ基板、他の半導体チップに接着する際に、ダイボンディングフィルムとして機能する。
【0053】
次に、本発明の実施形態例に係る電子デバイス加工用テープの他の実施形態例について説明する。なお、上記実施形態例に係る電子デバイス加工用テープ1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。上記実施形態例に係る電子デバイス加工用テープ1では、剥離テープ11と基材テープ13の間に接着剤層12が設けられていたが、これに代えて、図6に示すように、剥離テープ11と基材テープ13の間に接着剤層12が設けられていない電子デバイス加工用テープ2としてもよい。電子デバイス加工用テープ2では、ラベル部21でも、剥離テープ11に、直接、基材テープ13の粘着剤層15が接している。
【0054】
上記実施形態例では、切り込み部50の外方向部位52の先端53は、隣接した他のラベル部21を囲む外周部33から伸延する外縁34とは、接触していなかったが、これに代えて、切り込み部50の外方向部位52は、隣接した他のラベル部21を囲む外周部33から伸延する外縁34と、平面視において交差していてもよい。
【実施例】
【0055】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
【0056】
実施例として、カス部を引き剥がす前における上記実施形態例に係る電子デバイス加工用テープと同様の構成の電子デバイス加工用テープを使用した。切り込み部の曲部の曲率半径Rと距離Lは、それぞれ、実施例1では、曲率半径Rが3.0mm、距離Lが3.0mm、実施例2では、曲率半径Rが1.0mm、距離Lが1.0mm、実施例3では、曲率半径Rが10.0mm、距離Lが10.0mmに設定した。なお、比較例としては、実施例の切り込み部に代えて、他のラベル部を囲む外周部から隣接した所定のラベル部方向へ伸延する直線状の外縁と同様の形状の切り込みとした。
【0057】
評価項目
引裂強度試験(引っ張り試験)
カス部を有する電子デバイス加工用テープからカス部を引き剥がした。引き剥がしたカス部から、一つの間隔部分と該一つの間隔部分から延在した2つの外周部を切り出した。切り出したカス部のうち、ラベル部に対応する空間を介して対向配置されたカス部の両外周部(幅約5mm)をそれぞれ狭持させた態様で、切り出したカス部を引っ張り試験器「VE10D」(株式会社東洋精機製作所製)にセットした。その後、狭持した両外周部を、ラベル部に対応する空間とは反対方向である外側方向へ引っ張り、間隔部分が完全に引き裂かれたとき(あるいは破断したとき)の最大荷重を引裂強度(N)とした。試験結果を下記表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1から、曲部の基点から周辺部の方向へ伸延した部位を有する切り込み部が形成された実施例1〜3では、間隔部分の破断強度が向上した。従って、実施例1〜3では、電子デバイス加工用テープから基材テープのカス部を引き剥がすカス上げ処理の際に、カス部に引っ張り力が負荷されても、間隔部分においてカス部の外縁から基材テープの中心線方向へ引き裂き部が発生することを防止できることが判明した。特に、曲率半径Rが3.0mm、距離Lが3.0mmである実施例1では、曲率半径Rが1.0mm、距離Lが1.0mmである実施例2及び曲率半径Rが10.0mm、距離Lが10.0mmである実施例3と比較して、引裂強度がより向上した。
【0060】
一方で、曲部の基点から周辺部の方向へ伸延した部位を有する切り込み部が形成されなかった比較例では、間隔部分の破断強度の改善が見られず、カス上げ処理の際に、カス部に引っ張り力が負荷されると、間隔部分においてカス部の外縁から基材テープの中心線方向へ引き裂き部が発生する恐れがあることが判明した。
【符号の説明】
【0061】
1、2 電子デバイス加工用テープ
11 剥離フィルム
12 接着剤層
13 基材テープ
14 基材フィルム
15 粘着剤層
50 切り込み部
51 曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6