特開2019-216956(P2019-216956A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019216956-吸収性物品 図000003
  • 特開2019216956-吸収性物品 図000004
  • 特開2019216956-吸収性物品 図000005
  • 特開2019216956-吸収性物品 図000006
  • 特開2019216956-吸収性物品 図000007
  • 特開2019216956-吸収性物品 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-216956(P2019-216956A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20191129BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20191129BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20191129BHJP
   A61F 13/475 20060101ALI20191129BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20191129BHJP
   A61F 13/494 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   A61F13/49 100
   A61F13/532 200
   A61F13/47 300
   A61F13/475 100
   A61F13/475
   A61F13/533 100
   A61F13/494 111
   A61F13/475 112
   A61F13/494 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-116346(P2018-116346)
(22)【出願日】2018年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】島津 健
(72)【発明者】
【氏名】中尾 瞳
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 泰一
(72)【発明者】
【氏名】宮前 直夢
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA13
3B200CA08
3B200CA11
3B200DA01
3B200DA08
3B200DA10
3B200DA11
3B200DB01
3B200DB05
(57)【要約】
【課題】股下域における着用時の違和感を抑制するとともに、前側域における漏れを抑制しつつ着用者のそけい部に沿うようにフィットできる吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品(10)は、互いに直交する前後方向(L)及び幅方向(W)と、前後方向の中央を含む股下域(S3)、股下域よりも前側に位置する前側域(S1)及び股下域よりも後側に位置する後側域(S2)と、少なくとも股下域及び前側域に配置された吸収コア(50)と、を有する。吸収コアには、股下域(S3)において前後方向に延びる一対のサイドスリット(52)と、前側域において前側に向かって幅方向の外側に延びる変形誘導部(54)と、が設けられている。変形誘導部の幅は、サイドスリットの幅よりも短い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
前記前後方向の中央を含む股下域、前記股下域よりも前側に位置する前側域及び前記股下域よりも後側に位置する後側域と、
少なくとも前記股下域及び前記前側域に配置された吸収コアと、を有する吸収性物品であって、
前記吸収コアには、前記股下域において前記前後方向に延びる一対のサイドスリットと、前記前側域において前記前側に向かって前記幅方向の外側に延びる変形誘導部と、が設けられており、
前記変形誘導部の幅は、前記サイドスリットの幅よりも短い、吸収性物品。
【請求項2】
前記変形誘導部は、前記吸収コアの吸収材料の坪量が周囲よりも低い低坪量領域、前記吸収コアを厚さ方向に圧縮した圧搾部、前記吸収コアに形成されたスリット、及び前記吸収コアの剛性差のうち少なくともいずれかによって構成される、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品は、前記吸収コアの肌面側に位置する表面シートと、前記表面シートの肌面側に位置する起立性の防漏ギャザーと、を有し、
前記防漏ギャザーは、防漏弾性部材の収縮によって起立する収縮部と、前記収縮部の立ち上がりの基点となる基点部と、有し、
前記吸収コアは、前記サイドスリットによって挟まれた第1領域と、前記サイドスリットと前記吸収コアの外側縁の間に位置する第2領域と、を有し、
前記収縮部は、前記第2領域と厚さ方向において重なっている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収コアには、前記幅方向において前記サイドスリットの間に位置し、かつ前記前後方向に延びる中央スリットが形成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記サイドスリットは、前記後側に向かって前記サイドスリットの前記幅方向の長さが短くなる後幅狭部を有し、
前記後幅狭部は、前記サイドスリットの後端縁に到達している、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記サイドスリットは、前記前側に向かって前記サイドスリットの前記幅方向の長さが短くなる前幅狭部を有し、
前記前幅狭部は、前記サイドスリットの前端縁に到達している、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収コアは、前記サイドスリットによって挟まれた第1領域と、前記サイドスリットと前記吸収コアの外側縁の間に位置する第2領域と、前記変形誘導部によって挟まれた第3領域と、前記変形誘導部と前記吸収コアの外側縁の間に位置する第4領域と、を有し、
前記第3領域の前記幅方向の最大長さは、前記第1領域の前記幅方向の最大長さよりも長い、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記変形誘導部の前記幅は、前記サイドスリットの前記幅に対する1/2以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記変形誘導部は、前記吸収コアの外側縁よりも前記幅方向の内側に位置している、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品は、前記吸収コアの肌面側に位置する表面シートと、前記表面シートの肌面側に位置する起立性の防漏ギャザーと、を有し、
前記防漏ギャザーは、防漏弾性部材の収縮によって起立する収縮部と、前記収縮部の立ち上がりの基点となる基点部と、有し、
前記防漏弾性部材は、前記変形誘導部と厚さ方向において重なっている、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記防漏弾性部材は、前記変形誘導部の前記前後方向の中心よりも前側の領域に重なってなく、前記変形誘導部の前記前後方向の中心よりも後側の領域に重なっている、請求項10に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつのような吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、前後方向に延びるスリットを有する吸収性物品が開示されている。特許文献1及び特許文献2のスリットは、股下域から前側域に向かって幅方向の外側に向かって延びている。特許文献1のスリットは、尿の拡散経路として機能し、尿を前後方向に拡散する。特許文献2のスリットは、吸収体の外側縁に到達している。特許文献2の吸収体は、スリットによって中央吸収体と側部吸収体に分離されている。このように構成された吸収性物品において、中央吸収体の前方部側を股下側へ引っぱる力が作用したときは、その力によって、先ず、中央吸収体の前方部側が股下側へ引っ張られ、中央吸収体の前方部側よりも若干遅れて、その両側に位置する側部吸収体が股下側へ引っ張られる。特許文献2の吸収体は、このような移動によって着用者のそけい部に沿うようにフィットする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−156031号公報
【特許文献2】特開2014−128551号公報
【発明の概要】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の吸収性物品は、着用時に幅方向の内側に向かう力が掛かった際にスリットが変形し、吸収体の幅方向の長さが短くなることがある。スリットは、股下域と前側域に跨がって配置されており、吸収体の幅は、股下域において短くなると共に、前側域においても短くなる。股下域は、両足によって挟まれる領域であり、股下域の吸収コアの幅方向の長さが短くなることにより、着用時の違和感を抑制できる。しかし、前側域は、尿が排出される領域であり、前側域の吸収コアの幅方向の長さを確保できないと、漏れが発生するおそれがある。
【0005】
よって、股下域における着用時の違和感を抑制するとともに、前側域における漏れを抑制しつつ着用者のそけい部に沿うようにフィットできる吸収性物品が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、前記前後方向の中央を含む股下域、前記股下域よりも前側に位置する前側域及び前記股下域よりも後側に位置する後側域と、少なくとも前記股下域及び前記前側域に配置された吸収コアと、を有する吸収性物品であって、前記吸収コアには、前記股下域において前記前後方向に延びる一対のサイドスリットと、前記前側域において前記前側に向かって前記幅方向の外側に延びる変形誘導部と、が設けられており、前記変形誘導部の幅は、前記サイドスリットの幅よりも短い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る吸収性物品を肌面側から見た平面図である。
図2】実施の形態に係る吸収コアを肌面側から見た平面図である。
図3図1に示すA−A線に沿った断面図である。
図4】A−A線に沿った断面の吸収コアの変形態様を示す図である。
図5】B−B線に沿った断面の吸収コアの変形態様を示す図である。
図6】着用者に装着された状態の吸収性物品を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、前記前後方向の中央を含む股下域、前記股下域よりも前側に位置する前側域及び前記股下域よりも後側に位置する後側域と、少なくとも前記股下域及び前記前側域に配置された吸収コアと、を有する吸収性物品であって、前記吸収コアには、前記股下域において前記前後方向に延びる一対のサイドスリットと、前記前側域において前記前側に向かって前記幅方向の外側に延びる変形誘導部と、が設けられており、前記変形誘導部の幅は、前記サイドスリットの幅よりも短い。
【0009】
股下域の吸収コアには、サイドスリットが設けられている。吸収コアは、股下域においてサイドスリットによって幅方向の内側に入り込むことができる。股下域における吸収コアの幅方向の長さが短くことにより、吸収コアが股間内に収まり易くなり、着用時の違和感を抑制できる。
【0010】
また、前側域の吸収コアには、変形誘導部が設けられている。変形誘導部は、前側に向かって幅方向の外側に延びており、吸収コアをそけい部に沿うように変形させることができる。このとき、変形誘導部の幅方向の長さが長すぎると、吸収コアが変形する部分の幅方向の長さが長く、吸収コアを身体に沿わせて配置する部分の長さが短くなり、前側域における漏れが発生するおそれがある。しかし、変形誘導部の幅がサイドスリットの幅よりも短いため、前側域における吸収コアの幅方向の長さを確保し、前側域における漏れを抑制できる。よって、前側域における漏れを抑制しつつ着用者のそけい部に沿うようにフィットできる。
【0011】
好ましい一態様によれば、前記変形誘導部は、前記吸収コアの吸収材料の坪量が周囲よりも低い低坪量領域、前記吸収コアを厚さ方向に圧縮した圧搾部、前記吸収コアに形成されたスリット、及び前記吸収コアの剛性差のうち少なくともいずれかによって構成されてよい。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、前記吸収コアの肌面側に位置する表面シートと、前記表面シートの肌面側に位置する起立性の防漏ギャザーと、を有し、前記防漏ギャザーは、防漏弾性部材の収縮によって起立する収縮部と、前記収縮部の立ち上がりの基点となる基点部と、有し、前記吸収コアは、前記サイドスリットによって挟まれた第1領域と、前記サイドスリットと前記吸収コアの外側縁の間に位置する第2領域と、を有し、前記収縮部は、前記第2領域と厚さ方向において重なってよい。
【0013】
着用時に脚によって挟まれることにより、吸収コアには、幅方向の内側に向かう力がかかる。このとき、吸収コアの第2領域は、収縮部の収縮によって幅方向の内側かつ肌面側に引っ張られる。当該収縮部が第2領域と厚さ方向に重なっているため、第2領域を幅方向の内側かつ肌面側に引っ張る力が発生する。着用時に幅方向の外側から内側に向かう力がかかった際に、第2領域が第1領域の肌面側かつ幅方向の内側に移動し易くなる。よって、吸収コアの幅方向の長さが短くなり易い。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記吸収コアには、前記幅方向において前記サイドスリットの間に位置し、かつ前記前後方向に延びる中央スリットが形成されてよい。
【0015】
本態様によれば、中央スリットによってサイドスリットの間の領域が厚さ方向に曲がりやすくなり、股下域における吸収コア全体の幅方向の長さをより短くできる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記サイドスリットは、前記後側に向かって前記サイドスリットの前記幅方向の長さが短くなる後幅狭部を有し、前記後幅狭部は、前記サイドスリットの後端縁に到達してよい。
【0017】
本態様によれば、サイドスリットが後幅狭部を有するため、着用時に股下域の吸収コアが幅方向に短くなる長さが後側に向かって短くなる。すなわち、サイドスリットの後端縁を含む一定領域において吸収コアの幅方向の長さを確保できる。臀部側に位置する吸収コアの幅方向の長さを確保し、吸収コアによって臀部を覆い、臀部に対応する領域における漏れを抑制できる。サイドスリットによって吸収コアの幅方向の長さを短くし、違和感を抑制する効果を得つつも、吸収コアによって臀部に対応する領域における漏れを抑制できる。
【0018】
好ましい一態様によれば、前記サイドスリットは、前記前側に向かって前記サイドスリットの前記幅方向の長さが短くなる前幅狭部を有し、前記前幅狭部は、前記サイドスリットの前端縁に到達してよい。
【0019】
本態様によれば、サイドスリットが前幅狭部を有するため、着用時に股下域の吸収コアが幅方向に短くなる長さが前側に向かって短くなる。すなわち、サイドスリットの前端縁を含む一定領域において吸収コアの幅方向の長さを確保できる。排尿口側に位置する吸収コアの幅方向の長さを確保し、排尿領域における漏れを抑制できる。
【0020】
好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、前記サイドスリットによって挟まれた第1領域と、前記サイドスリットと前記吸収コアの外側縁の間に位置する第2領域と、前記変形誘導部によって挟まれた第3領域と、前記変形誘導部と前記吸収コアの外側縁の間に位置する第4領域と、を有し、前記第3領域の前記幅方向の最大長さは、前記第1領域の前記幅方向の最大長さよりも長くてよい。
【0021】
本態様によれば、変形誘導部によって挟まれた第3領域は、サイドスリットによって挟まれた第1領域よりも幅方向の長さを確保でき、広い範囲で吸収コアによって身体を覆うことができる。前側域における吸収コアの幅方向の長さを確保し、前側域における漏れを抑制できる。
【0022】
好ましい一態様によれば、前記変形誘導部の前記幅は、前記サイドスリットの前記幅に対する1/2以下であってよい。
【0023】
本態様によれば、前側域における漏れを抑制しつつ着用者のそけい部に沿うようにフィットできる効果をより得ることができる。
【0024】
好ましい一態様によれば、前記変形誘導部は、前記吸収コアの外側縁よりも前記幅方向の内側に位置してよい。
【0025】
本態様によれば、吸収コアの外側縁が変形誘導部によって変形せずに、吸収コアの外側縁を身体に対して面状に当てることができる。よって、前側域における漏れをより抑制できる。また、変形誘導部がスリットによって構成されている形態にあっては、変形誘導部よりも幅方向の外側に吸収材料が存在する。当該吸収材料で変形誘導部によって拡散した体液を保持し、横漏れを抑制できる。
【0026】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、前記吸収コアの肌面側に位置する表面シートと、前記表面シートの肌面側に位置する起立性の防漏ギャザーと、を有し、前記防漏ギャザーは、防漏弾性部材の収縮によって起立する収縮部と、前記収縮部の立ち上がりの基点となる基点部と、有し、前記収縮部は、前記変形誘導部と厚さ方向において重なってよい。
【0027】
本態様によれば、収縮部の収縮によって変形誘導部が肌面側に引っ張られる。吸収コアが変形誘導部を基点に厚さ方向に変形し、当該変形した部分を身体に近づけて配置できる。よって、身体に対して吸収コアがよりフィットし、漏れを抑制できる。
【0028】
好ましい一態様によれば、前記防漏弾性部材は、前記変形誘導部の前記前後方向の中心よりも前側の領域に重なってなく、前記変形誘導部の前記前後方向の中心よりも後側の領域に重なってよい。
【0029】
本態様によれば、変形誘導部の前後方向の中心よりも後側の領域は、防漏弾性部材の収縮によって肌面側に引き上げられ、身体に沿い易い。一方、変形誘導部の前後方向の中心よりも前側の領域は、防漏弾性部材の収縮によって肌面側に引き上げられ難く、平面形状を維持し、身体を覆うように配置され易い。身体を覆うように吸収コアを配置することにより、漏れを抑制できる。
【0030】
(2)吸収性物品の実施形態
以下、図面を参照して、実施形態に係る使い捨ておむつについて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0031】
図1は、本実施形態に係る吸収性物品10を肌面側から見た平面図であり、図2は、実施形態に係る吸収コア50を肌面側から見た平面図である。図1及び図2に示す平面図は、吸収性物品10を皺が形成されない状態まで伸張させた伸長状態を示している。図3は、図1に示すA−A線に沿った断面図である。本実施の形態の吸収性物品10は、展開型の大人用の吸収性物品であるが、これに限定されない。吸収性物品10は、パンツ型の吸収性物品であってもよいし、子供用の吸収性物品であってもよい。
【0032】
吸収性物品10は、互いに直交する前後方向L及び幅方向Wを有する。前後方向Lは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、前後方向Lは、展開された吸収性物品10において前後に延びる方向である。また、吸収性物品10は、前後方向Lと幅方向Wの両方に直交する厚さ方向Tを有する。厚さ方向Tは、着用者側に向かう肌面側T1と、着用者から離れる側の非肌面側T2と、に延びる。本明細書において、「肌面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
【0033】
吸収性物品10は、前側域S1と、後側域S2と、股下域S3と、を有する。前側域S1は、使用時に着用者の身体前側に面する。後側域S2は、使用時に着用者の身体後側に面する。股下域S3は、前側域S1と後側域S2との間に位置し、使用時に着用者の股下に配置される。股下域S3は、吸収コア50によって規定できる。具体的には、くびれ部51を有する吸収コア50においては、吸収コア50のくびれ部51が形成された領域が、股下域S3の前後方向Lの領域となる。くびれ部51を有しない吸収コア50においては、吸収コア50の前後方向の長さを三等分したうちの中央の領域が、股下域S3の前後方向Lの領域となる。本実施の形態では、吸収コア50のくびれ部51の前端縁が、股下域S3と前側域S1の境界を規定し、吸収コアのくびれ部51の後端縁が、股下域S3と後側域S2の境界を規定している。
【0034】
吸収性物品10は、脚回り開口部65を有する。脚回り開口部65は、吸収性物品の本体部(吸収性物品において後述するファスニングテープ94を除いた部分)の外側縁において幅方向Wの内側に凹んだ部分である。なお、本実施の形態において外側縁は、幅方向の外側の端縁であり、内側縁は、幅方向の内側の端縁である。
【0035】
吸収性物品10は、少なくとも股下域S3及び前側域S1に配置された吸収コア50を有する。吸収コア50は、股下域S3から前側域S1及び後側域S2へ延びていてよい。吸収コア50は、例えば粉砕パルプもしくは高吸収性ポリマー(SAP)、又はこれらの混合物を含む吸収材料の積層体であってよい。図3に示すように、吸収性物品10は、吸収コア50と、コアラップ56と、を含む吸収体を有してよい。コアラップ56は、吸収コア50の肌面側と非肌面側を覆うように配置され、例えば、ティッシュや不織布シートであってよい。吸収コア50の構成については、後述にて詳細に説明する。
【0036】
図3に示すように、吸収性物品10は、吸収コア50の肌面側T1に位置する肌面シート41と、吸収コア50の非肌面側T2に位置する非肌面シート42と、を有してよい。肌面シート41は、表面シート41aと、サイドシート41bと、を有してよい。表面シート41aは、液透過性を有し、吸収コア50の少なくとも幅方向Wの中心を覆うように配置されてよい。サイドシート41bは、疎水性を有する不織布からなり、吸収コア50の幅方向Wの中心よりも幅方向Wの外側において、幅方向Wにおける表面シート41aの両側部を覆うように配置されてよい。非肌面シート42は、液不透過性を有し、吸収コア50よりも非肌面側に設けられてよい。非肌面シート42は、液不透過性のバックフィルム42aと、バックフィルム42aの非肌面側T2に配置されたバック不織布42bと、を有してよい。
【0037】
吸収性物品10は、起立性の防漏ギャザー60を有してよい。防漏ギャザー60は、表面シート41aの肌面側に位置し、表面シート41aに対して起立可能である。防漏ギャザー60は、防漏弾性部材66の収縮によって起立する収縮部61と、収縮部61の立ち上がりの基点となる基点部62と、を有する。基点部62は、収縮部61よりも幅方向Wの外側に位置する第1基点部62a(図3参照)と、収縮部61よりも前後方向Lの外側に位置する第2基点部62b(図1参照)と、を有してよい。防漏弾性部材66は、サイドシート41bの内側縁に配置されており、サイドシート41bの内側縁を着用者側に起立させる。
【0038】
吸収性物品10は、脚回り開口部65に配置される脚回り弾性部材67を有してよい。脚回り弾性部材67は、脚回り開口部65に沿って配置されており、脚回り開口部65を着用者の脚回りにフィットさせる。脚回り弾性部材67は、サイドシート41bとバックフィルム42aの間に配置されている。防漏弾性部材66及び脚回り弾性部材67は、前後方向Lに伸縮可能であり、前後方向Lに沿って配置されてよい。
【0039】
吸収性物品10は、後側域S2の幅方向Wの両外側部に設けられたファスニングテープ94を有してよい。ファスニングテープ94は、前側域S1の非肌面に係合する係合部96を有してよい。
【0040】
次いで、吸収コア50の構成について詳細に説明する。吸収コア50には、スリット及び変形誘導部54が形成されてよい。スリットは、吸収コア50を構成する吸収材料が実質的に配置されていない部分である。スリットは、吸収材料の坪量が0の部分又は周囲からの零れた吸収材料が配置されているが、設計上の吸収材料が0の部分である。スリットは、吸収コア50が力を受けた際に、変形を吸収したり、変形の基点となったりする。スリットは、一対のサイドスリット52と中央スリット55を有してよい。
【0041】
図2に示すように、吸収コア50は、一対のサイドスリット52によって挟まれた第1領域R1と、サイドスリット52と吸収コア50の外側縁50Sの間に位置する第2領域R2と、変形誘導部54によって挟まれた第3領域R3と、一対の変形誘導部54と吸収コア50の外側縁の間に位置する第4領域R4と、を有してよい。図2において、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3及び第4領域R4に異なる斜線を付して示す。第2領域R2は、各サイドスリット52の幅方向Wの外側に位置し、一対で設けられている。第1領域R1及び第2領域R2は、サイドスリット52から幅方向Wに沿って延びる領域である。中央スリット55の少なくとも一部は、第1領域R1に配置されてよい。第3領域R3は、各変形誘導部54の幅方向Wの外側に位置し、一対で設けられている。第3領域R3及び第4領域R4は、変形誘導部54から幅方向Wに沿って延びる領域である。
【0042】
サイドスリット52は、少なくとも股下域S3に配置されてよい。サイドスリット52の前端縁52Fは、股下域S3に配置され、サイドスリット52の後端縁52Rは、股下域S3に配置されてよい。サイドスリット52は、少なくとも前後方向Lに延びていればよく、前後方向Lに沿っていてもよいし、前後方向Lに対して傾斜する部分を有してもよい。サイドスリット52の幅方向Wの長さは、一定であってもよいし、変化していてもよい。サイドスリット52は、吸収コア50の幅方向Wの中心に設けられなく、吸収コア50の幅方向Wの中心に対して対称に一対で設けられてよい。
【0043】
変形誘導部54は、吸収コア50を厚さ方向Tに変形させるように構成されている。吸収コア50は、着用時等に力を受けた際に、変形誘導部54を基点として変形するように構成されている。変形誘導部54は、サイドスリット52よりも前側に位置し、少なくとも前側域S1に配置されてよい。変形誘導部54の前端縁54Fは、前側域S1に配置され、変形誘導部54の後端縁54Rは、股下域S3に配置されてよい。変形誘導部54の少なくとも一部は、前側域S1において前側に向かって幅方向の外側に延びている。
【0044】
変形誘導部54は、吸収コア50の吸収材料の坪量が周囲よりも低い低坪量領域、吸収コア50を厚さ方向Tに圧縮した圧搾部、吸収コア50に形成されたスリット、及び吸収コア50の剛性差のうち少なくともいずれかによって構成されている。本実施の形態の変形誘導部54は、スリットによって構成されている。変形誘導部54は、サイドスリットと一体化していてもよいし、離間していてもよい。本実施の形態の変形誘導部54は、サイドスリット52と一体化して形成されている。変形誘導部54の後端縁54Rは、サイドスリット52の前端縁52Fに連なってよい。変形誘導部54の後端縁54Rは、吸収性物品10の前後方向Lの中心よりも前側に位置してよく、吸収コア50の前後方向Lの中心よりも前側に位置してよい。
【0045】
変形誘導部54の幅は、サイドスリット52の幅よりも短い。サイドスリット52の幅は、サイドスリット52の長手方向と直交する方向の長さであり、前後方向Lに延びるサイドスリット52にあっては、幅方向の長さである。同様に、変形誘導部54の幅は、変形誘導部54の長手方向と直交する方向の長さであり、前後方向Lに延びる変形誘導部54にあっては、幅方向の長さである。サイドスリット52と変形誘導部54が一体化した形態にあっては、サイドスリット52と変形誘導部54の境界は、幅が変化する部分であってよい。なお、サイドスリット52の幅及び変形誘導部54の幅が変化する構成にあっては、変形誘導部54の最大幅がサイドスリット52の最大幅よりも短くてもよいし、変形誘導部54の平均幅がサイドスリット52の平均幅よりも短くてもよい。
【0046】
次いで、このように構成された吸収性物品10の変形態様について説明する。図4は、着用時に吸収体の変形状態を模式的に示した図である。図4は、A−A断面における股下域S3の吸収体の変形態様を模式的に示しており、図5は、B−B断面における前側域S1の吸収体の変形態様を示している。図4(a)は、着用時に幅方向の内側に向かう力がかかった状態であり、図4(b)は、図4(a)に示す状態から更に幅方向の内側に向かう力がかかった状態を示している。図5(a)は、着用前の状態であり、図5(b)は、着用時の状態を示している。図6は、着用者に装着された状態の吸収性物品を模式的に示す図である。
【0047】
吸収性物品10が着用された状態で、吸収性物品10が両脚によって挟まれることにより、股下域S3には、脚によって幅方向Wの内側に向かう力がかかる。図4に示すように、股下域S3の吸収体に幅方向Wの内側に向かう力がかかると、吸収コア50のサイドスリット52が変形し、第2領域R2が幅方向Wの内側に移動し(図4(a)の矢印A)、吸収体の幅方向Wの長さが短くなる。吸収コア50は、股下域S3においてサイドスリット52によって幅方向の内側に入り込むことができる。股下域S3における吸収コア50の幅方向の長さが短くことにより、吸収コア50が股間内に収まり易くなり、着用時の違和感を抑制できる。
【0048】
また、吸収性物品10の前側域S1は、身体の腹部を覆い、そけい部を覆うように配置される。よって、吸収体は身体に沿うように変形し、吸収コアの幅方向の側部は、吸収コアの幅方向の中央よりも肌面側に位置する。前側域S1の吸収コア50には、変形誘導部54が設けられている。変形誘導部54は、前側に向かって幅方向の外側に延びている。図5(b)に示すように、吸収コア50は、変形誘導部54を基点として、そけい部に沿うように変形できる。このとき、変形誘導部54の幅方向の長さが長すぎると、吸収コア50が変形する部分の幅方向の長さが長く、吸収コア50を身体に沿わせて配置する部分の長さが短くなり、前側域S1における漏れが発生するおそれがある。しかし、変形誘導部54の幅がサイドスリット52の幅よりも短いため、前側域S1における吸収コア50の幅方向の長さを確保し、前側域S1における漏れを抑制できる。図6に示すように、前側域S1における漏れを抑制しつつ着用者のそけい部に沿うように吸収コア50がフィットできる。
【0049】
股下域S3における着用時の違和感を抑制するとともに、前側域S1における漏れを抑制しつつ着用者のそけい部に沿うようにフィットできる効果をより得るために、変形誘導部54の幅は、サイドスリット52の幅に対する1/2以下であってよい。サイドスリット52による幅方向の内側に移動する距離を確保しつつ、前側域S1における幅方向の内側に移動する距離を抑制できる。
【0050】
中央スリット55は、幅方向Wにおいてサイドスリット52の間に位置し、かつ前後方向Lに延びてよい。中央スリット55は、幅方向においてサイドスリット52と離間し、幅方向において変形誘導部54と離間してよい。中央スリット55の少なくとも一部は、股下域S3に配置されてよい。中央スリット55の前端縁55Fは、股下域S3に配置され、中央スリット55の後端縁55Rは、後側域S2に配置されてよい。中央スリット55は、サイドスリット52よりも後側に偏倚してよく、中央スリット55の前端縁55Fは、サイドスリット52の前端縁52F及び変形誘導部54の後端縁54Rよりも後側に位置してよい。中央スリット55は、少なくとも前後方向Lに延びていればよく、前後方向Lに沿っていてもよいし、前後方向Lに対して傾斜する部分を有してもよい。
【0051】
中央スリット55によって第1領域R1が厚さ方向Tに曲がりやすくなり、吸収体全体の幅方向の長さをより短くできる。より詳細には、着用時に幅方向の外側から内側に向かう力がかかった際に、図4(a)の矢印Cに示すように、第1領域R1の外側縁(サイドスリット52)を起点として、第1領域R1の内側縁が肌面側に向かうように、吸収コア50が変形し易い。よって、吸収コア50の幅方向の長さがより短くなり易い。股下域S3の吸収コア50は、吸収コア50の幅方向の中心を頂点とした凸形状となるように変形し、吸収コア50全体の幅方向の長さをより短くできる。なお、吸収性物品10が両脚によって挟まれることによる吸収体の変形は、図4(a)に示すように、吸収体の幅方向の中心を頂点とした凸形状となるように変形してもよいし、吸収体が厚さ方向Tに変形せず、第2領域R2が幅方向の内側にスライド移動してもよい。第2領域R2がスライド移動する変形においても、サイドスリット52の幅方向の長さ分、吸収コア50の幅方向の長さが短くなる。
【0052】
また、吸収性物品10を使用する際に、吸収性物品10の肌面側に吸収パッドを重ねて使用することがある。このとき、股下域S3においては、吸収コア50の第2領域R2が第1領域R1の肌面側T1に移動することにより、吸収コア50の肌面が着用者側に押し上げられ、吸収パッドを肌面に近づけて配置できる。吸収パッドを身体にフィットさせ、漏れをより抑制できる。前側域S1においては、変形誘導部54を基点に第4領域が第3領域に対して肌面側に立ち上がるように変形する。第3領域に吸収パッドを配置することにより、吸収パッドの外側縁を第4領域によって挟むように保持できる。このように、吸収パッドを保持した状態で、吸収コア50がそけい部に沿って変形するため、吸収パッドをそけい部間の領域に沿わせて配置できる。
【0053】
図2に示すように、サイドスリット52は、後側に向かってサイドスリット52の幅方向の長さが短くなる後幅狭部58を有してよい。後幅狭部58の前端縁58Fは、サイドスリット52の前後方向Lの中心52CLよりも後側に位置してよい。後幅狭部58の後端縁58Rは、サイドスリット52の後端縁52Rに到達してよい。本実施の形態のサイドスリット52の外側縁は、前後方向Lに延びる直線状であり、サイドスリット52の内側縁は、後幅狭部58において幅方向Wの外側に湾曲している。サイドスリット52が後幅狭部58を有するため、着用時に股下域S3の吸収コア50が幅方向Wに短くなる長さが後側に向かって短くなる。すなわち、サイドスリット52の後端縁52Rを含む一定領域において吸収コア50の幅方向の長さを確保し易い。臀部側に位置する吸収コア50の幅方向の長さを確保し、吸収コア50によって臀部を覆い、臀部に対応する領域における漏れを抑制できる。サイドスリット52によって吸収コア50の幅方向Wの長さを短くし、違和感を抑制する効果を得つつも、吸収コア50によって臀部に対応する領域における漏れを抑制できる。
【0054】
サイドスリット52は、前側に向かってサイドスリット52の幅方向の長さが短くなる前幅狭部57を有してよい。前幅狭部57の前端縁57Fは、サイドスリット52の前端縁52Fに到達してよく、前幅狭部57の後端縁57Rは、前後方向Lの中心よりも前側に位置してよい。実施の形態のサイドスリット52の外側縁は、前後方向Lに延びる直線状であり、サイドスリット52の内側縁は、前幅狭部57において幅方向Wの外側に湾曲している。サイドスリット52が前幅狭部57を有するため、着用時に股下域S3の吸収コア50が幅方向Wに短くなる長さが前側に向かって短くなる。すなわち、サイドスリット52の前端縁52Fを含む一定領域において吸収コア50の幅方向Wの長さを確保し易い。排尿口側に位置する吸収コア50の幅方向Wの長さを確保し、排尿領域における漏れを抑制できる。
【0055】
サイドスリット52は、幅広部53を有している。幅広部53は、サイドスリット52の前幅狭部57と後幅狭部58の間に位置する。幅広部53では、サイドスリット52の外側縁及び内側縁が前後方向Lに沿った直線状であり、サイドスリット52の幅が一定である。幅広部53は、第2領域R2の幅方向Wの長さ以上の幅方向Wの長さを有してよい。幅広部53の幅方向Wの長さは、吸収性物品10の伸長状態において、当該幅広部53に対して隣接する第2領域R2の幅方向Wの長さ以上であればよい。幅広部53の少なくとも一部は、股下域S3に配置されており、幅広部53の前後方向Lの全域が股下域S3に配置されてもよい。幅広部53の前後方向Lの中心53CLは、吸収性物品10の前後方向Lの中心10CLよりも前側に位置しており、股下域S3の前後方向Lの中心よりも前側に位置してよい。サイドスリット52の幅広部の幅方向の長さがサイド領域の幅方向の長さ以上であるため、サイド領域の幅方向の全域に亘ってサイドスリット52が幅方向の内側に入り込むことができる。吸収体の幅方向の長さが短くなることで、吸収コア50が股間内に収まり易くなり、着用時の違和感を抑制できる。
【0056】
第3領域R3の幅方向Wの最大長さは、第1領域R1の幅方向の最大長さよりも長くてよい。変形誘導部54によって挟まれた第3領域R3は、サイドスリット52によって挟まれた第1領域R1よりも幅方向Wの長さを確保でき、広い範囲で吸収コア50によって身体を覆うことができる。前側域S1における吸収コア50の幅方向の長さを確保し、前側域S1における漏れを抑制できる。
【0057】
サイドスリット52は、吸収コア50の外側縁50Sよりも幅方向の内側に位置し、吸収コア50の外側縁50Sに到達してなくてよい。この構成によれば、サイドスリット52よりも幅方向Wの外側に吸収材料が存在する。当該吸収材料でサイドスリット52によって拡散した体液を保持し、横漏れを抑制できる。
【0058】
サイドスリット52の後端縁52Rは、股下域S3内に位置しており、サイドスリット52が後側域S2に到達していなくてよい。この構成によれば、吸収体の幅方向Wの長さが短くなる領域が後側域S2に到達し難く、後側域S2の吸収コア50を広い幅で身体に当て漏れを抑制できる。
【0059】
変形誘導部54は、吸収コア50の外側縁50Sよりも幅方向の内側に位置し、吸収コア50の外側縁50Sに到達してなくてよい。この構成によれば、吸収コア50の外側縁が変形誘導部54によって変形せずに、吸収コア50の外側縁を身体に対して面状に当てることができる。よって、前側域S1における漏れをより抑制できる。また、変形誘導部54がスリットによって構成されている形態にあっては、変形誘導部54よりも幅方向の外側に吸収材料が存在する。当該吸収材料で変形誘導部54によって拡散した体液を保持し、横漏れを抑制できる。
【0060】
吸収性物品は、着用時に防漏ギャザーの収縮部61によって肌側に引き上げる力がかかる。防漏ギャザーの収縮部61は、吸収性物品の伸長状態において、第2領域R2と厚さ方向Tにおいて重なってよい。着用時に脚によって挟まれることにより、吸収コア50には、幅方向の内側に向かう力がかかる。このとき、吸収コア50の第2領域は、収縮部61の収縮によって幅方向の内側かつ肌面側に引っ張られる。着用時に幅方向の内側に向かう力がかかった際に、第2領域R2が第1領域R1の肌面側T1(図4(a)の幅方向の外側から内側に矢印B)かつ幅方向の内側(図4(a)の矢印A)に引っ張られる。よって、第2領域R2が第1領域R1の肌面側T1かつ幅方向Wの内側に移動し、吸収コア50の幅方向の長さがより短くなり易い。図4(a)に示す状態において、第2領域R2が第1領域R1の肌面側T1かつ幅方向Wの内側に更に移動することにより、図4(b)に示す状態となる。図4(b)に示す状態では、第1領域R1と第2領域R2が厚さ方向Tにおいて重なっており、吸収体の幅方向の長さがより短くなっている。
【0061】
防漏ギャザーの収縮部61は、吸収性物品の伸長状態において、変形誘導部54と厚さ方向Tにおいて重なってよい。収縮部61の収縮によって変形誘導部54が肌面側に引っ張られる。吸収コア50が変形誘導部54を基点に厚さ方向Tに変形し、当該変形した部分を身体に近づけて配置できる。よって、身体に対して吸収コア50がよりフィットし、漏れを抑制できる。
【0062】
防漏ギャザーの収縮部61は、吸収性物品の伸長状態において、変形誘導部54の前後方向Lの中心よりも前側の領域に重なってなく、変形誘導部54の前後方向Lの中心よりも後側の領域に重なってよい。変形誘導部54の前後方向Lの中心よりも後側の領域は、収縮部61の収縮によって肌面側に引き上げられ、身体に沿い易い。一方、変形誘導部54の前後方向Lの中心よりも前側の領域は、収縮部61の収縮によって肌面側に引き上げられ難く、平面形状を維持し、身体を覆うように配置され易い。身体を覆うように吸収コア50を配置することにより、漏れを抑制できる。
【0063】
防漏ギャザー60を構成する基点部62のうち収縮部61よりも幅方向Wの外側に位置する第1基点部62aは、吸収性物品の伸長状態において、第2領域R2と厚さ方向Tにおいて重なってよい。収縮部61よりも幅方向Wの外側に位置する第1基点部62aは、収縮部61の収縮によって幅方向Wの内側かつ肌面側T1に引っ張られる。
【0064】
図1に示す吸収性物品の伸長状態において、防漏ギャザー60の収縮部61の内側縁は、サイドスリット52の幅広部53と厚さ方向Tに重なってよい。収縮部61が幅広部53と厚さ方向Tに重なっているため、幅広部53を幅方向Wの内側かつ肌面側T1に引っ張る力が発生する。着用時に幅方向の外側から内側に向かう力がかかった際に、図4(a)の矢印Bに示すように、第2領域R2が第1領域R1の肌面側かつ幅方向の内側に引っ張られ易い。よって、第2領域R2が第1領域R1の肌面側かつ幅方向の内側に移動し、吸収コア50の幅方向の長さがより短くなり易い。
【0065】
第2領域R2よりも幅方向の外側には、前後方向Lに収縮する脚回り弾性部材67が設けられてよい。脚回り弾性部材67の収縮によって第2領域R2を肌面側T1に引き上げ、着用時に幅方向の外側から内側に向かう力がかかった際に、第2領域R2が第1領域R1の肌面側T1かつ幅方向の内側に移動し易くなる。よって、吸収コア50の幅方向の長さが短くなり易い。
【0066】
幅広部53を跨って幅方向に延びる仮想線(例えば、FL1)上において、第2領域R2の幅方向Wの長さは、第1領域R1の幅方向Wの長さよりも長くてよい。第2領域R2が幅方向の内側かつ第1領域R1の肌面側T1に移動すると、第1領域R1と第2領域R2が重なり、吸収コア50全体の幅方向の長さを短くできる。第2領域R2の幅方向の長さが第1領域R1の幅方向の長さよりも長いため、第1領域R1の幅方向の範囲内に第2領域R2を収まり易くでき、吸収コア50全体の幅方向の長さを短くできる。なお、仮想線FL1は、幅方向に沿って延びる線であって、幅広部53と重なって配置される線である。仮想線FL1は、幅広部53の前端縁から後端縁までの領域の少なくとも一部と重なっていればよい。
【0067】
より好適には、幅広部53を跨って幅方向に延びる仮想線FL1上において、第2領域R2の幅方向の長さは、第1領域R1の幅方向の長さの1/2以下であってよい。第2領域R2が幅方向の内側かつ第1領域R1の肌面側に移動すると、第1領域R1上に第2領域R2が重なる。このとき、第2領域R2の幅方向の長さが第1領域R1の幅方向の長さの1/2以下であるため、第2領域R2全体が第1領域R1に重なるように幅方向の内側に移動しても、第2領域R2同士が重なることを抑制できる。よって、第2領域R2同士が重なることによる局所的な吸収コア50の厚さの増加を抑制できる。よって、局所的な吸収コア50の厚さの増加による圧力の集中が生じ難く、装着感の悪化を抑制できる。
【0068】
吸収コア50は、吸収コア50の最大幅よりも幅方向Wの長さが短いくびれ部51を有してよい。吸収コア50の最大幅50Mの領域は、前側域S1と股下域S3に跨がって配置されるとともに、後側域S2と股下域S3に跨がって配置されている。吸収コア50のくびれ部51は、股下域S3に配置されてよい。着用者の股間に挟まれる股下域S3の吸収コア50の幅方向Wの長さが短いため、着用者の股間内に吸収コア50が収まり易く、着用時の違和感を抑制できる。くびれ部51の前後方向Lの中心51CLは、吸収性物品10の前後方向Lの中心10CLよりも前側に位置してよい。吸収性物品10の前側において吸収体の幅方向Wの長さを短くする効果を得易い。
【0069】
幅広部53は、前後方向Lにおいてくびれ部51が設けられた領域に配置されてよい。脚によって吸収コア50が挾まれることにより、くびれ部51における吸収コア50の幅方向の長さが幅広部53の変形によって短くなる。吸収コア50が股間内により収まり易くなり、着用時の違和感を抑制できる。
【0070】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0071】
10 :吸収性物品
50 :吸収コア
52 :サイドスリット
53 :幅広部
54 :変形誘導部
55 :中央スリット
56 :コアラップ
57 :前幅狭部
58 :後幅狭部
60 :防漏ギャザー
61 :収縮部
66 :防漏弾性部材
R1 :第1領域
R2 :第2領域
R3 :第3領域
R4 :第4領域
S1 :前側域
S2 :後側域
S3 :股下域
L :前後方向
T :厚さ方向
T1 :肌面側
T2 :非肌面側
W :幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6