特開2019-218478(P2019-218478A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-218478光硬化性樹脂組成物、光硬化性防湿絶縁塗料、液晶表示パネル、及び液晶表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-218478(P2019-218478A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】光硬化性樹脂組成物、光硬化性防湿絶縁塗料、液晶表示パネル、及び液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/00 20060101AFI20191129BHJP
   C09D 5/25 20060101ALI20191129BHJP
   C09D 201/02 20060101ALI20191129BHJP
   C09D 4/00 20060101ALI20191129BHJP
   H01B 3/46 20060101ALI20191129BHJP
   H01B 3/44 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   C08F290/00
   C09D5/25
   C09D201/02
   C09D4/00
   H01B3/46 E
   H01B3/44 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-117046(P2018-117046)
(22)【出願日】2018年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】増田 直彰
(72)【発明者】
【氏名】大久保 健実
【テーマコード(参考)】
4J038
4J127
5G305
【Fターム(参考)】
4J038CB121
4J038FA041
4J038FA111
4J038FA121
4J038FA231
4J038KA02
4J038MA07
4J038NA21
4J038PA17
4J038PB08
4J038PC03
4J127AA03
4J127BA041
4J127BB031
4J127BB111
4J127BB221
4J127BC151
4J127BD431
4J127BD461
4J127BG021
4J127BG02Y
4J127BG051
4J127BG05Y
4J127BG271
4J127BG27Y
4J127CA03
4J127CB151
4J127CB152
4J127CB373
4J127CC012
4J127CC021
4J127CC113
4J127FA08
4J127FA14
4J127FA15
5G305AA07
5G305AB26
5G305AB40
5G305BA09
5G305CA08
5G305CB02
5G305CD20
(57)【要約】
【課題】防湿性に優れた光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料を提供すること。
【解決手段】(A)重合性不飽和基を有し、数平均分子量が900〜10,000である樹脂と、(B)(b−1)重合性不飽和基と脂環式炭化水素基とを有する単量体、(b−2)重合性不飽和基を1個有する単量体、及び(b−3)重合性不飽和基を2個以上有する単量体と、(C)光重合開始剤とを含有し、前記(b−1)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分の総計100質量部に対して45〜55質量部である、光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)重合性不飽和基を有し、数平均分子量が900〜10,000である樹脂と、
(B)(b−1)重合性不飽和基と脂環式炭化水素基とを有する単量体、(b−2)重合性不飽和基を1個有する単量体、及び(b−3)重合性不飽和基を2個以上有する単量体と、
(C)光重合開始剤とを含有し、
前記(b−1)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分の総計100質量部に対して45〜55質量部である、光硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分の総計100質量部に対して50〜60質量部である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分の総計100質量部に対して1〜10質量部である、請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
硬化物のガラス転移温度が、40〜60℃である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光硬化性防湿絶縁塗料。
【請求項6】
請求項5に記載の光硬化性防湿絶縁塗料を防湿材として用いた、液晶表示パネル。
【請求項7】
請求項6に記載された液晶表示パネルを用いた、液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光硬化性樹脂組成物、並びにそれを用いた光硬化性防湿絶縁塗料、液晶表示パネル、及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
防湿絶縁塗料は、液晶表示パネルとフレキシブルプリント基板の接続部、ドライバーIC(Integrated Circuit)のインナーリード部等の絶縁信頼性を高めることを目的に、これらに塗布されている。液晶表示パネルは、年々高画質化の傾向にあり、ファインピッチ化が進むとともに、信頼性試験条件も過酷になっており、防湿絶縁塗料に対する要求も厳しくなってきている。
【0003】
また、OLED−TV(Organic Light Emitting Diode-Television)の出荷量は2017年から2018年には2倍、2020年には4倍以上になると予想され、OLEDパネル用防湿材の需要も大幅に増えると予想される。
【0004】
防湿絶縁塗料としては、湿気硬化型、溶剤揮発型、又は光硬化型が挙げられるが、湿気硬化型は透湿度が高いため信頼性が低い、また、接着性が強い反面硬化膜が弱いためリペアできないなどの問題がある。また、湿気硬化型及び溶剤揮発型は塗布後の乾燥時間が長いため生産効率が悪い欠点がある。一方、光硬化型については速硬化性及びリペア可能という特長を持っている。
【0005】
しかし、防湿性に関しては、従来の光硬化型の防湿絶縁材料には、機器の信頼性に影響を及ぼし、不良が起きてしまうことを防ぐために、より低い透湿度が求められている。透湿度を下げる方法としては、例えば、特許文献1又は2のように樹脂の構造を変えたり、ガラス転移温度を高くしたりするという方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−254891号公報
【特許文献2】特開2014−193970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、防湿性に優れた光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料を提供することを課題とする。また、本発明は、信頼性の高い液晶表示パネル及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の実施形態を含む。本発明はこれらの実施形態に限定されない。
1.(A)重合性不飽和基を有し、数平均分子量が900〜10,000である樹脂と、
(B)(b−1)重合性不飽和基と脂環式炭化水素基とを有する単量体、(b−2)重合性不飽和基を1個有する単量体、及び(b−3)重合性不飽和基を2個以上有する単量体と、
(C)光重合開始剤とを含有し、
前記(b−1)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分の総計100質量部に対して45〜55質量部である、光硬化性樹脂組成物。
2.前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分の総計100質量部に対して50〜60質量部である、項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
3.前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分の総計100質量部に対して1〜10質量部である、項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
4.硬化物のガラス転移温度が、40〜60℃である、項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
5.項4に記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光硬化性防湿絶縁塗料。
6.項5に記載の光硬化性防湿絶縁塗料を防湿材として用いた、液晶表示パネル。
7.項6に記載された液晶表示パネルを用いた、液晶表示装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、防湿性に優れた光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料を提供できる。また、本発明によれば、信頼性の高い液晶表示パネル及び液晶表示装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
<光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料>
本発明の実施形態である光硬化性樹脂組成物は、(A)重合性不飽和基を有し、数平均分子量が900〜10,000である樹脂と、(B)(b−1)重合性不飽和基と脂環式炭化水素基とを有する単量体、(b−2)重合性不飽和基を1個有する単量体、及び(b−3)重合性不飽和基を2個以上有する単量体と、(C)光重合開始剤とを含有する。(b−1)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の総計100質量部に対して45〜55質量部である。
【0011】
(A)成分である重合性不飽和基を有し、数平均分子量が900〜10,000である樹脂の具体例としては、例えば、ウレタン結合を介して(メタ)アクリロイルオキシ基が導入された樹脂が挙げられる。(A)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
樹脂の例として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素化ポリブタジエン、水素化ポリイソプレン等のポリオレフィンが挙げられる。
【0013】
(A)成分は、例えば、次の方法により得られる。まず、ヒドロキシ末端ポリオレフィン(末端にヒドロキシ基を有する重合体)と、ジイソシアネート化合物とを公知の方法により反応させ、末端にイソシアネート基を有する反応物(末端にイソシアネート基を有する重合体)を得る。得られた反応物に、β位にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを公知の方法により反応させ、ウレタンアクリレート基を有する樹脂を得る。上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。β位にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
(A)成分の数平均分子量は、良好な造膜性を得る観点から900以上であり、好ましくは1,000以上であり、より好ましくは1,500以上である。また、(A)重合体の数平均分子量は、粘度が高くなることを防ぎ、良好な作業性を得る観点から10,000以下であり、好ましくは6,000以下であり、より好ましくは3,000以下である。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)により測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用する。
【0015】
市販品として、大阪有機化学工業株式会社製の「ポリブタジエン末端ジアクリレート BAC−45」、「水添ポリブタジエン末端ジアクリレート SPBDA−S30」等;日本曹達株式会社製の「末端メタクリル基導入ポリブタジエン ウレタン結合型 TE−2000」、「末端アクリル基導入ポリブタジエン ウレタン結合型 TEAI−1000」等;日本化薬株式会社製の「ウレタンアクリレート系樹脂ポリエーテル系タイプ UX−0937」;日立化成ポリマー株式会社製の「ウレタンアクリレート樹脂、TA37−248A」などが挙げられる。
【0016】
(B)成分は重合性不飽和基を有する単量体であり、(B)成分には、(b−1)重合性不飽和基と脂環式炭化水素基とを有する単量体、(b−2)重合性不飽和基を1個有する単量体、及び(b−3)重合性不飽和基を2個以上有する単量体とが含まれる。(b−1)〜(b−3)成分は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
(b−1)重合性不飽和基と脂環式炭化水素基とを有する単量体は、重合性不飽和基を1個と脂環式炭化水素基を1個とを有する単量体であることが好ましい。具体例として、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレートが挙げられる。イソボルニル(メタ)アクリレートを使用した場合に、特に高い防湿性が得られる傾向がある。
【0018】
(b−2)重合性不飽和基を1個有する単量体は、(b−1)成分とは異なる単量体である。具体例として、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレン、クロルスチレン等の1官能のスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の1官能の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する1官能の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸と高級脂肪酸のグリシジルエステル(例えば、シェルケミカルズジャパン株式会社製の「カージュラーE−10」)との反応物などが挙げられる。
【0019】
(b−3)重合性不飽和基を2個以上有する単量体は、(b−1)成分とは異なる単量体である。具体例として、ジビニルベンゼン等の2官能のスチレン系単量体;ジアリルフタレート等の2官能のフタル酸系単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能の(メタ)アクリル酸エステル;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリル酸エステル;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能の(メタ)アクリル酸エステル;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能の(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0020】
(B)成分の含有量は、硬化速度、組成物の粘度、及び硬化物の可とう性の点から、(A)成分と(B)成分の総計100質量部に対して、45〜65質量部が好ましく、50〜60質量部がより好ましい。
【0021】
(b−1)成分の含有量は、防湿性の点から、(A)成分と(B)成分の総計100質量部に対して、45〜55質量部であり、45〜50質量部が好ましい。
【0022】
(b−1)〜(b−3)成分の含有割合は、((b−1)成分+(b−2)成分)/(b−3)成分が質量比で(90/10)〜(95/5)の範囲であることが好ましい。この比が大きすぎると硬化物の強度が小さくなる傾向があり、この比が小さすぎると硬化物がもろくなる傾向がある。
【0023】
(C)成分である光重合開始剤には、増感剤と呼ばれるものも包含される。(C)成分の具体例としては、アクリジン、分子内に少なくとも1つのアクリジニル基を有するアクリジン系化合物;ベンゾフェノン;N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン化合物;アルキルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィンオキサイド;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体;クマリン系化合物;オニウム塩などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0024】
(C)成分の含有量は、硬化速度、造膜性、及び硬化物の可とう性の点から、(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部が更に好ましい。含有量が0.1質量部以上であると、光硬化が十分となる傾向にあり、15質量部を以下であると、得られる硬化物の特性(深部硬化性、可とう性、及び密着性等)が全般的に向上する傾向にある。
【0025】
また、光硬化性樹脂組成物には、必要に応じてカップリング剤、重合禁止剤、及び着色剤等を添加することができる。
【0026】
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等を使用できる。カップリング剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0027】
シラン系カップリング剤として、アミノ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤等が挙げられる。具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0028】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ピロガロール等のキノン類、その他一般に使用されているものが用いられる。
【0029】
着色剤としては、硬化したこと又は硬化のための光が照射されたことを確認するためにロイコ化合物等が用いられる。例えばトリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ロイコマラカイトグリーン、ロイコアニリン、ロイコメチルバイオレット等が挙げられる。
【0030】
本発明の実施形態である光硬化性防湿絶縁塗料は、前記光硬化性樹脂組成物を含む。すなわち、光硬化性防湿絶縁塗料は、(A)〜(C)成分を含有し、更に他の任意の成分を含有してもよい。光硬化性防湿絶縁塗料における(b−1)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の総計100質量部に対して45〜55質量部である。
【0031】
光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料は、様々な用途に使用できるが、例えば、液晶表示パネル側面部にディスペンサー装置等で塗布される。この際、光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料の硬化のためには、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を光源としたランプ方式及びLED方式のUV照射装置を用い、必要量の紫外線を照射すればよい。
【0032】
光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料には、LED光源により光照射することが好ましく、特に、主に365nmの波長の光を照射することが好ましい。主に365nmの波長の光とは、365nmの単波長の光だけでなく、365nmを中心とする光であり、例えば、350nm〜380nmの波長の光が、全体の光量の90%以上を占める光である。
【0033】
照射する光量は、配合(特に、光重合開始剤の種類及び量、充填材の有無、充填材を使用する場合は種類及び量など)を考慮して、十分に硬化する程度で決定される。例えば、光硬化性樹脂組成物又は光硬化性防湿絶縁塗料の厚さ300μm当たり、50〜3000mJ/cmの範囲から適宜決定される。充填材を含む場合は、光量を多くすることが好ましく、例えば、300mJ/cm以上が好ましく、また、エネルギーコスト及び適度な硬化度を考慮すると1500mJ/cm以下が好ましい。
【0034】
<液晶表示パネル及び液晶表示装置>
液晶表示パネルは、一般に、液晶セルと、その両外面に取り付けられた偏光板等の光学フィルムとを有する。液晶セルは、例えば、予め表面に透明電極、画素パターン等が形成された一対のガラス基板の間に、数ミクロン程度のスペーサーを介して液晶を充填し、シールすることによって作製される。液晶表示装置は、一般に、液晶パネルと、バックライトユニット、ドライバーICを備えたフレキシブルプリント基板等とを有する。光硬化性樹脂組成物及び光硬化性防湿絶縁塗料は、液晶表示パネル本体とフレキシブルプリント基板との接続部、ドライバーICのインナーリード部に塗布し、硬化させることで、防湿材として使用できる。防湿材で保護された液晶表示パネル及び液晶表示装置は、高い信頼性を示す。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
【0036】
[実施例1]
(A)成分として「TEAI−1000」(日本曹達株式会社製、アクリル変性ポリブタジエン樹脂)43質量部、(b−1)成分としてイソボルニルアクリレート50質量部、(b−2)成分としてラウリルアクリレート2質量部、(b−3)成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、(C)成分として2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィンオキサイド2質量部と2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン1質量部、カップリング剤として3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、シランカップリング剤)1質量部、及び着色剤としてロイコクリスタルバイオレット(ロイコ化合物)0.1質量部を混合し、60℃で加熱撹拌して光硬化性樹脂組成物を得た。
【0037】
[実施例2]
「TEAI−1000」43質量部を44質量部に、イソボルニルアクリレート50質量部を46質量部に、ラウリルアクリレート2質量部を5質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
【0038】
[比較例1]
「TEAI−1000」43質量部を44質量部に、イソボルニルアクリレート50質量部を41質量部に、ラウリルアクリレート2質量部を10質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
【0039】
[比較例2]
「TEAI−1000」43質量部を46質量部に、イソボルニルアクリレート50質量部を39質量部に、ラウリルアクリレート2質量部を10質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
【0040】
以上で得た光硬化性樹脂組成物について、それぞれの硬化物のガラス転移温度及び透湿度を下記のようにして評価した。結果を、光硬化性樹脂組成物の組成とともに表1に示す。
【0041】
〔ガラス転移温度〕
実施例1及び2、並びに比較例1及び2で得た光硬化性樹脂組成物をガラス板に300μm厚みになるように塗布し、得られた塗膜に紫外線照射装置(パナソニック株式会社製、UV40 curing system)で波長365nmをピークとした光を、総照射量が300mJ/cmになるように照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させた。得られた硬化物をガラス転移温度測定用試験片とし、ガラス転移温度を測定した。測定条件は下記のとおりとした。
〔測定条件〕
測定器 :TA instruments製、RSA−G2
測定モード :引張り
測定温度 :−100〜150℃
昇温速度 :5℃/min
測定周波数 :1Hz
温度調整 :LN(液体窒素)
チャック間距離 :約20mm(初期)
DeltaLリミット:10mm
【0042】
〔透湿度〕
実施例1及び2、並びに比較例1及び2で得た光硬化性樹脂組成物をガラス板に300μm厚みになるように塗布し、得られた塗膜に紫外線照射装置(パナソニック株式会社製、UV40 curing system)で波長365nmをピークとした光を、総照射量が300mJ/cmになるように照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させた。得られた硬化物を透湿度測定用試験片とし、65℃、相対湿度95%の条件で、24時間で試験片を透過した水分量を測定した。測定後、JIS Z 0208に基づき、透湿度を計算した。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に示したように、本発明の実施形態である光硬化性樹脂組成物(実施例1及び2)は、イソボルニルアクリレートの含有量が45質量部未満である光硬化性樹脂組成物(比較例1及び2)と比較して透湿度が低く、防湿性が高いという結果であった。本発明の実施形態である光硬化性樹脂組成物は、光硬化性防湿絶縁塗料として好ましく使用できる。