特開2019-218492(P2019-218492A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-218492(P2019-218492A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】変性フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 7/00 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   C08J7/00 304
   C08J7/00CES
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-117358(P2018-117358)
(22)【出願日】2018年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】大久保 敬
(72)【発明者】
【氏名】淺原 時泰
(72)【発明者】
【氏名】中谷 賢太
(72)【発明者】
【氏名】伊東 祐一
(72)【発明者】
【氏名】水田 康司
【テーマコード(参考)】
4F073
【Fターム(参考)】
4F073AA01
4F073BA06
4F073BA07
4F073BB01
4F073CA45
4F073DA05
4F073EA01
4F073EA34
4F073HA09
(57)【要約】
【課題】オレフィン系重合体フィルムを、効率よく、好ましくは特定の箇所(例:表面)をメインに変性した変性フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子(α)の数:原子(β)の数=1:1〜4:1の比で含むラジカルの存在下に光照射する工程1を含む、融点および/またはガラス転移温度が50℃以上300℃以下であるオレフィン系重合体フィルムの一部または全部を変性した変性フィルムの製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子(α)の数:原子(β)の数=1:1〜4:1の比で含むラジカルの存在下に光照射する工程1を含む、
融点および/またはガラス転移温度が50℃以上300℃以下であるオレフィン系重合体フィルムの一部または全部を変性した変性フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記工程1が、前記ラジカルおよび前記フィルムの存在下に、前記ラジカルに光照射して前記フィルムを変性する工程である、請求項1に記載の変性フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記工程1が、前記ラジカルおよび前記フィルムの存在下に、前記ラジカルおよび前記フィルムに光照射して前記フィルムを変性する工程である、請求項1または2に記載の変性製布の製造方法。
【請求項4】
前記変性フィルムの厚さが1〜1000μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記オレフィン系重合体が、4−メチル−1−ペンテン系重合体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の変性フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記変性フィルムが多孔質フィルムである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の変性フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記変性フィルムが離型フィルムである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の変性フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オレフィン系重合体は、その産業上利用価値の高さから、種々の方法で工業的に製造され、年間1億トンを超える生産量があるとされている。このオレフィン系重合体は、炭素と水素を主成分とするので、安定、安価な材料であることが特徴でもある。一方で、官能基を有さない構造は、極性を有する材料との親和性に乏しく、着色性、接着性などの改質を行い難い性質を併せ持っている。
【0003】
オレフィン系重合体フィルムの改質方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理などの表面処理等が知られている(例:特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−211814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のオレフィン系重合体フィルムの改質方法では、該フィルムを構成する重合体の分子量の低下や、架橋反応が起こったり、重合体の劣化や黄変などが起こりやすい傾向にあることが分かった。
特に、分子量の低下は、フィルムの場合、強度だけでなく耐久性の低下につながる場合があり、また、分子量分布が狭くなり、成形し難くなる可能性も考えられる。
【0006】
また、例えば、離型用のフィルムや、外装フィルム、絵や図柄の部分となる箇所だけに色素や塗料を伏すようなディスプレイ用フィルムは、例えば、該フィルムの一部だけが改質されていれば良い場合がある。
本発明者らは、特定の箇所(例:表面)をメインに改質できれば、フィルムとしての強度の低下を抑制しつつ、改質効果を高めることが期待できると考えた。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされた発明であり、オレフィン系重合体フィルムを、効率よく、好ましくは特定の箇所(例:表面)をメインに変性した変性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが研究を進めた結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出した。本発明の構成例は、以下の通りである。
【0009】
[1] 1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子(α)の数:原子(β)の数=1:1〜4:1の比で含むラジカルの存在下に光照射する工程1を含む、
融点および/またはガラス転移温度が50℃以上300℃以下であるオレフィン系重合体フィルムの一部または全部を変性した変性フィルムの製造方法。
【0010】
[2] 前記工程1が、前記ラジカルおよび前記フィルムの存在下に、前記ラジカルに光照射して前記フィルムを変性する工程である、[1]に記載の変性フィルムの製造方法。
[3] 前記工程1が、前記ラジカルおよび前記フィルムの存在下に、前記ラジカルおよび前記フィルムに光照射して前記フィルムを変性する工程である、[1]または[2]に記載の変性製布の製造方法。
【0011】
[4] 前記変性フィルムの厚さが1〜1000μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の変性フィルムの製造方法。
【0012】
[5] 前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである、[1]〜[4]のいずれかに記載の変性フィルムの製造方法。
【0013】
[6] 前記オレフィン系重合体が、4−メチル−1−ペンテン系重合体である、[1]〜[5]のいずれかに記載の変性フィルムの製造方法。
【0014】
[7] 前記変性フィルムが多孔質フィルムである、[1]〜[6]のいずれかに記載の変性フィルムの製造方法。
[8] 前記変性フィルムが離型フィルムである、[1]〜[7]のいずれかに記載の変性フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によれば、効率よく、オレフィン系重合体フィルムの特定の箇所を主として変性することができる。それゆえ、該フィルムを構成する重合体の分子量の低下、架橋反応、劣化、黄変などを抑制でき、フィルム本来の特性を生かしつつ、改質性や意匠性に優れる変性フィルムを提供することができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例で行った、TPXフィルムを変性する際の状態を示す概略模式図である。
図2図2は、実施例におけるTPXフィルムの親水性評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
【0018】
≪変性フィルムの製造方法≫
本発明に係る変性フィルムの製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、融点および/またはガラス転移温度が50℃以上300℃以下であるオレフィン系重合体フィルムの一部または全部を変性した変性フィルムの製造方法であって、
1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子(α)の数:原子(β)の数=1:1〜4:1の比で含むラジカルの存在下に光照射する工程1を含む。
なお、以下では、変性前のオレフィン系重合体フィルムを単に「フィルム」ともいい、変性後のフィルムを「変性フィルム」という。
【0019】
このような本方法によれば、フィルムを効率よく、具体的には、フィルム本来の特性を生かしつつ、フィルムの表面等の特定の箇所を主として変性した変性フィルムを容易に得ることができる。
また、従来の改質方法では、改質効果は経時劣化しやすい傾向にあったが、本方法によれば、該経時劣化の抑制も期待できる。
【0020】
本方法によれば、前記ラジカルに光照射するのみの極めて簡便な方法で、また、例えば、常温および常圧等のきわめて温和な条件下でも、フィルムを効率よく変性(例:酸化処理)することができる。さらに、本方法によれば、例えば、取扱い温度において不安定な場合がある過酸化物やアゾ化合物などのラジカル発生剤を用いずに、フィルムを効率よく変性(酸化反応)することができる。
【0021】
<工程1>
前記工程1は、1分子中に、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子(α)の数:原子(β)の数=1:1〜4:1の比で含むラジカルの存在下に光照射する工程である。
該工程1は、前記ラジカルの存在下で光照射すればよいが、好ましくは前記ラジカルの存在下に該ラジカルに光照射する工程である。
【0022】
前記フィルムの変性方法としては特に制限されないが、前記ラジカルおよびフィルムの存在下に該ラジカルに光照射する方法(I)[前記ラジカルおよびフィルムの存在下に、前記ラジカルに光照射して前記フィルムを変性する方法]が好ましい。
前記フィルムの変性方法としては、この方法(I)以外に、例えば、前記工程1を行った系と前記フィルムとを接触させる方法(II)を挙げることもできる。
【0023】
前記方法(I)は、前記ラジカルに光照射すればよいが、前記ラジカルおよびフィルムに光照射する方法[前記ラジカルおよび前記フィルムの存在下に、前記ラジカルおよび前記フィルムに光照射して前記フィルムを変性する方法]であることも好ましく、前記フィルムに光を照射しない方法でもよい。
前記ラジカルおよびフィルムに光照射する場合、前記ラジカルおよび前記フィルムのそれぞれに、別途光を照射してもよいが、例えば、1つの光源からの光によって前記ラジカルおよびフィルムに同時に光照射することが好ましい。
【0024】
前記工程1は、前記ラジカルを含む水相および/または有機相にフィルムを浸漬(接触)させて行う、液相方法でもよく、前記ラジカルを含む水相および/または有機相と、フィルムとを接触させずに行う、気相方法でもよく、前記ラジカルおよびフィルムを含む気相で行う、気相方法でもよいが、該フィルムとして、例えば、吸湿性等のあるフィルムを用いる場合や、残存溶媒等が問題になる場合には、状況によっては、気相方法が好ましい。
【0025】
前記ラジカルは、15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを含む。
前記ラジカルは、15族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、16族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、15族元素および16族元素の原子をそれぞれ1種以上含んでいてもよく、17族元素の原子を2種以上含んでいてもよい。ただし、これらの場合、前記原子の数の比は、15族元素および16族元素の原子の合計の数と17族元素の原子の合計の数との比である。
【0026】
原子(α)としては、好ましくは、窒素、酸素、硫黄が挙げられ、特に好ましくは酸素である。
原子(β)としては、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素、臭素が好ましい。これらの中でも、塩素を含むラジカルが、入手が容易であるため、塩素がより好ましい。塩素を含むラジカルを用いる場合、照射する光としては、紫外線を含む光が好ましく、臭素やヨウ素を含むラジカルを用いる場合、紫外線より長波長の光も用いることができると考えられる。従って、光の選択自由度を考慮する場合や、フィルムに光劣化が生じる可能性がある場合など、状況によっては、臭素、ヨウ素が好ましい。
【0027】
前記ラジカルは、該ラジカル1分子中の原子(β)1個に対する原子(α)の割合が、1〜4個であり、好ましくは1または2個であり、より好ましくは2個である。
【0028】
前記ラジカルとしては、二酸化塩素ラジカルが好ましい。
二酸化塩素ラジカル(ClO2・)の存在下に光照射した場合、例えば、二酸化塩素ラジカルに光が照射されることで、塩素ラジカル(Cl・)および酸素分子(O2)が発生すると考えられる。
【0029】
前記光照射に使用する光(の波長)は、用いるラジカルによって適宜選択すればよい。具体的には、赤外線領域から紫外線領域まで幅広い領域を選択可能であるが、例えば200nm以上であり、例えば800nm以下である。
光照射時間は特に限定されないが、例えば1分以上であり、例えば1000時間以下である。
【0030】
前記光照射における光源は特に限定されないが、簡便さの点から、例えば、太陽光等の自然光が挙げられる。また、例えば、前記自然光に代えて、またはこれに加え、キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、水銀ランプ等の光源を適宜用いてもよい。さらに、必要により、必要波長以外の波長をカットするフィルターを適宜用いてもよい。
【0031】
前記工程1を行う際の温度、圧力、雰囲気も特に制限されないが、反応温度は、例えば0℃以上であり、例えば100℃以下であり、圧力は、例えば0.1MPa以上であり、100MPa以下であり、雰囲気は、例えば、空気雰囲気、不活性ガス雰囲気が挙げられる。
本方法は、例えば、後述の実施例に示すように、加熱、加圧、減圧等を一切行わずに、大気中、常温(例:5〜35℃)および常圧(大気圧)下で行なうことも可能である。
【0032】
前記光照射は、水相、有機相および/または気相中に存在するラジカルに対して行われる。環境への負荷や人体への影響を低減させる等の点を重視する場合は、水相や気相に存在するラジカルに対して行うことが好ましい。
【0033】
前記フィルムを水相または有機相に浸漬する場合の該水相または有機相中における、前記フィルムの使用量は、特に限定されないが、水相または有機相に対し、例えば1g/L以上であり、例えば10g/L以下である。
【0034】
前記水相としては水を含めば特に制限されない。
【0035】
前記有機相は、有機溶媒を含めば特に制限されない。
前記有機溶媒は特に制限されないが、例えば、炭化水素溶媒、ハロゲン化溶媒が挙げられる。
前記有機溶媒は、1種類でもよく、2種類以上でもよい。
【0036】
前記炭化水素溶媒としては特に限定されないが、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンが挙げられる。
【0037】
前記ハロゲン化溶媒としては特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、フルオラス溶媒が挙げられる。
【0038】
前記フルオラス溶媒は、炭化水素の水素原子の全てまたは大部分がフッ素原子に置換された溶媒をいう。前記フルオラス溶媒は、例えば、炭化水素の水素原子数の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上または90%以上がフッ素原子に置換された溶媒であってもよい。
【0039】
前記フルオラス溶媒としては、例えば、CF3−(CF2n−CF3(nは4〜7)、N−((CF2nCF33(nは1または4)、ヘキサフルオロベンゼン、1−(トリフルオロメチル)ウンデカフルオロシクロヘキサン、1−(トリフルオロメチル)ペンタフルオロベンゼン、オクタデカフルオロデカヒドロナフタレンが挙げられ、その中でも、例えば、CF3(CF24CF3が好ましい。
【0040】
フルオラス溶媒は、例えば、溶媒自体の反応性が低いために、副反応を抑制または防止できるという利点がある。該副反応としては、例えば、溶媒の酸化反応、ラジカルによる溶媒の水素引き抜き反応や塩素化反応が挙げられる。
【0041】
前記水相は、前記ラジカルおよび水以外の他の成分を含んでいてもよく、前記有機相は、前記ラジカルおよび有機溶媒以外の他の成分を含んでいてもよい。
該他の成分としては、特に限定されないが、例えば、前記ラジカルの発生源、ブレンステッド酸、ルイス酸、酸素(O2)が挙げられる。
これらはそれぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記他の成分は、水相および/または有機相に溶解してもよいが、溶解していなくてもよい。
なお、1つの物質がルイス酸およびブレンステッド酸を兼ねていてもよい。「ルイス酸」は、前記ラジカルの発生源に対してルイス酸として働く物質をいう。
【0042】
前記ラジカルの発生源は特に限定されないが、前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである場合、例えば、亜塩素酸(HClO2)またはその塩が挙げられる。亜塩素酸の塩としては特に限定されないが、例えば、金属塩が挙げられる。該金属塩は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、希土類塩が挙げられる。
前記二酸化塩素ラジカルの発生源は、より具体的には、例えば、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)、亜塩素酸リチウム(LiClO2)、亜塩素酸カリウム(KClO2)、亜塩素酸マグネシウム(Mg(ClO22)、亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO22)が挙げられる。これらの中でも、コスト、取扱い易さ等の点から、亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
【0043】
前記水相および/または有機相中における、前記ラジカルの発生源の濃度は特に限定されないが、例えば0.0001mol/L以上であり、例えば1mol/L以下である。
【0044】
前記ルイス酸は特に制限されず、例えば、有機物質でも、無機物質でもよい。
前記有機物質としては、例えば、アンモニウムイオン、有機酸(例:カルボン酸)が挙げられる。
前記無機物質は、金属イオンおよび非金属イオンの一方または両方を含んでいてもよい。前記金属イオンは、典型金属イオンおよび遷移金属イオンの一方または両方を含んでいてもよい。
前記無機物質は、例えば、アルカリ土類金属イオン(例えばCa2+等)、希土類イオン、Mg2+、Sc3+、Li+、Fe2+、Fe3+、Al3+、ケイ酸イオンおよびホウ酸イオンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
前記アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムまたはラジウムのイオンが挙げられ、より具体的には、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびRa2+が挙げられる。
前記「希土類」は、スカンジウム、イットリウムの2元素と、ランタンからルテチウムまでの15元素(ランタノイド)の計17元素の総称である。希土類イオンとしては、例えば、3価の陽イオンが挙げられる。
【0045】
また、前記ルイス酸がイオンである場合、前記ルイス酸は、該イオンのカウンターイオンを有する物質であってもよく、該カウンターイオンとしては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3-)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO-)、酢酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオンが挙げられる。
【0046】
また、前記ルイス酸は、AlCl3、AlMeCl2、AlMe2Cl、BF3、BPh3、BMe3、TiCl4、SiF4およびSiCl4からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。なお、これらのうち、「Ph」はフェニル基を表し、「Me」はメチル基を表す。
【0047】
前記ルイス酸のルイス酸性度は、例えば、0.4eV以上であるが、これには限定されない。前記ルイス酸性度の上限値は特に限定されないが、例えば、20eV以下である。なお、前記ルイス酸性度は、例えば、Ohkubo, K.; Fukuzumi, S. Chem. Eur. J., 2000, 6, 4532、J. AM. CHEM. SOC. 2002, 124, 10270-10271、またはJ. Org. Chem. 2003, 68, 4720-4726に記載の方法により測定することができる。
【0048】
前記ブレンステッド酸としては特に限定されないが、例えば、無機酸、有機酸が挙げられ、具体的には、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸が挙げられる。
前記ブレンステッド酸の酸解離定数pKaは、例えば10以下である。前記pKaの下限値は、特に限定されないが、例えば、−10以上である。
【0049】
前記水相および/または有機相中における、前記ルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方の濃度は特に限定されず、適宜設定することができるが、例えば1mg/L以上であり、例えば1g/L以下である。
【0050】
例えば、水相および/または有機相に、空気または酸素ガスを吹き込むことにより、水相および/または有機相中に酸素(O2)を溶解させることができる。このとき、例えば、水相および/または有機相を、酸素(O2)で飽和させてもよい。
水相および/または有機相が前記酸素(O2)を含むことで、例えば、フィルムの変性(酸化反応)を促進させることができる。
【0051】
<ラジカル生成工程>
本方法は、前記ラジカルを生成するラジカル生成工程を含んでいてもよく、具体的には、前記ラジカル発生源から前記ラジカルを生成する工程が挙げられる。
【0052】
前記ラジカル生成工程は特に限定されないが、例えば、前記ラジカル発生源(例:亜塩素酸またはその塩)を水に溶解させて静置し、ラジカル発生源から前記ラジカルを自然発生させることで行なうことができる。このとき、例えば、前記水中に前記ルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方が存在することで、前記ラジカルの生成を促進することができる。また、例えば、前記ラジカル発生源を水に溶解させた水相に光照射することで前記ラジカルを生成させることもできる。この光照射は、前記工程1における光照射であってもよく、つまり、ラジカルを生成させながら、そのラジカルに光照射してもよい。
【0053】
例えば、亜塩素酸イオンから二酸化塩素ラジカルが発生するメカニズム(機構)は、例えば、下記スキーム1のように推測される。ただし、下記スキーム1は、推測されるメカニズムの一例であり、本発明をなんら限定しない。
下記スキーム1の第1の(上段の)反応式は、亜塩素酸イオン(ClO2-)の不均化反応を示し、この反応系中にルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方が存在することで、平衡が右側に移動しやすくなると考えられる。
下記スキーム1中の第2の(中段の)反応式は、二量化反応を示し、不均化反応で生成した次亜塩素酸イオン(ClO-)と亜塩素酸イオンとが反応して二酸化二塩素(Cl22)が生成する。この反応は、水中にプロトンH+が多いほど、すなわち酸性であるほど進行しやすいと考えられる。
下記スキーム1中の第3の(下段の)反応式は、ラジカル生成を表す。この反応では、二量化反応で生成した二酸化二塩素が、亜塩素酸イオンと反応して二酸化塩素ラジカルを生成する。
【0054】
【化1】
【0055】
また、本方法では、前記フィルムが炭素−水素単結合を有するため、例えば、特開2017−155017号公報に記載されているエタンの酸化反応のメカニズム(機構)と同様のメカニズムで反応が進行するものと推測できる。
【0056】
<フィルム>
前記フィルムは、融点および/またはガラス転移温度が50℃以上300℃以下であるオレフィン系重合体を含むフィルムである。
【0057】
前記オレフィン系重合体としては特に制限されないが、例えば、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体、環状オレフィン系重合体や、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、オクテンなどの複数のオレフィンを用いて得られる共重合体が挙げられる。また、例えば、前記共重合体の原料として、オレフィン以外の化合物、例えば、スチレンなどの芳香族ビニル化合物や(メタ)アクリル酸(エステル)類を用いてもよい。
これらの中でも、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体が好ましく、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体がより好ましく、用途にもよるが、4−メチル−1−ペンテン系重合体が特に好ましい。
【0058】
前記オレフィン系重合体は、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品でもよい。
前記オレフィン系重合体を得る手段は多くの報告があり、それらを制限なく採用することができ、例えば、分子量の高いエチレン重合体を得る方法としては、国際公開第2008/013144号、国際公開第2016/136540号などに記載の方法が挙げられ、4−メチル−1−ペンテン系重合体を得る方法としては、国際公開第2006/054613号などに記載の方法が挙げられる。
【0059】
前記オレフィン系重合体の市販品としては、三井化学グループから市販されている、ハイゼックス、ハイゼックスミリオン、ミペロン、プライムポリプロ、TPX(いずれも登録商標)などが挙げられる。
【0060】
前記オレフィン系重合体としては、融点および/またはガラス転移温度が50〜300℃の重合体であればよい。前記の融点やガラス転移温度は、下記示差走査熱量測定装置(DSC装置)を使用して以下の方法またはこれと同等の方法で測定した場合のものである。なお、下記装置と同等の結果を与えることが確認されていれば、他の示差走査熱量計を用いてもよい。
【0061】
(株)日立ハイテクサイエンス製のEXSTAR DSC6220型の示差走査熱量計を用いて、約5.0mgの試料を窒素雰囲気下で30℃から昇温速度10℃/分で320℃まで昇温し、その温度で10分間保持する(ただし、250℃以上320℃以下の温度領域で分解する重合体を用いる場合は、常法の通り、適宜保持する温度を低く調整してもよい。)。さらに降温速度10℃/分で30℃まで冷却し、その温度で5分間保持した後、昇温速度10℃/分で320℃まで昇温する(ただし、250以上320以下の温度領域で分解する重合体を用いる場合は、常法の通り、適宜昇温の際の上限温度を低く調整してもよい。)。この2度目の昇温の際に観測される吸熱ピークを融解ピークとし、融解ピークが現れる温度を融点(Tm)として求める。融解ピークが多峰性の場合は、最も高温側の融解ピークが現れる温度を融点とする。
また、ガラス転移温度(Tg)は、2度目の昇温の際に、比熱の変化によりDSC曲線が屈曲し、ベースラインが平行移動する形で感知される。この屈曲より低温のベースラインの接線と、屈曲した部分で傾きが最大となる点の接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
【0062】
前記オレフィン系重合体の135℃、デカリン中での極限粘度[η]は、好ましくは0.5〜20dl/g、より好ましくは0.8〜18dl/g、特に好ましくは1〜15dl/gである。
前記オレフィン系重合体の極限粘度が前記範囲にあると、成形性と強度等のバランスが好適である。
【0063】
前記オレフィン系重合体のASTM1238規格に準じて測定されるメルトフローレートは、用いる樹脂の融点によって、測定条件が後述するように異なるが、そのメルトフローレートの好ましい範囲は、0.1〜200g/10分である。好ましい下限値は、1g/10分、より好ましくは3g/10分、さらに好ましくは5g/10分である。一方、好ましい上限値は150g/10分、より好ましくは130g/10分である。
前記メルトフローレート(ASTM1238規格)の好ましい測定条件は、以下の通りである。
エチレン系重合体の場合は、190℃、2.16kg荷重、プロピレン系重合体の場合は230℃、2.16kg荷重、4−メチル−1−ペンテン系重合体の場合は、260℃、5kg荷重、環状オレフィン系重合体の場合は、260℃、2.16kg荷重である。
【0064】
前記フィルムは、公知の方法で製造することができ、具体的には、押出成形(例:T−ダイ成形)、インフレーション成形、キャスト成形(スピンコート法を併用する場合などを含む)を代表例として挙げることができる。
また、前記フィルムとしては、これらの方法でフィルムを成形したのち、そのフィルムを延伸したフィルムであってもよい。この延伸を行うことにより、結晶化度や可視光における透視性を高めることが可能になったり、多孔化させることもできる。多孔化させる場合、分散させた微粒子を含むフィルムを延伸してもよい。
【0065】
前記フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合体、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤などの各種安定剤、帯電防止剤、親水剤、撥水剤、核剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、難燃剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0066】
前記フィルムの厚みは、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μmである。
フィルムの厚みが前記範囲にあると、フィルムの強度などの機械特性を維持しつつ、表面特性などの機能を容易に付与することができる。使用する光線の波長とオレフィン重合体の吸光特性にもよるが、フィルムが薄すぎると表面などの一部分を主として変性するというような細かい設計がし難くなる場合がある。
【0067】
[変性フィルム]
前記フィルムには、前記ラジカルに含まれる原子(α)を含む官能基が導入される場合もあるが、空気中の酸素由来などの15族、16族原子を含む官能基が導入される場合もある。この際に、前記ラジカルに含まれる原子(β)もフィルムに導入される可能性がある。
本方法によれば、このように原子(β)もフィルムに導入されると考えられるため、変性フィルムには、原子(β)の有する効果も期待できる場合がある。
【0068】
前記ラジカルを用いて、アルカンなどの低分子炭化水素化合物を変性する場合、17族原子の導入が抑制されることが報告されているが、本方法によれば、17族原子も15、16族原子と併せて、フィルムに導入できる場合がある。これは、メタンやエタンなどの低分子を変性する場合に比して、フィルムの炭素−水素結合の存在密度が高くなる傾向にあると考えられることや、フィルムとラジカルとが相互作用することでラジカルが安定化する場合があることがその一因ではないかと本発明者らは考えている。ただ、この推測によって、本発明は制限されない。
【0069】
前記原子(α)を含む官能基としては、前記ラジカルが、酸素を含む場合、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルデヒド基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、−C(=O)OOH、−O−O−が挙げられる。
フィルムに原子(β)が導入される場合、フィルムに導入される、原子(α)の合計量[Cα]と、原子(β)の合計量[Cβ]との比率[Cα]/[Cβ]の下限は、好ましくは、ゼロを超え、より好ましくは0.01、さらに好ましくは0.1、特に好ましくは0.5であり、上限値は、好ましくは5000、より好ましくは100、さらに好ましくは20である。
前記の[Cα]、[Cβ]値は、XPS法によって特定される値である。測定は、製品名AXIS−Nova(KRATOS社製)を用い常法で実施される。
【0070】
本方法によれば、変性する対象となるフィルムの表面を主として変性することができると期待される。従って、仮に変性の際に、フィルムを構成するオレフィン系重合体分子の切断や架橋が起こったとしても主にフィルム表面にとどまり、フィルムの強度等の性能に関するフィルム内部の性能への影響は最小限にできると考えられるので、フィルムの強度などを保持するうえで有利である。
前記表面とは、前記フィルムの表面からの深さが、その厚みの1/10以下、より好ましくは1/20以下の領域をいう。この変性される部分の深さは、例えば、XPS法で確認することができる。
【0071】
本方法によれば、フィルムの全表面を変性することもできるし、一部の面のみを変性することもできるし、面の一部分のみを変性することもできる。
本方法は、光を介して進行するので、主として光の当たった場所を変性できることが期待される。
また、光をフィルムの一面だけに照射すれば、該一面だけ変性した変性フィルムや、フォトマスク等により、光の当たる部分を制御すれば、特定の箇所だけ変性することも可能となり、変性部分と未変性部分の比率を自由に制御することもできると期待される。
【0072】
例えば、変性フィルムにおける、変性される部分の面積は、変性フィルムを窓等に貼りつけるような使用形態など、変性フィルムの所望の用途に応じて適宜選択すればよいが、変性フィルムの表面全体を100%として、好ましい下限値は、1%、5%、10%、20%、30%、50%の順に好ましく、好ましい上限値は100%であり、より好ましくは90%である。変性された領域は、XPS法などの公知の方法で特定することができる。
前記変性は、前記ラジカルの存在下に光が当たって発生する17族元素のラジカルを起点に反応が進行すると考えられる。従って、当該ラジカルが変性対象であるフィルムと接触した部分で変性が起こると考えられる。例えば、前記方法(I)において、前記ラジカルおよびフィルムに光照射する場合、変性対象であるフィルムに光照射された面積と変性された面積とは、ほぼ等価と考えることができる場合がある。
光を照射した周辺部や、光が届かない細孔の深層部が変性される場合もあるが、その割合は小さいと考えられる。
【0073】
本方法で得られた変性フィルムは、そのまま用いてもよいし、前記のように導入された官能基を、さらに他の成分と反応させることで、機能を強化したり、性質を変化させてもよい。例えば、前記の官能基を足場として、様々な構造のシリコーン成分と反応させることにより、極めて高い離型性を付与することができる。
【0074】
前記変性フィルムは、各種の用途に好ましく適用できると考えられる。
前記変性フィルムが多孔質フィルムである場合、例えば、電池などの各種セパレータ用途やフィルター用途、離型フィルムなどに好適であると考えられる。
前記離型フィルムは、例えば、前記TPX(登録商標)などのオレフィン系重合体フィルムを、紙やポリエステルフィルム等と貼り合わせた積層構造の離型フィルムとしてもよい。この場合、片面のみに本方法で得られた変性フィルムを用い、その変性面を紙やポリエステルフィルム等と貼合する態様とする場合、該紙やポリエステルフィルム等との接着性能を高め、他の面は離型性能を発揮できる、優れた積層離型フィルムとすることも期待できる。
【0075】
また、前記フィルムとして、多孔質フィルムのような複雑な表面形状を有するフィルムを用いる場合であっても、本方法によれば、その細部まで変性できることが期待できる。本方法による変性は、前記の推定機構の通り、塩素ラジカルのような単純な構造のラジカルを起点とする変性であると考えられるので、その運動性の高さが期待できるためである。このような特性は、フィルム表面だけでなく、射出成形体のような成形体の微細な表面にも適用できると考えられる。
【0076】
前記変性フィルムは、その変性により、オレフィン系重合体の分子量低下が少ないので、前記用途などにおいて、強度の低下が少なく、耐久性に優れる変性フィルムを容易に得ることができる。また、変性により、比較的多くの官能基を導入できるので、その変性により付与された性能の経年低下の割合も少ないことが期待できる。
【0077】
他の期待される用途としては、光照射時に、文字や絵の形状のフォトマスクを併用して所定の箇所だけ変性し、変性部分に色素などを接着させることによるディスプレイ用フィルムとして用いることも期待される。
【実施例】
【0078】
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例には限定されない。
【0079】
[実施例1]
ポリ容器に亜塩素酸ナトリウム(Sigma−Aldrich社製)10gおよび超純水100mLを入れ、亜塩素酸ナトリウムを超純水に溶解させた後、35〜37%塩酸水溶液(富士フイルム和光純薬(株)製)1mLを加えることで、混合液を作成した。この条件で混合液中に二酸化塩素ラジカルが存在していることは別途、ESR法で確認した。この混合液を約22cm×16cm×高さ1.5cmの浅型バットに入れて網棚に置いた。次いで、約28cm×20cmのTPXフィルム(ポリ4−メチル−1−ペンテン、三井化学(株)製、DX231、50μm厚、融点:231℃、メルトフローレート(ASTM1238規格、260℃、5kg荷重):100g/10分)を混合液に触れないようにバットの上に載せた(このときの状態を図1に示す。)。このフィルムの上部からパイフォトニクス(株)製のホロライト・カク DC12Vで波長365nmの光を10分間、50〜70mW/cm2で照射した。その後、その後、洗瓶を用いて、フィルム表面全体に超純水をかけて洗浄し、次いで減圧乾燥し、変性TPXフィルムを得た。
【0080】
<TPXフィルムの親水性評価>
未処理のTPXフィルムおよび前記変性TPXフィルムそれぞれに対して、enercon社製の濡れ性確認用ペンセットVarietyに含まれる8本のEnerDyneペン(それぞれのダインレベル:30、32、35、38、41、44、48および56)で約1cmの線を引き、インクの濡れ性を目視で確認した。結果を表1に示す。また、この時のフィルムの状態を図2に示す。なお、図2の数字より上は、酸化TPXフィルムの状態を示し、数字より下は、未処理のTPXフィルムの状態を示す。
【0081】
【表1】
図1
図2