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特開2019-219433偏光板のセット及びそれを用いたIPSモード液晶表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219433(P2019-219433A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】偏光板のセット及びそれを用いたIPSモード液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20191129BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   G02B5/30
   G02F1/1335 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-114301(P2018-114301)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】松本 寿和
【テーマコード(参考)】
2H149
2H291
【Fターム(参考)】
2H149AA07
2H149AB01
2H149BA02
2H149DA02
2H149DA12
2H149DA24
2H149DA27
2H149EA02
2H149EA06
2H149EA19
2H149FB03
2H149FB04
2H149FD05
2H149FD06
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA24Z
2H291FA30X
2H291FA30Z
2H291FA81Z
2H291FA94X
2H291FA94Z
2H291FB02
2H291FB05
2H291FC05
2H291FC08
2H291FC09
2H291FD09
2H291FD12
2H291HA15
2H291KA02
2H291LA03
2H291LA21
2H291PA04
2H291PA07
2H291PA44
2H291PA67
2H291PA79
2H291PA84
2H291PA85
2H291PA86
(57)【要約】
【課題】外光が強い環境下でも良好な視認性を確保できる特定のIPSモード液晶セル用の偏光板のセット及びそれを用いたIPSモード液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】視認側偏光板及び背面側偏光板からなり、液晶セルの両面にそれぞれ貼合して液晶パネルを形成するために用いられ、液晶セルは正面位相差値が100nm〜200nmのIPSモード液晶セルであり、視認側偏光板の吸収軸と背面側偏光板の吸収軸とは直交しており、視認側偏光板は偏光子と液晶セルとの間にλ/4板を含み、視認側偏光板の吸収軸とλ/4板の遅相軸とのなす角が略45°であり、視認側偏光板は偏光子とλ/4板板との間に位相差フィルムを含み、視認側偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角が略平行または略直交であり、λ/4板の遅相軸とIPSモード液晶セルの初期配向方向とが略直交の関係にある、偏光板のセット。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認側偏光板及び背面側偏光板からなり、液晶セルの両面にそれぞれ貼合して液晶パネルを形成するために用いられる偏光板のセットであって、
前記液晶セルは、面内位相差値が100nm〜200nmのIPSモード液晶セルであり、
視認側偏光板の吸収軸と背面側偏光板の吸収軸とは直交しており、
前記視認側偏光板は、偏光子と液晶セルとの間にポジティブAプレートを含み、視認側偏光板の吸収軸と前記ポジティブAプレートの遅相軸とのなす角が略45°であり、
前記視認側偏光板は、前記偏光子と前記ポジティブAプレートとの間に位相差フィルムを含み、視認側偏光板の吸収軸と前記位相差フィルムの遅相軸とのなす角が略平行または略直交であり、
前記ポジティブAプレートの遅相軸と前記IPSモード液晶セルの初期配向方向とが略直交の関係にある、偏光板のセット。
【請求項2】
前記液晶セルと前記ポジティブAプレートとの間にさらにポジティブCプレートを含む請求項1に記載の偏光板のセット。
【請求項3】
前記ポジティブCプレートの厚み方向の位相差値が−50nm〜−250nmである請求項2に記載の偏光板のセット。
【請求項4】
面内位相差値が100nm〜200nmのIPSモード液晶セルに、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板のセットが配置されてなるIPSモード液晶表示装置。
【請求項5】
IPSモード液晶表示装置が、中小型用である請求項4に記載のIPSモード液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板及びそれを用いたIPSモード液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、消費電力が低く、低電圧で動作し、軽量でかつ薄型の液晶ディスプレイが、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ用のモニター、テレビなど、情報用表示デバイスとして急速に普及してきている。液晶技術の発展に伴い、さまざまなモードの液晶ディスプレイが提案され、応答速度やコントラスト、狭視野角といった液晶ディスプレイの問題点が解消されつつある。特許文献1には、位相差フィルムを用いて斜め方向から見たときの光漏れ及び色づきを防止する技術が記載されている。
【0003】
このように、液晶ディスプレイが携帯電話や携帯情報端末として屋外で使用される機会が増加するとともに、太陽光などの外光が強い場合には、従来の液晶ディスプレイは外光の反射が強く液晶画面が視認できないといった問題が出てきた。
【0004】
この問題に対しては、視認側偏光板の表面に低反射層を設けて外光反射を低減したり、視認側偏光板に円偏光板を用いたりすることで外光反射を低減するといった対策がなされるのが通例である。
【0005】
しかしながら、前記の低反射層だけでは外光の照度が5000luxを超えるような環境下では視認性が著しく低下する。また、IPSモード液晶では、通常、面内位相差値が250nm〜380nmであり、視認側偏光板に円偏光板を配置することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−128498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、外光の照度が5000luxを超えるような環境下でも良好な視認性を確保できるIPSモード液晶セル用の偏光板のセット及びそれを用いたIPSモード液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1] 視認側偏光板及び背面側偏光板からなり、液晶セルの両面にそれぞれ貼合して液晶パネルを形成するために用いられる偏光板のセットであって、
前記液晶セルは、面内位相差値が100nm〜200nmのIPSモード液晶セルであり、
視認側偏光板の吸収軸と背面側偏光板の吸収軸とは直交しており、
前記視認側偏光板は、偏光子と液晶セルとの間にポジティブAプレートを含み、視認側偏光板の吸収軸と前記ポジティブAプレートの遅相軸とのなす角が略45°であり、
前記視認側偏光板は、前記偏光子と前記ポジティブAプレートとの間に位相差フィルムを含み、視認側偏光板の吸収軸と前記位相差フィルムの遅相軸とのなす角が略平行または略直交であり、
前記ポジティブAプレートの遅相軸と前記IPSモード液晶セルの初期配向方向とが略直交の関係にある、偏光板のセット。
[2] 前記液晶セルと前記ポジティブAプレートとの間にさらにポジティブCプレートを含む[1]に記載の偏光板のセット。
[3] 前記ポジティブCプレートの厚み方向の位相差値が−50nm〜−250nmである[2]に記載の偏光板のセット。
[4] 正面位相差値が100nm〜200nmのIPSモード液晶セルに、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板のセットが配置されてなるIPSモード液晶表示装置。
[5] IPSモード液晶表示装置が、中小型用である[4]に記載のIPSモード液晶表示装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の偏光板のセットを備える液晶表示装置は、外光の反射を抑制することができるため屋外のような外光の強い環境下でも良好な視認性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る偏光板のセットの好ましい層構成の例を示す概略断面図である。
図2】本発明に係るIPS液晶表示装置の好ましい軸構成の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る偏光板のセット及びこれを用いた液晶パネルについて適宜図を用いて説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る偏光板のセットにおける好ましい層構成の例の概略断面図を示したものである。図1を参照して、本発明の偏光板のセットを説明する。図1に示す偏光板のセットにおいて、視認側偏光板10は、偏光板30の片面に位相差フィルム36、ポジティブAプレート34及びポジティブCプレート35が積層された構成である。背面側偏光板20は、偏光板50の片面に輝度向上フィルム61が積層されているものである。視認側偏光板10は、液晶セルの視認側に配置され、背面側偏光板20は、液晶セルの背面側に配置されることができる。
【0013】
視認側偏光板10は、偏光子32と液晶セルとの間にポジティブAプレート34を含み、偏光子32とポジティブAプレート34との間に位相差フィルム36を含む。換言すれば、視認側偏光板10は、偏光子32の背面側に、ポジティブAプレート34を含み、偏光子32とポジティブAプレート34との間に位相差フィルム36を含む。
【0014】
[視認側偏光板および背面側偏光板を構成する各部材]
本発明の視認側偏光板10及び背面側偏光板20は偏光板30及び偏光板50を含む。
【0015】
[偏光子]
偏光子32および52は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものである。
【0016】
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他に、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、およびアンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
【0017】
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常、85〜100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールおよびポリビニルアセタール等も用いることができる。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常、1,000〜10,000程度であり、1,500〜5,000程度が好ましい。
【0018】
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子32および52の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は、特に制限されるものではないが、例えば、10μm〜150μm程度である。
【0019】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、または染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前またはホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
【0020】
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常、3〜8倍程度である。
【0021】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
【0022】
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度である。また、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常、20〜40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、20〜1,800秒程度である。
【0023】
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度であり、1×10-3〜1重量部程度が好ましい。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常、20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、10〜1,800秒程度である。
【0024】
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行うことができる。
【0025】
ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、通常、水100重量部あたり、2〜15重量部程度であり、5〜12重量部が好ましい。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、通常、水100重量部あたり、0.1〜15重量部程度であり、5〜12重量部程度が好ましい。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60〜1,200秒程度であり、150〜600秒程度が好ましく、200〜400秒程度がより好ましい。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常、50℃以上であり、50〜85℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
【0026】
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常、5〜40℃程度である。また、浸漬時間は、通常、1〜120秒程度である。
【0027】
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光子32および52が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常、30〜100℃程度であり、50〜80℃が好ましい。乾燥処理の時間は、通常、60〜600秒程度であり、120〜600秒が好ましい。
【0028】
乾燥処理によって、偏光子32および52の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常、5〜20重量%であり、8〜15重量%が好ましい。水分率が5重量%を下回ると、偏光子32および52の可撓性が失われ、偏光子32および52がその乾燥後に損傷したり、破断したりする場合がある。また、水分率が20重量%を上回ると、偏光子32および52の熱安定性に劣る場合がある。
【0029】
以上のようにして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向した偏光子を製造することができる。
【0030】
また、偏光子の製造工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの延伸、染色、ホウ酸処理、水洗工程、乾燥工程は、例えば、特開2012−159778号に記載されている方法に準じて行ってもよい。この文献記載の方法では、基材フィルムへのポリビニルアルコール系樹脂のコーティングにより、偏光子となるポリビニルアルコール系樹脂層を形成する方法を用いることも有用である。
【0031】
高温環境下における偏光子の収縮力を低く抑えるためには、偏光子の厚さを15μm以下とすることが好ましく、12μm以下とすることがより好ましい。良好な光学特性を付与できるという点で、偏光子の厚みは通常3μm以上である。
【0032】
高温環境下における収縮力を抑えた偏光子を用いることで、偏光子の収縮に伴う位相差フィルムやλ/4板のゆがみによる位相差変化をも抑えることができ、液晶表示装置に用いたときに表示ムラの小さい偏光板とすることができる。
【0033】
偏光子は、80℃の温度で240分間保持したときの、幅2mmあたりの吸収軸方向の収縮力が、2N/2mm以下であることが好ましい。この収縮力が、2N/2mmより大きいと高温環境下での寸法変化量が大きくなり、且つ、偏光子の収縮力が大きくなるために、位相差フィルムやポジティブAプレートがゆがみやすく、さらには偏光子に割れが発生しやすくなる傾向にある。偏光子の収縮力は、延伸倍率を下げると、また偏光子の厚さを薄くすると2N/2mm以下となる傾向にある。
【0034】
偏光子32および52の両面には保護フィルムが積層されることが好ましい。保護フィルム31a,31b,51a,51bは、透明な樹脂フィルムで構成することができる。特に、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる材料で構成することが好ましい。本明細書において、透明な樹脂フィルムとは可視光域において単体透過率が80%以上である樹脂フィルムのことをいう。
【0035】
薄膜化のために保護フィルム31bについては、ポジティブCプレートやポジティブAプレートをその代替として削減することも有効な手段である。また、同様に保護フィルム51aについても、輝度向上フィルム61を代替として削減することも有効な手段となる。
【0036】
保護フィルム31a,31b,51a,51bとしては、セルロース系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂など、当分野において従来保護フィルムの形成材料として広く用いられている材料から形成されたフィルムを使用することができる。
【0037】
これらの樹脂は、透明性を損なわない範囲で、適宜の添加物が配合されていてもよい。添加物として例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、位相差低減剤、安定剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび剤などを挙げることができる。これらの添加物は、複数種が併用されてもよい。
【0038】
以上のような樹脂からフィルムを製膜する方法としては、任意の最適な方法を適宜選択すればよい。例えば、溶剤に溶解させた樹脂を、金属製のバンド又はドラムに流延し、溶剤を乾燥除去してフィルムを得る溶剤キャスト法、樹脂をその溶融温度以上に加熱し、混練してダイから押し出し、冷却することによりフィルムを得る溶融押出法などが使用できる。溶融押出法では、単層フィルムを押し出すこともできるし、多層フィルムを同時押出することもできる。
【0039】
[保護フィルム31aの表面処理層37]
保護フィルム31aは、偏光子32に貼合される面とは反対側の面に、表面処理層37を有してもよい。この表面処理層37としては、例えば、微細な表面凹凸形状を有するハードコート層が挙げられる。ハードコート層は、鉛筆硬度がHより硬いことが好ましい。その鉛筆硬度がH又はそれより小さいと、表面に傷が付きやすくなり、傷が付くと液晶表示装置の視認性が悪くなる。鉛筆硬度は、JIS K 5600−5−4:1999「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」に準じて求められ、各硬度の鉛筆を用いて引っかいたときに傷が生じない最も硬い鉛筆の硬度で表される。
【0040】
表面処理層37を有する保護フィルム31aは、そのヘイズ値が0.1〜45%の範囲、さらには5〜40%の範囲となるようにすることが好ましい。ヘイズ値が45%より大きな領域になると、外光の映り込みは低減できるものの、黒表示の画面のしまりが低下してしまう。また、ヘイズ値が0.1%を下回ると、十分な防眩性能が得られず、外光が画面に映り込むので、好ましくない。ここで、ヘイズ値は、JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘイズの求め方」に従って求められる。
【0041】
微細な表面凹凸形状を有するハードコート層は、樹脂フィルムの表面に、有機微粒子又は無機微粒子を含有する塗膜を形成する方法や、有機微粒子又は無機微粒子を含有するか又は含有しない塗膜を形成した後、凹凸形状を付与したロールに押し当てる方法、例えばエンボス法などによって、形成することができる。このような塗膜は、例えば、樹脂フィルムの表面に、硬化性樹脂からなるバインダー成分と有機微粒子又は無機微粒子とを含有する塗布液(硬化性樹脂組成物)を塗布する方法などによって、形成できる。
【0042】
保護フィルム31aには、ハードコート層を兼ねる前記の防眩処理(ヘイズ付与処理)のほか反射防止層、帯電防止処理や、防汚処理、又は抗菌処理のような、各種の追加の表面処理が施されていてもよく、液晶性化合物やその高分子量化合物などからなるコート層が形成されていてもよい。特に、表面の外光の反射率が3%以下の反射防止層が形成されている場合、10000Lux以上でも視認性を損なわないようにできるため好ましく用いられる。なお、帯電防止機能は、表面処理以外でも、例えば粘着剤層など、偏光板の他の部分に付与してもよい。
【0043】
[保護フィルム31b,51b]
保護フィルム31b,51bを形成する材料としては、位相差値の制御が容易で、入手も容易であることから、セルロース系樹脂もしくは環状ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0044】
セルロース系樹脂は、セルロースの水酸基における水素原子の一部又は全部が、アセチル基、プロピオニル基及び/又はブチリル基で置換された、セルロースの有機酸エステル又は混合有機酸エステルでありうる。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、それらの混合エステルなどからなるものが挙げられる。なかでも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが好ましい。
【0045】
環状ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ノルボルネン及び他のシクロペンタジエン誘導体のような環状オレフィンモノマーを、触媒の存在下に重合して得られるものである。このような環状ポリオレフィン系樹脂を用いると、後述する所定の位相差値を有する保護フィルムが得られやすい。
【0046】
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、シクロペンタジエンとオレフィン類又は(メタ)アクリル酸若しくはそのエステル類とから、ディールス・アルダー反応によって得られるノルボルネン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ジシクロペンタジエンとオレフィン類又は(メタ)アクリル酸若しくはそのエステル類とからディールス・アルダー反応によって得られるテトラシクロドデセン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、それらの誘導体、及びその他の環状オレフィンモノマーから選ばれる少なくとも2種のモノマーを同様に開環メタセシス共重合し、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はそれらの誘導体のような環状オレフィンに、鎖状オレフィン及び/又はビニル基を有する芳香族化合物を付加共重合させて得られる樹脂などが挙げられる。
【0047】
以上のような樹脂からフィルムを製膜する方法としては、任意の最適な方法を適宜選択すればよい。例えば、溶剤に溶解させた樹脂を、金属製のバンド又はドラムに流延し、溶剤を乾燥除去してフィルムを得る溶剤キャスト法、樹脂をその溶融温度以上に加熱し、混練してダイから押し出し、冷却することによりフィルムを得る溶融押出法などが使用できる。溶融押出法では、単層フィルムを押し出すこともできるし、多層フィルムを同時押出することもできる。
【0048】
保護フィルム31b,51bによる偏光解消で偏光板の偏光度が低下するのを抑制するために、保護フィルム31b,51bは、厚み方向の位相差値Rthが10nm以下であることが好ましい。厚み方向の位相差値Rthは、面内の平均屈折率から厚み方向の屈折率を差し引いた値にフィルムの厚みを乗じて得られる値であって、下記式(a)で定義される。また、面内の位相差値Reは、10nm以下であることが好ましい。面内の位相差値Reは、面内の屈折率差にフィルムの厚みを乗じて得られる値であって、下記式(b)で定義される。
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (a)
Re=(nx−ny)×d (b)
【0049】
式中、nxはフィルム面内のx軸方向(面内遅相軸方向)の屈折率であり、nyはフィルム面内のy軸方向(面内進相軸方向であって、面内でx軸に直交する方向)の屈折率であり、nz はフィルム面に垂直なz軸方向(厚み方向)の屈折率であり、そしてdはフィルムの厚さである。
【0050】
ここで、位相差値は、可視光の中心付近である500〜650nm程度の範囲で任意の波長における値でありうるが、本明細書では波長590nmにおける位相差値を標準とする。厚み方向の位相差値Rth及び面内の位相差値Reは、市販の各種位相差計を用いて測定することができる。
【0051】
樹脂フィルムの面内及び厚み方向の位相差値Rthを10nm以下の範囲内に制御する方法としては、フィルムを作製するときに、面内及び厚み方向に残留するゆがみを極力小さくする方法が挙げられる。例えば、上記溶剤キャスト法においては、その流延樹脂溶液を乾燥するときに生じる面内及び厚み方向の残留収縮歪みを、熱処理によって緩和させる方法などが採用できる。一方、上記溶融押出法においては、樹脂フィルムをダイから押し出し、冷却するまでの間に延伸されることを防ぐため、ダイから冷却ドラムまでの距離を極力縮めるとともに、押出し量と冷却ドラムの回転速度をフィルムが延伸されないよう制御する方法などが採用できる。また、溶剤キャスト法と同様に、得られたフィルムに残留する歪みを熱処理によって緩和させる方法も採用できる。
【0052】
[位相差フィルム36]
位相差フィルム36は、主に斜め視野での偏光板の光漏れを改善するために用いるものである。用いる位相差フィルムとしては、公知のものを使用することができるが、例えば、特許5569773号で開示されている波長590nmにおけるReが30〜150nmであり、下記式(c)で定義されるNz係数が、1を超え、2未満の屈折率異方性を有する第1の位相差フィルムと、波長590nmにおけるReが20〜120nmであり、Nz係数が−2を超え、−0.5未満の屈折率異方性を有する第2の位相差フィルムを積層した積層位相差フィルム、特許5391818号で開示されている波長590nmにおけるReが100〜300nmであり、Nz係数が0.1〜0.7である位相差フィルム、特許3880996号で開示されている波長590nmにおけるRe=50〜210nmであり、Nz係数が略1(0.8〜1.2)である第1の位相差フィルムと、波長590nmにおけるReが略ゼロ(0nm〜20nm)であり、Rthが−500〜−10nmである第2の位相差フィルムを積層した積層位相差フィルム、特許4907993号や特許5383594号で開示されているNz係数が1以上である第1の位相差フィルムと、波長590nmにおけるReが略ゼロであり、Rthが負の値を持つ第2の位相差フィルムを積層した積層位相差フィルムなどを用いることができる。

Nz=Rth/Re+0.5 (c)
【0053】
前記位相差フィルム36は、その遅相軸を偏光子32または52の吸収軸と略直交または略垂直に配置すればよい。この様な配置とすることで、偏光板の光漏れを効果的に抑制することができる。
【0054】
[ポジティブAプレート34]
ポジティブAプレートは、屈折率で表すとnx>ny≒nzの関係を有する位相差フィルムであることができる。ny≒nzは、nyとnzとが完全に等しい場合に加え、nyとnzとが実質的に等しい場合も包含する。具体的には、nyとnzとの差の大きさが0.005以内であれば、nyとnzとが実質的に等しいと言うことができる。ポジティブAプレートとしては、λ/4板が挙げられる。ポジティブAプレート34としては、特に、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる材料で構成することが好ましい。ポジティブAプレートの材料としては、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂等のセルロース系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;液晶組成物;又はこれらの混合物、共重合物等を挙げることができる。この中でも、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂及び液晶組成物からなるフィルムが正の波長分散性を持つことから好ましく用いられる。また、環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムも、ほぼフラットな波長分散性を持つことから好ましく用いられる。
【0055】
ここで、正の波長分散性とは、下記式(d)を満たすことをいう。()内の数字は、位相差値の測定波長(単位nm)である。

Re(450)>Re(590)>Re(650) (d)
【0056】
ここで、フラットな波長分散性とは、下記式(e)を満たすことをいう。()内の数字は、位相差値の測定波長(単位nm)である。≒は、Re(590)との相対的な差が10%以下であることを表す。

Re(450)≒Re(590)≒Re(650) (e)
【0057】
また、本発明でλ/4板の位相差値としては、測定波長590nmにおいて、位相差値Reが120nm〜160nmであることができる。
【0058】
また、本発明でλ/4板のNz係数は、ポリカーボネート系樹脂または液晶組成物からなるフィルムを用いる場合には、0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.95〜1.05の範囲である。ポリスチレン系樹脂からなるフィルムを用いる場合には、Nz係数が、−0.5〜0.5の範囲であることが好ましい。より好ましくは、−0.2〜0.2の範囲である。環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを用いる場合には、0.8〜2.0の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.95〜1.8の範囲である。
【0059】
ポジティブAプレートには、透明性を損なわない範囲で、適宜の添加物が配合されていてもよい。添加物として例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、位相差低減剤、安定剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび剤などを挙げることができる。これらの添加物は、複数種が併用されてもよい。
【0060】
ポリカーボネート系樹脂としては、芳香族ポリカーボネートを指す。ポリカーボネート系樹脂は、たとえば、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融エステル交換法により反応させる方法;カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させる方法;および、環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させる方法などで得ることができる。
【0061】
以上のような樹脂からフィルムを製膜する方法としては、任意の最適な方法を適宜選択すればよい。例えば、溶剤に溶解させた樹脂を、金属製のバンド又はドラムに流延し、溶剤を乾燥除去してフィルムを得る溶剤キャスト法、樹脂をその溶融温度以上に加熱し、混練してダイから押し出し、冷却することによりフィルムを得る溶融押出法などが使用できる。溶融押出法では、単層フィルムを押し出すこともできるし、多層フィルムを同時押出することもできる。
【0062】
こうして製膜したフィルムに所定の位相差値を付与するために延伸処理を行うことが好ましい。延伸は、一軸延伸/逐次二軸延伸/同時二軸延伸など任意の最適な延伸方法を採用できる。
【0063】
液晶組成物は、好ましくは、その液晶相がネマチック相である(ネマチック液晶)。液晶材料の液晶性の発現機構は、リオトロピックであってもよいし、サーモトロピックであってもよい。液晶材料の配向状態は、好ましくは、ホモジニアス配向である。液晶材料としては、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが使用可能である。液晶ポリマーおよび液晶モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
【0064】
ポジティブAプレートは、好ましくは、液晶材料の硬化層である。具体的には、液晶材料が液晶性モノマーである場合、重合性モノマーおよび/または架橋性モノマーであることが好ましい。液晶性モノマーを重合または架橋させることで、液晶性モノマーの配向状態を固定できるためである。液晶性モノマーを配向させた後に、例えば、液晶性モノマー同士を重合または架橋させれば、それによって上記配向状態を固定することができる。ここで、重合によりポリマーが形成され、架橋により3次元網目構造が形成されることとなるが、これらは非液晶性である。したがって、形成された位相差層は、例えば、液晶性化合物に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。その結果、位相差層は、温度変化に影響されない、極めて安定性に優れた層となり得る。
【0065】
上記液晶モノマーとしては、任意の適切な液晶モノマーが採用され得る。例えば、特表2002−533742(WO00/37585)、EP358208(US5211877)、EP66137(US4388453)、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、およびGB2280445等に記載の重合性メソゲン化合物等が使用できる。このような重合性メソゲン化合物の具体例としては、例えば、BASF社の商品名LC242、Merck社の商品名E7、Wacker−Chem社の商品名LC−Sillicon−CC3767が挙げられる。
【0066】
液晶モノマーが液晶性を示す温度範囲は、その種類に応じて異なる。具体的には、当該温度範囲は、好ましくは40〜120℃であり、さらに好ましくは50〜100℃であり、最も好ましくは60〜90℃である。
【0067】
液晶硬化層は、λ/4板として最も適切に機能し得るように設定され得る。言い換えれば、厚みは、所望の光学特性が得られるように設定され得る。液晶硬化層の厚みは、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.5〜8μm、特に好ましくは0.5〜5μmである。
【0068】
液晶組成物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムを作製する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの基材フィルムの表面に配向処理を施し、当該表面に上記液晶組成物を塗工して液晶硬化層を形成する方法が挙げられる。配向処理としては、任意の適切な配向処理を採用し得る。具体的には、機械的な配向処理、物理的な配向処理、化学的な配向処理が挙げられる。機械的な配向処理の具体例としては、ラビング処理、延伸処理が挙げられる。物理的な配向処理の具体例としては、磁場配向処理、電場配向処理が挙げられる。化学的な配向処理の具体例としては、斜方蒸着法、光配向処理が挙げられる。好ましくはラビング処理である。配向処理は、基材フィルム表面に直接施してもよく、基材フィルム上に任意の適切な配向膜(代表的には、シランカップリング剤層、ポリビニルアルコール層またはポリイミド層)を形成して当該配向膜に施してもよい。ラビング処理を施す場合、基材フィルム表面に直接施すのが好ましい。
【0069】
上記配向処理の配向方向は、上記所望の角度に応じて設定し得る。配向処理を行うことにより、基材フィルムの配向方向に応じて液晶材料が配向し得るので、形成された液晶硬化層の遅相軸は、基材フィルムの配向方向と実質的に同一となる。したがって、例えば、偏光子32(長尺状)が、その長手方向に吸収軸を有する場合、基板(長尺状)の長手方向に対して角度が略135°の方向に配向処理を施す。このようにして液晶硬化層を形成することにより、偏光子32(偏光板)とポジティブAプレート34とをロールツーロールで連続的に積層し得る。その結果、製造工程を格段に短縮することができる。
【0070】
上記液晶組成物は、代表的には、上記液晶材料を溶媒に溶解または分散させて得られ得る。溶媒としては、液晶材料の種類等に応じて、任意の適切な溶媒を採用し得る。具体例としては、トルエン、キシレン、メシチレン、MEK、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチルセロソルブである。これらの溶媒は、単独で、または2種類以上を組み合わせて用い得る。
【0071】
上記液晶組成物における液晶材料の含有量は、液晶材料の種類や目的とする層の厚み等に応じて、適宜設定し得る。液晶材料の含有量は、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、最も好ましくは15〜30重量%である。
【0072】
上記液晶組成物は、必要に応じて、任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、重合開始剤や架橋剤が挙げられる。これらは、液晶材料として液晶モノマーを用いる場合に特に好適に用いられる。重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。架橋剤の具体例としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤等が挙げられる。これらは、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いられ得る。さらに、添加剤の具体例としては、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線遮断剤等が挙げられる。これらは、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いられ得る。老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類やアルコール類が挙げられる。界面活性剤は、例えば、光学フィルムの表面を平滑にするために用いられ、具体例としては、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。
【0073】
上記液晶組成物の塗工方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。具体例としては、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等が挙げられる。液晶組成物の塗工量は、塗工液の濃度や目的とする層の厚み等に応じて、適宜設定し得る。例えば、液晶組成物の液晶材料濃度が20重量%である場合、塗工量は、透明保護フィルムの面積(100cm)当たり、好ましくは0.03〜0.17ml、さらに好ましくは0.05〜0.15ml、最も好ましくは0.08〜0.12mlである。
【0074】
次いで、上記基材フィルム表面の配向方向に応じて、上記液晶材料を配向させる。液晶材料の配向は、使用する液晶材料が液晶相を示す温度で処理することにより行われる。このような温度処理を行うことにより、液晶材料が液晶状態をとり、基板表面の配向方向に応じて当該液晶材料が配向する。これによって、塗工により形成された層(塗工層)に複屈折性が生じ、液晶硬化層が形成される。
【0075】
上記温度処理の温度は、液晶材料の種類に応じて適宜決定し得る。好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃、最も好ましくは60〜90℃である。また、温度処理の処理時間は、好ましくは30秒以上、さらに好ましくは1分以上、特に好ましくは2分以上、最も好ましくは4分以上である。処理時間が30秒未満である場合、液晶材料が十分に液晶状態をとらない場合がある。一方、処理時間は、好ましくは10分以下、さらに好ましくは8分以下、最も好ましくは7分以下である。処理時間が10分を超えると、添加剤が昇華するおそれがある。
【0076】
液晶材料として液晶モノマーを用いる場合、上記塗工層に、さらに重合処理または架橋処理を施すことが好ましい。重合処理を行うことにより、液晶モノマーが重合し、液晶モノマーがポリマー分子の繰り返し単位として固定される。架橋処理を行うことにより、液晶モノマーが3次元の網目構造を形成し、液晶モノマーが架橋構造の一部として固定される。結果として、液晶材料の配向状態が固定される。なお、液晶モノマーが重合または架橋して形成されるポリマーまたは3次元網目構造は、「非液晶性」である。したがって、形成された位相差層は、例えば、液晶分子に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。重合処理または架橋処理の具体的手順は、使用する重合開始剤や架橋剤の種類によって適宜選択し得る。例えば、光重合開始剤または光架橋剤を使用する場合には光照射を行えばよく、紫外線重合開始剤または紫外線架橋剤を使用する場合には紫外線照射を行えばよい。光または紫外線の照射時間、照射強度、合計の照射量等は、液晶材料の種類、基板の種類および配向処理の種類、液晶硬化層に所望される特性等に応じて適宜設定し得る。
【0077】
スチレン系樹脂は、屈折率の関係式nz>nx≧nyを満たす点で望ましいが、その脆さのため単独での使用は不向きである。このため、本発明では、スチレン系樹脂からなるコア層の両面にゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層が形成された3層構造からなる位相差フィルムを適用することが好ましい。
【0078】
コア層を構成するスチレン系樹脂は、スチレン又はその誘導体の単独重合体であることができるほか、スチレン若しくはその誘導体と他の共重合性モノマーとの、二元又はそれ以上の共重合体であることもできる。ここで、スチレン誘導体とは、スチレンに他の基が結合した化合物であって、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンのようなアルキルスチレンや、ヒドロキシスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニル安息香酸、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンのような、スチレンのベンゼン核に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲンなどが導入された置換スチレンなどが挙げられる。特開2003−90912号公報や特開2004−167823号公報に開示されるような三元共重合体も、用いることができる。スチレン系樹脂は、スチレン又はスチレン誘導体と、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタジエンから選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることが好ましい。コア層のスチレン系樹脂は、耐熱性のもので構成するのが好ましく、一般にそのTgは100℃以上である。スチレン系樹脂のより好ましいTgは、120℃以上である。
【0079】
スチレン系樹脂からなるコア層は、その厚みが10〜100μmとなるように設定することが望ましい。その厚みが10μm未満では、延伸によって十分な位相差値が発現しにくいことがある。一方、その厚みが100μmを越えると、フィルムの衝撃強度が弱くなりやすいとともに、外部応力による位相差値変化が大きくなる傾向にあり、液晶表示装置に適用したときに白抜けなどが発生しやすくなり、表示性能が低下しやすい。
【0080】
前記のスチレン系樹脂からなるコア層の両面に配置されるスキン層は、(メタ)アクリル系樹脂にゴム粒子が配合されている(メタ)アクリル系樹脂組成物からなる。
ここで(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステルの単独重合体や、メタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体などが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルとして具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルなどが、またアクリル酸アルキルエステルとして具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルなどが挙げられる。このような(メタ)アクリル系樹脂には、汎用の(メタ)アクリル系樹脂として市販されているものが使用できる。なお、(メタ)アクリル系樹脂の中には、耐衝撃(メタ)アクリル系樹脂と呼ばれるもの、また、主鎖中にグルタル酸無水物構造やラクトン環構造を有する高耐熱(メタ)アクリル系樹脂と呼ばれるものも含まれる。
【0081】
(メタ)アクリル系樹脂に配合されるゴム粒子は、アクリル系のものが好ましい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルのようなアクリル酸アルキルエステルを主成分とし、多官能モノマーの存在下に重合させて得られるゴム弾性を有する粒子である。このようなゴム弾性を有する粒子が単層で形成されたものでもよいし、ゴム弾性層を少なくとも1層有する多層構造体であってもよい。多層構造のアクリル系ゴム粒子としては、前記のようなゴム弾性を有する粒子を核とし、その周りを硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体で覆ったもの、硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体を核とし、その周りを前記のようなゴム弾性を有するアクリル系重合体で覆ったもの、また硬質の核の周りを、ゴム弾性を有するアクリル系重合体で覆い、さらにその周りを硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体で覆ったものなどが挙げられる。これらのゴム粒子は、弾性層で形成される粒子の平均直径が通常50〜400nm程度の範囲にある。
【0082】
スキン層を構成する(メタ)アクリル系樹脂組成物における前記ゴム粒子の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部あたり、通常5〜50重量部程度である。(メタ)アクリル系樹脂およびアクリル系ゴム粒子は、それらを混合した状態で市販されているので、その市販品を用いることができる。アクリル系ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂の市販品の例として、住友化学株式会社から販売されている“HT55X”や“テクノロイ(登録商標)S001”などが挙げられる。このような(メタ)アクリル系樹脂組成物は、一般に160℃以下のTgを有するが、その好ましいTgは120℃以下、さらには110℃以下である。
【0083】
ゴム粒子、好ましくはアクリル系ゴム粒子、が配合された(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層は、その厚みが10〜100μmとなるようにすることが望ましい。その厚みを10μm未満にしようとすると、製膜が難しくなる傾向にある。一方、厚みが100μmを越えると、この(メタ)アクリル系樹脂層の位相差値が無視できなくなる傾向にある。
【0084】
前記のとおり、本発明で使用する位相差フィルムにおいて、スチレン系樹脂からなるコア層は、そのTgが120℃以上であるのが好ましく、一方、ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層は、そのTgが120℃以下、さらには110℃以下であるのが好ましい。両者のTgが重ならず、スチレン系樹脂からなるコア層のほうが、ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層よりも高いTgを有するようにするのが好ましい。
【0085】
本発明に使用される位相差フィルムを製造するには、例えば、スチレン系樹脂と、ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂組成物とを共押出し、その後延伸すればよい。その他、それぞれ単層のフィルムを作製した後で、ヒートラミネーションにより熱融着させ、それを延伸する方法も可能である。
【0086】
この位相差フィルムにおいては、スチレン系樹脂からなるコア層の両面に、ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層が形成された3層構造とされる。この3層構造において、両面に配置されるスキン層は通常、ほぼ同じ厚みとされる。このように3層構造とすることにより、ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層が保護層として働き、機械強度や耐薬品性に優れたものとなる。
【0087】
以上のように構成される位相差フィルムは、延伸により面内位相差が付与される。延伸は、公知の縦一軸延伸やテンター横一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸などで行うことができ、所望とする位相差値が得られるように延伸すればよい。
【0088】
例えば、偏光子32(長尺状)が、その長手方向に吸収軸を有する場合、遅相軸が略45°の方向になるように延伸処理を施す。こうすることで、偏光子32(偏光板)とλ/4板34とをロールツーロールで連続的に積層し得る。その結果、製造工程を格段に短縮することができる。
【0089】
環状ポリオレフィン系樹脂としては、前述したものと同じものを用いればよい。位相差フィルムとして用いる場合は、延伸により面内位相差が付与される。延伸は、公知の縦一軸延伸やテンター横一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸などで行うことができ、所望とする位相差値が得られるように延伸すればよい。
【0090】
例えば、偏光子32(長尺状)が、その長手方向に吸収軸を有する場合、遅相軸が略45°の方向になるように延伸処理を施す。こうすることで、偏光子32(偏光板)とポジティブAプレート34とをロールツーロールで連続的に積層し得る。その結果、製造工程を格段に短縮することができる。
【0091】
[ポジティブCプレート35]
本発明において、Nz係数が0.5以上のλ/4板34を用いる場合には、さらにポジティブCプレートを用いることが好ましい。
【0092】
本発明で用いるポジティブCプレートとは、nxとnyが実質的に等しい正の一軸性でフィルム法線方向に光学軸を有する位相差フィルムをいう。屈折率で表すと、nx≒ny<nzの関係性を持つ位相差フィルムである。nx≒nyは、nxとnyとが完全に等しい場合に加え、nxとnyとが実質的に等しい場合も包含する。具体的には、nxとnyとの差の大きさが0.005以内であれば、nxとnyとが実質的に等しいと言うことができる。
【0093】
ポジティブCプレート35は、波長590nmにおいて面内位相差値Reが20nm以下であるのが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。また厚み方向の位相差値Rthについては、波長590nmにおいて−50nm〜−250nmnmであることが好ましく。より好ましくは、−70nm〜−200nmである。
【0094】
ポジティブCプレート35は、前記光学特性を有する限り、その材料及び形態については特に制限されない。例えば、複屈折ポリマーフイルムからなる位相差膜、及び透明支持体上に低分子あるいは高分子液晶性化合物を塗布もしくは転写することによって形成された位相差層を有する位相差膜など、いずれも使用することができる。また、それぞれを積層して使用することもできる。
【0095】
上記光学特性を有する複屈折ポリマーフイルムからなる位相差フィルムは、熱収縮性のフィルムを貼り合わせて加熱しながら所定の張力を加え高分子フィルムを膜の厚さ方向に延伸する方法や、ビニルカルバゾール系高分子を塗布して乾燥させる方法で容易に形成できる。また、上記光学特性を有する液晶性化合物から形成された位相差層としては、キラル構造単位を含んだコレステリックディスコチック液晶化合物を、その螺旋軸を基板に略垂直に配向させたのち固定化して形成した層、屈折率異方性が正の棒状液晶化合物を基板に略垂直に配向させたのち固定化して形成した層などを例示することができる。棒状液晶化合物は低分子化合物であってもよく、高分子化合物であってもよい。さらに、一の位相差層のみならず複数の位相差層を積層して、上記光学特性を示す位相差層を構成することもできる。また、支持体と位相差層との積層体全体で上記光学特性を満たすようにして、位相差層を構成してもよい。用いる棒状液晶化合物としては、配向固定させる温度範囲で、ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、リオトロピック液晶相状態をとるものが好適に用いられる。揺らぎの無い均一な垂直配向が得られるスメクチックA 相、B 相を示す液晶が好ましい。これらの相は複屈折がネマチック液晶相に比べて大きく、膜の厚みを薄く出来る点でも好ましい。特にまた、添加剤の存在下において、適切な配向温度範囲で、上記液晶状態となる棒状液晶性化合物については、該添加剤と棒状液晶性化合物を含有する組成物を用いて層を形成するのも好ましい。
【0096】
前記棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。液晶分子には活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが好適に用いられる。その部分構造の個数は1〜6個、好ましくは1〜3個である。
【0097】
棒状液晶性化合物を配向状態に固定して形成された位相差層を含む場合は、棒状液晶性化合物を実質的に垂直配向させて、その状態に固定して形成した位相差層を用いるのが好ましい。実質的に垂直とは、フィルム面と棒状液晶性化合物のダイレクターとのなす角度が70°〜90°の範囲内であることを意味する。これらの液晶性化合物は斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、80°〜90°がより好ましく、85°〜90°が最も好ましい。
【0098】
棒状液晶性化合物から形成された位相差層は、液晶材料を用いたポジティブAプレートの製造方法と同様に、液晶組成物を塗布・配向して光学異方性を発現させ、硬化させることにより製造することができる。
【0099】
本発明では、液晶性化合物から形成されたポジティブCプレート層を、前記ポジティブAプレート上に重ねて形成してもよい。
【0100】
[輝度向上フィルム61]
輝度向上フィルム61は、反射型偏光子とも呼ばれるものであり、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光又は散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。上述のように、輝度向上フィルム61を偏光板50上に配置することにより、反射偏光又は散乱偏光である再帰光を利用して、偏光板50から出射される直線偏光の出射効率を向上させることができる。
【0101】
輝度向上フィルム61は、例えば異方性反射偏光子であることができる。異方性反射偏光子の一例は、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜であり、その具体例は3M製のDBEFである(特開平4−268505号公報等)。異方性反射偏光子の他の一例は、コレステリック液晶層とλ/4板との複合体であり、その具体例は日東電工製のPCFである(特開平11−231130号公報等)。異方性反射偏光子のさらに他の一例は、反射グリッド偏光子であり、その具体例は、金属に微細加工を施して可視光領域でも反射偏光を出射するような金属格子反射偏光子(米国特許第6288840号明細書等)、金属微粒子を高分子マトリックス中に添加して延伸したフィルム(特開平8−184701号公報)である。
【0102】
輝度向上フィルム61における偏光板50とは反対側の面に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、1/4波長の位相差値を持つ位相差層のような光学層を設けてもよい。光学層の形成により、バックライトテープとの密着性や表示画像の均一性を向上させ得る。輝度向上フィルム61の厚みは、10〜100μm程度であることができるが、偏光板の薄膜化の観点から、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
【0103】
[各層の接着]
本発明の偏光板を構成する各部材間には、任意の適切な粘着剤層または接着剤層が設けられる。例えば、液晶セルに偏光板を貼合するために粘着剤層が設けられる。
【0104】
[液晶セル]
液晶セルは、一対の基板と、基板の間に挟持された表示媒体としての液晶層とを有する。一方の基板(カラーフィルター基板)には、カラーフィルターおよびブラックマトリクスが設けられている。他方の基板(アクティブマトリクス基板)には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的にはTFT)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線と、画素電極とが設けられている。なお、カラーフィルターは、アクティブマトリクス基板側に設けてもよい。上記基板の間隔(セルギャップ)は、スペーサーによって制御されている。上記基板間の液晶層と接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜が設けられている。
【0105】
本発明では、上記液晶セルの駆動モードとしては、波長590nmにおける面内位相差値が100〜200nmのIPS(In−Plane Switching)モードが採用される。このようにλ/4波長に近しい正面位相差値とすることで、視認側偏光板に円偏光板を配置することが可能となり外光の反射を大幅に低下することができるようになる。
【0106】
液晶セルの面内位相差を波長590nmにおいて100nm〜200nmにする方法としては、液晶セルの液晶の厚みを調整する方法が挙げられる。例えば、液晶セルの液晶の厚みを1〜2μm程度に調整することで所望の面内位相差値を持つ液晶セルを作製することができる。
【0107】
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶パネルを備える。液晶パネルは、上記液晶セルに上記偏光板のセットが貼合されている。本発明の偏光板のセットは、特に、外光が強い屋外でも視認性に優れることから中小型用の液晶表示装置に好適に用いられる。中小型用に用いる場合、偏光板のセットを構成する視認側偏光板および背面側偏光板の大きさは、対角15インチ以下であることができる。
【0108】
図2を参照して本発明の液晶表示装置の軸構成について説明する。説明の便宜上、本発明で用いる液晶セルの初期配向方向を0°と定義し、視認側偏光板10から背面側偏光板20を見たときに、そこから反時計回りの角度を正と定義して説明する。ポジティブAプレート34の遅相軸は、略90°に配置する。さらに視認側偏光板10の吸収軸は略−45°に背面側偏光板20の吸収軸は略45°に配置することが好ましい。位相差フィルム36の遅相軸は、−45°または45°に配置する。ここで略何°と記載した場合には、その値±5°の範囲内にあることを示す。
【0109】
換言すれば、視認側偏光板の吸収軸と及び背面側偏光板の吸収軸は直交している。視認側偏光板の吸収軸とポジティブAプレートの遅相軸とのなす角が略45°である。視認側偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角が略平行または略直交である。
【0110】
本発明で、液晶セルの初期配向方向とは、液晶セルに駆動電圧をかけない初期状態での液晶分子の配向方向を意味する。
【実施例】
【0111】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す部及び%は、特記ないかぎり重量基準である。また、角度については、反時計回りを正とする。位相差値は、特記ない限り波長590nmにおける値を意味する。なお、以下の例における各物性の測定は、次の方法で行った。
【0112】
(1)厚さの測定:
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーター“MH-15M”を用いて測定した。
【0113】
(2)面内位相差値及び厚み方向位相差値の測定:
王子計測機器株式会社製の平行ニコル回転法を原理とする位相差計“KOBRA(登録商標)-WPR”を用い、23℃の温度において、各波長での面内位相差値及び厚み方向位相差値を測定した。
【0114】
[製造例1]偏光子の作製
厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約4倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.052/5.7/100の水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が11.0/6.2/100の水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み12μmの吸収型偏光子を得た。得られた偏光子の吸収軸方向の収縮力を測定したところ、幅2mmあたり2.0Nであった。
【0115】
[製造例2]水系接着剤の作製
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔株式会社クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3重量部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業株式会社から入手した商品名「スミレーズレジン(登録商標) 650(30)」、固形分濃度30重量%の水溶液〕を1.5重量部添加して、水系接着剤を調製した。
【0116】
[粘着剤A,B]
以下の2種類の粘着剤
粘着剤A:厚み25μmのシート状粘着剤〔リンテック株式会社製の「P−3132」〕
粘着剤B:厚み5μmのシート状粘着剤〔リンテック株式会社製の「NCF #L2」〕
を用意した。
【0117】
[保護フィルムA、B、C、D]
以下の4種類の保護フィルムを用意した。
保護フィルムA:株式会社トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム製のハードコート層付きトリアセチルセルロースフィルム;25KCHCN−TC(厚み32μm)
保護フィルムB:コニカミノルタ株式会社製のトリアセチルセルロースフィルム;KC2UA(厚み25μm)
保護フィルムC:日本ゼオン株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム;ZF14−013(厚み13μm、面内位相差値0.8nm、厚み方向位相差値3.4nm)
保護フィルムD:株式会社トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム製の反射防止フィルム;40KSPLR(厚み44μm、JIS−Z8701−1982準拠によるY値1.1%)
【0118】
[輝度向上フィルムA]
以下の輝度向上フィルムを用意した。
輝度向上フィルムA:3M製の商品名” Advanced Polarized Film, Version 3(厚み26μm)
【0119】
[位相差フィルムの作製]
位相差フィルム1:日本ゼオン株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム;ZT12シリーズ(面内位相差値90.2nm、厚み方向の位相差値79nm)および位相差フィルム2:日本ゼオン株式会社製のスチレン系樹脂含有フィルム;ZI04シリーズ(面内位相差値60.7nm、厚み方向の位相差値−91.1nm)を準備した。位相差フィルム1に粘着剤Bを貼合した。この際、位相差フィルム1および粘着剤Bの貼合面にコロナ処理を行った。次いで、粘着剤Bの位相差フィルム1が積層された面とは反対の面に位相差フィルム2を貼合した。この際にも、位相差フィルム2および粘着剤Bの貼合面にコロナ処理を行った。貼合に際しては、位相差フィルム1と位相差フィルム2の遅相軸が平行となるように積層した。こうして位相差フィルムを作製した。
【0120】
[λ/4板1の作製]
基材フィルム(トリアセチルセルロースフィルム、厚み80μm)の表面にポリビニルアルコール膜(厚み0.1μm)を形成した。ラビング布を用いて、基板の長手方向に対して−45°の方向にポリビニルアルコール膜表面をラビング処理して配向膜を備えた基材フィルムを作製した。
【0121】
次に、ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製、商品名PaliocolorLC242)10gと、当該重合性液晶化合物に対する光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名イルガキュア907、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤1%含有)0.5gとを、トルエン40gに溶解して、塗工液を調製した。そして、上記で得られた配向膜の表面に、当該塗工液をバーコーターにより塗工した後、90℃で2分間加熱乾燥することによって液晶を配向させた。このようにして形成された液晶層に、メタルハライドランプを用いて20mJ/cmの光を照射し、当該液晶層を硬化させることによって、配向膜上に位相差層を形成した。得られた位相差層の厚みは1μmであり、面内位相差値Re(590)は139.8nmであった。
【0122】
[λ/4板2の作製]
スチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂〔ノヴァケミカル社製の“ダイラーク(登録商標)D332”(Tg=131℃)〕をコア層とし、平均粒径200μmのアクリル系ゴム粒子が約20%配合されているメタクリル系樹脂〔住友化学株式会社製の“テクノロイ(登録商標)(登録商標)S001”に使用されている樹脂(Tg=105℃)〕をスキン層として、3層共押出を行い、コア層の厚みが60μmで、その両面に各々厚みが72μmのスキン層が形成された樹脂3層フィルムを得た。この樹脂3層フィルムを142℃で2倍に延伸して、面内位相差値が140nm、Nz係数が0.0である負の位相差フィルムを得た。
【0123】
[λ/4板3,4]
λ/4板3として、日本ゼオン株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム;ZD12シリーズ(面内位相差値が140.1nm、Nz係数が1.1)のフィルムを準備した。
λ/4板4として、日本ゼオン株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム;ZD12シリーズ(面内位相差値が140.8nm、Nz係数が1.62)のフィルムを準備した。
【0124】
[ポジティブCプレート1の作製]
基材フィルム(トリアセチルセルロースフィルム、厚み80μm)の表面に市販の垂直配向膜(JALS−204R、日本合成ゴム株式会社製)をメチルエチルケトンで1:1に希釈したのち、ワイヤーバーコーターで塗布した(塗布量2.4ml/m2)。塗布膜を直ちに、120℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を得た。
【0125】
次に、下記の棒状液晶化合物3.8g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬株式会社製)0.02g 、下記の空気界面側垂直配向剤0.002gを9.2gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を調製した。この溶液を配向膜上に、ワイヤーバーで塗布し、100℃で2分間加熱し、棒状液晶化合物を配向させた。次に、80℃で120W/cm高圧水銀灯により、20秒間UV照射し、棒状液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷してポジティブCプレートの特性を持つ位相差層を作製した。得られた位相差層の厚みは0.6μmであり、厚み方向の位相差値Rth(590)は−109.4nmであった。
【0126】
棒状液晶化合物:
【0127】
空気界面側垂直配向剤:
特願2003−119959号記載の例示化合物(II−4)
【0128】
[ポジティブCプレート2〜8の作製]
ポジティブCプレート1と同様にポジティブCプレート2〜8を作製した。位相差値は、厚みを調整することで制御した。

ポジティブCプレート2の厚み方向の位相差値Rth(590)=−91.2nm、
ポジティブCプレート3の厚み方向の位相差値Rth(590)=−69.1nm、
ポジティブCプレート4の厚み方向の位相差値Rth(590)=−99.2nm、
ポジティブCプレート5の厚み方向の位相差値Rth(590)=−122.6nm、
ポジティブCプレート6の厚み方向の位相差値Rth(590)=−161.4nm、
ポジティブCプレート7の厚み方向の位相差値Rth(590)=−180.1nm、
ポジティブCプレート8の厚み方向の位相差値Rth(590)=−203.7nm、
【0129】
[偏光板Aの作製]
保護フィルムAにケン化処理を行い、保護フィルムCの偏光子との貼合面にコロナ処理を行った。保護フィルムAのトリアセチルセルロース面及び保護フィルムCのコロナ処理をした面が偏光子との貼合面となるように、保護フィルムAと偏光子と保護フィルムCとを水系接着剤で接着し偏光板Aを得た。偏光板Aの層構成は、保護フィルムA/偏光子/保護フィルムCであった。
【0130】
[偏光板Bの作製]
保護フィルムBにケン化処理を行い、保護フィルムCの偏光子との貼合面にコロナ処理を行った。保護フィルムB及び保護フィルムCのコロナ処理をした面が偏光子との貼合面となるように、保護フィルムBと偏光子と保護フィルムCとを水系接着剤で接着した。保護フィルムB側に粘着剤Bを貼合した。この際、保護フィルムBおよび粘着剤Bの貼合面にコロナ処理を行った。最後に、粘着剤B面に輝度向上フィルムAを貼合し偏光板Bを得た。偏光板Bの層構成は、保護フィルムC/偏光子/保護フィルムB/粘着剤層B/輝度向上フィルムAであった。
【0131】
[疑似液晶セルの作製]
コーニング社製の無アルカリガラス:イーグルXG(厚み0.7mm、縦157mm×横98mmの大きさ)に粘着剤Bを貼合したものを2枚準備した。次いで、一方のガラス上の粘着剤B面に、先に作製したλ/4板1を貼合した。最後に、λ/4板1面ともう一方のガラス上の粘着剤B面を貼合して疑似液晶セルを作製した。各層を互いに貼合するときは、貼合面にコロナ処理を行った。疑似液晶セルの層構成は、ガラス/粘着剤B/λ/4板1/粘着剤B/ガラスであった。λ/4板1の遅相軸方向は、ガラスの長辺方向を0°としたときに45°となるように作製を行った。
【0132】
前記疑似液晶セルの初期配向方向はガラスの長辺方向に対して−45°であると仮定しており、前記疑似液晶セルは、駆動電圧をかけた場合(白表示の場合)の液晶セルを想定している。
【0133】
[バックライト]
Google Inc.製のNexus7から液晶パネルを取り出し、残りをバックライトとして利用した。
【0134】
[実施例1]
(視認側偏光板1の作製)
偏光板Aの保護フィルムC面に粘着剤Bを貼合した。次いで粘着剤B面に位相差フィルムを位相差フィルム1側が粘着剤B側になるように積層した。偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角は90°であった。次いで、位相差フィルム面に粘着剤Bを貼合した。
粘着剤B面にλ/4板1を積層した。偏光板の吸収軸とλ/4板1の遅相軸とのなす角は45°(保護フィルムAから保護フィルムCを見た時に、λ/4板1の遅相軸は、偏光板の吸収軸から時計回りに45°であった。)であった。
さらにλ/4板1面に粘着剤Bを貼合した。次に、粘着剤B面にポジティブCプレート1を貼合した。
最後に、ポジティブCプレート1面に粘着剤Aを貼合した。こうして、視認側偏光板1を作製した。なお、各層を互いに貼合する際は、貼合面にコロナ処理を施した。視認側偏光板1の層構成は、保護フィルムA/偏光子/保護フィルムC/粘着剤B/位相差フィルム/粘着剤B/λ/4板1/粘着剤B/ポジティブCプレート1/粘着剤Aであった。
【0135】
(背面側偏光板1の作製)
偏光板Bの保護フィルムC面に粘着剤Aを貼合し、背面側偏光板1を作製した。この際、保護フィルムC面及び粘着剤Aの貼合面にコロナ処理を行った。
【0136】
作製した視認側偏光板1および背面側偏光板1を縦155mm×横96mmの大きさに裁断した。この際、各偏光板を保護フィルムAもしくは保護フィルムB面を上面として見た際に偏光板の吸収軸が、長辺方向に対して視認側偏光板1は90°,背面側偏光板1は0°となるように裁断した。
【0137】
作製した疑似液晶セルの一方のガラス面に、ゼブラ株式会社製のハイマッキー青色(MO−150−MC−BL)を用いて、しょくぱんまん(日本テレビ放送網株式会社制作アニメ「それいけ!アンパンマン」に登場する食パン型の頭をもつ正義の味方、原作者:やなせたかし)の似顔絵を描いた。
【0138】
疑似液晶セルのしょくぱんまんの似顔絵が描かれているガラス面に視認側偏光板1を、その逆面のガラス面に背面側偏光板1を貼合し疑似液晶パネルを作製した。各層の軸構成は、図2に示す軸構成であった。
【0139】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、しょくぱんまんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0140】
[実施例2]
実施例1のポジティブCプレート1をポジティブCプレート2に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0141】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、しょくぱんまんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0142】
[実施例3]
実施例1のポジティブCプレート1をポジティブCプレート3に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0143】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、しょくぱんまんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0144】
[実施例4]
実施例1の視認側偏光板1の保護フィルムAを保護フィルムDに変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0145】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、しょくぱんまんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0146】
[実施例5]
実施例4のポジティブCプレート1をポジティブCプレート2に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0147】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、しょくぱんまんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0148】
[実施例6]
実施例4のポジティブCプレート1をポジティブCプレート3に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0149】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、しょくぱんまんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0150】
[実施例7]
(視認側偏光板2の作製)
偏光板Aの保護フィルムC面に粘着剤Bを貼合した。次いで粘着剤B面に位相差フィルムを位相差フィルム1側が粘着剤B側になるように積層した。偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角は90°であった。次いで、位相差フィルム面に粘着剤Bを貼合した。
次いで、粘着剤B面にλ/4板2を積層した。偏光板の吸収軸とλ/4板2の遅相軸とのなす角は45°(保護フィルムAから保護フィルムCを見た時に、λ/4板2の遅相軸は、偏光板の吸収軸から時計回りに45°であった。)であった。
さらにλ/4板2面に粘着剤Aを貼合した。こうして、視認側偏光板2を作製した。なお、各層を互いに貼合する際は、貼合面にコロナ処理を施した。視認側偏光板2の層構成は、保護フィルムA/偏光子/保護フィルムC/粘着剤B/位相差フィルム/粘着剤B/λ/4板2/粘着剤Aであった。
【0151】
作製した視認側偏光板2および背面側偏光板1を縦155mm×横96mmの大きさに裁断した。この際、各偏光板を保護フィルムAもしくは保護フィルムB面を上面として見た際に偏光板の吸収軸が、長辺方向に対して視認側偏光板2は90°,背面側偏光板1は0°となるように裁断した。
【0152】
作製した疑似液晶セルの一方のガラス面に、ゼブラ株式会社製のハイマッキー青色(MO−150−MC−BL)を用いて、バタコさん(日本テレビ放送網株式会社制作アニメ「それいけ!アンパンマン」に登場するパン工場で働いている妖精、原作者:やなせたかし)の似顔絵を描いた。
【0153】
疑似液晶セルのバタコさんの似顔絵が描かれているガラス面に視認側偏光板2を、その逆面のガラス面に背面側偏光板1を貼合し疑似液晶パネルを作製した。各層の軸構成は、図2に示す軸構成であった。
【0154】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、バタコさんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0155】
[実施例8]
実施例7の視認側偏光板2の保護フィルムAを保護フィルムDに変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0156】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、バタコさんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0157】
[実施例9]
(視認側偏光板3の作製)
偏光板Aの保護フィルムC面に粘着剤Bを貼合した。次いで粘着剤B面に位相差フィルムを位相差フィルム1側が粘着剤B側になるように積層した。偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角は90°であった。次いで、位相差フィルム面に粘着剤Bを貼合した。
次いで、粘着剤B面にλ/4板3を積層した。偏光板の吸収軸とλ/4板3の遅相軸とのなす角は45°(保護フィルムAから保護フィルムCを見た時に、λ/4板3の遅相軸は、偏光板の吸収軸から時計回りに45°であった。)であった。
さらにλ/4板3面に粘着剤Bを貼合した。次に、粘着剤B面にポジティブCプレート1を貼合した。
最後に、ポジティブCプレート1面に粘着剤Aを貼合した。こうして、視認側偏光板3を作製した。なお、各層を互いに貼合する際は、貼合面にコロナ処理を施した。視認側偏光板3の層構成は、保護フィルムA/偏光子/保護フィルムC/粘着剤B/位相差フィルム/粘着剤B/λ/4板3/粘着剤B/ポジティブCプレート1/粘着剤層Aであった。
【0158】
作製した視認側偏光板3および背面側偏光板1を縦155mm×横96mmの大きさに裁断した。この際、各偏光板を保護フィルムAもしくは保護フィルムB面を上面として見た際に偏光板の吸収軸が、長辺方向に対して視認側偏光板3は90°,背面側偏光板1は0°となるように裁断した。
【0159】
作製した疑似液晶セルの一方のガラス面に、ゼブラ株式会社製のハイマッキー青色(MO−150−MC−BL)を用いて、メロンパンナちゃん(日本テレビ放送網株式会社制作アニメ「それいけ!アンパンマン」に登場するメロンパン型の頭をもつ正義の味方、原作者:やなせたかし)の似顔絵を描いた。
【0160】
疑似液晶セルのメロンパンナちゃんの似顔絵が描かれているガラス面に視認側偏光板3を、その逆面のガラス面に背面側偏光板1を貼合し疑似液晶パネルを作製した。各層の軸構成は、図2に示す軸構成であった。
【0161】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、メロンパンナちゃんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0162】
[実施例10]
実施例9のポジティブCプレート1をポジティブCプレート4に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0163】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、メロンパンナちゃんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0164】
[実施例11]
実施例9のポジティブCプレート1をポジティブCプレート5に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0165】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、メロンパンナちゃんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0166】
[実施例12]
実施例9の視認側偏光板3の保護フィルムAを保護フィルムDに変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0167】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、メロンパンナちゃんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0168】
[実施例13]
実施例12のポジティブCプレート1をポジティブCプレート4に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0169】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、メロンパンナちゃんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0170】
[実施例14]
実施例12のポジティブCプレート1をポジティブCプレート5に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0171】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、メロンパンナちゃんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0172】
[実施例15]
(視認側偏光板4の作製)
偏光板Aの保護フィルムC面に粘着剤Bを貼合した。次いで粘着剤B面に位相差フィルムを位相差フィルム1側が粘着剤B側になるように積層した。偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角は90°であった。次いで、位相差フィルム面に粘着剤Bを貼合した。
次いで、粘着剤B面にλ/4板4を積層した。偏光板の吸収軸とλ/4板4の遅相軸とのなす角は45°(保護フィルムAから保護フィルムCを見た時に、λ/4板4の遅相軸は、偏光板の吸収軸から時計回りに45°であった。)であった。
さらにλ/4板4面に粘着剤Bを貼合した。次に、粘着剤B面にポジティブCプレート6を貼合した。
最後に、ポジティブCプレート6面に粘着剤Aを貼合した。こうして、視認側偏光板4を作製した。なお、各層を互いに貼合する際は、貼合面にコロナ処理を施した。視認側偏光板4の層構成は、保護フィルムA/偏光子/保護フィルムC/粘着剤B/位相差フィルム/粘着剤B/λ/4板4/粘着剤B/ポジティブCプレート6/粘着剤層Aであった。
【0173】
作製した視認側偏光板4および背面側偏光板1を縦155mm×横96mmの大きさに裁断した。この際、各偏光板を保護フィルムAもしくは保護フィルムB面を上面として見た際に偏光板の吸収軸が、長辺方向に対して視認側偏光板4は90°,背面側偏光板1は0°となるように裁断した。
【0174】
作製した疑似液晶セルの一方のガラス面に、ゼブラ株式会社製のハイマッキー青色(MO−150−MC−BL)を用いて、カバオくん(日本テレビ放送網株式会社制作アニメ「それいけ!アンパンマン」に登場する学校に通うカバの少年、原作者:やなせたかし)の似顔絵を描いた。
【0175】
疑似液晶セルのカバオくんの似顔絵が描かれているガラス面に視認側偏光板4を、その逆面のガラス面に背面側偏光板1を貼合し疑似液晶パネルを作製した。各層の軸構成は、図2に示す軸構成であった。
【0176】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、カバオくんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0177】
[実施例16]
実施例15のポジティブCプレート6をポジティブCプレート7に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0178】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、カバオくんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0179】
[実施例17]
実施例15のポジティブCプレート6をポジティブCプレート8に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0180】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、カバオくんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が7500Luxでも視認性は良好であった。
【0181】
[実施例18]
実施例15の視認側偏光板3の保護フィルムAを保護フィルムDに変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0182】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、カバオくんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0183】
[実施例19]
実施例18のポジティブCプレート6をポジティブCプレート7に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0184】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、カバオくんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0185】
[実施例20]
実施例18のポジティブCプレート6をポジティブCプレート8に変更した以外は同様に疑似液晶パネルを作製した。
【0186】
こうして作製した疑似液晶パネルをバックライト上に配置し、カバオくんが視認できるか確認した。外光下で正面方向と斜め視野(方位角135°、極角60°の位置)での視認性を確認したところ、外光の照度が10000Luxでも視認性は良好であった。
【0187】
[比較例1]
Google Inc.製のNexus7(登録商標)にしょくぱんまんとドキンちゃん(日本テレビ放送網株式会社制作アニメ「それいけ!アンパンマン」に登場するしょくぱんまんに恋する少女、原作者:やなせたかし)が寄り添っている画像を表示させ外光下で視認できるか確認した。結果は、外光の照度が5000Luxのとき正面でも視認性が著しく低下し画像の識別が困難となった。なお、Google Inc.製のNexus7(登録商標)の液晶パネルから上下の偏光板を剥離し液晶セルの面内位相差値を測定したところ、面内位相差値は、波長590nmにおいて355nmであった。
【符号の説明】
【0188】
1 視認側偏光板の吸収軸
2 位相差フィルムの遅相軸
3 ポジティブAプレートの遅相軸
4 液晶セルの初期配向方向
5 背面側偏光板の吸収軸
10 視認側偏光板
20 背面側偏光板
30 偏光板
36 位相差フィルム
34 ポジティブAプレート
35 ポジティブCプレート
50 偏光板
61 輝度向上フィルム
32,52 偏光子
31a,31b,51a,51b 保護フィルム
37 表面処理層
図1
図2