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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219471(P2019-219471A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】誤挿抜防止システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   G02B6/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-115646(P2018-115646)
(22)【出願日】2018年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊熊 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】関 剛志
(72)【発明者】
【氏名】深谷 崇文
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036QA47
2H036QA48
(57)【要約】
【課題】ポート実装密度を犠牲にせず、作業者が作業対象のポートを誤ることを防止することができる誤挿抜防止システムを提供する。
【解決手段】誤挿抜防止システムの光伝送装置100は、外部信号を送受するための複数のポート101と、各ポート101内に設置され、人体の接触を検出するタッチセンサ102と、人体の接触を検出したタッチセンサ102に対応するポート101の情報を表示部130に表示する制御部110と、各ポート101を区別する情報を記憶する記憶部120と、各ポート101を区別する情報を表示する表示部130と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部信号を送受するための複数の入出力ポートを有する電子機器と、
各前記入出力ポートに設置され、人体の接触を検出するタッチセンサと、
各前記入出力ポートを区別する情報を表示する表示部と、
人体の接触を検出した前記タッチセンサに対応する前記入出力ポートの情報を前記表示部に表示する制御部と、を備える
ことを特徴とする誤挿抜防止システム。
【請求項2】
前記タッチセンサは、人体に接する導電部品を介して人体の接触を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の誤挿抜防止システム。
【請求項3】
前記電子機器は、各前記入出力ポートをキャビネットの面に配列し、
前記表示部は、前記キャビネットの前記面上に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の誤挿抜防止システム。
【請求項4】
前記電子機器を監視する監視装置と、
前記タッチセンサによる信号を前記監視装置に通知する通知部と、さらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の誤挿抜防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤挿抜防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化に伴い、通信ケーブル等を接続する外部入出力端子(以下、ポートという)の実装密度は高くなる傾向にある。一つの装置に多数のポートが配置されていると、作業者が誤ったポートにケーブルを接続してしまったり、逆に誤ったケーブルを抜去してしまったりするヒューマンエラーが発生しやすい。特に、大容量の通信を行う光ファイバ通信設備などの場合は、誤ったケーブルの抜去は広範囲の通信断を引き起こすため大きな問題となる。
通常、ポートの近傍に番号を付すことによって作業者が正しいポートを認識できるようになっているが、必ずしも分かりやすくなっているとは言えない。
【0003】
図10は、従来の電子機器のキャビネットの後部に横方向に配列して設けられたポートを示す図であり、図10(a)は、ポート番号が始端と終端のポートの近傍に表示された例を示し、図10(b)は、上下にポートが配列され、ポート番号が略号と共に記載された例を示す。
図10(a)に示すように、電子機器1Aのキャビネットの後部10Aには、8つのポート11−1〜11−8が横方向に配列して設けられている。ポート11−1の左側には、ポート11−1の番号「1」が、また、ポート11−8の右側には、ポート11−8の番号「8」が印字、刻印、シール部材貼付等(以下、印字という)されている。
図10(a)の例では、8つのポート11−1〜11−8が設けられている。8つのポート11−1〜11−8は、実装密度を向上させる観点から各ポートの間の隙間が文字を印字できるほど取られていない。また、装置低背化の観点からポートの上下にも印字を行うスペースがない。このため、両端のポート11−1とポート11−8の近傍にしかポート番号が印字されていない。この場合、中間のポート11−2〜11−7はどちらかの端から数えるしかなく、誤りやすい。
【0004】
図10(b)に示すように、電子機器1Bのキャビネットの後部10Bには、8つのポート11−1〜11−8が上下2段に配置されている。上下のポート番号は、まとめて下に印字されており、△マークの向きにより、上が奇数番、下が偶数番であることを示している。しかし、マークを用いた識別であるため、分かり難く、ポート番号を見誤る可能性がある。
【0005】
また、図10(a)の例と図10(b)の例に共通する問題として、電子機器1Aおよび電子機器1Bが、例えば足元などの位置に設置されていた場合には、キャビネットの後部10A,10Bの文字が作業者から見えづらく、一層間違えやすい。
また、作業者が正しいポートを視認できたとしても、挿すケーブルを取る際に、一旦、ポートから目線が離れる。このため、正しいポートを見失ってしまうおそれもある。
【0006】
特許文献1には、外部機器と接続するための複数の外部入出力端子の各々に対応して発光手段を割り当て、複数の外部入出力端子のうち、選択操作された外部入出力端子に対応する発光手段を点灯させる点灯切替え手段を備える電子機器が記載されている。特許文献1に記載の電子機器は、ポート近傍に設置されたLEDを遠隔制御で点灯させることで作業者に正しいポートを認識させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−242718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の電子機器では、ポート近傍に設置されたLEDと、対応するポートとの位置関係が分かりやすくなっているとは限らない。この点で図7A−Bの例のような従来技術の文字印字と同じ問題を抱えており、ポート誤認のおそれがある。また、機器正面にLEDを設置するためのスペースを確保しなければならないという課題がある。
【0009】
このような背景を鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、ポート実装密度を犠牲にせず、作業者が作業対象のポートを誤ることを防止することができる誤挿抜防止システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、外部信号を送受するための複数の入出力ポートを有する電子機器と、各前記入出力ポートに設置され、人体の接触を検出するタッチセンサと、各前記入出力ポートを区別する情報を表示する表示部と、人体の接触を検出した前記タッチセンサに対応する前記入出力ポートの情報を前記表示部に表示する制御部と、を備えることを特徴とする誤挿抜防止システムとした。
【0011】
このようにすることで、一つの電子機器に多数のポートが配置されている場合であっても作業者が誤ったポートにケーブルを接続してしまったり、逆に誤ったケーブルを抜去してしまったりするヒューマンエラーの発生を未然に防止することができる。また、ポート実装密度を犠牲にせず、作業者が作業対象のポートを誤ることを防止することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記タッチセンサが、人体に接する導電部品を介して人体の接触を検出することを特徴とする請求項1に記載の誤挿抜防止システムとした。
【0013】
このようにすることで、人体のほか、人体に接する導電部品(例えばコネクタやポートを塞ぐキャップ)を介して人体の接触を検出することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、前記電子機器は、各前記入出力ポートをキャビネットの面に配列し、前記表示部は、前記キャビネットの前記面上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の誤挿抜防止システムとした。
【0015】
このようにすることで、表示部の設置スペースは、キャビネットの一部領域で済むので、キャビネットの面を有効利用することができ、ポート実装密度をより一層高めることができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記電子機器を監視する監視装置と、前記タッチセンサによる信号を前記監視装置に通知する通知部と、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の誤挿抜防止システムとした。
【0017】
このようにすることで、現地と遠隔で認識を合わせながら、二重確認して作業を行うことができるので、誤作業を減らすことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、ポート実装密度を犠牲にせず、作業者が作業対象のポートを誤ることを防止することができる誤挿抜防止システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る誤挿抜防止システムを模式的に示す機能ブロック図である。
図2】本実施形態に係る誤挿抜防止システムの電子機器の物理的な実装を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係る誤挿抜防止システムのタッチが行われていない時のタッチ検出回路Tの模式図であり、(a)はそのタッチ検出回路Tの回路図、(b)は(a)の回路の端子Aから出力するパルス波形を示す波形図、(c)は(a)の回路の端子Bから出力するパルス波形を示す波形図である。
図4】本実施形態に係る誤挿抜防止システムのタッチが行われた時のタッチ検出回路Tの模式図であり、(a)はそのタッチ検出回路Tの回路図、(b)は(a)の回路の端子Aから出力するパルス波形を示す波形図、(c)は(a)の回路の端子Bから出力するパルス波形を示す波形図である。
図5】本実施形態に係る誤挿抜防止システムの電子機器の誤挿抜防止の第1の使用方法を示す図である。
図6】本実施形態に係る誤挿抜防止システムの電子機器の誤挿抜防止の第2の使用方法を示す図である。
図7】本実施形態に係る誤挿抜防止システムの電子機器の誤挿抜防止の第3の使用方法を示す図である。
図8】本実施形態に係る誤挿抜防止システムの電子機器のポートの変形例を示す斜視図であり、(a)は、変形例1を示す斜視図、(b)は、変形例2を示す斜視図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る誤挿抜防止システムを模式的に示す機能ブロック図である。
図10】従来の電子機器のキャビネットの後部に横方向に配列して設けられたポートを示す図であり、(a)は、ポート番号が始端と終端のポートの近傍に表示された例を示す図、(b)は、上下にポートが配列され、ポート番号が略号と共に記載された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)における誤挿抜防止システムについて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る誤挿抜防止システムを模式的に示す機能ブロック図である。本実施形態に係る誤挿抜防止システムは、光伝送装置の光ファイバケーブルの挿抜に適用した例である。光伝送装置以外の他の電子機器に適用できる。
図1に示すように、光伝送装置100(誤挿抜防止システム;電子機器)は、キャビネット100A(図2参照)の前面に配置された複数のポート101−1,101−2,…,101−n(nは任意の自然数)(入出力ポート)と、各ポート101−1,101−2,…,101−n内に設置されたタッチセンサ102−1,102−2,…,102−nと、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、を備える。
なお、ポート101−1,101−2,…,101−nを特に区別しない場合は、ポート101と総称する。タッチセンサ102−1,102−2,…,102−nを特に区別しない場合は、タッチセンサ102と総称する。
【0021】
ポート101は、外部信号を送受するための入出力ポートである。
ポート101には、光ファイバケーブル20(以下、ケーブル20という)の端部に設けられたコネクタ21(導電部品)が挿入される。
コネクタ21は、ソケット部(外形部)が導電性プラスチックなどの導電性材料からなる。ただし、コネクタ21は、ソケット部が樹脂モールドやプラスチックなど非導電性材料を使用してもよい。
【0022】
タッチセンサ102は、各ポート101内に設置され、指(人体)やコネクタ21が直接触れたことを検出する。本実施形態では、コネクタ21(導電性材料)の接触も検出する。このため、タッチセンサ102は、静電容量の変化を検出する静電容量式タッチセンサを用いている。
なお、タッチセンサ102は、抵抗膜方式(感圧式)を用いてもよい。なお、抵抗膜方式のタッチセンサを用いる場合、構造が単純で低コスト、表面にフィルムを塗布していることからホコリや水滴に強い点が挙げられる。
【0023】
制御部110は、人体の接触を検出したタッチセンサ102に対応するポート101の情報を表示部130に表示する。具体的には、制御部110は、タッチセンサ102が指のタッチを検知すると、対応するポート番号を記憶部120から取得し、そのポート番号を表示部130に表示する。制御部110は、タッチセンサ102への入力が新しく行われるたびに更新され、タッチセンサ102への入力が無い場合、一定時間経過後に自動的に消えるよう制御される。制御部110は、隣接する複数のセンサ情報を検知した場合、表示部130への表示を行わないように制御する。
【0024】
記憶部120は、各ポート101を区別する情報(例えば、ポート番号)を記憶する。
表示部130は、各ポート101を区別する情報(例えば、ポート番号)を表示する。
【0025】
図2は、光伝送装置100の物理的な実装を示す斜視図である。
図2に示すように、光伝送装置100は、キャビネット100Aを有し、キャビネット100Aの側面(ここでは、作業者が視認し易い前面)には、複数のポート101−1,101−2,…,101−10が横方向に上下2段で配置される。ポート101−1,101−2,…,101−10内には、タッチセンサ102−1,102−2,…,102−10が設けられている。
また、キャビネット100Aの前面の左上角部には、表示部130が設置されている。
【0026】
ポート101は、光伝送装置100のキャビネット100Aの前面に配置され、作業者が挿抜作業を行う対象である。
【0027】
タッチセンサ102は、対応するポート101の内側底面部に配置されている。タッチセンサ102は、タッチ部がポート101の内側底面部と一体化しており、指等が前面からポート101の内側底面部に触れることで反応する。
【0028】
表示部130は、液晶ディスプレイ、LED数字表示器等である。表示部130は、作業者が表示内容を確認できるよう前面の見やすい位置、例えばキャビネット100Aの前面の左上角部に配置される。
なお、図2では、すべてのポート101が非タッチ状態であるので、表示部130には、ポート101がすべて非接触状態にあることを示す「00」が表示される。
【0029】
次に、図3および図4を参照してタッチセンサ102のタッチ検出を説明する。
図3は、タッチが行われていない時のタッチ検出回路Tの模式図であり、図3(a)はそのタッチ検出回路Tの回路図、図3(b)は図3(a)の回路の端子Aから出力するパルス波形を示す波形図、図3(c)は図3(a)の回路の端子Bから出力するパルス波形を示す波形図である。
タッチセンサ102(図2参照)は、図示しない電源からの電源供給を受けて動作し、図3(a)に示すタッチ検出回路Tの端子Bの静電容量の変化を検出する。Rは、タッチ検出回路Tの回路抵抗である。
タッチ検出回路Tは、RC回路の時定数変化を読み取る回路を用いる。タッチが行われていない時のタッチ検出回路Tは、端子Aで送信した電気パルスを端子Bで検出する際、その立ち上がり時間(ここでは90%立ち上がり時間とする)τは極めて小さな値となる。
【0030】
図4は、タッチが行われた時のタッチ検出回路Tの模式図であり、図4(a)はそのタッチ検出回路Tの回路図、図4(b)は図4(a)の回路の端子Aから出力するパルス波形を示す波形図、図4(c)は図4(a)の回路の端子Bから出力するパルス波形を示す波形図である。
図4(a)に示すように、人体は誘電体であり、静電容量Cfを有する。人体がタッチセンサ102(図2参照)にタッチすると、タッチ検出回路Tは、タッチセンサ102と大地間の静電容量Cfを検出する。
図4(a)に示すように、タッチが行われた時のタッチ検出回路Tは、人体の静電容量CfによってRC回路が形成され、図4(c)に示すように、端子Bでのパルス立ち上がりは遅れて検出される。
人体の静電容量Cfは、約100pFと言われている。タッチ検出回路Tの回路抵抗Rを10MΩとすると、タッチ検出回路Tの時定数RCは100pF×10MΩ=1msecである。90%立ち上がり時間は、時定数RCの約2.2倍であるから、τは2.2msecである。この遅れによって、タッチセンサ102は、タッチされたことを検出できる。
【0031】
タッチセンサ102に人体が直接触れるのではなく、把持物を介して触れた際にも、タッチを検出するようにすることができる(後記図6および図7参照)。ただしこの場合、把持物は導電体で作られておりタッチセンサ102のセンサ部(タッチ電極)と同電位になっているか、そうでない場合でも把持部の近傍に導体を配置するなどして高い静電容量を持つように設計されている必要がある。
その理由は、以下の通りである。
把持物がある際に、人体の静電容量Cfに代わって検出される静電容量Ctは、人体の静電容量Cfと把持物の静電容量Cmの直列接続容量であり、式(1)で計算できる。
【0032】
(1/Ct)=(1/Cf)+(1/Cm) …(1)
【0033】
もし把持物が金属などの導体である場合、Cfは無限大と考えられるため、Ct=Cmとなり、図4(a)に示すタッチ検出回路Tの場合となんら変わらず検出が可能となる。
【0034】
他方、把持物が絶縁体であり、人体がこの絶縁体を介して触れる場合、把持物の静電容量Cmは極めて小さな値になる。一般的なプラスチック材料の比誘電率として、3を想定し、人体と触れている面積が1cm、センサ部と同電位の位置から人体までの距離が1cmであるとすると、Cmは静電容量の式(2)で示される。式(2)により、静電容量Cmは、約0.25pFと計算される。
【0035】
C=ε0×εr×S/d …(2)
ε0:真空の誘電率
εr:材料の比誘電率
S:電極面積
d:電極間距離
【0036】
上記式(1)にCf=100pF、Cm=0.25pFを代入すれば、Ct≒0.25pFとなり、Cmとほぼ変わらない値となる。これはタッチ検出回路T内の寄生容量と同レベルと考えられ、遅れτはタッチされていない場合との区別がしづらく、検出は困難である。また、持つ位置がずれるなど把持の仕方によっては容易にもっと小さな値になり得るため、現実的ではない。
【0037】
以上のことから、把持物は導電性材料で作られていることが好ましい。本実施形態では、把持物はコネクタ21(図2参照)であり、コネクタ21は導電性材料で作られている。このため、タッチセンサ102は、人体(指)のほか、コネクタ21によるタッチも検出することができる。
【0038】
以下、上述のように構成された誤挿抜防止システムに用いられる電子機器の誤挿抜防止動作を説明する。
基本的な動作は、下記の通りである。
図1に示すように、制御部110は、タッチセンサ102へのタッチを検知する。タッチセンサ102へのタッチが行われると、制御部110は、そのタッチセンサ102に対応するポートの番号を記憶部120から取得する。制御部110は、記憶部120から取得したポートの番号を表示部130に表示する。
制御部110は、タッチセンサ102への入力(タッチ)が新しく行われるたびに表示部130への表示を更新する。制御部110は、タッチセンサ102への入力が一定時間以上ない場合、一定時間経過後に表示部130の表示を消すように制御する。
また、制御部110は、複数のタッチセンサ102への同時入力を検知した場合、いずれのタッチセンサ102の表示を行わない。作業者が隣接する複数のタッチセンサ102に触れてしまうことが考えられる。制御部110は、そのような場合、混乱を避けるために表示を行わないように制御する。
【0039】
次に、具体的な使用方法について説明する。
図5は、電子機器の誤挿抜防止の第1の使用方法を示す図である。
作業者は、ポート101−4にコネクタ21(図1参照)を挿入しようとする。
図5に示すように、作業者が作業対象のポート(ここではポート101−4)に指で触れる。ポート101−4のタッチセンサ102−4へのタッチが行われると、制御部110は、そのタッチセンサ102−4に対応するポート101−4の番号「04」を記憶部120から取得する。制御部110は、記憶部120から取得したポート101−4の番号「04」を表示部130に表示する。
これにより、作業者は、作業対象のポート101−4のポート番号「04」を確認することができる。ポートの並び順の誤認や端からの数え間違いのリスクを負うことなく、ポートの位置を確認することができ、誤接続を減らすことができる。
【0040】
図6は、電子機器の誤挿抜防止の第2の使用方法を示す図である。
作業者は、ポート101−4にコネクタ21を挿入しようとする。コネクタ21は、導電性材料で作られており、上述した把持物に対応する。
図6の白抜き矢印に示すように、作業者は、コネクタ21を把持し、コネクタ21の先端で作業対象のポート(ここではポート101−4)に触れる。コネクタ21の先端がポート101−4のタッチセンサ102−4にタッチすると、タッチセンサ102−4は、コネクタ21および人体による静電容量の変化を検出し、検出信号を制御部110に出力する。ここで、コネクタ21は、導電性材料で作られており、タッチセンサ102と同電位となる。制御部110は、タッチセンサ102−4に対応するポート101−4の番号「04」を記憶部120から取得する。制御部110は、記憶部120から取得したポート101−4の番号「04」を表示部130に表示する。
【0041】
これにより、コネクタ21をあてがったポート101−4の番号「04」が表示部130に表示される。作業者がコネクタ21をあてがうとそのポートの番号が、表示部130に表示される。このため、作業者は、正しいポートであることを確認後、そのままコネクタ21をポート101−4内に押し込むことで、接続が完了する。
なお、上記第1の使用方法の場合、ケーブル20を手に取る際などに余所見してしまうと、確認したポートを見失うおそれがあるが、第2の使用方法によればその心配が無い。
【0042】
図7は、電子機器の誤挿抜防止の第3の使用方法を示す図である。第3の使用方法は、コネクタ21を抜去する際の動作である。
作業者は、ポート101−4からコネクタ21を抜去しようとする。
図7は、既に接続されているケーブル20のコネクタ21に、作業者が触れた状態を示している。この場合も、タッチセンサ102−4は、コネクタ21を介して人体が触れたことによる静電容量の変化を検出し、検出信号を制御部110に出力する。制御部110は、記憶部120から取得したポート101−4の番号「04」を表示部130に表示する。
作業者は、コネクタ21を把持することで、表示部130に該当するポートの番号「04」を視認することができる。作業者は、自分が掴んでいるコネクタ21が正しいポートに接続されているケーブルであることを確認できる。作業者は、正しいポートの番号であれば、そのまま抜去する。これにより、誤ったケーブルを抜去してしまうミスを防ぐことができる。
【0043】
[変形例]
図8は、光伝送装置100のポートの変形例を示す斜視図である。
図8(a)に示すように、キャビネット100Aの前面には、前面から突出するポート101Aが配列されている。ポート101Aは、直方体形状であり、直方体形状のポート101Aの内側底面部には、タッチセンサ102が配置され、直方体形状のポート101Aの上面には、タッチセンサ102Aが配置される。すなわち、ポート101Aは、内側底面部に配置されたタッチセンサ102と、上面に配置されたタッチセンサ102Aとを有する。タッチセンサ102Aは、タッチセンサ102と同様な構成を有する。
この変形例では、ポート101Aに挿抜されるコネクタが小型であり、これに伴いポート101Aの内側の幅が狭い構造において、ポート101A内に指を差し込むのが難しい場合に有効である。
【0044】
また、図8(b)に示すように、図8(a)のポート101Aから上面のタッチセンサ102Aを取り去る。代わりに、ポート101Aに装着可能な導電性材料からなるキャップ103(導電部品)を設ける。キャップ103は、コネクタ21(図6および図7参照)と同様に導電性プラスチックなどの導電性材料からなる。キャップ103は、ポート101Aに装着された場合、ポート101A内のタッチセンサ102に接触する。
【0045】
作業者は、キャップ103の表面に触れることで、キャップ103を介してポート101A内のタッチセンサ102を反応させることができる。
導電性材料からなるキャップ103を用いることで、図8(a)に示すタッチセンサ102Aを省くことができる。キャップ103は、未使用のポートに装着した場合に、防塵機能を兼ねることができる。
なお、図8(a)に示すタッチセンサ102Aに、図8(b)に示すキャップ103を用いても構わない。
【0046】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る誤挿抜防止システムを模式的に示す機能ブロック図である。図1と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図9に示すように、誤挿抜防止システムは、光伝送装置200(誤挿抜防止システム;電子機器)と、保守サーバ250と、を備える。
光伝送装置200(誤挿抜防止システム;電子機器)は、キャビネット100A(図2参照)の前面に配置された複数のポート101−1,101−2,…,101−nと、各ポート101−1,101−2,…,101−n内に設置されたタッチセンサ102−1,102−2,…,102−nと、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、通知部140と、を備える。通知部140は、有線または無線によって保守サーバ250(監視装置)に接続され、制御部110で認識したタッチ状態およびポート番号を、保守サーバ250に通知する。
保守サーバ250は、光伝送装置200を含む他の電子機器(図示省略)からのタッチ状態およびポート番号を管理する。保守サーバ250は、光伝送装置200から通知されたタッチ状態およびポート番号を、遠隔にいる作業指示者にリアルタイムで伝える。
【0047】
遠隔にいる作業指示者は、所定の連絡手段(例えば、作業者が持つ携帯情報端末による画面表示や携帯電話機による音声)により、現地作業者に作業指示・確認を行う。
作業指示者は、前述した第1〜第3の使用方法のいずれに対しても、作業者が正しいポートに対して作業しているかを確認しながら指示することができる。例えば、ケーブル20(図7参照)の抜去時であれば、次のようになる。すなわち、作業者がコネクタ21(図7参照)を把持した段階で、作業指示者に確認を求める。作業指示者は、触れられているそのコネクタ21が正しい作業対象ポートに接続されたケーブル20であることを確認し、抜去指示を出す。作業者は、掴んでいるケーブル20をそのまま抜去する。以上のようにすることで、現地と遠隔で認識を合わせながら、二重確認して作業を行うことができるので、誤作業を減らすことができる。
【0048】
以上説明したように、誤挿抜防止システムの光伝送装置100は、外部信号を送受するための複数のポート101と、各ポート101内に設置され、人体の接触を検出するタッチセンサ102と、人体の接触を検出したタッチセンサ102に対応するポート101の情報を表示部130に表示する制御部110と、各ポート101を区別する情報を記憶する記憶部120と、各ポート101を区別する情報を表示する表示部130と、を備える。
このように構成することで、作業者は各ポート101に対して挿抜作業を行う際、作業対象ポートを表示部130で確認しながら作業を行うことができる。したがって、ポート101の実装密度が高くなり、一つの電子機器に多数のポートが配置されている場合であっても作業者が誤ったポートにケーブルを接続してしまったり、逆に誤ったケーブルを抜去してしまったりするヒューマンエラーの発生を未然に防止することができる。
また、多数のポートを配置する構成を実現しながら、表示部130はキャビネット100Aの前面の一箇所である。このため、ポート実装密度を犠牲にせず、作業者が作業対象のポートを誤ることを防止することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、指で触りやすいポート101内の底面部にタッチセンサ102のタッチ部を設けているが、これには限定されず、例えばポート101の開口部の外周部または内周面にタッチ部を設けてもよい。
本実施形態では、表示部130に表示する各入出力ポートを区別する情報を、ポート番号であるとしたが、作業対象のポートであることを確認できるものであればよく、例えば顧客コードなどほかの情報でもよい。
本実施形態では、表示部130は光伝送装置100と同じキャビネット100Aに実装されるものとしたが、独立した表示装置を設けてもよい。
本実施形態では、ケーブル20を接続する例を用いて示したが、ケーブル20ではなく、USBメモリなどの記憶装置や、SFP(Small Form Factor Pluggable)のようなプラガブルモジュールにも適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
20 ファイバケーブル(ケーブル)
21 コネクタ(導電部品)
100,200 光伝送装置(誤挿抜防止システム;電子機器)
100A キャビネット
101,101−1,101−2,…,101−n ポート(入出力ポート)
102,102−1,102−2,…,102−n タッチセンサ
103 キャップ(導電部品)
110 制御部
120 記憶部
130 表示部
140 通知部
250 保守サーバ(監視装置)
T タッチ検出回路
図1
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図10