特開2019-220510(P2019-220510A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220510(P2019-220510A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】塗布膜形成方法及び塗布膜形成装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20191129BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20191129BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20191129BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20191129BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20191129BHJP
   B05C 9/12 20060101ALI20191129BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H01L21/30 563
   H01L21/30 578
   G03F7/38 501
   B05D3/12 C
   B05D7/00 Z
   B05C11/08
   B05C9/12
   B05C13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-114713(P2018-114713)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】特許業務法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上塘 真吾
【テーマコード(参考)】
2H196
4D075
4F042
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196DA10
2H196JA02
4D075AE03
4D075AE14
4D075BB05Z
4D075BB18Z
4D075BB26Z
4D075BB29Z
4D075BB42Z
4D075BB56Z
4D075BB64Z
4D075DA07
4D075DB14
4D075DC22
4D075EA45
4F042AA07
4F042DB41
4F042DD06
4F042DD21
4F042DF15
4F042DF29
4F042EB09
4F042EB13
4F042EB17
5F146HA07
(57)【要約】
【課題】表面に段差を備えたパターンを有する基板の表面全体に形成された塗布膜の表面を平坦化する技術を提供すること。
【解決手段】段差を備えたパターンを表面に有する基板の当該表面全体に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、第1の保持部に保持された前記基板の表面全体を被覆する平坦面を備えたプレス部により、前記基板の塗布膜に対して前記平坦面を相対的に押し当てるプレス工程と、表面が平坦化された前記塗布膜を硬化させる塗布膜硬化工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段差を備えたパターンを表面に有する基板の当該表面全体に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
第1の保持部に保持された前記基板の表面全体を被覆する平坦面を備えたプレス部により、前記基板の塗布膜に対して前記平坦面を相対的に押し当てるプレス工程と、
表面が平坦化された前記塗布膜を硬化させる塗布膜硬化工程と、を含む塗布膜形成方法。
【請求項2】
前記プレス工程は、前記基板の周囲の雰囲気を大気圧よりも低い減圧雰囲気とした後、当該減圧雰囲気において前記プレス部による押し当てを行う工程を含む請求項1に記載の塗布膜形成方法。
【請求項3】
前記プレス工程は、前記押し当てが行われた状態で前記第1の保持部及びプレス部の少なくとも一方の温度を上昇させて前記基板を加熱する工程を備える請求項2に記載の塗布膜形成方法。
【請求項4】
前記塗布膜硬化工程は、前記塗布膜に光を照射し、前記塗布膜を硬化させる工程を含む請求項1ないし3のいずれか一項に記載の塗布膜形成方法。
【請求項5】
前記塗布膜硬化工程は、プレス工程における前記基板の温度よりも高い温度となるように基板を加熱して前記塗布膜を硬化させる工程を含む請求項1ないし3のいずれか一項に記載の塗布膜形成方法。
【請求項6】
前記プレス工程を行う前に、前記平坦面を備えるプレス本体部と共に前記プレス部を成す第2の保持部が、当該プレス本体部を着脱自在に保持する保持工程を備え、
前記プレス工程は区画された処理空間で行われ、
前記プレス工程の後、前記プレス本体部の平坦面と前記基板の塗布膜とが接着した状態で前記第2の保持部によるプレス本体部の保持を解除する保持解除工程と、
次いで、前記処理空間から当該処理空間の外部における前記基板とプレス本体部との分離を行うための分離部へ、前記基板及びプレス本体部を搬送する工程と、
然る後、前記分離部において互いに接着した前記基板、プレス本体部を分離する分離工程と、
を備える請求項1ないし5のいずれか一つに記載の塗布膜形成方法。
【請求項7】
前記分離工程は、
前記基板、プレス本体部を前記分離部における第3の保持部、第4の保持部により夫々保持する工程と、
前記基板の周縁部における前記塗布膜と前記平坦面との界面に、これら塗布膜と平坦面との接着を解除するための挿入部材を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に前記第3の保持部から前記第4の保持部を相対的に遠ざけて前記プレス本体部と前記基板とを分離する工程と、を含む請求項6記載の塗布膜形成方法。
【請求項8】
前記保持解除工程を行ってから前記分離工程を行うまでの間に、前記プレス本体部及び基板を一括して冷却する冷却工程を含む請求項7記載の塗布膜形成方法。
【請求項9】
前記基板の冷却用の流体が流通する流路を備える移動体を、前記処理空間と当該処理空間の外側との間で駆動機構により移動させる工程を含み、
前記冷却工程は、当該移動体に前記基板を載置する工程を含む請求項8記載の塗布膜形成方法。
【請求項10】
前記保持工程において前記第2の保持部が保持する前記プレス本体部の平坦面には、前記分離工程において当該平坦面から前記塗布膜を剥離させるための剥離膜が形成されており、
当該分離工程を行った後、前記プレス本体部を前記分離部から膜再生部に搬送し、前記平坦面から前記剥離膜を除去した後、前記剥離膜を前記平坦面に再形成する再形成工程と、
然る後、前記剥離膜が再形成されたプレス本体部を前記処理空間に搬送し、前記第2の保持部によって保持する工程と、
を備える請求項6ないし9のいずれか一つに記載の塗布膜形成方法。
【請求項11】
前記膜再生部は、前記剥離膜の除去を行う膜除去部と、当該剥離膜の再形成を行う膜形成部とを含み、
前記膜除去部と前記膜形成部との間で、前記プレス本体部を搬送する工程を含む請求項10記載の塗布膜形成方法。
【請求項12】
前記再形成工程は、前記剥離膜を除去した後、当該剥離膜を再形成するまでの間に前記平坦面を洗浄する工程を含み、
前記膜再生部は、前記平坦面の洗浄を行う洗浄部を含み、
前記膜除去部と膜形成部と前記洗浄部との間で、前記プレス本体部を搬送する工程を含む請求項11記載の塗布膜形成方法。
【請求項13】
前記プレス本体部は、平面視前記基板と同じ形状のプレス用の基板であり、前記平坦面は当該プレス用の基板の主面である請求項6ないし12のいずれか一つに記載の塗布膜形成方法。
【請求項14】
前記塗布膜硬化工程で硬化された塗布膜を第1の塗布膜とすると、この第1の塗布膜の表面全体に前記塗布液を塗布して、第2の塗布膜を形成する工程と、
続いて前記第2の塗布膜の表面を平坦化する工程と、
然る後、前記第2の塗布膜を硬化させる工程と、を含む請求項1ないし14のいずれか一項に記載の塗布膜形成方法。
【請求項15】
前記第2の塗布膜の表面を平坦化する工程は、前記平坦面を当該第2の塗布膜に押し当てずに前記基板を加熱し、前記第2の塗布膜の表面を流動させて均す工程を含む請求項14に記載の塗布膜形成方法。
【請求項16】
基板が搬入される搬入部と、
段差を備えたパターンを表面に有する基板の当該表面全体に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成モジュールと、
第1の保持部に保持された前記基板の表面全体を被覆する平坦面を備えたプレス部により、前記基板の塗布膜に対して前記平坦面を相対的に押し当てて当該塗布膜の表面を平坦化するプレスモジュールと、
表面が平坦化された前記塗布膜を硬化させる塗布膜硬化モジュールと、
前記搬入部と、塗布モジュールと、プレスモジュールと、塗布膜硬化モジュールとの間で前記基板を搬送する搬送機構と、を備える塗布膜形成装置。
【請求項17】
前記プレスモジュールは、
処理容器と、
前記処理容器内に設けられ、前記平坦面を備えるプレス本体部と共にプレス部を構成し、当該プレス本体部を保持するための第2の保持部と、
前記押し当てが行われるように前記第2の保持部を前記第1の保持部に対して相対的に進退させる進退機構と、を備える請求項16記載の塗布膜形成装置。
【請求項18】
前記処理容器内の雰囲気を大気圧よりも低い減圧雰囲気とした状態で前記押し当てが行われるように、当該処理容器内を排気する排気口を備える請求項17に記載の塗布膜形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板に塗布膜を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、段差を備えたパターンを有する基板の上に塗布膜を成膜する工程を行う場合がある。このような塗布膜にレジスト膜を積層しフォトリソグラフィによりパターンが形成されるが、近年フォトリソグラフィの精度を向上させる観点から塗布膜の表面の平坦性が求められている。
特許文献1には、半導体ウエハに形成された塗布膜を加熱する加熱装置が記載されている。この加熱装置は、複数の加熱モジュールの排気口に各々接続された個別排気路と、各個別排気路の下流端に共通に設けられた共通排気路とを備えている。また各個別排気路から分岐して、加熱モジュールの外部から気体を取り込む分岐路が設けられる。そして各分岐路に設けられるダンパの開閉により、各加熱モジュールの排気口からの排気量が調整される。この排気量の調整により、ウエハの面内における塗布膜について膜厚の均一性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−39369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示はこのような事情の下になされたものであり、表面に段差を備えたパターンを有する基板の表面全体に形成された塗布膜の表面を平坦化する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の塗布膜形成方法は、段差を備えたパターンを表面に有する基板の当該表面全体に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
第1の保持部に保持された前記基板の表面全体を被覆する平坦面を備えたプレス部により、前記基板の塗布膜に対して前記平坦面を相対的に押し当てるプレス工程と、
表面が平坦化された前記塗布膜を硬化させる塗布膜硬化工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば表面に段差を備えたパターンを有する基板の表面全体に形成された塗布膜の表面を平坦化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施の形態に係るSOC膜塗布装置の平面図である。
図2】本開示の実施の形態に係るSOC膜塗布装置の縦断側面図である。
図3】本開示の実施の形態に係るプレスモジュールの正面図である。
図4】本開示の実施の形態に係る分離モジュールの正面図である。
図5】本開示の実施の形態に係る紫外線照射モジュールの縦断面図である。
図6】本開示の塗布モジュールによるSOC膜の塗布を説明する説明図である。
図7】本開示のプレスモジュールの作用を説明する説明図である。
図8】本開示のプレスモジュールの作用を説明する説明図である。
図9】本開示のプレスモジュールの作用を説明する説明図である。
図10】本開示のプレスモジュールの作用を説明する説明図である。
図11】本開示のプレスモジュールの作用を説明する説明図である。
図12】本開示のプレスモジュールの作用を説明する説明図である。
図13】分離モジュールにおけるプレスプレートとウエハとの分離を示す説明図である。
図14】UV照射モジュールにおける作用を示す説明図である。
図15】剥離膜の除去を示す説明図である。
図16】剥離膜を除去した平坦面の洗浄を示す説明図である。
図17】平坦面への剥離膜の膜再形成を説明する説明図である。
図18】段差パターンの形成されたウエハを示す断面図である。
図19】SOC膜が塗布されたウエハの表面構造を示す断面図である。
図20】平坦化されたウエハの表面構造を示す断面図である。
図21】第2のSOC膜の塗布を示す説明図である。
図22】第2のSOC膜の塗布前のウエハの表面構造を示す断面図である。
図23】第2のSOC膜の表面を平坦化した後のウエハの表面構造を示す断面図である。
図24】第2のSOC膜の表面を平坦する加熱モジュールを示す説明図である。
図25】プレス処理の前後におけるウエハの表面高さの水平分布を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施の形態であるSOC膜形成装置について、図1図2の平面図、縦断側面図を夫々参照しながら説明する。先ず、このSOC膜形成装置で行われる処理の概要について簡単に説明しておく。このSOC膜形成装置においては、半導体ウエハ(以下、ウエハとする)Wの表面に塗布液を供給してSOC膜を形成する処理が行われる。さらに後述のプレスプレートの平坦面の押し当てによるSOC膜の表面の平坦化処理、押し当てにより一体化したプレスプレートとウエハWとの分離処理、及び分離したウエハWのSOC膜にUVを照射する処理が行われる。また、上記のプレスプレートの平坦面はSOC膜の平坦性を低下させることなく上記の分離を確実に行うようにするための薄膜(剥離膜)により構成される。そしてSOC膜形成装置は、使用済みの剥離膜の除去処理、剥離膜除去後のプレスプレートの洗浄処理、及び剥離膜の再形成処理についても行う。以上の各処理は互いに異なるモジュールで行われ、SOC膜形成装置は、これらの処理が行われるようにウエハW及びプレスプレートを各モジュール間で搬送する。
【0009】
SOC膜形成装置は、ウエハWを、ウエハWの搬送容器であるキャリアCから装置内に搬入出するためのキャリアステーションB1と、ウエハWの表面に塗布膜であるSOC膜を形成する処理ステーションB2と、を前後に接続した構成となっている。以下、キャリアステーションB1側を前方、処理ステーションB2側を後方とする。キャリアステーションB1は、キャリアCの載置ステージ91と、キャリアCからウエハWを搬送するための搬送アーム93と、を備えている。図1、2中の92は、開閉ドアである。
【0010】
処理ステーションB2は、ウエハWに各々SOC膜を形成する2層の単位ブロックF1、F2が積層されて構成されており、図1は、単位ブロックF1を示している。単位ブロックF1、F2は同様に構成され、各単位ブロックF1、F2において互いに並行してウエハWの搬送及び処理が行われる。また単位ブロックF1、F2のキャリアステーションB1側には、単位ブロックF1、F2に跨って上下に伸びるタワーT1と、タワーT1に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な受け渡しアーム94とが設けられている。タワーT1は、例えばウエハWの受け渡しを行う受け渡しモジュールTRSなどのモジュールが互いに積層されて構成されている。
【0011】
単位ブロックF1を例に説明すると、単位ブロックF1は、前後方向に伸びる搬送路R1を移動し、各モジュール間でウエハWを搬送する搬送機構95を備えている。キャリアステーションB1側から見て、搬送路R1の右側には、ウエハWにSOC膜を形成する4台の塗布モジュール7が前後方向に並べて配置されている。
またキャリアステーションB1側から見て、搬送路R1の左側には、塗布処理以外の記述の各処理を行うモジュール群が設けられる。当該モジュール群は、前方側からプレスモジュール1、分離モジュール2、UV照射モジュール3、剥離膜除去モジュール4、洗浄モジュール5及び膜再生モジュール6から構成されている。剥離膜除去モジュール4、洗浄モジュール5及び膜再生モジュール6は、プレスプレートの剥離膜を再生する膜再生部となるモジュール群である。
【0012】
続いて塗布モジュール7について説明する。塗布モジュール7はウエハWに対して、公知のスピンコーティング法により、SOC膜の前駆物質となる有機材料を溶剤に溶解した塗布液を塗布する。有機材料としては、炭素化合物を含む有機膜原料、例えばポリエチレン構造((−CH−))の骨格を持つポリマー原料が用いられる。また塗布液には、例えば紫外線(UV:Ultra Violet)を照射することにより上記のポリマー原料の架橋を進行させる化合物である架橋剤が含まれている。ウエハWに塗布液を塗布して形成されたSOC膜は、架橋前は、流動性が高いが、UVを照射することで架橋が進行しSOC膜の硬度が高くなる。
【0013】
塗布モジュール7は、例えばウエハWを鉛直軸周りに回転させるスピンチャック71と、回転するウエハWから振り切られる塗布液を受け止めるカップ体70と、を備えている。また塗布モジュール7は、スピンチャック71に保持されたウエハWに向けて上記の有機材料を含む塗布液を吐出して塗布する塗布液ノズル72を備えている。
【0014】
次に図3を用いて、上記のSOC膜の表面の平坦化処理を行うプレスモジュール1について説明する。プレスモジュール1は、ウエハWをプレスするプレス処理部10と、ウエハWをプレスモジュール1の外部の搬送機構95から受け取り、プレス処理部10に受け渡すクーリングプレート20を備えている。
【0015】
プレス処理部10は処理容器11を備え、処理容器11の側面には全周に亘ってウエハWの搬入出口12aが形成されている。また処理容器11の周囲には、昇降機構28により昇降して、当該搬入出口12aを開閉するリング状のシャッタ12が設けられている。搬入出口12aが閉じると、処理容器11内の処理空間が外部と区画される。
【0016】
処理容器11の底部側をなす底部構造体11bには、ウエハWを保持する第1の保持部である載置台13が設けられている。載置台13には、載置台13及び底部構造体11bを厚さ方向に貫通する貫通孔13aが3つ(図では、2つのみ表示)設けられている。各貫通孔13aには、昇降ピン23が配置されている。昇降ピン23は、処理容器11の外側の昇降機構24に接続され、昇降機構24により昇降して、載置台13の表面から突没し、後述のように移動するクーリングプレート20と載置台13との間でウエハWを受け渡す。図中25は、後述の処理容器11内の排気時に、当該処理容器11内を気密に保つためのベローズである。
【0017】
載置台13は、例えば表面が静電チャックとなっており、載置台13に載置されたウエハWを吸着保持できるように構成されている。また載置台13には、載置台13に載置されたウエハWを加熱するための加熱部であるヒータ17が埋設されている。
また底部構造体11bの底面には、周縁に沿って複数の排気口19が形成されている。排気口19は、排気管26を介して排気部27に接続されている。また排気管26に設けられたバルブV26の開閉により、処理容器11内(処理空間)の雰囲気が排気される状態と、排気が停止した状態と、が切り替えられる。
【0018】
また処理容器11の天板部11a側には、第2の保持部であるプレート保持部14が設けられている。プレート保持部14の下部側は静電チャックをなし、載置台13に載置されたウエハWと対向するように、プレス本体部を成すプレスプレート110を着脱自在に吸着保持する。プレスプレート110は、ウエハWと同様にシリコンからなるウエハであるが、その表面には半導体装置製造用の各膜が形成されていない、いわゆるベアウエハである。従ってプレスプレート110の主面(表面及び裏面)は平坦である。またこのベアウエハは、ウエハWと平面視同じ形状である。この形状が同じとは、設計上同じ形状ということであり、製造上の誤差があっても同じ形状に含まれる。プレスプレート110の下面(裏面)全体に例えばテフロン(登録商標)などにより剥離膜111が形成されている。この剥離膜111は、ベアウエハに均一な膜厚となるように形成されているので、その表面は平坦面をなす。なおプレスプレート110のプレート保持部14への吸着と、その解除は、制御部9からの制御信号によりにより切り替えられる。
【0019】
プレート保持部14は、天板部11aを貫通するように設けられた昇降軸15aを介して昇降機構15に接続され、処理容器11内を昇降する。昇降機構15によりプレート保持部14を下降させることにより、プレスプレート110を、載置台13に載置されたウエハWに周縁を揃えて押し当て、ウエハWの表面全体を被覆することができる。またプレート保持部14の昇降によりクーリングプレート20との間でプレスプレート110の受け渡しが行われる。
【0020】
またプレート保持部14の下面には圧力検出部16が設けられ、検出信号を制御部9に送信する。制御部9は、この検出信号によりプレスプレート110をウエハWに押し当てたときのプレート保持部14の下面の圧力を検出すると共に、この圧力が所定の範囲内となるように昇降機構15の動作を制御する。それによりプレスされるSOC膜の膜厚が所望の範囲内になるようにする。
またプレート保持部14内には、加熱部であるヒータ18が埋設されている。既述の載置台13に設けられたヒータ17及びプレート保持部14に設けられたヒータ18は、制御部9により、オン/オフが切り替えられるように構成されている。
【0021】
移動体であるクーリングプレート20は、内部に流路21が形成されている。流路21は、例えば水などの冷媒の供給、排出を行う図示しない供給路、排出路に夫々接続されて、流路21には、当該冷媒が流通する。それによりクーリングプレート20に載置されたウエハWが冷却される。クーリングプレート20は、図に示す処理空間の外部の位置と、搬送機構95との間でウエハW及びプレスプレート110を受け渡す位置と、処理容器11の内部の載置台13上の位置と、の間を移動する。
【0022】
続いて分離モジュール2について説明する。図4に示すように分離モジュール2は、プレスプレート110と一体となったウエハWを保持する第3の保持部である載置台201と、一体となったプレスプレート110と、ウエハWと、の周縁部の境界に挿入されるくさび部202と、くさび部202を挿入した後、プレスプレート110を吸着して上方に引き上げる第4の保持部である昇降部200と、を備えている。
【0023】
続いてウエハWにUVを照射し、SOC膜を硬化するUV照射モジュール3について説明する。図5に示すようにUV照射モジュール3は、筐体30を備え、筐体30の側面には、シャッタ32を備えた搬入出口31が形成されている。筐体30内には、ウエハWを載置する載置台33が設けられ、載置台33には、ウエハWを加熱するための加熱部34が埋設されている。
【0024】
また筐体30の天井部には、載置台33に載置されたウエハWにUVを照射するためのUV照射ユニット35が設けられている。UV照射ユニット35は、ケース体36を備え、ケース体36の内部には、UV光源38が設けられている。またケース体36の下面は、例えば石英などで構成された透過部37となっており、UV光源38から照射されるUVが透過部37を介して載置台33に載置されたウエハWに照射されるように構成されている。また筐体30の側面には、筐体30内に窒素(N)ガスを供給するためのガス供給部39が設けられている。
【0025】
プレスプレート110の剥離膜111を再生する膜再生部となるモジュール群である剥離膜除去モジュール4、洗浄モジュール5及び膜再生モジュール6について簡単に説明する。
【0026】
剥離膜除去モジュール4は、例えばプレスプレート110の下面に向けてUVを照射して剥離膜111を除去する。また洗浄モジュール5はプレスプレート110における剥離膜111を除去した面を洗浄し、膜再生モジュール6は、洗浄モジュール5にて洗浄した面に、例えばテフロン(登録商標)を蒸着させて剥離膜111を再生する。剥離膜除去モジュール4、洗浄モジュール5及び膜再生モジュール6の構成については、後述する。
【0027】
また図1に示すようにSOC膜形成装置は、制御部9を備えている。制御部9は、プログラム格納部を有している。プログラム格納部には、SOC膜形成装置内におけるウエハWの搬送、あるいは各モジュール1〜7において行われる後述の作用に示す塗布膜形成方法を実行するシーケンスが実施されるように命令が組まれた、プログラムが格納される。このプログラムは、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカード、DVDなどの記憶媒体により格納されて制御部9にインストールされる。
【0028】
続いて本開示に係る実施の形態の作用について、各モジュールの動作を示した図6図17を参照して説明する。また、ウエハWの表面状態を示す図18図20の縦断側面図も適宜参照する。ウエハWがキャリアCに収納されてSOC膜形成装置に搬入される。図18はこの時のウエハWを示す。ウエハWの表面に形成された膜には、凹部であるパターン100が形成され、このパターン100によってウエハWの表面は段差を備えている。凹部であるパターン100は、例えばパターン100の幅に対するパターン100の深さの割合を表すアスペクト比が0.0002〜0.8となるように構成され、パターン100の深さは、例えば1〜8μmである。さらにパターン100の幅と、パターン100が形成されることによりウエハW表面に突出する部位(凸部)の幅と、は、例えば各々10〜5000μmである。
このようなウエハWは、キャリアCから取り出されて塗布モジュール7に搬送され、図6に示すように、スピンコーティングによりウエハWの表面全体に塗布液が塗布されてSOC膜101が形成される。図19は、この時のウエハWを示している。塗布液の粘性とパターン100の段差とによりSOC膜101の表面は当該段差が反映されて凹凸を備えている。
【0029】
次いでSOC膜101が形成されたウエハWは、プレスモジュール1に搬送される。プレスモジュール1においては、ウエハWをプレスモジュール1に搬入する前に、図7に示すようにプレスプレート110が、クーリングプレート20を介して処理容器11内に搬送され、プレート保持部14の所定の位置に装着される。このプレスプレート110を上昇させた状態でプレスモジュール1は、待機している。
【0030】
そして図8に示すようにSOC膜101が塗布されたウエハWがクーリングプレート20を介して処理容器11内に搬送され、さらに図示しない昇降ピンとクーリングプレート20との協働作用により、図9に示すように載置台13に載置される。その後、シャッタ12が閉じられ、処理空間が区画される。なお図9の時点では排気が停止し、処理空間の圧力は大気圧(1気圧)となっており、載置台13及びプレート保持部14のヒータ17、18が共にオフの状態になっている。
【0031】
続いてバルブV26を開き、ウエハWの周囲の雰囲気を排気して、処理容器11内を大気圧より低い圧力である減圧雰囲気とした後、当該減圧雰囲気においてプレスプレート110を下降させて、図10に示すようにプレスプレート110の下面をウエハWの表面全体に押し当てる。具体的に減圧雰囲気は、例えば1Pa〜100Paであり、この例では、2Paで処理を行う。この時SOC膜101の表面は、架橋反応が進行しておらず流動性が高いため、プレスプレート110の平坦面に沿うように均されて平坦化される。
【0032】
さらに続いて図11に示すようにプレスプレート110をウエハWの表面に押し付けたまま、バルブV26を閉じ、例えば処理容器11内を大気圧に戻す。そして処理容器11内を大気圧とした状態で載置台13及びプレート保持部14のヒータ17、18をオンとし、載置台13及びプレート保持部14の温度を上昇させてウエハWを50〜350℃に加熱する。この時SOC膜101を所望の膜厚とするために圧力検出部16からの検出値が例えば10kPa〜100kPaになるようにプレート保持部14の昇降機構15の動作が制御される。既述のようにプレスプレート110を押し当てることで、SOC膜101の表面は、平坦化されるが、さらにウエハWを50〜350℃で加熱することで、SOC膜101の流動性を高めることができる。それによりプレスプレート110が押し当てられたSOC膜101の表面をさらに平坦化することができる。図20はこの時のウエハWの表面を示している。
【0033】
続いてプレスプレート110の平坦面と、ウエハWの表面とを接着させた状態で、プレート保持部14のプレスプレート110の吸着保持を解除する。さらに図12に示すようにプレスプレート110と一体となった状態のウエハWをクーリングプレート20に受け渡す。そしてウエハWとプレスプレート110とを一括して冷却すると共に処理容器11の外側に搬送する。このようにウエハWを冷却することでSOC膜101の流動性が低下する。
【0034】
続いて、冷却されたウエハWは、プレスプレート110と一体となった状態で搬送機構95に受け渡されて分離モジュール2に搬送される。分離モジュール2においては、図13に示すように、ウエハWが下方側から載置台201に吸着保持されると共に、プレスプレート110が上方側から昇降部200に保持される。さらにウエハWの周縁部におけるSOC膜101と剥離膜111との界面に、くさび部202の先端を挿入してSOC膜101と剥離膜111との接着を解除し、プレスプレート110を上昇させる。SOC膜101は、クーリングプレート20において冷却されて流動性が低下し硬度が高い膜となっている。さらに剥離膜111のSOC膜101に対する吸着性は比較的低い。そのため剥離膜111側にSOC膜101が付着して残らないように、SOC膜101から剥離膜111を剥がすことができる。つまりSOC膜101の表面の平坦性が保たれたまま、一体となっていたプレスプレート110と、ウエハWと、が分離する。またくさび部202の挿入によりウエハWの一部でSOC膜101と剥離膜111とが分離してから、プレスプレート110の上昇により、上記の引きはがしが行われる。そのためより確実に剥離膜111へのSOC膜101の付着が抑制される。
【0035】
さらにプレスプレート110と引き離されたウエハWは、搬送機構95により取り出されてUV照射モジュール3に搬送される。そして図14に示すようにウエハWを載置台33に載置して加熱、または、ウエハWの周囲にNガスを供給しながらウエハWにUVを照射する。これによりSOC膜101内の架橋反応が進行し、平坦化されたSOC膜101が硬化する。
なおウエハWと分離されたプレスプレート110は、プレスモジュール1に搬送され、図7にて説明したようにプレート保持部14に保持される。
【0036】
ところでウエハWの処理を継続していると、剥離膜111が劣化してプレスプレート110と、SOC膜101と、が分離しにくくなったり、剥離膜111が汚れてしまいSOC膜101の汚染源となることがある。そこで例えば所定の枚数のウエハWを処理した後、剥離膜111の除去及び再形成を行う。
【0037】
まず図13に示す剥離工程にて、ウエハWから引き離されたプレスプレート110は、搬送機構95により剥離膜除去モジュール4に搬送される。剥離膜除去モジュール4は、図15に示すようにプレスプレート110を剥離膜111が下方に向く姿勢で保持する図示しない保持部を備えている。そしてプレスプレート110の下方側に設けられたUV光源41から、プレスプレート110の下面全体にUVを照射できるように構成されている。このような構成の剥離膜除去モジュール4において、プレスプレート110の下面全体にUVを照射することで剥離膜111を除去する。
【0038】
続いてプレスプレート110は、洗浄モジュール5に搬送される。洗浄モジュール5は、図16に示すようにプレスプレート110を剥離膜111が形成されていた面を下方に向けて保持する図示しない保持部を備えると共に、プレスプレート110の下面側に押し当てられ、当該下面を擦るブラシ部51を備えている。また洗浄モジュール5には、図示しない洗浄液供給ノズルが設けられ、ブラシ部51の作用と洗浄液の供給とでプレスプレート110の下面全体を洗浄し、当該下面に残る剥離膜111を確実に除去する。なお剥離膜111を除去した後、洗浄モジュール5における洗浄を行わずに後述の膜再生処理を行うようにしてもよい。
【0039】
洗浄を行ったプレスプレート110は、搬送機構95により膜再生モジュール6に搬送される。図17に示すように膜再生モジュール66は、プレスプレート110を、洗浄された面を下方に向けて保持する図示しない保持部を備えると共に、プレスプレート110の下面側に気化したテフロン(登録商標)を供給して当該プレスプレート110の下面に蒸着させる蒸着部61を備えている。この蒸着により剥離膜111が再形成される。その後図7に示したようにプレスプレート110は、プレスモジュール1に搬送されプレート保持部14に保持される。
このように剥離膜111を除去、再生することで、剥離膜111の劣化による不具合や汚れに起因する汚染を抑制することができる。つまり使用時における剥離膜111の表面の清浄度を高く保つことができる。
【0040】
上述の実施の形態によれば、段差パターン100を有するウエハWの表面全体にSOC膜101を形成するにあたって、ウエハWにSOC膜101を塗布した後、SOC膜101の表面にプレスプレート110を押し当てて平坦化している。その後ウエハWとプレスプレート110とを分離させた後、SOC膜101にUVを照射してSOC膜101中の化合物を架橋させている。そのため架橋反応が起こり硬化した後のSOC膜101の表面の平坦性を高くすることができる。
【0041】
またプレスプレート110をSOC膜101に押し当てたときにプレスプレート110と、SOC膜101と、の隙間に気体が入り込むと、ウエハWを加熱したときに隙間に入り込んだ気体が膨張し、SOC膜101の表面から深部へ移動する。それによって膜の厚さ方向に向かう溝が形成されてしまうことがある。SOC膜形成装置は、この例では大気圧雰囲気におかれるので、上記の気体は、例えば大気である。
【0042】
本開示に係るSOC膜形成装置においては、ウエハWの雰囲気を大気圧よりも低い圧力雰囲気である減圧雰囲気とした後、当該減圧雰囲気にてプレスプレート110をウエハWに押し当てるようにしている。そのためプレスプレート110と、SOC膜101と、の隙間への気体が入り込みにくくなり、気体の侵入に起因するSOC膜101への溝の形成を抑制することができる。
【0043】
さらにSOC膜101を架橋させる前に、ウエハWの周囲の気圧が低い状態で、加熱してしまうと、SOC膜101中に含まれる成分が揮発してしまいSOC膜101の膜質が悪くなるおそれがある。そのためウエハWにプレスプレート110を押し当てた後、ウエハWの周囲の雰囲気を大気圧に戻し、大気圧雰囲気下でウエハWの温度を上昇させることで、膜質の悪化を抑制することができる。
【0044】
また塗布膜の粘度等によっては、プレスプレート110を塗布膜に押し当てた直後は、完全に平坦化されず、プレスプレート110と、塗布膜と、の間に隙間が残り、その後塗布膜を加熱することで塗布膜が平坦化されることもある。この場合には、ウエハWの加熱を開始する前にウエハWの周囲の気圧を大気圧まで戻してしまうとプレスプレート110と、塗布膜と、の間に気体が進入してしまうおそれがある。そのためプレスプレート110を塗布膜に押し当てた後、プレスプレート110を塗布膜に押し当てるときの気圧よりも高い気圧であって、大気圧(1気圧)よりも低い気圧にて、加熱を開始するようにしてもよい。
【0045】
上記の例ではSOC膜101の塗布及び整形を行っているが、SOC膜101に対してこれらの処理を行うことには限られず、表面を平坦化させた後、加熱または光照射によって平坦化させたときよりも硬化させることが可能な膜に適用することができる。光としては上記のUVには限られない。また、例えば、レジスト膜について表面を平坦化させた後、加熱してレジスト中の溶剤を揮発させることで硬化させることが考えられる。
【0046】
ところで、熱により膜を硬化させる場合、例えば上記のようにプレスプレート110を押し当て、ウエハWを加熱させて第1の温度として表面を平坦化させる。平坦化後、プレスプレート110をウエハWに押し当てたまま、載置台13及びプレート保持部14のヒータ17、18の出力を上昇させてウエハWの温度を第1の温度よりも高い第2の温度とする。このように温度を上昇させることで、膜中に含まれる化合物に対してより大きなエネルギーを与えて架橋反応を進行させて硬化させる。
【0047】
またプレスプレート110を例えばUVを透過する材料で作成し、プレスプレート110と一体となった状態のウエハWにUVを照射して、SOC膜101を架橋反応させるようにしてもよい。つまり上記の例では、SOC膜101とプレスプレート110の分離後に膜の硬化を行っているが、このような順番で処理を行うことには限られない。
【0048】
またSOC膜101の粘性が高い場合や、パターン100の高低差が大きい場合などは、プレスモジュール1にてプレス処理を行った時に、平坦になりきらないことがある。
このような場合には、UV処理によりSOC膜101を硬化(固化)した後、さらにSOC膜101上にもう一度SOC膜を形成する塗布液を塗布してもよい。例えば図14に示すようにSOC膜101を固化した後、ウエハWを塗布モジュール7に搬送し、図21に示すようにウエハWの表面全体に2回目の塗布液の塗布を行い、SOC膜を形成する。図22、23は、2回目の塗布の前後のウエハWを示している。なおウエハWに1回目の塗布で形成されるSOC膜101を第1のSOC膜101Aとし、第1のSOC膜101Aの上に2回目の塗布で形成されるSOC膜101を第2のSOC膜101Bとしている。
【0049】
さらに第2のSOC膜101Bを塗布したウエハWを図24に示す加熱モジュール8に搬送する。加熱モジュール8は、筐体80を備え、筐体80内に加熱部82が埋設された載置台81を備えている。この加熱モジュール8により第2のSOC膜101Bが塗布されたウエハWを50℃から350℃、例えば300℃に加熱する。これにより第2のSOC膜101Bの流動性が増し、図24に示すように第2のSOC膜101Bの表面が均されて平坦になる。加熱モジュール8を設けるにあたっては、例えば2層の単位ブロックF1、F2のうちの一方に設けられた膜再生部のモジュールに代えて設ければよい。
加熱処理を行ったウエハWは、図14に示したUV照射モジュール3に搬送され、第2のSOC膜101BにUVが照射される。これにより第2のSOC膜101Bが架橋反応により硬化する。
【0050】
なお第1のSOC膜101Aを架橋させる前に第2のSOC膜101Bを塗布してしまうと、第2のSOC膜101Bに含まれる溶剤により、第1のSOC膜101Aが溶解し、パターン100の形状が反映されて第2のSOC膜101Bの表面の平坦性が低下してしまう。そのため上記のように第1のSOC膜101Aの硬化後、第2のSOC膜101Bを形成することが好ましい。
また第2のSOC膜101Bに対しても、第1のSOC膜101Aと同様にプレスモジュール1にて第2のSOC膜101Bのプレスを行うようにしてもよい。その場合は、例えば加熱モジュール8での加熱の代わりに当該プレスを行う。
【0051】
さらに上記の例では、搬送機構95はウエハW及びプレスプレート110の各裏面周縁部を支持する支持部を備えている。この支持部には吸引孔が設けられ、ウエハW及びプレスプレート110の裏面周縁部が吸引されて当該支持部に吸着される。この搬送機構95については、上下の向きを反転できるように構成してもよい。つまり、プレスプレート110については、剥離膜111に接触しないように搬送機構95の支持部がその表面周縁部を吸着し、各モジュール1〜7間を搬送するようにしてもよい。そのように搬送することで支持部の接触による剥離膜111の剥がれなどの不具合を抑制してもよい。
【0052】
プレスモジュール1においてプレスプレート110を用いたプレスを行わず、処理容器11内にて昇降機構15に対して分離されない押圧用の部材が昇降し、この押圧用の部材の下面が平坦に構成され、当該平坦面の押し付けによりSOC膜101の整形を行ってもよい。ただし、上記のようにプレスモジュール1に対して着脱自在なプレスプレート110を押圧用の部材とすることで、上記の剥離膜111の再形成を容易に行うことができるという利点が有る。なお、剥離膜111を形成せずにSOC膜101の整形を行ってもよいが、上記のように押圧用の部材へのSOC膜101の付着をより確実に防ぐためには剥離膜111を形成することが有効である。
【0053】
上記の例では、プレスプレート110のウエハWへの接触前にウエハWの温度が高くなることを防ぐために、プレスプレート110をウエハWに接触させた後、オフになっていた載置台13のヒータ17及びプレート保持部14のヒータ18をオンにしている。
【0054】
ただし、これらのヒータ17、18について、プレスプレート110をウエハWに接触させる前において比較的低い出力となるようにオンにしておき、プレスプレート110のウエハWへの接触後に出力を上昇させるようにしてもよい。つまり、載置台13及びプレート保持部14の温度について、ウエハWとプレスプレート110との接触後の温度が、接触前の温度に比べて温度が高くなるように制御される。上記のようにヒータ17、18は載置台13及びプレート保持部14の一方のみに設けてもよいので、載置台13及びプレート保持部14の一方のみをそのように温度制御してもよい。
【0055】
ところで、ウエハWの表面全体とは半導体デバイスの形成領域全体の意味である。従って、上記の例でウエハWの周端で囲まれる領域全体に塗布膜の形成、塗布膜の整形を行っているが、デバイス形成領域から外れたウエハWの周端への膜形成及び整形が行われない場合も本開示の権利範囲に含まれる。
またウエハWの表面全体でSOC膜101の平坦化が行われればよいため、SOC膜101を押圧する平坦面としては、このウエハWの表面全体を覆うことができるものであればよく、ウエハWの表面全体と同じ大きさあるいはウエハWの表面全体よりも大きいものを用いることができる。
【0056】
上記の例では、SOC膜形成装置内で各処理を行うが、SOC膜形成装置の外部装置で処理を行ってもよい。例えば膜再生モジュール6や分離モジュール2について、外部装置としてもよい。そのように外部装置とする場合にはキャリアCを介してウエハWやプレスプレート110をSOC膜形成装置と外部装置との間で搬送する。この装置間のキャリアCの搬送は搬送機構により行ってもよいし、作業員が行ってもよい。
【0057】
またUV照射モジュール3にて、SOC膜101を硬化させた後、SOC膜101の厚さを調整する膜厚調整処理を行ってもよい。UV照射モジュール3にて架橋反応を進行させてSOC膜101を硬化させた後、さらに加熱したウエハWにUVを照射する。載置されて加熱されたウエハWのSOC膜101は紫外線の作用によりその表面が除去されて、膜厚が調整される。第1及び第2のSOC膜101A、101Bを形成する場合は、第1及び第2のSOC膜101A、101Bのいずれか一方のSOC膜の硬化後のみ膜厚調整を行ってもよいし、SOC膜の硬化後に膜厚調整を行ってもよい。
【0058】
ところでSOC膜の上方にはフォトリソグラフィにより、レジストパターンが形成される。半導体装置の配線の微細化により、当該フォトリソグラフィにおいて許容されるレジストパターンの寸法のマージンの狭小化は著しい。そして、SOC膜101の平坦性の低下は、このパターンの寸法の変動につながるおそれがある。そのためSOC膜101の表面を平坦化させることが求められている。この平坦化をCMPで行うことが考えられるが、ウエハWの全面で局所的に研磨を行う研磨パッドを走査させるため処理に時間を要し、スループットの低下が懸念される。また、スラリーなどの材料を用いることによって、高コストの処理になってしまう。
【0059】
また、フォトリソグラフィを行うにあたり、熱架橋型のSOC膜(加熱することによって架橋反応が起きるSOC膜)をウエハWに形成し、加熱温度を制御して膜の流動性の向上による表面の平坦化と、架橋反応による硬化とを行うことが考えられる。しかし膜の流動と架橋反応とを共に制御することは困難であった。
本開示の処理によれば、ウエハWの全面で一括して膜の表面を平坦化するためスループットの低下が抑制されるし、高価な材料を用いずに膜の表面の平坦化を行うので、処理コストが嵩むことを防ぐことができる。そして、平坦化と膜の硬化とを確実性高く行うことができるという利点が有る。
【0060】
以上に検討したように、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0061】
[実施例]
本開示の実施の形態の効果を検証するため、図18に示した段差パターン100が形成されたウエハWを用い、実施の形態に示した塗布モジュール7を用いてウエハWにSOC膜101の塗布を行った。さらに当該ウエハWをプレスモジュール1に搬送し、実施の形態に示したプレス工程を実行した。そしてプレス工程の実行の前後において、SOC膜101の表面高さの水平分布を計測した。
【0062】
図25はプレスモジュール1におけるプレス処理の実行の前後のSOC膜101の表面高さの水平分布を示すグラフであり、横軸は、ウエハWの表面高さを径方向にスキャンしたときのウエハWの中心からのスキャン距離を示し、縦軸は、当該スキャン距離の位置におけるSOC膜101の表面高さを示している。
図25に示すようにSOC膜101のプレス処理前においては、SOC膜101の表面に凹凸が見られ、表面高さに差が見られるが、プレス処理後は、凹凸がなくなり略平坦になっていた。この結果によれば、本開示に係るSOC膜形成装置によりSOC膜101の表面を平坦化することができると言える。
【符号の説明】
【0063】
1 プレスモジュール
2 分離モジュール
3 UV照射モジュール
4 剥離膜除去モジュール
5 洗浄モジュール
6 膜再生モジュール
7 塗布モジュール
101 SOC膜
110 プレスプレート
111 剥離膜
W ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
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図19
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