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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220515(P2019-220515A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20191129BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20191129BHJP
   H01L 21/316 20060101ALN20191129BHJP
【FI】
   H01L21/31 C
   C23C16/455
   H01L21/316 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-114827(P2018-114827)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寿
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA06
4K030AA09
4K030AA11
4K030AA14
4K030AA17
4K030BA18
4K030BA38
4K030BA44
4K030CA12
4K030DA08
4K030EA06
4K030EA11
4K030FA04
4K030GA06
4K030KA12
5F045AA15
5F045AA18
5F045AB32
5F045AC00
5F045AC03
5F045AC05
5F045AC07
5F045AC08
5F045AC11
5F045AC12
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AD04
5F045AD05
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AE19
5F045AE21
5F045BB02
5F045DP15
5F045DP27
5F045EB02
5F045EE19
5F045EE20
5F045EF03
5F045EF09
5F045EF14
5F045EF20
5F045EG01
5F045EH02
5F045EH03
5F045EH11
5F045EK07
5F058BC02
5F058BC08
5F058BF07
5F058BF24
5F058BF27
5F058BF29
5F058BF30
5F058BF37
5F058BG02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】処理室内の処理領域に、処理ガスの整流や吸着の促進等のために上方空間と下方空間を区画する空間区画部材が設けられている場合に、ガスを効率よく排気できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】処理室と、処理室内に設けられ、周方向に沿って基板を表面上に載置可能な回転テーブル2と、回転テーブルに処理ガスを供給可能な処理ガス吐出面を有する処理ガス供給部と、処理ガス吐出面の少なくとも回転テーブルの回転方向の下流側に延び、回転テーブルの一部を覆って回転テーブルと処理ガス吐出面との間に下方空間を形成するとともに、処理室の天井面との間に上方空間を形成する空間区画部材36Bと、空間区画部材の回転テーブルの回転方向の下流側に設けられ、回転テーブルの半径方向に沿って延び、側面の空間区画部材よりも低い位置に下部排気口62を有する排気ダクトと、空間区画部材よりも高い位置に設けられた上部排気口64と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室と、
該処理室内に設けられ、周方向に沿って基板を表面上に載置可能な回転テーブルと、
該回転テーブルに処理ガスを供給可能な処理ガス吐出面を有する処理ガス供給部と、
該処理ガス吐出面の少なくとも前記回転テーブルの回転方向の下流側に延び、前記回転テーブルの一部を覆って前記回転テーブルと前記処理ガス吐出面との間に下方空間を形成するとともに、前記処理室の天井面との間に上方空間を形成する空間区画部材と、
該空間区画部材の前記回転テーブルの前記回転方向の前記下流側に設けられ、前記回転テーブルの半径方向に沿って延び、側面の前記空間区画部材よりも低い位置に下部排気口を有する排気ダクトと、
前記空間区画部材よりも高い位置に設けられた上部排気口と、を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記処理ガス吐出面は、前記回転テーブルの半径方向に沿って配置された複数の処理ガス吐出孔を有し、
前記下部排気口は、前記排気ダクトの長手方向に沿って複数設けられている請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記上部排気口は、前記回転テーブルよりも外側に設けられ、
前記排気ダクトは、前記回転テーブルよりも外側から前記回転テーブルの中心に向かって延びている請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記上部排気口及び前記排気ダクトは、前記回転テーブルよりも外側に設けられた共通の排気路に接続されている請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記処理ガス供給部は前記回転テーブルの半径方向に沿って延びた処理ガス供給ノズルであり、
前記空間区画部材は、前記処理ガス供給ノズルから供給された前記処理ガスの流れが前記回転テーブルの前記表面と平行な流れとなることを促進する整流板と、前記処理ガス供給ノズルを覆うとともに前記整流板と接続されたノズル収容部とを有するノズルカバーである請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記整流板は、前記回転テーブルの中心側から外周側に向かって弧長が長くなる扇形の形状を有し、
前記整流板は、前記処理ガス供給ノズルの前記回転テーブルの前記回転方向における上流側にも設けられている請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記処理ガス供給部の前記回転テーブルの前記回転方向における上流側には、前記回転テーブルにパージガスを供給可能なパージガス供給部が設けられ、
前記上部排気口は、前記空間区画部材の上方を流れる前記パージガスを前記処理ガスよりも多く排気し、
前記下部排気口は、前記空間区画部材の下方に供給される前記処理ガスを前記パージガスよりも多く排気する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記処理ガス供給部は、原料ガスを供給する原料ガス供給部である請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理室は、前記回転テーブルの前記回転方向に沿って、前記原料ガス供給部の下流側に前記パージガスを供給可能な第2のパージガス供給部と、前記原料ガスと反応して反応生成物を生成可能な反応ガス供給部と、を更に有し、
前記回転テーブルの回転により、前記基板が前記パージガス供給部、前記原料ガス供給部、前記第2のパージガス供給部、前記反応ガス供給部の下方を順次通過することにより、ALD成膜が可能である請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記反応ガス供給部と前記パージガス供給部との間に、前記ALD成膜により生成された前記反応生成物の改質処理を行うプラズマガス供給部を更に有する請求項9に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、真空容器内において、BTBASガスが供給される処理領域とOガスが供給される処理領域を、水平面に沿って回転する回転テーブルの周方向に沿って配置し、処理領域のBTBASガスを排気するために、回転テーブルの外側に設けられた排気口を設けると共に、この排気口を覆い、基板載置領域の外縁から内縁に亘って伸びる中空体よりなる排気ダクトを設けた成膜装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この排気ダクトには、基板載置領域の少なくとも内縁側の位置に第2の排気用開口部が設けられており、第1の処理ガスノズルから吐出されたBTBASガスは、この第2の排気用開口部に向けて流れるので、ウェハWの径方向に高い均一性を持ってBTBASガスが供給され、面内均一性の高い成膜処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−42008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、処理室内の処理領域に、処理ガスの整流や吸着の促進等のために上方空間と下方空間を区画する空間区画部材が設けられている場合に、上方空間と下方空間を流れるガスを効率よく排気できる基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る基板処理装置は、処理室と、
該処理室内に設けられ、周方向に沿って基板を表面上に載置可能な回転テーブルと、
該回転テーブルに処理ガスを供給可能な処理ガス吐出面を有する処理ガス供給部と、
該処理ガス吐出面の少なくとも前記回転テーブルの回転方向の下流側に延び、前記回転テーブルの一部を覆って前記回転テーブルと前記処理ガス吐出面との間に下方空間を形成するとともに、前記処理室の天井面との間に上方空間を形成する空間区画部材と、
該空間区画部材の前記回転テーブルの前記回転方向の前記下流側に設けられ、前記回転テーブルの半径方向に沿って延び、側面の前記空間区画部材よりも低い位置に下部排気口を有する排気ダクトと、
前記空間区画部材よりも高い位置に設けられた上部排気口と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、空間区画部材で区切られた処理領域内の上方空間と下方空間を効率よく排気できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る基板処理装置の一例の概略縦断面図である。
図2】一実施形態に係る基板処理装置の一例の概略平面図である。
図3】ノズルカバーの一例の構成を示した図である。
図4】一実施形態に係るプラズマ処理装置の回転テーブルの同心円に沿った断面図である。
図5】一実施形態に係る基板処理装置の第1の処理領域に設けられた排気部の上面図である。
図6】一実施形態に係る基板処理装置の一例の排気部の断面図である。
図7】一実施形態に係る基板処理装置のプラズマ発生部の一例の縦断面図を示す。
図8】一実施形態に係るプラズマ発生部の一例の分解斜視図である。
図9】一実施形態に係るプラズマ発生部に設けられる筐体の一例の斜視図である。
図10】回転テーブルの回転方向に沿って真空容器を切断した縦断面図である。
図11】一実施形態に係るプラズマ発生部の一例の平面図である。
図12】一実施形態に係るプラズマ発生部に設けられるファラデーシールドの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0010】
[基板処理装置の構成]
図1に、本開示の実施形態に係る基板処理装置の一例の概略縦断面図を示す。また、図2に、本実施形態に係る基板処理装置の一例の概略平面図を示す。なお、図2では、説明の便宜上、天板11の描画を省略している。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る基板処理装置は、平面形状が概ね円形である真空容器1と、この真空容器1内に設けられ、真空容器1の中心に回転中心を有すると共にウェハWを公転させるための回転テーブル2と、を備えている。
【0012】
真空容器1は、ウェハWを収容してウェハWの表面上に形成された膜等に基板処理を行うための処理室である。真空容器1は、回転テーブル2の後述する凹部24に対向する位置に設けられた天板(天井部)11と、容器本体12とを備えている。また、容器本体12の上面の周縁部には、リング状に設けられたシール部材13が設けられている。そして、天板11は、容器本体12から着脱可能に構成されている。平面視における真空容器1の直径寸法(内径寸法)は、限定されないが、例えば1100mm程度とすることができる。
【0013】
真空容器1内の上面側における中央部には、真空容器1内の中心部領域Cにおいて互いに異なる処理ガス同士が混ざり合うことを抑制するために分離ガスを供給する、分離ガス供給管51が接続されている。
【0014】
回転テーブル2は、中心部にて概略円筒形状のコア部21に固定されており、このコア部21の下面に接続されると共に鉛直方向に伸びる回転軸22に対して、鉛直軸周り、図2に示す例では時計回りに、駆動部23によって回転自在に構成されている。回転テーブル2の直径寸法は、限定されないが、例えば1000mm程度とすることができる。
【0015】
回転軸22及び駆動部23は、ケース体20に収納されており、このケース体20は、上面側のフランジ部分が真空容器1の底面部14の下面に気密に取り付けられている。また、このケース体20には、回転テーブル2の下方領域に窒素ガス等をパージガス(分離ガス)として供給するためのパージガス供給管72が接続されている。
【0016】
真空容器1の底面部14におけるコア部21の外周側は、回転テーブル2に下方側から近接するようにリング状に形成されて突出部12aを為している。
【0017】
回転テーブル2の表面部には、直径寸法が例えば300mmのウェハWを載置するための円形状の凹部24が基板載置領域として形成されている。この凹部24は、回転テーブル2の回転方向に沿って、複数個所、例えば5箇所に設けられている。凹部24は、ウェハWの直径よりも僅かに、具体的には1mm乃至4mm程度大きい内径を有する。また、凹部24の深さは、ウェハWの厚さにほぼ等しいか、又はウェハWの厚さよりも大きく構成される。したがって、ウェハWが凹部24に収容されると、ウェハWの表面と、回転テーブル2のウェハWが載置されない領域の表面とが同じ高さになるか、ウェハWの表面が回転テーブル2の表面よりも低くなる。なお、凹部24の深さは、ウェハWの厚さよりも深い場合であっても、あまり深くすると成膜に影響が出ることがあるので、ウェハWの厚さの3倍程度の深さまでとすることが好ましい。また、凹部24の底面には、ウェハWを下方側から突き上げて昇降させるための例えば後述する3本の昇降ピンが貫通する、図示しない貫通孔が形成されている。
【0018】
図2に示すように、回転テーブル2の回転方向に沿って、第1の処理領域P1と、第2の処理領域P2と、第3の処理領域P3とが互いに離間して設けられる。第3の処理領域P3は、プラズマ処理領域であるので、以後、プラズマ処理領域P3と表してもよいこととする。また、回転テーブル2における凹部24の通過領域と対向する位置には、例えば石英からなる複数本、例えば5本のガスノズル31、32、33、41、42が真空容器1の周方向に互いに間隔をおいて放射状に配置されている。これら各々のガスノズル31〜33、41、42は、回転テーブル2と天板11との間に配置される。また、これら各々のガスノズル31〜33、41、42は、例えば真空容器1の外周壁から中心部領域Cに向かってウェハWに対向して水平に伸びるように取り付けられている。図2に示す例では、後述する搬送口15から時計回り(回転テーブル2の回転方向)に、プラズマ処理用ガスノズル33、分離ガスノズル41、第1の処理ガスノズル31、分離ガスノズル42、第2の処理ガスノズル32がこの順番で配列されている。なお、第2の処理ガスノズル32で供給されるガスは、プラズマ処理用ガスノズル33で供給されるガスと同質のガスが供給される場合が多いが、プラズマ処理用ガスノズル33で当該ガスの供給が十分な場合には、必ずしも設けられなくてもよい。
【0019】
第1の処理ガスノズル31は、第1の処理ガス供給部をなしている。また、第2の処理ガスノズル32は、第2の処理ガス供給部をなしている。更に、プラズマ処理用ガスノズル33は、プラズマ処理用ガス供給部をなしている。また、分離ガスノズル41、42は、各々分離ガス供給部をなしている。
【0020】
各ノズル31〜33、41、42は、流量調整バルブを介して、図示しない各々のガス供給源に接続されている。
【0021】
これらのノズル31〜33、41、42の下面側(回転テーブル2に対向する側)には、前述の各ガスを吐出するためのガス吐出孔36が回転テーブル2の半径方向に沿って複数箇所に例えば等間隔に形成されている。各ノズル31〜33、41、42の各々の下端縁と回転テーブル2の上面との離間距離が例えば1〜5mm程度となるように配置されている。
【0022】
第1の処理ガスノズル31の下方領域は、第1の処理ガスをウェハWに吸着させるための第1の処理領域P1であり、第2の処理ガスノズル32の下方領域は、第1の処理ガスと反応して反応生成物を生成可能な第2の処理ガスをウェハWに供給する第2の処理領域P2である。また、プラズマ処理用ガスノズル33の下方領域は、ウェハW上の膜の改質処理を行うための第3の処理領域P3となる。分離ガスノズル41、42は、第1の処理領域P1と第2の処理領域P2及び第3の処理領域P3と第1の処理領域P1とを分離する分離領域Dを形成するために設けられる。なお、第2の処理領域P2と第3の処理領域P3との間には分離領域Dは設けられていない。第2の処理領域P2で供給する第2の処理ガスと、第3処理領域P3で供給する混合ガスは、混合ガスに含まれている成分の一部が第2の処理ガスと共通する場合が多いので、特に分離ガスを用いて第2の処理領域P2と第3の処理領域P3とを分離する必要が無いからである。
【0023】
詳細は後述するが、第1の処理ガスノズル31からは、成膜しようとする膜の主成分をなす原料ガスが第1の処理ガスとして供給される。例えば、成膜しようとする膜がシリコン酸化膜(SiO)の場合には、アミノシランガス等のシリコン含有ガスが供給される。第2の処理ガスノズル32からは、原料ガスと反応して反応生成物を生成可能な反応ガスが第2の処理ガスとして供給される。例えば、成膜しようとする膜がシリコン酸化膜(SiO)の場合には、酸素ガス、オゾンガス等の酸化ガスが供給される。プラズマ処理用ガスノズル33からは、成膜された膜の改質処理を行うため、第2の処理ガスと同様のガスと希ガスとを含む混合ガスが供給される。例えば、成膜しようとする膜がシリコン酸化膜(SiO)の場合には、第2の処理ガスと同様に酸素元素を含む酸素ガス等の酸化ガスと、アルゴン、ヘリウム等の希ガスとの混合ガスが供給される。
【0024】
第1の処理ガスノズル31の上方には、ノズルカバー34が設けられている。ノズルカバー34は、第1の処理ガスノズル31を上方から覆うとともに、回転テーブル2の回転方向(図2における時計回り方向)における上流側及び下流側に広がる扇形の整流板36A、36Bを有する。なお、ノズルカバー34の詳細については後述する。
【0025】
ノズルカバー34の回転テーブル2の回転方向における下流側には、排気部60が設けられている。排気部60は、回転テーブル2の半径方向に沿って延びる排気ダクト61と、回転テーブル2よりも外側に設けられる上部排気部63とを有する。なお、排気部60の詳細についても後述する。
【0026】
図3は、ノズルカバーの一例の構成を示した図であり、図3(a)には、少なくとも処理ガスノズル31に取り付けられるノズルカバー34が示されている。ノズルカバー34は、処理ガスをより高い濃度でウェハW(回転テーブル2)に供給するために設けられる。ノズルカバー34は、必要に応じて、第1の処理ガスノズル31のみならず、第2の処理ガスノズル32及び/又はプラズマ処理用ガスノズル33にも設けられてもよい。
【0027】
図3(a)に示すように、ノズルカバー34は、処理ガスノズル31の長手方向に沿って延び、コ字型の断面形状を有するカバー体35を有している。カバー体35は、処理ガスノズル31を覆うように配置されている。カバー体35における上記長手方向に延びる2つの開口端の一方には、整流板36Aが取り付けられ、他方には、整流板36Bが取り付けられている。
【0028】
図3(b)は、ノズルカバー34の構成要素間のプロポーションの一例を示した図である。図3(b)に示されるように、図3の例においては、整流板36A、36Bは、処理ガスノズル31の中心軸に対して左右対称に形成されているが、必ずしも左右対称でなくてもよい。例えば、回転テーブル2の回転方向下流側の整流板36Bの方が、上流側の整流板36Aよりも広い幅で形成されていてもよい。図2においては、下流側の整流板36Bの方が上流側の整流板36Aよりもやや広い幅を有する構成が示されている。
【0029】
整流板36A,36Bの回転テーブル2の回転方向に沿った長さは、回転テーブル2の外周部に向かうほど長くなっており、このため、ノズルカバー34は、概ね扇形状の平面形状を有している。ここで、図3(b)に点線で示す扇の開き角度は、分離領域Dの凸状部4のサイズをも考慮して決定されるが、例えば5°以上90°未満であると好ましく、具体的には例えば8°以上10°未満であると更に好ましい。このようなノズルカバー34を設けることにより、処理ガスノズル31から供給された処理ガスとウェハWとの接触時間を長くすることができ、処理ガスのウェハWの表面上への吸着を効率的に行うことができる。よって、必要に応じて、処理ガスノズル31、32及びプラズマ処理用ガスノズル33の1つ又は複数に、ノズルカバー34を設けるようにしてもよい。
【0030】
図4に、本実施形態に係るプラズマ処理装置の回転テーブルの同心円に沿った断面図を示す。なお、図4は、分離領域Dから第1の処理領域P1を経て分離領域Dまでの断面図である。
【0031】
分離領域Dにおける真空容器1の天板11には、概略扇形の凸状部4が設けられている。凸状部4は、天板11の裏面に取り付けられており、真空容器1内には、凸状部4の下面である平坦な低い天井面44(第1の天井面)と、この天井面44の周方向両側に位置する、天井面44よりも高い天井面45(第2の天井面)とが形成される。
【0032】
天井面44を形成する凸状部4は、図2に示すように、頂部が円弧状に切断された扇型の平面形状を有している。また、凸状部4には、周方向中央において、半径方向に伸びるように形成された溝部43が形成され、分離ガスノズル41、42がこの溝部43内に収容されている。なお、凸状部4の周縁部(真空容器1の外縁側の部位)は、各処理ガス同士の混合を阻止するために、回転テーブル2の外端面に対向すると共に容器本体12に対して僅かに離間するように、L字型に屈曲している。
【0033】
第1の処理ガスノズル31の上方側には、第1の処理ガスをウェハWに沿って通流させるために、且つ分離ガスがウェハWの近傍を避けて真空容器1の天板11側を通流するように、ノズルカバー34が設けられている。ノズルカバー34は、図4に示すように、第1の処理ガスノズル31を収納するために下面側が開口する概略箱形のカバー体35と、このカバー体35の下面側開口端における回転テーブル2の回転方向上流側及び下流側に各々接続された板状体である整流板36A、36Bとを備えている。ノズルカバー34は、第1の処理領域P1を上部空間と下部空間に区画する空間区画部材として機能する。なお、回転テーブル2の回転中心側におけるカバー体35の側壁面は、第1の処理ガスノズル31の先端部に対向するように回転テーブル2に向かって伸び出している。また、回転テーブル2の外縁側におけるカバー体35の側壁面は、第1の処理ガスノズル31に干渉しないように切り欠かれている。上方に突出して内側に窪みを形成するカバー体35内に第1の処理ガスノズル31が収容された状態で、第1の処理ガスノズル31を上方から覆うようにノズルカバー34は設けられる。
【0034】
ノズルカバー34の下流側には、排気ダクト61が設けられる。排気ダクト61は、ノズルカバー34の整流板36A、36Bの下方の処理ガスを排気するための排気手段である。排気ダクト61の側面の下部には、下部排気口62が設けられる。下部排気口62は、整流板36A、36Bよりも下方に設けられ、整流板36A、36Bの下方を流れる処理ガスを排気する。整流板36A、36Bの下流側に、横向きに開口する下部排気口62を設けることにより、整流板36A、36Bの下方の平行流の流れに乱れを生じさせずに排気することが可能となる。
【0035】
図5は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の第1の処理領域P1に設けられた排気部60の上面図である。
【0036】
図5に示されるように、第1の処理ガスノズル31がノズルカバー34に覆われ、ノズルカバー34の下流側、より詳細には整流板36Bの下流側に排気ダクト61が設けられる。排気ダクト61は、回転テーブル2の半径方向に沿って回転テーブル2よりも外側の位置から中心に向かって延びるように設けられる。図4で説明した下部排気口62がノズルカバー34側の整流板36Bと対向する側面下部に設けられる。下部排気口62は、1個であってもよいが、半径方向において均一な排気を行う観点から、排気ダクト61の長手方向(回転テーブル2の半径方向)に沿って、複数個配列されることが好ましい。このような配置構成を有することにより、第1の処理ガスノズル31から供給された処理ガスが回転テーブル2の回転方向に沿って流れてくるのを直接的に排気でき、横向きの平行流を維持することが可能となる。これにより、均一な基板処理が可能となる。
【0037】
排気ダクト61の形状は、処理ガスを排気できる限り問わないが、側面が平面であることが好ましいため、四角形の断面形状を有することが好ましい。これにより、排気ダクト61の上流側の側面を回転テーブル2と略垂直な面にすることができ、処理ガスの流れる方向と下部排気口62の開口の向きを同一にすることができ、効率のよい排気が可能となる。なお、排気ダクト61の下部排気口62を設ける側面を適切な角度とすることができれば、排気ダクト61の断面形状は、長方形や正方形の四角形に限定される訳ではなく、他の多角形、円形(全体としては円筒形又は円管状)等であってもよい。
【0038】
なお、図5において、上部排気部63が示されている。上部排気部63は、整流板36A,36Bよりも高い位置に設けられた排気手段であり、ノズルカバー34の上方を流れる分離ガス(N、Ar等)を主に排気する。
【0039】
図6は、本開示の実施形態に係る基板処理装置の一例の排気部60の断面図である。図6に示されるように、排気部60は、真空ポンプ等の排気手段に接続される排気路65を備え、排気路65と連通する排気ダクト61と上部排気部63とを備える。排気ダクト61は、その上流側の側面の整流板36Bよりも低い位置に下部排気口62を備える。図6に示されるように、複数個の下部排気口62を回転テーブル2の半径方向に沿って配列することにより、図5に示したような横向きの平行流を形成することが可能となる。
【0040】
排気路65の上端には、上部排気部63が設けられる。上部排気部63の外周面には、上部排気口64が設けられ、整流板36A、36Bの上方を通流する分離ガスを排気する。図6に示される通り、上部排気部63の上部排気口64は、整流板36A、36Bよりも高い位置に設けられ、処理ガスよりも分離ガスを多く排気するように配置構成されている。ノズルカバー34よりも上方を通過する分離ガスを排気出来る限り、上部排気口64の構成は問わないが、図6に示されるように、円筒形の周面に複数の開口が設けられた構成であってもよい。図6においては、縦長の上部排気口64が円筒形の上部排気部63の外周面に沿って多数形成された構成となっている。
【0041】
排気ダクト61及び上部排気部63は、ともに鉛直方向に延びた排気路65に接続され、真空ポンプ等の排気手段で排気可能に構成される。かかる構成により、排気ダクト61で処理ガスを分離ガスよりも多く排気し、上部排気部63で分離ガスを排気することができ、上下で効率よく排気を行うことができるとともに、回転テーブル2の表面に沿って横向きの処理ガスの平行流を形成することができ、ウェハWの表面上に均一な原料ガスの吸着が可能となり、成膜の面内均一性を向上させることができる。
【0042】
なお、図2及び図5に示されるように、排気部60、特に排気ダクト61は、ノズルカバー34とあまり距離を開けずに、下流側の整流板36Bの近傍に配置することが好ましい。これにより、処理ガスの流れに乱れを生じさせず、均一で効率的な排気及び基板処理が可能となる。
【0043】
また、図2に示されるように、プラズマ処理用ガスノズル33の上方側には、必要に応じて、真空容器1内に吐出されるプラズマ処理用ガスをプラズマ化するために、プラズマ発生部81を設けてもよい。
【0044】
図7に、本実施形態に係るプラズマ発生部の一例の縦断面図を示す。また、図8に、本実施形態に係るプラズマ発生部の一例の分解斜視図を示す。さらに、図9に、本実施形態に係るプラズマ発生部に設けられる筐体の一例の斜視図を示す。
【0045】
プラズマ発生部81は、金属線等から形成されるアンテナ83をコイル状に例えば鉛直軸回りに3重に巻回して構成されている。また、プラズマ発生部81は、平面視で回転テーブル2の径方向に伸びる帯状体領域を囲むように、且つ回転テーブル2上のウェハWの直径部分を跨ぐように配置されている。
【0046】
アンテナ83は、整合器84を介して周波数が例えば13.56MHz及び出力電力が例えば5000Wの高周波電源85に接続されている。そして、アンテナ83は、真空容器1の内部領域から気密に区画されるように設けられている。なお、図1及び図7において、アンテナ83と整合器84及び高周波電源85とを電気的に接続するための接続電極86が設けられている。
【0047】
図7及び図8に示すように、プラズマ処理用ガスノズル33の上方側における天板11には、平面視で概略扇形に開口する開口部11aが形成されている。
【0048】
開口部11aには、図7に示すように、開口部11aの開口縁部に沿って、この開口部11aに気密に設けられる環状部材82を有する。後述する筐体90は、この環状部材82の内周面側に気密に設けられる。即ち、環状部材82は、外周面が天板11の開口部11aの内周面11bに接触すると共に、内周側が後述する筐体90のフランジ部90aに対向する位置に、気密に設けられる。そして、この環状部材82を介して、開口部11aには、アンテナ83を天板11よりも下方側に位置させるために、例えば石英等の誘導体により構成された筐体90が設けられる。筐体90の底面は、プラズマ発生領域P2の天井面46を構成する。
【0049】
筐体90は、図9に示すように、上方側の周縁部が周方向に亘ってフランジ状に水平に伸び出してフランジ部90aをなすと共に、平面視において、中央部が下方側の真空容器1の内部領域に向かって窪むように形成されている。
【0050】
筐体90は、この筐体90の下方にウェハWが位置した場合に、回転テーブル2の径方向におけるウェハWの直径部分を跨ぐように配置されている。なお、環状部材82と天板11との間には、O−リング等のシール部材11cが設けられる。
【0051】
真空容器1の内部雰囲気は、環状部材82及び筐体90を介して気密に設定されている。具体的には、環状部材82及び筐体90を開口部11a内に落とし込み、次いで環状部材82及び筐体90の上面であって、環状部材82及び筐体90の接触部に沿うように枠状に形成された押圧部材91によって筐体90を下方側に向かって周方向に亘って押圧する。さらに、この押圧部材91を図示しないボルト等により天板11に固定する。これにより、真空容器1の内部雰囲気は気密に設定される。なお、図8においては、簡単のため、環状部材82を省略して示している。
【0052】
図7に示すように、筐体90の下面には、当該筐体90の下方側の処理領域P2を周方向に沿って囲むように、回転テーブル2に向かって垂直に伸び出す突起部92が形成されている。そして、この突起部92の内周面、筐体90の下面及び回転テーブル2の上面により囲まれた領域には、前述したプラズマ処理用ガスノズル33が収納されている。なお、プラズマ処理用ガスノズル33の基端部(真空容器1の内壁側)における突起部92は、プラズマ処理用ガスノズル33の外形に沿うように概略円弧状に切り欠かれている。
【0053】
また、図7に示すように、筐体90の下方の第3の処理領域P3内には、プラズマ処理用ガスノズル33が設けられ、アルゴンガス供給源120、水素ガス供給源121及び酸素ガス供給源122に接続されている。また、プラズマ処理用ガスノズル33とアルゴンガス供給源120、水素ガス供給源121及び酸素ガス供給源122との間には、各々に対応する流量制御器130、131、132が設けられている。アルゴンガス供給源120、水素ガス供給源121及び酸素ガス供給源122から各々流量制御器130、131、132を介してArガス、Hガス及びOガスが所定の流量比(混合比)で各プラズマ処理用ガスノズル33に供給され、供給される領域に応じてArガス、Hガス及びOガスが定められる。
【0054】
図10は、回転テーブル2の回転方向に沿って真空容器1を切断した縦断面図を示した図である。図10に示されるように、プラズマ処理中には回転テーブル2が時計周りに回転するので、Nガスがこの回転テーブル2の回転に連れられて回転テーブル2と突起部92との間の隙間から筐体90の下方側に侵入しようとする。そのため、隙間を介して筐体90の下方側へのNガスの侵入を阻止するために、隙間に対して筐体90の下方側からガスを吐出させている。具体的には、プラズマ処理用ガスノズル33のガス吐出孔37について、図7及び図10に示すように、この隙間を向くように、即ち回転テーブル2の回転方向上流側且つ下方を向くように配置している。鉛直軸に対するプラズマ処理用ガスノズル33のガス吐出孔36の向く角度θは、図10に示すように例えば45°程度であってもよいし、突起部92の内側面に対向するように、90°程度であってもよい。つまり、ガス吐出孔36の向く角度θは、Nガスの侵入を適切に防ぐことができる45°〜90°程度の範囲内で用途に応じて設定することができる。
【0055】
次に、プラズマ発生部81のファラデーシールド95について、より詳細に説明する。図7及び図8に示すように、筐体90の上方側には、当該筐体90の内部形状に概略沿うように形成された導電性の板状体である金属板例えば銅などからなる、接地されたファラデーシールド95が収納されている。このファラデーシールド95は、筐体90の底面に沿うように水平に係止された水平面95aと、この水平面95aの外終端から周方向に亘って上方側に伸びる垂直面95bと、を備えており、平面視で例えば概略六角形となるように構成されていても良い。
【0056】
図11に本実施形態に係るプラズマ発生部の一例の平面図を示し、図12に本実施形態に係るプラズマ発生部に設けられるファラデーシールドの一部を示す斜視図を示す。
【0057】
回転テーブル2の回転中心からファラデーシールド95を見た場合の右側及び左側におけるファラデーシールド95の上端縁は、各々、右側及び左側に水平に伸び出して支持部96を為している。そして、ファラデーシールド95と筐体90との間には、支持部96を下方側から支持すると共に筐体90の中心部領域C側及び回転テーブル2の外縁部側のフランジ部90aに各々支持される枠状体99が設けられている。
【0058】
電界がウェハWに到達する場合、ウェハWの内部に形成されている電気配線等が電気的にダメージを受けてしまう場合がある。そのため、水平面95aには、アンテナ83において発生する電界及び磁界(電磁界)のうち電界成分が下方のウェハWに向かうことを阻止すると共に、磁界をウェハWに到達させるために、多数のスリット97が形成されている。
【0059】
スリット97は、図11及び図12に示すように、アンテナ83の巻回方向に対して直交する方向に伸びるように、周方向に亘ってアンテナ83の下方位置に形成されている。ここで、スリット97は、アンテナ83に供給される高周波に対応する波長の1/10000以下程度の幅寸法となるように形成されている。また、各々のスリット97の長さ方向における一端側及び他端側には、これらスリット97の開口端を塞ぐように、接地された導電体等から形成される導電路97aが周方向に亘って配置されている。ファラデーシールド95においてこれらスリット97の形成領域から外れた領域、即ち、アンテナ83の巻回された領域の中央側には、当該領域を介してプラズマの発光状態を確認するための開口部98が形成されている。なお、図2においては、簡単のために、スリット97を省略しており、スリット97の形成領域例を、一点鎖線で示している。
【0060】
図8に示すように、ファラデーシールド95の水平面95a上には、ファラデーシールド95の上方に載置されるプラズマ発生部81との間の絶縁性を確保するために、厚み寸法が例えば2mm程度の石英等から形成される絶縁板94が積層されている。即ち、プラズマ発生部81は、筐体90、ファラデーシールド95及び絶縁板94を介して真空容器1の内部(回転テーブル2上のウェハW)を覆うように配置されている。
【0061】
再び、本実施形態に係る基板処理装置の他の構成要素について、説明する。
【0062】
回転テーブル2の外周側において、回転テーブル2よりも僅かに下位置には、図2に示すように、カバー体であるサイドリング100が配置されている。サイドリング100の上面の第3の処理領域P3の下流側には、排気口66が形成されている。別の言い方をすると、真空容器1の床面には、排気口が形成され、これら排気口に対応する位置におけるサイドリング100には、排気口66が形成されている。
【0063】
なお、図6で説明したように、排気路65は、真空容器1の天板11の天井面付近まで上方に延びているため、真空容器1の床面に露出した排気口は形成されていない。
【0064】
本実施形態に係る基板処理装置においては、排気部60と、排気口66が設けられている。排気部60は、第1の処理ガスノズル31と、この第1の処理ガスノズル31に対して、回転テーブル2の回転方向下流側に位置する分離領域Dとの間において、分離領域D側に寄った位置に設けられている。また、排気口66は、プラズマ発生部81と、このプラズマ発生部81よりも回転テーブル2の回転方向下流側の分離領域Dとの間において、分離領域D側に寄った位置に設けられている。
【0065】
上述のように、排気部60は、第1の処理ガスや分離ガスを排気するためのものである。一方、排気口66は、プラズマ処理用ガスや分離ガスを排気するためのものである。排気部60及び排気口66は、各々、バタフライバルブ等の圧力調整部69が介設された排気管67により、真空排気機構である例えば真空ポンプ68に接続されている。
【0066】
前述したように、中心部領域C側から外縁側に亘って筐体90を配置しているため、処理領域P2に対して回転テーブル2の回転方向上流側から通流してくるガスは、この筐体90によって排気口66に向かおうとするガス流が規制されてしまうことがある。そのため、筐体90よりも外周側におけるサイドリング100の上面には、ガスが流れるための溝状のガス流路101が形成されている。
【0067】
天板11の下面における中央部には、図1に示すように、凸状部4における中心部領域C側の部位と連続して周方向に亘って概略リング状に形成されると共に、その下面が凸状部4の下面(天井面44)と同じ高さに形成された突出部5が設けられている。この突出部5よりも回転テーブル2の回転中心側におけるコア部21の上方側には、中心部領域Cにおいて各種ガスが互いに混ざり合うことを抑制するためのラビリンス構造部110が配置されている。
【0068】
前述したように筐体90は中心部領域C側に寄った位置まで形成されているので、回転テーブル2の中央部を支持するコア部21は、回転テーブル2の上方側の部位が筐体90を避けるように回転中心側に形成されている。そのため、中心部領域C側では、外縁部側よりも、各種ガス同士が混ざりやすい状態となっている。そのため、コア部21の上方側にラビリンス構造を形成することにより、ガスの流路を稼ぎ、ガス同士が混ざり合うことを防止することができる。
【0069】
回転テーブル2と真空容器1の底面部14との間の空間には、図1に示すように、加熱機構であるヒータユニット7が設けられている。ヒータユニット7は、回転テーブル2を介して回転テーブル2上のウェハWを例えば室温〜300℃程度に加熱することができる構成となっている。なお、図1に、ヒータユニット7の側方側にカバー部材71aが設けられるとともに、ヒータユニット7の上方側を覆う覆い部材7aが設けられる。また、真空容器1の底面部14には、ヒータユニット7の下方側において、ヒータユニット7の配置空間をパージするためのパージガス供給管73が、周方向に亘って複数個所に設けられている。
【0070】
真空容器1の側壁には、図2に示すように、搬送アーム10と回転テーブル2との間においてウェハWの受け渡しを行うための搬送口15が形成されている。この搬送口15は、ゲートバルブGより気密に開閉自在に構成されている。そして、搬送アーム10が真空容器1に対して進退する領域における天板11の上方には、ウェハWの周縁部を検知するためのカメラユニット10aが設けられている。このカメラユニット10aは、ウェハWの周縁部を撮像することにより、例えば搬送アーム10上にウェハWの有無や、回転テーブル2に載置されたウェハWの位置ずれや、搬送アーム10上のウェハWの位置ずれを検知するために使用される。カメラユニット10aは、ウェハWの直径寸法に対応する程度の幅広い視野を有するように構成されている。
【0071】
回転テーブル2の凹部24は、この搬送口15に対向する位置にて搬送アーム10との間でウェハWの受け渡しが行われる。そのため、回転テーブル2の下方側の受け渡し位置に対応する箇所には、凹部24を貫通してウェハWを裏面から持ち上げるための図示しない昇降ピン及び昇降機構が設けられている。
【0072】
また、本実施形態に係るプラズマ処理装置には、装置全体の動作を制御するためのコンピュータからなる制御部140が設けられている。この制御部140のメモリ内には、後述の基板処理を行うためのプログラが格納されている。このプログラムは、装置の各種動作を実行するようにステップ群が組まれており、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスク等の記憶媒体である記憶部141から制御部140内にインストールされる。
【0073】
排気部60は、第1の処理領域P1のみならず、第2の処理領域P2の第2の処理ガスノズル32、第3の処理領域P3のプラズマ処理用ガスノズル33に対して設けてもよい。上部及び下部からの排気が可能となるため、効率的な処理ガスの排気が可能となる。但し、ノズルカバー34のような、真空容器1の回転テーブル2の上方の領域を上方の空間と下方の空間に区画するような空間区画部材が存在する場合の方が、排気部60の効果は顕著に発揮される。
【0074】
プラズマ処理領域P3において、筐体90と真空容器1の天板11との間に空間が形成されるような構成であれば、上方で分離ガス等を排気し、下方でプラズマ及びラジカル等の処理ガスを排気できることができ、図2乃至図6で説明したのと同様の効果を得ることができる。同様に、第2の処理領域P2においても、第2の処理ガスノズル32の上方にノズルカバー34を設けるか、吊り下げ式のシャワーヘッドを設けるような構成であれば、排気部60の効果を顕著に発揮することができる。
【0075】
本実施形態においては、処理ガスノズル31とノズルカバー34の組み合わせの例を挙げたが、真空容器1の天板11の天井面との間に空間が形成されるようなシャワーヘッド型のガス供給手段であっても、同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、本実施形態においては、ALD成膜を行う回転テーブル式の成膜装置を例に挙げて説明したが、回転テーブル(サセプタ)2上に基板を載置し、処理ガスを供給して基板処理を行い、処理ガスの排気が必要な基板処理プロセスであれば、種々のプロセスに適用可能である。
【0077】
[基板処理装置の動作]
次に、本実施形態に係る基板処理装置の動作の一例について説明する。図面は、今まで用いた図面を参照し、対応する構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0078】
まず、図2において、ウェハWを真空容器1内に搬入する。ウェハW等の基板の搬入に際しては、先ず、ゲートバルブGを開放する。そして、回転テーブル2を間欠的に回転させながら、搬送アーム10により搬送口15を介して回転テーブル2上に載置する。
【0079】
次いで、ゲートバルブGを閉じて、真空ポンプ68及び圧力調整部69により真空容器1内を所定の圧力にした状態で、回転テーブル2を回転させながら、ヒータユニット7によりウェハWを所定の温度に加熱する。この時、分離ガスノズル41、42からは、分離ガス、例えば、Nガスが供給される。
【0080】
ここで、排気部60からは、排気ダクト61及び上部排気部63の双方から排気が開始される。一方、排気口66からも排気が開始される。
【0081】
続いて、第1の処理ガスノズル31からは第1の処理ガスを供給し、第2の処理ガスノズル32からは第2の処理ガスを供給する。また、プラズマ処理用ガスノズル33から、所定の流量でプラズマ処理用ガスを供給する。
【0082】
ここで、第1の処理ガス、第2の処理ガス及びプラズマ処理用ガスは、用途に応じて種々のガスを用いてよいが、第1の処理ガスノズル31からは原料ガス、第2の処理ガスノズル32からは酸化ガス又は窒化ガスを供給する。また、プラズマ処理用ガスノズル33からは、第2の処理ガスノズルから供給された酸化ガス又は窒化ガスと類似した酸化ガス又は窒化ガスと、希ガスを含む混合ガスからなるプラズマ処理用ガスを供給する。
【0083】
ここでは、成膜しようとする膜がシリコン酸化膜であり、第1の処理ガスがアミノシランガス、第2の処理ガスが酸素ガス、プラズマ処理用ガスがH、Ar、Oの混合ガスからなる場合を例に挙げて説明する。
【0084】
第1の処理ガスは、排気部60の下部排気口62から主に排気され、分離ガス(N)ガスは、上部排気部63から主に排気される。2つのガスは必ずしも完全には分離されないが、下部排気口62からは第1の処理ガスが分離ガスよりも多く排気され、上部排気口64からは分離ガスが第1の処理ガスよりも多く排気されることになる。
【0085】
ウェハWの表面では、回転テーブル2の回転によって第1の処理領域P1においてSi含有ガス又は金属含有ガスが吸着し、次いで、第2の処理領域P2においてウェハW上に吸着したSi含有ガスが、酸素ガスによって酸化される。これにより、薄膜成分であるシリコン酸化膜の分子層が1層又は複数層形成されて反応生成物が形成される。
【0086】
その際、分離ガスと処理ガスの排気が適切に行われ、面内均一性の高い成膜処理を行うことができる。
【0087】
更に回転テーブル2が回転すると、ウェハWはプラズマ処理領域P3に到達し、プラズマ処理によるシリコン酸化膜の改質処理が行われる。プラズマ処理領域P3で供給されるプラズマ処理用ガスについては、例えば、Ar、H、Oの混合ガスを供給する。
【0088】
なお、プラズマ処理領域P3にてプラズマ処理を行う際には、プラズマ発生部81では、アンテナ83に対して、所定の出力の高周波電力を供給する。
【0089】
筐体90では、アンテナ83により発生する電界及び磁界のうち電界は、ファラデーシールド95により反射、吸収又は減衰されて、真空容器1内への到達が阻害される。
【0090】
また、本実施形態に係るプラズマ処理装置は、スリット97の長さ方向における一端側及び他端側に導電路97aが設けられると共に、アンテナ83の側方側に垂直面95bを有する。そのため、スリット97の長さ方向における一端側及び他端側から回り込んでウェハW側に向かおうとする電界についても遮断される。
【0091】
一方、磁界は、ファラデーシールド95にスリット97を形成しているので、このスリット97を通過して、筐体90の底面を介して真空容器1内に到達する。こうして筐体90の下方側において、磁界によりプラズマ処理用ガスがプラズマ化される。これにより、ウェハWに対して電気的ダメージを引き起こしにくい活性種を多く含むプラズマを形成することができる。
【0092】
本実施形態においては、回転テーブル2の回転を続けることにより、ウェハW表面への原料ガスの吸着、ウェハW表面に吸着した原料ガス成分の酸化、及び反応生成物のプラズマ改質この順番で多数回に亘って行われる。即ち、ALD法による成膜処理と、形成された膜の改質処理とが、回転テーブル2の回転よって、多数回に亘って行われる。
【0093】
本実施形態に係る基板処理装置における第1及び第2の処理領域P1、P2の間と、第3及び第1の処理領域P3、P1の間には、回転テーブル2の周方向に沿って分離領域Dを配置している。そのため、分離領域Dにおいて、処理ガスとプラズマ処理用ガスとの混合が阻止されながら、各ガスが排気部60の下部排気口62及び上部排気口64、及び排気口66に向かって排気されていく。
【0094】
本実施形態における第1の処理ガスの一例としては、DIPAS[ジイソプロピルアミノシラン]、3DMAS[トリスジメチルアミノシラン]ガス、BTBAS[ビスターシャルブチルアミノシラン]、DCS[ジクロロシラン]、HCD[ヘキサクロロジシラン]等のシリコン含有ガスが挙げられる。
【0095】
また、TiN膜の成膜に本発明の実施形態に係るプラズマ処理方法を適用する場合には、第1の処理ガスには、TiCl[四塩化チタン]、Ti(MPD)(THD)[チタニウムメチルペンタンジオナトビステトラメチルヘプタンジオナト]、TMA[トリメチルアルミニウム]、TEMAZ[テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム]、TEMHF[テトラキスエチルメチルアミノハフニウム]、Sr(THD)[ストロンチウムビステトラメチルヘプタンジオナト]等の金属含有ガスを使用しても良い。
【0096】
プラズマ処理用ガスとしては、本実施形態では、希ガスとしてはArガスとHガスを用い、これを改質用の酸素ガスと組み合わせた例を挙げて説明したが、他の希ガスを用いてもよいし、誘導結合型プラズマの代わりに熱酸化等を行って改質を行い、酸素ガスの代わりに、オゾンガスや、水を用いることも可能である。
【0097】
また、窒化膜を成膜するプロセスでは、改質用にNHガス又はNガスを用いるようにしてもよい。更に、必要に応じて、水素含有ガス(Hガス、NHガス)との混合ガスを用いてもよい。
【0098】
また、分離ガスとしては、例えばNガスの他、Arガス、Heガス等も挙げられる。
【0099】
成膜工程における第1の処理ガスの流量は、限定されないが、例えば50sccm〜1000sccmとすることができる。
【0100】
プラズマ処理用ガスに含まれる酸素含有ガスの流量は、限定されないが、例えば500sccm〜5000sccm(一例として500sccm)程度とすることができる。
【0101】
真空容器1内の圧力は、限定されないが、例えば0.5Torr〜4Torr(一例として1.8Torr)程度とすることができる。
【0102】
ウェハWの温度は、限定されないが、例えば40℃〜650℃程度とすることができる。
【0103】
回転テーブル2の回転速度は、限定されないが、例えば60rpm〜300rpm程度とすることができる。
【0104】
本実施形態に係る基板処理装置によれば、排気を上下に分けて効率良く行うことができるとともに、処理ガスの濃度を適切に制御でき、面内均一性の高い基板処理を行うことができる。特に、基板処理装置を成膜装置として構成する場合には、膜厚の面内均一性、膜質の面内均一性を向上させることができる。
【0105】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0106】
1 真空容器
2 回転テーブル
24 凹部
31、32 処理ガスノズル
33 プラズマ処理用ガスノズル
34 ノズルカバー
35 カバー体
36A、36B 整流板
37 ガス吐出孔
41、42 分離ガスノズル
60 排気部
61 排気ダクト
62 下部排気口
63 上部排気部
64 上部排気口
65 排気路
66 排気口
67 排気管
68 真空ポンプ
69 圧力調整部
81 プラズマ発生部
120〜122 ガス供給源
130〜132 流量制御器
P1 第1の処理領域(原料ガス供給領域)
P2 第2の処理領域(反応ガス供給領域)
P3 第3の処理領域(プラズマ処理領域)
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12