特開2019-33182(P2019-33182A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-33182(P2019-33182A)
(43)【公開日】2019年2月28日
(54)【発明の名称】LED駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20190201BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20190201BHJP
【FI】
   H01L33/00 J
   H05B37/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-153479(P2017-153479)
(22)【出願日】2017年8月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】新日本無線株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宗
(72)【発明者】
【氏名】武渕 堅次
(72)【発明者】
【氏名】矢田 智春
(72)【発明者】
【氏名】加藤 義規
(72)【発明者】
【氏名】山崎 王義
【テーマコード(参考)】
3K273
5F241
【Fターム(参考)】
3K273AA02
3K273BA36
3K273CA02
3K273CA12
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA22
3K273EA25
3K273EA35
3K273EA36
3K273FA07
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA27
3K273FA33
5F241AA21
5F241BB07
5F241BB16
5F241BB24
5F241BC03
5F241BC07
5F241BC17
5F241BC33
5F241BD42
5F241BD54
(57)【要約】      (修正有)
【課題】入力電圧に応じて2個のLED群の直列/並列の切り替えを自動で行うとともに、どちらか1つのLED群が点灯しない、あるいは所望の電流がLED群に流れていないといった異常を目視で容易に確認できるようにするLED駆動回路を提供する。
【解決手段】LED群2,3と、スイッチ回路7〜10と、LED群2,3に流れる電流を制御する駆動回路6と、LED群に流れる電流を検知する電流検知回路11,12と、定電流発生回路131にて生成された定電流とLED群に流れる電流を比較する電流比較回路132,133を含む制御回路13と、入力電圧VINの検出結果と制御回路13の制御信号により前記スイッチ回路7〜10を個別的にオン/オフ制御するとともに駆動回路6の各駆動部を制御する制御回路5とを備える。制御回路13は、LED群2,3の電流値が異常であればスイッチ回路7〜10をオフするようにスイッチ制御回路52を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n個(nは1以上の整数)のLEDの直列回路からなるLED群と、スイッチ回路と、前記スイッチ回路のオン/オフを制御するスイッチ制御回路と、前記LED群に流れる電流を制御する駆動回路と、前記LED群に流れる電流を検知する電流検知回路と、前記電流検知回路で検知した電流と定電流を比較する電流比較回路と、を備えたLED駆動回路であって、
前記LED群とスイッチ回路および電流検知回路は電圧入力端子と駆動回路の間に直列接続され、前記電流比較回路の比較結果が異常であれば前記スイッチ回路をオフしてLEDを消灯することを特徴とするLED駆動回路。
【請求項2】
n個(nは1以上の整数)のLEDの直列回路からなる第1および第2のLED群と、複数のスイッチ回路と、前記第1のLED群に流れる電流を制御する第1の駆動部および前記第2のLED群に流れる電流を制御する第2の駆動部を有する駆動回路と、前記電圧入力端子の電圧を検出して前記複数のスイッチ回路を個別にオン/オフ制御して前記第1のLED群と前記第2のLED群を並列接続あるいは直列接続するとともに前記駆動回路の前記第1および第2の駆動部を制御する第1の制御回路とを備えるLED駆動回路であって、
前記第1のLED群を流れる電流を検知する第1の電流検知回路と前記第2のLED群あるいは直列接続された前記第1のLED群と前記第2のLED群を流れる電流を検知する第2の電流検知回路と、前記電圧入力端子の電圧を検出して第1の定電流と第2の定電流を生成する定電流発生回路と、前記第1の電流検知回路で検知した電流と前記第1の定電流を比較する第1の電流比較回路と、前記第2の電流検知回路で検知した電流と前記第2の定電流を比較する第2の電流比較回路とを含む第2の制御回路とを備え、
前記第1の制御回路は前記第1の電流比較回路および前記第2の電流比較回路の比較結果が正常であれば前記複数のスイッチ回路のオン/オフの状態を維持し、前記第1の電流比較回路あるいは前記第2の電流比較回路の比較結果が異常であれば前記複数のスイッチ回路をオフして全てのLEDを消灯する、
ことを特徴とする請求項1に記載のLED駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図2に従来のLED駆動回路を示す。1は電圧入力端子、2,3はn個(nは1以上の整数)のLEDが直列接続された第1および第2のLED群、4はPWM端子である。5は第1の制御回路であり、電圧入力端子1に入力する電圧VINの高低を検出する電圧検知回路51と、その電圧検知回路51の検出結果に応じた制御信号を出力するスイッチ制御回路52を含む。6は駆動回路であり、第1のLED群2を駆動する第1の駆動部61と、第2のLED群3又は第1および第2のLED群2,3の直列回路を駆動する第2の駆動部62を含み、それらは所定の電流値を設定するとともに、PWM端子に入力するPWM信号によって、電流のオン/オフを行う。7〜10はスイッチ制御回路52でオン/オフが個別的に制御されるスイッチ回路である。
【0003】
図2に示すLED駆動回路の動作は、特許文献1に開示されているように、スイッチ回路7〜10のオン/オフを制御することにより、電圧入力端子1の入力電圧VINが低い電圧のときは第1のLED群2と第2のLED群3を並列接続にして駆動し、電圧入力端子1の入力電圧VINが高い電圧のときは第1のLED群2と第2のLED群3を直列接続にして駆動する。
【0004】
このような構成にすることで、入力電圧VINが低い電圧の場合には大きな順方向電圧VfのLEDも使用可能となり、また入力電圧VINが高い電圧の場合には回路のダイナミックレンジを有効活用することができるとともに駆動回路6の電流値を制御することで第1のLED群2と第2のLED群3を並列接続した時と同じ輝度に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−167213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このようなLED駆動回路ではスイッチ回路の一部で動作不良が起きた場合に問題が生じてしまう。例えば、スイッチ回路7動作不良となった場合、第1のLED群2と第2のLED群3を直列接続するときは第1のLED群2と第2のLED群3は問題なく点灯するが、並列接続する場合には第1のLED群2が点灯しないことになる。また、スイッチ回路10が動作不良となった場合、第1のLED群2と第2のLED群3を直列接続するときは第1のLED群2と第2のLED群3は問題なく点灯するが、並列接続する場合には第2のLED群3が点灯しないことになる。
【0007】
このLED駆動回路を航海灯LED照明灯の駆動回路として使用した場合、並列接続した第1のLED群2と第2のLED群3のいずれかが点灯しない状態では光量が不足し、航海灯の光量規定を逸脱するといった不具合が発生する。ところが、目視では光量不足は判別しづらいため、不具合状態を見逃してしまう可能性がある。
【0008】
本発明は上記問題点を解消し、LED群の輝度レベルを所望のレベルに設定するとともに光量が不足した場合には目視で不具合状態を確認できるLED駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、n個(nは1以上の整数)のLEDの直列回路からなるLED群と、スイッチ回路と、前記スイッチ回路のオン/オフを制御するスイッチ制御回路と、前記LED群に流れる電流を制御する駆動回路と、前記LED群に流れる電流を検知する電流検知回路と、前記電流検知回路で検知した電流と定電流を比較する電流比較回路と、を備えたLED駆動回路であって、前記LED群とスイッチ回路および電流検知回路は電圧入力端子と駆動回路の間に直列接続され、前記電流比較回路の比較結果が異常であれば前記スイッチ回路をオフしてLEDを消灯することを特徴とする。
【0010】
請求項2にかかる発明は、n個(nは1以上の整数)のLEDの直列回路からなる第1および第2のLED群と、複数のスイッチ回路と、前記第1のLED群に流れる電流を制御する第1の駆動部および前記第2のLED群に流れる電流を制御する第2の駆動部を有する駆動回路と、前記電圧入力端子の電圧を検出して前記複数のスイッチ回路を個別にオン/オフ制御するとともに前記駆動回路の前記第1および第2の駆動部を制御する第1の制御回路とを備えるLED駆動回路であって、前記第1のLED群を流れる電流を検知する第1の電流検知回路と前記第2のLED群あるいは直列接続された前記第1のLED群と前記第2のLED群を流れる電流を検知する第2の電流検知回路と、前記電圧入力端子の電圧を検出して第1の定電流と第2の定電流を生成する定電流発生回路と、前記第1の電流検知回路で検知した電流と前記第1の定電流を比較する第1の電流比較回路と、前記第2の電流検知回路で検知した電流と前記第2の定電流を比較する第2の電流比較回路とを含む第2の制御回路とを備え、前記第1の制御回路は前記第1の電流比較回路および前記第2の電流比較回路の比較結果が正常であれば前記複数のスイッチ回路のオン/オフの状態を維持し、前記第1の電流比較回路あるいは前記第2の電流比較回路の比較結果が異常であれば前記複数のスイッチ回路をオフして全てのLEDを消灯することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各LED群に流れる電流が正常な電流値であることを検知し、正常であれば所望の状態を保持し、各LED群に電流が流れない等の異常がある場合にはスイッチ回路がオフに制御され、各LED群を全消灯することにより目視で不具合状態であることを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例のLED駆動回路の回路図である。
図2】従来のLED駆動回路の回路である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する部材・配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。図面において、同一番号は同等あるいは同一部分を示している。
【0014】
図1に本発明のLED駆動回路を示す。1は電圧入力端子、2はn個の(nは1以上の整数)のLEDが直列接続された第1のLED群、3もn個のLEDが直列接続された第2のLED群、4はPWM端子である。5は第1の制御回路であり、電圧入力端子1に入力する電圧VINの高低を検出する電圧検知回路51と、その電圧検知回路51の検出結果と後述する第2の制御回路13から出力される制御信号に応じた制御信号を出力するスイッチ制御回路52を含む。6は駆動回路であり、第1のLED群2を駆動する第1の駆動部61と、第2のLED群3又は第1および第2のLED群2,3の直列回路を駆動する第2の駆動部62を含み、それらは所定の電流値を設定するとともに、PWM端子4に入力するPWM信号によって、電流のオン/オフを行う。7〜10はスイッチ制御回路52でオン/オフが個別的に制御されるスイッチ回路である。11は第1の電流検知回路であり、第1のLED群2に流れる電流を検知する。12は第2の電流検知回路であり、第2のLED群3あるいは第1および第2のLED群2,3に流れる電流を検知する。13は第2の制御回路であり、電圧検知回路51の検出結果に応じて定電流を生成する定電流発生回路131と、定電流発生回路131で生成された第1の定電流Iref1と第1の電流検知回路11の検知した電流を比較する第1の電流比較回路132と、定電流発生回路131で生成された第2の定電流Iref2と第2の電流検知回路12の検知した電流を比較する第2の電流比較回路133を含む。
【0015】
さて、電圧入力端子1には、高い電圧あるいは低い電圧VINが入力する。まず、入力電圧VINが、制御回路5の電圧検知回路51において低い所望の電圧であると検知されたときは、スイッチ制御回路52によって、スイッチ回路7,8,10がオンに制御され、スイッチ回路9がオフに制御される。これにより、第1および第2のLED群2,3が電圧入力端子1に対して並列接続される。そして、駆動回路6の駆動部61,62が互いに同じ電流値に設定され且つ同じPWM信号で制御されることで、第1および第2のLED群2,3の各LEDがそのPWM制御に応じた同じ輝度で発光する。
【0016】
また、第1の制御回路5の電圧検知回路51の検出結果は第2の制御回路13の定電流発生回路131へ入力され、定電流発生回路131は所望の定電流を生成し、第1の電流比較回路132へ第1の定電流Iref1を、第2の電流比較回路133へ第2の定電流Iref2を出力する。第1の電流検知回路11では、第1のLED群2に流れる電流を検知し、その検知した電流と第1の定電流Iref1を第2の制御回路13の第1の電流比較回路132にて比較し、第1のLED群2に流れる電流が所望の電流であることを検知する。同様に、第2の電流検知回路12では、第2のLED群3に流れる電流を検知し、その検知した電流と第2の定電流Iref2を第2の制御回路13の第2の電流比較回路133にて比較し、第2のLED群3に流れる電流が所望の電流であることを検知する。
【0017】
第1および第2のLED群2,3に流れる電流が所望の電流である場合は、スイッチ制御回路52によって、スイッチ回路7,8,10がオンに制御されスイッチ回路9がオフに制御された状態を維持する。スイッチ回路等の異常により、第1および第2のLED群2,3に流れる電流が所望の電流でないことを第1の電流比較回路11あるいは第2の電流比較回路12が検知した場合は、スイッチ制御回路52によってスイッチ回路7〜10がオフに制御される。これにより第1および第2のLED群2,3のどちらも点灯しないため、目視で不具合状態であることを確認することができる。
【0018】
次に、入力電圧VINが、第1の制御回路5の電圧検知回路51において高い所望の電圧であると検知されたときは、スイッチ制御回路52によって、スイッチ回路8,9がオンに制御され、スイッチ回路7,10がオフに制御される。これにより、第1および第2のLED群2,3が電圧入力端子1に対して直列接続される。このとき、駆動回路6の駆動部62がPWM制御されることで、第1および第2のLED群2,3がそのPWM制御に応じた輝度で発光する。このとき、駆動部62の電流値を、スイッチ制御回路52によって、並列接続されていた際に第2のLED群3に流れた電流値と同じ電流値に制御することで、第1および第2のLED群2,3が並列接続されていた際に入力したPWM信号と同じPWM信号が入力する際に、直列接続された第1および第2のLED群2,3の各LEDの輝度レベルを並列接続時の輝度レベルと同程度にすることができる。
【0019】
また、第1の制御回路5の電圧検知回路51の検出結果は第2の制御回路13の定電流発生回路131へ入力され、定電流発生回路131は所望の定電流を生成し、第2の制御回路13の第2の電流比較回路133へ第2の定電流Iref2を出力する。第2の電流検知回路12では、第1および第2のLED群2,3に流れる電流を検知し、その検知した電流と第2の定電流Iref2を第2の制御回路13の第2の電流比較回路133にて比較し、第1および第2のLED群2,3に流れる電流が所望の電流であることを検知する。
【0020】
第1および第2のLED群2,3に流れる電流が所望の電流である場合は、スイッチ制御回路52によって、スイッチ回路8,9がオンに制御されスイッチ回路7,10がオフに制御された状態を維持する。スイッチ回路等の異常により、第1および第2のLED群2,3に流れる電流が所望の電流でないことを第2の電流比較回路12が検知した場合は、スイッチ制御回路52によってスイッチ回路7〜10がオフに制御される。これにより第1および第2のLED群2,3のどちらも点灯しないため、目視で不具合状態であることを確認することができる。
【0021】
以上のように、本発明によれば、入力電圧の高低に応じて第1および第2のLED群2,3を並列接続あるいは直列接続することで回路のダイナミックレンジを有効に活用してLED群の輝度レベルを所望のレベルに設定することができるとともに、スイッチ回路等の異常により第1および第2のLED群2,3に流れる電流が所望の電流とならず光量が不足した場合に不具合状態を目視で容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0022】
1:電圧入力端子、2,3:LED群、4:PWM端子、5:第1の制御回路、51:電圧検知回路、52:スイッチ制御回路、6:駆動回路、61:第1の駆動部、62:第2の駆動部、7〜10:スイッチ回路、11:第1の電流検知回路、12:第2の電流検知回路、13:第2の制御回路、131:定電流発生回路、132:第1の電流比較回路、133:第2の電流比較回路
図1
図2