特開2019-56916(P2019-56916A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-56916(P2019-56916A)
(43)【公開日】2019年4月11日
(54)【発明の名称】変倍光学系
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20190315BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20190315BHJP
【FI】
   G02B15/20
   G02B13/18
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】66
(21)【出願番号】特願2018-221926(P2018-221926)
(22)【出願日】2018年11月28日
(62)【分割の表示】特願2016-572206(P2016-572206)の分割
【原出願日】2016年1月29日
(31)【優先権主張番号】特願2015-17913(P2015-17913)
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-17914(P2015-17914)
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-17915(P2015-17915)
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【住所又は居所】東京都港区港南二丁目15番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】芝山 敦史
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087MA13
2H087NA07
2H087NA09
2H087NA14
2H087PA13
2H087PA16
2H087PB17
2H087PB18
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087SA44
2H087SA46
2H087SA49
2H087SA50
2H087SA53
2H087SA55
2H087SA57
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SA72
2H087SB05
2H087SB14
2H087SB16
2H087SB22
2H087SB23
2H087SB33
2H087SB35
2H087SB43
2H087SB46
2H087UA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好な光学性能と、広画角化またはF値を小さくする変倍光学系を提供する。
【解決手段】変倍光学系ZLは、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔を変化させることにより変倍を行い、第4レンズ群G4は、光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成した第42レンズ群G42と、第42レンズ群G42の物体側に配置された第41レンズ群G41とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、第2レンズ群と、第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とを有し、
前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔と、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔と、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔と、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔を変化させることにより変倍を行い、
前記第4レンズ群は、光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成した第42レンズ群と、前記第42レンズ群の物体側に配置された第41レンズ群とを有することを特徴とする変倍光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変倍光学系に関する。
本願は、2015年01月30日に出願された日本国特許出願2015−017913号、日本国特許出願2015−017914号、及び日本国特許出願2015−017915号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手振れ補正機構を備えた広画角の変倍光学系が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−160229号公報
【特許文献2】特開平11−231220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、変倍光学系では、良好な光学性能と、広画角化またはF値を小さくすること、の両立が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る変倍光学系は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、第2レンズ群と、第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とを有し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔と、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔と、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔と、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔を変化させることにより変倍を行い、前記第4レンズ群は、光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成した第42レンズ群と、前記第42レンズ群の物体側に配置された第41レンズ群とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図2】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図3】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図4】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図5】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図6】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図7】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図8】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図9】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図10】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図11】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図12】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図13】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図14】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図15】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図16】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図17】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図18】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図19】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図20】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図21】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図22】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図23】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図24】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図25】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図26】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図27】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図28】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図29】(W)、(M)、及び(T)はそれぞれ、第8実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における断面図である。
図30】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第8実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
図31】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第8実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における至近距離合焦時の諸収差図である。
図32】(a)、(b)、及び(c)はそれぞれ、第8実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、及び望遠端状態における無限遠合焦時に像ブレ補正を行った時の横収差図である。
図33】変倍光学系を搭載したカメラの構成の一例を示す図である。
図34】変倍光学系の製造方法の一例の概略を示す図である。
図35】変倍光学系の製造方法の一例の概略を示す図である。
図36】変倍光学系の製造方法の別の一例の概略を示す図である。
図37】変倍光学系の製造方法の別の一例の概略を示す図である。
図38】変倍光学系の製造方法の別の一例の概略を示す図である。
図39】変倍光学系の製造方法の別の一例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、変倍光学系ZLの構成の一例を示す。他の例において、レンズ群の数、各レンズ群におけるレンズ構成等は適宜変更可能である。
【0008】
一実施形態において、変倍光学系は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔を変化させることにより変倍を行い、第4レンズ群G4は、光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成した第42レンズ群G42と、第42レンズ群G42の物体側に配置された第41レンズ群G41とを有する。一例において、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との少なくとも一方は正の屈折力を有することが可能である。
【0009】
代替的に、変倍光学系ZLは、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、各レンズ群の間隔を変化させることにより変倍を行い、第4レンズ群G4は、防振レンズ群VRとして、像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成した第42レンズ群G42と、第42レンズ群G42の物体側に配置され像ブレ補正時に光軸と垂直方向における位置が不動の第41レンズ群G41とを有する。
【0010】
負正正負正のレンズ群を有し、各群の間隔を変化させることにより、広画角の変倍光学系を実現することができる。また、第4レンズ群G4を、物体側より順に並んだ、第41レンズ群G41と、第42レンズ群G42とを有する構成とし、第42レンズ群G42を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させて像ブレ補正を行うことにより、像ブレ補正時の偏心コマ収差の発生及び片ボケの発生を抑え、良好な結像性能を実現することができる。
【0011】
なお、第41レンズ群G41は、正の屈折力を有していても、負の屈折力を有していてもよい。
【0012】
また、第4レンズ群G4は、第42レンズ群G42の像側に、1以上のレンズ(像ブレ補正時に不動)を有していてもよい。
【0013】
変倍光学系ZLにおいて、第42レンズ群G42は、負の屈折力を有することが好ましくは可能である。
【0014】
第42レンズ群G42に負の屈折力を持たせることで、第42レンズ群G42を像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動させた際の、偏心収差、特に偏心コマ収差の発生と、像面の倒れ(片ボケ)を良好に補正することができる。
【0015】
変倍光学系ZLは、次の条件式(1)を満足することが好ましくは可能である。
0.700 < f42/f4 < 1.700 …(1)
但し、
f42:第42レンズ群G42の焦点距離、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離。
【0016】
条件式(1)は、第4レンズ群G4の焦点距離に対する、防振レンズ群VRである第42レンズ群G42の焦点距離を規定するための条件式である。条件式(1)を満足することにより、像ブレ補正時の結像性能を良好としつつ、像ブレ補正時に第42レンズ群G42の移動量を適切なものにすることができる。
【0017】
条件式(1)の上限値を上回ると、第42レンズ群G42の焦点距離が長くなり、像ブレ補正時の第42レンズ群G42の移動量が大きくなり過ぎる。このため、像ブレ補正の機構が大型化する可能性がある。
【0018】
効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を1.600とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(1)の上限値を1.500とすることが好ましくは可能である。
【0019】
条件式(1)の下限値を下回ると、第42レンズ群G42の焦点距離が短くなり、像ブレ補正時に発生する偏心コマ収差、あるいは片ボケの発生が増大し、像ブレ補正時に良好な結像性能を維持できない。
【0020】
効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を0.800とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(1)の下限値を0.900とすることが好ましくは可能である。
【0021】
変倍光学系ZLは、次の条件式(2)を満足することが好ましくは可能である。
−0.400 < f4/f41 < 0.500 …(2)
但し、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離、
f41:第41レンズ群G41の焦点距離。
【0022】
条件式(2)は、第4レンズ群G4の焦点距離に対する、第41レンズ群G41の焦点距離を規定するための条件式である。条件式(2)を満足することにより、像ブレ補正時の結像性能を良好としつつ、像ブレ補正時に移動させる第42レンズ群G42の移動量を適切なものにすることができる。
【0023】
条件式(2)の上限値を上回ると、第41レンズ群G41の負の屈折力が大きくなり、第42レンズ群G42の屈折力が相対的に弱くなる。この結果、像ブレ補正時の第42レンズ群G42の移動量が大きくなり過ぎ、像ブレ補正の機構が大型化する。
【0024】
効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を0.400とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(2)の上限値を0.300とすることが好ましくは可能である。
【0025】
条件式(2)の下限値を下回ると、第41レンズ群G41の正の屈折力が大きくなり、第42レンズ群G42の負の屈折力が相対的に強くなる。この結果、像ブレ補正時に発生する偏心コマ収差、あるいは片ボケの発生が増大し、像ブレ補正時に良好な結像性能を維持できない。
【0026】
効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を−0.300とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(2)の下限値を−0.200とすることが好ましくは可能である。
【0027】
変倍光学系ZLは、次の条件式(3)を満足することが好ましくは可能である。
0.200 < f1/f4 < 0.900 …(3)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離。
【0028】
条件式(3)は、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得つつ、像面湾曲、コマ収差を良好に補正するための条件式である。
【0029】
条件式(3)の上限値を上回ると、第1レンズ群G1の焦点距離が長くなり、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得ることが困難となる。あるいは、レンズ全長と第1レンズ群G1のレンズ径の大型化を招き、好ましくない。
【0030】
効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を0.750とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(3)の上限値を0.600とすることが好ましくは可能である。
【0031】
条件式(3)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1の焦点距離が短くなり、像面湾曲やコマ収差の補正が困難になり、良好な結像性能を実現することができない。
【0032】
効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を0.300とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(3)の下限値を0.350とすることが好ましくは可能である。
【0033】
変倍光学系ZLにおいて、第41レンズ群G41は、負レンズと、正レンズとを有することが好ましくは可能である。
【0034】
この構成によれば、像ブレ補正のために第42レンズ群G42を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正と、変倍時の結像性能の確保(特に、球面収差、コマ収差、非点収差の変動の抑制)とを両立させることができる。
【0035】
変倍光学系ZLにおいて、第42レンズ群G42は、正レンズと負レンズとの接合レンズからなることが好ましくは可能である。
【0036】
この構成によれば、像ブレ補正のために第42レンズ群G42を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。また、像ブレ補正のために移動するレンズを小型軽量にすることができ、像ブレ補正機構及びレンズ全系の小型化にも有効である。
【0037】
なお、第42レンズ群G42は、上記のように正レンズと負レンズとを接合させた構成ではなく、(接合面で剥がして)2枚のレンズからなる構成としてもよい。
【0038】
変倍光学系ZLにおいて、第42レンズ群G42の最も像側のレンズ面は、非球面であることが好ましくは可能である。
【0039】
この構成によれば、像ブレ補正のために第42レンズ群G42を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。
【0040】
変倍光学系ZLは、次の条件式(4)を満足することが好ましくは可能である。
1.100 < A(T3.5)/A(T4.0) < 5.000 …(4)
但し、
A(T3.5):望遠端状態においてF/3.5のF値に対応する軸上光線が、第42レンズ群G42の最も像側のレンズ面に形成された非球面を通る点での非球面量、
A(T4.0):望遠端状態においてF/4.0のF値に対応する軸上光線が、第42レンズ群G42の最も像側のレンズ面に形成された非球面を通る点での非球面量。
なお、前記非球面量とは、非球面の光軸上での、近似球面に対する非球面のサグ量を光軸に沿って測った量をいう。
【0041】
条件式(4)は、第42レンズ群G42の最も像側の非球面における、非球面量の適切な値を規定するための条件式である。条件式(4)を満足することにより、像ブレ補正のために第42レンズ群G42を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケを良好に補正することができる。
【0042】
条件式(4)の上限値を上回ると、第42レンズ群G42の非球面量が過大となり、像ブレ補正のために第42レンズ群G42を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正が困難となる。
【0043】
効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を4.000とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(4)の上限値を3.000とすることが好ましくは可能である。
【0044】
条件式(4)の下限値を下回ると、第42レンズ群G42の非球面量が不足し、像ブレ補正のために第42レンズ群G42を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正が困難となる。
【0045】
効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を1.250とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(4)の下限値を1.400とすることが好ましくは可能である。
【0046】
変倍光学系ZLにおいて、第1レンズ群G1は、変倍の際に像面に対して固定されていることが好ましくは可能である。
【0047】
この構成によれば、ズーム移動機構の簡素化と、レンズ鏡筒の堅牢化に有効である。
【0048】
変倍光学系ZLは、第2レンズ群G2を合焦レンズ群として光軸方向に移動させることにより合焦を行うことが好ましくは可能である。
【0049】
この構成によれば、合焦レンズ群を小型軽量にすることができ、レンズ全系の小型化と、オートフォーカス時の合焦速度を高速化することができる。
【0050】
以上のように、広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系ZLを実現することができる。
【0051】
次に、上述の変倍光学系ZLを備えたカメラ(光学機器)について、図面を参照しながら説明する。図33は、変倍光学系を搭載したカメラの構成の一例を示す。
【0052】
カメラ1は、図33に示すように、撮影レンズ2として上述の変倍光学系ZLを備えたレンズ交換式のカメラ(所謂ミラーレスカメラ)である。このカメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、不図示のOLPF(Optical
low pass filter:光学ローパスフィルタ)を介して撮像部3の撮像面上に被写体像を形
成する。そして、撮像部3に設けられた光電変換素子によって被写体像が光電変換されて被写体の画像が生成される。この画像は、カメラ1に設けられたEVF(Electronic vie
w finder:電子ビューファインダ)4に表示される。これにより撮影者は、EVF4を介
して被写体を観察することができる。また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、撮像部3で生成された被写体の画像が不図示のメモリーに記憶される。このようにして、撮影者はカメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
【0053】
カメラ1に撮影レンズ2として搭載した変倍光学系ZLは、後述の各実施例からも分かるようにその特徴的なレンズ構成によって、広画角を有し、諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有している。したがって、カメラ1によれば、広画角を有し、諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有する光学機器を実現することができる。
【0054】
なお、カメラ1として、ミラーレスカメラの例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ本体にクイックリターンミラーを有し、ファインダ光学系によって被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに、上述の変倍光学系ZLを搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
【0055】
続いて、上述の変倍光学系ZLの製造方法の一例について概説する。図34図35は、変倍光学系ZLの製造方法の一例を示す。
【0056】
図34に示す例において、まず、鏡筒内に、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔を変化させることにより変倍を行うように、各レンズを配置する(ステップST1)。第4レンズ群G4が、光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成した第42レンズ群G42と、第42レンズ群G42の物体側に配置された第41レンズ群G41とを有するように、各レンズを配置する(ステップST2)。
【0057】
図35に示す例において、まず、鏡筒内に、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、各レンズ群の間隔を変化させることにより変倍を行うように、各レンズを配置する(ステップST10)。第4レンズ群G4が、像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成した第42レンズ群G42と、第42レンズ群G42の物体側に配置され像ブレ補正時に光軸と垂直方向における位置が不動の第41レンズ群G41とを有するように、各レンズを配置する(ステップST20)。
【0058】
レンズ配置の一例を挙げると、図1に示すように、物体側から順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とを配置して第1レンズ群G1とし、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとを配置して第2レンズ群G2とし、両凸レンズL31と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32との接合レンズを配置して第3レンズ群G3とし、両凹レンズL41と、両凸レンズL42と、両凹レンズL43と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL44との接合レンズとを配置して第4レンズ群G4とし、両凸レンズL51と、両凸レンズL52と両凹レンズL53との接合レンズと、両凸レンズL54と両凹レンズL55との接合レンズとを配置して第5レンズ群G5とする。第4レンズ群G4は、両凹レンズL41から両凸レンズL42までを第41レンズ群G41とし、両凹レンズL43と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL44との接合レンズを第42レンズ群G42(防振レンズ群VR)とする。このように準備した各レンズ群を、上述の手順で配置して変倍光学系ZLを製造する。
【0059】
上記の製造方法によれば、広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系ZLを製造することができる。
【0060】
以下、各実施例について、図面に基づいて説明する。
【0061】
図1図5は、各実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1〜ZL2)の構成及び屈折力配分を示す断面図である。変倍光学系ZL1〜ZL2の断面図の下部には、広角端状態(W)から中間焦点距離状態(M)を経て望遠端状態(T)に変倍する際の各レンズ群の光軸に沿った移動方向を矢印で示す。変倍光学系ZL1〜ZL2の断面図の上部には、無限遠から近距離物体に合焦する際の合焦レンズ群の移動方向を矢印で示すとともに、像ブレを補正する際の防振レンズ群VRの様子も示している。
【0062】
なお、第1実施例に係る図1に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
【0063】
以下に表1〜表2を示すが、これらは第1実施例〜第2実施例における各諸元の表である。
【0064】
各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長587.562nm)、g線(波長435.835nm)を選んでいる。
【0065】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数を示す。また、(Di)は第i面と第(i+1)面との面間隔、(開口絞り)は開口絞りSをそれぞれ示す。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0066】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数をそれぞれ示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。なお、2次の非球面係数A2は0であり、記載を省略する。
X(y)=(y2/R)/{1+(1−κ×y2/R2)1/2}+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10 …(a)
【0067】
表中の[各種データ]において、fはレンズ全系の焦点距離、FNoはFナンバー、ωは半画角(単位:°)、Yは最大像高、BFは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの距離を空気換算長により表記したもの、TLは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えたものをそれぞれ示す。
【0068】
表中の[可変間隔データ]において、Diは第i面と第(i+1)面との面間隔、D0は物体面と第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面との軸上空気間隔、fはレンズ全系の焦点距離、βは撮影倍率をそれぞれ示す。
【0069】
表中の[レンズ群データ]において、各レンズ群の始面と焦点距離を示す。
【0070】
表中の[条件式対応値]には、上記の条件式(1)〜(4)に対応する値を示す。
【0071】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われる。しかし、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0072】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0073】
(第1実施例)
第1実施例について、図1図4及び表1を用いて説明する。第1実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1)は、図1に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5からなる。
【0074】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0075】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。
【0076】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL31と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32との接合レンズからなる。
【0077】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第41レンズ群G41と、負の屈折力を有する第42レンズ群G42とからなる。第41レンズ群G41は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL41と、両凸レンズL42とからなる。第42レンズ群G42は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL43と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL44との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL44は、像側面が非球面である。
【0078】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL51と、両凸レンズL52と両凹レンズL53との接合レンズと、両凸レンズL54と両凹レンズL55との接合レンズとからなる。両凹レンズL55は、像側面が非球面である。
【0079】
第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。
【0080】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔)が変化するように、第1レンズ群G1を像面に対して固定し、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を物体側へ移動させ、第4レンズ群G4を物体側へ移動させ、第5レンズ群G5を物体側へ移動させることにより行う。開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に、物体側へ移動させる。
【0081】
無限遠から近距離物体への合焦は、第2レンズ群G2を像側へ移動させることにより行う。
【0082】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第42レンズ群G42を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。なお、第42レンズ群G42の物体側に位置する、第41レンズ群G41は、像ブレ補正時に固定である。
【0083】
第1実施例では、広角端状態において、防振係数は−0.74であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.31mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−0.90であり、焦点距離は23.50mmであるので、0.68度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.31mmである。望遠端状態において、防振係数は−1.16であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.29mmである。
【0084】
下記の表1に、第1実施例における各諸元の値を示す。表1における面番号1〜32が、図1に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
【0085】
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 144.72719 3.000 1.76690 46.9
*2 16.78385 12.144 1.00000
*3 -146.50988 1.700 1.76690 46.9
4 112.07990 2.219 1.00000
5 -201.75172 1.700 1.49700 81.7
6 50.54104 1.200 1.00000
7 47.54818 5.221 1.75520 27.6
8 -219.28043 (D8) 1.00000
9 46.75733 3.989 1.64769 33.7
10 -272.45513 0.100 1.00000
11 50.36118 1.000 1.84666 23.8
12 19.87141 4.835 1.60342 38.0
13 62.52826 (D13) 1.00000
14 48.51662 6.297 1.49700 81.7
15 -35.93964 1.400 1.84666 23.8
16 -54.11218 (D16) 1.00000
17 (開口絞り) 3.263 1.00000
18 -42.29429 1.300 1.90366 31.3
19 142.58723 0.100 1.00000
20 81.26353 3.890 1.84666 23.8
21 -56.98684 2.000 1.00000
22 -67.55578 1.300 1.80400 46.6
23 33.77804 3.516 1.80518 25.4
*24 150.14014 (D24) 1.00000
25 32.07862 7.401 1.49700 81.7
26 -48.27408 0.100 1.00000
27 44.80816 8.054 1.49700 81.7
28 -28.00000 1.500 1.74950 35.2
29 112.01929 0.500 1.00000
30 60.44099 6.300 1.49700 81.7
31 -60.00000 2.000 1.80610 41.0
*32 983.65534 (D32) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 2.21315e-06 -2.13704e-09 -5.22294e-12 7.89630e-15
2 0.00000e+00 9.86610e-06 -4.32155e-09 1.14702e-10 -3.66795e-13
3 1.00000e+00 -2.67699e-06 1.28816e-10 4.17268e-11 -1.97814e-13
24 1.00000e+00 -1.85215e-06 1.82819e-10 7.49821e-12 -1.11725e-14
32 1.00000e+00 1.67690e-05 8.61235e-09 1.61417e-11 9.86306e-15

[各種データ]
W M T
f 16.40 23.50 34.00
FNo 2.85 2.84 2.85
ω 53.9 40.6 30.1
Y 20.00 20.00 20.00
TL 159.619 159.618 159.618
BF 27.426 36.177 49.659

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 340.38 340.38 340.38
β - - - -0.0451 -0.0649 -0.0941
f 16.40 23.50 34.00 - - -
D8 25.600 10.000 2.000 27.097 11.678 3.852
D13 5.565 12.410 5.867 4.069 10.733 4.016
D16 3.000 9.997 14.864 3.000 9.997 14.864
D24 12.000 5.006 1.200 12.000 5.006 1.200
D32 27.426 36.177 49.659 27.426 36.177 49.659

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -22.99
第2レンズ群 9 81.72
第3レンズ群 14 62.91
第4レンズ群 17 -50.13
第41レンズ群 17 -648.11
第42レンズ群 22 -57.48
第5レンズ群 25 38.14

[条件式対応値]
条件式(1) f42/f4 = 1.15
条件式(2) f4/f41 = 0.077
条件式(3) f1/f4 = 0.459
条件式(4) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.735
(A(T3.5)=-0.0180,A(T4.0)=-0.0104)
【0086】
表1から、第1実施例に係る変倍光学系ZL1は、条件式(1)〜(4)を満足することが分かる。
【0087】
図2は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図3は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図4は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0088】
各収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Aは各像高に対する半画角(単位:°)、H0は物体高を示す。dはd線、gはg線における収差を示す。また、これらの記載のないものは、d線における収差を示す。但し、無限遠合焦時の球面収差図では、最大口径に対応するFナンバーの値を示す。至近距離合焦時の球面収差図では、最大口径に対応する開口数の値を示す。非点収差図では、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。
【0089】
後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0090】
図2図4から、第1実施例に係る変倍光学系ZL1は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0091】
(第2実施例)
第2実施例について、図5図8及び表2を用いて説明する。第2実施例に係る変倍光学系ZL(ZL2)は、図5に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5からなる。
【0092】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0093】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。
【0094】
第3レンズ群G3は、両凸レンズL31からなる。
【0095】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第41レンズ群G41と、負の屈折力を有する第42レンズ群G42とからなる。第41レンズ群G41は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL41と、両凸レンズL42とからなる。第42レンズ群G42は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL43と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL44との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL44は、像側面が非球面である。
【0096】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL51と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL52との接合レンズと、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53と両凸レンズL54との接合レンズと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL55とからなる。負メニスカスレンズL55は、像側面が非球面である。
【0097】
第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。
【0098】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔)が変化するように、第1レンズ群G1を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を物体側へ移動させ、第4レンズ群G4を物体側へ移動させ、第5レンズ群G5を物体側へ移動させることにより行う。開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に、物体側へ移動させる。
【0099】
無限遠から近距離物体への合焦は、第2レンズ群G2を像側へ移動させることにより行う。
【0100】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第42レンズ群G42を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。なお、第42レンズ群G42の物体側に位置する、第41レンズ群G41は、像ブレ補正時に固定である。
【0101】
第2実施例では、広角端状態において、防振係数は−0.65であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.36mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−0.76であり、焦点距離は23.50mmであるので、0.68度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.37mmである。望遠端状態において、防振係数は−0.99であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.34mmである。
【0102】
下記の表2に、第2実施例における各諸元の値を示す。表2における面番号1〜31が、図5に示すm1〜m31の各光学面に対応している。
【0103】
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 155.70823 3.000 1.76690 46.9
*2 16.71640 13.373 1.00000
*3 -200.00000 1.800 1.76690 46.9
4 150.01535 2.786 1.00000
5 -91.03331 1.700 1.49782 82.6
6 143.99051 1.200 1.00000
7 58.46345 4.345 1.75520 27.6
8 -434.09219 (D8) 1.00000
9 63.66223 3.791 1.57957 53.7
10 -122.54394 0.100 1.00000
11 62.33486 1.400 1.84666 23.8
12 22.85521 4.835 1.60342 38.0
13 130.87641 (D13) 1.00000
14 64.13663 4.239 1.49782 82.6
15 -84.26911 (D15) 1.00000
16 (開口絞り) 3.263 1.00000
17 -45.56608 1.000 1.80400 46.6
18 3172.25670 0.100 1.00000
19 102.14214 2.827 1.84666 23.8
20 -141.92393 2.000 1.00000
21 -108.76161 1.000 1.80400 46.6
22 29.84706 3.696 1.80518 25.4
*23 110.49500 (D23) 1.00000
24 33.41270 8.825 1.49782 82.6
25 -24.42987 1.500 1.80440 39.6
26 -40.93874 0.100 1.00000
27 30.63415 1.500 1.80100 34.9
28 16.29239 13.887 1.49782 82.6
29 -35.27572 1.938 1.00000
30 -31.58375 2.000 1.80604 40.7
*31 -200.00000 (D31) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 1.06028e-06 1.59159e-09 -7.12097e-12 6.57046e-15
2 0.00000e+00 6.61060e-06 -1.49507e-09 8.61304e-11 -2.65762e-13
3 1.00000e+00 -3.92122e-06 -4.32274e-09 3.03947e-11 -1.42986e-13
23 1.00000e+00 -1.67719e-06 -3.27153e-09 3.18352e-11 -8.33990e-14
31 1.00000e+00 8.89940e-06 -7.38491e-09 2.38442e-11 -1.86910e-13

[各種データ]
W M T
f 16.40 23.50 34.00
FNo 2.90 2.89 2.89
ω 53.8 40.4 30.1
Y 20.00 20.00 20.00
TL 161.618 157.904 159.837
BF 27.338 34.304 48.377

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 338.38 342.10 340.16
β - - - -0.0452 -0.0644 -0.0939
f 16.40 23.50 34.00 - - -
D8 25.186 11.390 2.000 26.735 13.032 3.804
D13 7.484 7.667 5.628 5.935 6.025 3.825
D15 3.000 11.823 16.426 3.000 11.823 16.426
D23 12.405 6.515 1.200 12.405 6.515 1.200
D31 27.338 34.304 48.377 27.338 34.304 48.377

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -23.61
第2レンズ群 9 79.09
第3レンズ群 14 73.86
第4レンズ群 16 -53.41
第41レンズ群 16 -294.62
第42レンズ群 21 -67.66
第5レンズ群 24 38.67

[条件式対応値]
条件式(1) f42/f4 = 1.27
条件式(2) f4/f41 = 0.181
条件式(3) f1/f4 = 0.442
条件式(4) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.759
(A(T3.5)=-0.0183,A(T4.0)=-0.0104)
【0104】
表2から、第2実施例に係る変倍光学系ZL2は、条件式(1)〜(4)を満足することが分かる。
【0105】
図6は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図7は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図8は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0106】
図6図8から、第2実施例に係る変倍光学系ZL2は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0107】
以上の各実施例によれば、F2.8程度の明るいF値と、半画角で50°程度以上の広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系を実現することができる。
【0108】
ここまで本発明の態様を分かりやすくするために、実施形態の要素の符号を付して説明したが、本発明の態様がこれに限定されるものではない。以下の内容は、変倍光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0109】
変倍光学系ZLの数値実施例として、5群構成のものを示したが、これに限定されず、他の群構成(例えば、6群等)にも適用可能である。具体的には、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。他には、第1レンズ群G1を複数のレンズ群に分割して、変倍時に別軌跡で移動または一方を固定させることなどが考えられる。また、上記実施例において、第41レンズ群G41は負の屈折力を有することとしたが、正の屈折力を有しても良い。また、上記実施例において、第42レンズ群G42は負の屈折力を有することとしたが、正の屈折力を有しても良い。なお、レンズ群とは、変倍時または合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0110】
変倍光学系ZLにおいて、無限遠から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、或いは複数のレンズ群を合焦レンズ群として、光軸方向へ移動させる構成としてもよい。また、斯かる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ(例えば、超音波モータ、ステッピングモータ、ボイスコイルモータ等)による駆動にも適している。上記のように、第2レンズ群G2の全体を合焦レンズ群とすることが最も好ましくは可能であるが、第2レンズ群G2の一部を合焦レンズ群としてもよい。また、合焦レンズ群は、上記のように1枚の単レンズと1つの接合レンズとから構成しても良いが、レンズ枚数に特に限定は無く、1枚以上のレンズ成分で構成することとしてもよい。
【0111】
変倍光学系ZLにおいて、いずれかのレンズ群全体または部分レンズ群を、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させるか、或いは光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレ等によって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。上記のように、第4レンズ群G4の一部を防振レンズ群とすることが最も好ましくは可能である。
また、防振レンズ群は、上記のように1つの接合レンズから構成しても良いが、レンズ枚数に特に限定は無く、1枚の単レンズや複数のレンズ成分から構成することとしてもよい。また、防振レンズ群は正の屈折力を有していてもよく、第4レンズ群G4全体の屈折力が負となるのが好ましくは可能である。
【0112】
変倍光学系ZLにおいて、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げる。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ない。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
【0113】
変倍光学系ZLにおいて、開口絞りSは、第4レンズ群G4内、第41レンズ群G41と一体で配置されることが好ましくは可能である。第41レンズ群G41と別体で移動可能に構成しても良い。また、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
【0114】
変倍光学系ZLにおいて、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの良好な光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。反射防止膜の種類は適宜選択可能である。また、反射防止膜の面数や位置も適宜選択可能である。上述の第1実施例、第2実施例とも、第1レンズ群G1のL11の像側面、L12の物体側面、L12の像側面、L13の物体側面、L13の像側面、L14の物体側面のいずれかの面、または複数の面に波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施すのが好ましくは可能である。
【0115】
変倍光学系ZLは、例えば、変倍比が1.5〜2.5倍程度にできる。また、変倍光学系ZLは、広角端状態での焦点距離(35mm版換算)が例えば15〜20mm程度にできる。また、変倍光学系ZLは、広角端状態でのF値が例えば2.7〜3.5程度にできる。
また、変倍光学系ZLは、望遠端状態でのF値が例えば2.7〜3.5程度にできる。さらに、変倍光学系ZLは、広角端状態から望遠端状態まで焦点距離状態が変わる際に、F値が略一定(変化量が望遠端状態のF値の一割以下)にできる。
【0116】
次に、別の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図9は、変倍光学系ZLの構成の一例を示す。他の例において、レンズ群の数、各レンズ群におけるレンズ構成等は適宜変更可能である。
【0117】
一実施形態において、変倍光学系は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔を変化させることにより変倍を行い、第4レンズ群G4の少なくとも一部を光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成する。一例において、第4レンズ群G4は、負の屈折力を有することが可能である。
【0118】
代替的に、変倍光学系ZLは、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、各レンズ群の間隔を変化させることにより変倍を行い、第4レンズ群G4の少なくとも一部を、防振レンズ群VRとして、像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成する。
【0119】
負の第1レンズ群G1と、正の第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、負の第4レンズ群G4と、正の第5レンズ群G5とを有し、各群の間隔を変化させることにより、広画角の変倍光学系を実現することができる。また、負の第4レンズ群G4の少なくとも一部を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させて像ブレ補正を行うことにより、像ブレ補正時の偏心コマ収差の発生及び片ボケの発生を抑え、良好な結像性能を実現することができる。
【0120】
なお、第3レンズ群G3は、正の屈折力を有していても、負の屈折力を有していてもよい。
【0121】
また、第4レンズ群G4は、防振レンズ群VRの他に、像ブレ補正時に不動の1以上のレンズを有していてもよい。
【0122】
変倍光学系ZLは、次の条件式(5)、(6)を満足する。
【0123】
−0.400 < (D34T−D34W)/(D23T−D23W) < 1.000
…(5)
−0.400 < f4/f3 < 0.450 …(6)
但し、
D34T:望遠端状態における第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔、
D34W:広角端状態における第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔、
D23T:望遠端状態における第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔、
D23W:広角端状態における第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離、
f3:第3レンズ群G3の焦点距離。
【0124】
条件式(5)は、広角端状態から望遠端状態への変倍の際の、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔変化と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔変化との比の適切な値を規定するための条件式である。条件式(5)を満足することにより、変倍効果を保ちつつ、(F2.8〜F3.5程度の)明るいF値と、球面収差をはじめとする諸収差の良好な補正を実現することができる。
【0125】
条件式(5)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔変化に対する、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔変化の比が正に大きくなり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔変化は相対的に小さくなり、変倍効果が低下する。その結果、変倍比の確保や、広画角の確保が困難となる。
【0126】
効果を確実にするために、条件式(5)の上限値を0.800とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(5)の上限値を0.600とすることが好ましくは可能である。
【0127】
条件式(5)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔変化に対する、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔変化の比が負に大きくなり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔変化は相対的に小さくなり、変倍効果が低下する。その結果、変倍比の確保や、広画角の確保が困難となる。
【0128】
効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を−0.300とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(5)の下限値を−0.200とすることが好ましくは可能である。
【0129】
条件式(6)は、第4レンズ群G4と第3レンズ群G3との焦点距離の適切な比を規定するための条件式である。条件式(6)を満足することにより、像ブレ補正時の結像性能を良好としつつ、像ブレ補正時に移動させる第4レンズ群G4の移動量を適切なものにすることができる。
【0130】
条件式(6)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3の負の屈折力が増大し、それとともに第4レンズ群G4の負の屈折力が減少し、像ブレ補正時に移動させる第4レンズ群G4の移動量が増大する。その結果、像ブレ補正機構の大型化、ひいてはレンズ全体の大型化を招く。
【0131】
効果を確実にするために、条件式(6)の上限値を0.400とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(6)の上限値を0.350とすることが好ましくは可能である。
【0132】
条件式(6)の下限値を下回ると、第3レンズ群G3の正の屈折力が増大し、それとともに第4レンズ群G4の負の屈折力が増大し、像ブレ補正時に第4レンズ群G4を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させた際の偏心収差の発生が増大する。その結果、像ブレ補正時に発生する偏心コマ収差、あるいは片ボケの発生が増大し、良好な結像性能を維持できない。
【0133】
効果を確実にするために、条件式(6)の下限値を−0.350とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(6)の下限値を−0.300とすることが好ましくは可能である。
【0134】
変倍光学系ZLは、次の条件式(7)を満足することが好ましくは可能である。
0.200 < f1/f4 < 0.900 …(7)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離。
【0135】
条件式(7)は、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得つつ、像面湾曲、コマ収差を良好に補正するための条件式である。
【0136】
条件式(7)の上限値を上回ると、第1レンズ群G1の焦点距離が長くなり、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得ることが困難となる。あるいは、レンズ全長と第1レンズ群G1のレンズ径の大型化を招き、好ましくない。
【0137】
効果を確実にするために、条件式(7)の上限値を0.800とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(7)の上限値を0.700とすることが好ましくは可能である。
【0138】
条件式(7)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1の焦点距離が短くなり、像面湾曲やコマ収差の補正が困難になり、良好な結像性能を実現することができない。
【0139】
効果を確実にするために、条件式(7)の下限値を0.250とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(7)の下限値を0.300とすることが好ましくは可能である。
【0140】
変倍光学系ZLにおいて、第3レンズ群G3は、負レンズと、正レンズとを有することが好ましくは可能である。
【0141】
この構成によれば、像ブレ補正のために第4レンズ群G4を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。また、変倍時の球面収差、非点収差をはじめとする諸収差の補正に効果的である。
【0142】
変倍光学系ZLにおいて、第4レンズ群G4は、正レンズと負レンズとの接合レンズからなることが好ましくは可能である。
【0143】
この構成によれば、像ブレ補正のために第4レンズ群G4を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。また、像ブレ補正のために移動するレンズを小型軽量にすることができ、像ブレ補正機構及びレンズ全体の小型化にも有効である。
【0144】
なお、第4レンズ群G4は、上記のように正レンズと負レンズとを接合させた構成ではなく、(接合面で剥がして)2枚のレンズからなる構成としてもよい。
【0145】
変倍光学系ZLにおいて、第4レンズ群G4の最も像側のレンズ面は、非球面であることが好ましくは可能である。
【0146】
この構成によれば、像ブレ補正のために第4レンズ群G4を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。
【0147】
変倍光学系ZLは、次の条件式(8)を満足することが好ましくは可能である。
1.100 < A(T3.5)/A(T4.0) < 5.000 …(8)
但し、
A(T3.5):望遠端状態においてF/3.5のF値に対応する軸上光線が、第4レンズ群G4の最も像側のレンズ面に形成された非球面を通る点での非球面量、
A(T4.0):望遠端状態においてF/4.0のF値に対応する軸上光線が、第4レンズ群G4の最も像側のレンズ面に形成された非球面を通る点での非球面量。
なお、前記非球面量とは、非球面の光軸上での、近似球面に対する非球面のサグ量を光軸に沿って測った量をいう。
【0148】
条件式(8)は、第4レンズ群G4の最も像側の非球面における、非球面量の適切な値を規定するための条件式である。条件式(8)を満足することにより、像ブレ補正のために第4レンズ群G4を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケを良好に補正することができる。
【0149】
条件式(8)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の非球面量が過大となり、像ブレ補正のために第4レンズ群G4を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケを補正することが困難となる。
【0150】
効果を確実にするために、条件式(8)の上限値を4.000とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(8)の上限値を3.000とすることが好ましくは可能である。
【0151】
条件式(8)の下限値を下回ると、第4レンズ群G4の非球面量が不足し、像ブレ補正のために第4レンズ群G4を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケを補正することが困難となる。
【0152】
効果を確実にするために、条件式(8)の下限値を1.250とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(8)の下限値を1.400とすることが好ましくは可能である。
【0153】
変倍光学系ZLにおいて、第3レンズ群G3は、例えば後述する第4実施例のように、変倍の際に像面に対して固定されていることが好ましくは可能である。
【0154】
この構成によれば、変倍機構を簡素化でき、小型化、低コスト化、偏心誤差低減による結像性能の確保に効果的である。また、絞りを第3レンズ群G3と一体にする構造を取る場合には、この効果は顕著となる。
【0155】
変倍光学系ZLにおいて、第4レンズ群G4は、例えば後述する第5実施例のように、変倍の際に像面に対して固定されていることが好ましくは可能である。
【0156】
この構成によれば、変倍機構を簡素化でき、小型化、低コスト化に効果的である。また、第4レンズ群G4は防振レンズ群VRであるので、像ブレ補正機構を光軸方向に移動させる必要がなくなり、レンズ全体の小型化に特に効果的である。
【0157】
変倍光学系ZLは、第2レンズ群G2を合焦レンズ群として光軸方向に移動させることにより合焦を行うことが好ましくは可能である。
【0158】
この構成によれば、合焦レンズ群を小型軽量にすることができ、レンズ全系の小型化と、オートフォーカス時の合焦速度を高速化することができる。
【0159】
以上のように、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系ZLを実現することができる。
【0160】
上述の変倍光学系ZLは、上述した図33に示すカメラ(光学機器)に備えることができる。
【0161】
カメラ1に撮影レンズ2として搭載した変倍光学系ZLは、後述の各実施例からも分かるようにその特徴的なレンズ構成によって、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有している。したがって、カメラ1によれば、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有する光学機器を実現することができる。
【0162】
なお、カメラ1として、ミラーレスカメラの例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ本体にクイックリターンミラーを有し、ファインダ光学系によって被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに、上述の変倍光学系ZLを搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
【0163】
続いて、上述の変倍光学系ZLの製造方法の一例について概説する。図36図37は、変倍光学系ZLの製造方法の一例を示す。
【0164】
図36に示す例において、まず、鏡筒内に、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔を変化させることにより変倍を行うように、各レンズを配置する(ステップST1)。第4レンズ群G4の少なくとも一部が光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能な構成となるように、各レンズを配置する(ステップST2)。次の条件式(5)、(6)を満足するように、各レンズを配置する(ステップST3)。
−0.400 < (D34T−D34W)/(D23T−D23W) < 1.000
…(5)
−0.400 < f4/f3 < 0.450 …(6)
但し、
D34T:望遠端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との空気間隔、
D34W:広角端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との空気間隔、
D23T:望遠端状態における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との空気間隔、
D23W:広角端状態における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との空気間隔、
f4:前記第4レンズ群の焦点距離、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離。
【0165】
図37に示す例において、まず、鏡筒内に、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、各レンズ群の間隔を変化させることにより変倍を行うように、各レンズを配置する(ステップST10)。第4レンズ群G4の少なくとも一部が像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能な構成となるように、各レンズを配置する(ステップST20)。次の条件式(5)、(6)を満足するように、各レンズを配置する(ステップST30)。
−0.400 < (D34T−D34W)/(D23T−D23W) < 1.000
…(5)
−0.400 < f4/f3 < 0.450 …(6)
但し、
D34T:望遠端状態における第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔、
D34W:広角端状態における第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔、
D23T:望遠端状態における第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔、
D23W:広角端状態における第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離、
f3:第3レンズ群G3の焦点距離。
【0166】
レンズ配置の一例を挙げると、図9に示すように、物体側から順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とを配置して第1レンズ群G1とし、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズと、両凸レンズL24と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25との接合レンズとを配置して第2レンズ群G2とし、両凹レンズL31と、両凸レンズL32とを配置して第3レンズ群G3とし、両凹レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズを配置して第4レンズ群G4とし、両凸レンズL51と、両凸レンズL52と両凹レンズL53との接合レンズと、両凸レンズL54と両凹レンズL55とを配置して第5レンズ群G5とする。このように準備した各レンズ群を、上述の手順で配置して変倍光学系ZLを製造する。
【0167】
上記の製造方法によれば、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系ZLを製造することができる。
【0168】
以下、各実施例について、図面に基づいて説明する。
【0169】
図9図13図17は、各実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1〜ZL3)の構成及び屈折力配分を示す断面図である。変倍光学系ZL1〜ZL3の断面図の下部には、広角端状態(W)から中間焦点距離状態(M)を経て望遠端状態(T)に変倍する際の各レンズ群の光軸に沿った移動方向を矢印で示す。変倍光学系ZL1〜ZL3の断面図の上部には、無限遠から近距離物体に合焦する際の合焦レンズ群の移動方向を矢印で示すとともに、像ブレを補正する際の防振レンズ群VRの様子も示している。
【0170】
なお、第3実施例に係る図9に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
【0171】
以下に表3〜表5を示すが、これらは第3実施例〜第5実施例における各諸元の表である。
【0172】
各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長587.562nm)、g線(波長435.835nm)を選んでいる。
【0173】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数を示す。また、(Di)は第i面と第(i+1)面との面間隔、(開口絞り)は開口絞りSをそれぞれ示す。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0174】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数をそれぞれ示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。なお、2次の非球面係数A2は0であり、記載を省略する。
X(y)=(y2/R)/{1+(1−κ×y2/R2)1/2}+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10 …(a)
【0175】
表中の[各種データ]において、fはレンズ全系の焦点距離、FNoはFナンバー、ωは半画角(単位:°)、Yは最大像高、BFは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの距離を空気換算長により表記したもの、TLは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えたものをそれぞれ示す。
【0176】
表中の[可変間隔データ]において、Diは第i面と第(i+1)面との面間隔、D0は物体面と第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面との軸上空気間隔、fはレンズ全系の焦点距離、βは撮影倍率をそれぞれ示す。
【0177】
表中の[レンズ群データ]において、各レンズ群の始面と焦点距離を示す。
【0178】
表中の[条件式対応値]には、上記の条件式(5)〜(8)に対応する値を示す。
【0179】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われる。しかし、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0180】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0181】
(第3実施例)
第3実施例について、図9図12及び表3を用いて説明する。第3実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1)は、図9に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とからなる。
【0182】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0183】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第21レンズ群G21と、正の屈折力を有する第22レンズ群G22とからなる。第21レンズ群G21は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。第22レンズ群G22は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL24と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25との接合レンズからなる。
【0184】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL31と、両凸レンズL32とからなる。
【0185】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL42は、像側面が非球面である。
【0186】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL51と、両凸レンズL52と両凹レンズL53との接合レンズと、両凸レンズL54と両凹レンズL55との接合レンズとからなる。両凹レンズL55は、像側面が非球面である。
【0187】
第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第3レンズ群G3を構成する。
【0188】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔)が変化するように、第1レンズ群G1を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を物体側へ移動させ、第4レンズ群G4を物体側へ移動させ、第5レンズ群G5を物体側へ移動させることにより行う。開口絞りSは、第3レンズ群G3と一体的に、物体側へ移動させる。
【0189】
無限遠から近距離物体への合焦は、第21レンズ群G21を像側へ移動させることにより行う。
【0190】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第4レンズ群G4を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。
【0191】
第3実施例では、広角端状態において、防振係数は−0.64であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.36mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−0.74であり、焦点距離は23.50mmであるので、0.68度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.38mmである。望遠端状態において、防振係数は−0.95であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.35mmである。
【0192】
下記の表3に、第3実施例における各諸元の値を示す。表3における面番号1〜32が、図9示すm1〜m32の各光学面に対応している。
【0193】
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 168.38636 3.000 1.76690 46.9
*2 16.71640 12.168 1.00000
*3 -132.14592 1.700 1.76690 46.9
4 134.95206 1.900 1.00000
5 -243.29246 1.700 1.49700 81.7
6 51.76998 1.200 1.00000
7 49.16596 5.282 1.75520 27.6
8 -184.55701 (D8) 1.00000
9 42.28900 4.491 1.64769 33.7
10 -283.89703 0.100 1.00000
11 49.70559 0.999 1.84666 23.8
12 19.12296 4.835 1.60342 38.0
13 52.76752 (D13) 1.00000
14 53.11057 6.255 1.49700 81.7
15 -33.51166 1.400 1.84666 23.8
16 -47.05744 (D16) 1.00000
17 (開口絞り) 3.263 1.00000
18 -39.36811 1.300 1.90366 31.3
19 217.23501 0.099 1.00000
20 80.07138 3.361 1.84666 23.8
21 -72.96748 (D21) 1.00000
22 -75.94681 1.300 1.80400 46.6
23 32.26272 3.644 1.80518 25.4
*24 182.89657 (D24) 1.00000
25 31.94239 7.389 1.49700 81.7
26 -48.60077 0.100 1.00000
27 41.92922 8.209 1.49700 81.7
28 -28.00000 1.500 1.74950 35.2
29 117.62625 0.518 1.00000
30 67.34233 7.882 1.49700 81.7
31 -60.00000 2.000 1.80610 41.0
*32 468.65935 (D32) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 1.93012e-06 -2.42361e-09 -3.50001e-12 6.82597e-15
2 0.00000e+00 9.23814e-06 -3.45504e-09 9.54947e-11 -3.15535e-13
3 1.00000e+00 -2.60282e-06 -3.46987e-09 5.33701e-11 -2.20299e-13
24 1.00000e+00 -1.37016e-06 -1.51547e-09 2.18954e-11 -6.25589e-14
32 1.00000e+00 1.88211e-05 1.24803e-08 1.76466e-11 3.26274e-14

[各種データ]
W M T
f 16.40 23.50 34.00
FNo 2.88 2.85 2.87
ω 54.0 39.8 29.5
Y 20.00 20.00 20.00
TL 159.620 156.503 159.635
BF 25.339 31.627 44.226

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 340.38 343.50 340.37
β - - - -0.0451 -0.0643 -0.0942
f 16.40 23.50 34.00 - - -
D8 25.600 11.916 2.000 27.194 13.664 3.990
D13 6.085 6.085 6.085 4.491 4.337 4.095
D16 3.000 9.806 18.528 3.000 9.806 18.528
D21 2.000 5.039 2.000 2.000 5.039 2.000
D24 12.000 6.434 1.200 12.000 6.434 1.200
D32 25.339 31.627 44.226 25.339 31.627 44.226

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -23.62
第2レンズ群 9 40.58
第21レンズ群 9 84.14
第22レンズ群 14 60.13
第3レンズ群 17 -235.40
第4レンズ群 22 -66.32
第5レンズ群 25 37.85

[条件式対応値]
条件式(5) (D34T−D34W)/(D23T−D23W) = 0.000
条件式(6) f4/f3 = 0.282
条件式(7) f1/f4 = 0.356
条件式(8) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.736
(A(T3.5)=-0.0112,A(T4.0)=-0.0065)
【0194】
表3から、第3実施例に係る変倍光学系ZL1は、条件式(5)〜(8)を満足することが分かる。
【0195】
図10は、第3実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図11は、第3実施例に係る変倍光学系ZL1の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図12は、第3実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0196】
各収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Aは各像高に対する半画角(単位:°)、H0は物体高を示す。dはd線、gはg線における収差を示す。また、これらの記載のないものは、d線における収差を示す。但し、無限遠合焦時の球面収差図では、最大口径に対応するFナンバーの値を示す。至近距離合焦時の球面収差図では、最大口径に対応する開口数の値を示す。非点収差図では、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。
【0197】
後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0198】
図10図12から、第3実施例に係る変倍光学系ZL1は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0199】
(第4実施例)
第4実施例について、図13図16及び表4を用いて説明する。第4実施例に係る変倍光学系ZL(ZL2)は、図13に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とからなる。
【0200】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0201】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第21レンズ群G21と、正の屈折力を有する第22レンズ群G22とからなる。第21レンズ群G21は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。第22レンズ群G22は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL24と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25との接合レンズからなる。
【0202】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL31と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32とからなる。
【0203】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL42は、像側面が非球面である。
【0204】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL51と、両凸レンズL52と両凹レンズL53との接合レンズと、両凸レンズL54と両凹レンズL55との接合レンズとからなる。両凹レンズL55は、像側面が非球面である。
【0205】
第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第3レンズ群G3を構成する。
【0206】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔)が変化するように、第1レンズ群G1を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を像面に対して固定し、第4レンズ群G4を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第5レンズ群G5を物体側へ移動させることにより行う。開口絞りSは、第3レンズ群G3と一体的に、像面に対して固定する。
【0207】
無限遠から近距離物体への合焦は、第21レンズ群G21を像側へ移動させることにより行う。
【0208】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第4レンズ群G4を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。
【0209】
第4実施例では、広角端状態において、防振係数は−0.68であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.34mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−0.76であり、焦点距離は24.50mmであるので、0.67度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.38mmである。望遠端状態において、防振係数は−0.95であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.35mmである。
【0210】
下記の表4に、第4実施例における各諸元の値を示す。表4における面番号1〜32が、図13に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
【0211】
(表4)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 193.25434 3.000 1.76690 46.9
*2 17.13465 12.086 1.00000
*3 -200.00000 1.700 1.76690 46.9
4 99.36571 1.934 1.00000
5 -702.67887 1.700 1.49700 81.7
6 45.42128 1.200 1.00000
7 45.47188 6.037 1.75520 27.6
8 -335.54839 (D8) 1.00000
9 52.73871 6.048 1.64769 33.7
10 -167.28882 0.100 1.00000
11 55.01437 1.000 1.84666 23.8
12 20.79608 4.835 1.60342 38.0
13 68.48478 (D13) 1.00000
14 48.68485 6.332 1.49700 81.7
15 -36.34788 1.400 1.84666 23.8
16 -49.89711 (D16) 1.00000
17 (開口絞り) 3.263 1.00000
18 -37.12733 1.300 1.90366 31.3
19 -213.84119 0.100 1.00000
20 -3697.41390 2.901 1.84666 23.8
21 -52.57832 (D21) 1.00000
22 -113.43754 1.300 1.80400 46.6
23 27.30005 3.766 1.80518 25.4
*24 90.97626 (D24) 1.00000
25 32.82370 7.685 1.49700 81.7
26 -46.49495 0.100 1.00000
27 47.76928 8.611 1.49700 81.7
28 -28.00000 1.500 1.74950 35.2
29 179.04198 0.500 1.00000
30 80.91519 5.824 1.49700 81.7
31 -60.00000 2.000 1.80610 41.0
*32 728.12773 (D32) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 2.55253e-06 -2.06216e-09 -3.73822e-12 6.17187e-15
2 0.00000e+00 8.20822e-06 -1.94550e-09 8.73648e-11 -2.71723e-13
3 1.00000e+00 -2.79582e-06 -3.37193e-09 4.74900e-11 -1.88234e-13
24 1.00000e+00 -1.52089e-06 2.03534e-09 7.28188e-12 -3.57628e-14
32 1.00000e+00 1.34254e-05 8.78505e-09 -2.82571e-12 6.66429e-14

[各種データ]
W M T
f 16.40 24.50 34.00
FNo 2.85 2.88 2.87
ω 53.9 38.5 29.6
Y 20.00 20.00 20.00
TL 163.818 160.810 162.492
BF 26.615 31.660 41.455

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 336.18 339.19 337.51
β - - - -0.0456 -0.0679 -0.0949
f 16.40 24.50 34.00 - - -
D8 24.176 10.171 2.298 25.710 11.867 4.175
D13 5.770 5.770 5.770 4.235 4.074 3.893
D16 3.000 14.001 23.546 3.000 14.001 23.546
D21 2.035 4.457 2.000 2.035 4.457 2.000
D24 16.000 8.528 1.200 16.000 8.528 1.200
D32 26.615 31.660 41.455 26.615 31.660 41.455

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -23.00
第2レンズ群 9 39.44
第21レンズ群 9 83.59
第22レンズ群 14 58.05
第3レンズ群 17 -297.53
第4レンズ群 22 -62.23
第5レンズ群 25 38.73

[条件式対応値]
条件式(5) (D34T−D34W)/(D23T−D23W) = -0.002
条件式(6) f4/f3 = 0.209
条件式(7) f1/f4 = 0.370
条件式(8) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.694
(A(T3.5)=-0.0079,A(T4.0)=-0.0047)
【0212】
表4から、第4実施例に係る変倍光学系ZL2は、条件式(5)〜(8)を満足することが分かる。
【0213】
図14は、第4実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図15は、第4実施例に係る変倍光学系ZL2の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図16は、第4実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0214】
図14図16から、第4実施例に係る変倍光学系ZL2は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0215】
(第5実施例)
第5実施例について、図17図20及び表5を用いて説明する。第5実施例に係る変倍光学系ZL(ZL3)は、図17に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とからなる。
【0216】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0217】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第21レンズ群G21と、正の屈折力を有する第22レンズ群G22とからなる。第21レンズ群G21は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。第22レンズ群G22は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL24と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25との接合レンズからなる。
【0218】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL31と、両凸レンズL32とからなる。両凸レンズL32は、像側面が非球面である。
【0219】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL42は、像側面が非球面である。
【0220】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL51と、両凸レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズと、両凸レンズL54と両凹レンズL55との接合レンズとからなる。両凸レンズL52は、物体側面が非球面である。両凹レンズL55は、像側面が非球面である。
【0221】
第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第3レンズ群G3を構成する。
【0222】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔が変化するように、第1レンズ群G1を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を物体側へ移動させ、第4レンズ群G4を像面に対して固定し、第5レンズ群G5を物体側へ移動させることにより行う。開口絞りSは、第3レンズ群G3と一体的に、物体側へ移動させる。
【0223】
無限遠から近距離物体への合焦は、第21レンズ群G21を像側へ移動させることにより行う。
【0224】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第4レンズ群G4を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。
【0225】
第5実施例では、広角端状態において、防振係数は−1.03であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.23mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−1.12であり、焦点距離は23.50mmであるので、0.68度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.25mmである。望遠端状態において、防振係数は−1.37であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.24mmである。
【0226】
下記の表5に、第5実施例における各諸元の値を示す。表5における面番号1〜32が、図17に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
【0227】
(表5)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 207.85739 3.000 1.76690 46.9
*2 16.71640 12.075 1.00000
*3 -126.64950 1.700 1.76690 46.9
4 138.69829 1.900 1.00000
5 -305.30737 1.700 1.49700 81.7
6 49.66923 1.200 1.00000
7 48.16519 5.621 1.75520 27.6
8 -201.97549 (D8) 1.00000
9 42.04729 8.608 1.64769 33.7
10 -374.37994 0.100 1.00000
11 49.19749 1.000 1.84666 23.8
12 19.13552 4.835 1.60342 38.0
13 51.73593 (D13) 1.00000
14 46.66560 6.999 1.49700 81.7
15 -31.81612 1.400 1.84666 23.8
16 -46.26169 (D16) 1.00000
17 (開口絞り) 3.263 1.00000
18 -41.32099 1.300 1.90366 31.3
19 -114.37285 0.100 1.00000
20 118.37175 3.171 1.84666 23.8
*21 -71.92314 (D21) 1.00000
22 -71.28950 1.300 1.80400 46.6
23 28.48969 3.132 1.80518 25.4
*24 57.82940 (D24) 1.00000
25 32.18491 7.336 1.49700 81.7
26 -48.06359 0.100 1.00000
*27 101.54911 8.015 1.49700 81.7
28 -28.00000 1.500 1.74950 35.2
29 -184.91003 0.500 1.00000
30 50.32451 6.043 1.49700 81.7
31 -60.00000 2.000 1.80610 41.0
*32 136.26267 (D32) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 1.94090e-06 -1.49023e-09 -3.81067e-12 6.84376e-15
2 0.00000e+00 6.00339e-06 2.07998e-09 7.93413e-11 -2.62472e-13
3 1.00000e+00 -3.68171e-06 -3.47017e-09 4.98784e-11 -2.14759e-13
21 1.00000e+00 2.76768e-06 -5.47451e-09 1.50258e-11 -4.82676e-14
24 1.00000e+00 -4.45941e-06 2.05441e-09 2.73993e-11 -5.84691e-14
27 1.00000e+00 1.45862e-06 -4.94280e-09 -2.35002e-11 5.70437e-14
32 1.00000e+00 1.61827e-05 1.00472e-08 -2.91720e-11 1.40466e-13

[各種データ]
W M T
f 16.40 23.50 34.00
FNo 2.81 2.81 2.87
ω 54.1 39.5 29.0
Y 20.00 20.00 20.00
TL 163.819 160.497 163.297
BF 25.292 29.551 37.861

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 336.18 339.50 336.70
β - - - -0.0457 -0.0652 -0.0954
f 16.40 23.50 34.00 - - -
D8 25.802 11.237 2.000 27.363 12.989 4.002
D13 6.063 6.063 6.063 4.502 4.311 4.061
D16 3.000 11.092 19.651 3.000 11.092 19.651
D21 2.000 5.157 8.625 2.000 5.157 8.625
D24 13.764 9.499 1.200 13.764 9.499 1.200
D32 25.292 29.551 37.861 25.292 29.551 37.861

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -23.00
第2レンズ群 9 40.81
第21レンズ群 9 86.19
第22レンズ群 14 56.83
第3レンズ群 17 181.29
第4レンズ群 22 -39.15
第5レンズ群 25 37.83

[条件式対応値]
条件式(5) (D34T−D34W)/(D23T−D23W) = 0.398
条件式(6) f4/f3 = -0.216
条件式(7) f1/f4 = 0.588
条件式(8) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.714
(A(T3.5)=-0.0169,A(T4.0)=-0.0099)
【0228】
表5から、第5実施例に係る変倍光学系ZL3は、条件式(5)〜(8)を満足することが分かる。
【0229】
図18は、第5実施例に係る変倍光学系ZL3の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図19は、第5実施例に係る変倍光学系ZL3の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図20は、第5実施例に係る変倍光学系ZL3の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0230】
図18図20から、第5実施例に係る変倍光学系ZL3は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0231】
以上の各実施例によれば、F2.8程度の明るいF値と、半画角で50°程度以上の広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系を実現することができる。
【0232】
ここまで本発明の態様を分かりやすくするために、実施形態の要素の符号を付して説明したが、本発明の態様がこれに限定されるものではない。以下の内容は、変倍光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0233】
変倍光学系ZLの数値実施例として、5群構成のものを示したが、これに限定されず、他の群構成(例えば、6群等)にも適用可能である。具体的には、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。他には、第1レンズ群G1を複数のレンズ群に分割して、変倍時に別軌跡で移動または一方を固定させることなどが考えられる。また、上述のように、第3レンズ群G3は負の屈折力を有していてもよく、正の屈折力を有しても良い。なお、レンズ群とは、変倍時または合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0234】
変倍光学系ZLにおいて、無限遠から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、或いは複数のレンズ群を合焦レンズ群として、光軸方向へ移動させる構成としてもよい。また、斯かる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ(例えば、超音波モータ、ステッピングモータ、ボイスコイルモータ等)による駆動にも適している。特に、第2レンズ群G2の一部を合焦レンズ群とすることが好ましくは可能であるが、第2レンズ群G2全体を合焦レンズ群としてもよい。また、合焦レンズ群は、上記のように1枚の単レンズと1つの接合レンズとから構成しても良いが、レンズ枚数に特に限定は無く、1枚以上のレンズ成分で構成することとしてもよい。
【0235】
変倍光学系ZLにおいて、いずれかのレンズ群全体または部分レンズ群を、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させるか、或いは光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレ等によって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。上記のように、第4レンズ群G4全体を防振レンズ群とすることが最も好ましくは可能であるが、第4レンズ群G4の一部を防振レンズ群としてもよい。また、防振レンズ群は、上記のように1つの接合レンズから構成しても良いが、レンズ枚数に特に限定は無く、1枚の単レンズや複数のレンズ成分から構成することとしてもよい。また、防振レンズ群は正の屈折力を有していてもよく、第4レンズ群G4全体の屈折力が負となるのが好ましくは可能である。
【0236】
変倍光学系ZLにおいて、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げる。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ない。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
【0237】
変倍光学系ZLにおいて、開口絞りSは、第3レンズ群G3内、特に第3レンズ群G3と一体に配置されるのが好ましくは可能であるが、第3レンズ群G3と別体で移動可能に構成しても良い。また、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
【0238】
変倍光学系ZLにおいて、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの良好な光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。反射防止膜の種類は適宜選択可能である。また、反射防止膜の面数や位置も適宜選択可能である。上述の実施例の場合、第1レンズ群G1のL11の像側面、L12の物体側面、L12の像側面、L13の物体側面、L13の像側面、L14の物体側面のいずれかの面、または複数の面に波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施すのが好ましくは可能である。
【0239】
変倍光学系ZLは、例えば、変倍比が1.5〜2.5倍程度にできる。また、変倍光学系ZLは、広角端状態での焦点距離(35mm版換算)が例えば15〜20mm程度にできる。また、変倍光学系ZLは、広角端状態でのF値が例えば2.7〜3.5程度にできる。
また、変倍光学系ZLは、望遠端状態でのF値が例えば2.7〜3.5程度にできる。さらに、変倍光学系ZLは、広角端状態から望遠端状態まで焦点距離状態が変わる際に、F値が略一定(変化量が望遠端状態のF値の一割以下)にできる。
【0240】
次に、別の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図21は、変倍光学系ZLの構成の一例を示す。他の例において、レンズ群の数、各レンズ群におけるレンズ構成等は適宜変更可能である。
【0241】
一実施形態において、変倍光学系は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とを有し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔と、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との間隔を変化させることにより変倍を行い、第1レンズ群G1〜第6レンズ群G6のうち、いずれかのレンズ群の少なくとも一部を光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成する。
【0242】
代替的に、変倍光学系ZLは、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とを有し、各レンズ群の間隔を変化させることにより変倍を行い、第1レンズ群G1〜第6レンズ群G6のうち、いずれかのレンズ群の少なくとも一部を、防振レンズ群VRとして、像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成する。
【0243】
負の第1レンズ群G1と、正の第2レンズ群G2と、正の第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、負の第5レンズ群G5と、正の第6レンズ群G6とを有し、各群の間隔を変化させることにより、収差補正の自由度を確保でき、広画角かつ明るい変倍光学系を実現することができる。また、第1レンズ群G1〜第6レンズ群G6のいずれかのレンズ群の少なくとも一部を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させて像ブレ補正を行うことにより、像ブレ補正時の偏心コマ収差の発生及び片ボケの発生を抑え、良好な結像性能を実現することができる。
【0244】
なお、第4レンズ群G4は、正の屈折力を有していても、負の屈折力を有していてもよい。
【0245】
変倍光学系ZLは、第5レンズ群G5の少なくとも一部を、防振レンズ群VRとして、像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能に構成することが好ましくは可能である。
【0246】
負の第5レンズ群G5を像ブレ補正のために移動させるレンズ群(防振レンズ群VR)として選択すると、第5レンズ群G5をシフト偏心させた際に発生する偏心収差、特に偏心コマ収差と偏心像面倒れ(片ボケ)の発生を抑えることができ、像ブレ補正時の結像性能を良好とすることができる。また、第5レンズ群G5は、比較的レンズ径を小型に構成することができ、像ブレ補正機構の小型化と、ひいてはレンズ全体の小型化に有効である。
【0247】
なお、第5レンズ群G5は、防振レンズ群VRの他に、像ブレ補正時に不動の1以上のレンズを有していてもよい。
【0248】
変倍光学系ZLは、次の条件式(9)を満足することが好ましくは可能である。
−0.500 < f5/f4 < 0.500 …(9)
但し、
f5:第5レンズ群G5の焦点距離、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離。
【0249】
条件式(9)は、第4レンズ群G4の焦点距離に対する、第5レンズ群G5の焦点距離の適切な値を規定するための条件式である。条件式(9)を満足することにより、像ブレ補正時に第5レンズ群G5をシフト偏心させた際の偏心収差の補正しつつ、像ブレ補正のための第5レンズ群G5の適切な移動量を設定することができる。
【0250】
条件式(9)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の負の焦点距離が短くなり、隣接する像ブレ補正用の第5レンズ群G5と組み合わせての収差補正バランスが崩れ、像ブレ補正時の結像性能の確保が難しくなる。また、第5レンズ群G5の焦点距離が負に長くなるため、像ブレ補正のための第5レンズ群G5の移動量が増大し、像ブレ補正機構及びレンズ全体の大きさが増大し、好ましくない。
【0251】
効果を確実にするために、条件式(9)の上限値を0.400とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(9)の上限値を0.350とすることが好ましくは可能である。
【0252】
条件式(9)の下限値を下回ると、第4レンズ群G4の正の焦点距離が短くなり、隣接する像ブレ補正用の第5レンズ群G5とを組み合わせての収差補正バランスが崩れ、像ブレ補正時の結像性能の確保が難しくなる。また、第5レンズ群G5の焦点距離が負に長くなるため、像ブレ補正のための第5レンズ群G5の移動量が増大し、像ブレ補正機構、及びレンズ全体の大きさが増大し、好ましくない。
【0253】
効果を確実にするために、条件式(9)の下限値を−0.400とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(9)の下限値を−0.300とすることが好ましくは可能である。
【0254】
変倍光学系ZLは、次の条件式(10)を満足することが好ましくは可能である。
0.300 < (−f1)/f6 < 0.900 …(10)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離、
f6:第6レンズ群G6の焦点距離。
【0255】
条件式(10)は、第6レンズ群G6に対する、第1レンズ群G1の焦点距離を規定するための条件式である。条件式(10)を満足することにより、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得つつ、像面湾曲、コマ収差を良好に補正することができる。
【0256】
条件式(10)の上限値を上回ると、第1レンズ群G1の負の焦点距離が長くなり、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得ることが難しくなる。あるいは、第1レンズ群G1の有効径が増大し、レンズ全体の大型化を招き、好ましくない。
【0257】
効果を確実にするために、条件式(10)の上限値を0.800とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(10)の上限値を0.700とすることが好ましくは可能である。
【0258】
条件式(10)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1の負の焦点距離が短くなり、広角端状態における非点収差、コマ収差が悪化し、補正が困難となる。
【0259】
効果を確実にするために、条件式(10)の下限値を0.400とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(10)の下限値を0.500とすることが好ましくは可能である。
【0260】
変倍光学系ZLは、次の条件式(11)を満足することが好ましくは可能である。
−0.400 < f1/f4 < 0.400 …(11)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離、
f4:第4レンズ群G4の焦点距離。
【0261】
条件式(11)は、第4レンズ群G4に対する、第1レンズ群G1の焦点距離を規定するための条件式である。より詳しくは、条件式(11)は、隣接する第5レンズ群G5を像ブレ補正のためにシフト偏心させた際の偏心収差の補正に適した第4レンズ群G4の焦点距離と、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得つつ、レンズ全体を小型化するための第1レンズ群G1の焦点距離とを規定するための条件式である。
【0262】
条件式(11)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の負の焦点距離が短くなり、隣接する像ブレ補正用の第5レンズ群G5と組み合わせての収差補正バランスが崩れ、像ブレ補正時の結像性能の確保が難しくなる。あるいは、第1レンズ群G1の負の焦点距離が長くなり、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得ることが難しくなる。あるいは、第1レンズ群G1の有効径が増大し、レンズ全体の大型化を招き、好ましくない。
【0263】
効果を確実にするために、条件式(11)の上限値を0.300とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(11)の上限値を0.200とすることが好ましくは可能である。
【0264】
条件式(11)の下限値を下回ると、第4レンズ群G4の正の焦点距離が短くなり、隣接する像ブレ補正用の第5レンズ群G5と組み合わせての収差補正バランスが崩れ、像ブレ補正時の結像性能の確保が難しくなる。あるいは、第1レンズ群G1の負の焦点距離が長くなり、広角端状態において(半画角50°程度以上の)広画角を得ることが難しくなる。あるいは、第1レンズ群G1の有効径が増大し、レンズ全体の大型化を招き、好ましくない。
【0265】
効果を確実にするために、条件式(11)の下限値を−0.300とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(11)の下限値を−0.200とすることが好ましくは可能である。
【0266】
変倍光学系ZLにおいて、第4レンズ群G4は、負レンズと、正レンズとを有することが好ましくは可能である。
【0267】
この構成によれば、像ブレ補正のために第5レンズ群G5を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。また、変倍時の球面収差、非点収差、色収差の変動の良好な補正に効果的である。
【0268】
変倍光学系ZLにおいて、第5レンズ群G5は、正レンズと負レンズとの接合レンズからなることが好ましくは可能である。
【0269】
この構成によれば、像ブレ補正のために第5レンズ群G5を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。また、像ブレ補正のために移動するレンズを小型軽量にすることができ、像ブレ補正機構の小型化、低コスト化に効果的である。
【0270】
なお、第5レンズ群G5は、上記のように正レンズと負レンズとを接合させた構成ではなく、(接合面で剥がして)2枚のレンズからなる構成としてもよい。
【0271】
変倍光学系ZLにおいて、第5レンズ群G5の最も像側のレンズ面は、非球面であることが好ましくは可能である。
【0272】
この構成によれば、像ブレ補正のために第5レンズ群G5を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケの補正に有効である。
【0273】
変倍光学系ZLは、次の条件式(12)を満足することが好ましくは可能である。
【0274】
1.100 < A(T3.5)/A(T4.0) < 5.000 …(12)
但し、
A(T3.5):望遠端状態においてF/3.5のF値に対応する軸上光線が、第5レンズ群G5の最も像側のレンズ面に形成された非球面を通る点での非球面量、
A(T4.0):望遠端状態においてF/4.0のF値に対応する軸上光線が、第5レンズ群G5の最も像側のレンズ面に形成された非球面を通る点での非球面量。
なお、前記非球面量とは、非球面の光軸上での、近似球面に対する非球面のサグ量を光軸に沿って測った量をいう。
【0275】
条件式(12)は、第5レンズ群G5の最も像側の非球面における、非球面量の適切な値を規定するための条件式である。条件式(12)を満足することにより、像ブレ補正のために第5レンズ群G5を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケを良好に補正することができる。
【0276】
条件式(12)の上限値を上回ると、第5レンズ群G5の非球面量が過大となり、像ブレ補正のために第5レンズ群G5を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケを補正することが困難となる。
【0277】
効果を確実にするために、条件式(12)の上限値を4.000とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(12)の上限値を3.000とすることが好ましくは可能である。
【0278】
条件式(12)の下限値を下回ると、第5レンズ群G5の非球面量が不足し、像ブレ補正のために第5レンズ群G5を移動させた時の偏心コマ収差及び片ボケを補正することが困難となる。
【0279】
効果を確実にするために、条件式(12)の下限値を1.250とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(12)の下限値を1.400とすることが好ましくは可能である。
【0280】
変倍光学系ZLにおいて、第1レンズ群G1は、変倍の際に像面に対して固定されていることが好ましくは可能である。
【0281】
この構成によれば、変倍機構の簡素化と、レンズ鏡筒の堅牢化に有効である。
【0282】
変倍光学系ZLにおいて、第4レンズ群G4は、変倍の際に像面に対して固定されていることが好ましくは可能である。
【0283】
この構成によれば、変倍機構を簡素化でき、小型化、低コスト化、偏心誤差低減による結像性能の確保に効果的である。また、絞りを第4レンズ群G4と一体とする構造を取る場合には、この効果は顕著となる。
【0284】
変倍光学系ZLにおいて、第5レンズ群G5は、変倍の際に像面に対して固定されていることが好ましくは可能である。
【0285】
この構成によれば、変倍機構を簡素化でき、小型化、低コスト化に効果的である。特に、第5レンズ群G5を防振レンズ群VRとする場合には、像ブレ補正機構を光軸方向に移動させる必要がなくなり、レンズ全体の小型化に特に効果的である。
【0286】
変倍光学系ZLは、第2レンズ群G2〜第6レンズ群G6のうち、いずれかのレンズ群の少なくとも一部を合焦レンズ群として光軸方向に移動させることにより合焦を行うことが好ましくは可能である。
【0287】
この構成によれば、大きくて重い第1レンズ群G1以外のレンズ群を合焦レンズ群とすることで、合焦レンズ群の小型・軽量化と、合焦速度の高速化を図ることができる。
【0288】
変倍光学系ZLは、第2レンズ群G2を合焦レンズ群として光軸方向に移動させることにより合焦を行うことが好ましくは可能である。
【0289】
この構成によれば、合焦レンズ群の小型軽量化、合焦速度の高速化を確実に行うことができる。また、広角端状態と望遠端状態でのフォーカシング移動量をほぼ同等な値とすることができ、近距離合焦時に変倍した際のピントずれを少なくすることができる。
【0290】
変倍光学系ZLは、次の条件式(13)を満足することが好ましくは可能である。
【0291】
0.500 < f2/f3 < 2.000 …(13)
但し、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離、
f3:第3レンズ群G3の焦点距離。
【0292】
条件式(13)は、第2レンズ群G2で合焦を行う場合の、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の焦点距離の適切な比を規定するための条件式である。条件式(13)を満足することにより、広角端状態と望遠端状態とにおけるフォーカシング移動量の差を小さくすることができる。
【0293】
条件式(13)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2の焦点距離が長くなり、フォーカシング移動量が増大する。このため、合焦機構の複雑化や、合焦速度の低下をもたらす。特に、望遠端状態におけるフォーカシング移動量が増大し、近距離合焦時に変倍した際のピントずれが増大し、好ましくない。
【0294】
効果を確実にするために、条件式(13)の上限値を1.900とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(13)の上限値を1.800とすることが好ましくは可能である。
【0295】
条件式(13)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2の焦点距離が短くなり、広角端状態におけるフォーカシング移動量が増大する。このため、広角端状態と望遠端状態とにおけるフォーカシング移動量の差が増大し、近距離合焦時に変倍した際のピントずれが増大し、好ましくない。
【0296】
効果を確実にするために、条件式(13)の下限値を0.700とすることが好ましくは可能である。効果をより確実にするために、条件式(13)の下限値を0.900とすることが好ましくは可能である。
【0297】
以上のように、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系ZLを実現することができる。
【0298】
上述の変倍光学系ZLは、上述した図33に示すカメラ(光学機器)に備えることができる。
【0299】
カメラ1に撮影レンズ2として搭載した変倍光学系ZLは、後述の各実施例からも分かるようにその特徴的なレンズ構成によって、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有している。したがって、カメラ1によれば、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有する光学機器を実現することができる。
【0300】
なお、カメラとして、ミラーレスカメラの例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ本体にクイックリターンミラーを有し、ファインダ光学系によって被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに、上述の変倍光学系ZLを搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
【0301】
続いて、上述の変倍光学系ZLの製造方法の一例について概説する。図38図39は、変倍光学系ZLの製造方法の一例を示す。
【0302】
図38に示す例において、まず、鏡筒内に、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とを有し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔と、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との間隔を変化させることにより変倍を行うように、各レンズを配置する(ステップST1)。第1レンズ群G1〜第6レンズ群G6のうち、いずれかのレンズ群の少なくとも一部が光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能な構成となるように、各レンズを配置する(ステップST2)。
【0303】
図39に示す例において、まず、鏡筒内に、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とを有し、各レンズ群の間隔を変化させることにより変倍を行うように、各レンズを配置する(ステップST10)。第1レンズ群G1〜第6レンズ群G6のうち、いずれかのレンズ群の少なくとも一部が像ブレを補正するために光軸と垂直方向の成分を持つように移動可能な構成となるように、各レンズを配置する(ステップST20)。
【0304】
レンズ配置の一例を挙げると、図21に示すように、物体側から順に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とを配置して第1レンズ群G1とし、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとを配置して第2レンズ群G2とし、両凸レンズL31と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32との接合レンズを配置して第3レンズ群G3とし、両凹レンズL41と、両凸レンズL42とを配置して第4レンズ群G4とし、両凹レンズL51と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52との接合レンズを配置して第5レンズ群G5とし、両凸レンズL61と、両凸レンズL62と両凹レンズL63との接合レンズと、両凸レンズL64と両凹レンズL65との接合レンズとを配置して第6レンズ群G6とする。
このように準備した各レンズ群を、上述の手順で配置して変倍光学系ZLを製造する。
【0305】
上記の製造方法によれば、F値が明るく、広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系ZLを製造することができる。
【0306】
以下、各実施例について、図面に基づいて説明する。
【0307】
図21図25図29は、各実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1〜ZL3)の構成及び屈折力配分を示す断面図である。変倍光学系ZL1〜ZL3の断面図の下部には、広角端状態(W)から中間焦点距離状態(M)を経て望遠端状態(T)に変倍する際の各レンズ群の光軸に沿った移動方向を矢印で示す。変倍光学系ZL1〜ZL3の断面図の上部には、無限遠から近距離物体に合焦する際の合焦レンズ群の移動方向を矢印で示すとともに、像ブレを補正する際の防振レンズ群VRの様子も示している。
【0308】
なお、第6実施例に係る図21に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
【0309】
以下に表6〜表8を示すが、これらは第6実施例〜第8実施例における各諸元の表である。
【0310】
各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長587.562nm)、g線(波長435.835nm)を選んでいる。
【0311】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数を示す。また、(Di)は第i面と第(i+1)面との面間隔、(開口絞り)は開口絞りSをそれぞれ示す。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0312】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数をそれぞれ示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。なお、2次の非球面係数A2は0であり、記載を省略する。
X(y)=(y2/R)/{1+(1−κ×y2/R2)1/2}+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10 …(a)
【0313】
表中の[各種データ]において、fはレンズ全系の焦点距離、FNoはFナンバー、ωは半画角(単位:°)、Yは最大像高、BFは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの距離を空気換算長により表記したもの、TLは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えたものをそれぞれ示す。
【0314】
表中の[可変間隔データ]において、Diは第i面と第(i+1)面との面間隔、D0は物体面と第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面との軸上空気間隔、fはレンズ全系の焦点距離、βは撮影倍率を示す。
【0315】
表中の[レンズ群データ]において、各レンズ群の始面と焦点距離を示す。
【0316】
表中の[条件式対応値]には、上記の条件式(9)〜(13)に対応する値を示す。
【0317】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われる。しかし、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0318】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0319】
(第6実施例)
第6実施例について、図21図24及び表6を用いて説明する。第6実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1)は、図21に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とからなる。
【0320】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0321】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。
【0322】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL31と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32との接合レンズからなる。
【0323】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL41と、両凸レンズL42とからなる。
【0324】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL51と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL52は、像側面が非球面形状である。
【0325】
第6レンズ群G6は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL61と、両凸レンズL62と両凹レンズL63との接合レンズと、両凸レンズL64と両凹レンズL65との接合レンズとからなる。両凹レンズL65は、像側面が非球面である。
【0326】
第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。
【0327】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔と、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との間隔)が変化するように、第1レンズ群G1を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を物体側へ移動させ、第4レンズ群G4を物体側へ移動させ、第5レンズ群G5を物体側へ移動させ、第6レンズ群G6を物体側へ移動させることにより行う。開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に、物体側へ移動させる。
【0328】
無限遠から近距離物体への合焦は、第2レンズ群G2を像側へ移動させることにより行う。
【0329】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第5レンズ群G5を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。
【0330】
第6実施例では、広角端状態において、防振係数は−0.64であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.36mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−0.76であり、焦点距離は23.50mmであるので、0.68度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.36mmである。望遠端状態において、防振係数は−0.93であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.36mmである。
【0331】
下記の表6に、第6実施例における各諸元の値を示す。表6における面番号1〜32が、図21に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
【0332】
(表6)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 151.57543 3.000 1.76690 46.9
*2 16.71640 11.694 1.00000
*3 -185.40568 1.700 1.76690 46.9
4 99.91509 2.170 1.00000
5 -274.19230 1.700 1.49700 81.7
6 49.10090 1.360 1.00000
7 48.81906 5.099 1.75520 27.6
8 -219.36815 (D8) 1.00000
9 46.26831 4.082 1.64769 33.7
10 -187.68256 0.100 1.00000
11 56.37531 1.000 1.84666 23.8
12 19.88291 4.835 1.60342 38.0
13 62.23978 (D13) 1.00000
14 50.91403 6.157 1.49700 81.7
15 -37.11951 1.400 1.84666 23.8
16 -49.12403 (D16) 1.00000
17 (開口絞り) 3.263 1.00000
18 -37.34848 1.300 1.90366 31.3
19 339.67895 1.232 1.00000
20 109.52156 3.549 1.84666 23.8
21 -57.24803 (D21) 1.00000
22 -96.39093 1.300 1.80400 46.6
23 33.70480 3.529 1.80518 25.4
*24 130.78415 (D24) 1.00000
25 30.94169 7.448 1.49700 81.7
26 -51.16421 0.100 1.00000
27 51.26380 7.685 1.49700 81.7
28 -28.22102 1.500 1.74950 35.2
29 70.36935 1.879 1.00000
30 44.36240 6.229 1.49700 81.7
31 -60.00000 2.000 1.80610 41.0
*32 8552.25410 (D32) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 1.52765e-06 -2.32063e-09 -3.31568e-12 6.28041e-15
2 0.00000e+00 8.58810e-06 -3.90468e-10 8.78796e-11 -3.06104e-13
3 1.00000e+00 -2.38304e-06 2.33737e-10 4.37038e-11 -1.95636e-13
24 1.00000e+00 -1.34495e-06 -1.30741e-09 1.88294e-11 -4.98252e-14
32 1.00000e+00 1.59358e-05 1.01734e-08 8.62033e-12 3.21603e-14

[各種データ]
W M T
f 16.40 23.50 34.00
FNo 2.88 2.88 2.93
ω 54.0 40.5 29.6
Y 20.00 20.00 20.00
TL 163.818 161.015 162.021
BF 26.430 35.126 45.401

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 336.18 338.99 337.98
β - - - -0.0457 -0.0652 -0.0949
f 16.40 23.50 34.00 - - -
D8 25.987 9.457 2.038 27.527 11.210 3.979
D13 7.006 12.655 5.930 5.466 10.902 3.989
D16 3.000 9.141 20.142 3.000 9.141 20.142
D21 2.000 3.664 2.000 2.000 3.664 2.000
D24 14.086 5.661 1.200 14.086 5.661 1.200
D32 26.430 35.126 45.401 26.430 35.126 45.401

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -22.97
第2レンズ群 9 85.91
第3レンズ群 14 57.96
第4レンズ群 17 -366.64
第5レンズ群 22 -68.50
第6レンズ群 25 41.25

[条件式対応値]
条件式(9) f5/f4 = 0.187
条件式(10) (−f1)/f6 = 0.557
条件式(11) f1/f4 = 0.063
条件式(12) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.735
(A(T3.5)=-0.0111,A(T4.0)=-0.0064)
条件式(13) f2/f3 = 1.482
【0333】
表6から、第6実施例に係る変倍光学系ZL1は、条件式(9)〜(13)を満足することが分かる。
【0334】
図22は、第6実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図23は、第6実施例に係る変倍光学系ZL1の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図24は、第6実施例に係る変倍光学系ZL1の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0335】
各収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Aは各像高に対する半画角(単位:°)、H0は物体高を示す。dはd線、gはg線における収差を示す。また、これらの記載のないものは、d線における収差を示す。但し、無限遠合焦時の球面収差図では、最大口径に対応するFナンバーの値を示す。至近距離合焦時の球面収差図では、最大口径に対応する開口数の値を示す。非点収差図では、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。
【0336】
後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0337】
図22図24から、第6実施例に係る変倍光学系ZL1は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0338】
(第7実施例)
第7実施例について、図25図28及び表7を用いて説明する。第7実施例に係る変倍光学系ZL(ZL2)は、図25に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とからなる。
【0339】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0340】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。
【0341】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL31と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32との接合レンズからなる。
【0342】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL41と、両凸レンズL42とからなる。
【0343】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL51と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL52は、像側面が非球面である。
【0344】
第6レンズ群G6は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL61と、両凸レンズL62と両凹レンズL63との接合レンズと、両凸レンズL64と両凹レンズL65との接合レンズとからなる。両凹レンズL65は、像側面が非球面である。
【0345】
第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。
【0346】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔と、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔と、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との間隔)が変化するように、第1レンズ群G1を像面に対して固定し、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を物体側へ移動させ、第4レンズ群G4を像面に対して固定し、第5レンズ群G5を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第6レンズ群G6を物体側へ移動させることにより行う。
開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に、像面に対して固定する。
【0347】
無限遠から近距離物体への合焦は、第2レンズ群G2を像側へ移動させることにより行う。
【0348】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第5レンズ群G5を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。
【0349】
第7実施例では、広角端状態において、防振係数は−0.68であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.34mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−0.83であり、焦点距離は23.50mmであるので、0.68度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.34mmである。望遠端状態において、防振係数は−0.95であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.35mmである。
【0350】
下記の表7に、第7実施例における各諸元の値を示す。表7における面番号1〜32が、図25に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
【0351】
(表7)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 200.42947 3.000 1.76690 46.9
*2 17.07497 11.709 1.00000
*3 -200.00000 1.700 1.76690 46.9
4 109.91543 1.900 1.00000
5 -693.49354 1.700 1.49700 81.7
6 49.25847 1.200 1.00000
7 50.08128 4.923 1.75520 27.6
8 -295.12270 (D8) 1.00000
9 56.93713 4.745 1.64769 33.7
10 -156.65949 0.100 1.00000
11 47.36415 1.000 1.84666 23.8
12 21.40251 4.835 1.60342 38.0
13 47.99942 (D13) 1.00000
14 45.23118 6.615 1.49700 81.7
15 -36.27556 1.400 1.84666 23.8
16 -49.02120 (D16) 1.00000
17 (開口絞り) 3.263 1.00000
18 -34.76577 1.300 1.90366 31.3
19 -208.11349 0.100 1.00000
20 1901.47190 3.098 1.84666 23.8
21 -49.48608 (D21) 1.00000
22 -126.18353 1.300 1.80400 46.6
23 29.00114 3.536 1.80518 25.4
*24 83.38799 (D24) 1.00000
25 32.33148 7.547 1.49700 81.7
26 -47.61976 0.100 1.00000
27 54.51882 7.863 1.49700 81.7
28 -28.00000 1.500 1.74950 35.2
29 206.04990 0.500 1.00000
30 66.17138 6.083 1.49700 81.7
31 -60.00000 2.000 1.80610 41.0
*32 861.15398 (D32) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 7.17332e-07 5.06827e-10 -3.44033e-12 4.39234e-15
2 0.00000e+00 2.76313e-06 5.96322e-09 1.96762e-11 -9.83208e-14
3 1.00000e+00 -3.91032e-06 1.30563e-09 7.32124e-12 -8.19441e-14
24 1.00000e+00 -1.84007e-06 -1.52537e-09 3.88829e-11 -1.13936e-13
32 1.00000e+00 1.32449e-05 9.98520e-09 -1.19528e-11 7.08648e-14

[各種データ]
W M T
f 16.40 23.50 34.00
FNo 2.89 2.89 2.88
ω 54.1 40.7 29.4
Y 20.00 20.00 20.00
TL 163.818 163.818 163.818
BF 27.200 36.104 42.239

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 336.18 336.18 336.18
β - - - -0.0457 -0.0658 -0.0954
f 16.40 23.50 34.00 - - -
D8 26.014 8.000 3.463 27.625 9.934 5.532
D13 6.348 17.201 6.207 4.737 15.267 4.137
D16 3.000 10.164 25.693 3.000 10.164 25.693
D21 3.470 4.520 2.000 3.470 4.520 2.000
D24 14.768 4.813 1.200 14.768 4.813 1.200
D32 27.200 36.102 42.239 27.200 36.102 42.239

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -23.00
第2レンズ群 9 92.82
第3レンズ群 14 54.87
第4レンズ群 17 -326.41
第5レンズ群 22 -61.92
第6レンズ群 25 38.74

[条件式対応値]
条件式(9) f5/f4 = 0.190
条件式(10) (−f1)/f6 = 0.594
条件式(11) f1/f4 = 0.070
条件式(12) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.707
(A(T3.5)=-0.0102,A(T4.0)=-0.0060)
条件式(13) f2/f3 = 1.692
【0352】
表7から、第7実施例に係る変倍光学系ZL2は、条件式(9)〜(13)を満足することが分かる。
【0353】
図26は、第7実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図27は、第7実施例に係る変倍光学系ZL2の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図28は、第7実施例に係る変倍光学系ZL2の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0354】
図26図28から、第7実施例に係る変倍光学系ZL2は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0355】
(第8実施例)
第8実施例について、図29図32及び表8を用いて説明する。第8実施例に係る変倍光学系ZL(ZL3)は、図29に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とからなる。
【0356】
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、両凹レンズL13と、両凸レンズL14とからなる。負メニスカスレンズL11は、両側面が非球面である。両凹レンズL12は、物体側面が非球面である。
【0357】
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL21と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズとからなる。
【0358】
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL31と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32との接合レンズからなる。
【0359】
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL41と、両凸レンズL42とからなる。両凸レンズL42は、像側面が非球面である。
【0360】
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凹レンズL51と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52との接合レンズからなる。正メニスカスレンズL52は、像側面が非球面である。
【0361】
第6レンズ群G6は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL61と、両凸レンズL62と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL63との接合レンズと、両凸レンズL64と両凹レンズL65との接合レンズとからなる。両凸レンズL62は、物体側面が非球面である。両凹レンズL65は、像側面が非球面である。
【0362】
第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間には開口絞りSが備えられ、開口絞りSは第4レンズ群G4を構成する。
【0363】
広角端状態から望遠端状態への変倍は、各レンズ群間隔が変化するように、第1レンズ群G1を一旦像側へ移動させた後、物体側へ移動させ、第2レンズ群G2を物体側へ移動させ、第3レンズ群G3を物体側へ移動させ、第4レンズ群G4を物体側へ移動させ、第5レンズ群G5を像面に対して固定し、第6レンズ群G6を物体側へ移動させることにより行う。開口絞りSは、第4レンズ群G4と一体的に、物体側へ移動させる。
【0364】
無限遠から近距離物体への合焦は、第2レンズ群G2を像側へ移動させることにより行う。
【0365】
像ブレ発生時には、防振レンズ群VRとして、第5レンズ群G5を光軸と垂直方向の成分を持つように移動させることにより、像面I上の像ブレ補正(防振)を行う。なお、全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。
【0366】
第8実施例では、広角端状態において、防振係数は−0.93であり、焦点距離は16.40mmであるので、0.81度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.25mmである。中間焦点距離状態において、防振係数は−1.02であり、焦点距離は23.50mmであるので、0.68度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.27mmである。望遠端状態において、防振係数は−1.28であり、焦点距離は34.00mmであるので、0.57度の回転ブレを補正するための防振レンズ群VRの移動量は−0.26mmである。
【0367】
下記の表8に、第8実施例における各諸元の値を示す。表8における面番号1〜32が、図29に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
【0368】
(表8)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
*1 208.62300 3.000 1.76690 46.9
*2 16.71640 11.616 1.00000
*3 -175.02069 1.700 1.76690 46.9
4 110.47412 1.976 1.00000
5 -309.93761 1.700 1.49700 81.7
6 50.80447 1.826 1.00000
7 48.81082 5.374 1.75520 27.6
8 -305.35584 (D8) 1.00000
9 44.00730 5.080 1.64769 33.7
10 -220.95399 0.100 1.00000
11 45.68721 1.000 1.84666 23.8
12 18.95011 4.835 1.60342 38.0
13 51.37666 (D13) 1.00000
14 52.59784 6.421 1.49700 81.7
15 -32.17632 1.400 1.84666 23.8
16 -47.86287 (D16) 1.00000
17 (開口絞り) 3.263 1.00000
18 -46.57030 1.300 1.90366 31.3
19 -281.42063 0.100 1.00000
20 109.62358 3.171 1.84666 23.8
*21 -72.38183 (D21) 1.00000
22 -78.11006 1.300 1.80400 46.6
23 29.63097 3.221 1.80518 25.4
*24 65.36297 (D24) 1.00000
25 33.81626 7.605 1.49700 81.7
26 -44.63696 0.100 1.00000
*27 86.44474 7.374 1.49700 81.7
28 -28.00000 1.500 1.74950 35.2
29 -250.50625 0.500 1.00000
30 46.84110 6.390 1.49700 81.7
31 -60.00000 2.000 1.80610 41.0
*32 122.72298 (D32) 1.00000

[非球面データ]
面 κ A4 A6 A8 A10
1 1.00000e+00 1.39337e-06 -1.56403e-09 -2.43613e-12 5.76634e-15
2 0.00000e+00 6.81735e-06 -4.70283e-09 9.66754e-11 -2.75609e-13
3 1.00000e+00 -2.75105e-06 -4.68963e-09 6.12032e-11 -2.39910e-13
21 1.00000e+00 2.96251e-06 -3.94707e-09 1.51980e-11 -4.38181e-14
24 1.00000e+00 -3.46562e-06 2.48929e-09 1.12700e-11 -3.06893e-14
27 1.00000e+00 1.85219e-06 -2.91274e-09 -1.43450e-11 1.77124e-14
32 1.00000e+00 1.48107e-05 7.00561e-09 -1.17225e-11 8.02298e-14

[各種データ]
W M T
f 16.40 23.50 34.00
FNo 2.84 2.84 2.89
ω 54.1 39.9 29.4
Y 20.00 20.00 20.00
TL 163.819 156.784 160.573
BF 26.203 30.775 40.005

[可変間隔データ]
無限遠合焦時 至近距離合焦時
W M T W M T
D0 ∞ ∞ ∞ 336.18 343.22 339.43
β - - - -0.0457 -0.0645 -0.0945
f 16.40 23.50 34.00 - - -
D8 22.206 10.203 2.000 23.643 11.741 3.714
D13 11.561 4.934 5.407 10.123 3.396 3.693
D16 3.000 11.883 19.173 3.000 11.883 19.173
D21 2.000 4.717 8.936 2.000 4.717 8.936
D24 14.997 10.421 1.200 14.997 10.421 1.200
D32 26.203 30.775 40.005 26.203 30.775 40.005

[レンズ群データ]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 -22.37
第2レンズ群 9 76.68
第3レンズ群 14 62.47
第4レンズ群 17 268.42
第5レンズ群 22 -43.69
第6レンズ群 25 37.51

[条件式対応値]
条件式(9) f5/f4 = -0.163
条件式(10) (−f1)/f6 = 0.596
条件式(11) f1/f4 = -0.083
条件式(12) A(T3.5)/A(T4.0) = 1.719
(A(T3.5)=-0.0152,A(T4.0)=-0.0089)
条件式(13) f2/f3 = 1.227
【0369】
表8から、第8実施例に係る変倍光学系ZL3は、条件式(9)〜(13)を満足することが分かる。
【0370】
図30は、第8実施例に係る変倍光学系ZL3の無限遠合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図31は、第8実施例に係る変倍光学系ZL3の至近距離合焦時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。図32は、第8実施例に係る変倍光学系ZL3の無限遠合焦時における像ブレ補正を行った時の横収差図であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0371】
図30図32から、第8実施例に係る変倍光学系ZL3は、広角端状態から望遠端状態に亘って、また無限遠合焦状態から至近距離合焦状態に亘って諸収差が良好に補正され、良好な光学性能を有することが分かる。また、像ブレ補正時において、高い結像性能を有することが分かる。
【0372】
以上の各実施例によれば、F2.8程度の明るいF値と、半画角で50°程度以上の広画角を有し、諸収差が良好に補正された変倍光学系を実現することができる。
【0373】
ここまで本発明の態様を分かりやすくするために、実施形態の要素の符号を付して説明したが、本発明の態様がこれに限定されるものではない。以下の内容は、変倍光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0374】
変倍光学系ZLの数値実施例として、6群構成のものを示したが、これに限定されず、他の群構成(例えば、7群等)にも適用可能である。具体的には、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。他には、第1レンズ群G1を複数のレンズ群に分割して、変倍時に別軌跡で移動または一方を固定させることなどが考えられる。また、上述のように、第4レンズ群G4は負の屈折力を有してもよく、正の屈折力を有しても良い。なお、レンズ群とは、変倍時または合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0375】
変倍光学系ZLにおいて、無限遠から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、或いは複数のレンズ群を合焦レンズ群として、光軸方向へ移動させる構成としてもよい。また、斯かる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ(例えば、超音波モータ、ステッピングモータ、ボイスコイルモータ等)による駆動にも適している。特に、第2レンズ群G2の全体を合焦レンズ群とすることが最も好ましくは可能であるが、第2レンズ群G2の一部を合焦レンズ群としてもよい。第5レンズ群G5の少なくとも一部を合焦レンズ群としても用いることも可能である。また、合焦レンズ群は、上記のように1枚の単レンズと1つの接合レンズとから構成しても良いが、レンズ枚数に特に限定は無く、1枚以上のレンズ成分で構成することとしてもよい。
【0376】
変倍光学系ZLにおいて、いずれかのレンズ群全体または部分レンズ群を、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させるか、或いは光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレ等によって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。特に、第5レンズ群G5の全体を防振レンズ群とすることが最も好ましくは可能であるが、第5レンズ群G5の一部を防振レンズ群としてもよい。また、第2レンズ群G2の少なくとも一部や、第3レンズ群G3の少なくとも一部を防振レンズ群として用いることも可能である。
【0377】
変倍光学系ZLにおいて、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げる。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ない。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
【0378】
変倍光学系ZLにおいて、開口絞りSは、第4レンズ群G4内、特に第4レンズ群G4と一体に配置されるのが好ましくは可能であるが、第4レンズ群G4と別体で移動可能に構成しても良い。また、開口絞りSは、第5レンズG5内に配置してもよい。また、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
【0379】
変倍光学系ZLにおいて、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの良好な光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。反射防止膜の種類は適宜選択可能である。また、反射防止膜の面数や位置も適宜選択可能である。上述の第6実施例、第7実施例、第8実施例とも、第1レンズ群G1のL11の像側面、L12の物体側面、L12の像側面、L13の物体側面、L13の像側面、L14の物体側面のいずれかの面、または複数の面に波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施すのが好ましくは可能である。
【0380】
変倍光学系ZLは、例えば、変倍比が1.5〜2.5倍程度にできる。また、変倍光学系ZLは、広角端状態での焦点距離(35mm版換算)が例えば15〜20mm程度にできる。また、変倍光学系ZLは、広角端状態でのF値が例えば2.7〜3.5程度にできる。また、変倍光学系ZLは、望遠端状態でのF値が例えば2.7〜3.5程度にできる。さらに、変倍光学系ZLは、広角端状態から望遠端状態まで焦点距離状態が変わる際に、F値が略一定(変化量が望遠端状態のF値の一割以下)にできる。
【符号の説明】
【0381】
ZL(ZL1〜ZL3) 変倍光学系
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G21 第21レンズ群
G22 第22レンズ群
G41 第41レンズ群
G42 第42レンズ群
G5 第5レンズ群
G6 第6レンズ群
VR 防振レンズ群
S 開口絞り
I 像面
1 カメラ(光学機器)
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