【構成】基準クロック信号に同期した画素データ群をデータ送信用の第1のバッファを介してデータラッチ駆動用の第2のバッファに送出するにあたり、第1のバッファから出力された画素データ群を、当該基準クロック信号とは異なる位相で第2のバッファに送信する。
前記多相化部は、前記基準クロック信号を夫々異なる第1〜第Nの期間だけ遅延させることにより第1〜第Nのクロック信号を生成する遅延回路と、前記第3の画素データ群を前記第1〜第Nのクロック信号に夫々同期させて取り込み前記第4の画素データ群として出力する第2のラッチと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のドライバ。
前記第1〜第Nのアンドゲートから出力された前記第3の画素データ群を前記第1〜第Nのクロック信号に夫々同期させて取り込み前記第4の画素データ群として出力する第2のラッチをさらに含む請求項4に記載のドライバ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る表示デバイスのドライバを搭載した表示装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、かかる表示装置は、駆動制御部11、走査ドライバ12、データドライバ13、及び表示デバイス20から構成される。
【0012】
表示デバイス20は、例えば液晶表示パネル又は有機EL(electro luminescence)パネル等の表示パネルである。表示デバイス20には、2次元画面の水平方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)の水平走査ラインS
1〜S
mと、2次元画面の垂直方向に伸張するn個(nは2以上の自然数)のデータラインD
1〜D
nとが形成されている。更に、水平走査ライン及びデータラインの各交叉部の領域、つまり
図1において破線にて囲まれた領域には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0013】
駆動制御部11は、映像データ信号VDに基づき、各画素毎にその画素の輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データPDの系列を生成し、各画素データPDを例えば1ビットシリアルの形態にて順次、データドライバ13に供給する。また、駆動制御部11は、映像データ信号VDに基づき、各画像のフレームに同期した垂直同期信号を生成しこれをデータドライバ13に供給する。
【0014】
走査ドライバ12は、駆動制御部11から供給された垂直同期信号に同期させて、所定のピーク電圧を有する水平走査パルスを生成し、これを表示デバイス20の走査ラインS
1〜S
m各々に順次、択一的に印加する。
【0015】
図2は、データドライバ13の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、データドライバ13は、データ取込部131、階調電圧変換部132、及び出力アンプ133を含む。
【0016】
データ取込部131は、駆動制御部11から供給された画素データPDを順次取り込む。データ取込部131は、1水平走査期間分、つまりn個の画素データPDを取り込む度に、これらn個の画素データPDを画素データP
1〜P
nとして階調電圧変換部132に供給する。尚、データ取込部131における画素データPDの取込動作の詳細については後述する。
【0017】
階調電圧変換部132は、画素データP
1〜P
nを夫々の輝度レベルに対応した階調電圧V
1〜V
nに変換して出力アンプ133に供給する。
【0018】
出力アンプ133は、階調電圧V
1〜V
nの各々を所望に増幅したものを画素駆動電圧G
1〜G
nとし、夫々を表示デバイス20のデータラインD
1〜D
nに印加する。
【0019】
以下に、データ取込部131における画素データPDの取込動作について説明する。
【0020】
図3は、データ取込部131の第1の実施例を示す内部構成を示すブロック図である。尚、
図3では、表示デバイス20のデータラインD
1〜D
nの総数nが1440本、つまり、データドライバ13の出力チャンネル数が1440チャネルである場合を例にとって、データ取込部131の内部構成を示す。
【0021】
図3において、シリアルパラレル変換回路SPは、1ビットシリアル形態にて駆動制御部11から供給された画素データPDを、48ビットパラレルの画素データQDBに変換して第1ラッチDF1に供給する。すなわち、シリアルパラレル変換回路SPは、1チャンネル分、つまり8ビットの画素データPDを6チャンネル分ずつ同時に画素データQDBとして第1ラッチDF1に供給するのである。
【0022】
クロック生成回路CGは、
図4に示すように、画素データQDBの周期と同一の周期CYの基準クロック信号CKRを生成し、これをラッチDF1、遅延回路DC及びラッチクロック生成回路LCKに供給する。
【0023】
ラッチDF1は、基準クロック信号CKRの立ち上がりエッジ部のタイミングに同期して48ビットの画素データQDBを取り込み、これを48ビットの画素データ群RDBとしてデータ送信用のバッファBF1に供給する。
【0024】
すなわち、ラッチDF1は、
図4に示すように、1水平走査期間内において第1〜第1440チャンネルに対応した夫々8ビットの画素データ片の各々を、基準クロック信号CKRに同期したタイミングで6チャンネル分ずつ同時に取り込んだものを画素データ群RDBとしてバッファBF1に供給する。
【0025】
バッファBF1は、画素データ群RDBにおける各ビットに対応した信号を個別に増幅して得た48ビットの画素データ群SDBを、データ伝送バスBS1を介してラッチDF2に供給する。
【0026】
遅延回路DCは、基準クロック信号CKRを、
図4に示すように所定の時間DQだけ遅延させたクロック信号CK1を生成する。すなわち、遅延回路DCは、基準クロック信号CKRと同一周波数であり且つこの基準クロック信号とは位相が異なるクロック信号CK1を生成する。遅延回路DCは、クロック信号CK1をラッチDF2に供給する。尚、時間DQは、周期CYよりも短い時間である。
【0027】
ラッチDF2は、
図4に示すように、クロック信号CK1の立ち上がりエッジ部のタイミングに同期して48ビットの画素データ群SDBを同時に取り込み、これを画素データ群TDBとして、データ伝送バスBS2を介してデータラッチ駆動用のバッファBF2に供給する。
【0028】
すなわち、ラッチDF2は、
図4に示すように、1水平走査期間内において第1〜第1440チャンネルに夫々対応した8ビットの画素データを、クロック信号CK1に同期したタイミングで6チャンネル分(48ビット)ずつ同時に取り込んだものを画素データ群TDBとしてバッファBF2に供給する。
【0029】
バッファBF2は、48ビットからなる画素データ群TDBの各ビットに対応した信号を個別に増幅して得た48ビットの画素データ群UDBをデータラッチDL1〜DL240に供給する。
【0030】
ラッチクロック生成回路LCKは、1水平走査期間毎に、1パルスの信号を
図4に示すように基準クロック信号CKRに同期させて周期CYずつ順に遅延させたラッチ取込信号L
1〜L
240を生成する。データラッチクロック生成回路LCKは、ラッチ取込信号L
1をデータラッチDL1に供給し、ラッチ取込信号L
2をデータラッチDL2に供給し、ラッチ取込信号L
3をデータラッチDL3に供給する。以下同様にして、データラッチクロック生成回路LCKは、ラッチ取込信号L
4〜L
240をデータラッチDL4〜DL240に夫々供給する。
【0031】
データラッチDL1〜DL240の各々は、バッファBF2から供給された48ビットの画素データ群UDBを、自身に供給されたラッチ取込信号Lの立ち上がりエッジ部のタイミングで取り込み、第1〜第1440チャンネルに夫々対応した画素データP
1〜P
1440として出力する。
【0032】
例えば、先ず、データラッチDL1は、自身に供給されたラッチ取込信号L
1に応じて、
図4に示すように、第1〜第6チャネルに対応した48ビットの画素データ群UDBを取り込み、夫々が8ビットの画素データP
1〜P
6を出力する。次に、データラッチDL2が、自身に供給されたラッチ取込信号L
2に応じて、
図4に示すように、第7〜第12チャネルに対応した48ビットの画素データ群UDBを取り込み、夫々が8ビットの画素データP
7〜P
12を出力する。次に、データラッチDL3が、自身に供給されたラッチ取込信号L
3に応じて、
図4に示すように、第13〜第18チャネルに対応した48ビットの画素データ群UDBを取り込み、夫々が8ビットの画素データP
13〜P
18を出力する。以下同様にして、データラッチDL4、DL5、・・・、DL239、DL240の順に、各データラッチDLが、自身に供給されたラッチ取込信号Lに応じて48ビットの画素データ群UDBを取り込み、夫々が8ビットの画素データP
19〜P
1440を出力する。
【0033】
このように、
図3に示す内部構成を有するデータ取込部131では、基準クロック信号CKRに同期させて取り込んだ画素データ群RDBをバッファBF1を介してデータラッチ群(DL1〜DL240)に送出するにあたり、このバッファBF1とバッファBF2との間にラッチDF2を設けている。ラッチDF2は、バッファBF1から供給された画素データ群SDBを、
図4に示すように基準クロック信号CKRに対して時間DQだけ位相をずらしたクロック信号CK1に同期させて取り込み、これを画素データ群TDBとしてバッファBF2に供給する。
【0034】
よって、
図4に示すように、バッファBF1で増幅処理に伴う動作電流が流れるタイミングは、基準クロック信号CKRの立ち上がりエッジ部の時点となる。一方、バッファBF2において増幅処理に伴う動作電流が流れるタイミングは、
図4に示すようにクロック信号CK1の立ち上がりエッジ部の時点となる。
【0035】
これにより、入力された画素データPDの取り込みを行うラッチDF1からデータラッチDL1までの経路に存在するバッファBF1及びBF2に夫々流れる動作電流のタイミングは、時間的に分散される。従って、当該動作電流が同時に流れ込むことによって発生するノイズを抑制することが可能となる。
【0036】
要するに、
図3に示す構成を有するデータ取込部131として、以下の第1のラッチ(DF1)、第1のバッファ(BF1)、第2のラッチ(DF2)、第2のバッファ(BF2)及びデータラッチ(DL1〜DL240)を含むものを採用したのである。
【0037】
第1のラッチは、基準クロック信号(CKR)に同期させてL(Lは2以上の整数)個の入力画素データ片(PD)を同時に取り込み、取り込んだL個の入力画素データ片を第1の画素データ群(RDB)として出力する。第1のバッファは、当該第1の画素データ群を増幅して得られた第1の増幅画素データ群(SDB)を出力する。第2のラッチは、基準クロック信号とは位相が異なり且つ基準クロック信号と同一周波数を有する第1のクロック信号(CK1)に同期させて上記第1の増幅画素データ群を同時に取り込み、これを第2の画素データ群(TDB)として出力する。第2のバッファは、第2の画素データ群を増幅して得られた第2の増幅画素データ群(UDB)を出力する。そして、データラッチは、第2の増幅画素データ群を取り込み、取り込んだ第2の増幅画素データ群をn個(nは2以上の整数)の画素毎に出力する。
【0038】
かかる構成を採用することにより、データラッチ駆動用の第2のバッファ(BF2)の前段に設けられているデータ送信用の第1のバッファBF1の動作タイミングをも考慮して、動作電流が同時に流れ込むことによって発生するノイズの低減を図ることが可能となるのである。
【0039】
図5は、データ取込部131の第2の実施例を示す内部構成を示すブロック図である。尚、
図5において、シリアルパラレル変換回路SP、クロック生成回路CG、ラッチDF1、及びバッファBF1については、
図3に示されるものと同一であるので説明を省略する。
【0040】
図5に示す構成では、
図3に示す遅延回路DCに代えて遅延回路DCXを採用し、ラッチDF2に代えてラッチDF2a及び2bを採用している。更に、
図5に示す構成では、
図3に示すバッファBF2に代えてバッファBF2a及びBF2bを採用し、データラッチDL1〜DL240に代えてデータラッチDLa1〜DLa240及びDLb1〜DLb240を採用している。
【0041】
遅延回路DCXは、基準クロック信号CKRを、
図6に示すように所定の時間DQだけ遅延させたクロック信号CK1を生成し、これをラッチDF2aに供給する。更に、遅延回路DCXは、クロック信号CK1を
図6に示すように所定の時間DQxだけ遅延させたクロック信号CK2を生成し、これをラッチDF2bに供給する。すなわち、遅延回路DCXは、基準クロック信号CKRを夫々異なる第1の時間(DQ)及び第2の時間(DQ+DQx)だけ遅延させることにより、互いに位相が異なるクロック信号CK1及びCK2を生成する。
【0042】
ラッチDF2aは、48ビットの画素データ群SDBを24ビット分ずつ2分割した際の上位24ビットからなる3チャンネル分の分割画素データ群SD
1を、
図6に示すように、クロック信号CK1の立ち上がりエッジ部のタイミングに同期して取り込む。ラッチDF2aは、取り込んだ分割画素データ群SD
1を分割画素データ群TD
1として、データ伝送バスBS2aを介してバッファBF2aに供給する。
【0043】
ラッチDF2bは、48ビットの画素データ群SDBを24ビット分ずつ2分割した際の下位24ビットからなる3チャンネル分の分割画素データ群SD
2を、
図6に示すように、クロック信号CK2の立ち上がりエッジ部のタイミングに同期して取り込む。ラッチDF2bは、取り込んだ分割画素データ群SD
2を分割画素データ群TD
2として、データ伝送バスBS2bを介してバッファBF2bに供給する。
【0044】
バッファBF2aは、24ビットからなる分割画素データ群TD
1の各ビットに対応した信号を個別に増幅して得た24ビットの分割画素データ群UD
1をデータラッチDLa1〜DLa240に供給する。
【0045】
バッファBF2bは、24ビットからなる分割画素データ群TD
2の各ビットに対応した信号を個別に増幅して得た24ビットの分割画素データ群UD
2をデータラッチDLb1〜DLb240に供給する。
【0046】
ラッチクロック生成回路LCKは、1水平走査期間毎に、1パルスの信号を
図6に示すように基準クロック信号CKRに同期させて周期CYずつ順に遅延させたラッチ取込信号L
1〜L
240を生成する。データラッチクロック生成回路LCKは、ラッチ取込信号L
1をデータラッチDLa1及びDLb1に供給し、ラッチ取込信号L
2をデータラッチDLa2及びDLb2に供給し、ラッチ取込信号L
3をデータラッチDLa3及びDLb3に供給する。以下同様にして、データラッチクロック生成回路LCKは、ラッチ取込信号L
4〜L
240をデータラッチDLa4〜DLa240、並びにDLb4〜DLb240に夫々供給する。
【0047】
データラッチDLa1〜DLa240の各々は、バッファBF2aから供給された24ビットの分割画素データ群UD
1を、自身に供給されたラッチ取込信号Lの立ち上がりエッジ部のタイミングで取り込む。データラッチDLb1〜DLb240の各々は、バッファBF2bから供給された24ビットの分割画素データ群UD
2を、自身に供給されたラッチ取込信号Lの立ち上がりエッジ部のタイミングで取り込む。
【0048】
例えば、データラッチDLa1は、自身に供給されたラッチ取込信号L
1の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
1を取り込み、これを第1〜第3チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
1〜P
3として出力する。データラッチDLb1は、自身に供給されたラッチ取込信号L
1の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
2を取り込み、これを第4〜第6チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
4〜P
6として出力する。
【0049】
データラッチDLa2は、自身に供給されたラッチ取込信号L
2の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
1を取り込み、これを第7〜第9チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
7〜P
9として出力する。データラッチDLb2は、自身に供給されたラッチ取込信号L
2の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
2を取り込み、これを第10〜第12チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
10〜P
12として出力する。
【0050】
以下同様にして、データラッチDLa3〜DLa240、並びにDLb3〜DLb240は、自身に供給されたラッチ取込信号L
3〜L
240の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
1及びUD
2を取り込み、夫々8ビットの画素データP
13〜P
1437として出力する。
【0051】
このように、
図5に示す内部構成を有するデータ取込部131では、基準クロック信号CKRに同期させて取り込んだ画素データ群RDBを分割画素データ群SD
1とSD
2とに2分割して、データラッチ群(DLa1〜DLa240、DLb1〜DLb240)に供給する。
【0052】
更に、
図5に示す構成では、分割画素データ群SD
1を第1のラッチDF2aを介して第1のバッファBF2aに供給し、分割画素データ群SD
2を第2のラッチDF2bを介して第2のバッファBF2bに供給する。ラッチDF2aは、バッファBF1から供給された分割画素データ群SD
1を、
図6に示すように基準クロック信号CKRに対して時間DQだけ位相をずらしたクロック信号CK1に同期させて取り込み、これを分割画素データ群TD
1としてバッファBF2aに供給する。ラッチDF2bは、バッファBF1から供給された分割画素データ群SD
2を、
図6に示すように基準クロック信号CKRに対して時間(DQ+DQx)だけ位相をずらしたクロック信号CK2に同期させて取り込み、これを分割画素データ群TD
2としてバッファBF2bに供給する。
【0053】
すなわち、遅延回路DCX、ラッチDF2a及びDF2bからなる多相化部により、画素データ群RDBを2分割した分割画素データ群SD
1及びSD
2を、基準クロック信号CKRとは位相が異なり且つ互いに位相が異なる第1〜第2の位相で、データラッチ駆動用の第2のバッファBF2a及びBF2bに供給するようにしたのである。
【0054】
かかる構成により、バッファBF1での増幅処理に伴う動作電流が流れるタイミングは、
図6に示すように基準クロック信号CKRの立ち上がりエッジ部の時点となる。一方、バッファBF2aの増幅処理に伴う動作電流が流れるタイミングは、
図6に示すようにクロック信号CK1の立ち上がりエッジ部の時点となる。バッファBF2bの増幅処理に伴う動作電流が流れるタイミングは、
図6に示すようにクロック信号CK2の立ち上がりエッジ部の時点となる。
【0055】
従って、
図6に示されるように、バッファBF1、バッファBF2a及びBF2b各々の増幅処理に伴って流れ込む動作電流は時間的に3箇所に分散される。
【0056】
これにより、データ取込部131の内部構成として
図5に示す構成を採用した場合には、
図3に示す構成を採用した場合に比して、データ送信用のバッファ(BF1)の動作電流と、データラッチ駆動用のバッファ(BF2a及びBF2b)の動作電流が同時に流れ込むことによって発生するノイズを大幅に低減することが可能となる。
【0057】
図7は、データ取込部131の第3の実施例を示す内部構成を示すブロック図である。尚、
図7に示す構成では、
図5に示す遅延回路DCX、ラッチDF2a及びDF2bに代えてデータ制御回路DCC、アンドゲートANa及びANbを採用し、ラッチクロック生成回路LCKに代えてラッチクロック生成回路LCXを採用した点を除く他の構成は
図5に示すものと同一である。
【0058】
図7において、データ制御回路DCCは、上記した画素データ群SDB中の上位24ビットからなる分割画素データ群SD
1を有効にするのか、或いは無効にするのかを示すデータ有効化信号ENaを生成し、これをアンドゲートANaに供給する。更に、データ制御回路DCCは、画素データ群SDB中の下位24ビットからなる分割画素データ群SD
2を有効にするのか、或いは無効にするのかを示すデータ有効化信号ENbを生成し、これをアンドゲートANbに供給する。
【0059】
例えば、データ制御回路DCCは、周期CY毎に、この周期CYの1/2の周期に亘り画素データの有効化を表す論理レベル1を示し、残りの1/2の周期に亘り画素データの無効化を表す論理レベル0を示すデータ有効化信号ENa及びENbを生成する。尚、データ有効化信号ENa及びENbは、
図8に示すように、互いに相補的に論理レベル1から0、又は論理レベル0から1に遷移する。
【0060】
ここで、データ有効化信号ENaの立ち上がりエッジ部の位相、及びデータ有効化信号ENbの立ち下がりエッジ部の位相は、
図8に示すように、基準クロック信号CKRの立ち上がりエッジ部に対して時間DQyだけ位相がずれている。
【0061】
アンドゲートANaは、データ有効化信号ENaがデータ有効化を示す論理レベル1である間は24ビットの分割画素データ群SD
1をそのまま分割画素データ群TD
1として、データ伝送バスBS2aを介してバッファBF2aに供給する。一方、データ有効化信号ENaがデータ無効化を示す論理レベル0である間は、アンドゲートANaは、24ビットの全てが論理レベル0となる分割画素データ群TD
1をデータ伝送バスBS2aを介してバッファBF2aに供給する。
【0062】
アンドゲートANbは、データ有効化信号ENbがデータ有効化を示す論理レベル1である間は24ビットの分割画素データ群SD
2をそのまま分割画素データ群TD
2として、データ伝送バスBS2bを介してバッファBF2bに供給する。一方、データ有効化信号ENbがデータ無効化を示す論理レベル0である間は、アンドゲートANbは、24ビットの全てが論理レベル0となる分割画素データ群TD
2をデータ伝送バスBS2bを介してバッファBF2bに供給する。
【0063】
ラッチクロック生成回路LCXは、1水平走査期間毎に、1パルスの信号を
図8に示すように、基準クロック信号CKRの周期CYの1/2の周期ずつ順に遅延させたラッチ取込信号L
1〜L
480を生成する。データラッチクロック生成回路LCXは、ラッチ取込信号L
1をデータラッチDLa1に供給し、ラッチ取込信号L
2をデータラッチDLa1に供給し、ラッチ取込信号L
3をデータラッチDLa2に供給し、ラッチ取込信号L
4をデータラッチDLb2に供給する。以下同様に、データラッチクロック生成回路LCXは、ラッチ取込信号L
5〜L
480を、データラッチDLa3、DLb3、DLa4、DLb4、・・・、DLa240、DLb240に夫々供給する。
【0064】
データラッチDLa1〜DLa240の各々は、バッファBF2aから供給された24ビットの分割画素データ群UD
1を、自身に供給されたラッチ取込信号Lの立ち上がりエッジ部のタイミングで取り込む。データラッチDLb1〜DLb240の各々は、バッファBF2bから供給された24ビットの分割画素データ群UD
2を、自身に供給されたラッチ取込信号Lの立ち上がりエッジ部のタイミングで取り込む。
【0065】
例えば、データラッチDLa1は、
図8に示すラッチ取込信号L
1の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
1を取り込み、これを第1〜第3チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
1〜P
3として出力する。データラッチDLb1は、
図8に示すラッチ取込信号L
2の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
2を取り込み、これを第4〜第6チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
4〜P
6として出力する。
【0066】
データラッチDLa2は、
図8に示すラッチ取込信号L
3の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
1を取り込み、これを第7〜第9チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
7〜P
9として出力する。データラッチDLb2は、
図8に示すラッチ取込信号L
4の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
2を取り込み、これを第10〜第12チャネルに対応した、夫々8ビットの画素データP
10〜P
12として出力する。
【0067】
以下同様にして、データラッチDLa3〜DLa240、並びにDLb3〜DLb240は、自身に供給されたラッチ取込信号L
5〜L
480の立ち上がりエッジ部のタイミングで24ビットの分割画素データ群UD
1及びUD
2を取り込み、夫々8ビットの画素データP
13〜P
1437として出力する。
【0068】
以上のように、
図7に示す内部構成を有するデータ取込部131では、
図5に示す構成と同様に、基準クロック信号CKRに同期させて取り込んだ画素データ群RDBを、分割画素データ群SD
1とSD
2とに2分割してデータラッチ群(DLa1〜DLa240、DLb1〜DLb240)に供給する。ただし、
図7に示す構成では、分割画素データ群SD
1を第1のアンドゲートANaを介して第1のバッファBF2aに送出し、分割画素データ群SD
2を第2のアンドゲートANbを介して第2のバッファBF2bに送出する。更に、
図7に示す構成では、
図8に示すように、周期CYの1/2の周期毎に論理レベル0から1、又は論理レベル1から0に相補的に遷移するデータ有効化信号ENa及びENbを、アンドゲートANa及びANbに供給している。
【0069】
すなわち、データ制御回路DCC、アンドゲートANa及びANbからなる多相化部により、画素データ群RDBを2分割した分割画素データ群SD
1及びSD
2を、基準クロック信号CKRとは位相が異なり且つ互いに位相が異なる第1〜第2の位相でデータラッチ駆動用の第2のバッファBF2a及びBF2bに供給するのである。
【0070】
よって、バッファBF1において増幅処理に伴う動作電流が流れるタイミングは、
図8に示すように基準クロック信号CKRの立ち上がりエッジ部の時点となる。一方、バッファBF2aにおいて増幅処理に伴う動作電流の流れるタイミングは、
図8に示すように、基準クロック信号CKRの立ち上がりエッジ部の時点に対して時間DQyだけ位相がずれた時点となる。また、バッファBF2bにおいて増幅処理に伴う動作電流の流れるタイミングは、
図8に示すように、基準クロック信号CKRの立ち上がりエッジ部の時点に対して、時間DQyに、周期CYの1/2の周期を加えた分だけ位相がずれた時点となる。
【0071】
従って、バッファBF1、BF2a及びBF2b各々での増幅処理のタイミングが互いにずれるので、夫々の増幅処理に伴って流れ込む動作電流が時間的に分散される。
【0072】
これにより、データ送信用のバッファBF1の動作電流と、データラッチ駆動用のバッファBF2a及びBF2bの動作電流が同時に流れ込むことによって発生するノイズを確実に抑制することが可能となる。
【0073】
ここで、
図5に示す第2の実施例によるデータ取込部131では、基準クロック信号CKRに同期させて取り込んだ画素データ群SDBを2分割(SD
1、SD
2)し、夫々を互いに異なる2系統のタイミング(CK1、CK2)でデータラッチ群に供給するようにしているが、このような構成に限定されない。
【0074】
図9は、かかる点に鑑みて成された、
図5に示すデータ取込部131の変形例を示すブロック図である。尚、
図9に示す構成では、シリアルパラレル変換回路SP、クロック生成回路CG、ラッチDF1、バッファBF1及びラッチクロック生成回路LCKについては、
図5に示されるものと同一である。また、
図9に示す構成では、
図5に示される遅延回路DCXに代えて遅延回路DCZを採用している。
【0075】
遅延回路DCZは、基準クロック信号CKRを夫々異なる第1〜第Nの期間だけ遅延させることにより互いに位相が異なるN(Nは2以上の整数)個のクロック信号CK1〜CK(N)を生成する。
【0076】
更に、
図9に示す構成では、夫々が同一の内部構成からなる分割データラッチ部Q
1〜Q
Nを有する。分割データラッチ部Q
1〜Q
Nの各々は、
図5に示されるラッチDF2a、バッファBF2a、データラッチDLa1〜DLa240からなる。
図9に示すように、分割データラッチ部Q
1〜Q
Nの各々には、画素データとして、画素データ群SDBをN分割した分割画素データ群SD
1〜SD
Nが供給される。更に、分割データラッチ部Q
1〜Q
Nの各々には、クロック信号として、互いに位相が異なるクロック信号CK1〜CK(N)が供給される。
【0077】
つまり、データ取込部131の第2の実施例としては、基準クロック信号CKRに同期した画素データ群RDBをN(Nは2以上の整数)個の画素データに分割し、夫々をN個の互いに異なるタイミングでデータラッチ群に供給する構成であれば良いのである。
【0078】
また、
図7に示す第3の実施例によるデータ取込部131では、基準クロック信号CKRに同期させて取り込んだ画素データ群RDBを2分割し、夫々を相補的に有効化又は無効化する2系統のアンドゲート(ANa、ANb)を設けるようにしているが、かかる構成に限定されない。
【0079】
図10は、かかる点に鑑みて成された、
図7に示すデータ取込部131の変形例を示すブロック図である。尚、
図10に示す構成では、シリアルパラレル変換回路SP、クロック生成回路CG、ラッチDF1、バッファBF1及びラッチクロック生成回路LCXについては、
図7に示されるものと同一である。また、
図10に示す構成では、
図7に示されるデータ制御回路DCCに代えてデータ制御回路DCQを採用している。データ制御回路DCQは、周期CY毎に、その周期CY内において1/Nの時間だけ論理レベル1となり、他の期間は画素データを無効化する論理レベル0となるデータ有効化信号EN
1〜EN
Nを生成する。尚、基準クロック信号CKR、及びデータ有効化信号EN
1〜EN
Nの位相は互いに異なっている。
【0080】
更に、
図10に示す構成では、夫々が同一の内部構成からなる分割データラッチ部W
1〜W
Nを有する。分割データラッチ部W
1〜W
Nの各々は、
図7に示されるアンドゲートANa、バッファBF2a、データラッチDLa1〜DLa240からなる。
図10に示すように、分割データラッチ部W
1〜W
Nの各々には、画素データとして、画素データ群SDBをN分割した分割画素データ群SD
1〜SD
Nが供給される。更に、分割データラッチ部W
1〜W
Nの各々には、データ有効化信号として、互いに位相が異なるデータ有効化信号EN
1〜EN
Nが供給される。
【0081】
つまり、データ取込部131の第3の実施例としては、基準クロック信号CKRに同期させて取り込んだ画素データ群RDBをN個の画素データに分割し、N系統のアンドゲートによってN個の画素データのうちの1つを順次異なるタイミングにて有効化してデータラッチ群に供給する構成であれば良いのである。
【0082】
要するに、
図5〜
図10に示される構成を有するデータ取込部131としては、以下の第1のラッチ(DF1)、第1のバッファ(BF1)、多相化部(DCX、DF2a、DF2b、DCC、ANa、ANb、DCZ、DCQ)、第2のバッファ(BF2)及びデータラッチ(DLa1〜DLa240、DLb1〜DLb240)を含むものであれば良いのである。
【0083】
第1のラッチは、基準クロック信号(CKR)に同期させてL(Lは2以上の整数)個の入力画素データ片(PD)を同時に取り込み、取り込んだL個の入力画素データ片を第1の画素データ群(RDB)として出力する。第1のバッファは、当該第1の画素データ群を増幅して得られた第1の増幅画素データ群(SDB)を出力する。多相化部は、第1の増幅画素データ群をN(Nは2以上の整数)個に分割した第1〜第Nの分割画素データ群(SD
1〜SD
N)を、基準クロック信号とは位相が異なり且つ互いに位相が異なる第1〜第Nの位相を有する第1〜第Nの多相化分割画素データ群(TD)に変換する。第2のバッファは、多相化部から出力された第1〜第Nの多相化分割画素データ群を増幅して得られた第1〜第Nの分割増幅画素データ群を出力する。データラッチは、第1〜第Nの分割増幅画素データ群を取り込み、取り込んだ第1〜第Nの分割増幅画素データ群をn個の画素毎に出力する。
【0084】
かかる構成を採用することにより、データラッチ駆動用の第2のバッファBF2の前段に設けられているデータ送信用のバッファBF1の動作タイミングをも考慮して、各バッファに流れる動作電流のタイミングを時間的に3箇所以上の時点に分散させることが可能となる。よって、
図3に示す構成を採用した場合よりも、動作電流が同時に流れ込むことによって発生するノイズの量を大幅に低減することが可能となる。
【0085】
尚、データ取込部131の構成としては、
図5に示す第2の実施例によるデータ取込部131の構成に、
図7に示す第3の実施例におけるデータ制御回路DCC及びアンドゲートANa及びANbを組み込むようにしても良い。
【0086】
例えば、
図11に示すように、バッファBF1とラッチDF2aとの間にアンドゲートANaを設け、バッファBF1とラッチDF2bとの間にアンドゲートANbを設ける。この際、データ制御回路DCCは、
図8に示すように、相補的に論理レベル0から論理レベル1、又は論理レベル1から論理レベル0に遷移するデータ有効化信号ENa及びENbを生成する。アンドゲートANaは、データ有効化信号ENaが論理レベル1である場合にだけ分割画素データ群SD
1をラッチDF2aに供給し、データ有効化信号ENaが論理レベル0である場合には全ビットが論理レベル0となる分割画素データ群SD
1をラッチDF2aに供給する。アンドゲートANbは、データ有効化信号ENbが論理レベル1である場合にだけ分割画素データ群SD
2をラッチDF2bに供給し、データ有効化信号ENbが論理レベル0である場合には全ビットが論理レベル0となる分割画素データ群SD
2をラッチDF2aに供給する。
【0087】
図11に示す構成によれば、ラッチDF2a及びDF2bのみならず、アンドゲートANa及びANbにおいてもデータの遷移を強制的に停止させることができるので、ノイズ低減効果を高めることが可能となる。尚、
図5に示す第2の実施例によるデータ取込部131の構成に、アンドゲートANa及びANbを組み込む箇所は、
図11に示すようなバッファBF1及びラッチDF2a(DF2b)間に限定されない。例えば、アンドゲートANaをラッチDF2aとバッファBF2aとの間に設け、アンドゲートANbをラッチDF2bとバッファBF2bとの間に設けても良い。或いは、バッファ2aと、データラッチDLa1〜DLa240との間にアンドゲートANaを設け、バッファ2bと、データラッチDLb1〜DLb240との間にアンドゲートANbを設けるようにしても良いのである。