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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-95727(P2019-95727A)
(43)【公開日】2019年6月20日
(54)【発明の名称】表示ドライバ及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20190530BHJP
【FI】
   G09G3/20 611A
   G09G3/20 612F
   G09G3/20 612G
   G09G3/20 641Q
   G09G3/20 623F
   G09G3/20 641C
   G09G3/20 612R
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-227646(P2017-227646)
(22)【出願日】2017年11月28日
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】杉原 弘也
(72)【発明者】
【氏名】平間 厚志
【テーマコード(参考)】
5C080
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD26
5C080EE29
5C080EE30
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080KK07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】消費電力を大幅に低減することが可能な表示ドライバ及び半導体装置を提供する。
【解決手段】夫々が複数の階調電圧を生成する複数の階調電圧生成回路と、夫々が複数の階調電圧生成回路のうちの1つと接続されており、接続されている階調電圧生成回路が生成した複数の階調電圧のうちから、画素データで表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択して出力するn個のDA変換回路と、n個のDA変換回路から出力されたn個の階調電圧を個別に増幅してn個の増幅階調電圧を生成するn個のアンプと、通常モード時にはn個の増幅階調電圧をn個の出力端子から出力し、省電力モード時には複数の階調電圧生成回路のうちの1つが階調電圧を生成し、他の階調電圧生成回路は停止する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n(nは2以上の整数)個のデータラインを有する表示デバイスを駆動する表示ドライバであって、
夫々が複数の階調電圧を生成する複数の階調電圧生成回路と、
夫々が前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つと接続されており、接続されている前記階調電圧生成回路が生成した前記複数の階調電圧のうちから、画素データで表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択して出力する第1〜第nのDA変換回路と、
前記第1〜第nのDA変換回路から出力されたn個の階調電圧を個別に増幅してn個の増幅階調電圧を生成する第1〜第nのアンプと、
通常モード又は省電力モードを表すモード信号を受け、前記モード信号が前記通常モードを表す場合に前記n個の増幅階調電圧をn個の出力端子から夫々出力する出力セレクタと、を含み、
前記複数の階調電圧生成回路は前記モード信号を受け、前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つの階調電圧生成回路は、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には複数の前記階調電圧を生成し、前記1つの前記階調電圧生成回路以外の他の階調電圧生成回路は前記モード信号が前記省電力モードを表す場合に前記階調電圧の生成動作を停止し、
前記出力セレクタは、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には、前記n個の増幅階調電圧をk(kはn未満の整数)個毎に区分けした各区分毎に、k個の前記増幅階調電圧のうちの1つの前記増幅階調電圧をk個の前記出力端子から出力すると共に、前記k個の前記増幅階調電圧を生成するk個の前記アンプのうちで、前記1つの前記増幅階調電圧を生成するアンプを除く各アンプの出力端を開放することを特徴とする表示ドライバ。
【請求項2】
前記出力セレクタは、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には1水平走査期間毎にその1水平走査期間内において、前記1つの前記増幅階調電圧を前記k個の前記出力端子の各々に順に択一的に供給することを特徴とする請求項1に記載の表示ドライバ。
【請求項3】
前記複数の階調電圧生成回路のうちで、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合に前記階調電圧の生成を行う階調電圧生成回路は、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には最低輝度及び前記最低輝度よりも高い輝度に夫々対応した2つの前記階調電圧を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示ドライバ。
【請求項4】
前記複数の階調電圧生成回路は、
赤色ガンマ補正が施された赤色用の前記複数の階調電圧を生成する赤階調電圧生成回路と、
緑色ガンマ補正が施された緑色用の前記複数の階調電圧を生成する緑階調電圧生成回路と、
青色ガンマ補正が施された青色用の前記複数の階調電圧を生成する青階調電圧生成回路と、からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の表示ドライバ。
【請求項5】
前記表示デバイスには、前記第1〜第nのデータラインに交叉して配置された複数の水平走査ラインと前記第1〜第nのデータラインとの交叉部に表示セルが形成されており、
前記kは、1画素を構成する前記表示セルの数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の表示ドライバ。
【請求項6】
n(nは2以上の整数)個のデータラインを有する表示デバイスを駆動する表示ドライバを含む半導体装置であって、
夫々が複数の階調電圧を生成する複数の階調電圧生成回路と、
夫々が前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つと接続されており、接続されている前記階調電圧生成回路が生成した前記複数の階調電圧のうちから、画素データで表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択して出力する第1〜第nのDA変換回路と、
前記第1〜第nのDA変換回路から出力されたn個の階調電圧を個別に増幅してn個の増幅階調電圧を生成する第1〜第nのアンプと、
通常モード又は省電力モードを表すモード信号を受け、前記モード信号が前記通常モードを表す場合に前記n個の増幅階調電圧をn個の出力端子から夫々出力する出力セレクタと、を含み、
前記複数の階調電圧生成回路は前記モード信号を受け、前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つの階調電圧生成回路は、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には複数の前記階調電圧を生成し、前記1つの前記階調電圧生成回路以外の他の階調電圧生成回路は前記モード信号が前記省電力モードを表す場合に前記階調電圧の生成動作を停止し、
前記出力セレクタは、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には、前記n個の増幅階調電圧をk(kはn未満の整数)個毎に区分けした各区分毎に、k個の前記増幅階調電圧のうちの1つの前記増幅階調電圧をk個の前記出力端子から出力すると共に、前記k個の前記増幅階調電圧を生成するk個の前記アンプのうちで、前記1つの前記増幅階調電圧を生成するアンプを除く各アンプの出力端を開放することを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に応じて表示デバイスを駆動する表示ドライバ、及び当該表示ドライバを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネル又は有機EL表示パネル等の表示デバイスを駆動する表示ドライバとして、階調電圧生成回路と、出力チャネル数に対応した数のDAコンバータ及び出力アンプと、を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
階調電圧生成回路は、複数のラダー抵抗を含み、電源電圧を当該複数のラダー抵抗で電圧分割し、当該電圧分割により生成された複数の階調電圧を出力する。DAコンバータは、複数の階調電圧のうちから、画像データによって示される輝度レベルに対応した階調電圧を選択して出力する。出力アンプは、DAコンバータから出力された電圧をバッファリングして得たデータ電圧を表示デバイスのソースラインに印加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−154386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えばスマートフォン等の携帯型の情報端末装置では、機能及び性能に制限が掛からない通常モードと、バッテリの消耗を抑える為に一部の機能又は性能に制限を掛ける省電力モードと、が設けられている。例えば、省電力モード時において、表示ドライバでは、表示階調数を抑えた表示を行うことにより、電力消費量の低減を図ることが考えられる。
【0006】
しかしながら、このような表示階調数を抑えた表示を行う場合にも、表示ドライバ内の各回路は動作させなければならない。例えば、階調電圧生成回路は、実際には、各色(赤、緑、青)毎にその色に対応したガンマ補正特性を有する例えば256階調分の階調電圧を生成する3系統の回路から構成されるので、例え表示階調数を抑えたとしても、各回路に含まれるラダー抵抗には電流が流れる。
【0007】
よって、省電力モードにおいても、その消費電力を大幅に低減することが困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、消費電力を大幅に低減することが可能な表示ドライバ及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示ドライバは、夫々が複数の階調電圧を生成する複数の階調電圧生成回路と、夫々が前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つと接続されており、接続されている前記階調電圧生成回路が生成した前記複数の階調電圧のうちから、画素データで表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択して出力する第1〜第nのDA変換回路と、前記第1〜第nのDA変換回路から出力されたn個の階調電圧を個別に増幅してn個の増幅階調電圧を生成する第1〜第nのアンプと、通常モード又は省電力モードを表すモード信号を受け、前記モード信号が前記通常モードを表す場合に前記n個の増幅階調電圧をn個の出力端子から夫々出力する出力セレクタと、を含み、前記複数の階調電圧生成回路は前記モード信号を受け、前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つの階調電圧生成回路は、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には複数の前記階調電圧を生成し、前記1つの前記階調電圧生成回路以外の他の階調電圧生成回路は前記モード信号が前記省電力モードを表す場合に前記階調電圧の生成動作を停止し、前記出力セレクタは、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には、前記n個の増幅階調電圧をk(kはn未満の整数)個毎に区分けした各区分毎に、k個の前記増幅階調電圧のうちの1つの前記増幅階調電圧をk個の前記出力端子から出力すると共に、前記k個の前記増幅階調電圧を生成するk個の前記アンプのうちで、前記1つの前記増幅階調電圧を生成するアンプを除く各アンプの出力端を開放する。
【0010】
また、本発明に係る半導体装置は、n(nは2以上の整数)個のデータラインを有する表示デバイスを駆動する表示ドライバを含む半導体装置であって、夫々が複数の階調電圧を生成する複数の階調電圧生成回路と、夫々が前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つと接続されており、接続されている前記階調電圧生成回路が生成した前記複数の階調電圧のうちから、画素データで表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択して出力する第1〜第nのDA変換回路と、前記第1〜第nのDA変換回路から出力されたn個の階調電圧を個別に増幅してn個の増幅階調電圧を生成する第1〜第nのアンプと、通常モード又は省電力モードを表すモード信号を受け、前記モード信号が前記通常モードを表す場合に前記n個の増幅階調電圧をn個の出力端子から夫々出力する出力セレクタと、を含み、前記複数の階調電圧生成回路は前記モード信号を受け、前記複数の階調電圧生成回路のうちの1つの階調電圧生成回路は、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には複数の前記階調電圧を生成し、前記1つの前記階調電圧生成回路以外の他の階調電圧生成回路は前記モード信号が前記省電力モードを表す場合に前記階調電圧の生成動作を停止し、前記出力セレクタは、前記モード信号が前記省電力モードを表す場合には、前記n個の増幅階調電圧をk(kはn未満の整数)個毎に区分けした各区分毎に、k個の前記増幅階調電圧のうちの1つの前記増幅階調電圧をk個の前記出力端子から出力すると共に、前記k個の前記増幅階調電圧を生成するk個の前記アンプのうちで、前記1つの前記増幅階調電圧を生成するアンプを除く各アンプの出力端を開放する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る表示ドライバは、省電力モード時には、複数の階調電圧生成回路のうちの1つを除く他の階調電圧生成回路の動作が停止する。また、省電力モード時には、DA変換によって得られたn個の階調電圧を増幅したn個の増幅階調電圧をk個毎に区分けした各区分毎に、k個の増幅階調電圧のうちの1つをk個の出力端子から出力する。更に、これらk個の増幅階調電圧を生成するk個のアンプのうちで、上記した1つの増幅階調電圧を生成するアンプを除く各アンプの出力端を開放する。
【0012】
よって、上記した構成によれば、省電力モード時において、1つの階調電圧生成回路を除く各階調電圧生成回路が動作を停止し、更にn個のアンプから出力される出力電流が大幅に減るので、消費電力の大幅な低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の構成を示すブロック図である。
図2】駆動電圧出力部132の内部構成のを表すブロック図である。
図3】赤階調電圧生成回路GVR、緑階調電圧生成回路GVG、及び青階調電圧生成回路GVBの各々を表す回路図である。
図4】電圧変換出力部CVPの内部構成の一例を表すブロック図である。
図5】省電力モード時における駆動電圧出力部132の内部の状態を表す等価回路図である。
図6】省電力モード時に単色カラー表示を行う場合に採用される電圧変換出力部CVPの内部構成を表す図である。
図7】出力セレクタSELaの動作を説明する為のタイムチャートである。
図8】第1の周期CYC1での出力セレクタSELaの内部の状態を表す図である。
図9】第2の周期CYC2での出力セレクタSELaの内部の状態を表す図である。
図10】第3の周期CYC3での出力セレクタSELaの内部の状態を表す図である。
図11】第4の周期CYC4での出力セレクタSELaの内部の状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置100は、駆動制御部11、走査ドライバ12、データドライバ13、及び表示デバイス20を有する。
【0016】
表示デバイス20は、例えば有機ELパネル等からなる。表示デバイス20は、2次元画面の水平方向に伸張する水平走査ラインS1〜Sm(mは2以上の整数)と、2次元画面の垂直方向に伸張するデータラインD1〜Dn(nは2以上の整数)と、を含む。水平走査ラインとデータラインとの各交叉部の領域(破線にて囲まれた領域)には、赤色表示を担う赤表示セル、緑色表示を担う緑表示セル、又は青色表示を担う青表示セルが形成されている。表示デバイス20では、各水平走査ラインに沿って例えば赤表示セル、緑表示セル、青表示セル、緑表示セル、赤表示セル、緑表示セル、青表示セル、緑表示セル、・・・の順に表示セルが配置されている。この際、2次元画面の水平方向において隣接して配置されている[赤表示セル、緑表示セル、青表示セル、緑表示セル]の4つの表示セルの組により、1つの画素が構成される。
【0017】
尚、水平走査ラインS1〜Smは走査ドライバ12と接続されており、データラインD1〜Dnはデータドライバ13と接続されている。
【0018】
駆動制御部11は、映像信号VD中から水平同期信号を検出して走査ドライバ12に供給する。また、駆動制御部11は、映像信号VDに基づき画素の輝度レベルを例えば8ビットの輝度階調で表す画素データ片の列を含む画像データ信号PDを生成し、これをデータドライバ13に供給する。
【0019】
走査ドライバ12は、駆動制御部11から供給された水平同期信号に同期したタイミングで、水平走査パルスを表示デバイス20の水平走査ラインS1〜Smの各々に順次印加する。
【0020】
データドライバ13は、半導体IC(integrated circuit)チップに形成されている。
【0021】
図1に示すように、データドライバ13は、データ取込部131及び駆動電圧出力部132を含む。
【0022】
データ取込部131は、画像データ信号PDに含まれる画素データ片を1水平走査ライン分ずつ、つまりn個毎に取り込む。データ取込部131は、取り込んだn個の画素データ片を画素データP1〜Pnとして駆動電圧出力部132に供給する。
【0023】
駆動電圧出力部132は、画素データP1〜Pnに基づき、各画素データPが表す輝度レベルに対応した電圧値を有する駆動電圧G1〜Gnを生成し、これを表示デバイス20のデータラインD1〜Dnに供給する。
【0024】
図2は、駆動電圧出力部132の内部構成を表すブロック図である。
【0025】
図2において、電源回路PWRは、表示装置100を有する例えばスマートフォン、携帯電話器等の情報処理装置の制御部から供給されたモード信号MODが通常モードを表す場合には、電源電位VDD、接地電位VSS、基準階調電位VR1〜VR8を生成する。尚、基準階調電位VR1〜VR8は、電源電位VDD〜接地電位VSSの範囲内において、赤色に対応したガンマ補正が施された特性に沿って設定された、互いに異なる8つの電位である。
【0026】
電源回路PWRは、生成した電源電位VDD、接地電位VSS、基準階調電位VR1〜VR8を、赤階調電圧生成回路GVRに供給する。
【0027】
また、電源回路PWRは、モード信号MODが省電力モードを表す場合には、基準階調電位VR1〜VR8の生成を停止し、電源電位VDD及び接地電位VSSのみを赤階調電圧生成回路GVRに供給する。
【0028】
電源回路PWGは、モード信号MODが通常モードを表す場合には、電源電位VDD、接地電位VSS、基準階調電位VG1〜VG8を生成する。尚、基準階調電位VG1〜VG8は、電源電位VDD〜接地電位VSSの範囲内において、緑色に対応したガンマ補正が施された特性に沿って設定された、互いに異なる8つの電位である。
【0029】
電源回路PWGは、生成した電源電位VDD、接地電位VSS、基準階調電位VG1〜VG8を、緑階調電圧生成回路GVGに供給する。
【0030】
また、電源回路PWGは、モード信号MODが省電力モードを表す場合には、基準階調電位VG1〜VG8、電源電位VDD及び接地電位VSSの生成を停止する。すなわち、省電力モード時には、電源回路PWGは動作停止状態となる。
【0031】
電源回路PWBは、モード信号MODが通常モードを表す場合には、電源電位VDD、接地電位VSS、基準階調電位VB1〜VB8を生成する。尚、基準階調電位VB1〜VB8は、電源電位VDD〜接地電位VSSの範囲内において、青色に対応したガンマ補正が施された特性に沿って設定された、互いに異なる8つの電位である。
【0032】
電源回路PWBは、生成した電源電位VDD、接地電位VSS、基準階調電位VB1〜VB8を、青階調電圧生成回路GVBに供給する。
【0033】
また、電源回路PWBは、モード信号MODが省電力モードを表す場合には、基準階調電位VB1〜VB8、電源電位VDD及び接地電位VSSの生成を停止する。すなわち、省電力モード時には、電源回路PWBは動作停止状態となる。
【0034】
赤階調電圧生成回路GVR、緑階調電圧生成回路GVG、及び青階調電圧生成回路GVBは共に、図3に示すように、複数の抵抗が直列に接続されているラダー抵抗LDを含む。
【0035】
尚、以降、モード信号MODが通常モードを表す場合を「通常モード時」と称し、モード信号MODが省電力モードを表す場合を「省電力モード時」と称する。
【0036】
ラダー抵抗LDは、一端に電源電位VDDを受け、その他端に接地電位VSSを受ける。更に、ラダー抵抗LDは、抵抗同士が接続されている複数の接続点のうちの8つの接続点で、基準階調電位VR1〜VR8(VG1〜VG8、VB1〜VB8)を受ける。
【0037】
上記した構成により、赤階調電圧生成回路GVRは、通常モード時には、電源電位VDD、基準階調電位VR1〜VR8及び接地電位VSSによってラダー抵抗LD中の256カ所の接続点に生じた電圧を、階調電圧Vr1〜Vr256として得る。赤階調電圧生成回路GVRは、階調電圧Vr1〜Vr256を、赤色に対してガンマ補正が施された第1の階調電圧群として電圧変換出力部CVPに供給する。
【0038】
また、赤階調電圧生成回路GVRは、省電力モード時には、階調電圧Vr1〜Vr256のうちの2階調分の階調電圧Vr1及びVr256のみを電圧変換出力部CVPに供給する。
【0039】
緑階調電圧生成回路GVGは、通常モード時には、電源電位VDD、基準階調電位VR1〜VR8及び接地電位VSSによってラダー抵抗LD中の256カ所の接続点に生じた電圧を、階調電圧Vg1〜Vg256として得る。この際、緑階調電圧生成回路GVGは、階調電圧Vg1〜Vg256を、緑色に対してガンマ補正が施された第2の階調電圧群として電圧変換出力部CVPに供給する。
【0040】
また、緑階調電圧生成回路GVGは、省電力モード時には、電圧変換出力部CVPへの階調電圧Vg1〜Vg256の供給を停止する。
【0041】
青階調電圧生成回路GVBは、通常モード時には、電源電位VDD、基準階調電位VR1〜VR8及び接地電位VSSによってラダー抵抗LD中の256カ所の接続点に生じた電圧を、階調電圧Vb1〜Vb256として得る。この際、青階調電圧生成回路GVBは、階調電圧Vb1〜Vb256を、青色に対してガンマ補正が施された第3の階調電圧群として電圧変換出力部CVPに供給する。
【0042】
また、青階調電圧生成回路GVBは、省電力モード時には、電圧変換出力部CVPへの階調電圧Vb1〜Vb256の供給を停止する。
【0043】
電圧変換出力部CVPは、先ず、画素データP1〜Pnの各々に対して、第1〜第3の階調電圧群(Vr1〜Vr256、Vg1〜Vg256、Vb1〜Vb256)のうちの1つから、その画素データPにて表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択する。次に、電圧変換出力部CVPは、上記したように画素データP1〜Pnの各々に基づいて選択したn個の階調電圧を、夫々個別に増幅してn個の増幅階調電圧を得る。そして、電圧変換出力部CVPは、n個の増幅階調電圧を駆動電圧G1〜Gnとして出力する。駆動電圧G1〜Gnは、表示デバイス20のデータラインD1〜Dnに供給される。
【0044】
図4は、電圧変換出力部CVPの内部構成の一例を表すブロック図である。
【0045】
図4に示すように、電圧変換出力部CVPは、駆動電圧G1〜Gnに対応したn個のチャネルを、1画素を構成する表示セル(赤表示セル、緑表示セル、青表示セル、緑表示セル)の数である4つ毎に区分けした(n/4)個の電圧変換出力ブロックBKを含む。
【0046】
尚、各電圧変換出力ブロックBKは、同一の内部構成を有する。そこで、以下に、(n/4)個の電圧変換出力ブロックBKのうちで駆動電圧G1〜G4に対応した電圧変換出力ブロックBKを抜粋して、その内部構成について説明する。
【0047】
DA変換回路DCaは、赤階調電圧生成回路GVRと接続されている。DA変換回路DCaは、赤色ガンマ補正が施された第1の階調電圧群に属する階調電圧Vr1〜Vr256のうちから、画素データP1によって表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択し、これを階調電圧UaとしてアンプAPaに供給する。
【0048】
アンプAPaは、当該階調電圧Uaを例えば利得1で増幅した電圧を増幅階調電圧Qaとして出力セレクタSELに供給する。
【0049】
DA変換回路DCbは、緑階調電圧生成回路GVGと接続されている。DA変換回路DCbは、緑色ガンマ補正が施された第2の階調電圧群に属する階調電圧Vg1〜Vg256のうちから、画素データP2によって表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択し、これを階調電圧UbとしてアンプAPbに供給する。
【0050】
アンプAPbは、当該階調電圧Ubを例えば利得1で増幅した電圧を増幅階調電圧Qbとして出力セレクタSELに供給する。
【0051】
DA変換回路DCcは、青階調電圧生成回路GVBと接続されている。DA変換回路DCcは、青色ガンマ補正が施された第3の階調電圧群に属する階調電圧Vb1〜Vb256のうちから、画素データP3によって表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択し、これを階調電圧UcとしてアンプAPcに供給する。
【0052】
アンプAPcは、当該階調電圧Ucを例えば利得1で増幅した電圧を増幅階調電圧Qcとして出力セレクタSELに供給する。
【0053】
DA変換回路DCdは、緑階調電圧生成回路GVGと接続されている。DA変換回路DCdは、緑色ガンマ補正が施された第2の階調電圧群に属する階調電圧Vg1〜Vg256のうちから、画素データP4によって表される輝度レベルに対応した階調電圧を選択し、これを階調電圧UdとしてアンプAPdに供給する。
【0054】
アンプAPdは、当該階調電圧Udを例えば利得1で増幅した電圧を増幅階調電圧Qdとして出力セレクタSELに供給する。
【0055】
出力セレクタSELは、表示デバイス20の4つのデータラインDと夫々個別に接続される出力端子Y1〜Y4を有する。
【0056】
出力セレクタSELは、通常モード時には、表示デバイス20の各水平走査ラインSに沿って配置されている赤表示セル、緑表示セル、青表示セルの配列形態に対応させて、増幅階調電圧Qa〜Qdと出力端子Y1〜Y4とを対応付ける。
【0057】
そして、出力セレクタSELは、増幅階調電圧Qa、Qb、Qc及びQdのうちで出力端子Y1に対応付けされた電圧を駆動電圧G1として出力端子Y1から出力し、出力端子Y2に対応付けされた電圧を駆動電圧G2として出力端子Y2から出力する。更に、出力セレクタSELは、増幅階調電圧Qa、Qb、Qc及びQdのうちで出力端子Y3に対応付けされた電圧を駆動電圧G3として出力端子Y3から出力し、出力端子Y4に対応付けされた電圧を駆動電圧G4として出力端子Y4から出力する。
【0058】
例えば、増幅階調電圧Qa、Qb、Qc及びQdと、出力端子Y1〜Y4とが、
Qa:Y4
Qb:Y3
Qc:Y2
Qd:Y1
のような対応付けとなる場合、出力セレクタSELは、増幅階調電圧Qaを駆動電圧G4として出力端子Y4から出力すると共に、増幅階調電圧Qbを駆動電圧G3として出力端子Y3から出力する。更に、出力セレクタSELは、増幅階調電圧Qcを駆動電圧G2として出力端子Y2から出力すると共に、増幅階調電圧Qdを駆動電圧G1として出力端子Y1から出力する。
【0059】
一方、省電力モード時には、出力セレクタSELは、増幅階調電圧Qa、Qb、Qc及びQdのうちのQaを、駆動電圧G1〜G4として出力端子Y1〜Y4から出力する。
【0060】
以上のように、各電圧変換出力ブロックBK内には、4チャネル分のDA変換回路DCa〜DCdと、アンプAPa〜APdとが含まれている。つまり、電圧変換出力部CVPには、nチャネル分の第1〜第nのDA変換回路(DC)と、第1〜第nのアンプ(AP)と、が含まれている。
【0061】
以下に、モード信号MODが省電力モードを表す場合、つまり省電力モード時における駆動電圧出力部132の内部の状態について、図5に示す等価回路を参照しつつ説明する。尚、図5に示す等価回路では、図2及び図4に示される構成のうちで、省電力モードで動作停止状態となる回路、及び省電力モードに関与しない一部の回路を省略して示している。
【0062】
すなわち、省電力モード時には、図2に示す電源回路PWG及びPWB、並びに緑階調電圧生成回路GVG及び青階調電圧生成回路GVBが動作停止状態となる。これにより、各電圧変換出力ブロックBKに含まれるDA変換回路DCb、DCc及びDCd、並びにアンプAPb、APc及びAPdの各々の出力レベルが固定となる。
【0063】
また、省電力モード時には、図5に示すように電源回路PWRは、電源電位VDD及び接地電位VSSを生成し、これを赤階調電圧生成回路GVRに供給するものの、基準回路電位VR1〜VR8の生成動作を停止する。
【0064】
これにより、赤階調電圧生成回路GVRは、電源電位VDD及び接地電位VSSに基づく2階調分の階調電圧Vr1及びVr256を、各電圧変換出力ブロックBKに含まれるDA変換回路DCaに供給する。
【0065】
また、省電力モード時には、図5に示すように、出力セレクタSEL内において、オン状態時にはアンプAPaの出力端子と出力端子Y1とを接続するスイッチSW1、及びオン状態時にはアンプAPbの出力端子と出力端子Y2とを接続するスイッチSW2が共にオフ状態となる。更に、出力セレクタSEL内において、オン状態時にはアンプAPcの出力端子と出力端子Y3とを接続するスイッチSW3、及びオン状態時にはアンプAPdの出力端子と出力端子Y4とを接続するスイッチSW4が共にオフ状態となる。
【0066】
また、省電力モード時には、図5に示すように、出力セレクタSEL内において、オン状態時にはアンプAPaの出力端子と出力端子Y1とを接続するスイッチSWa、及びオン状態時にはアンプAPaの出力端子と出力端子Y2とを接続するスイッチSWbが共にオン状態となる。更に、出力セレクタSEL内においてオン状態時にはアンプAPaの出力端子と出力端子Y3とを接続するスイッチSWc、及びオン状態時にはアンプAPaの出力端子と出力端子Y4とを接続するスイッチSWdが共にオン状態となる。
【0067】
これにより更に、出力セレクタSELは、図5に示すようにアンプAPb、APc及びAPd各々の出力端子を解放状態に設定する。
【0068】
これにより、アンプAPaから出力された増幅階調電圧Qaが、図5に示すように、スイッチSWa、SWb、SWc及びSWd、出力端子Y1〜Y4を夫々経て出力される。尚、省電力モード時には、前述したように増幅階調電圧Qaは、最低輝度(黒)に対応した階調電圧Vr1、又は最大輝度に対応した階調電圧Vr256を有する。よって、これら階調電圧Vr1及びVr256によって2階調分の輝度を表現する増幅階調電圧Qaが出力端子Y1〜Y4の各々から出力される。
【0069】
例えば、図5に示す一例では、画素データP1によって表される輝度レベルを2階調で表す増幅階調電圧Qaが駆動電圧G1〜G4として出力される。よって、表示デバイス20は、省電力モード時には白黒表示を行う。
【0070】
以上、詳述したように、駆動電圧出力部132では、省電力モード時には、緑階調電圧生成回路GVG及び青階調電圧生成回路GVBの動作を停止し、赤階調電圧生成回路GVRで生成された2階調分の階調電圧Vr1及びVr256を用いて白黒表示を行う。
【0071】
これにより、省電力モード時には、緑階調電圧生成回路GVG及び青階調電圧生成回路GVBでの電力消費を実質的にゼロにすることが可能となる。
【0072】
更に、省電力モード時には、各電圧変換出力ブロックBKに含まれる4つのアンプAPa〜APdのうちの3つのアンプAPb、APc及びAPd各々の出力端子を開放状態にする。これにより、アンプAPb、APc及びAPdの各々から出力される出力電流がゼロとなるので、n個のアンプAPの全体から出力される出力電流が大幅に減る。
【0073】
このように、駆動電圧出力部132では、省電力モード時には、3つの階調電圧生成回路(GVR、GVG、GVB)のうちの2つを停止させる。更に、駆動電圧G1〜Gnに夫々対応して設けられているn個のアンプAPのうちの3/4個(APb、APc、APd)の各アンプAPの出力端を開放することにより、省電力モード時における電力消費量を大幅に低減する。
【0074】
尚、上記実施例では、省電力モード時には白黒表示を行うようにしているが、単色カラー表示を行わせることも可能である。
【0075】
単色カラー表示を行わせる場合には、図2図4に示される構成のうちで電圧変換出力部CVPに含まれている出力セレクタSELを図6に示す出力セレクタSELaに変更する。更に、図6に示すように、出力セレクタSELaの出力端子Y1〜Y4に電圧保持用のキャパシタCa、Cb、Cc、及びCdを接続する。
【0076】
尚、図6では、複数の電圧変換出力ブロックBKのうちで、駆動電圧G1〜G4を出力する電圧変換出力ブロックBKを抜粋して示している。
【0077】
また、図6に示すように、出力セレクタSELaは、出力セレクタSELaと同様にスイッチSW1〜SW4、SWa〜SWdを含み、通常モード時での出力セレクタSELaの動作は前述した出力セレクタSELの動作と同一である。
【0078】
ただし、省電力モード時には、出力セレクタSELaは、スイッチSW1〜SW4をオフ状態に維持しつつ図7に示すタイムチャートに沿って、1水平走査期間毎にSWa、SWb、SWc及びSWdを順に択一的にオン状態にする。
【0079】
すなわち、先ず、図7に示す第1の周期CYC1において、出力セレクタSELaは、スイッチSWa〜SWdのうちのSWaのみをオン状態に設定する。尚、第1の周期CYC1では、例えば階調電圧Vr256を有する増幅階調電圧Qaが供給される。
【0080】
これにより、図8に示すように、最高輝度に対応した階調電圧Vr256を有する増幅階調電圧QaがスイッチSWa及び出力端子Y1を介して、駆動電圧G1として出力される。
【0081】
次に、図7に示す第2の周期CYC2において、出力セレクタSELaは、スイッチSWa〜SWdのうちのSWbのみをオン状態に設定する。尚、第2の周期CYC2では、例えば階調電圧Vr1を有する増幅階調電圧Qaが供給される。
【0082】
これにより、図9に示すように、最低輝度に対応した階調電圧Vr1を有する増幅階調電圧QaがスイッチSWb及び出力端子Y2を介して、駆動電圧G2として出力される。
【0083】
次に、図7に示す第3の周期CYC3において、出力セレクタSELaは、スイッチSWa〜SWdのうちのSWcのみをオン状態に設定する。尚、第3の周期CYC3では、例えば階調電圧Vr256を有する増幅階調電圧Qaが供給される。
【0084】
これにより、図10に示すように、最高輝度に対応した階調電圧Vr256を有する増幅階調電圧QaがスイッチSWc及び出力端子Y3を介して、駆動電圧G3として出力される。
【0085】
次に、図7に示す第4の周期CYC4において、出力セレクタSELaは、スイッチSWa〜SWdのうちのSWdのみをオン状態に設定する。尚、第4の周期CYC4では、例えば階調電圧Vr1を有する増幅階調電圧Qaが供給される。
【0086】
これにより、図11に示すように、最低輝度に対応した階調電圧Vr1を有する増幅階調電圧QaがスイッチSWd及び出力端子Y4を介して駆動電圧G4として出力される。
【0087】
図7に示す動作によれば、各駆動電圧を個別に、2階調分の階調電圧Vr1及びVr256のうちの一方に設定することができるので、赤色、緑色、青色、或いはこれら3色のうちの少なくとも2つを合成した単色のカラー表示を行うことが可能となる。
【0088】
尚、上記実施例では、表示デバイス20として有機ELパネルを採用した場合の構成について説明したが、有機ELパネルに代えて液晶表示パネルを採用しても良い。表示デバイス20として液晶表示パネルを採用した場合には、例えば1画素は3つの表示セル(赤表示セル、緑表示セル、青表示セル)で構成される。よって、例えば出力セレクタSEL又はSELaとして、図5に示すスイッチSWa〜SWc及びSW1〜SW3を含むものを採用する。この際、通常モード時にはスイッチSWa〜SWcを全てオフ状態に設定する。一方、省電力モード時には、前述した図5又は図7に示すようにこれらスイッチSWa〜SWcをオンオフ制御する。
【0089】
尚、上記実施例では、階調電圧生成回路として、赤階調電圧生成回路GVR、緑階調電圧生成回路GVG、及び青階調電圧生成回路GVBを用いているが、階調電圧生成回路の数はこの3つに限定されず、2つ、或いは4つ以上の複数であっても良い。
【0090】
また、上記実施例では、省電力モード時には、赤階調電圧生成回路GVR、緑階調電圧生成回路GVG、及び青階調電圧生成回路GVBのうちのGVG及びGVBを停止状態に設定している。しかしながら、停止状態に設定する階調電圧生成回路をGVR及びGVB、或いはGVR及びGVGとしても良い。
【0091】
尚、上記実施例では、1画素を構成する表示セルの数が4つ(有機ELパネル)又は3つ(液晶表示パネル)の場合を例にとって、出力セレクタSEL又はSELaの省電力モード時での動作を説明したが、1画素を構成する表示セルの数は3又は4つに限定されない。つまり、1画素を構成する表示セルの数がk(kはn未満の整数)個の場合には、出力セレクタSEL又はSELaは、省電力モード時において、n個の増幅階調電圧をk個毎に区分けした各区分毎に、k個の増幅階調電圧のうちから選択した1つの増幅階調電圧を駆動電圧としてk個の出力端子から夫々出力すれば良いのである。
【0092】
要するに、データドライバ100としては、以下の複数の階調電圧生成回路と、第1〜第nのDA変換回路と、第1〜第nのアンプと、出力セレクタと、を含むものであれば良いのである。
【0093】
すなわち、複数の階調電圧生成回路(GVR、GVG、GVB)は、夫々が複数の階調電圧(Vr1〜Vr256、Vg1〜Vg256、Vb1〜Vb256)を生成する。第1〜第nのDA変換回路(DC)は、夫々が複数の階調電圧生成回路のうちの1つと接続されており、接続されている階調電圧生成回路が生成した複数の階調電圧のうちから、画素データ(P)で表される輝度レベルに対応した階調電圧(U)を選択して出力する。第1〜第nのアンプ(AP)は、第1〜第nのDA変換回路から出力されたn個の階調電圧を個別に増幅してn個の増幅階調電圧(Q)を生成する。出力セレクタ(SEL、SELa)は、通常モード又は省電力モードを表すモード信号(MOD)を受け、このモード信号が通常モードを表す場合にn個の増幅階調電圧をn個の出力端子(Y)から夫々出力する。
【0094】
ここで、複数の階調電圧生成回路はモード信号(MOD)を受け、複数の階調電圧生成回路のうちの1つの階調電圧生成回路(GVR)は、このモード信号が省電力モードを表す場合には複数の階調電圧(Vr1、Vr256)を生成する。また、この1つの階調電圧生成回路以外の他の階調電圧生成回路(GVG、GVB)はモード信号が省電力モードを表す場合に階調電圧の生成動作を停止する。出力セレクタは、モード信号が省電力モードを表す場合には、n個の増幅階調電圧をk個毎に区分けした各区分(BK)毎に、k個の増幅階調電圧のうちの1つの増幅階調電圧(Qa)をk個の出力端子(Y1〜Y4)から出力する。更に、出力セレクタは、k個の増幅階調電圧を生成するk個のアンプ(APa〜APd)のうちで、1つの増幅階調電圧(Qa)を生成するアンプ(APa)を除く各アンプ(APb〜APd)の出力端を開放する。
【符号の説明】
【0095】
13 データドライバ
132 駆動電圧出力部
APa〜APd アンプ
CVP 電圧変換出力部
DCa〜DCd DA変換回路
GVB 青階調電圧生成回路
GVG 緑階調電圧生成回路
GVR 赤階調電圧生成回路
PWB、PWG、PWR 電源回路
SEL、SELa 出力セレクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11