【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、骨材貯蔵ビンへ投入する直前の骨材の表面水率によって、骨材貯蔵ビンに貯蔵される骨材の表面水率にばらつきが生じ始める時間が異なることを見出した。そこで、本発明者らは、骨材貯蔵ビンに貯蔵される骨材の表面水率にばらつきが生じないよう、骨材貯蔵ビンへ投入する直前の骨材の表面水率に基づき、骨材貯蔵ビンにおける骨材の貯蔵可能時間を設定し、さらに、該貯蔵可能時間、及び、単位時間当たりのコンクリート出荷量に基づき、骨材貯蔵ビンに投入する骨材量を制御することで、本発明に至った。本発明の要旨は、以下の通りである。
【0009】
本発明に係る骨材投入量の制御方法は、セメント、骨材、水、混和材等の各種材料からコンクリートを製造する設備において、骨材を貯蔵する骨材貯蔵ビンへ投入する骨材量を制御する方法であって、骨材貯蔵ビンへ投入する直前の骨材の表面水率を測定する工程と、該表面水率に基づき、骨材貯蔵ビンにおける骨材の貯蔵可能時間を設定する工程と、設定した貯蔵可能時間、及び、単位時間当たりのコンクリート出荷量に基づき、骨材貯蔵ビンに投入する骨材量を制御する工程と、を含む。
【0010】
本発明に係る骨材投入量の制御方法は、骨材貯蔵ビンへ投入する直前の骨材の表面水率に基づき、骨材貯蔵ビンにおける骨材の貯蔵可能時間を設定し、該貯蔵可能時間に基づき骨材貯蔵ビンへ投入する骨材量を制御するため、骨材貯蔵ビンに貯蔵される骨材の表面水率のばらつきを抑制することができる。
【0011】
本発明に係る骨材投入量の制御方法において、前記貯蔵可能時間は、前記骨材が細骨材である場合は下記(1)のように設定することが好ましい。
(1)a)表面水率が2.0%以下である場合、12時間以内
b)表面水率が2.0%を超えて3.0%以下である場合、6時間以内
c)表面水率が3.0%を超えて4.0%以下である場合、20分以内
d)表面水率が4.0%を超えて6.0%以下である場合、15分以内
e)表面水率が6.0%を超えて8.0%以下である場合、10分以内
【0012】
斯かる構成により、骨材貯蔵ビンに貯蔵される細骨材の表面水率のばらつきをより抑制することができる。
【0013】
本発明に係る骨材投入量の制御方法において、前記貯蔵可能時間は、前記骨材が粗骨材である場合は下記(2)のように設定することが好ましい。
(2)a)表面水率が0.3%以下である場合、12時間以内
b)表面水率が0.3%を超えて1.0%以下である場合、15分以内
c)表面水率が1.0%を超えて2.0%以下である場合、10分以内
d)表面水率が2.0%を超えて3.0%以下である場合、5分以内
【0014】
斯かる構成により、骨材貯蔵ビンに貯蔵される粗骨材の表面水率のばらつきをより抑制することができる。
【0015】
本発明に係る骨材投入量の制御方法において、前記表面水率は、近赤外水分計を用いて測定することが好ましい。
【0016】
斯かる構成により、骨材の表面水率を精度良く測定することができるため、骨材貯蔵ビンに貯蔵される骨材の表面水率のばらつきをより抑制することができる。
【0017】
本発明に係る骨材投入量の制御システムは、セメント、骨材、水、混和材等の各種材料からコンクリートを製造する設備において、骨材を貯蔵する骨材貯蔵ビンへ投入する骨材量を制御するシステムであって、骨材が投入される骨材ホッパーと、該骨材ホッパーから供給される骨材を骨材貯蔵ビンへ搬送するベルトコンベアと、該ベルトコンベアで搬送された骨材を貯蔵する骨材貯蔵ビンと、該骨材貯蔵ビンへ投入する直前の骨材の表面水率を測定する水分検出器と、を備え、前記水分検出器で測定された骨材の表面水率に基づき、前記骨材貯蔵ビンにおける骨材の貯蔵可能時間を設定し、設定した貯蔵可能時間、及び、単位時間当たりのコンクリート出荷量に基づき、骨材貯蔵ビンに投入する骨材量を制御する。
【0018】
本発明に係る骨材投入量の制御システムでは、骨材貯蔵ビンへ投入する直前の骨材の表面水率に基づき、骨材貯蔵ビンにおける骨材の貯蔵可能時間を設定し、該貯蔵可能時間に基づき骨材貯蔵ビンへ投入する骨材量を制御するため、骨材貯蔵ビンに貯蔵される骨材の表面水率のばらつきを抑制することができる。
【0019】
本発明に係る骨材投入量の制御システムにおいて、前記貯蔵可能時間は、前記骨材が細骨材である場合は下記(1)のように設定することが好ましい。
(1)a)表面水率が2.0%以下である場合、12時間以内
b)表面水率が2.0%を超えて3.0%以下である場合、6時間以内
c)表面水率が3.0%を超えて4.0%以下である場合、20分以内
d)表面水率が4.0%を超えて6.0%以下である場合、15分以内
e)表面水率が6.0%を超えて8.0%以下である場合、10分以内
【0020】
斯かる構成により、骨材貯蔵ビンに貯蔵される細骨材の表面水率のばらつきをより抑制することができる。
【0021】
本発明に係る骨材投入量の制御システムにおいて、前記貯蔵可能時間は、前記骨材が粗骨材である場合は下記(2)のように設定することが好ましい。
(2)a)表面水率が0.3%以下である場合、12時間以内
b)表面水率が0.3%を超えて1.0%以下である場合、15分以内
c)表面水率が1.0%を超えて2.0%以下である場合、10分以内
d)表面水率が2.0%を超えて3.0%以下である場合、5分以内
【0022】
斯かる構成により、骨材貯蔵ビンに貯蔵される粗骨材の表面水率のばらつきをより抑制することができる。
【0023】
本発明に係る骨材投入量の制御システムにおいて、前記水分検出器は、近赤外水分計であることが好ましい。
【0024】
斯かる構成により、骨材の表面水率を精度良く測定することができるため、骨材貯蔵ビンに貯蔵される骨材の表面水率のばらつきをより抑制することができる。
【0025】
本発明に係る骨材投入量の制御システムにおいて、前記骨材貯蔵ビンは、内部が複数の区画に分割されていることが好ましい。
【0026】
斯かる構成により、複数種の骨材を各区画にそれぞれ貯蔵することができるため、骨材ホッパー、ベルトコンベア、水分検出器等の設備を骨材の種類ごとに設置する必要がなくなり、設備コストを低減させることができる。
【0027】
本発明に係る骨材投入量の制御システムにおいて、前記骨材貯蔵ビンの高さは、2〜6mであることが好ましい。
【0028】
斯かる構成により、骨材貯蔵ビンに貯蔵される骨材の表面水率のばらつきをより抑制することができる。