特開2020-173072(P2020-173072A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-173072(P2020-173072A)
(43)【公開日】2020年10月22日
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20200925BHJP
【FI】
   F28D15/02 101G
   F28D15/02 M
   F28D15/02 101H
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-75861(P2019-75861)
(22)【出願日】2019年4月11日
(11)【特許番号】特許第6606303号(P6606303)
(45)【特許公報発行日】2019年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】青木 博史
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 義勝
(72)【発明者】
【氏名】川畑 賢也
(72)【発明者】
【氏名】中村 良則
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、冷却装置を小型化してもコンテナに封入された一次冷媒の液滴が該コンテナ内部の凝縮管に付着するのを防止でき、また、液相の一次冷媒のドライアウトを防止できる冷却装置を提供する。
【解決手段】コンテナ10の外面のうち、液相の一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、発熱体が熱的に接続され、前記発熱体が熱的に接続される前記コンテナの内面に、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部50が形成され、前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部が、液相の前記一次冷媒中に浸漬され、前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方であって凝縮管40の重力方向下方に位置する遮蔽部61であり、少なくとも一部が液相の前記一次冷媒中に浸漬されていない前記遮蔽部を有する板状部材60が設けられた冷却装置1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発熱体が熱的に接続されるコンテナと、前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、を備え、
前記コンテナの外面のうち、液相の前記一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、前記発熱体が熱的に接続され、
前記発熱体が熱的に接続される前記コンテナの内面に、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部が形成され、
前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部が、液相の前記一次冷媒中に浸漬され、
前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方であって前記凝縮管の重力方向下方に位置する遮蔽部であり、少なくとも一部が液相の前記一次冷媒中に浸漬されていない前記遮蔽部を有する板状部材が設けられた冷却装置。
【請求項2】
前記コンテナ内面表面積増大部が、複数の板状フィンである請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記板状部材が、前記コンテナ内面表面積増大部の、重力方向に対し直交方向に沿った周囲の一部に、前記遮蔽部から延在している支持部を備えた請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記遮蔽部が、重力方向上方に突出した突出部を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記支持部が、前記コンテナ内面または前記コンテナ内面表面積増大部と一体化されている請求項3または4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記支持部が、前記板状フィンに狭持されている請求項3乃至5のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記遮蔽部が、前記支持部よりも前記コンテナの内面方向へ伸延した遮蔽部伸延部位を有する請求項3乃至6のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記支持部が、前記遮蔽部よりも前記コンテナの内面方向へ伸延した第1の伸延部位を有する請求項3乃至6のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記支持部が、前記遮蔽部よりも重力方向上方へ伸延した第2の伸延部位を有する請求項3乃至6のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記板状フィンの高さに対する、該板状フィンの先端から前記遮蔽部の重力方向下方側の面までの距離の比率が、0以上4.0以下である請求項2乃至9のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記遮蔽部が、重力方向に曲げられた曲げ部を有し、該曲げ部が前記コンテナ内面表面積増大部と接し、前記遮蔽部の縁部が、前記凝縮管と接している請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記遮蔽部が、重力方向上方に沿って複数設けられている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記遮蔽部が、平面視にて前記発熱体と重なり合う領域を有する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記板状フィンの幅に対する、前記遮蔽部の幅の比率が、0.3以上1.5以下である請求項2乃至13のいずれか1項に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子部品等の発熱体を冷却する冷却装置に関し、特に、冷却装置を大型化させることなく、発熱量の大きい電気・電子部品等を所定の許容温度まで冷却できる冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の高機能化に伴い、電子機器内部には、電気・電子部品等の発熱体が高密度に搭載され、また、発熱体の発熱量が増大化されている。電気・電子部品等の発熱体の温度が所定の許容温度よりも上昇してしまうと、電気・電子部品等が誤作動等を起こす原因となるので、電気・電子部品等の発熱体の温度を許容温度以下に維持することが重要である。そこで、電気・電子部品等を冷却するための冷却装置が、電子機器内部に搭載されている。
【0003】
一方で、上記の通り、電気・電子部品等の発熱体は高密度に搭載されているので、冷却装置の設置可能空間には制限がある。従って、冷却装置には、大型化を避けつつ冷却特性をさらに向上させることが要求されている。
【0004】
発熱量の増大化された電気・電子部品等であっても、安定して冷却するための冷却装置として、コンテナに収容される一次冷媒と、コンテナに収容された凝縮管を流通する、一次冷媒と非相溶性の二次冷媒と、を有し、一次冷媒を収容する領域が発熱体の熱を吸収する吸熱領域、二次冷媒を収容する領域が外部に熱を放出する放熱領域であり、一次冷媒が気化して放熱領域に移動して放熱領域において冷却されて凝縮することで、吸熱領域から放熱領域へ熱が移動する冷却装置が提案されている(特許文献1)。また、特許文献1では、吸熱領域で気化した一次媒体を上昇流路に向けて案内する上昇案内部材と、放熱領域で凝縮した一次媒体を下降流路に向けて案内する下降案内部材と、を設けることが提案されている。上記案内部材を設けることで、対向流の関係にある液相の一次冷媒の流れと気相の一次冷媒の流れを分離して冷却性能を向上させている。
【0005】
一方で、冷却装置のさらなる小型化の観点から、コンテナの高さ方向の寸法を低減することが要求されることがある。しかし、特許文献1の冷却装置では、発熱体から受熱した一次冷媒が沸騰すると、一次冷媒の液滴がコンテナ内に飛散することがある。一次冷媒の液滴がコンテナ内に飛散すると、一次冷媒の液滴がコンテナに収容された凝縮管に付着して、凝縮管による一次冷媒の凝縮効率が低下してしまう。従って、凝縮管による一次冷媒の凝縮効率の観点から、冷却装置の冷却性能を改善する余地があった。
【0006】
また、特許文献1では、一次冷媒は、一次冷媒の液面から所定以上の間隔をおいて設けられた凝縮管の冷却機能により気相から液相へ相変化するので、発熱体の発熱量が増大すると、液相の一次冷媒の凝縮管外面からの還流が十分ではなくなることがある。また、上記のように、一次冷媒の液滴がコンテナ内に飛散することで、発熱体から受熱する一次冷媒が不足することがある。これらの結果として、一次冷媒がドライアウトしてしまう恐れがある。従って、一次冷媒のドライアウトを防止することで、冷却装置の冷却性能を改善する余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−247166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、冷却装置を小型化してもコンテナに封入された一次冷媒の液滴が該コンテナ内部の凝縮管に付着するのを防止でき、また、液相の一次冷媒のドライアウトを防止できる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の冷却装置の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]少なくとも1つの発熱体が熱的に接続されるコンテナと、前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、を備え、
前記コンテナの外面のうち、液相の前記一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、前記発熱体が熱的に接続され、
前記発熱体が熱的に接続される前記コンテナの内面に、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部が形成され、
前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部が、液相の前記一次冷媒中に浸漬され、
前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方であって前記凝縮管の重力方向下方に位置する遮蔽部であり、少なくとも一部が液相の前記一次冷媒中に浸漬されていない前記遮蔽部を有する板状部材が設けられた冷却装置。
[2]前記コンテナ内面表面積増大部が、複数の板状フィンである[1]に記載の冷却装置。
[3]前記板状部材が、前記コンテナ内面表面積増大部の、重力方向に対し直交方向に沿った周囲の一部に、前記遮蔽部から延在している支持部を備えた[1]または[2]に記載の冷却装置。
[4]前記遮蔽部が、重力方向上方に突出した突出部を有する[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[5]前記支持部が、前記コンテナ内面または前記コンテナ内面表面積増大部と一体化されている[3]または[4]に記載の冷却装置。
[6]前記支持部が、前記板状フィンに狭持されている[3]乃至[5]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[7]前記遮蔽部が、前記支持部よりも前記コンテナの内面方向へ伸延した遮蔽部伸延部位を有する[3]乃至[6]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[8]前記支持部が、前記遮蔽部よりも前記コンテナの内面方向へ伸延した第1の伸延部位を有する[3]乃至[6]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[9]前記支持部が、前記遮蔽部よりも重力方向上方へ伸延した第2の伸延部位を有する[3]乃至[6]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[10]前記板状フィンの高さに対する、該板状フィンの先端から前記遮蔽部の重力方向下方側の面までの距離の比率が、0以上4.0以下である[2]乃至[9]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[11]前記遮蔽部が、重力方向に曲げられた曲げ部を有し、該曲げ部が前記コンテナ内面表面積増大部と接し、前記遮蔽部の縁部が、前記凝縮管と接している[1]または[2]に記載の冷却装置。
[12]前記遮蔽部が、重力方向上方に沿って複数設けられている[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[13]前記遮蔽部が、平面視にて前記発熱体と重なり合う領域を有する[1]乃至[12]のいずれか1つに記載の冷却装置。
[14]前記板状フィンの幅に対する、前記遮蔽部の幅の比率が、0.3以上1.5以下である[2]乃至[13]のいずれか1つに記載の冷却装置。
【0010】
上記[1]の冷却装置の態様では、コンテナ内部に封入された一次冷媒が発熱体からの熱を受けることで、液相から気相へ相変化し、気相へ相変化した一次冷媒は、コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管によって、気相から液相へ相変化し、この相変化の際に一次冷媒から放出される潜熱が、凝縮管を流通する二次冷媒へ伝達される。一次冷媒から潜熱を受けた二次冷媒は、凝縮管を冷却装置の内部から外部へ流通することで、潜熱が冷却装置の外部へ輸送される。潜熱を受けた二次冷媒は、冷却装置の外部に設けられた二次冷媒冷却部で冷却される。また、コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方に設けられた板状部材は、少なくとも一部が液相の一次冷媒中に浸漬されていない遮蔽部を有するので、板状部材の遮蔽部の少なくとも一部は、コンテナ内部の気相部に位置している。
【0011】
本明細書中、「平面視」とは、重力方向上方から視認した状態を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の冷却装置の態様によれば、コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方であって凝縮管の重力方向下方に位置した、液相の一次冷媒中に浸漬されていない遮蔽部を有する板状部材が設けられることにより、冷却装置を小型化しても、一次冷媒が沸騰しても一次冷媒の液滴が凝縮管に付着するのを防止できる。従って、冷却装置を小型化しても、凝縮管による一次冷媒の凝縮効率の低下を防止でき、優れた冷却性能が得られる。
【0013】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、凝縮管の冷却作用により気相から液相へ相変化した一次冷媒が凝縮管の外表面から板状部材の遮蔽部へ滴下して板状部材の遮蔽部が冷却されることで、板状部材の遮蔽部が気相の一次冷媒の凝縮に寄与でき、液相の一次冷媒が円滑にコンテナ内面表面積増大部へ還流できる。また、板状部材の遮蔽部が、一次冷媒の液滴がコンテナ内に飛散することを抑制することで、発熱体から受熱する一次冷媒が不足することを防止できる。従って、発熱体の発熱量が増大しても、液相の一次冷媒のドライアウトを防止でき、優れた冷却性能が得られる。
【0014】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、板状部材の遮蔽部が気相の一次冷媒の凝縮に寄与できるので、発熱体の発熱量が増大しても、凝縮管を増強せずに冷却装置を円滑に稼働させることができる。
【0015】
本発明の冷却装置の態様によれば、板状部材がコンテナ内面表面積増大部の周囲の一部に支持部を備えることにより、一次冷媒が沸騰して一次冷媒の液面が波立っても、一次冷媒がコンテナ内面表面積増大部の位置に戻されるので、コンテナ内面表面積増大部を確実に一次冷媒に浸漬させることができる。また、板状部材がコンテナ内面表面積増大部の周囲の一部に支持部を備えることにより、板状部材の遮蔽部が確実にコンテナ内部に固定される。
【0016】
本発明の冷却装置の態様によれば、遮蔽部が重力方向上方に突出した突出部を有することにより、一次冷媒が蒸発しやすい領域に該突出部を位置づけることで、気相の一次冷媒が、遮蔽部の重力方向下方側から凝縮管の方向へ円滑に流通できる。
【0017】
本発明の冷却装置の態様によれば、支持部がコンテナ内面またはコンテナ内面表面積増大部と一体化されていることにより、板状部材の固定安定性が向上する。
【0018】
本発明の冷却装置の態様によれば、支持部がコンテナ内面表面積増大部の板状フィンに狭持されていることにより、容易に板状部材の固定安定性を得ることができる。
【0019】
本発明の冷却装置の態様によれば、遮蔽部が支持部よりもコンテナの内面方向へ伸延した遮蔽部伸延部位を有することにより、一次冷媒の沸騰領域が拡大しても、一次冷媒の液滴が凝縮管に付着するのを確実に防止できる。
【0020】
本発明の冷却装置の態様によれば、支持部が遮蔽部よりもコンテナの内面方向へ伸延した第1の伸延部位を有することにより、液相の一次冷媒が円滑にコンテナ内面表面積増大部へ流通することができる。
【0021】
本発明の冷却装置の態様によれば、支持部が遮蔽部よりも重力方向上方へ伸延した第2の伸延部位を有することにより、凝縮管外面で凝縮した液相の一次冷媒が、より確実にコンテナ内面表面積増大部へ還流する。
【0022】
本発明の冷却装置の態様によれば、重力方向に曲げられた遮蔽部の曲げ部がコンテナ内面表面積増大部と接し、遮蔽部の縁部が凝縮管と接していることにより、容易に板状部材の遮蔽部の固定安定性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図3】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する、図2のA−A断面図である。
図4】本発明の第2実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図5】本発明の第3実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図6】本発明の第4実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図7】本発明の第5実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図8】本発明の第6実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する平面断面図である。
図9】本発明の第7実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図10】本発明の第8実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図11】本発明の第9実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図12】本発明の第10実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する斜視図である。
図13】本発明の第10実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態例に係る冷却装置について、図面を用いながら説明する。まず、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。図3は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する、図2のA−A断面図である。
【0025】
図1〜3に示すように、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置1は、コンテナ10と、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20と、コンテナ10内部の気相部11を貫通した、二次冷媒30が流通する凝縮管40と、を備えている。コンテナ10の外面12に冷却対象である発熱体100が熱的に接続されることで、発熱体100が冷却される。冷却装置1では、コンテナ10の底面16に発熱体100が熱的に接続されている。
【0026】
コンテナ10内部には、中空の空洞部13が形成されている。空洞部13は、外部環境に対して密閉された空間であり、脱気処理により減圧されている。コンテナ10は、高さ方向の寸法が低減された平面型であり、コンテナ10の平面方向が重力方向に対して略直交方向となるように、直方体のコンテナ10が横置きされ、発熱体100が横置きされた姿勢でコンテナ10の底面16に熱的に接続されている。冷却装置1では、高さ方向が狭い空間に冷却装置を設置する必要がある場合に、特に有効である。発熱体100が高密度に搭載されることがあるところ、このように、冷却装置1は、狭小空間でも設置することができる。
【0027】
また、図1、2に示すように、空洞部13には、所定量の液相の一次冷媒20が収納されている。液相の一次冷媒20は、コンテナ10内部に気相部11が形成できる体積量にて収納されている。空洞部13の重力方向下方側に、液相の一次冷媒20が存在し、空洞部13の重力方向上方側に、液相の一次冷媒20が収納されていない気相部11が形成されている。冷却装置1では、コンテナ10の外面12のうち、液相の一次冷媒20が存在する部位に、発熱体100が熱的に接続されている。発熱体100のコンテナ10への接続位置を上記部位とすることで、発熱体100から液相の一次冷媒20への熱伝達が円滑化されて、発熱体100から一次冷媒20への熱抵抗を低減できる。
【0028】
コンテナ10の内面15のうち、発熱体100が熱的に接続される部位に対応する領域(冷却装置1では、底面16)には、凹凸等、コンテナ10の内面15の表面積を増大させる部位であるコンテナ内面表面積増大部50が形成されている。コンテナ内面表面積増大部50は、平面視において発熱体100と重なり合う位置に設けられている。コンテナ内面表面積増大部50が形成されていることにより、コンテナ10の内面15のうち、発熱体100が熱的に接続される部位に対応する領域において、コンテナ10の内面15と液相の一次冷媒20との接触面積が増大する。従って、コンテナ内面表面積増大部50により、コンテナ10を介した発熱体100から液相の一次冷媒20への熱伝達が円滑化される。結果、一次冷媒20の液相から気相への相変化が促進されて、冷却装置1の冷却特性がより向上する。
【0029】
コンテナ内面表面積増大部50は、コンテナ10に収納された液相の一次冷媒20中に浸漬されている。従って、コンテナ内面表面積増大部50は、液相の一次冷媒20と直接接している。コンテナ内面表面積増大部50は、全体が液相の一次冷媒20中に浸漬されてもよく、一部が液相の一次冷媒20中に浸漬されてもよい。なお、冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50全体が液相の一次冷媒20中に浸漬されている。
【0030】
コンテナ内面表面積増大部50は、例えば、型を用いたコンテナ10の成形、コンテナ10とは別部材をコンテナ10の内面15に取り付けること等にて、設けることができる。コンテナ内面表面積増大部50の態様としては、例えば、コンテナ10の内面15に形成された凸凹部を挙げることができ、具体例としては、コンテナ10の内面15に立設された板状フィン、ピンフィン、コンテナ10の内面15に形成された窪み部、溝部等を挙げることができる。板状フィン、ピンフィンの形成方法としては、例えば、別途作製した板状フィン、ピンフィンをコンテナ10の内面15に、はんだ付け、ろう付け、焼結等にて取り付ける方法、コンテナ10の内面15を切削する方法、押し出す方法、エッチングする方法等が挙げられる。また、窪み部、溝部の形成方法としては、例えば、コンテナ10の内面15を切削する方法、押し出す方法、エッチングする方法等が挙げられる。このうち、発熱体100から液相の一次冷媒20への熱伝達がより優れている点から、複数の板状フィン51、51・・・を備えたコンテナ内面表面積増大部50が好ましい。上記から、冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50として、複数の正方形または長方形の板状フィン51が並列配置されている。
【0031】
コンテナ内面表面積増大部50の材料は、特に限定されず、例えば、熱伝導性部材を挙げることができる。コンテナ内面表面積増大部50の材料の具体例としては、金属部材(例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等)、炭素部材(例えば、グラファイト等)を挙げることができる。また、コンテナ内面表面積増大部50は、その少なくとも一部が、熱伝導性材料の焼結体や粒子状の熱伝導性材料の集合体(図示せず)で形成されていてもよく、例えば、金属焼結体や炭素粒子の集合体で形成されていてもよい。金属焼結体や炭素粒子の集合体は、例えば、コンテナ内面表面積増大部50の表面部に設けてもよい。より具体的には、例えば、コンテナ10の内面15に立設された板状フィン51の表面部に、金属焼結体等の熱伝導性材料の焼結体や炭素粒子及び/または金属粉の集合体等の粒子状の熱伝導性材料の集合体が層状に形成されてもよい。コンテナ内面表面積増大部50の少なくとも一部が、熱伝導性材料の焼結体や粒子状の熱伝導性材料の集合体で形成されていることにより、コンテナ内面表面積増大部50に多孔質部が形成されるので、一次冷媒20の液相から気相への相変化がさらに促進されて、冷却装置1の冷却性能がさらに向上する。
【0032】
コンテナ内面表面積増大部50が、熱伝導性材料の焼結体や粒子状の熱伝導性材料の集合体からなると、コンテナ内面表面積増大部50全体が多孔質体となり、気相の一次冷媒が多孔質体中に生成、滞留することで、コンテナ内面表面積増大部50から液相の一次冷媒20への熱伝達性が十分得られないことがある。しかし、板状フィン51の表面部に、熱伝導性材料の焼結体や粒子状の熱伝導性材料の集合体が層状に形成されていることにより、一次冷媒20の液相から気相への相変化がさらに促進されつつ、コンテナ内面表面積増大部50から液相の一次冷媒20への熱伝達性が向上し、結果として、冷却装置1の冷却性能がさらに向上する。金属焼結体の材料としては、例えば、金属粉、金属繊維、金属メッシュ、金属編組体、金属箔等を挙げることができる。これらの金属材料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、金属焼結体の金属種としては、特に限定されず、例えば、銅、銅合金等を挙げることができる。金属焼結体は、金属材料を炉等の加熱手段で加熱することにより形成できる。また、金属粉を板状フィン51の表面に溶射加工することで細かい凸凹を有する被膜状である、粒子状の熱伝導性材料の集合体を形成できる。また、金属粉をレーザー等で溶融形成して、粒子状の熱伝導性材料の集合体を形成してもよい。また、炭素粒子の集合体を形成する炭素粒子としては、特に限定されず、例えば、カーボンナノ粒子、カーボンブラック等を挙げることができる。
【0033】
凝縮管40は、コンテナ10の空洞部13のうち、重力方向上方側に設けられている。凝縮管40は、管状部材であり、コンテナ10内部の気相部11を貫通している。凝縮管40は、発熱体100が熱的に接続される部位におけるコンテナ10の内面15よりも重力方向上方に位置している。凝縮管40の内部空間は、コンテナ10の内部(空洞部13)とは連通していない。すなわち、凝縮管40の内部空間は、気相部11とは連通していない、気相部11から独立した空間となっている。また、凝縮管40は、重力方向下方側に収納、貯留された液相の一次冷媒20とは接触していない。すなわち、コンテナ10に貯留されている液相の一次冷媒20は、二次冷媒30が流通する凝縮管40とは接触していない。凝縮管40の外面41には、凹凸等、凝縮管40の外面41の表面積を増大させる部位(凝縮管外面表面積増大部)が形成されていてもよく、平滑面でもよい。また、凝縮管40の内面42には、凹凸等、凝縮管40の内面42の表面積を増大させる部位(凝縮管内面表面積増大部)が形成されていてもよく、平滑面でもよい。図1、2では、便宜上、凝縮管40の外面41、凝縮管40の内面42ともに、平滑面としている。
【0034】
図1、2に示すように、冷却装置1では、複数の凝縮管40、40・・・が、設けられている。複数の凝縮管40、40・・・は、空洞部13において相互に略同一平面状に並列配置されている。凝縮管40の径方向の断面形状は、円形状、楕円形状、扁平形状、四角形状、角丸長方形状等、特に限定されず、冷却装置1では、略円形状となっている。
【0035】
コンテナ10のうち、気相部11に対応する部位に貫通孔(図示せず)が形成されており、該貫通孔に凝縮管40が嵌挿されることで、空洞部13の密閉状態を維持したまま、凝縮管40がコンテナ10に取り付けられている。
【0036】
凝縮管40には、液相の二次冷媒30が凝縮管40の延在方向に沿って一定方向に流通している。従って、二次冷媒30は、凝縮管40の壁面を介して、気相部11を貫通するように流通する。二次冷媒30は、例えば、発熱体100の許容最高温度よりも低温の液温まで冷却されている。
【0037】
図1〜3に示すように、冷却装置1では、遮蔽部61を有する板状部材60が設けられている。板状部材60の遮蔽部61は、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方であって凝縮管40の重力方向下方に位置している。また、遮蔽部61の少なくとも一部が、空洞部13の重力方向下方に貯留した液相の一次冷媒20に浸漬されていない。冷却装置1では、遮蔽部61全体が、空洞部13の重力方向下方に貯留した液相の一次冷媒20に浸漬されていない。従って、遮蔽部61全体が、コンテナ10の気相部11に位置している。遮蔽部61は、コンテナ10の底面16及びコンテナ内面表面積増大部50に沿って延在した板状の部位であり、コンテナ内面表面積増大部50と凝縮管40との間に介在している。また、遮蔽部61は、平面視においてコンテナ内面表面積増大部50全体と重なり合う大きさとなっている。上記から、遮蔽部61は、コンテナ内面表面積増大部50全体を凝縮管40から遮蔽する位置に設けられている。また、遮蔽部61は、平面視にて発熱体100と重なり合う位置に設けられている。
【0038】
冷却装置1では、遮蔽部61は、平板状の部材である。また、冷却装置1では、遮蔽部61の平面視の形状は、コンテナ内面表面積増大部50の平面視の形状に対応しており、コンテナ内面表面積増大部50の平面視の形状が矩形であることから、遮蔽部61の平面視の形状は矩形となっている。また、遮蔽部61は、コンテナ10の内面15とは接しておらず、遮蔽部61の側面とコンテナ10の内面15との間には空間が形成されている。
【0039】
また、図1、2に示すように、板状部材60は、遮蔽部61から延在している支持部62を備えている。すなわち、板状部材60は、遮蔽部61と支持部62を有している。支持部62は、重力方向に沿って延在している。また、支持部62は、コンテナ内面表面積増大部50の、重力方向に対し直交方向に沿った周囲の一部に設けられている。従って、支持部61は、コンテナ内面表面積増大部50の外側に設けられている。支持部62の一端63は遮蔽部61と連続し、支持部62の他端64は、コンテナ10の底面16と接している。支持部62によって、遮蔽部61が所定位置に固定されている。支持部62は、底面16以外のコンテナ10の内面15とは接していない。
【0040】
冷却装置1では、支持部62は矩形状の平板部位である。また、冷却装置1では、相互に対向した2つの支持部62−1、62−2を有している。板状部材60は、遮蔽部61の両端部から鉛直方向に、支持部62−1、62−2が延在している形状となっている。従って、平面視の形状が矩形であるコンテナ内面表面積増大部50の周囲のうち、対向する2辺は板状部材60の支持部62−1と支持部62−2によって閉塞され、他の対向する2辺は開放されている。上記から、コンテナ内面表面積増大部50は、他の対向する2辺の位置にて板状部材60の外側と連通している。また、板状部材60は、支持部62からなる閉塞部と支持部62が設けられていない開放部を有している。また、図3に示すように、冷却装置1では、支持部62−1、62−2の幅は、遮蔽部61の幅と略同じとなっている。従って、矩形状の平板を遮蔽部61と支持部62−1、62−2の間で曲げ加工することにより、板状部材60を形成することができる。
【0041】
支持部62は、他端64がコンテナ10の底面16と接合されることで、板状部材60がコンテナ10の内面15に固定され、遮蔽部61が所定位置に固定される。従って、板状部材60のコンテナ10に対する固定安定性が向上する。また、支持部62は、他端64がコンテナ10の底面16と接合されることで、コンテナ10の内面15と一体化されている。上記接合方法としては、特に限定されないが、例えば、溶接、ろう付け等が挙げられる。
【0042】
コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方であって凝縮管40の重力方向下方に、液相の一次冷媒20中に浸漬されていない遮蔽部61を有する板状部材60が設けられることにより、冷却装置1を小型化(高さ方向に小型化)しても、一次冷媒20が発熱体100からの熱により沸騰しても一次冷媒20の液滴が凝縮管40に付着するのを防止できる。従って、冷却装置1を小型化しても、凝縮管40による一次冷媒20の凝縮効率の低下を防止でき、優れた冷却性能が得られる。
【0043】
また、凝縮管40の冷却作用により気相から液相へ相変化した一次冷媒20が凝縮管40の外面41から板状部材60の遮蔽部61へ滴下して遮蔽部61が冷却されることで、遮蔽部61が気相の一次冷媒の凝縮に寄与でき、液相の一次冷媒20が円滑にコンテナ内面表面積増大部50へ還流できる。また、板状部材60の遮蔽部61が、一次冷媒20の液滴がコンテナ10の気相部11に拡散することを抑制することで、発熱体100から受熱する一次冷媒20が不足することを防止できる。従って、発熱体100の発熱量が増大しても、液相の一次冷媒20のドライアウトを防止でき、優れた冷却性能が得られる。
【0044】
また、板状部材60の遮蔽部61が気相の一次冷媒の凝縮に寄与できるので、発熱体100の発熱量が増大しても、凝縮管40を増強せずに冷却装置1を円滑に稼働させることができる。また、板状部材60がコンテナ内面表面積増大部50の周囲の一部に支持部62を備えることにより、コンテナ10内部に貯留している液相の一次冷媒20が沸騰して一次冷媒20の液面が波立っても、一次冷媒20がコンテナ内面表面積増大部50の位置に速やかに戻されるので、コンテナ内面表面積増大部50を確実に液相の一次冷媒20に浸漬させることができる。
【0045】
図2に示す、板状フィン51の高さHに対する、板状フィン51の先端から遮蔽部61の重力方向下方側の面までの距離Lの比率(L/H)は、特に限定されないが、例えば、沸騰した一次冷媒20の液滴が凝縮管40に付着するのを確実に防止しつつ、発熱体100の熱を受けて液相から気相へ相変化した一次冷媒が円滑に凝縮管40まで流通できる点から、0以上4.0以下が好ましく、1.0以上2.0以下が特に好ましい。なお、図2では、図面上での説明の便宜上から、L/Hは1.0未満としている。
【0046】
図3に示す、板状フィンの幅W1に対する、遮蔽部61の幅W2の比率(W2/W1)は、特に限定されないが、沸騰した一次冷媒20の液滴が凝縮管40に付着するのを確実に防止しつつ、発熱体100の熱を受けて液相から気相へ相変化した一次冷媒が円滑に凝縮管40まで流通できる点から、0.3以上1.5以下が好ましく、0.5以上1.2以下が特に好ましい。なお、図3では、上記比率(W2/W1)は1.0超となっている。
【0047】
コンテナ10の材料としては、特に限定されず、広汎な材料が使用でき、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金等を挙げることができる。凝縮管40の材料としては、特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金等を挙げることができる。一次冷媒としては、特に限定されず、広汎な材料が使用でき、例えば、電気絶縁性の冷媒を挙げることができる。具体例としては、例えば、水、フルオロカーボン類、シクロペンタン、エチレングリコール、これらの混合物等を挙げることができる。これらの一次冷媒のうち、電気絶縁性の点から、フルオロカーボン類、シクロペンタン、エチレングリコールが好ましく、フルオロカーボン類が特に好ましい。二次冷媒としては、特に限定されず、例えば、水、不凍液(主成分は、例えば、エチレングリコール)等を挙げることができる。
【0048】
次に、第1実施形態例に係る冷却装置1の動作及び冷却装置1を用いた冷却システムについて説明する。まず、冷却装置1の動作について説明する。
【0049】
空洞部13の重力方向下方に貯留している液相の一次冷媒20が発熱体100からの熱を受けることで、液相の一次冷媒20が気相へ相変化し、発熱体100からの熱を潜熱として吸収する。気相へ相変化した一次冷媒は、重力方向上方へ移動し、板状部材60の開放部を介してコンテナ10の気相部11全体へ流入する。一方で、気相部11を貫通した凝縮管40には、低温の二次冷媒30が流通している。また、板状部材60の遮蔽部61により、沸騰して拡散した一次冷媒20の液滴が凝縮管40の外面41に付着することが防止されている。一次冷媒20の液滴の付着が防止されている凝縮管40に低温の二次冷媒30が流通していることで、気相部11に配置された凝縮管40は、優れた熱交換作用を発揮する。気相に相変化した一次冷媒は、凝縮管40の外面41に接触または接近することで、凝縮管40の熱交換作用により、潜熱を放出し、気相から液相へ相変化する。気相から液相への相変化の際に一次冷媒から放出される潜熱が、凝縮管40を流通する二次冷媒30へ伝達される。また、液相へ相変化した一次冷媒20は、重力作用により、気相部11から重力方向下方へ液相の一次冷媒20として還流する。このとき、板状部材60の遮蔽部61が、還流する液相の一次冷媒20によって冷却される。一次冷媒20は、コンテナ10の内部空間にて、液相から気相へ及び気相から液相への相変化を繰り返す。なお、冷却装置1では、コンテナ10の気相部11が所定の体積を有することから、一次冷媒20がコンテナ10の内部空間にて液相から気相へ及び気相から液相への相変化を繰り返すにあたり、仕切り板のような一次冷媒20の循環経路を形成する必要はない。従って、コンテナ10の構造は、簡略化が可能である。一次冷媒から熱を受けた二次冷媒30は、凝縮管40の延在方向に沿って冷却装置1の内部から外部へ流通することで、発熱体100の熱が冷却装置1の外部へ輸送される。
【0050】
次に、第1実施形態例に係る冷却装置1を用いた冷却システムについて説明する。冷却装置1を用いた冷却システムでは、冷却装置1と、冷却装置1から延在した凝縮管40が接続された二次冷媒冷却部(図示せず)とが用いられる。さらに、上記冷却システムでは、凝縮管40が冷却装置1と二次冷媒冷却部とをループ状に循環する、凝縮管40の循環経路が形成されている。一次冷媒から熱を受けた二次冷媒30が、凝縮管40を冷却装置1から二次冷媒冷却部まで流通して、二次冷媒冷却部にて所定の液温、例えば、発熱体100の許容最高温度よりも低温の液温まで冷却される。二次冷媒冷却部で冷却された二次冷媒30は、凝縮管40を流通して二次冷媒冷却部から冷却装置1へ還流し、冷却装置1の気相部11にて熱交換作用を発揮する。従って、二次冷媒30が冷却装置1と二次冷媒冷却部とをループ状に循環することで、冷却された二次冷媒30が、連続的に気相部11の領域へ供給される。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第2実施形態例に係る冷却装置は、第1実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図4は、本発明の第2実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0052】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、遮蔽部61は平板状の部材であったが、図4に示すように、第2実施形態例に係る冷却装置2では、これに代えて、遮蔽部61は、平面視の略中央部に、重力方向上方に突出した突出部70を有している。また、突出部70は、遮蔽部61の面方向に沿って遮蔽部61を横断して形成されている。突出部70における、板状フィン51の先端から遮蔽部61の重力方向下方側の面までの距離L1は、突出部70の周囲における、板状フィン51の先端から遮蔽部61の重力方向下方側の面までの距離L2よりも大きくなっている。突出部70の位置としては、例えば、一次冷媒が蒸発しやすい位置を挙げることができる。具体的には、突出部70の位置としては、コンテナ10に熱的に接続される発熱体100と平面視において重なり合う位置を挙げることができる。
【0053】
遮蔽部61が突出部70を有することにより、気相の一次冷媒が、遮蔽部61の重力方向下方側から凝縮管40の方向へ円滑に流通できる。
【0054】
次に、本発明の第3実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第3実施形態例に係る冷却装置は、第1、第2実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1、第2実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図5は、本発明の第3実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0055】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、板状部材60の支持部62はコンテナ10の内面15と一体化されていたが、図5に示すように、第3実施形態例に係る冷却装置3では、これに代えて、板状部材60の支持部62はコンテナ内面表面積増大部50と一体化されている。冷却装置3では、コンテナ内面表面積増大部50の最外部に位置する板状フィン51に支持部62が接合されることで、支持部62がコンテナ内面表面積増大部50と一体化されている。上記接合の方法としては、特に限定されないが、例えば、ろう付け、はんだ付け等が挙げられる。
【0056】
また、冷却装置3では、板状部材60の支持部62はコンテナ内面表面積増大部50と一体化されているので、発熱体100からの熱は板状部材60の支持部62へも伝達される。従って、液相の一次冷媒20に浸漬する支持部62表面に、金属焼結体等、支持部62表面の表面積を増大させる表面積増大部を形成してもよい。支持部62表面に表面積増大部を形成することで、一次冷媒20の液相から気相への相変化がさらに促進される。
【0057】
支持部62がコンテナ内面表面積増大部50と一体化されても、板状部材60のコンテナ10に対する固定安定性が向上する。
【0058】
次に、本発明の第4実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第4実施形態例に係る冷却装置は、第1〜第3実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1〜第3実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図6は、本発明の第4実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0059】
第3実施形態例に係る冷却装置3では、板状フィン51に支持部62が接合されることで支持部62がコンテナ内面表面積増大部50と一体化されていたが、図6に示すように、第4実施形態例に係る冷却装置4では、これに代えて、板状部材60の支持部62が板状フィン51に狭持されることで、コンテナ10に固定されている。冷却装置4では、コンテナ内面表面積増大部50の最外部に位置する板状フィン51とこの最外部に位置する板状フィン51に隣接する板状フィン51に、支持部62が狭持されている。
【0060】
支持部62が板状フィン51に狭持されることで、容易に板状部材60のコンテナ10に対する固定安定性を得ることができる。
【0061】
次に、本発明の第5実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第5実施形態例に係る冷却装置は、第1〜第4実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1〜第4実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図7は、本発明の第5実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0062】
第1〜第4実施形態例に係る冷却装置1〜4では、板状部材60は遮蔽部61の両端部から鉛直方向に支持部62−1、62−2が延在していたが、図7に示すように、第5実施形態例に係る冷却装置5では、これに代えて、遮蔽部61の端部よりも内側の部位から鉛直方向に支持部62−1、62−2が延在している。また、コンテナ内面表面積増大部50の最外部に位置する板状フィン51とこの最外部に位置する板状フィン51に隣接する板状フィン51に、支持部62が狭持されている。
【0063】
従って、冷却装置5では、遮蔽部61の平面視の面積は、冷却装置1〜4の遮蔽部61の平面視の面積よりも大きい態様となっている。板状部材60の遮蔽部61は、支持部62−1、62−2よりもコンテナ10の内面15方向へ伸延した遮蔽部伸延部位65を有している。遮蔽部伸延部位65は、平板状の部位である。
【0064】
遮蔽部61が、遮蔽部伸延部位65を有することにより、一次冷媒20の沸騰領域が拡大しても、一次冷媒20の液滴が凝縮管に付着するのを確実に防止できる。
【0065】
次に、本発明の第6実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第6実施形態例に係る冷却装置は、第1〜第5実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1〜第5実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図8は、本発明の第6実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する平面断面図である。
【0066】
第1〜第5実施形態例に係る冷却装置1〜5では、支持部62−1、62−2の幅は遮蔽部61の幅と略同じとなっていたが、図8に示すように、第6実施形態例に係る冷却装置6では、これに代えて、板状部材60の支持部62−1、62−2の幅は遮蔽部61の幅よりも幅広となっている。支持部62−1、62−2が、遮蔽部61よりもコンテナ10の内面15方向へ伸延した第1の伸延部位66を有している。第1の伸延部位66は、平板状の部位である。第1の伸延部位66の重力方向上方には遮蔽部61が設けられていないので、第1の伸延部位66の重力方向上方は開放されている。
【0067】
支持部62−1、62−2が、第1の伸延部位66を有することにより、液相の一次冷媒20が、第1の伸延部位66に規制されて、円滑にコンテナ内面表面積増大部50へ流通することができる。
【0068】
次に、本発明の第7実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第7実施形態例に係る冷却装置は、第1〜第6実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1〜第6実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図9は、本発明の第7実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0069】
図9に示すように、第7実施形態例に係る冷却装置7では、板状部材60の支持部62−1、62−2が、遮蔽部61よりも重力方向上方へ伸延した第2の伸延部位67をさらに有している。第2の伸延部位67は、平板状の部位である。例えば、支持部62の一端63と他端64の間に遮蔽部61を設けることで、第2の伸延部位67を形成することができる。
【0070】
支持部62−1、62−2が第2の伸延部位65を有することにより、凝縮管40の外面41で凝縮した液相の一次冷媒20が、第2の伸延部位65に沿って還流することで、より確実にコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。
【0071】
次に、本発明の第8実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第8実施形態例に係る冷却装置は、第1〜第7実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1〜第7実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図10は、本発明の第8実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0072】
図10に示すように、第8実施形態例に係る冷却装置8では、板状部材60の遮蔽部61は、発熱体100の直上部位にのみ設けられている。すなわち、遮蔽部61は、平面視において発熱体100と重なり合う部分にのみ設けられている。また、支持部62−1、62−2は、板状フィン51に狭持されている。
【0073】
冷却装置8では、遮蔽部61の平面視の面積が低減されているので、気相の一次冷媒が、遮蔽部61の重力方向下方側から凝縮管40の方向へより円滑に流通できる。
【0074】
次に、本発明の第9実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第9実施形態例に係る冷却装置は、第1〜第8実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1〜第8実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図11は、本発明の第9実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0075】
図11に示すように、第9実施形態例に係る冷却装置9では、遮蔽部61が、重力方向に沿って複数設けられている。冷却装置9では、重力方向に沿って2つの遮蔽部61−1、61−2が設けられている。支持部62がコンテナ内面表面積増大部50の外側に設けられている板状部材60−1が重力方向上方側の遮蔽部61−1を有し、支持部62がコンテナ内面表面積増大部50の板状フィン51に狭持された板状部材60−2が重力方向下方側の遮蔽部61−2を有している。また、板状部材60−1の支持部62は、板状部材60−2の支持部62と対向配置されている。すなわち、板状部材60−1の内部に板状部材60−2が配置された、多段構造(図11では、2段構造)の板状部材60となっている。
【0076】
冷却装置9では、板状部材60が多段構造となっていることにより、液相の一次冷媒20が、より円滑にコンテナ内面表面積増大部50へ還流することができる。
【0077】
次に、本発明の第10実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第10実施形態例に係る冷却装置は、第1〜第9実施形態例に係る冷却装置と主要な構成要素が共通するので、第1〜第9実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図12は、本発明の第10実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する斜視図であり、図13は、本発明の第10実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0078】
上記第1〜第9実施形態例に係る冷却装置1〜9では、板状部材60は遮蔽部61から鉛直方向に2つの支持部62が延在した態様であったが、図12、13に示すように、第10実施形態例に係る冷却装置110の板状部材80では、これに代えて、遮蔽部81が、重力方向に曲げられた曲げ部82を有し、支持部は設けられていない。曲げ部82は、遮蔽部81の幅方向の中心部に設けられている。板状部材80は、側面視V字状の部材である。
【0079】
曲げ部82がコンテナ内面表面積増大部50と接し、遮蔽部81の縁部83が、凝縮管40と接していることで、板状部材80は固定されている。すなわち、板状部材80は、コンテナ内面表面積増大部50と凝縮管40の間に装入されることで固定されている。従って、冷却装置110では、容易に板状部材80の遮蔽部81の固定安定性を得ることができる。また、冷却装置110では、重力方向上方から下方へ流れる気相から液相へ相変化した一次冷媒の流れと重力方向下方から上方へ流れる液相から気相へ相変化した一次冷媒の流れをより確実に分離できる。従って、冷却装置110では、優れた冷却性能を得ることができる。
【0080】
次に、本発明の他の実施形態例に係る冷却装置について説明する。上記各実施形態例の冷却装置では、板状の遮蔽部が用いられていたが、必要に応じて、遮蔽部に貫通口を設けてもよい。貫通口の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、貫通口にメッシュ部材を被せてもよい。遮蔽部に貫通口を設けることにより、液相から気相へ相変化した一次冷媒の凝縮管方向への流れをより円滑化することができる。また、上記各実施形態例の冷却装置では、コンテナの平面視の形状は、四角形状であったが、コンテナの形状は、特に限定されず、例えば、五角形以上の多角形、円形、楕円形、これら形状の組み合わせでもよい。また、上記各実施形態例の冷却装置では、コンテナに1つの発熱体が熱的に接続されていたが、コンテナと熱的に接続される発熱体の数量は、特に限定されず、複数個でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の冷却装置は、装置の大型化を避けつつ優れた冷却特性を発揮できるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、中央演算処理装置(CPU)等、回路基板に搭載された発熱量の大きい電子部品を冷却する分野で利用価値が高い。
【符号の説明】
【0082】
1、2、3、4、5、6、7、8、9、110 冷却装置
10 コンテナ
11 気相部
20 一次冷媒
30 二次冷媒
40 凝縮管
50 コンテナ内面表面積増大部
60、80 板状部材
61、81 遮蔽部
62 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2019年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発熱体が熱的に接続されるコンテナと、前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、を備え、
前記コンテナの外面のうち、液相の前記一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、前記発熱体が熱的に接続され、
前記発熱体が熱的に接続される前記コンテナの内面に、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部が形成され、
前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部が、液相の前記一次冷媒中に浸漬され、前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方であって前記凝縮管の重力方向下方に位置する遮蔽部であり、少なくとも一部が液相の前記一次冷媒中に浸漬されていない前記遮蔽部を有する板状部材が設けられ
前記板状部材が、前記コンテナ内面表面積増大部の、重力方向に対し直交方向に沿った周囲の一部に、前記遮蔽部から延在している支持部を備えた冷却装置。
【請求項2】
少なくとも1つの発熱体が熱的に接続されるコンテナと、前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、を備え、
前記コンテナの外面のうち、液相の前記一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、前記発熱体が熱的に接続され、
前記発熱体が熱的に接続される前記コンテナの内面に、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部が形成され、
前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部が、液相の前記一次冷媒中に浸漬され、前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方であって前記凝縮管の重力方向下方に位置する遮蔽部であり、少なくとも一部が液相の前記一次冷媒中に浸漬されていない前記遮蔽部を有する板状部材が設けられ
前記遮蔽部が、重力方向に曲げられた曲げ部を有し、該曲げ部が前記コンテナ内面表面積増大部と接し、前記遮蔽部の縁部が、前記凝縮管と接している冷却装置。
【請求項3】
少なくとも1つの発熱体が熱的に接続されるコンテナと、前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、を備え、
前記コンテナの外面のうち、液相の前記一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、前記発熱体が熱的に接続され、
前記発熱体が熱的に接続される前記コンテナの内面に、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部が形成され、
前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部が、液相の前記一次冷媒中に浸漬され、前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方であって前記凝縮管の重力方向下方に位置する遮蔽部であり、少なくとも一部が液相の前記一次冷媒中に浸漬されていない前記遮蔽部を有する板状部材が設けられ
前記遮蔽部が、重力方向上方に沿って複数設けられている冷却装置。
【請求項4】
前記コンテナ内面表面積増大部が、複数の板状フィンである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記遮蔽部が、重力方向上方に突出した突出部を有する請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記支持部が、前記コンテナ内面または前記コンテナ内面表面積増大部と一体化されている請求項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記支持部が、板状フィンに狭持されている請求項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記遮蔽部が、前記支持部よりも前記コンテナの内面方向へ伸延した遮蔽部伸延部位を有する請求項に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記支持部が、前記遮蔽部よりも前記コンテナの内面方向へ伸延した第1の伸延部位を有する請求項に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記支持部が、前記遮蔽部よりも重力方向上方へ伸延した第2の伸延部位を有する請求項に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記板状フィンの高さに対する、該板状フィンの先端から前記遮蔽部の重力方向下方側の面までの距離の比率が、0以上4.0以下である請求項に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記遮蔽部が、平面視にて前記発熱体と重なり合う領域を有する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記板状フィンの幅に対する、前記遮蔽部の幅の比率が、0.3以上1.5以下である請求項に記載の冷却装置。