【解決手段】点検支援装置3は、点検箇所を一意に識別する固有情報を示す第1固有情報と当該点検箇所の点検結果とが関連付けられたテーブルを記録する第1記録部32と、ユーザ操作を受け付ける操作受付部34と、ユーザ操作に応じて、点検箇所の固有情報を示す第2固有情報と、当該点検箇所の点検開始時刻及び点検終了時刻を示す第2時刻情報とを特定する特定部31と、テーブルを参照し、第2固有情報と同一の第2固有情報が当該テーブルに登録されているか否かを判定する判定部31と、判定部31にて第2固有情報と同一の第1固有情報がテーブルに登録されていると判定された場合に、当該第1固有情報に対して第2時刻情報を関連付けて記録するテーブル管理部31とを備える。
前記テーブルに登録されている前記点検開始時刻及び前記点検終了時刻に基づいて点検箇所の点検に要した総点検時間を算出するとともに、当該総点検時間と基準時間とを比較し、当該比較した結果に基づいて点検を支援するための点検支援情報を報知部に報知させる報知制御部をさらに備える請求項1に記載の点検支援装置。
撮影装置と、請求項1〜5のいずれか一つに記載の点検支援装置と、前記撮影装置及び前記点検支援装置との間で通信可能に接続される作業端末装置とを備える点検支援システムであって、
前記撮影装置は、
点検箇所を撮影して撮影画像を生成する撮影部と、
前記撮影画像と前記撮影部による撮影時刻とが関連付けられて記録される第2記録部とを備え、
前記作業端末装置は、
前記テーブルに登録されている前記点検開始時刻及び前記点検終了時刻と、前記第2記録部に記録されている前記撮影時刻とに基づいて、前記第1固有情報と前記撮影画像とを関連付ける関連付け部を備える点検支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0019】
(実施の形態1)
〔点検支援システムの概略構成〕
図1は、本実施の形態1に係る点検支援システム1を示す図である。
点検支援システム1は、標識や道路照明等の道路附属物(本発明に係る点検施設に相当)の点検を支援するシステムである。本実施の形態1では、点検支援システム1は、
図1に示すように、点検箇所の撮影と当該点検箇所の点検結果の入力とを互いに独立した撮影装置2及び点検支援装置3の2台を用いて行うシステムである。すなわち、道路附属物の点検を行うにあたって、当該点検を行う作業者は、点検支援装置3を操作する作業者(以下、第1作業者と記載)と、撮影装置2を操作する作業者(以下、第2作業者と記載)との複数人で構成される。なお、第1作業者と第2作業者とは、同一人物であってもよい。
また、本実施の形態1では、点検支援システム1は、撮影装置2を1台のみ備えた構成としているが、これに限らず、撮影装置2を複数台備えた構成としても構わない。
【0020】
〔撮影装置の構成〕
図2は、撮影装置2の構成を示すブロック図である。
撮影装置2は、例えば、デジタルカメラ等で構成されている。この撮影装置2は、
図2に示すように、第2制御部21と、第2記録部22と、第2通信部23と、第2入力部24と、第2表示部25と、第2撮影部26とを備え、当該各部21〜26がバス27を介して接続された構成である。
【0021】
第2制御部21は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等で構成され、第2記録部22に記録されたプログラムにしたがって、撮影装置2全体の動作を制御する。なお、第2制御部21の機能については、後述する「撮影装置の動作」において説明する。
第2記録部22は、第2制御部21が実行するプログラム、当該第2制御部21の処理に必要な情報、当該第2制御部21が処理した情報等を記録する。
【0022】
第2通信部23は、第2制御部21による制御の下、点検支援装置3との間で各種データの無線通信を所定のプロトコルに従って行う。なお、本実施の形態1では、撮影装置2と点検支援装置3との間での通信は、無線通信を行うものとして説明するが、これに限らず、有線通信により行われてもよい。また、無線通信を行う場合には、例えば、ブルートゥース(登録商標)を利用する。一方、有線通信を行う場合には、例えば、USB(登録商標)を利用する。
第2入力部24は、ユーザ操作を受け付けるボタン、スイッチ、タッチパネル等で構成され、当該ユーザ操作に応じた操作信号を第2制御部21に出力する。
第2表示部25は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイで構成され、第2制御部21による制御の下、種々の画像を表示する。なお、第2入力部24の機能の一部または全部がタッチパネルとして第2表示部25の表面に配置されてもよい。
【0023】
第2撮影部26は、本発明に係る撮影部に相当する。この第2撮影部26は、具体的な図示は省略したが、レンズユニットと、撮像素子と、信号処理部とを備える。当該レンズユニットは、被写体像を取り込んで当該撮像素子の撮像面に結像する。当該撮像素子は、当該レンズユニットが結像した被写体像を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成されている。当該信号処理部は、当該撮像素子からの電気信号に対して信号処理(例えばA/D変換等)を行って画像データ(本発明に係る撮影画像に相当、以下、撮影画像と記載)を出力する。
【0024】
〔点検支援装置の構成〕
図3は、点検支援装置3の構成を示すブロック図である。
点検支援装置3は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(Personal Computer)、ウェアラブルデバイス(例えば、眼鏡型あるいはヘルメット型のヘッドマウントディスプレイ)等で構成されている。この点検支援装置3は、
図3に示すように、第1制御部31と、第1記録部32と、第1通信部33と、第1入力部34と、第1表示部35と、第1撮影部36とを備え、当該各部31〜36がバス37を介して接続された構成である。
【0025】
第1制御部31は、本発明に係るプロセッサに相当する。この第1制御部31は、CPUやFPGA等で構成され、第1記録部32に記録されたプログラム(本発明に係る点検支援プログラムを含む)にしたがって、点検支援装置3全体の動作を制御する。ここで、第1制御部31は、本発明に係る特定部、判定部、テーブル管理部、及び報知制御部としての機能を有する。なお、第1制御部31の機能については、後述する「点検支援装置の動作」において説明する。
第1記録部32は、第1制御部31が実行するプログラム(本発明に係る点検支援プログラムを含む)、当該第1制御部31の処理に必要な情報、当該第1制御部31が処理した情報等を記録する。
【0026】
第1通信部33は、第1制御部31による制御の下、撮影装置2(第2通信部23)との間で各種データの無線通信を所定のプロトコルに従って行う。なお、本実施の形態1では、撮影装置2と点検支援装置3との間での通信は、無線通信を行うものとして説明するが、これに限らず、有線通信により行われてもよい。
第1入力部34は、本発明に係る操作受付部に相当する。この第1入力部34は、ユーザ操作を受け付けるボタン、スイッチ、タッチパネル等で構成され、当該ユーザ操作に応じた操作信号を第1制御部31に出力する。
第1表示部35は、本発明に係る報知部及び表示部に相当する。この第1表示部35は、液晶または有機EL等を用いた表示ディスプレイで構成され、第1制御部31による制御の下、種々の画像を表示する。なお、第1入力部34の機能の一部または全部がタッチパネルとして第1表示部35の表面に配置されてもよい。
【0027】
第1撮影部36は、具体的な図示は省略したが、レンズユニットと、撮像素子と、信号処理部とを備える。当該レンズユニットは、被写体像を取り込んで当該撮像素子の撮像面に結像する。当該撮像素子は、当該レンズユニットが結像した被写体像を受光して電気信号に変換するCCDまたはCMOS等で構成されている。当該信号処理部は、当該撮像素子からの電気信号に対して信号処理(例えばA/D変換等)を行って画像データを出力する。
【0028】
〔点検支援システムの動作〕
次に、上述した点検支援システム1の動作について説明する。以下では、説明の便宜上、撮影装置2の動作、及び点検支援装置3の動作を順に説明する。
【0029】
〔撮影装置の動作〕
図4は、撮影装置2の動作を示すフローチャートである。
先ず、第2制御部21は、第2作業者による第2入力部24への撮影操作が有ったか否かを常時、監視する(ステップS1A)。
撮影操作が有ったと判断した場合(ステップS1A:Yes)には、第2制御部21は、第2撮影部26の動作を制御する。そして、第2撮影部26は、点検箇所に応じた撮影画像を生成する(ステップS1B)。なお、撮影操作が無い場合(ステップS1A:No)には、第2制御部21は、ステップS1Aを繰り返す。
ステップS1Bの後、第2制御部21は、ステップS1Bで生成された撮影画像と撮影時刻(例えばステップS1で撮影操作が有った時刻)とを関連付けて撮影データとして第2記録部22に記録する(ステップS1C)。この後、第2制御部21は、ステップS1Aに戻る。
【0030】
〔点検支援装置の動作〕
以下では、点検支援装置3の動作として、第1動作と第2動作とを順に説明する。
【0031】
〔点検支援装置の第1動作〕
先ず、点検支援装置3の第1動作について説明する。
図5は、点検支援装置3の第1動作を示すフローチャートである。
第1制御部31は、第1表示部35の動作を制御し、当該第1表示部35に施設選択画面F1(
図7参照)を表示させる(ステップS2A)。
図6及び
図7は、ステップS2Aを説明する図である。具体的に、
図6は、点検データD1の一例を示す図である。
図7は、施設選択画面F1の一例を示す図である。
ここで、第1記録部32には、点検対象となる道路附属物の点検データD1(
図6)が記録されている。
点検データD1には、
図6に示すように、複数の道路附属物毎に、当該道路附属物を一意に識別する道路附属物固有情報と、施設諸元データD11と、点検結果票データD12と、損傷記録票データD13とが関連付けられて登録されている。
【0032】
施設諸元データD11には、道路附属物固有情報によって特定される1つの道路附属物の種別情報、位置情報、構造情報、設置環境情報、及び点検情報等の道路附属物の諸元情報が登録されている。
種別情報は、道路附属物の種別(道路標識/道路情報提供装置/道路照明施設/・・・)、道路附属物の管理者、道路附属物の管理番号等の情報を含む。
位置情報は、道路附属物の代表箇所の緯度・経度、道路附属物が設置されている路線の道路種別(一般国道/主要地方道/・・・)、道路附属物が設置されている路線名(国道○○号等)、道路附属物が設置されている路線の上り・下りの情報、及び道路附属物の所在地(○○県○○市○○区1−1等)等の情報を含む。
【0033】
構造情報は、道路附属物の支柱形式、表面処理形式、及び支柱基部リブ形状等の道路附属物の構造に関する情報を含む。
設置環境情報は、道路附属物の設置環境(一般部/橋梁部/トンネル/・・・)、海岸からの距離、融雪剤散布区間か否か、風規制実施区間か否か、及び防雪対策実施区間か否か等の道路附属物の設置環境に関する情報を含む。
点検情報は、点検の種別(初期点検/定期点検/臨時点検/・・・)、点検方法(近接目視/外観目視/・・・)、点検年月日、及び前回点検年月日等の情報を含む。
また、施設諸元データD11には、道路附属物の周辺の地図データや道路附属物全体の全体撮影画像等が登録されている。
【0034】
点検結果票データD12には、道路附属物固有情報によって特定される1つの道路附属物全体の点検結果の情報が登録される。ここで、道路附属物は、支柱であれば、支柱本体や支柱基部等の複数の部材で構成されている。また、当該部材が支柱本体であれば、当該部材には、支柱本体、支柱継手部、及び支柱分岐部等の複数の点検箇所がそれぞれ割り当てられている。そして、点検結果票データD12には、道路附属物を構成する各部材それぞれを一意に識別する複数の部材固有情報と、当該各部材毎に割り当てられた複数の点検箇所それぞれを一意に識別する複数の点検箇所固有情報とが予め登録されている。また、点検結果票データD12には、後述するステップS2Hにおいて、当該複数の点検箇所固有情報にそれぞれ関連付けて、当該複数の点検箇所の点検の対象有無(有/無)、当該複数の点検箇所の点検状況(実施済/未実施)、当該複数の点検箇所の損傷程度の評価区分(損傷が認められない/損傷が認められる/損傷が大きい)、当該複数の点検箇所の対策の要否(要/否)、当該複数の点検箇所の健全性の診断区分(健全/予防保全段階/早期措置段階/緊急措置段階)等の点検結果情報が登録される。また、点検結果票データD12には、道路附属物における全ての点検箇所の健全性の診断結果等を踏まえ、当該道路附属物全体としての健全性の診断区分等の情報も登録される。
【0035】
損傷記録票データD13には、道路附属物固有情報によって特定される1つの道路附属物を構成する部材毎の情報(以下、部材情報と記載)がそれぞれ登録される。当該部材情報には、当該部材の部材固有情報が予め登録されている。また、当該部材情報には、後述するステップS2Oにおいて、当該部材固有情報に関連付けて、当該部材に対して割り当てられた複数の点検箇所の損傷程度の評価結果を踏まえた部材全体としての損傷程度の評価結果、及び当該部材の措置内容等の情報と、当該部材に対して割り当てられた複数の点検箇所を撮影した撮影画像とが登録される。
【0036】
なお、1つの道路附属物の道路附属物固有情報と、当該道路附属物を構成する部材の部材固有情報と、当該部材に割り当てられた点検箇所の点検箇所固有情報とは、相互に関連性を有する情報である。例えば、点検箇所固有情報から、当該点検固有情報に基づく点検箇所を含む部材の部材固有情報、及び当該部材を含む道路附属物の道路附属物情報を導き出すことが可能である。
【0037】
ステップS2Aにおいて、第1制御部31は、第1記録部32に記録された点検データD1に含まれる複数の道路附属物に応じた各施設諸元データD11に基づいて、第1作業者に点検対象となる道路附属物の選択を促す施設選択画面F1(
図7)を第1表示部35に表示させる。
具体的に、施設選択画面F1は、複数の道路附属物の情報である各道路附属物情報F10a,F10b,・・・を一覧表示した画面である。道路附属物情報F10a,F10b,・・・は、例えば、
図7に示すように、対応する道路附属物に応じた施設諸元データD11に含まれる道路附属物の「種別」及び「管理番号」等の諸元情報F11a,F11b,・・・と、当該施設諸元データD11に含まれる道路附属物全体の全体撮影画像F12a,F12b,・・・とが載せられた情報である。
そして、第1作業者は、ステップS2Aで表示された施設選択画面F1を確認することにより、第1入力部34に対して点検対象となる道路附属物を選択する施設選択操作を行うことが可能となる。当該施設選択操作は、施設選択画面F1内における複数の道路附属物情報F10a,F10b,・・・のうち、点検対象となる道路附属物に応じた道路附属物情報を選択する操作である。
【0038】
ステップS2Aの後、第1制御部31は、第1作業者による第1入力部34への施設選択操作が有ったか否かを常時、監視する(ステップS2B)。
施設選択操作が有ったと判断した場合(ステップS2B:Yes)には、第1制御部31は、第1表示部35の動作を制御し、当該第1表示部35に施設選択操作に応じた点検箇所選択画面F2(
図8参照)を表示させる(ステップS2C)。なお、点検箇所選択画面F2は、本発明に係る選択画面に相当する。当該点検箇所選択画面F2は、ステップS2C以降、本制御フロー(ステップS2A〜S2L)を終了するまで常時、第1表示部35に表示されている。なお、施設選択操作が無い場合(ステップS2B:No)には、第1制御部31は、ステップS2Bを繰り返す。
【0039】
図8は、点検箇所選択画面F2の一例を示す図である。
具体的に、点検箇所選択画面F2は、例えば、
図8に示すように、1つの道路附属物における全ての点検箇所の名称が記載されているとともに、当該全ての点検箇所毎に、点検の対象有無(有/無)、点検状況(実施済/未実施)、損傷程度の評価区分(損傷が認められない/損傷が認められる/損傷が大きい)、対策の要否(要/否)、及び健全性の診断区分(健全/予防保全段階/早期措置段階/緊急措置段階)それぞれの選択を促すコンボボックスCBが設けられた画面である。ここで、点検箇所選択画面F2において、点検箇所の名称が記載された領域Ar1は、本発明に係る名称画像に相当する。
【0040】
また、点検箇所選択画面F2には、点検箇所の名称が記載された領域Ar1毎に、当該点検箇所の点検開始の選択を促す点検開始ボタンBSと当該点検箇所の点検終了の選択を促す点検終了ボタンBEとがそれぞれ設けられている。なお、点検開始ボタンBSと点検終了ボタンBEとは、同一のボタン(以下、点検ボタンと記載)で構成されてもよい。この構成の場合、第1制御部31は、点検ボタンの選択回数をカウントする機能を有する。そして、第1制御部31は、選択回数のカウントに基づいて、点検開始の選択が行われたか、または、点検終了の選択が行われたかを判断する。
そして、第1作業者は、ステップS2Cで表示された点検箇所選択画面F2を確認することにより、第1入力部34に対して点検対象となる点検箇所の点検を開始する点検開始操作、及び当該点検箇所の点検を終了する点検終了操作を行うことが可能となる。当該点検開始操作は、本発明に係る第1操作に相当し、点検箇所選択画面F2内における複数の点検開始ボタンBSのうち、点検対象となる点検箇所に応じた点検開始ボタンBSを選択する操作である。また、当該点検終了操作は、本発明に係る第2操作に相当し、点検箇所選択画面F2内における複数の点検終了ボタンBEのうち、点検対象となる点検箇所に応じた点検終了ボタンBEを選択する操作である。
【0041】
さらに、点検箇所選択画面F2には、1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検終了の選択を促す確認ボタンBCが設けられている。
そして、第1作業者は、ステップS2Cで表示された点検箇所選択画面F2を確認することにより、第1入力部34に対して1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検を終了する確認操作を行うことが可能となる。当該確認操作は、点検箇所選択画面F2内における確認ボタンBCを選択する操作である。
【0042】
ステップS2Cの後、第1制御部31は、第1作業者による第1入力部34への点検開始操作が有ったか否かを常時、監視する(ステップS2D)。
点検開始操作が有ったと判断した場合(ステップS2D:Yes)には、第1制御部31は、当該点検開始操作により選択された点検開始ボタンBSに対応する点検箇所の点検箇所固有情報と、当該点検箇所の点検開始時刻(例えばステップS2Dで点検開始操作が有った時刻)とを特定する(ステップS2E)。なお、点検開始操作が無い場合(ステップS2D:No)には、第1制御部31は、ステップS2Dを繰り返す。
【0043】
ステップS2Eの後、第1制御部31は、第1作業者による第1入力部34への点検終了操作が有ったか否かを常時、監視する(ステップS2F)。
点検終了操作が有ったと判断した場合(ステップS2F:Yes)には、第1制御部31は、当該点検終了操作により選択された点検終了ボタンBSに対応する点検箇所の点検箇所固有情報と、当該点検箇所の点検終了時刻(例えばステップS2Fで点検終了操作が有った時刻)とを特定する(ステップS2G)。なお、点検終了操作が無い場合(ステップS2F:No)には、第1制御部31は、ステップS2Fを繰り返す。
【0044】
ここで、第1作業者は、点検対象となる点検箇所に応じた点検開始操作(ステップS2D)を行った後、第2作業者に対して当該点検箇所の撮影を指示する。また、第2作業者は、当該点検箇所の撮影を終了した後、当該撮影を終了した旨を第1作業者に伝える。そして、第1作業者は、第2作業者から当該撮影を終了した旨の連絡が有った後、当該点検箇所に応じた点検終了操作(ステップS2F)を行う。すなわち、点検箇所を撮影した撮影画像(ステップS1Bで生成された撮影画像)には、ステップS1Cにおいて、当該点検箇所に応じた点検開始操作から点検終了操作までの期間(ステップS2D〜S2Fの期間)内の撮影時刻が関連付けられる。
【0045】
また、第1作業者は、当該点検箇所に応じた点検開始操作から点検終了操作までの期間において、第1表示部35に表示された点検箇所選択画面F2を確認しながら、コンボボックスCBを操作し、当該点検箇所について、点検の対象有無、点検状況、損傷程度の評価区分、対策の要否、及び健全性の診断区分をそれぞれ選択する。そして、ステップS2Gの後、第1制御部31は、当該選択された点検の対象有無、点検状況、損傷程度の評価区分、対策の要否、及び健全性の診断区分の点検結果情報をステップS2E,S2Fで特定した点検箇所固有情報と同一の点検箇所固有情報に関連付けて点検結果票データD12に登録する(ステップS2H)。なお、コンボボックスCBの操作の一部または全部は、全ての点検作業が終了した後に行ってもよい。また、全ての点検作業が終了した後に、検査時に選択したコンボボックスCBの操作内容を修正してもよい。
【0046】
ステップS2Hの後、第1制御部31は、第1記録部32に記録されたテーブルTBを参照し、ステップS2E,S2Gで特定した点検箇所固有情報と同一の点検箇所固有情報が当該テーブルTBに登録されているか否かを判定する(ステップS2I)。
図9は、テーブルTBの一例を示す図である。
ここで、第1記録部32には、テーブルTB(
図9)が記録されている。
テーブルTBは、道路附属物毎に複数、設けられている。このテーブルTBには、点検箇所の点検箇所固有情報と当該点検箇所の点検開始時刻及び点検終了時刻を示すタイムスタンプとが関連付けられた点検関連情報が点検箇所毎に複数、登録される。
図9の例では、1つの道路附属物における全ての点検箇所が第1〜第6点検箇所の6箇所とされ、テーブルTBには、当該第1〜第6点検箇所にそれぞれ対応する6つの点検関連情報DA1〜DA6が登録されている。以下、6つの点検関連情報DA1〜DA6のうち、点検関連情報DA1,DA2,DA5について説明する。
【0047】
点検関連情報DA1は、点検箇所固有情報ID1と、点検開始時刻ST1及び点検終了時刻EN1を示すタイムスタンプと、点検開始時刻ST1´及び点検終了時刻EN1´を示すタイムスタンプとが関連付けられた情報である。
ここで、点検箇所固有情報ID1は、第1点検箇所に対して実行された1回目のステップS2E,S2Gで特定された点検箇所固有情報である。また、点検開始時刻ST1及び点検終了時刻EN1を示すタイムスタンプは、第1点検箇所に対して実行された1回目のステップS2E,S2Gで特定されたタイムスタンプである。さらに、点検開始時刻ST1´及び点検終了時刻EN1´を示すタイムスタンプは、第1点検箇所に対して実行された2回目のステップS2E,S2Gで特定されたタイムスタンプである。
【0048】
点検関連情報DA2は、点検箇所固有情報ID2と、点検開始時刻ST2及び点検終了時刻EN2を示すタイムスタンプとが関連付けられた情報である。
ここで、点検箇所固有情報ID2は、第2点検箇所に対して実行された1回目のステップS2E,S2Gで特定された点検箇所固有情報である。また、点検開始時刻ST2及び点検終了時刻EN2を示すタイムスタンプは、第2点検箇所に対して実行された1回目のステップS2E,S2Gで特定されたタイムスタンプである。なお、他の点検関連情報DA3,DA4,DA6も点検関連情報DA2と同様の構成を有している。
【0049】
点検関連情報DA5は、点検箇所固有情報ID5と、点検開始時刻ST5及び点検終了時刻EN5を示すタイムスタンプと、点検開始時刻ST5´及び点検終了時刻EN5´を示すタイムスタンプと、点検開始時刻ST5´´及び点検終了時刻EN5´´を示すタイムスタンプとが関連付けられた情報である。
ここで、点検箇所固有情報ID5は、第5点検箇所に対して実行された1回目のステップS2E,S2Gで特定された点検箇所固有情報である。また、点検開始時刻ST5及び点検終了時刻EN5を示すタイムスタンプは、第5点検箇所に対して実行された1回目のステップS2E,S2Gで特定されたタイムスタンプである。さらに、点検開始時刻ST5´及び点検終了時刻EN5´を示すタイムスタンプは、第5点検箇所に対して実行された2回目のステップS2E,S2Gで特定されたタイムスタンプである。また、点検開始時刻ST5´´及び点検終了時刻EN5´´を示すタイムスタンプは、第5点検箇所に対して実行された3回目のステップS2E,S2Gで特定されたタイムスタンプである。
【0050】
以下、
図9の例を基に、ステップS2J,S2Kについて説明する。
ここで、以下の第1の場合を想定する。
第1の場合とは、第1点検箇所に対して実行された1回目のステップS2E,S2Gにおいて、点検箇所固有情報ID1、点検開始時刻ST1、及び点検終了時刻EN1を特定した場合である。また、第1の場合は、1回目のステップS2E,S2Gの前に、点検関連情報DA1がテーブルTBに登録されていない場合である。
【0051】
第1の場合には、第1制御部31は、1回目のステップS2E,S2Gで特定した点検箇所固有情報ID1と同一の点検箇所固有情報ID1がテーブルTBに登録されていないと判定する(ステップS2I:No)。そして、第1制御部31は、1回目のステップS2E,S2Gで特定した点検箇所固有情報ID1と点検開始時刻ST1及び点検終了時刻EN1を示すタイムスタンプとを関連付けて新たな点検関連情報DA1としてテーブルTBに登録する(ステップS2J)。
なお、第1の場合において、1回目のステップS2E,S2Gで特定した点検箇所固有情報ID1は、本発明に係る第2固有情報に相当する。また、1回目のステップS2E,S2Gで特定した点検開始時刻ST1及び点検終了時刻EN1を示すタイムスタンプは、本発明に係る第2時刻情報に相当する。
【0052】
また、以下の第2の場合を想定する。
第2の場合とは、第1点検箇所に対して実行された2回目のステップS2E,S2Gにおいて、点検箇所固有情報ID1、点検開始時刻ST1´、及び点検終了時刻EN1´を特定した場合である。すなわち、第2の場合は、2回目のステップS2E,S2Gの前に、点検関連情報DA1がテーブルTBに登録されているが、当該点検関連情報DA1に点検開始時刻ST1´及び点検終了時刻EN1´のタイムスタンプが含まれていない場合である。
【0053】
第2の場合には、第1制御部31は、2回目のステップS2E,S2Gで特定した点検箇所固有情報ID1と同一の点検箇所固有情報ID1がテーブルTBに登録されていると判定する(ステップS2I:Yes)。そして、第1制御部31は、2回目のステップS2E,S2Gで特定した点検箇所固有情報ID1と同一の点検箇所固有情報ID1に対して当該2回目のステップS2E,S2Gで特定した点検開始時刻ST1´及び点検終了時刻EN1´を示すタイムスタンプを関連付けて点検関連情報DA1を更新する(ステップS2K)。
なお、第2の場合において、2回目のステップS2E,S2Gの前にテーブルTBに登録されている点検関連情報DA1に含まれる点検箇所固有情報ID1は、本発明に係る第1固有情報に相当する。また、2回目のステップS2E,S2Gの前にテーブルTBに登録されている点検関連情報DA1に含まれる点検開始時刻ST1及び点検終了時刻EN1を示すタイムスタンプは、本発明に係る第1時刻情報に相当する。さらに、2回目のステップS2E,S2Gで特定した点検箇所固有情報ID1は、本発明に係る第2固有情報に相当する。また、2回目のステップS2E,S2Gで特定した点検開始時刻ST1´及び点検終了時刻EN1´を示すタイムスタンプは、本発明に係る第2時刻情報に相当する。
【0054】
ステップS2JまたはステップS2Kの後、第1制御部31は、第1作業者による第1入力部34への確認操作が有ったか否かを判断する(ステップS2L)。
確認操作が無いと判断した場合(ステップS2L:No)には、第1制御部31は、ステップS2Dに戻る。
一方、確認操作が有ったと判断した場合(ステップS2L:Yes)には、第1制御部31は、本制御フロー(第1動作)を終了する。
【0055】
〔点検支援装置の第2動作〕
次に、点検支援装置3の第2動作について説明する。
図10は、点検支援装置3の第2動作を示すフローチャートである。
先ず、第1制御部31は、第1通信部33を介して撮影装置2における第2記録部22に記録された撮影データを受信する(ステップS2M)。なお、第2動作としては、第1動作の後に続けて実行する構成としてもよく、第1動作の後、当該第1動作とは独立して実行する構成としてもよい。第2動作を第1動作の後に続けて実行する構成では、例えば、確認操作が有ったことをトリガとしてステップS2Mが実行される。また、第1動作の後、当該第1動作とは独立して第2動作を実行する構成では、例えば、ユーザによる第1入力部34への所定の操作をトリガとしてステップS2Mが実行される。
【0056】
ステップS2Mの後、第1制御部31は、第1記録部32に記録されたテーブルTBに登録された点検箇所固有情報に対してステップS2Mで受信した撮影データにおける撮影画像を関連付けて点検関連情報を更新する(ステップS2N)。
【0057】
図11は、ステップS2Nを説明する図である。具体的に、
図11は、テーブルTBの一例を示す図である。なお、
図11は、
図9に対応させた図としている。また、
図11では、説明の便宜上、点検関連情報DA1〜DA6において、タイムスタンプの図示を省略している。さらに、
図11において、撮影画像IM1〜IM35は、当該撮影画像IM1〜IM35の順に撮影されたものである。より具体的に、撮影画像IM1〜IM5は、点検開始時刻ST1から点検終了時刻EN1までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM6〜IM11は、点検開始時刻ST2から点検終了時刻EN2までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM12〜IM14は、点検開始時刻ST3から点検終了時刻EN3までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM15〜IM20は、点検開始時刻ST4から点検終了時刻EN4までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM21,IM22は、点検開始時刻ST5から点検終了時刻EN5までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM23〜IM28は、点検開始時刻ST6から点検終了時刻EN6までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM29〜IM31は、点検開始時刻ST1´から点検終了時刻EN1´までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM32,IM33は、点検開始時刻ST5´から点検終了時刻EN5´までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。撮影画像IM34,IM35は、点検開始時刻ST5´´から点検終了時刻EN5´´までの期間内にそれぞれ撮影された撮影画像である。
【0058】
以下、
図11の例を基に、ステップS2Nについて説明する。
第1制御部31は、テーブルTBに登録されている各点検関連情報DA1〜DA6に含まれるタイムスタンプと、ステップS2Mで受信した撮影データに含まれる撮影時刻とを照合する。そして、第1制御部31は、点検開始時刻から点検終了時刻までの期間内の撮影時刻が関連付けられた撮影画像を当該点検開始時刻及び当該点検終了時刻を示すタイムスタンプが関連付けられた点検固有情報に対して関連付けて点検関連情報を更新する。
例えば、撮影画像IM1〜IM5には、点検開始時刻ST1から点検終了時刻EN1までの期間内の撮影時刻がそれぞれ関連付けられている。また、撮影画像IM29〜IM31には、点検開始時刻ST1´から点検終了時刻EN1´までの期間内の撮影時刻がそれぞれ関連付けられている。このため、第1制御部31は、点検箇所固有情報ID1に対して撮影画像IM1〜IM5,IM29〜IM31を関連付けて点検関連情報DA1を更新する。同様に、第1制御部31は、点検箇所固有情報ID2に対して撮影画像IM6〜IM11を関連付けて点検関連情報DA2を更新する。また、第1制御部31は、点検箇所固有情報ID3に対して撮影画像IM12〜IM14を関連付けて点検関連情報DA3を更新する。さらに、第1制御部31は、点検箇所固有情報ID4に対して撮影画像IM15〜IM20を関連付けて点検関連情報DA4を更新する。また、第1制御部31は、点検箇所固有情報ID5に対して撮影画像IM21,IM22,IM32〜IM35を関連付けて点検関連情報DA5を更新する。さらに、第1制御部31は、点検箇所固有情報ID6に対して撮影画像IM23〜IM28を関連付けて点検関連情報DA6を更新する。
【0059】
ステップS2Nの後、第1制御部31は、ステップS2Hで点検結果情報を登録した点検結果票データD12、及びステップS2Nで更新した各点検関連情報に基づいて、部材毎の部材情報を損傷記録票データD13に登録する(ステップS2O)。この後、第1制御部31は、本制御フロー(第2動作)を終了する。
具体的に、第1制御部31は、ステップS2Oにおいて、所定の部材の部材情報を登録する際、点検結果票データD12に登録され、当該部材の部材固有情報に関連する点検固有情報に関連付けられた点検結果情報と、テーブルTBに登録され、当該部材固有情報に関連する点検固有情報に関連付けられた撮影画像とを当該部材固有情報に関連付けて部材情報として損傷記録票データD13に登録する。
【0060】
また、第1制御部31は、第1作業者による第1入力部34への損傷記録票の表示操作が有った場合に、第1表示部35の動作を制御し、部材情報に基づく損傷記録票F3(
図12参照)を当該第1表示部35に表示させる。当該損傷記録票の表示操作は、点検箇所選択画面F2内における複数の領域Ar1のうち、第1作業者が確認を希望する部材に応じた領域Ar1を選択する操作である。
【0061】
図12は、損傷記録票F3の一例を示す図である。
損傷記録票F3には、例えば、
図12に示すように、部材名称、部材全体としての損傷程度の評価結果、及び当該部材の措置内容等の情報と、当該部材に対して割り当てられた複数の点検箇所を撮影した撮影画像とが載せられる。
【0062】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態1に係る第1制御部31は、上述した第1,第2の動作(
図5,
図10)を実行する。このため、1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検を完了した後、いずれかの点検箇所を追加で撮影した撮影画像を当該点検箇所に応じた損傷記録票F3に追加することができる。
以下、上述した第2の場合を例に具体的に説明する。
第1作業者は、1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検を完了した後(1回目のステップS2A〜S2Oが実行された後)、撮影装置2を用いて第1点検箇所を追加で撮影する前に、第1入力部34に対して当該第1点検箇所に応じた点検開始操作を行う。また、第1作業者は、当該第1点検箇所を追加で撮影した後、第1入力部34に対して当該第1点検箇所に応じた点検終了操作を行う。これにより、ステップS2Kにおいて、当該点検開始操作に応じた点検開始時刻ST1´、及び当該点検終了操作に応じた点検終了時刻EN1´を示すタイムスタンプが点検箇所固有情報ID1に対して関連付けられる。また、第1点検箇所を追加で撮影した撮影画像は、点検開始時刻ST1´から点検終了時刻EN1´までの期間内の撮影時刻が関連付けられた撮影画像IM29〜IM31(
図11)となる。すなわち、当該撮影画像IM29〜IM31は、2回目のステップS2Nにおいて、
図11に示すように、1回目のステップS2A〜S2Oが実行されることで点検箇所固有情報ID1に関連付けられた撮影画像IM1〜IM5と同様に、当該点検箇所固有情報ID1に関連付けられることとなる。このため、2回目のステップS2Oにおいて、第1点検箇所における既に入力済みの点検結果及び既に撮影済みの撮影画像IM1〜IM5とともに追加で撮影した撮影画像IM29〜IM31が1つの損傷記録票F3として纏められることとなる。
以上のことから、本実施の形態1に係る点検支援システム1によれば、点検時において、利便性の高い支援を行うことができる。
【0063】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略または簡略化する。
本実施の形態2では、上述した実施の形態1に対して、第1制御部31に対して点検支援機能を追加した点が異なるのみである。当該点検支援機能は、第1動作において実行される。以下、点検支援装置3の第1動作について説明する。
【0064】
〔点検支援装置の第1動作〕
図13は、本実施の形態2に係る第1動作を示すフローチャートである。
本実施の形態2に係る第1動作では、
図13に示すように、上述した実施の形態1で説明した第1動作(
図5)に対して、ステップS2P〜S2Sが追加されている点が異なるのみである。このため、以下では、ステップS2P〜S2Sについてのみ説明する。
ステップS2Pは、ステップS2Lにおいて確認操作が有ったと判断された場合(ステップS2L:Yes)に実行される。
具体的に、第1制御部31は、ステップS2Pにおいて、テーブルTBに登録されている点検対象とする1つの道路附属物の全ての点検箇所に応じた各点検関連情報毎(全ての点検箇所毎)に、当該点検関連情報に含まれるタイムスタンプに基づいて、点検箇所の点検に要した総点検時間をそれぞれ算出する。
【0065】
図9に示した例では、第1制御部31は、点検関連情報DA1(第1点検箇所)に対して、点検開始時刻ST1から点検終了時刻EN1までの時間と、点検開始時刻ST1´から点検終了時刻EN1´までの時間とを加えた時間を総点検時間として算出する。また、第1制御部31は、点検関連情報DA2(第2点検箇所)に対して、点検開始時刻ST2から点検終了時刻EN2までの時間を総点検時間として算出する。さらに、第1制御部31は、点検関連情報DA3(第3点検箇所)に対して、点検開始時刻ST3から点検終了時刻EN3までの時間を総点検時間として算出する。また、第1制御部31は、点検関連情報DA4(第4点検箇所)に対して、点検開始時刻ST4から点検終了時刻EN4までの時間を総点検時間として算出する。さらに、第1制御部31は、点検関連情報DA5(第5点検箇所)に対して、点検開始時刻ST5から点検終了時刻EN5までの時間と、点検開始時刻ST5´から点検終了時刻EN5´までの時間と、点検開始時刻ST5´´から点検終了時刻EN5´´までの時間とを加えた時間を総点検時間として算出する。また、第1制御部31は、点検関連情報DA6(第6点検箇所)に対して、点検開始時刻ST6から点検終了時刻EN6までの時間を総点検時間として算出する。
【0066】
ステップS2Pの後、第1制御部31は、ステップS2Pで算出した各点検箇所の各総点検時間と、当該各点検箇所にそれぞれ応じた各基準時間とをそれぞれ比較する(ステップS2Q)。
ここで、基準時間としては、前回(過去)の点検において点検箇所の点検に要した総点検時間や、点検箇所の点検に要する想定時間等を例示することができる。
【0067】
図14は、ステップS2Qでの比較結果の一例を示す図である。なお、
図14は、
図9に対応させた図としている。また、
図14において、縦軸は、総点検時間及び基準時間を示している。そして、
図14では、第1〜第6点検箇所の各基準時間を棒グラフで示している。また、ステップS2Pで算出された第1〜第6点検箇所の各総点検時間を黒丸で表現している。
図14に示す例では、ステップS2Pで算出された第1〜第5点検箇所の各総点検時間は、当該第1〜第5点検箇所の各基準時間よりも多い時間となっている。一方、ステップS2Pで算出された第6点検箇所の総点検時間は、当該第6点検箇所の基準時間よりも少ない時間となっている。
【0068】
ステップS2Qの後、第1制御部31は、ステップS2Qでの比較結果に基づいて、1つの道路附属物における全ての点検箇所のうち、基準時間よりも少ない総点検時間となった点検箇所が有るか否かを判定する(ステップS2R)。
基準時間よりも少ない総点検時間となった点検箇所がないと判定した場合(ステップS2R:No)には、第1制御部31は、本制御フロー(第1動作)を終了する。
【0069】
一方、基準時間よりも少ない総点検時間となった点検箇所が有ると判定した場合(ステップS2R:Yes)には、第1制御部31は、基準時間よりも少ない総点検時間となった点検箇所の再点検を促す点検支援情報を生成する。そして、第1制御部31は、第1表示部35の動作を制御し、当該点検支援情報を当該第1表示部35に表示させる(ステップS2S)。この後、第1制御部31は、ステップS2Dに戻る。
図15は、点検支援情報F4の一例を示す図である。具体的に、
図15は、
図9及び
図14に対応させた図としている。
図15に示す例では、第1制御部31は、点検支援情報F4として、基準時間よりも少ない総点検時間となった第6点検箇所の再点検を促すメッセージ画像を生成している。なお、
図14に示す比較結果を本発明に係る点検支援情報として第1表示部35に表示してもよい。
【0070】
以上説明した本実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本実施の形態2に係る第1制御部31は、上述したステップS2P〜S2S(
図13)を実行する。このため、第1作業者は、1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検を完了した後、第1表示部35に表示された点検支援情報F4を確認することで、撮影を忘れた点検箇所(
図15の例では第6点検箇所)、あるいは、撮影が不十分な点検箇所(
図15の例では第6点検箇所)を認識することができる。すなわち、第1,第2作業者は、1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検を完了した後、当該道路附属物が存在する現場から離れる前に、該当する点検箇所(
図15の例では第6点検箇所)を追加で撮影することができる。
したがって、本実施の形態2によれば、点検時において、さらに利便性の高い支援を行うことができる。
【0071】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略または簡略化する。なお、本実施の形態3では、撮影装置2と点検支援装置3との間において直接的にデータの送受信を行わない。よって、本実施の形態3では、撮影装置2と作業端末装置4との間における通信と、点検支援装置3と作業端末装置4との間における通信とを行い、上述した実施の形態1のように、第1通信部33と第2通信部23との間で無線または有線によって行う通信機能を有さない。また、詳細は後述するが、点検箇所固有情報に対して撮影画像を関連付ける処理は、点検支援装置3では行わず、作業端末装置4で行う。
図16は、本実施の形態3に係る点検支援システム1Aを示す図である。
本実施の形態3に係る点検支援システム1Aは、
図16に示すように、上述した実施の形態1で説明した点検支援システム1に対して、作業端末装置4が追加されている。
【0072】
〔作業端末装置の構成〕
図17は、作業端末装置4の構成を示すブロック図である。
作業端末装置4は、例えば、ノートパソコン、デスクトップパソコン等の一般的なPCで構成されている。この作業端末装置4は、
図17に示すように、第3制御部41と、第3記録部42と、第3通信部43と、第3入力部44と、第3表示部45とを備え、当該各部41〜45がバス46を介して接続された構成である。
【0073】
第3制御部41は、CPUやFPGA等で構成され、第3記録部42に記録されたプログラムにしたがって、作業端末装置4全体の動作を制御する。ここで、第3制御部41は、本発明に係る関連付け部としての機能を有する。なお、第3制御部41の機能については、後述する「作業端末装置の動作」において説明する。
第3記録部42は、第3制御部41が実行するプログラム、当該第3制御部41の処理に必要な情報、当該第3制御部41が処理した情報等を記録する。ここで、第3記録部42には、第1記録部32に記録された点検データD1と同様の点検データが記録されている。
【0074】
第3通信部43は、第3制御部41による制御の下、撮影装置2(第1通信部23)との間、及び点検支援装置3(第1通信部33)との間で、各種データの無線通信を所定のプロトコルに従って行う。
第3入力部44は、ユーザ操作を受け付けるボタン、スイッチ、タッチパネル等で構成され、当該ユーザ操作に応じた操作信号を第3制御部41に出力する。
第3表示部45は、液晶または有機EL等を用いた表示ディスプレイで構成され、第3制御部41による制御の下、種々の画像を表示する。
【0075】
〔作業端末装置の動作〕
次に、上述した作業端末装置4の動作について説明する。
図18は、作業端末装置4の動作を示すフローチャートである。
なお、作業端末装置4は、上述した実施の形態1で説明した点検支援装置3の第2動作を行うものである。
先ず、第3制御部41は、第3通信部43を介して点検支援装置3の点検結果票データD12に登録された点検結果情報(ステップS2Hで登録された情報)、及びテーブルTBに登録された全ての点検関連情報を受信する(ステップS3A)。
【0076】
ステップS3Aの後、第3制御部41は、ステップS2Hと同様に、ステップS3Aで受信した点検結果情報を第3記録部42に記録された点検結果票データに登録する(ステップS3B)。これにより、第1記録部32に記録された点検結果票データD12と、第3記録部42に記録された点検結果票データとが同一のデータとなる。
ステップS3Bの後、第3制御部41は、第3通信部43を介して撮影装置2における第2記録部22に記憶された撮影データを受信する(ステップS3C)。
【0077】
ステップS3Cの後、第3制御部41は、ステップS2Nと同様に、ステップS3Aで受信した各点検関連情報に含まれる点検箇所固有情報に対してステップS3Cで受信した撮影データにおける撮影画像を関連付けて当該各点検関連情報を更新する(ステップS3D)。
ステップS3Dの後、第3制御部41は、ステップS2Oと同様に、第3記録部42に記録され、ステップS3Bで点検結果情報を登録した点検結果票データ、及びステップS3Dで更新した各点検関連情報に基づいて、部材毎の部材情報を第3記録部42に記録された損傷記録票データに登録する(ステップS3E)。この後、第3制御部41は、本制御フローを終了する。
【0078】
また、第3制御部41は、上述した実施の形態1と同様に、第3入力部44への損傷記録票の表示操作が有った場合に、第3表示部45の動作を制御し、第3記録部42に記録された部材情報に基づく損傷記録票を当該第3表示部45に表示させる。
【0079】
〔点検箇所固有情報に対して撮影画像を関連付ける処理について〕
ところで、撮影装置2の時刻と点検支援装置3の時刻とに差がある場合には、撮影画像が対応する点検開始時刻と点検終了時刻との間に入らずにずれが生じてしまい、点検箇所固有情報に対して撮影画像を関連付ける処理が正しく行われない可能性がある。
以下、撮影装置2の時刻と点検支援装置3の時刻とを同期させる方法を説明する。
点検を開始する前に、撮影装置2と点検支援装置3との間において時刻を同期させる処理を行う。例えば、撮影装置2の時刻設定機能と点検支援装置3の時刻設定機能とを利用して、撮影装置2と点検支援装置3との時刻を同期させる処理を行う。このようにして、撮影装置2と点検支援装置3との間において時刻を同期させておけば、点検箇所固有情報に対して撮影画像を関連付ける処理を正しく行うことができる。
【0080】
また、撮影装置2の時刻と点検支援装置3の時刻とを同期させなくても、撮影装置2の時刻と点検支援装置3の時刻との差を利用する構成でもよい。
例えば、点検を開始する前に、点検支援装置3の第1表示部35に所定の画像を表示し、当該所定の画像を撮影装置2で撮影する。このとき、点検支援装置3は、所定の画像を表示した時刻t1を記憶しておく。
作業端末装置4は、点検支援装置3により所定の画像を表示した時刻t1と、撮影装置2により所定の画像を撮影した時刻t2とに基づいて、オフセット時刻Δt(t1−t2)を算出する。そして、作業端末装置4は、算出したオフセット時刻Δtを利用して、点検箇所固有情報に対して撮影画像を関連付ける処理を行う。なお、上述した実施の形態1,2において当該オフセット時刻Δtを利用して点検箇所固有情報に対して撮影画像を関連付ける処理を行う場合には、点検支援装置3が当該処理を行う。
【0081】
以上説明した本実施の形態3のように作業端末装置4によって第2動作を行う構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0082】
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1〜3によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1〜3では、点検箇所選択画面F2において、点検開始ボタンBS及び点検終了ボタンBEは、点検箇所毎にそれぞれ設けられていたが、これに限らない。例えば、全ての点検箇所に共通の点検開始ボタンBS及び点検終了ボタンBEをそれぞれ1つのみ設けた構成を採用しても構わない。この際、第1作業者は、第1入力部34により、点検箇所選択画面F2内における複数の領域Ar1のうち、点検対象とする点検箇所に応じた領域Ar1を選択する。これにより、第1制御部31は、当該点検箇所の点検箇所固有情報を特定する。次に、第1作業者は、当該点検箇所の点検を開始する際には、全ての点検箇所に共通の1つのみの点検開始ボタンBSを選択する。これにより、第1制御部31は、当該点検箇所の点検開始時刻を特定する。次に、第1作業者は、当該点検箇所の点検を終了する際には、全ての点検箇所に共通の1つのみの点検終了ボタンBEを選択する。これにより、第1制御部31は、当該点検箇所の点検終了時刻を特定する。
【0083】
上述した実施の形態1〜3において、点検支援装置3の第1撮影部36にて点検箇所を撮影し、第1制御部31が撮影装置2の動作(
図4)を実行する構成を採用しても構わない。このように構成した場合には、本願発明の構成を1台の点検支援装置3で構成することができる。
【0084】
上述した実施の形態2では、第1制御部31は、1つの道路附属物における全ての点検箇所に応じた点検関連情報毎に、総点検時間をそれぞれ算出し、当該各総点検時間と各基準時間とを比較することで点検支援情報を生成していたが、これに限らない。例えば、1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検に要した総点検時間を算出し、当該総点検時間と基準時間とを比較することで点検支援情報を生成するように第1制御部31を構成しても構わない。
【0085】
上述した実施の形態2では、第1制御部31は、第1入力部34に対して1つの道路附属物における全ての点検箇所の点検を終了する確認操作(確認ボタンBCの選択)が行われたことをトリガとして、当該全ての点検箇所に応じた点検関連情報毎に、総点検時間をそれぞれ算出していたが、これに限らない。例えば、第1入力部34に対して1つの点検箇所の点検を終了する点検終了操作(1つの点検終了ボタンBEの選択)が行われたことをトリガとして、当該1つの点検箇所に応じた総点検時間を算出するように第1制御部31を構成しても構わない。
【0086】
上述した実施の形態2では、本発明に係る「点検支援情報の報知」を、メッセージ画像(
図15に示した点検支援情報F4)を表示することで行っていたが、これに限らない。例えば、
図14に示す例では、第6点検箇所の再点検を音声により報知する構成や、点検箇所選択画面F2において第6点検箇所に対応する領域Ar1を点滅あるいは表示色を変更することにより当該第6点検箇所の再点検を促す構成等を採用しても構わない。
【0087】
上述した実施の形態3に係る点検支援装置3が上述した実施の形態2で説明した第1動作を実行するように構成しても構わない。
上述した実施の形態1〜3で説明した制御フローは、
図5、
図10、
図13、及び
図18の制御フローに限らず、矛盾のない範囲で順序を変更しても構わない。