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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-188151(P2020-188151A)
(43)【公開日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】溶液製造装置及び濃度制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20201023BHJP
【FI】
   H01L21/304 648G
   H01L21/304 648K
   H01L21/304 647A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-92295(P2019-92295)
(22)【出願日】2019年5月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】星 重行
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157BF39
5F157BF48
5F157BF59
5F157BF63
5F157BF72
5F157CD32
5F157CE37
5F157CF14
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF99
5F157DB41
5F157DC01
(57)【要約】
【課題】第1液に第2液を添加して溶液を作製する際に、第1液の急激な流量変動に追随して、溶液の濃度を常に一定に精度よく維持することができる、溶液製造装置及び濃度制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1液が流れる第1液ラインと、前記第1液ラインに第2液を添加する第2液添加部と、を備え、前記第2液添加部は、第2液の液注配管を2つ以上備え、前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに第2液を常時添加するものである、溶液製造装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液が流れる第1液ラインと、前記第1液ラインに第2液を添加する第2液添加部と、を備え、前記第2液添加部は、第2液の液注配管を2つ以上備え、前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに第2液を常時添加するものである、溶液製造装置。
【請求項2】
前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに添加する第2液の添加量が変動可能とされている、請求項1に記載の溶液製造装置。
【請求項3】
前記第1液ラインは、流量計を備えており、前記第2液の添加量を、流量計の測定値を用いてPLC(Programmable Logic Controller)制御で変動させる、請求項1又は2に記載の溶液製造装置。
【請求項4】
前記第1液ラインが、第1液製造部とユースポイントとを接続し、ユースポイントが、複数の洗浄機を有する洗浄装置である、請求項1〜3のいずれかに記載の溶液製造装置。
【請求項5】
前記第1液が超純水であり、前記第2液が金属汚染防止剤を含む液体である、請求項1〜4のいずれかに記載の溶液製造装置。
【請求項6】
第1液が流れる第1液ラインに第2液を添加する工程を備え、前記第2液を添加する工程において、2つ以上の液注配管が用いられ、前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに第2液を常時添加するものである、濃度制御方法。
【請求項7】
前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに添加する第2液の添加量が変動可能とされている、請求項6に記載の濃度制御方法。
【請求項8】
前記第1液ラインは、流量計を備えており、前記第2液の添加量を、流量計の測定値を用いてPLC(Programmable Logic Controller)制御で変動させる、請求項6又は7に記載の濃度制御方法。
【請求項9】
前記第1液ラインが、第1液製造部とユースポイントとを接続し、ユースポイントが、複数の洗浄機を有する洗浄装置である、請求項6〜8のいずれかに記載の濃度制御方法。
【請求項10】
前記第1液が超純水であり、前記第2液が金属汚染防止剤を含む液体である、請求項6〜9のいずれかに記載の濃度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、溶液製造装置及び濃度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等の電子部品の洗浄・リンス工程では、電子部品の金属汚染、帯電、腐食・溶解等を抑制する目的で、各種の薬剤を、超純水に溶解させた水質調整水が、洗浄水・リンス水として使用されている。
特許文献1には、超純水に金属汚染防止剤を添加し、超純水中の微量金属を金属汚染防止剤に吸着させ、これを洗浄液として用いることで、電子部品等の製品の金属汚染を抑制することが記載されている。
【0003】
洗浄水・リンス水は、(超)純水製造装置からの超純水の給水配管(超純水ライン)に、薬剤を水に溶解させた薬液を注入して、所定の濃度に調整した後に、ユースポイントに供給される。超純水ラインに薬液を注入する方法としては、ポンプを用いる方法や薬液タンク内の圧力調整を用いる方法等が実用化されている。目的の洗浄・リンス効果を得るためには、薬剤濃度が常に安定して一定濃度であることが重要である。薬剤濃度が不安定であると、洗浄・リンス後の電子部品の品質に影響を及ぼし、製品歩留まりが悪くなる。
このため、洗浄水・リンス水は、超純水ラインに設けられた流量計や水質調整水の供給配管に設けられた濃度センサー等に連動する制御手段により、薬液の注入量を高度に制御することで、所定の濃度とされる。
ユースポイントでの使用量が一定であれば、超純水ラインの流量も一定となり、所定の濃度となるように薬液を注入することは容易である。
【0004】
一方、複数の洗浄チャンバー内に電子部品をそれぞれ載置し、洗浄プログラムに基づき、洗浄水・リンス水の噴き付け量等を変化させて1枚ずつ洗浄する枚葉式洗浄機をユースポイントとする場合がある。噴き付け量等の変化は、複数のバルブの開閉により、洗浄水・リンス水の供給・停止を制御して行われる。このため、使用量が不規則に変動し、超純水ラインの流量も不規則に変動する。
【0005】
ユースポイントでの使用量に対応して、洗浄水・リンス水を供給するためには、使用量の変動に応じて洗浄水・リンス水を調製し、ユースポイントに供給する制御機構を設ける必要がある。例えば、超純水の給水量を使用量に応じて変化させるとともに、薬剤濃度を所望範囲に収めるために、超純水ラインの流量計のデータを用いたPLC制御等で、薬液の添加制御が行われていた。しかし、超純水ラインの流量が不規則に変動した場合、流量計のデータを用いたPLC制御等による薬液の添加制御のみで対応することは困難であり、調製される洗浄水・リンス水の薬剤成分濃度が不安定となることは避けられない。
特に、複数の洗浄チャンバーを有する枚葉式洗浄機において、不規則な流量変動に十分追随できる薬液の添加制御は実現できておらず、電子部品に注がれる洗浄水・リンス水の薬剤濃度が不安定となり、所定の濃度から大きく乖離することがあった。特に、洗浄水・リンス水が薬剤を極低濃度で含む希薄溶液である場合には、この濃度管理が極めて困難となる。
【0006】
特許文献2には、使用水量が変化する洗浄水・リンス水を、常に一定の薬剤濃度でユースポイントに安定的に供給するために、一定流量の洗浄水・リンス水を一定の条件で連続的に製造する方法が記載されている。この場合、薬剤濃度の安定性は確保できるが、余剰水をそのまま流出させることになる。最近の多チャンバー枚葉洗浄機では、瞬間的に必要になる最大量と最低量の差が大きく、最大量以上の洗浄水を連続供給すると、相当量の余剰水を排出することになり、用排水設備への負担、薬液の過剰使用・排出等のコスト面や環境問題の観点で問題となる。
【0007】
特許文献3には、洗浄水・リンス水の使用量の変動に対応するために、ユースポイントへの洗浄水・リンス水の待機容器となるバッファータンクを設け、一定の流量で供給される洗浄水・リンス水に対して、バッファータンクで流量変動分を吸収するとともに、余剰の洗浄水をバッファータンクから前段に循環したりする方法も知られているが、電子部品の洗浄を行うクリーンルーム内の省スペース化・コスト面から好ましいものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2017−64641号公報
【特許文献2】特開2018−182098号公報
【特許文献3】特開2014−160759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、第1液に第2液を添加して溶液を作製する際に、第1液の急激な流量変動に追随して、溶液の濃度を常に一定に精度よく維持することができる、溶液製造装置及び濃度制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下の溶液製造装置及び濃度制御方法により、上記課題を解決することができる。
[1] 第1液が流れる第1液ラインと、前記第1液ラインに第2液を添加する第2液添加部と、を備え、前記第2液添加部は、第2液の液注配管を2つ以上備え、前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに第2液を常時添加するものである、溶液製造装置。
[2] 前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに添加する第2液の添加量が変動可能とされている、[1]の溶液製造装置。
[3] 前記第1液ラインは、流量計を備えており、前記第2液の添加量を、流量計の測定値を用いてPLC(Programmable Logic Controller)制御で変動させる、[1]又は[2]の溶液製造装置。
[4] 前記第1液ラインが、第1液製造部とユースポイントとを接続し、ユースポイントが、複数の洗浄機を有する洗浄装置である、[1]〜[3]いずれかの溶液製造装置。
[5] 前記第1液が超純水であり、前記第2液が金属汚染防止剤を含む液体である、[1]〜[4]いずれかの溶液製造装置。
[6] 第1液が流れる第1液ラインに第2液を添加する工程を備え、前記第2液を添加する工程において、2つ以上の液注配管が用いられ、前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに第2液を常時添加するものである、濃度制御方法。
[7] 前記液注配管の少なくとも1つは、前記第1液ラインに添加する第2液の添加量が変動可能とされている、[6]に記載の濃度制御方法。
[8] 前記第1液ラインは、流量計を備えており、前記第2液の添加量を、流量計の測定値を用いてPLC(Programmable Logic Controller)制御で変動させる、[6]又は[7]の濃度制御方法。
[9] 前記第1液ラインが、第1液製造部とユースポイントとを接続し、ユースポイントが、複数の洗浄機を有する洗浄装置である、[6]〜[8]いずれかの濃度制御方法。
[10] 前記第1液が超純水であり、前記第2液が金属汚染防止剤を含む液体である、[6]〜[9]いずれかの濃度制御方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、第1液に第2液を添加して溶液を作製する際に、第1液の流量変動に追随して第2液を添加することが可能となり、溶液の濃度を常に一定に精度よく維持することが可能な、溶液製造装置及び濃度制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の溶液製造装置の一実施形態を示す系統図
図2】従来の溶液製造装置の一実施形態を示す系統図
図3】実施例・比較例における溶液濃度安定性
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、本発明の溶液製造装置及び濃度制御方法を説明する。図1は、本発明の溶液製造装置の一実施形態を示す系統図である。
図1に示す溶液製造装置は、第1液製造部5、第1液が定量で流れる第1液ライン1、第1液ライン1に第2液を添加する第2液添加部2、製造された溶液が供給されるユースポイント6、等を備える。
【0014】
<第1液ライン>
第1液ライン1は、第1液製造部5と、ユースポイント6とを接続する。
第1液としては、目的に応じて種々のものが用いられる。例えば、超純水、純水、電解質溶液、気体溶解液、アルコール等があげられる。本発明において電子部品の洗浄液・リンス液を製造する際には、超純水又は純水が用いられる。なお、超純水は、超純水製造装置を用いて水からイオンや非イオン性物質を除去して得られる処理水であって、非抵抗値が18MΩ・cm以上のものである。
第1液ライン1を構成する配管の材質は、種々のものを用いることができるが、通常、フッ素樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン)やクリーンPVC(ポリ塩化ビニル樹脂)などが用いられる。
【0015】
第1液製造部5は、前記第1液を製造する公知のものが用いられる。例えば、超純水を製造する場合には、イオン交換膜、逆浸透膜、限外濾過膜、脱気装置、殺菌装置等を含んでいてもよい。
【0016】
第1液ライン1には、第2液添加部2の上流又は下流に、流量計3が備えられている。流量計3は、瞬間的な流量を測定するものであればどのような形式のものでも用いることができる。例えば、電磁流量計、オーバル形を典型例とするギヤー式流量計、パドル式流量計、超音波流量計、樹脂製の渦流量計等のデジタル流量計が用いられる。デジタル流量計を用いることにより、流量を正確に測定することが可能となり、測定値を用いてPLC(Programmable Logic Controller)4により、精密な制御が可能となる。
【0017】
第1液ライン1は、図1では示されていない、定量ポンプ、定流量弁、流量制御装置等を備えた定量供給装置を備えている。これにより、第1液ライン1は、第1液が一定流量で流れることとなる。
第1液ライン1には、必要に応じて、例えば、図1では示されていない、脱気装置、過酸化水素除去装置、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜等の分離膜を備える分離膜モジュール、中空糸モジュール、ラインミキサー等の撹拌手段等を、第2液添加部2の上流又は下流に設けることができる。
【0018】
<第2液添加部>
第2液添加部2において添加される第2液としては、目的に応じて種々のものが用いられる。例えば、金属汚染防止剤、pH調整剤、酸化還元電位調整剤、電解質、気体等が溶解した水溶液、アルコール等の液状化合物等からなる群より選ばれた1種以上があげられる。本発明においては、金属汚染防止剤、pH調整剤、酸化還元電位調整剤、気体等からなる群より選ばれた1種以上が溶解した水溶液を用いることが好ましく、金属汚染防止剤水溶液がより好ましい。
【0019】
金属汚染防止剤は、イオン交換基を有するポリマーを含有する。イオン交換基としては、金属イオンとイオン交換反応で金属イオンを吸着し得るものであればよく、カルボキシル基、スルホン酸基、4級アンモニウム基、3級アミノ基等からなる群から選ばれる1種以上があげられる。これらのうち、イオン交換反応性の面から、スルホン酸基及び/又は4級アンモニウム基が好ましい。金属陽イオンを吸着する能力はスルホン酸基が優れている。
【0020】
イオン交換基を有するポリマーとしては、具体的には、ポリスチレンスルホン酸(PSA)等のスルホン酸基を有するポリマー、ポリトリメチルベンジルアンモニウム塩、ポリトリメチルスチリルアルキルアンモニウム塩などのポリスチレン系4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム基を有するポリマー等からなる群より選ばれた1種以上があげられる。
イオン交換基を有するポリマーの分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量)は、1万以上であることが好ましい。分子量1万以上のポリマーであれば、イオン交換反応による金属吸着で、汚染防止効果が認められるが、特に低濃度域では、分子量の大きいポリマーの方が上記効果に優れるため、イオン交換基を有するポリマーの分子量は10万以上であることが好ましい。イオン交換基を有するポリマーの分子量は、後述の分離膜による除去効果の面でも、10万以上であることが好ましい。
【0021】
金属汚染防止剤は、半導体、電子部品、精密機器、医療分野等において利用される超純水の製造工程において、除去し得ずにごく微量超純水中に残留して含有される微量金属による汚染を防止するものである。
超純水中の微量金属は、Na、K、Li、Ag等の1価の金属、Mg、Al、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Sr、Cd、Ba、Pb等の2価以上の多価金属であり、これらは、金属イオンとして超純水中に存在している。
通常、各種の製品の洗浄に使用される超純水中の微量金属量は、各金属の濃度として1ng/L以下、例えば0.01〜0.5ng/L程度であり、これらの合計濃度として5ng/L以下、例えば0.01〜1ng/L程度である。
これらの微量金属を、イオン交換基を有するポリマーとのイオン交換反応でイオン交換基を有するポリマーに吸着させることで、製品の金属汚染を防止することができる。本発明の金属汚染防止剤は特に多価金属イオンに対して有効である。
【0022】
超純水への金属汚染防止剤の添加量は、超純水中の微量金属量に応じて適宜決定され、イオン交換基を有するポリマーと超純水中の金属とのイオン交換反応当量比以上となるように添加することが好ましい。また、添加量が多すぎると金属汚染防止剤の処理水側へのリークや滞留に起因する差圧上昇が生じ、また、金属汚染防止剤自体のコストがかかるため、イオン交換反応当量比の1〜20倍、特に1.1〜5倍程度となるように添加することが好ましい。
イオン交換基を有するポリマーとしての添加量が少な過ぎると、イオン交換基を有するポリマーによる汚染防止効果を有効に得ることができず、多過ぎると、それ自体が汚染要因となるおそれがあり、また、金属汚染防止剤溶液が添加された超純水を分離膜モジュールに通水した場合に早期に閉塞しやすくなり好ましくない。
【0023】
第2液添加部は、第2液を第1液ラインに添加するために、2つ以上の第2液の液注配管を備えている。図1では、3つの液注配管22a〜22cを備える実施形態が示されているが、液注配管22の数は、2つ以上であればその数は特に限定されず、溶液濃度の調整精度や、溶液製造装置のコスト等に応じて決定される。
【0024】
図1では、各液注配管22a〜22cは、それぞれが各第2液の貯留タンク23a〜23cと連結しているが、例えば、1つの第2液の貯留タンク23bに複数の液注配管22b及び22cを連結してもよい。また、例えば、図1に示されていない貯留タンク23dを設け、液注配管22cを貯留タンク23cと23dの両者に連結することで、連続して第2液を添加可能とすることもできる。
【0025】
図1では、液注ポンプ21a〜21cを用いて第2液を液注配管22a〜22cから第1液ライン1に添加しているが、これに代えて、第2液の貯留タンク23a〜23cのいずれか1つ以上のタンクに圧力を調整する圧力調整装置(例えば、窒素等の不活性ガスをタンク加圧用ガスとして導入する装置)を設け、圧力調整装置を用いて第2液を圧送して液注配管22a〜22cのいずれかから第1液ライン1に添加するように構成してもよい。圧力調整装置で第2液を圧送して第1液ライン1に添加する場合には、各液注配管22a〜22cは、それぞれが各第2液の貯留タンク23a〜23cと連結されていることが、制御を行う上で好ましい。
【0026】
液注配管22a〜22cを構成する材質は、第1液ライン1と同様のフッ素樹脂やクリーンPVC等を用いることができる。また、各液注配管22a〜22cは、各配管の流路断面積(管の直径)を調整することで、第2液の添加量を調整することも可能である。
【0027】
本発明において、2つ以上の第2液の液注配管の少なくとも1つ(例えば、図1における液注配管22a)は、第1液ラインに第2液を常時添加するものである。常時添加される量は、一定量であってもよく、変化させてもよい。制御が容易であることから、一定量とすることが好ましい。
常時添加される量は、溶液における目標薬剤濃度、貯留タンクにおける第2液の濃度、ユースポイント6における溶液の必要最低量、ユースポイント6における溶液の使用量変化(第1液ライン1の流量変化)等を勘案して定められる。例えば、ユースポイント6において、最小使用量となる溶液を作製するための第2液の添加量を、常時添加する量とすることができる。
【0028】
本発明において、2つ以上の第2液の液注配管の少なくとも1つ(例えば、図1における液注配管22b、22c)は、第1液ライン1の流量に応じて、第2液をゼロから任意の範囲で変動量の第2液を添加するものである。
第1液ライン1の流量に応じて変動する量は、溶液における目標薬剤濃度、貯留タンクにおける第2液の濃度、ユースポイント6における溶液の使用量変化、第1液ライン1の流量変化等を勘案して定められる。例えば、ユースポイント6における溶液の使用量が減少した場合、減少量の溶液を作製するための第2液の添加量分を、液注配管から減少させることができる。
【0029】
特に好ましくは、2つ以上の第2液の液注配管のうち、少なくとも1つの液注配管は、第1液ライン1に一定量の第2液を常時添加するものであり、少なくとも1つの液注配管は、第1液ライン1に添加する第2液の添加量が変動可能とされている。例えば、図1において、液注配管22aは、一定量の第2液を常時第1液ラインに添加し、液注配管22b及び22cは、第1液ラインの流量に応じた量の第2液を添加する。
【0030】
液注配管から第1液ラインへ第2液を添加する際、第1液ラインの流量計の測定値を用い、PLC(Programmable Logic Controller)等により自動制御可能となっている。
図1では、変動する第1液ライン1の流量は、流量計3により測定され、測定値がPLC4に送られる。PLC4は、流量計3、液注ポンプ21a〜21cと電気的に接続されている。PLC4は、流量計3の測定値を用い、出力変更制御及び/又はON−OFF制御により液注ポンプ21b、21cの出力を制御し、液注配管22b、22cから添加される第2液の添加量を制御する。なお、液注ポンプの制御に替えて、貯留タンク23b、23cにそれぞれ設けられる圧力調整装置(図示せず)の制御により、液注配管22b、22cから添加される第2液の添加量を制御してもよい。
【0031】
<ユースポイント>
ユースポイント6は、目的に応じて種々のものとすることができる。本発明において、ユースポイント6は、図1に示す、複数の洗浄機61a〜61eを有する洗浄装置6、特に、電子部品の洗浄装置とすることが好ましい。
図1において、ユースポイント6が複数の洗浄機61a〜61eを有する洗浄装置6である場合、第1液ライン1から、それぞれ分岐管62a〜62e、バルブ63a〜63eを経て、第1液と第2液の混合溶液(洗浄水・リンス水)が各洗浄機61a〜61eに供給され、各洗浄器内に載置された電子部品に噴き付けられて洗浄・リンスされる。溶液を電子部品に噴きつける際には、洗浄プログラムに基づき、各バルブ63a〜63eをそれぞれ開閉し供給・停止を制御することで、洗浄水・リンス水の噴き付け量等を変化させる。
分岐管62a〜62eには、必要に応じて、図示されていないポンプ、フィルター等が設置され、また、リターン配管、ドレン配管等が接続されて分岐していてもよい。
【0032】
図1の溶液製造装置において、第1液ライン1の流量に応じた量の第2液を添加するための制御は、例えば、以下のように行うことができる。
ユースポイント6の洗浄機61a〜61eが備える各バルブ63a〜63eが洗浄プログラムに基づき開閉され、第1液ライン1の流量は急激に変動する。
第1液ラインの流量は、流量計3により測定され、測定値がPLC4に送られる。PLC4は、流量計3の測定値を用い、液注ポンプ21b及び21cの出力について出力変更制御及び/又はON−OFF制御を行い、液注配管22b及び22cから第1液ライン1に添加される第2液の量を個別に制御する。この際、液注ポンプ21aは、常時ONで一定量の第2液を第1液ライン1に添加している。
【0033】
例えば、第1液ライン1において、流量が10〜100L/minで絶えず変動する場合に、第1液である超純水に薬剤濃度10mg/Lの第2液を添加し、薬剤濃度を100mg/Lに一定に維持する場合には、以下のように行うことができる。
第2液の添加量が0.1〜0.3mL/minの範囲となるように制御された液注ポンプ21aを常時ONで稼働させる。
添加量が0.7〜0.9mL/minの範囲となるように制御された液注ポンプ21bと、添加量が0.4〜0.6mL/minの範囲となるように制御された液注ポンプ21cとを、それぞれ独立に出力変更制御及び/又はON−OFF制御する。
ユースポイント6における薬剤濃度は、100mg/Lで一定に維持することができる。
【実施例】
【0034】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0035】
(実施例、比較例)
第1液を超純水、第2液を濃度10mg/Lのポリスチレンスルホン酸(PSA)溶液とした。
流量が10L/min〜100L/minの範囲で変動する第1液ラインに、第2液を添加し、PSA濃度が100mg/Lの溶液を作製した。
実施例に係る溶液製造装置は、3つの第2液の液注配管と、各液注配管に接続されている液注ポンプ(例えば、フロム社製インテリジェントポンプUI−22シリーズ、PEEK使用)を備えている。
比較例に係る溶液製造装置は、1つの第2液の液注配管と、液注配管に接続されている液注ポンプを備えている。
第2液液注ポンプの出力は、第1液が流れる配管が備える流量計の測定値を用いPLC制御により、表1に示すように制御した。
作成された溶液の濃度(PSA濃度)は、図3のようになった。
図3において、▲は、実施例に係る溶液製造装置を用いた際のPSA濃度、□は、比較例に係る溶液製造装置を用いた際のPSA濃度、◆は、流量の変化を表す。
図3において、横軸は時間(分)、左縦軸はPSA濃度、右縦軸は流量である。
【0036】
【表1】
【0037】
図3より、第2液液注ポンプを3つ備える第2液の注液手段を用いた実施例は、第1液の流量が急激に変動した場合であっても、安定して設定値の濃度の溶液を作成できることがわかる。一方、第2液液注ポンプを1つしか備えていない第2液の注液手段を用いた比較例は、第1液の流量が急激に変動した場合に、溶液の濃度が設定値からずれることがわかる。
【符号の説明】
【0038】
1 第1液ライン
2 第2液添加部
21a〜21c 液注ポンプ
22a〜22c 液注配管
23a〜23c 貯留タンク
3 流量計
4 PLC(Programmable Logic Controller)
5 第1液製造部
6 ユースポイント(洗浄装置)
61a〜61e 洗浄機
62a〜62e 分岐管
63a〜63e バルブ
図1
図2
図3