【解決手段】警告装置(100)は、複数の道路ブロック(9_1〜9_n)と、光を発生する光発生部(3)と、前記光発生部で発生した光を前記道路ブロックの外部に出射する光出射部(4)と、対象物を検知する検知部(2)と、前記検知部の検知結果に基づいて前記光発生部による光の発生を制御する制御部(1)と、前記光発生部から発生した光を前記光出射部まで伝搬させる導光路(6)を備え、前記光出射部は、前記光発生部とは異なる前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部が設けられた前記道路ブロックと前記光出射部が設けられた前記道路ブロックとの間に設けられた前記道路ブロックは、外周面に開口を有する内部空間(920)が形成され、前記導光路は、前記内部空間に配策されていることを特徴とする。
複数の道路ブロックと、前記道路ブロックに設けられ、光を発生する光発生部と、前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部で発生した光を前記道路ブロックの外部に出射する光出射部と、前記道路ブロックに設けられ、対象物を検知する検知部と、前記道路ブロックに設けられ、前記検知部の検知結果に基づいて前記光発生部による光の発生を制御する制御部と、少なくとも一つの前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部から発生した光を前記光出射部まで伝搬させる導光路とを備える警告装置の製造方法であって、
前記光出射部は、前記光発生部とは異なる前記道路ブロックに設けられ、
前記光発生部が設けられた前記道路ブロックと前記光出射部が設けられた前記道路ブロックとの間に設けられた前記道路ブロックは、外周面に開口を有する内部空間が形成され、
前記複数の道路ブロックを一列に並べて配置する第1ステップと、
前記導光路を前記道路ブロックの前記開口から前記内部空間に配置する第2ステップと、
を含む警告装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0011】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る警告装置は、複数の道路ブロックと、前記道路ブロックに設けられ、光を発生する光発生部と、前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部で発生した光を前記道路ブロックの外部に出射する光出射部と、前記道路ブロックに設けられ、対象物を検知する検知部と、前記道路ブロックに設けられ、前記検知部の検知結果に基づいて前記光発生部による光の発生を制御する制御部と、前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部から発生した光を前記光出射部まで伝搬させる導光路を備え、前記光出射部は、前記光発生部とは異なる前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部が設けられた前記道路ブロックと前記光出射部が設けられた前記道路ブロックとの間に設けられた前記道路ブロックは、外周面に開口を有する内部空間が形成され、前記導光路は、前記内部空間に配策されていることを特徴とする。
【0012】
〔2〕上記警告装置において、前記光発生部が設けられた前記道路ブロックと前記光出射部が設けられた前記道路ブロックとの間に設けられた前記道路ブロックの前記外周面には、溝が形成され、前記内部空間は、前記溝によって画成されていてもよい。
【0013】
〔3〕上記警告装置において、前記溝は、前記道路ブロックが道路に設置されたときに地面に接する面である下面側に形成されていてもよい。
【0014】
〔4〕上記警告装置において、前記対象物は車両であって、前記制御部は、前記検知部による検知結果に基づいて、所定の位置に前記車両が接近していると判定した場合に、前記光発生部から光を発生させてもよい。
【0015】
〔5〕本発明の代表的な実施の形態に係る方法は、警告装置の製造方法である。警告装置は、複数の道路ブロックと、前記道路ブロックに設けられ、光を発生する光発生部と、前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部で発生した光を前記道路ブロックの外部に出射する光出射部と、前記道路ブロックに設けられ、対象物を検知する検知部と、前記道路ブロックに設けられ、前記検知部の検知結果に基づいて前記光発生部による光の発生を制御する制御部と、少なくとも一つの前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部から発生した光を前記光出射部まで伝搬させる導光路とを備える警告装置の製造方法であって、前記光出射部は、前記光発生部とは異なる前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部が設けられた前記道路ブロックと前記光出射部が設けられた前記道路ブロックとの間に設けられた前記道路ブロックは、外周面に開口を有する内部空間が形成されている。本警告装置の製造方法は、前記複数の道路ブロックを一列に並べて配置する第1ステップと、前記導光路を前記道路ブロックの前記開口から前記内部空間に配置する第2ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
〔6〕上記警告装置の製造方法において、前記光発生部が設けられた前記道路ブロックと前記光出射部が設けられた前記道路ブロックとの間に設けられた前記道路ブロックの前記外周面には、溝が形成されていてもよい。前記第2ステップは、前記溝に前記導光路を配置するステップを含んでいてもよい。
【0017】
〔7〕上記警告装置の製造方法は、前記導光路が配置された前記溝が地中に隠れるように、前記複数の道路ブロックを設置する第3ステップを含んでいてもよい。
【0018】
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0019】
≪実施の形態1≫
図1および
図2は、本発明の実施の形態に係る警告装置の構成を示す図である。
図1には、本実施の形態に係る警告装置100を模式的に示す斜視図が示され、
図2には、本実施の形態に係る警告装置100を模式的に示す側面図が示されている。
【0020】
警告装置100は、所定の対象物が接近していることを警告する装置である。
ここで、所定の対象物は、例えば、車両である。車両には、自動車やトラック、路面電車、自動二輪車、原動機付自転車等の動力を有する車両の他に、動力を有さない自転車等を含む。
【0021】
図1に示すように警告装置100は、例えば、車道200と歩道300との境界に道路ブロックとして配置される。すなわち、警告装置100は、警告機能を有する道路ブロックである。
【0022】
警告装置100は、一列に並べて配置された複数の道路ブロックとして配置される。例えば、警告装置100は、交差点付近に道路ブロックとして配置される。
【0023】
警告装置100は、車両(対象物)を検知して光を発することにより、交差点や横断歩道の周辺にいる歩行者や自転車に乗っている人等に対して、車両が接近していることを警告する。警告装置100は、例えば、無電柱化により道路の地下空間に形成された共同溝に通信線等とまとめて配策された電力線から電力供給を受けることにより、動作可能となっている。
【0024】
図3は、実施の形態1に係る警告装置100の機能ブロック構成を示す図である。
図3に示すように、警告装置100は、制御部1、検知部2、光発生部3、光出射部4、導光路6,7を有している。
【0025】
警告装置100において、光発生部3は、光出射部4が設置される道路ブロックとは異なる道路ブロック9に設けられている。例えば、
図1,2に示すように、路面に一列に並んで設置される複数の道路ブロック9_1〜9_n(nは2以上の整数)のうち、交差点の近傍に配置される道路ブロック9_1に光出射部4が設けられ、道路ブロック9_nに制御部1、検知部2、および光発生部3が設けられている。
【0026】
なお、以下の説明において、道路ブロック9_1〜9_n等のサフィックスが付された要素について、それぞれの要素を区別しない場合には、「道路ブロック9」等とサフィックスを付けずに表記する場合がある。
【0027】
道路ブロック9は、路面に設置される縁石用のブロックであり、例えば、コンクリートによって構成されている。
図1,2に示すように、道路ブロック9は、例えば、角柱状に形成されている。道路ブロック9は、例えば、道路ブロック9の長手方向から見た断面形状が矩形状(例えば正方形状や台形状)に形成されている。
【0028】
図2に示すように、制御部1および光発生部3は、道路ブロック9_nの内部に形成された収容空間90に配置されている。検知部2は、例えば道路ブロック9_nの上面、すなわち道路ブロック9が路面に設置されたときに路面に垂直な方向に面する上面901上に設置されている。道路ブロック9_nには、道路ブロック9_nの上面901と収容空間90とを連通する穴が形成されており、その穴に挿通された電線(例えばリード線)5によって、検知部2と制御部1とが電気的に接続されている。
【0029】
検知部2は、対象物の接近を検知する機能部である。検知部2は、周辺に存在する対象物を検出可能なセンサ装置を有している。
【0030】
センサ装置としては、例えば、振動を検出する振動センサ装置、マイクロフォン等を搭載した集音式車両感知器、超音波式車両感知器、電波式車両感知器、赤外線式車両感知器、および光学式車両感知器等の従来から知られている車両感知器を採用することができる。
【0031】
ここで、超音波式車両感知器は、車両に向けて間欠的に発射された超音波の反射波に基づいて車両を検知する装置である。電波式車両感知器は、車両に向けて間欠的に発射されたマイクロ波やミリ波等の電波の反射波に基づいて車両を検知する装置である。赤外線式車両感知器は、走行する車両の赤外線を感知して車両を検出する装置である。光学式車両感知器は、光ビーコンやレーダ等の光(例えば近赤外線等)を利用して車両を検知する装置である。
【0032】
また、センサ装置として、車両に搭載された端末と無線通信を行うことによって、車両の走行位置の情報等を取得可能な無線通信機器を採用することも可能である。
【0033】
光発生部3は、光を発生させる機能部であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の可視光を発生させる光源を含んで構成されている。なお、光源としては、LEDに限定されず、可視光を発生させる種々の装置を用いることが可能である。
【0034】
光出射部4は、光発生部3で発生した光(可視光)を道路ブロック9_1の外部に出射する機能部である。光出射部4は、例えば、光を透過させる光透過部材と、光発生部3で発生した光を上記光透過部材に導く公知の反射材等から構成されている。上記光透過部材は、例えば、アクリル樹脂等の可視光を透過する透明材料によって形成されている。
【0035】
図1,2に示すように、光出射部4は、道路ブロック9_1に配置されている。光出射部4は、光発生部3から入射された光を道路ブロック9_1の外部に出射するために、上記光透過部材の一部が道路ブロック9から露出するように、道路ブロック9_1に配置されている。例えば、
図1、2に示すように、道路ブロック9_1の側面、すなわち道路ブロック9_1が路面に設置されたときに車道200側または歩道300側に面する面において、上記光透過部材の一部が露出するように、光出射部4が道路ブロック9_1に配置される。より具体的には、道路ブロック9_1の外周面(例えば側面)に開口部91が形成されており、その開口部91から光出射部4の上述した透明部材の一部が外部に露出している。
【0036】
制御部1は、警告装置100を構成する各機能部の統括的な制御を行う機能部である。具体的に、制御部1は、検知部2の検知結果に基づいて、光発生部3による光(可視光)の発生を制御する。
【0037】
制御部1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、インターフェース回路等の種々の周辺回路とを含むマイクロコントローラ(プログラム処理装置)や、光発生部3としての光源(LED等)を駆動する駆動回路等がプリント基板に実装された状態で金属等から成る筐体に収容されることにより、実現されている。
【0038】
制御部1は、検知部2による検知結果に基づいて、所定の位置に対象物(車両)が接近していると判定した場合に、光出射部4から光を発生させる。
【0039】
ここで、所定の位置とは、例えば、光出射部4が設けられた道路ブロック9_1である。
【0040】
図4は、制御部1の機能ブロック構成を示す図である。
図4に示すように、制御部1は、検知結果取得部11、判定部12、および発光制御部13を有する。これらの機能ブロックは、上述した制御部1を構成する各ハードウェア資源がソフトウェアと協働することによって実現される。例えば、制御部1の構成要素であるプロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、周辺回路等を制御することにより、実現される。
【0041】
検知結果取得部11は、検知部2による検知結果を取得する機能部である。
判定部12は、検知結果取得部11によって取得された検知部2の検知結果に基づいて、車両が所定の位置に接近しているか否かを判定する機能部である。例えば、検知部2が振動センサである場合、判定部12は、振動センサによって検知された振動量が所定値以上であるときに、車両が所定の位置(道路ブロック9_1)に接近していると判定する。
【0042】
発光制御部13は、判定部12の判定結果に基づいて光発生部3を駆動することにより、光の発生を制御する機能部である。発光制御部13は、通常時には、光発生部3による光の発生を停止し、判定部12によって車両が所定の位置(道路ブロック9_1)に接近していると判定された場合に、光発生部3を駆動して光を発生させる。光発生部3から発生した光(可視光)は、導光路6,7を伝搬し、光出射部4から出射される。
【0043】
導光路6は、光発生部3と光出射部4とを光学的に接続するための部品である。導光路6としては、入射口から入射された光を全反射によって伝搬させて出射口から出射させる光デバイスを用いることができる。この光デバイスとしては、プラスチック等の樹脂から構成された光パイプや光ファイバ等をシリコン等から成る柔軟性があるチューブ内に収容したもの等を例示することができる。
【0044】
導光路6は、複数の道路ブロック9内に配置され、光発生部3から発生した光を光出射部4まで伝搬させる。
【0045】
図5は、道路ブロック9の断面を模式的に示す図である。
図6は、道路ブロック9の上面を模式的に示す図である。
図5には、
図2に示した警告装置100Aにおける道路ブロック9_3のA−A断面が示されている。
図6には、
図2における方向Sから見た警告装置100Aの一部が示されている。
【0046】
図5,6に示すように、光発生部3が設けられた道路ブロック9_1と光出射部4が設けられた道路ブロック9_nとの間に設けられた道路ブロック9_2〜9_n−1には、外周面に開口を有する内部空間920が形成されている。具体的には、道路ブロック9_2〜9_n−1の外周面に溝92が形成され、溝92によって内部空間920が画成されている。
【0047】
図5,6に示すように、溝92は、道路ブロック9_2〜9_n−1の側面、すなわち道路ブロック9_2〜9_n−1が道路に設置されたときに車道200側に面する側面902、または歩道300側に面する側面903に、道路ブロック9の延在する方向に沿って形成されている。なお、
図5,6には、一例として、道路ブロック9の側面902側に溝92が形成された場合が示されている。
【0048】
溝92は、道路ブロック9の高さ方向の中心線Qよりも下側に形成されている。溝92は、道路ブロック9が道路に設置されたときに地面に接する面である下面904側に形成されていることが好ましい。すなわち、
図5に示すように、溝92は、道路ブロック9の側面902または側面903における下面904側に、道路ブロック9の長手方向に沿って形成されていることが好ましい。
【0049】
導光路6は、溝92によって形成された道路ブロック9の内部空間920に配置されている。内部空間920は、導光路6を収容するための空間である。溝92の開口部の幅wは、導光路6を内部空間920に収容可能な大きさを有している。例えば、溝92の開口部は、シリコンチューブ等の外被が弾性材料から成る導光路6を溝92の開口部から嵌め込み可能な幅wを有していることが好ましい。
【0050】
図2に示すように、導光路6は、制御部1、検知部2、および光発生部3が設置された道路ブロック9_nから光出射部4が設置された道路ブロック9_1に亘って延在している。すなわち、導光路6は、各道路ブロック9_2〜9_n−1に形成された複数の内部空間920に配策され、光発生部3と光出射部4とを光学的に接続している。
【0051】
具体的に、導光路6の一端は、光発生部3における光の出力部に接続されている。導光路6の他端は、光出射部4における光の入力部に接続されている。例えば、光出射部4が配置される道路ブロック9_1には、光出射部4における光の入力部から溝92の底面まで配策された別の導光路7が設けられている。導光路7は、例えば、プラスチック等の樹脂から構成された光パイプや光ファイバ等である。導光路6の他端は、この導光路7を介して、光出射部4における光の入力部に接続されている。
【0052】
図7は、実施の形態1に係る警告装置100の設置例を示す図である。
例えば
図7に示すように、警告装置100の光出射部4は、交差点400に近い位置の道路ブロック9_1に配置され、制御部1、検知部2、および光発生部3は、道路ブロック9_1と同列に配置された他の道路ブロック9_nに配置され、導光路6は、各道路ブロック9_2〜9_n−1の内部空間920に収容されている。
【0053】
警告装置100は、例えば、
図7におけるA方向から道路ブロック9_1に接近する車両900を検知して警告(光)を発する。
【0054】
例えば、検知部2として、超音波式車両感知器、電波式車両感知器、赤外線式車両感知器、および光学式車両感知器等のセンサ装置を採用する場合には、道路のA方向に向かって信号(光信号または電波)の送受信が可能になるように、検知部2の設置場所や向きを適切に定める。これにより、A方向から接近する車両900を高精度に検知することが可能となる。
【0055】
また、検知部2として、振動センサ装置や集音式車両感知器を採用した場合には、以下の手法により、A方向から道路ブロック9_1に接近する車両900を検知することが可能となる。
【0056】
例えば、
図7に示すように、車道200に車両通過検知部201を形成しておき、車両900が車両通過検知部201を通過したときに、車両900が一般の道路を走行するときに発生する振動(または音)よりも大きな振動(または音)を発生させる。
【0057】
ここで、車両通過検知部201は、例えば、車道200に形成された溝や段差等である。
【0058】
検知部2が配置される位置Pを基準とした場合、車道200の延在方向における一方の側に形成する車両通過検知部201の個数と、車道200の延在方向における一方の側に形成する車両通過検知部201の個数を互いに相違させる。
【0059】
例えば、
図7に示すように、検知部2が配置される位置Pを基準として車道200の延在方向における一方の側に、2つの車両通過検知部201を形成するとともに、車道200の延在方向の他方の側に、例えば1つの車両通過検知部201を形成する。
【0060】
上述のように、車道200に車両通過検知部201を形成した場合、A方向から接近する車両900は2つの車両通過検知部201を通過するので、大きな振動(または音)が二回連続して発生する。一方、B方向から接近する車両900は1つの車両通過検知部201を通過するので、大きな振動(または音)が一回だけ発生する。
【0061】
制御部1の判定部12は、検知部2によって検出された所定の閾値を超える振動または音の発生回数を判定することにより、車両900が接近する方向を特定する。上述の例の場合、判定部12は、所定の時間内に所定の閾値を超える振動または音が二回連続して発生した場合に、A方向から車両900が接近していると判定することができる。制御部1の発光制御部13は、判定部12によってA方向から車両900が接近していると判定された場合に、光発生部3を駆動して光を発生させる。光発生部3によって発生した光は、導光路6,7を伝搬して光出射部4から出射される。
【0062】
このように、上記の手法によれば、警告装置100は、特定の方向から接近する車両900を検知した場合に、警告(光)を発することができる。
【0063】
次に、実施の形態1に係る警告装置の製造方法について説明する。
図8は、実施の形態1に係る警告装置100の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【0064】
図8に示すように、先ず、警告装置100を構成する道路ブロック9_1〜9_nを準備する(ステップS1)。具体的には、光出射部4が設けられた道路ブロック9_1と、溝92が形成された道路ブロック9_2〜9_n−1と、制御部1、検知部2、および光発生部3が設けられた道路ブロック9_nとを準備する。
【0065】
次に、ステップS1で準備した道路ブロック9_1〜9_nを、縁石の設置予定場所に配置する(ステップS2)。このとき、例えば、縁石の設置予定場所を掘削し、路面よりも低い位置に道路ブロック9_1〜9_nを一列に並べる。
【0066】
次に、導光路6を設置する(ステップS3)。具体的には、ステップS2で並べた道路ブロック9_1〜9_nの各溝92に導光路6をはめ込んで、道路ブロック9_1〜9_nにおいて連通する複数の内部空間920に導光路6を配置する。このとき、導光路6の一端を道路ブロック9_1に設置された光発生部3における光の出力部に接続し、導光路6の他端を道路ブロック9_nに設置された光出射部4に接続された導光路7に接続する。これにより、光発生部3と光出射部4とを、導光路6,7を介して光学的に接続することができる。
【0067】
次に、道路ブロック9_1〜9_nを固定する(ステップS5)。
【0068】
図9は、道路ブロック9_1〜9_nの設置例を示す図である。
図9に示すように、ステップS5では、例えば、道路ブロック9_1〜9_nの導光路6を収容した溝92が地中に隠れるように、道路ブロック9_1〜9_nの周囲の掘削された路面をアスファルトで舗装する。これにより、導光路6が路面Gに露出することなく、警告装置100を設置することができる。
【0069】
以上、実施の形態1に係る警告装置100は、複数の道路ブロック9_1〜9_nと、光を発生する光発生部3と、光発生部3で発生した光を道路ブロック9の外部に出射する光出射部4と、対象物を検知する検知部2と、検知部2の検知結果に基づいて光発生部3による光の発生を制御する制御部1と、光発生部3から発生した光を光出射部4まで伝搬させる導光路6とを備え、制御部1、検知部2、光発生部3、および光出射部4は、道路ブロック9にそれぞれ設けられている。
【0070】
これによれば、検知部2によって対象物としての車両900が道路ブロック9_1に接近したことが検知された場合に、道路ブロック9_1から光を発して、道路ブロック9_1の周辺に存在する歩行者等に、車両が接近していることを警告することが可能となる。これにより、従来の照明付きの道路ブロック等に比べて、車両と歩行者との接触事故等の交通事故の抑止効果を高めることが可能となる。
【0071】
また、実施の形態1に係る警告装置100において、光発生部3と光出射部4とは、複数の道路ブロック9_1〜9_nのうち互いに異なる道路ブロック9にそれぞれ設けられ、複数の道路ブロック9内に配置された導光路6によって互いに光学的に接続されている。
【0072】
これによれば、車両を検知するための検知部2と警告(光)を発する光出射部4とを離して配置することができるので、検知部2と光出射部4とをそれぞれ適切な場所に配置することが可能となる。例えば、
図7に示したように、光出射部4を交差点400に近い位置の道路ブロック9_1に配置し、検知部2を交差点400から離れた位置の道路ブロック9_nに配置する。これによれば、交差点に近づいてくる車両を事前に検知して、車両が交差点に到達するタイミングよりも十分に早いタイミングにおいて、交差点の周辺に存在する歩行者等に警告することが可能となり、交通事故の抑止効果を更に高めることが可能となる。
【0073】
また、電力の供給を受けることによって動作する制御部1、検知部2、および光発生部3を、光出射部4とは異なる場所、例えば、既存の街灯等の地上に設置された電気設備の近くに配置することができる。これによれば、既存の電気設備のために地下空間に配策されている電源配線から制御部1、検知部2、および光発生部3に電力を供給することが可能になるので、警告装置100を設置することによる、電源配線の配策工事の手間や費用等を抑えることが可能となる。
【0074】
また、警告装置100において、導光路6は、光発生部3が設けられた道路ブロック9_nと光出射部4が設けられた道路ブロック9_1との間に設けられた道路ブロック9_2〜9_n−1に形成された、外周面に開口を有する内部空間920に配置されている。
【0075】
これによれば、
図9に示したように、縁石としての警告装置100の設置場所に道路ブロック9_1〜9_nを一列に並べた後に、導光路6を内部空間920に設置することが可能となるので、道路ブロック9_1〜9_nとしてのコンクリートの成形時に導光路6を組み込む必要がない。
【0076】
また、本実施の形態に係る警告装置100では、道路ブロック9_2〜9_n−1の側面902または側面903に溝92を形成し、その溝92によって道路ブロック9_1〜9_nに内部空間920を画成している。これによれば、溝92に導光路6を嵌め込むことによって、容易に導光路6を内部空間920に収容することが可能となる。
【0077】
また、本実施の形態に係る警告装置100によれば、道路ブロック9_1〜9_nの設置工事において、光発生部3と光出射部4との間の光軸の位置合わせが不要となる。例えば、仮に、道路ブロック9毎に導光路を分割して設け、分割された複数の導光路を直列に接続して、光発生部3と光出射部4とを光学的に接続する場合を考える。この場合、道路ブロック9_1〜9_nの設置工事において、分割された各導光路の光軸が一致するように、道路ブロック9_1〜9_nの位置決めをする必要があり、道路ブロック9_1〜9_nの設置作業に手間がかかる。これに対し、本実施の形態に係る警告装置100によれば、道路ブロック9_1〜9_nの設置工事において、道路ブロック9_1〜9_nを一列に並べた後に、一本の導光路6を各道路ブロック9_2〜9_n−1の溝92(内部空間920)に嵌め込めばよいので、光軸の位置合わせを行うことなく、光発生部3と光出射部4とを光学的に接続することが容易となる。
【0078】
このように、実施の形態1に係る警告装置100によれば、道路ブロック9_1〜9_nとしてのコンクリートの成形時に導光路6を組み込む必要がなく、且つ道路ブロック9_1〜9_nの設置工事における光発生部3と光出射部4との間の光軸の位置合わせが不要となるので、警告装置100の製造および設置作業のコストを抑えることが可能となる。
【0079】
また、
図5に示したように、導光路6を収容するための溝92は、道路ブロック9の高さ方向の中心線Qよりも下面904側に形成されていることが好ましい。これによれば、
図9に示したように、道路ブロック9_1〜9_nを道路に設置したときに、道路ブロック9_1〜9_nの導光路6を収容した溝92が地中に埋設されるので、導光路6が路面に露出しない。これによれば、導光路6が外部に露出することによる導光路6の破損や劣化等を防止することができ、より信頼性の高い警告装置100を実現することが可能となる。
【0080】
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、所定の対象物が車両である場合を例示したが、これに限られない。例えば、所定の対象物は、歩行者(人)であってもよい。例えば
図10に示す警告装置100Aのように、交差点400に近い位置の道路ブロック9_1に少なくとも検知部2を配置し、交差点から離れた位置の道路ブロック9_nに光出射部4を配置する。これによれば、A方向から交差点に接近する車両に対して、交差点付近に歩行者800が存在することを事前に警告することが可能となる。