【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成31年3月28日 https://rfic−ieee.org/technical−program/technical−sessions#2019−06−03 (RFIC2019 Technical Sessions,RMo3C−5:A−40−dBc Integrated−Phase−Noise 45−GHz Sub−Sampling PLL with 3.9−dBm Output and 2.1% DC−to−RF Efficiency アブストラクト)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、総務省、「テラヘルツ波デバイス基盤技術の研究開発−300GHz帯シリコン半導体CMOSトランシーバ技術−」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【解決手段】与えられた制御電圧に応じた周波数で発振して差動の発振信号を出力する電圧制御発振器5は、ゲートとドレインとがキャパシタ53A、53Bを介して互いにクロス接続された一対のトランジスタM1、M2と、一対のトランジスタM1、M2のドレイン間に接続され、制御電圧により静電容量が変化するバラクタ54と、一対のトランジスタM1、M2の各ドレインと差動の発振信号の出力端子56A、56Bとの間に接続され、一対のトランジスタM1、M2の発振周波数の高調波に共振する一対の高調波共振器51A、51Bとを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
≪サブサンプリング位相同期回路の実施形態≫
図1は、本発明の一実施形態に係る電圧制御発振器を備えたサブサンプリング位相同期回路(SSPLL)のブロック図である。本実施形態に係るSSPLL10は、1/2分周器1Aと、1/6分周器1Bと、位相周波数比較器(PFD)2と、チャージポンプ(CP)3と、ループフィルタ(LF)4と、電圧制御発振器(VCO)5と、注入同期周波数分周器(ILFD)6Aと、1/3分周器6Bと、1/N分周期6Cと、2つのサブサンプリング位相比較器(SSPD)7Aおよび7Bと、2つのサブサンプリングチャージポンプ(SSCP)8Aおよび8Bとを備えている。これら回路要素は半導体チップ上に形成することができる。例えば、SSPLL10は、入力された1.4GHzの基準発振信号REFの周波数を逓倍して45GHzの差動の発振信号OUT/OUTBを出力する。
【0011】
1/2分周器1Aは、入力されたREFを1/2分周して差動の分周基準クロック信号を出力する回路要素である。1/2分周器1Aから出力される分周基準クロック信号のデューティー比は50%であることが好ましい。なお、そのようなディーティー比50%のクロック信号を出力する1/2分周器1Aは、フリップフロップ回路を用いた2進カウンタなどで容易に構成することができる。1/6分周器1Bは、1/2分周器1Aから出力される差動の分周基準クロック信号を受けてそれをさらに1/6分周する回路要素である。
【0012】
PFD2は、1/6分周器1Bから出力される分周基準クロック信号(この信号はREFを1/12分周した信号である。)および1/N分周器6Cから出力される分周帰還発振信号(この信号はOUT/OUTBを1/12N分周した信号である。)を受け、これら信号の位相差に応じた位相差パルス信号を出力する回路要素である。
【0013】
CP3は、PFD2から出力される位相差パルス信号を受け、その位相差パルス信号に応じた電流を出力する回路要素である。LF4は、CP3さらにはSSCP8Aおよび8Bから出力される電流を電圧に変換する回路要素である。具体的には、LF4は、抵抗素子およびキャパシタから構成されるローパスフィルタで構成することができる。
【0014】
VCO5は、与えられた制御電圧に応じた周波数で発振して差動の発振信号OUT/OUTBを出力する回路要素である。LF4によって変換された電圧がVCO5の制御電圧としてVCO5に与えられる。
【0015】
ILFD6Aは、VCO5から帰還された差動の帰還発振信号を受けてそれを分周する回路要素である。すなわち、ILFD6Aは、VCO5が生成する発振信号をPFD2へフィードバックするためのプリスケーラの役割を果たす。ILFD6Aの分周比は例えば4である。なお、差動の帰還発振信号はVCO5から出力される差動の発振信号OUT/OUTBそのものではなく、VCO5の内部から引き出した,発振信号OUT/OUTBとは別の信号である。
【0016】
1/3分周器6Bは、ILFD6Aから出力される分周帰還発振信号を受けてそれをさらに1/3分周する回路要素である。1/N分周器6Cは、1/3分周器6Bから出力される分周帰還発振信号を受けてそれをさらに1/N分周する回路要素である。1/N分周器6Cの分周比Nは、例えば、32、33、34、35の中から任意の値を適宜選択して切り替えることができるようになっている。
【0017】
SSPD7Aは、1/2分周器1Aから出力される差動の分周基準クロック信号の一方(便宜上、この信号を差動の分周基準クロック信号の正相信号と称する。)およびVCO5から帰還される差動の帰還発振信号(この信号はILFD6Aに入力される信号と同じである。)が入力され、当該正相信号と差動の帰還発振信号との位相差を表す位相差信号および当該正相信号とオーバーラップしないパルスPulを出力する回路要素である。SSPD7Bは、1/2分周器1Aから出力される差動の分周基準クロック信号の他方(便宜上、この信号を差動の分周基準クロック信号の逆相信号と称する。)およびVCO5から帰還される差動の帰還発振信号(この信号はILFD6Aに入力される信号と同じである。)が入力され、当該逆相信号と差動の帰還発振信号との位相差を表す位相差信号および当該逆相信号とオーバーラップしないパルスPulを出力する回路要素である。
【0018】
SSCP8Aは、SSPD7Aから位相差信号およびパルスPulが入力され、パルスPulがオンの期間に当該位相差信号に応じた電流を出力する回路要素である。SSCP8Bは、SSPD7Bから位相差信号およびパルスPulが入力され、パルスPulがオンの期間に当該位相差信号に応じた電流を出力する回路要素である。すなわち、SSCP8Aは分周基準クロック信号の正相信号と帰還発振信号との位相差に応じた電流を出力し、SSCP8Bは分周基準クロック信号の逆相信号と帰還発振信号との位相差に応じた電流を出力する。そして、SSCP8Aおよび8Bから出力された電流はLF4により電圧に変換されてVCO5の制御電圧となる。
【0019】
図2は、SSPLL10におけるサブサンプリング位相比較に係る部分の回路図である。SSPD7Aおよび7Bは、6個のトランジスタM1ないしM6と、キャパシタ71Aおよび71Bと、パルサ発生器72とを備えている。トランジスタM1のソース、トランジスタM2のソースおよびトランジスタM3のドレインが互いに接続され、トランジスタM1のドレインにVCO5から帰還される差動の帰還発振信号の一方であるSSPD
INが接続され、トランジスタM2のトレインにVCO5から帰還される差動の帰還発振信号の他方であるSSPD
INBが接続され、トランジスタM2のゲートが接地され、SSPD7AにおいてはトランジスタM1のゲートに1/2分周器1Aから出力される差動の分周基準クロック信号の逆相信号CKBが接続され、トランジスタM3のゲートに1/2分周器1Aから出力される差動の分周基準クロック信号の正相信号CKが接続され、SSPD7BにおいてはトランジスタM1のゲートにCKが接続され、トランジスタM3のゲートにCKBが接続される。トランジスタM4のソース、トランジスタM5のソースおよびトランジスタM6のドレインが互いに接続され、トランジスタM4のドレインにSSPD
INBが接続され、トランジスタM5のトレインにSSPD
INが接続され、トランジスタM5のゲートが接地され、SSPD7AにおいてはトランジスタM4のゲートにCKBが接続され、トランジスタM6のゲートにCKが接続され、SSPD7BにおいてはトランジスタM4のゲートにCKが接続され、トランジスタM6のゲートにCKBが接続される。キャパシタ71Aおよび71Bの一端はトランジスタM3およびM6の各ソースに接続され、他端は接地されている。SSPD7Aにおいてキャパシタ71Aおよび71Bにチャージされた電圧信号V
samP/V
samNがCKとSSPD
IN/SSPD
INBとの位相差を表す位相信号としてSSCP8Aに与えられ、SSPD7Bにおいてキャパシタ71Aおよび71Bにチャージされた電圧信号V
samP/V
samNがCKBとSSPD
IN/SSPD
INBとの位相差を表す位相信号としてSSCP8Bに与えられる。パルサ発生器72は、SSPD7AにおいてはCKの遅延信号からPulを生成し、SSPD7BにおいてはCKBの遅延信号からPulを生成する回路要素である。
【0020】
−動作および効果−
上記構成のSSPLL10の動作は概ね次の通りである。動作開始時や1/N分周器6Cの分周比の切り替え時などにおいてREFとOUT/OUTBとの位相差が比較的大きい場合には、1/2分周器1A、1/6分周器1B、PFD2、CP3、LF4、VCO5、ILFD6A、1/3分周器6Bおよび1/N分周器6Cからなる部分、すなわち、VCO5の出力を分周して帰還させるループが主に機能してOUT/OUTBの位相がREFの位相と概ね一致するようにVCO5がフィードバック制御される。これにより、SSPLL10は一般的なPLLと同じ位相ロック動作をし、位相同期動作の初期においてループゲインを高くすることができる。
【0021】
OUT/OUTBの位相がREFの位相と概ね一致するようになると、今度は1/2分周器1A、SSPD7Aおよび7B、SSCP8Aおよび8B、LF4およびVCO5からなる部分、すなわち、VCO5の出力を分周器を介さずにそのまま帰還させるループが主に機能してOUT/OUTBの位相がREFの位相と一致するようにVCO5がフィードバック制御される。このとき、SSPD7AおよびSSCP8AからなるSSPD&CPおよびSSPD7BおよびSSCP8BからなるSSPD&CPの個々はそれぞれREFを1/2分周したCKおよびCKBに同期してサブサンプリング動作をするが、これら2つのSSPD&CPが相補的に動作することで、SSPD7Aおよび7BおよびSSCP8Aおよび8Bは全体として擬似的にCK/CKBの倍の周波数、すなわち、実質的にREFに位相同期してサブサンプリング動作をする。一般にSSPLLのインバンド位相ノイズは基準クロック信号の周波数およびPulのパルス幅に反比例し、ループゲインは基準クロック信号の周波数に比例する。SSPLL10は初段に1/2分周器1Aを配置してREFを1/2分周しているが、上記2つのSSPD&CPが全体としてCK/CKBの倍の周波数でサンプリング動作するため、SSPLL10はREFを1/2分周した影響を受けずにインバンド位相ノイズを下げるとともにループゲインを向上させることができる。
【0022】
≪電圧制御発振器の実施形態≫
一般に、VCOの位相ノイズSは次のLeeson式で表すことができる。
ここで、Fは経験的パラメータ、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、P
Sはタンク回路の抵抗成分による平均損失電力、f
0は発振周波数、Δfはキャリア周波数からのオフセット周波数、Δf
1/f3は3次高調波1/f
3領域と2次高調波1/f
2領域との境界であるコーナー周波数、Q
Lはタンク回路の負荷Q値である。この式から、VCOの位相ノイズS(Δf)を下げるには、P
Sを大きくし、Δf
1/f3を下げればよいことがわかる。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態に係る電圧制御発振器の回路図である。概して、本実施形態に係るVCO5は、一対のトランジスタM1およびM2と、一対の高調波共振器51Aおよび51Bと、一対のバッファ52Aおよび52Bとを備えている。トランジスタM1およびM2のゲートとドレインとがキャパシタ53Aおよび53Bを介して互いにクロス接続され、各ゲートにはバイアス電圧V
gが印加されている。トランジスタM1およびM2のドレイン間にはバラクタ54が接続されている。バラクタ54は印加される電圧により静電容量が変化する回路要素である。バラクタ54にはLF4から出力されるVCO5の制御電圧V
tuneが印加される。トランジスタM1およびM2のゲート間には別のバラクタ55が接続されている。バラクタ55には2ビット制御電圧が印加される。トランジスタM1およびM2、キャパシタ53Aおよび53Bおよびバラクタ54および55からなる部分はタンク回路として機能して発振動作をする。V
tuneによりバラクタ54の静電容量を変化させることでトランジスタM1およびM2の発振動作が変化し、VCO5の発振周波数を制御することができる。また、バラクタ55のビット制御電圧を適宜設定することでVCO5の発振を粗調整することができる。なお、トランジスタM1およびM2には大型のもの(例えば、138.2μm/40nmサイズのもの)を採用して、高調波信号が大きなパワーで出力されるようにすることが好ましい。キャパシタ53Aおよび53Bの静電容量は、例えば、155fFである。
【0024】
高調波共振器51Aおよび51Bは、トランジスタM1およびM2の発振周波数の高調波(ここでは2次高調波)に共振する回路要素である。すなわち、高調波共振器51Aおよび51Bは逆F級動作をする共振器である。高調波共振器51Aは、トランジスタM1のドレインとOUTの出力端子56Aとの間に接続されている。高調波共振器51Bは、トランジスタM2のドレインとOUTBの出力端子56Bとの間に接続されている。具体的には、高調波共振器51Aおよび51Bは、キャパシタ511と、複数のオンチップ伝送ラインL1、L2、L3およびL4とを備えている。キャパシタ511はトランジスタM1およびM2の各ドレインに接続されている。トランジスタM1およびM2の各ドレインにはラインL1も接続されており、ラインL1を通じてトランジスタM1およびM2の各ドレインにバイアス電圧V
dが印加される。ラインL2、L3およびL4は一端が互いに接続されており、ラインL2の他端はキャパシタ511に接続され、ラインL3の他端はオープンにされ、ラインL4の他端は各出力端子56Aおよび56Bに接続されている。このラインL4により、VCO5と各出力端子56Aおよび56Bに接続された負荷Z
Lとのインピーダンスマッチングを最適化することができる。各線路長は、例えば、ラインL1が551μm(λ
0/6相当)、ラインL2が284μm(λ
0/12相当)、ラインL3が416μm(λ
0/8相当)、ラインL4が95μmである。なお、ラインL4の他端にパッド59が接続されているがこれは単に信号測定用に設けたに過ぎない。
【0025】
図4は、高調波共振器51Aおよび51Bの入力インピーダンス、すなわち、トランジスタM1およびM2から見た高調波共振器51Aおよび51Bのインピーダンスのシミュレーション結果を示すグラフである。高調波共振器51Aおよび51Bの入力インピーダンスZ
inが基本周波数f
0の倍の周波数2f
0付近で急峻に高くなっており、高調波共振器51Aおよび51Bが逆F級動作をしていることがわかる。
【0026】
図3に戻り、バッファ52Aおよび52Bは、トランジスタM1およびM2の各ドレインから信号を受けて差動の帰還発振信号を出力する回路要素である。バッファ52AはトランジスタM1のドレインに接続されており、トランジスタM1のドレインから信号を受けてILFD6Aの差動入力の一方であるILFD
INおよびSSPD7Aおよび7Bの差動入力の一方であるSSPD
INを出力する。バッファ52BはトランジスタM2のドレインに接続されており、トランジスタM2のドレインから信号を受けてILFD6Aの差動入力の他方であるILFD
INBおよびSSPD7Aおよび7Bの差動入力の他方であるSSPD
INBを出力する。
【0027】
−動作および効果−
上記構成のVCO5の動作は概ね次の通りである。トレインとゲートとが互いにクロス接続されたトランジスタM1およびM2がキャパシタ53Aおよび53Bおよびバラクタ54および55の各静電容量で決まる周波数で発振する。トランジスタM1およびM2の各ドレインに生じた信号の一部はトランジスタM1およびM2の各ゲートに戻されてトランジスタM1およびM2は発振動作を維持するとともに、残りは高調波共振器51Aおよび51Bを経てOUT/OUTBとして出力される。これにより、VCO5は、出力バッファを設けることなく高出力パワー、低位相ノイズ、高電力効率で高周波の発振信号を出力することができる。
【0028】
さらに、トランジスタM1およびM2の各ドレインに生じた信号の一部をトランジスタM1およびM2に戻すことでP
Sを大きくすることができ、また、高調波共振器51Aおよび51Bを設けたことで高調波の位相が変わってΔf
1/f3を下げることができる。これにより、低位相ノイズが達成される。
【0029】
≪実証実験結果≫
次に、SSPLL10のポストレイアウトシミュレーション結果について説明する。
図5Aないし
図5Dは、SSPLL10においてVCO5以外の回路要素をオフにし、V
tune=0V、V
d,buf=0V、V
g,SSPD=0.51VにしてVCO5を自走発振させた状態でV
gおよびV
dの一方を変化させたときの各種測定値のグラフである。
図5Aは、自走発振時の出力パワーのグラフである。
図5Bは、自走発振時の消費電力のグラフである。
図5Cは、自走発振時の10kHzオフセット位相ノイズのグラフである。
図5Dは、自走発振時の10MHzオフセット位相ノイズのグラフである。例えば、10MHzオフセット位相ノイズは、発振周波数45.2GHzにおいてV
g=0.7V、V
d=0.65のときに最良の−137.6dBc/Hzをマークする。
図6は、SSPLL10においてVCO5以外の回路要素をオフにし、V
tune=0V、V
d,buf=0V、V
g,SSPD=0.51V、V
g=0.7V、V
d=0.65VにしてVCO5を自走発振させたときの位相ノイズのグラフである。この条件下でコーナー周波数Δf
1/f3はおよそ600kHzである。
【0030】
図7は、SSPLL10の自走モード、SSPLL10の位相ロックモード、一般のPLLの位相ロックモードおよび基準クロック信号RFの各位相ノイズのグラフである。例えば、SSPLL10(位相ロック状態)の10kHzオフセット位相ノイズは−98.7dBc/Hzであり、REFよりも30.6dB高いが一般のPLLよりも低く抑えられている。また、SSPLL10(位相ロック状態)の40MHzオフセット位相ノイズは−138.8dBc/Hzである。
【0031】
≪変形例≫
PFD2に不感帯(デッドゾーン)を設けてもよい。すなわち、1/6分周器1Bから出力される分周基準クロック信号と1/N分周器6Cから出力される分周帰還発振信号との位相差が1/6分周器1Bから出力される分周基準クロック信号の半周期内(デッドゾーン)であれば出力する位相差パルス信号をゼロにするようにPFD2を構成してもよい。
【0032】
1/6分周器11B、ILFD16A、1/3分周器16Bは適宜別の分周比の分周回路に置換してもよいし省略してもよい。
【0033】
SSPD7Aおよび7BにおいてトランジスタM1、M2、M4およびM5は、トランジスタM3およびM6がオンのときのLOリークをキャンセルしてスプリアスを低減するために設けたものである。これらトランジスタM1、M2、M4およびM5を省略してトランジスタM3およびM6の各ゲートにSSPD
IN/SSPD
INBを直接接続するようにしてもよい。
【0034】
高調波共振器51Aおよび51Bは2次高調波ではなく3次高調波あるいはそれ以上の高調波に共振するものであってもよい。例えば、3次高調波に共振する高調波共振器に置換してもコーナー周波数Δf
1/f3を低下させるという目的を達成することができる。
【0035】
VCO5はSSPLL10以外の各種電子回路の発振器として使用することができる。その場合、バッファ52Aおよび52Bは不要であるため省略すれことができる。
【0036】
以上のように、本発明における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本発明における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。