【解決手段】引出電極22と質量分析装置16との間でイオンの飛行範囲を横断させる第一の検出装置41と、焦点よりも上流側と、焦点よりも下流側にそれぞれ配置された第二、第三の検出装置42、43とによってイオンビームの電流を検出し、電流を検出した検出位置と電流値とから、イオンビームの光軸のずれと、焦点の位置のずれとを求め、引出電極22を移動させてずれを解消する。
引出電極に印加する電圧によってイオン源からイオンを引き出しイオンビームとして質量分析装置の内部に入射させ、前記質量分析装置の内部を通過した前記イオンを注入対象物に照射して前記注入対象物に前記イオンを注入するイオン注入装置であって、
前記イオン源から引き出され、前記質量分析装置に入射する前の前記イオンを入射させて流れる電流を検出する第一の検出装置と、
前記第一の検出装置に前記イオンが飛行する範囲を横断させて前記イオンを入射させる第一の移動装置と、
を有するイオン注入装置。
前記引出電極には電極移動装置が設けられ、前記電極移動装置は、前記第一の検出装置が前記電流を検出した複数の検出位置と、各検出位置で検出した前記電流の電流値とに基づいて、前記イオンビームの光軸と一致すべき中心軸に対して垂直な方向に前記引出電極を移動させる請求項1記載のイオン注入装置。
引出電極に印加する電圧によってイオン源からイオンを引き出して質量分析装置の内部に入射させ、前記質量分析装置の内部を通過した前記イオンから成るイオンビームが、前記質量分析装置よりも下流側で焦点を結ぶイオン注入装置であって、
前記焦点よりも上流側であって前記質量分析装置よりも下流側で前記イオンを入射させて電流を検出する第二の検出装置と、
前記焦点よりも下流側で前記イオンを入射させて電流を検出する第三の検出装置と、
前記第二、第三の検出装置に前記イオンが飛行する範囲をそれぞれ横断させて前記イオンをそれぞれ入射させる第二、第三の移動装置と、
前記第二、第三の検出装置の間に配置されたスリットと、
を有するイオン注入装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<イオン注入装置>
図1の符号2は本発明のイオン注入装置であり、特にSiC基板にイオンを注入するための装置であり、真空槽11とイオン源12と注入室13とを有している。なお、図示しないがイオン源12等の各部位は絶縁碍子で独立に電位を与えられるようにされている。
【0011】
真空槽11は、高電圧が印加される高電圧槽7と、内部加速電極が配置された加速管8と、接地電位に電気的に接続された接地槽9とを有しており、高電圧槽7の一端と接地槽9の一端とは、加速管8を介して気密に接続されている。
【0012】
高電圧槽7の他端と、接地槽9の他端とは、それぞれイオン源12と注入室13とに接続されており、イオン源12の内部と真空槽11の内部と注入室13の内部とは、真空排気されて真空雰囲気が形成されるようになっている。
【0013】
この例では、真空排気装置29によって、イオン源12の内部と真空槽11の内部と注入室13の内部とが真空排気され、真空雰囲気にされている。
【0014】
注入室13はイオンを注入する例えば半導体基板等の対象物を搬出入可能に構成されており、ここでは注入室13の内部に注入対象物10が配置されている。
【0015】
イオン源12には、注入ガス供給装置18が接続されている。イオン源12の内部にはプラズマ生成装置が配置されており、注入ガス供給装置18からイオン源12に注入ガスが導入され、プラズマ生成装置が動作すると注入ガスが電離され、プラズマ19が生成される。プラズマ19はイオン源12の内部に充満する。
【0016】
高電圧槽7の内部のイオン源12の近くの場所にはプラズマ電極21が配置され、真空槽11の内部のプラズマ電極21よりもイオン源12から遠い場所には引出電極22が配置されている。引出電極22は、通常、加速・減速の2枚電極構造になっているが、ここでは簡略化して1枚で図示している。
【0017】
真空槽11の外部には電源装置30が配置されており、高電圧槽7を基準電位としている。プラズマ電極21と引出電極22とは電源装置30に接続されている。
【0018】
プラズマ電極21と引出電極22とには、通過孔31、32がそれぞれ設けられている。
【0019】
イオン源12の内部はプラズマ電極21の通過孔31によって高電圧槽7の内部に接続されており、電源装置30によってプラズマ電極21と引出電極22とに電圧を印加して、イオン源12の内部と高電圧槽7の内部のイオン源12の近傍とに電界を形成すると、イオン源12の内部に生成されたプラズマ19からイオンが引き出され、通過孔31、32を通過して高電圧槽7の内部に放出され、放出されたイオンは高電圧槽7の内部を飛行する。
【0020】
飛行するイオンの進行方向には、内部湾曲された質量分析装置16が配置されている。質量分析装置16は磁力装置23を有しており、質量分析装置16が設けられた高電圧槽7の内部には、イオンの飛行方向を曲げる磁界が形成されており、質量分析装置16に入射したイオンはその質量電荷比に応じた曲げ量で飛行方向が曲げられ、質量分析装置16に設定された質量電荷比のイオンが質量分析装置16を通過する。
【0021】
イオンの流れについてイオン源12を上流側、注入室13を下流側とすると、質量分析装置16の下流側にはスリット装置24が配置されており、スリット装置24には、鉛直な上下方向に長く、水平な左右方向に狭い縦長のスリット34が設けられている。
【0022】
質量分析装置16の中に入射したイオンは、飛行方向が湾曲されると共に、質量分析装置16の内部を飛行する間に幅が狭くなるように集束され、質量分析装置16から放出されてスリット装置24に入射するとスリット34を通過する。
【0023】
上述の加速管8は、スリット装置24の下流側に配置されており、スリット34を通過したイオンが加速管8の内部に入射すると、加速管8の内部に配置された加速電極によって所定の速度まで加速される。
【0024】
加速管8の下流側には下流側スリット装置25が配置されている。
【0025】
下流側スリット装置25の内部には下流側スリット35が設けられており、加速管8で加速されたイオンは下流側スリット装置25に入射し、下流側スリット35を通過する。
【0026】
下流側スリット装置25の下流側には走査装置26が配置されている。
【0027】
下流側スリット35を通過したイオンは走査装置26に入射し、走査装置26の内部を飛行する間に、飛行方向が制御されて走査装置26から放出される。
【0028】
注入室13は走査装置26の下流側に配置されており、走査装置26から放出されたイオンは注入対象物10の表面に照射される。
【0029】
イオンが照射される注入対象物10上の位置は、走査装置26によって変更されるので、イオンが照射される範囲の面積は注入対象物10の表面の面積よりも小さくても、走査装置26によって照射位置が移動されて注入対象物10の表面全部にイオンが照射されるようになっている。
【0030】
注入対象物10に照射されたイオンは注入対象物10の内部に注入される。
【0031】
<第一〜第三の検出装置>
引出電極22と質量分析装置16との間の位置と、質量分析装置16とスリット装置24との間の位置と、スリット装置24と加速管8との間の位置とには、第一〜第三の検出装置41〜43がそれぞれ設けられている。
【0032】
第一〜第三の検出装置41〜43の平面図を
図3に示し、そのA−A線截断断面図を
図4に示す。
【0033】
第一〜第三の検出装置41〜43は同じ構造であり、第一〜第三の検出装置41〜43は、複数個のファラデーカップ51が一列に並べられて成るカップ列をそれぞれ複数列有している。
【0034】
図3の符号50
1〜50
5はカップ列を示しており、カップ列50
1〜50
5は互いに平行で等間隔に配置されている。
【0035】
各ファラデーカップ51は容器形形状であり、開口53を有している。各ファラデーカップ51は、開口53が同じ方向に向けられると共に、開口53が同一の平面に位置するように配置されて取り付け板58に固定されている。各ファラデーカップ51の開口53と近接して平行な位置には入射制限板55が設けられており、入射制限板55の各ファラデーカップ51の開口53の中心と対面する位置には、貫通孔52が形成されており、後述するように入射制限板55にイオンが照射されると、貫通孔52を通過してイオンだけがファラデーカップ51に入射し、電流を検出するようになっている。
【0036】
第一〜第三の検出装置41〜43は、各カップ列50
1〜50
5が鉛直になるように高電圧槽7の内部でそれぞれ立設されている。
【0037】
各ファラデーカップ51の開口53が位置する平面を入射平面56とし、入射平面56に含まれ、カップ列50
1〜50
5と平行な方向に伸びる一直線をY軸とし、また、同じ入射平面56に含まれ、カップ列50
1〜50
5と直角な方向に伸びる一直線をX軸として、第一〜第三の検出装置41〜43にそれぞれ一組のX軸とY軸とを定めると、各カップ列50
1〜50
5はそれぞれ平行で等間隔Δxで並んでおり、各カップ列50
1〜50
5中の一列の中では、各ファラデーカップ51も一列中に等間隔Δyに並んでいる。
【0038】
ここで、第一〜第三の検出装置41〜43のうち、一台の検出装置の中では、隣接する二列のカップ列50
1〜50
5の間では、ファラデーカップ51は高さがΔt(Δy=列数×Δt)だけ異なるようにされており、従って、同じ高さのファラデーカップ51はないようになっている。
【0039】
つまり、一台の検出装置中で各ファラデーカップ51のY軸の座標を昇べき又は降べきの順に並べたときには隣接するY軸の座標はΔtだけ異なるようになっている。
【0040】
<第一〜第三の移動装置>
第一〜第三の検出装置41〜43は第一〜第三の移動装置46〜48にそれぞれ接続されており、第一〜第三の移動装置46〜48が動作すると、第一〜第三の検出装置41〜43は高電圧槽7の内部で、第一〜第三の検出装置41〜43のX軸に沿った方向に移動する。ここではX軸は水平面内に位置しており、第一〜第三の検出装置41〜43は水平面内で直線移動する。
【0041】
図2(a)〜(d)は、高電圧槽7の壁面に沿ったイオンの飛行軌道を示した平面図であり、質量分析装置16内部の高電圧槽7の壁面も平面としてイオンが飛行する軌道が表されている。
【0042】
各図では、第一〜第三の検出装置41〜43は移動開始位置61〜63に配置されており、第一〜第三の移動装置46〜48が動作して移動を開始すると、第一〜第三の検出装置41〜43は、移動開始位置61〜63から移動終了位置71〜73まで移動できるようにされている。
【0043】
引出電極22によってイオン源12からイオンが引き出され、高電圧槽7の内部をイオンが飛行している状態で第一〜第三の検出装置41〜43が移動開始位置61〜63から移動終了位置71〜73まで移動すると、入射制限板55がイオンの上流側に向けられた状態で、第一〜第三の検出装置41〜43は、イオンが飛行する範囲44を横断する。
【0044】
第一〜第三の検出装置41〜43の入射制限板55は、横断するイオンが飛行する範囲44に対して略垂直にされており、入射制限板55に入射したイオンの一部が貫通孔52を通過してファラデーカップ51の底面に入射する。
【0045】
各ファラデーカップ51には、イオンの入射量に応じた電流が流れ、第一〜第三の検出装置41〜43によってファラデーカップ51の電流が検出され、測定装置40に出力されて電流値が求められる。
【0046】
第一〜第三の移動装置46〜48は測定装置40に接続され、測定装置40によって制御されている。ここでは第一〜第三の移動装置46〜48によって第一〜第三の検出装置41〜43の位置が検出されており、第一〜第三の検出装置41〜43が検出した電流が測定装置40に出力され測定装置40で電流値が求められる。測定装置40には、第一〜第三の移動装置46〜48から電流を検出したときの第一〜第三の検出装置41〜43の位置が出力され、電流を検出した各ファラデーカップ51の位置が、検出位置として、各ファラデーカップ51が検出した電流の電流値と対応付けられて第一〜第三の測定結果としてそれぞれ記憶される。
【0047】
従って、第一〜第三の測定結果から、イオンが飛行する範囲の境界と面積やイオンの強度分布を求めることができる。
【0048】
高電圧槽7の内部を飛行するイオンをイオンビームとすると、イオンビームの断面形状や、断面形状内のイオンの強度分布が分かる。イオンが飛行する範囲の中心を通る直線はイオンビームの中心を通る直線であり、それら中心を通る直線を光軸と呼ぶと、測定装置40によって高電圧槽7内の光軸の位置が求められる。
【0049】
図2(a)の符号45は光軸を示している。スリット34の中心と、プラズマ電極21の通過孔31の中心とを結ぶ直線を中心軸57と呼ぶと、
図2(a)では光軸45と中心軸57とは一致している。中心軸57は光軸45と一致すべき直線である。
【0050】
質量分析装置16によって集束されたイオンは、スリット34中で焦点が結ぶようにされており、スリット34は縦長であるから、質量分析装置16によって集束左右方向に集束されていないと、イオンの一部分はスリット装置24に衝突し、衝突した部分はスリット34を通過することができない。
【0051】
なお、第一〜第三の検出装置41〜43が静止しているときに、イオンによる電流を測定する場合は、第一〜第三の検出装置41〜43に静止と移動を繰り返させてイオンが飛行する範囲44を横断させて電流を検出するようにすればよい。
【0052】
<電極移動装置>
引出電極22は消耗品であり寿命に達した引出電極22は取り外して新しい引出電極22を取り付ける。この取り付けの際に位置がずれると、イオンビームの光軸45がずれることになる。
【0053】
図2(b)は、引出電極22がX軸に沿った方向にずれてしまい、その結果、イオンが飛行する範囲44の一方向側(この例では移動終了位置71側)に引出電極22が近接し、その反対側では引出電極22から離間された場合である。
【0054】
一般に飛行するイオンに引出電極22が近づいた場合は、イオンは引出電極22に引きつけられて、近づいた引出電極22が位置する方向に曲がる。つまり、光軸45は中心軸57と一致しなくなり、曲がりが大きい程、スリット装置24の表面に衝突するイオンが増加し、注入対象物10に入射するイオンが減少する。
【0055】
このような減少が確認されたときには、第一の検出装置41を移動させて第一の測定結果を求めると、第一の測定結果から、中心軸57の所定位置上での、光軸45の中心軸57に対して垂直な方向のずれである、垂直方向ずれ距離と、中心軸57に対して垂直な平面内の方向であるずれ方向とを算出することができる。
【0056】
引出電極22には、引出電極22を移動させる電極移動装置36が設けられており、電極移動装置36を動作させると、引出電極22を中心軸57に対して垂直な方向と、中心軸57に沿った方向とに移動できるようにされている。
【0057】
引出電極22を、中心軸57と垂直な平面内で移動させたときの、引出電極22の移動方向と移動距離と、光軸45の所定位置での中心軸57に垂直な平面内の移動方向や移動距離との関係を、シミュレーションや実験によって光軸移動関係として予め求めておき、第一の測定結果から、垂直方向ずれ距離とずれ方向とを算出し、算出した垂直方向ずれ距離とずれ方向と求めておいた光軸移動関係とから、光軸45を中心軸57に一致させるための引出電極22の移動方向と移動距離とを算出し、引出電極22を、算出した移動方向に移動距離だけ移動させると、ずれを解消させることができる。
【0058】
引出電極22を算出した移動方向に少しだけ移動させて第一の測定結果を求め、移動方向と移動距離を再度算出するようにして、引出電極22の移動と第一の測定結果を求めることとを繰り返し行い、ずれを解消させることもできる。
【0059】
電極移動装置36や測定装置40は制御装置15に接続されており、制御装置15に光軸移動関係を記憶させ、測定装置40や制御装置15によって第一の測定結果から垂直方向ずれ距離とずれ方向とを算出し、算出した垂直方向ずれ距離とずれ方向と電極移動装置36や測定装置40に記憶された光軸移動関係とから、引出電極22を移動させる移動方向と移動距離とを算出し、電極移動装置36によって引出電極22を移動させることができる。
【0060】
上述の
図2(b)は、引出電極22が、中心軸57と垂直な左右方向にずれた場合であり、その場合のずれの解消手順を説明したが、左右方向ではなく、中心軸57と垂直な上方又は下方にずれた場合でも、ずれの解消手順は同じである。
【0061】
次に、
図2(c)、(d)は、引出電極22が、中心軸57と平行な方向にずれた場合であり、
図2(c)は、引出電極22がプラズマ電極21から離間する方向にずれ、
図2(d)は、引出電極22がプラズマ電極21に近接する方向にずれている。
【0062】
図2(a)のように、引出電極22にずれが無い場合には、飛行するイオンの焦点49はスリット34が配置された場所に位置するが、引出電極22がプラズマ電極21から離間すると、焦点49がスリット34よりも下流側に移動し、引出電極22がプラズマ電極21に近接すると、焦点49はスリット34の上流側に移動する。
【0063】
引出電極22がプラズマ電極21から最も離間したときと、最も近接したときとの焦点49が位置する場所は予め求められており、焦点49が最も上流側に移動したときの位置よりも上流側に第二の検出装置42が配置され、焦点49が最も下流側に移動したとき位置よりも下流側に第三の検出装置43が配置されている。
【0064】
図2(a)のように、焦点49がスリット34に位置しているときの、第二、第三の検出装置42、43の電流の検出によって得られたイオンが飛行する範囲の面積を、第二、第三の基準面積としてそれぞれ求めて測定装置40や制御装置15に記憶させておき、第二、第三の移動装置47,48によって第二、第三の検出装置42、43を移動させ、第二の検出装置42のファラデーカップ51に流れた電流の電流値と、電流を検出したファラデーカップ51の検出位置とを第二の測定結果として求め、また、第三の検出装置43のファラデーカップ51に流れた電流の電流値と、電流を検出したファラデーカップ51の検出位置とを第三の測定結果として求め、第二、第三の測定結果から算出したイオンが飛行する範囲の面積と、予め測定された第二、第三の基準面積と比較することができる。
【0065】
この場合、第二の測定結果から算出した範囲の面積が第二の基準面積よりも大きくなり、第三の測定結果から算出した範囲の面積が第三の基準面積よりも小さくなった場合は、焦点49がスリット装置24よりも下流側に位置することが分かり、逆に、第二の測定結果から求めた面積が第二の基準面積よりも小さくなり、第三の測定結果から算出した面積が第三の基準面積よりも大きくなった場合は焦点49がスリット装置24よりも上流側に位置することが分かる。
【0066】
また、焦点49の中心軸57に沿った方向の位置と、第二、第三の測定結果とを対応させて測定装置40や制御装置15に記憶させておくと、求めた第二、第三の測定結果から、焦点49の中心軸57上の実際位置を求め、スリット34からの焦点49が位置する方向と、スリット34と焦点49との間の距離を算出することができる。
【0067】
また、引出電極22の、中心軸57と平行な方向の移動方向と移動距離と、焦点49の中心軸57と平行な方向内での移動方向と移動距離との関係である焦点移動関係を、予めシミュレーションや実験によって求め、制御装置15や測定装置40に記憶させておく。
【0068】
第二、第三の測定結果から、スリット34からの焦点49が位置する方向と距離とを算出し、焦点移動関係から、焦点49をスリット34に位置させるために引出電極22を中心軸57と平行に移動させるための方向と移動距離とが算出できるから、算出した方向に算出した移動距離引出電極22を移動させることで、焦点49をスリット34中に配置することができる。