【解決手段】合成ゴムと、発泡剤と、を含有する発泡性ゴム組成物が開示される。発泡性ゴム組成物中の水分量が、発泡性ゴム組成物の質量を基準として120質量ppm以下である。加硫された合成ゴムを含有する発泡部を有するゴムスポンジ1も開示される。ゴムスポンジ1の密度が0.01〜0.6g/mLであり、ゴムスポンジ1の押し込み弾性率の相対標準偏差が20%以下である。
合成ゴムと、発泡剤と、を含有する発泡性ゴム組成物を、当該発泡性ゴム組成物中の水分量が、当該発泡性ゴム組成物の質量を基準として120質量ppm以下に維持されるように保管することを含む、発泡性ゴム組成物を製造する方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、ゴムスポンジの一実施形態を示す断面図である。
図1に示すゴムスポンジ1は、主面Sを有するシート状成形体である。ゴムスポンジ1は、加硫された合成ゴムを含有し、ゴム弾性を有する発泡部を有する発泡体である。
【0015】
ゴムスポンジ1の厚みは、特に制限されないが、20mm以下、15mm以下、10mm以下、又は5mm以下であってもよく、0.5mm以上、又は1mm以上であってもよい。ゴムスポンジ1の主面Sの面積は、特に制限されないが、50cm
2以上、又は100cm
2以上であってもよく、10000cm
2以下であってもよい。
【0016】
ゴムスポンジ1が、長尺のシート状成形体であってもよい。長尺のシート状成形体の長さは、特に制限されないが、0.01m以上、0.1m以上、又は1m以上であってもよく、100m以下であってもよい。長尺のシート状成形体の幅は、特に制限されないが、0.01m以上、又は0.1m以上であってもよく、3m以下であってもよい。ゴムスポンジが長尺のシート状成形体である場合、ゴムスポンジを任意の芯材に巻き取り、巻取体の状態でゴムスポンジを保管及び使用してもよい。
【0017】
ゴムスポンジ1は高い均一性を有しており、そのため、ゴムスポンジ1全体にわたって、弾性率又は硬さが局所的に低下した部分が少ない。ゴムスポンジ1の高い均一性は、ゴムスポンジ1における押し込み弾性率のバラツキが小さいことに反映される。すなわち、ゴムスポンジ1の表面(又は主面S)における複数の測定位置において押し込み弾性率を測定したときに、得られる測定値のバラツキが小さい。例えば、ゴムスポンジの主面Sにおける面積1cm
2あたり120以上の測定位置において、ナノインデンテーション試験によって押し込み弾性率を測定したときに、押し込み弾性率の120以上の測定値の相対標準偏差が20%以下であってもよい。押し込み弾性率の相対標準偏差の下限は、特に制限されないが、例えば10%程度であってもよい。押し込み弾性率を測定するためのナノインデンテーション試験の詳細については、後述の実施例において説明される。
【0018】
ゴムスポンジ1の発泡部の密度が0.01〜0.6g/mLであってもよい。ここでの密度は、気泡を含む体積に基づく見かけの密度を意味する。発泡部の密度が低いことは、通常、ゴムスポンジの発泡倍率が大きい、すなわちゴムスポンジにおける気泡の占める比率が大きいことを意味する。0.01〜0.6g/mLの範囲の密度を有するゴムスポンジは、各種の用途において十分に軽量な材料として用いられ易い。また、密度が過度に低いゴムスポンジは、一般に製造が困難である。同様の観点から、ゴムスポンジ又は発泡部の密度は、0.02〜0.5g/mL、0.025〜0.4g/mL、又は0.03〜0.3g/mLであってもよい。
【0019】
ゴムスポンジの発泡部の気泡径の標準偏差が10〜140μmであってもよい。また、ゴムスポンジの発泡部における平均気泡径が10〜140μmであってもよい。発泡部の平均気泡径及び気泡径の標準偏差が同時にこれらの範囲内にあることにより、ゴムスポンジ1が特に優れた弾性率の均一性を有することができる。同様の観点から、気泡径の標準偏差は25〜130μm、又は40〜120μmであってもよい。発泡部の平均気泡径は25〜130μm、又は40〜120μmであってもよい。気泡径の標準偏差が40μm以上であると、ゴムスポンジをより容易に製造することができる。同様に、発泡部の平均気泡径が40μm以上であると、ゴムスポンジをより容易に製造することができる。
【0020】
ここで、本明細書において、気泡径は、ゴムスポンジの発泡部の断面において観測される個々の気泡の最大幅を意味する。気泡の最大幅は、断面において気泡の外周に接する2本の平行線の間の距離の最大値である。発泡部の平均気泡径、及び発泡部の気泡径の標準偏差は、以下の手順を含む方法により決定される。
1)ゴムスポンジの最小幅が1mm以下である場合、ゴムスポンジの表面から25μmの深さよりも内側の部分における異なる3箇所の断面を、ゴムスポンジの最小幅が1mmを超える場合、ゴムスポンジの最小幅の2.5%の値の深さよりも内側の部分における異なる3箇所の断面を、実体顕微鏡で観察する。
2)観察された断面において、面積5mm
2以上の領域内に観測される全ての気泡の気泡径を測定する。
3)測定された全ての気泡径の算術平均を発泡部の平均気泡径とし、測定された全ての気泡径の標準偏差を発泡部の気泡径の標準偏差とする。
【0021】
上記方法において、「ゴムスポンジの最小幅」は、ゴムスポンジを任意の平面に垂直投影したときに、得られる投影像の外周に接する2本の平行線の間の距離の最小値である。この2本の平行線の間の距離の最小値が最小となるように、ゴムスポンジが垂直投影される平面のゴムスポンジに対する位置及び向きが決定される。例えば、シート状のゴムスポンジの場合、通常、その厚みが「ゴムスポンジの最小幅」である。ゴムスポンジの最小幅が1mm以下である場合、表面から25μmの深さよりも内側の部分における気泡径が測定され、ゴムスポンジの最小幅が1mmを超える場合、「ゴムスポンジの最小幅の2.5%」の値の深さよりも内側の部分における気泡径が測定される。
【0022】
ゴムスポンジは、発泡部よりも相対的に密度が高いスキン層を最表層として有していることがある。発泡部とスキン層との境界は必ずしも明瞭でないが、上記方法のように表面から一定の深さよりも内側の部分における気泡径を測定することにより、発泡部の平均気泡径、及び発泡部の気泡径の標準偏差を求めることができる。言い換えると、スキン層が存在する場合、ゴムスポンジの表面から、ゴムスポンジの最小幅の2.5%、又は25μmのうち大きい値の深さまでの部分をスキン層とみなし、スキン層の内側の部分を発泡部とみなすことができる。ただし、スキン層の有無にかかわらず、上記方法により発泡部の平均気泡径、及び発泡部の気泡径の標準偏差を決定することができる。
【0023】
ゴムスポンジ1又はその発泡部の吸水率は、シール性又は止水性の観点から、0〜20%、0〜15%、又は0〜10%であってもよい。
【0024】
ゴムスポンジ1中の合成ゴムは、通常、硫黄等の加硫剤又はその他の加硫剤若しくは架橋剤によって架橋されている。
【0025】
ゴムスポンジ1における合成ゴムの含有量は、ゴムスポンジ1の質量を基準として10〜80質量%であってもよい。合成ゴムの含有量がこの範囲内にあるゴムスポンジ1は、特に高い反発弾性及び良好な加工性を示す傾向がある。同様の観点から、合成ゴムの含有量は、15質量%以上であってもよく、50質量%以下、45質量%以下又は42質量%以下であってもよい。
【0026】
合成ゴムは、例えば、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、ブチル系ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0027】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム又はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムであってもよい。
【0028】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの製造方法は、特に限定されない。エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、例えば、所謂チーグラーナッタ触媒又はメタロセン触媒などの触媒の存在下、エチレン、α−オレフィン、及び場合により非共役ジエンを重合させる方法により得られる。
【0029】
チーグラーナッタ触媒としては有機アルミニウム化合物とバナジウム化合物との組合せが好適である。チーグラーナッタ触媒を構成する有機アルミニウム化合物の例としてはトリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。チーグラーナッタ触媒を構成するバナジウム化合物の例としては、4ハロゲン化バナジウム、バナジウムオキシハライド、バナジウムトリアセチルアセトネート、バナジウムオキシジリアセチルアセトネート、バナジウムオキシトリアルコキシド、ハロゲン化バナジウムオキシアルコキシド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
チーグラーナッタ触媒としての有機アルミニウム化合物及びバナジウム化合物と、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、及び2−メチル−2−プロパノールなどのアルコールとを併用することもできる。連鎖移動剤として水素を使用することもできる。
【0031】
メタロセン触媒の例としては、少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する遷移金属錯体が挙げられる。遷移金属錯体は遷移金属原子を含む化合物である。ここでの遷移金属原子は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第4族の遷移金属元素を意味し、その例としてはチタニウム原子、ジルコニウム原子、及びハフニウム原子が挙げられる。
【0032】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、及び1−デセンが挙げられる。α−オレフィンはプロピレン、1−ブテン又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0033】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを構成する非共役ジエンとしては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン及び7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、及び1,4,9−デカトリエンのようなトリエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、並びに4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンが挙げられる。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、これらから選ばれる1種以上の非共役ジエンを単量体単位として含んでいてもよい。非共役ジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0034】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(例えば、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム)の135℃のテトラリン中で測定される極限粘度は、1.0〜4.0dl/g以下であってもよい。この極限粘度が1.0dl/g以上であると、ゴムスポンジの反発弾性がより高まる傾向がある。この極限粘度が4.0dl/g以下であると、ゴム組成物のロール加工性が向上する傾向がある。同様の観点から、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの135℃のテトラリン中で測定される極限粘度は、1.2〜3.0dl/g、又は1.4〜2.5dl/gであってもよい。
【0035】
上記極限粘度(単位:dl/g)は、例えば以下の条件で測定される。ウベローデ粘度計を用いて、135℃のテトラリン中で、濃度が既知である共重合体溶液の還元粘度(粘度数)を測定する。その測定結果から「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年、共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法に従って、共重合体の極限粘度を求める。
【0036】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のα−オレフィン単位の含有量は、エチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量との合計を100質量%としたときに、20〜70質量%であってもよい。α−オレフィン単位の含有量が20質量%以上であると、ゴムスポンジの加工性が向上し得る。α−オレフィン単位の含有量が70質量%以下であると、ゴムスポンジの耐久性が向上し得る。同様の観点から、α−オレフィン単位の含有量は、25〜65質量%、又は30〜60質量%であってもよい。
【0037】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のエチレン単位の含有量は、エチレン単位の含有量とα−オレフィン単位の含有量との合計を100質量%としたときに、30〜80質量%、35〜75質量%、又は40〜70質量%であってもよい。
【0038】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム中の非共役ジエン単位の含有量は、エチレン単位の含有量、α−オレフィン単位の含有量及び非共役ジエン単位の含有量の合計を100質量%としたときに、1〜15質量%、2〜13質量%、又は3〜11質量%であってもよい。
【0039】
合成ゴムが2種以上のエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを含む場合、上述の極限粘度、エチレン単位の含有量、α−オレフィン単位の含有量及び非共役ジエン単位の含有量は、2種以上の組合せの全体における値である。
【0040】
合成ゴムは、パラフィン系オイル、及びナフテン系オイル等のプロセスオイルとの混合物である油展ゴムとして、ゴム組成物中に導入されてもよい。
【0041】
ゴムスポンジ1は、白色フィラーを更に含有していてもよい。ここでいう白色フィラーは、カーボンを主成分とし黒色を呈するフィラー(例えばカーボンブラック)以外のフィラーを意味する。白色フィラーは、完全な白色を呈するフィラーに限られず、灰白色又は金属色等の黒色以外の色を呈するフィラーであってもよい。白色フィラーを含有するゴムスポンジは、微細且つ均一な気泡を含む発泡部を有し易い。白色フィラーは、有機フィラー、無機フィラー(カーボンブラックを除く。)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0042】
有機フィラーは、有機ポリマーを含む粒子であってもよい。有機ポリマーを含む粒子における有機ポリマーの割合が、粒子の質量を基準として95質量%以上であってもよい。有機ポリマーを含む粒子を形成する有機ポリマーは、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂の硬化物であることができる。熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及びポリメタクリル酸メチル樹脂が挙げられる。例えば、有機フィラーの一部又は全部が塩化ビニル系樹脂を含む粒子である場合、有機フィラーのうち60〜100質量%が、塩化ビニル系樹脂を含む粒子であってもよい。
【0043】
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体、又は、塩化ビニルを単量体単位として含む共重合体である。塩化ビニルとともに共重合体を構成する単量体としては、例えば酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸のような不飽和カルボン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル及びイタコン酸エチルのような不飽和カルボン酸エステル、エチレン及びプロピレンのようなオレフィン、メチルビニルエーテル及びエチルビニルエーテル等のビニルエーテル、並びに、フマール酸、マレイン酸及びそれらの無水物又はエステル化物が挙げられる。塩化ビニル単独重合体等の塩化ビニル系樹脂を製造する方法は、例えば懸濁重合または乳化重合、ミクロ懸濁重合が挙げられる。塩化ビニル系樹脂を含む粒子は、乳化重合またはミクロ懸濁重合により製造されたものであってもよい。
【0044】
白色フィラーとしての無機フィラーは、シリカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、クレー、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、ゼオライト、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン及びケイ酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む粒子であってもよい。
【0045】
白色フィラーの平均粒径は、0.05〜30μmであってもよい。粒径の小さい白色フィラーは、気泡形成の核剤として機能し、それにより微細且つ均一な気泡の形成に寄与し得る。微細且つ均一な気泡が形成されると、弾性率のバラツキがより一層抑制される傾向がある。白色フィラーの平均粒径が上記の範囲であると、例えば、平均気泡径が10〜140μmで、気泡径の標準偏差が10〜140μmの範囲にある発泡部を有するゴムスポンジが特に形成され易い。同様の観点から、白色フィラーの平均粒径は、10μm以下、5μm以下、3μm以下、又は2μm以下であってもよい。白色フィラーの平均粒径は、ゴムスポンジの断面を観察したときに、観測される白色フィラーの最大幅の算術平均であることができる。また、白色フィラーの平均粒径は、ゴムスポンジを形成するためのゴム組成物に配合される前の白色フィラーを、電子顕微鏡で観察したときに、観測される白色フィラーの最大幅の算術平均であってもよい。前記ゴム組成物に配合される前と、ゴムスポンジを形成した後で、白色フィラーの平均粒径に実質的な変化は生じないため、通常、前記ゴム組成物に配合される前の白色フィラーの平均粒径と、ゴムスポンジ中の白色フィラーの平均粒径とに実質的な違いはない。
【0046】
ゴムスポンジ1の反発弾性向上の観点から、合成ゴムの含有量に対する白色フィラーの含有量の体積比が、0.1〜1.3、又は0.2〜1.0であってもよい。同様の観点から、白色フィラーの含有量が、ゴムスポンジの質量を基準として、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であってもよく、80質量%以下、70質量%以下、又は60質量%以下であってもよい。白色フィラーは、発泡部中に分散していてもよい。ゴムスポンジがスキン層を有する場合、白色フィラーが発泡部及びスキン層中に分散していてもよい。
【0047】
ゴムスポンジ1は、吸湿剤を更に含有してもよい。吸湿剤の例としては、酸化カルシウムが挙げられる。吸湿剤は、上述の白色フィラーとは別に添加される粒子であってもよい。
【0048】
ゴムスポンジ1は、カーボンブラックを更に含有してもよい。カーボンブラックの含有量は、合成ゴム100質量部に対して、0〜100質量部、5〜50質量部、又は10〜30質量部であってもよい。
【0049】
ゴムスポンジ1は、プロセスオイルを含有していてもよい。プロセスオイルの例としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル及びアロマティック系オイルが挙げられる。プロセスオイルの含有量は、合成ゴム100質量部に対して0〜250質量部、10〜200質量部、又は30〜160質量部であってもよい。
【0050】
ゴムスポンジ1は、必要に応じて、酸化亜鉛、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、酸化カルシウム、発泡助剤、架橋剤、架橋助剤、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤、粘着性物質(ポリブテン、ロジン等)、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等のその他の成分を更に含有してもよい。ゴムスポンジ内の気泡は、発泡剤に由来するガス成分を含み得る。
【0051】
ゴムスポンジは、例えば、合成ゴム及び発泡剤を含む発泡性ゴム組成物を成形して成形体を得ることと、成形体中の合成ゴムを加硫することと、成形体を発泡体化することとを含む方法により、製造することができる。加硫及び発泡体化の工程を同時に又は連続的に行ってもよい。
【0052】
発泡性ゴム組成物に含まれる発泡剤は、ゴム発泡体を形成するために通常用いられるものから選択することができる。発泡剤の例としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロン−テレフタルアミド、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム−アゾジカルボキシレート、ベンゼン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド、ジフエニルスルホン−3,3’−ジスルホニル−ヒドラジド、カルシウムアジド、及び4,4’−ジフエニル−ジスルホニルアジド−バラ−トルエン−マルホニルアジドが挙げられる。発泡剤がアゾジカルボンアミドであってもよい。発泡剤の含有量は、合成ゴム100質量部に対して1〜35質量部、又は2〜30質量部であってもよい。
【0053】
発泡性ゴム組成物は、発泡剤の分解温度を低下させる発泡助剤を含有していてもよい。発泡助剤の例としては、尿素系助剤が挙げられる。発泡助剤の含有量は、合成ゴム100質量部に対して1〜20質量部であってもよく、1.5〜15質量部、又は2〜12質量部であってもよい。
【0054】
発泡性ゴム組成物は、合成ゴムを加硫するための加硫剤を含有していてもよい。加硫剤の例としては、硫黄、硫黄系化合物及び有機過酸化物が挙げられる。硫黄は、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、又は不溶性硫黄等であってもよい。発泡性ゴム組成物における加硫剤の含有量は、合成ゴム100質量部に対して0.5〜5質量部、又は0.6〜4質量部であってもよい。
【0055】
発泡性ゴム組成物は、合成ゴム、発泡剤及び加硫剤の他、ゴムスポンジの成分として上述した各成分を含有することができる。各成分の含有量も同様であり、ゴムスポンジの質量を基準とする含有量は、発泡性ゴム組成物のうち発泡剤以外の成分の合計質量を基準とした含有量に読み替えることができる。特に、合成ゴムの含有量が発泡性ゴム組成物のうち発泡剤以外の成分の合計質量を基準として10〜80質量%で、合成ゴムの含有量に対する白色フィラーの含有量の体積比が0.2〜1.0であると、微細且つ均一な気泡を含む発泡部を有するゴムスポンジが形成され易い。同様の観点から、合成ゴムの含有量が発泡性ゴム組成物のうち発泡剤以外の成分の合計質量を基準として15〜80質量%であってもよい。
【0056】
発泡性ゴム組成物は、合成ゴム、発泡剤及びその他必要により配合される各成分を含む混合物を混錬することを含む方法によって得ることができる。混合物は、例えばバンバリー、ニーダー及びロール等の通常の方法で混練することができる。
【0057】
発泡性ゴム組成物中の水分量が、発泡性ゴム組成物の質量を基準として120質量ppm以下であってもよい。発泡性ゴム組成物の水分量が120質量ppm以下であると、比較的低密度でありながら弾性率の均一性が高いゴムスポンジを容易に形成することができる。同様の観点から、発泡性ゴム組成物中の水分量が、発泡性ゴム組成物の質量を基準として100質量ppm以下、80質量ppm以下、60質量ppm以下、又は50質量ppm以下であってもよい。水分量の下限は、特に制限されないが、例えば1質量ppmであってもよい。
【0058】
本明細書において、「発泡性ゴム組成物の水分量」は、発泡性ゴム組成物の試料を80℃に加熱する条件の気化式カールフィッシャー法によって測定される水分量を意味する。通常、80℃の加熱温度では吸湿剤から水分は放出されないが、ここでは吸湿剤から放出されない水分の量は考慮せず、80℃の加熱によって試料から放出された水分の量が「発泡性ゴム組成物の水分量」とみなされる。
【0059】
発泡性ゴム組成物を調製するための成分として、水分量の少ないものを用いることにより、水分量の少ない発泡性ゴム組成物を得ることができる。ただし、調製された発泡性ゴム組成物が、ゴムスポンジの製造のために用いられるまで保管されている間に吸湿し、その結果水分量が大きくなることがある。したがって、調製された発泡性ゴム組成物を、その水分量が120質量ppm以下に維持されるように保管してもよい。例えば、発泡性ゴム組成物を低湿環境下で保管することにより、発泡性ゴム組成物の水分量を120質量ppm以下に維持することができる。例えば、発泡性ゴム組成物が保管される環境の相対湿度が40%以下、又は30%以下であってもよい。発泡性ゴム組成物が保管される環境の温度が0〜30℃であってもよい。
【0060】
発泡性ゴム組成物を、押出成形等の各種の方法によって成形して、成形体が得られる。成形の際、発泡性ゴム組成物を減圧下で溶融させてもよい。減圧下で発泡性ゴム組成物を溶融させながらこれを成形すると、微細且つ均一性の高い気泡を含む発泡部を有するゴムスポンジが形成され易い傾向がある。ここでの減圧雰囲気のゲージ圧は、−10kPa以下であってもよい。
【0061】
発泡性ゴム組成物を密閉容器内で加圧しながら加熱する方法によって、成形体を形成するとともにこれを発泡体化させることもできる。ただし、特に長尺のシート状成形体を製造する場合、通常、連続的な押出成形による方法が適用される。
【0062】
発泡性ゴム組成物が加硫剤を含有する場合、成形体を加熱することにより、合成ゴムを加硫するとともに、成形体を発泡体化することができる。そのための加熱の条件は、加硫及び発泡が適切に進行するように適宜調整すればよいが、例えば、90〜250℃で1〜90分加熱する一段の加熱であってもよく、また、90〜160℃で1〜60分の加熱と、これに続く140〜250℃で1〜60分の加熱とを含む二段階以上の加熱であってもよい。発泡性ゴム組成物が発泡助剤を含有しない場合、加熱の条件は、140〜250℃で1〜30分加熱する一段の加熱であってもよく、90〜160℃で1〜20分の加熱と、これに続く190〜250℃で1〜20分の加熱とを含む二段階以上の加熱であってもよい。発泡性ゴム組成物が発泡助剤を含有する場合、加熱の条件は、90〜130℃で10〜60分の加熱と、これに続く140〜200℃で10〜60分の加熱とを含む二段階以上の加熱であってもよい。
【0063】
本実施形態に係るゴムスポンジは、例えば、建築土木、電気機器、OA機器、空調機器、自動車、車輌、船舶、住宅設備機器、寝具、家具、介護用品、およびスポーツ用品等の分野で、シール材、目地材、吸音材、保温材(断熱材)、緩衝材、ロール材、クッション材、フローリング材、生地裏打ち材、表皮裏打ち材、止水材、配管カバー材、電線被覆材、または、包装・梱包材として適用され得る。
【実施例】
【0064】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0065】
1.測定方法
1−1.発泡性ゴム組成物の水分量
押出成形の直前のゴムコンパウンドをカットして、厚さ約2mmの試料(約0.5g)を準備した。この試料の水分量(発泡性ゴム組成物の全質量を基準とする質量ppm)を、微量水分測定装置(CA-200型、株式会社三菱ケミカルアナリテック)と水分気化装置(VA-200型、株式会社三菱ケミカルアナリテック)を用いた気化式カールフィッシャー法によって測定した。測定条件は以下のように設定した。
・滴定開始遅延時間:1分
・最小滴定継続時間:3分
・滴定強制終了時間:0分(∞)
・終点感度:0.1μg/s
・加熱温度:80℃
【0066】
1−2.ゴムスポンジ
(厚み)
ゴムスポンジの厚みを、厚み計(PEACOCK、株式会社尾崎製作所、型番107)を用いて、互いに10mm以上離れた10個所で測定した。10個の測定値の平均値をゴムスポンジの厚みとして記録した。
【0067】
(密度)
ゴムスポンジの端部を除く部分から、20mm×40mmの長方形の主面を有する試験片を切り出した。得られたゴムスポンジの試験片の密度を、JIS K 6268に準じた水中置換法により測定した。
【0068】
(吸水率)
ゴムスポンジの端部を除く部分から、20mm×40mmの長方形の主面を有する試験片を切り出した。得られたゴムスポンジの試験片の質量を測定した。試験片を水中に沈め、金網と重りにより試験片が水中に完全に浸漬した状態を維持しながら、雰囲気を−625mmHgまで減圧し、これを3分間保持した。続いて、雰囲気を大気圧に戻し、1分間経過後、吸水した浸漬後の試験片の質量を測定した。以下の式から吸水率を算出した。
吸水率(%)={(W1−W0)/W0}×100
W0:浸漬前の試験片質量(g)
W1:浸漬後の試験片質量(g)
【0069】
(平均気泡径、気泡径の標準偏差)
ゴムスポンジの発泡部を適当な大きさに切削した。切削により形成された発泡部の断面を、実体顕微鏡(株式会社ハイロックス製、RH2000)を用い、100倍の倍率で観察し、異なる3箇所の断面の拡大画像の写真を撮影した。得られた3つの断面写真それぞれにおいて、面積5.4mm
2の領域内に観測される全ての気泡の気泡径を測定した。3つの断面写真から得られた全ての気泡径の算術平均を、発泡部の平均気泡径として算出した。平均気泡径、及び全ての気泡径の値から、気泡径の標準偏差を算出した。
【0070】
(押し込み弾性率の相対標準偏差)
ゴムスポンジの押し込み弾性率を、超微小硬さ試験機(FISCHERSCOPE HM2000:(株)フィッシャーインストルメンツ製)を用いてゴムスポンジの表面に圧子を押し込むナノインデンテーション試験によって測定した。ナノインデンテーション試験の条件は以下のとおりである。
・環境温度:23℃
・最大荷重:20mN
・荷重印加時間:30秒
・最大荷重保持時間:10秒
・圧子:ダイヤモンド ビッカース圧子
ナノインデンテーション試験により、
図2に模式的に示されるような、荷重と押込み深さとの関係を示す曲線が得られる。ナノインデンテーション試験は、圧子によって最大荷重まで試験片の表面に荷重印加する過程と、それに続く除荷の過程とを含む。得られた曲線から、押し込み弾性率E
ITを下記式により算出した。
【数1】
式中、E
rは押込み接触での減少弾性係数、ν
iは圧子のポアソン比、E
iは圧子の弾性係数を示す。ここではゴムスポンジのポアソン比を0と仮定した。本測定の場合、ν
iは0.07、E
iは1.14×10
6N/mm
2とした。E
rは、下記式により求めた。
【数2】
式中、Cは接触コンプライアンス(ナノインデンテーション試験の除荷の過程における曲線の、最大荷重の点における接線Tの傾きの逆数)を示し、A
ρは接触投影面積を示す。A
ρは下記式により算出される。
【数3】
式中、h
maxは押込み深さの最大値を示し、h
rは除荷の過程における曲線の最大荷重の点における接線Tと押込み深さの軸との交点における押込み深さを示し、εは圧子の幾何学形状による補正係数を示す。本試験ではε=0.75とした。
【0071】
ゴムスポンジの主面における1cm×1cmの正方形の領域に縦12点、横12点で等間隔に配列された、合計144個の測定位置においてナノインデンテーション試験を行った。測定エラーを除いた120個以上の測定値から押し込み弾性率の平均値及び標準偏差を求めた。次いで下記式によって押し込み弾性率E
ITの相対標準偏差を算出した。
押し込み弾性率の相対標準偏差(%)=(押し込み弾性率の標準偏差/押し込み弾性率の平均値)×100
【0072】
2.原材料
(A)合成ゴム
・エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM、135℃テトラリン中で測定した極限粘度:1.5dl/g、エチレン単位の含有量:55質量%、非共役ジエン単位の含有量:9.5質量%、住友化学社製、商品名「エスプレン 505A」)
(B)白色フィラー
・ポリ塩化ビニルフィラー(PVC、走査型電子顕微鏡で観察したときの最大幅の算術平均による平均粒径1.0μm/0.3μmの混合物)
・重質炭酸カルシウムフィラー(CaCO
3、平均粒子径1.80μm(空気透過法)、白石カルシウム株式会社製、商品名「ホワイトンSB赤」)
(C)発泡剤
・アゾジカルボンアミド(三協化成社製、商品名「セルマイクC−1」)
(加硫剤)
・硫黄(鶴見化学工業社製、商品名「金華印 微粉硫黄200メッシュ」)
(その他添加剤)
・カーボンブラック(旭カーボン社製、商品名「旭#50G」)
・プロセスオイル(出光興産社製、商品名「ダイアナ プロセスオイル PS−430」)
・ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製、商品名「PEG−4000S」)
・酸化亜鉛(正同化学工業社製、商品名「酸化亜鉛 2種」)
・ステアリン酸(新日本理化社製、商品名「ステアリン酸 50S」)
・吸湿剤(酸化カルシウム、白石石灰工業株式会社製、商品名「ベスタ−PP」)
・2−メルカプトベンゾチアゾール(マスターバッチ、ラインケミージャパン社製、商品名「レノグラン MBT−80」)
・ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(マスターバッチ、ラインケミージャパン社製、商品名「レノグラン ZDEC−80」)
・ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(マスターバッチ、ラインケミージャパン社製、商品名「レノグラン ZDMC−80」)
【0073】
3.発泡性ゴム組成物
合成ゴム、白色フィラー、カーボンブラック、プロセスオイル、ポリエチレングリコール、酸化亜鉛及びステアリン酸を、表1又は表2に示される配合割合で、スタート温度70℃に調整した1700mlのバンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)を用いて、ローター回転数60rpmで8分間混練して、各ゴム組成物を得た。表1に示される配合割合は、合成ゴムの量を100質量部とする質量部である。
【0074】
得られたゴム組成物と、加硫剤、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルカルバミン酸亜鉛、ジメチルチオカルバミン酸亜鉛、発泡剤、及び吸湿剤とを、表1又は表2に示される配合割合で、8インチのオープンロール(関西ロール社製)を用いて混練し、発泡性ゴム組成物(ゴムコンパウンド)を得た。
【0075】
4.ゴムスポンジの製造
各発泡性ゴム組成物を、表1又は表2に示される条件で保管した。保管後の発泡性ゴム組成物の水分量を測定した。保管後の各発泡性ゴム組成物を、径45mmのスクリューが内装されたシリンダーを有する押出機(L/D=11、中田造機社製)を用いて成形して、長さ約150mm、幅約30mm、厚み約1mmの板状の押出成形品を得た。押出成形中、シリンダーの内部を−101kPaのゲージ圧まで減圧した。
得られた押出成形品を、熱空気加硫槽中で、120℃又は135℃で5分間の余熱の後、230℃で5分間の加熱により加硫及び発泡させて、板状のゴムスポンジを得た。
【0076】
5.評価
得られたゴムスポンジの密度、厚み、吸水率、平均気泡径、気泡径の標準偏差、及び押し込み弾性率の相対標準偏差を評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
表1及び表2に示される結果から、水分量120質量ppm以下の発泡性ゴム組成物は、低密度でありながら弾性率のバラツキが抑制されたゴムスポンジを形成できることが確認された。