特開2020-200526(P2020-200526A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200526(P2020-200526A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】めっき装置
(51)【国際特許分類】
   C25D 17/10 20060101AFI20201120BHJP
   C25D 21/12 20060101ALI20201120BHJP
   C25D 17/08 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   C25D17/10 A
   C25D21/12 A
   C25D17/08 A
   C25D17/08 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-110430(P2019-110430)
(22)【出願日】2019年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】平尾 智則
(57)【要約】
【課題】基板の近くで基板上の電位分布を調整する遮蔽板を提供する。
【解決手段】一実施形態によれば、基板にめっき処理を行うためのめっき装置が提供され、かかるめっき装置は、基板を保持するための基板ホルダと、前記基板ホルダに隣接して配置される遮蔽板と、前記遮蔽板を、前記基板ホルダに近づける方向および前記基板ホルダに遠ざける方向に移動させるための移動機構と、を有し、前記遮蔽板は、前記移動機構により前記基板ホルダの方へ移動して、前記基板ホルダに接触可能に構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にめっき処理を行うためのめっき装置であって、
基板を保持するための基板ホルダと、
前記基板ホルダに隣接して配置される遮蔽板と、
前記遮蔽板を、前記基板ホルダに近づける方向および前記基板ホルダに遠ざける方向に移動させるための移動機構と、を有し、
前記遮蔽板は、前記移動機構により前記基板ホルダの方へ移動して、前記基板ホルダに接触可能に構成されており、
前記基板ホルダは、保持された基板の一部を露出させる開口を画定し、
前記遮蔽板は開口を画定し、前記遮蔽板の前記開口の寸法は、前記基板ホルダの開口よりも小さい、
めっき装置。
【請求項2】
請求項1に記載のめっき装置であって、
前記遮蔽板は、前記基板ホルダに接触可能なシール部材を有する、
めっき装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のめっき装置であって、
前記基板ホルダは前記遮蔽板に接触可能なシール部材を有する、
めっき装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のめっき装置であって、
前記移動機構は、流体バネを含む、
めっき装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のめっき装置であって、
さらに、前記基板ホルダおよび前記遮蔽板を受け入れ可能なめっき槽を有する、
めっき装置。
【請求項6】
請求項5に記載のめっき装置であって、
前記めっき槽は、前記遮蔽板を支持するための支持部材を有する、
めっき装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のめっき装置であって、
前記移動機構は、めっき処理中に前記基板ホルダと前記遮蔽板との間の距離を変更可能に構成されている、
めっき装置。
【請求項8】
請求項7に記載のめっき装置であって、
前記移動機構の動作を制御するための制御装置を有する、
めっき装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスや電子素子用基板の表面にCu等の金属めっき膜を形成することが行われている。たとえば、基板ホルダにめっき対象である基板を保持し、めっき液を収容しためっき槽中に基板ホルダごと基板を浸漬させて電気めっきを行うことがある。基板ホルダは、基板のめっき面を露出するように基板を保持する。めっき液中において、基板の露出面に対応するようにアノードが配置され、基板とアノードとの間に電圧を付与して基板の露出面に電気めっき膜を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−79504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気めっき装置においては、基板に均一にめっき処理を行うために、基板上の電位分布を調整するための遮蔽板(調整板ともいう)を備えることがある。遮蔽板は、アノードと基板との間に配置され、アノードから基板へ流れる電流の通過を許容する開口を有している。基板の外周近くの電位分布を調整するために、基板のごく近くに遮蔽板を配置したい場合がある。基板のごく近くに遮蔽板を配置すると、基板を保持した基板ホルダをめっき槽内に配置するときに、基板ホルダと遮蔽板とが衝突する可能性がある。
【0005】
そこで、遮蔽板を基板ホルダのごく近傍に配置するのではなく、遮蔽板としての機能を備えた基板ホルダが開発されている。たとえば、特許文献1は、アノードと基板との間の電場を調整するためのレギュレーションリングを備えた基板ホルダを開示している。このような基板ホルダは、基板の前面の外周付近にフランジ状に張り出したレギュレーションリングを備えているので、基板のごく近傍の電場を調整することができる。しかし、基板の前面に張り出した構造を備えるために、基板ホルダは入り組んだ複雑な機械的な形状を備えることになる。そのため、基板ホルダをめっき槽内のめっき液に浸漬させるときに、基板ホルダや、レギュレーションリングと基板との間に空気や気泡が残留することがあり、基板を均一にめっきするのに悪影響を与えるリスクがある。また、基板ホルダをめっき槽から引き上げるときに、基板ホルダや、レギュレーションリングと基板との間にめっき液が残留することがある。本願は、これらの問題の少なくとも一部を解決または緩和することを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、基板にめっき処理を行うためのめっき装置が提供され、かかるめっき装置は、基板を保持するための基板ホルダと、前記基板ホルダに隣接して配置される遮蔽板と、前記遮蔽板を、前記基板ホルダに近づける方向および前記基板ホルダに遠ざける方向に移動させるための移動機構と、を有し、前記遮蔽板は、前記移動機構により前記基板ホルダの方へ移動して、前記基板ホルダに接触可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による、めっき装置を示す模式図である。
図2】一実施形態に係るめっき装置で使用される基板ホルダの一例を概略的に示す斜視図である。
図3】一実施形態による、基板が保持された基板ホルダをめっき槽に配置するときの様子を示す斜視図である。
図4】一実施形態による、基板ホルダが配置された状態のめっき槽を示す図である。
図5図4中の矢印5の方向から見た図である。
図6図4に示される遮蔽板の移動機構の周辺を拡大して示す図である。
図7A図6中の矢印7ABに沿って切り出した部分断面図である。
図7B図6中の矢印7ABに沿って切り出した部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明に係るめっき装置の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0009】
図1は、めっき装置の一実施形態を示す模式図である。図1に示されるように、めっき装置は、架台101と、めっき装置の運転を制御する制御装置103と、基板W(図2参照)をロードおよびアンロードするロード/アンロード部170Aと、基板ホルダ11(図2参照)に基板Wをセットし、かつ基板ホルダ11から基板Wを取り外す基板セット部(メカ室)170Bと、基板Wをめっきするプロセス部(前処理室、めっき室)170Cと、基板ホルダ11を格納するホルダ格納部(ストッカ室)170Dと、めっきされた基板Wを洗浄および乾燥する洗浄部170Eとを備えている。本実施形態に係るめっき装置は、めっき液に電流を流すことで基板Wの表面を金属でめっきする電気めっき装置である。また、本実施形態の処理対象となる基板Wは、たとえば半導体パッケージ基板等である。
【0010】
図1に示すように、架台101は、複数の架台部材101a〜101hから構成されており、これら架台部材101a〜101hは連結可能に構成されている。ロード/アンロード部170Aの構成要素は第1の架台部材101a上に配置されており、基板セット部170Bの構成要素は第2の架台部材101b上に配置されており、プロセス部170Cの構成要素は第3の架台部材101c〜第6の架台部材101f上に配置されており、ホルダ格納部170Dの構成要素は第7の架台部材101gおよび第8の架台部材101h上に配置されている。
【0011】
ロード/アンロード部170Aには、めっき前の基板Wを収納したカセット(図示しない)が搭載されるロードステージ105と、プロセス部170Cでめっきされた基板Wを受け取るカセット(図示しない)が搭載されるアンロードステージ107とが設けられている。さらに、ロード/アンロード部170Aには、基板Wを搬送する搬送用ロボットからなる基板搬送装置122が配置されている。なお、ロードステージ105にめっき前の基板Wが直接置かれてもよく、アンロードステージ107にめっき後の基板Wが直接置かれてもよい。
【0012】
基板搬送装置122はロードステージ105に搭載されたカセットにアクセスし、めっき前の基板Wをカセットから取り出し、又はロードステージ105に置かれた基板Wを取り、基板Wを基板セット部170Bに渡すように構成されている。基板セット部170Bでは、めっき前の基板Wが基板ホルダ11にセットされ、めっき後の基板Wが基板ホルダ11から取り出される。
【0013】
プロセス部170Cには、プリウェット槽126と、プリソーク槽128と、第1リン
ス槽130aと、ブロー槽132と、第2リンス槽130bと、第1めっき槽10aと、第2めっき槽10bと、第3リンス槽130cと、第3めっき槽10cとが配置されている。これら槽126,128,130a,132,130b,10a,10b,130c,10cは、この順に配置されている。
【0014】
プリウェット槽126では、前処理準備として、基板Wが純水に浸漬される。プリソーク槽128では、基板Wの表面に形成されたシード層などの導電層の表面の酸化膜が薬液によってエッチング除去される。第1リンス槽130aでは、プリソーク後の基板Wが洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。
【0015】
第1めっき槽10a、第2めっき槽10b、および第3めっき槽10cの少なくとも1つのめっき槽10では、基板Wがめっきされる。なお、図1に示される実施形態においては、めっき槽10は、3つであるが、他の実施形態として任意の数のめっき槽10を備えるようにしてもよい。
【0016】
第2リンス槽130bでは、第1めっき槽10aまたは第2めっき槽10bでめっきされた基板Wが基板ホルダ11とともに洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。第3リンス槽130cでは、第3めっき槽10cでめっきされた基板Wが基板ホルダ11とともに洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。ブロー槽132では、洗浄後の基板Wの液切りが行われる。
【0017】
プリウェット槽126、プリソーク槽128、リンス槽130a〜130c、およびめっき槽10a〜10cは、それらの内部に処理液(液体)を貯留できる処理槽である。これら処理槽は、処理液を貯留する複数の処理セルを備えているが、この実施形態に限定されず、これら処理槽は単一の処理セルを備えてもよい。また、これら処理槽の少なくとも一部が単一の処理セルを備えており、他の処理槽は複数の処理セルを備えてもよい。
【0018】
めっき装置は、基板ホルダ11を搬送する搬送機140をさらに備えている。搬送機140はめっき装置の構成要素の間を移動可能に構成されている。搬送機140は、基板セット部170Bからプロセス部170Cまで水平方向に延びる固定ベース142と、固定ベース142に沿って移動可能に構成された複数のトランスポータ141とを備えている。
【0019】
これらトランスポータ141は、基板ホルダ11を保持するための可動部(図示しない)をそれぞれ有しており、基板ホルダ11を保持するように構成されている。トランスポータ141は、基板セット部170B、ホルダ格納部170D、およびプロセス部170Cとの間で基板ホルダ11を搬送し、さらに基板ホルダ11を基板Wとともに上下動させるように構成されている。トランスポータ141の移動機構として、例えばモータとラックアンドピニオンとの組み合わせが挙げられる。なお、図1に示される実施形態では、3つのトランスポータが設けられているが、他の実施形態として任意の数のトランスポータを採用してもよい。
【0020】
基板ホルダ11の構成について、図2を参照して説明する。図2は、一実施形態に係るめっき装置で使用される基板ホルダの一例を概略的に示す斜視図である。図2に示すように、基板ホルダ11は、基板Wが保持される本体部110と、本体部110の上端に設けられたアーム部112とを備えている。本体部110は第1部材110aと第2部材110bとから構成されている。基板ホルダ11は、第1部材110aおよび第2部材110bによって基板Wを挟持することにより基板Wを保持する。図示されるように、第1部材110aは開口部を画定し、基板Wの表面の被めっき面が露出するように保持される。換言すれば、第1部材110aは、基板Wの外周部だけに接触して基板Wを保持する。基板
ホルダ11は、アーム部112がトランスポータ141に保持された状態で搬送される。図示される基板ホルダ11は、四角形の基板Wを保持するためのものであるが、これに限定されるものではなく、円形の基板を保持するものとしてもよい。その場合、第1部材110aに形成される開口部も基板Wの形状に応じて円形となる。あるいは、基板Wを六角形等の多角形やその他の形状を備える基板とすることもできる。この場合、第1部材110aに形成される開口部も基板Wの形状に応じて多角形等となる。
【0021】
本体部110は、基板Wの周縁部に接触するように構成された電気接点を備えている。電気接点は、基板Wの周縁部の全体に接触するように構成されている。たとえば、図示のように四角形の基板Wを保持する基板ホルダ11の場合は、電気接点は、四角形の基板Wの周縁部に接触するように、四角形のリング形状である。他の実施形態として、円形の基板Wを保持する基板ホルダ11の場合は、電気接点は、円形の基板Wの周縁部に接触するように円形のリング形状である。一実施形態において、基板ホルダ11は、基板Wが基板ホルダ11の第1部材110aと第2部材110bとに挟まれて保持されるときに電気接点が基板Wの導電層に接触するように構成されている。基板ホルダ11の電気接点は、基板ホルダ11のシールで囲まれる液が侵入しない閉空間に設置されており、めっき処理中にめっき液が基板ホルダ11の電気接点に接触することがないように構成される。
【0022】
基板ホルダ11に保持された基板Wを各処理槽内の処理液に浸漬するとき、アーム部112は各処理槽のアーム受け部材(図示しない)の上に配置される。本実施形態では、めっき槽10a〜10cは電気めっき槽であるため、アーム部112に設けられた給電接点(コネクタ部)114がめっき槽10のアーム受け部材に設けられた電気接点(図示せず)に接触すると、外部電源から基板Wの表面に電流を供給することができる。
【0023】
めっきされた基板Wは、基板ホルダ11とともにトランスポータ141によって基板セット部170Bに搬送され、基板セット部170Bにおいて基板ホルダ11から取り出される。この基板Wは、基板搬送装置122によって洗浄部170Eまで搬送され、洗浄部170Eで洗浄および乾燥される。その後、基板Wは、基板搬送装置122によってアンロードステージ107に搭載されたカセットに戻される、またはアンロードステージ107に直に戻される。
【0024】
図3は一実施形態による、基板Wが保持された基板ホルダ11をめっき槽10に配置するときの様子を示す斜視図である。図3に示されるように、めっき槽10内には、アノード31が配置されている。アノード31は、めっき対象である基板Wと同様の形状とすることができ、基板Wが四角形であればアノード31も四角形とし、基板Wが円形であればアノード31も円形とすることができる。また、アノード31は、アノードホルダ30に保持されている。アノード31およびアノードホルダ30は任意の構造とすることができ、例えば公知の任意のものとすることができる。
【0025】
図3に示されるように、基板Wが保持された基板ホルダ11は、めっき槽10中のアノード31に対向するように配置される。基板ホルダ11が、めっき槽10に配置されると、基板Wの表面がアノード31の方を向く。図3に示されるように、基板ホルダ11とアノードホルダ30との間には、基板Wとアノード31との間に形成される電場を制限または調整するための遮蔽板154が配置される。なお、一実施形態において、アノードホルダ30と遮蔽板154との間には、めっき槽10中のめっき液を撹拌するためのパドルが配置されてもよい。一実施形態において、図3に示されるように、めっき槽10は、めっき槽10から溢れためっき液を受け入れるための外槽16を備える。なお、図3において、図示の明瞭化のために、めっき槽10、外槽16、およびアノードホルダ30の一部は透明であるように示している。
【0026】
図4は、一実施形態による、基板ホルダ11が配置された状態のめっき槽10を示す図である。図4においては、図示の明瞭化のためにアノードホルダ30およびアノード31は図示を省略してある。図5は、図4中の矢印5の方向から見た図である。すなわち、図5は、遮蔽板154を正面から見た図である。図4、5に示されるように、遮蔽板154は、開口部156を画定する。遮蔽板154の開口部156の形状は、めっき対象である基板Wおよび基板ホルダ11の本体部110に画定される開口部に対応した形状である。たとえば、図示の実施形態のように、基板Wが四角形であり、基板ホルダ11の本体部110の開口部が四角形である場合、遮蔽板154の開口部156も四角形である。また、基板Wが円形であり、基板ホルダ11の本体部110の開口部が円形である場合、遮蔽板154の開口部156も円形である。
【0027】
図5に示されるように、遮蔽板154の開口部156は、基板ホルダ11の本体部110の開口部よりも開口面積が小さい。より具体的には、図5に示されるように、アノード31側から遮蔽板154および基板ホルダ11を見たときに、基板ホルダ11に保持された基板Wの外周の一部が遮蔽板154に重なるように、遮蔽板154の開口部156および基板ホルダ11の本体部110の開口部の寸法および配置が決められる。
【0028】
一実施形態において、遮蔽板154は、基板ホルダ11に近づく方向および基板ホルダから遠ざかる方向に移動させるための移動機構を備える。図6は、図4に示される遮蔽板154の移動機構の周辺を拡大して示す図である。図示の実施形態において、移動機構は、めっき槽10の内側側面に配置される支持部材152を備える。図4、6に示されるように、一実施形態による支持部材152は、めっき槽10の側面において、開口している上端からめっき槽10の底面がある下端まで延びる板状の部材とすることができる。図4に示されるように。支持部材152は、めっき槽10の両側の内側側面に配置されている。図示のように、遮蔽板154は支持部材152に支持される。一実施形態による遮蔽板154は、図示のように支持部材152の一方の面に配置される。遮蔽板154は、支持部材152に支持された状態において、めっき槽10内で基板ホルダ11に配置された基板Wの表面に垂直な方向に移動可能に構成される。
【0029】
一実施形態において、図6に示されるように、支持部材152には流体バネ157が配置されている。流体バネ157は、支持部材152に支持される遮蔽板154側の面に配置されている。流体バネ157は、支持部材152の高さ全体に渡って延びている。また、流体バネ157は、図6に示されるように、支持部材152の遮蔽板154側の面に形成された凹部内に配置されている。流体バネ157は、支持部材152および遮蔽板154に連結されている。流体バネ157には、図示しない流体流路および流体源に接続されている。流体バネ157に流体が供給されると流体バネ157が膨張し、遮蔽板154を基板ホルダ11の表面から離れる方に移動させる。また、流体バネ157から流体が排出されると流体バネ157が収縮し、遮蔽板154を基板ホルダ11の表面に向かって移動させる。なお、「基板ホルダの表面」とは、基板ホルダに保持された基板の被めっき面に平行な基板ホルダの面である。一実施形態において、流体バネ157は空気バネとすることができる。また、一実施形態において、流体バネ157に代えてカム機構などにより遮蔽板154を移動させてもよい。なお、流体バネ157は、遮蔽板154を上述のように移動させることができるように配置されていればよく、必ずしも遮蔽板154の高さ全体に渡って延びている必要はない。たとえば、複数の流体バネ157を所定の間隔で遮蔽板154の高さ方向に配置してもよい。
【0030】
また、一実施形態において、図5、6に示されるように、支持部材152および遮蔽板154は、連結ピン155により連結されている。図6に示される実施形態において、連結ピン155は、支持部材152の高さ方向に複数配置されている。図7Aおよび図7Bは、図6中の矢印7ABに沿って切り出した部分断面図である。図7A、7Bに示される
ように、連結ピン155は、軸部155a、および軸部155aの両端部に位置する頭部155b、155cを備える。軸部155aは円柱形状の部材である。頭部155b、155cは、軸部155aよりも半径が大きな円板形状または円柱形状の部材である。図7A、7Bに示されるように、一方の頭部155bは、遮蔽板154の基板ホルダ11の反対側の面に配置され、軸部155aは、遮蔽板154を貫通して、支持部材152に形成された凹部153に延びる。反対側の頭部155cは、支持部材152に形成された凹部153に配置されている。図7A、7Bに示されるように、支持部材152の凹部153内において、軸部155aを囲うようにバネ159、たとえばコイルバネが配置されている。バネ159は、連結ピン155を、凹部153の内側に引き込む方向に付勢するように配置されている。
【0031】
流体バネ157に流体が供給されると流体バネ157が膨張し、バネ159の付勢力を克服して遮蔽板154を基板ホルダ11から離れる方に移動させる。一方、流体バネ157から流体が排出されると流体バネ157が収縮し、バネ159の付勢力により遮蔽板154を基板ホルダ11の側面に向かって移動させる。図7Aは、流体バネ157が膨張し、遮蔽板154が基板ホルダ11から離れた位置にある状態を示している。図7Bは、流体バネ157が収縮し、遮蔽板154が基板ホルダ11に近づいた位置にある状態を示している。
【0032】
なお、一実施形態において、上述の支持部材152、流体バネ157、連結ピン155、およびバネ159を遮蔽板154の反対側の面に配置することで、流体バネ157が膨張したときに、遮蔽板154を基板ホルダ11の方に近づけるように構成してもよい。また、図7A、7Bに示される実施形態において、連結ピン155、およびバネ159を用いずに、流体バネ157の膨張および収縮により遮蔽板154を上述のように移動させるように構成してもよい。さらに、図7A、7Bに示される実施形態において、流体バネ157の膨張および収縮による作用に加えて、連結ピン155およびバネ159の作用により遮蔽板154を上述のように移動させるように構成してもよい。
【0033】
上述の実施形態によるめっき装置においては、遮蔽板154を基板Wに近づく方向、および基板Wから遠ざかる方向に移動させることができる。基板ホルダ11をめっき槽10に配置するときは、遮蔽板154が基板ホルダ11から遠い位置になるように配置しておく。そのため、基板ホルダ11をめっき槽10に配置するときに、基板ホルダ11が遮蔽板154に衝突するリスクを軽減することができる。また、基板ホルダ11をめっき槽10に配置した後に、遮蔽板154を基板ホルダ11に近づく方向に移動させる。そのため、遮蔽板154を基板Wに近接させることができる。一実施形態において、遮蔽板154は、基板ホルダ11に接触するまで基板ホルダ11の方へ移動させることができる。また、一実施形態において、遮蔽板154と基板ホルダ11とが接触する部分にシール部材を配置してもよい。シール部材は、遮蔽板154および基板ホルダ11のいずれに配置してもよい。遮蔽板154を基板ホルダ11に保持された基板Wに近接させることで、基板Wの外周近くの電位分布を調整することができる。基板Wの外周近くは、基板ホルダ11の電気接点に近いために電位が集中しやすい。そのため、基板の外周部分はめっき処理において膜厚が大きくなる傾向にある。本開示による実施形態によるめっき装置においては、基板Wにごく近接した位置で遮蔽板154により基板の外周部の電位分布を調整することができる。また、一実施形態において、めっき処理中に、遮蔽板154と基板ホルダ11との距離を変化させるようにしてもよい。たとえば、めっき処理中に、遮蔽板154を基板ホルダ11から遠ざけるように移動させてもよい。一実施形態において、めっき装置の制御装置103により遮蔽板154の移動機構を制御し、たとえば流体バネ157に供給される流体の圧力やカム機構の動作を制御することで、めっき処理中に遮蔽板154の位置を制御することができる。
【0034】
めっき処理が終了したら、遮蔽板154を基板ホルダ11から遠ざかる方向に移動させてから、基板ホルダ11をめっき槽10から引き上げることで、基板ホルダ11が遮蔽板154に接触するリスクを軽減することができる。
【0035】
さらに、本開示による実施形態によるめっき装置は、基板ホルダ11に電位分布を調整するためのレギュレーションリングを備えていないので、基板ホルダ11の前面に張り出す構造を備えることがない。基板ホルダに、保持される基板よりもいくぶん開口の小さなレギュレーションリングを設ける場合、基板ホルダの前面にポケット状の領域ができてしまうが、本開示による実施形態によればそのようなポケット状の領域を無くすことができる。そのため、基板ホルダ11をめっき液に浸漬させるときに、基板ホルダ11に気泡が残留するリスクが小さくなる。また、基板ホルダ11をめっき液から引き上げるさいに、めっき液が基板ホルダ11の入り組んだ構造の内部に残留するリスクが小さくなる。
【0036】
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【0037】
上述の実施形態から少なくとも以下の技術的思想が把握される。
[形態1]形態1によれば、基板にめっき処理を行うためのめっき装置が提供され、かかるめっき装置は、基板を保持するための基板ホルダと、前記基板ホルダに隣接して配置される遮蔽板と、前記遮蔽板を、前記基板ホルダに近づける方向および前記基板ホルダに遠ざける方向に移動させるための移動機構と、を有し、前記遮蔽板は、前記移動機構により前記基板ホルダの方へ移動して、前記基板ホルダに接触可能に構成されている。
【0038】
[形態2]形態2によれば、形態1によるめっき装置において、前記遮蔽板は、前記基板ホルダに接触可能なシール部材を有する。
【0039】
[形態3]形態3によれば、形態1または形態2によるめっき装置において、前記基板ホルダは前記遮蔽板に接触可能なシール部材を有する。
【0040】
[形態4]形態4によれば、形態1から形態3のいずれか1つの形態によるめっき装置において、前記基板ホルダは、保持された基板の一部を露出させる開口を画定し、前記遮蔽板は開口を画定し、前記遮蔽板の前記開口の寸法は、前記基板ホルダの開口よりも小さい。
【0041】
[形態5]形態5によれば、形態1から形態4のいずれか1つの形態によるめっき装置において、前記移動機構は、流体バネを含む。
【0042】
[形態6]形態6によれば、形態1から形態5のいずれか1つの形態によるめっき装置において、さらに、前記基板ホルダおよび前記遮蔽板を受け入れ可能なめっき槽を有する。
【0043】
[形態7]形態7によれば、形態6によるめっき装置において、前記めっき槽は、前記遮蔽板を支持するための支持部材を有する。
【0044】
[形態8]形態8によれば、形態1から形態7のいずれか1つの形態によるめっき装置
において、前記移動機構は、めっき処理中に前記基板ホルダと前記遮蔽板との間の距離を変更可能に構成されている。
【0045】
[形態9]形態9によれば、形態8によるめっき装置において、前記移動機構の動作を制御するための制御装置を有する。
【符号の説明】
【0046】
10…めっき槽
11…基板ホルダ
16…外槽
30…アノードホルダ
31…アノード
110…本体部
112…アーム部
114…電気接点
152…支持部材
153…凹部
154…遮蔽板
155…連結ピン
156…開口部
157…流体バネ
155a…軸部
155b…頭部
155c…頭部
W…基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B