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特開2020-200791情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200791(P2020-200791A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/10 20060101AFI20201120BHJP
【FI】
   F04B49/10 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-107904(P2019-107904)
(22)【出願日】2019年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】舞鴫 恵治
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】塩川 篤志
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA38
3H145BA41
3H145CA22
3H145DA48
3H145EA12
3H145EA26
3H145EA36
3H145EA38
3H145EA50
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑える。
【解決手段】周波数帯と、真空ポンプの部品であって当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に交換すべき部品を識別する部品識別情報とが関連付けられて記憶されているストレージと、稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、基準データもしくは基準範囲と、周波数帯毎に比較する比較部と、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、前記ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する情報を出力する出力部と、を有する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数帯と、真空ポンプの部品交換に関する情報とが関連付けられて記憶されているストレージと、
稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、基準データもしくは基準範囲と、周波数帯毎に比較する比較部と、
比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、前記ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する情報を出力する出力部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記ストレージに記憶されている、前記部品交換に関する情報は、交換すべき部品を識別する部品識別情報、故障予測時期、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間及び/または故障発生確率、もしくは部品を交換した場合の真空ポンプ運転期間及び/または故障発生確率であり、
前記出力部における前記出力する情報は、部品識別情報、故障予測時期、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間及び/または故障発生確率、もしくは部品を交換した場合の真空ポンプ運転期間及び/または故障発生確率である
請求項1の記載の情報処理システム。
【請求項3】
真空ポンプのパラメータの指令値もしくは当該パラメータの観測値のうち少なくとも一つに基づいて、当該真空ポンプのガス負荷条件、及び真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程のうち少なくとも1つを判別する判別部を備え、
前記比較部は、前記周波数帯毎の比較を、前記判別されたガス負荷条件または運転工程毎に実行し、
前記ストレージには、前記周波数帯と前記交換すべき部品を識別する部品識別情報との組に更に前記運転状態、前記運転条件、前記ガス負荷条件または前記運転工程が関連付けられて記憶されており、
前記出力部は、前記比較部による比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、前記ストレージを参照して、当該周波数帯及び前記判別されたガス負荷条件または運転工程の組に対応する部品識別情報を出力する
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ストレージには、過去に故障した真空ポンプについて、機種毎に、真空ポンプ振動データの経年データ及び真空ポンプ駆動電流データの経年データと、使用開始から故障発生時までの経過時間とが関連付けられて記憶されており、
前記ストレージを参照して、対象の真空ポンプの稼動時の真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データと、過去の同一機種における真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データとを比較することによって、前記対象の真空ポンプの故障時期を予測する予測部を更に備える
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記比較部は、振動及び/または音の時系列データをフーリエ変換し、フーリエ変換後の振幅を周波数帯毎に比較する
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記出力部は、部品を継続した場合のポンプ運転期間と故障発生確率の関係、及び/または部品を交換した場合のポンプ運転期間と故障発生確率の関係を出力する
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記基準データは、当該真空ポンプの納品前検査時、当該真空ポンプの初期稼動時、同一機種の他の真空ポンプのいずれかの振動もしくは音の強度、または当該振動もしくは当該音の強度の統計データである
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、基準データもしくは基準範囲と、周波数帯毎に比較するステップと、
比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する情報を出力するステップと、
を有し、
前記ストレージには、周波数帯と、真空ポンプの部品交換に関する情報とが関連付けられて記憶されている情報処理方法。
【請求項9】
周波数帯と、真空ポンプの部品交換に関する情報とが関連付けられて記憶されているストレージを参照可能なコンピュータを、
稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、基準データもしくは基準範囲と、周波数帯毎に比較する比較部と、
比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、前記ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する情報を出力する出力部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止してしまうと、半導体製造装置の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性がある。そのため、真空ポンプが半導体製造装置の製造プロセス中に停止しないようにすることが求められている。
【0003】
真空ポンプは、筐体(装置外装箱)内に真空ポンプ本体、ポンプ駆動用モータ、及びモータ駆動用制御装置が収容され、全体として一体構造として組み立てられている。真空ポンプの定期メンテナンス時期には予め定められた部品(以下、標準交換部品という、例えば、ガスリークを防止するためのゴム製パッキン等)の交換が必ず実施されているが、それ以外の部品については、損傷していた場合もしくは再利用不可と判断した場合に交換される。メンテナンスをする者は、例えば軸受については当該部品が交換時期に到達しているか否かを外観から判断することが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−197602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
真空ポンプのメンテナンス時に予め定められた標準交換部品以外の部品を新品部品に交換しなかった原因によって、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する場合がある。その一方で、真空ポンプのメンテナンス時に標準交換部品以外の部品を過剰に交換したことによる交換部品費用の増加の問題がある。しかし、ロータ、ケーシングやタイミングギア等の真空ポンプを構成するそれぞれの構成部品が交換時期に到達しているか否かを外観で判断することだけでは、運転中の故障の全てを防止することができなかった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることを可能とする情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、周波数帯と、部品を交換すべきか否かの判断材料となる情報とが関連付けられて記憶されているストレージと、稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、基準データもしくは基準範囲と、周波数帯毎に比較する比較部と、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、前記ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する情報を出力する出力部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、対象とする真空ポンプの周波数帯の振動または音に異常がある場合に、それに応じて部品を交換すべきか否かの判断材料となる情報が得られるため、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムであって、前記ストレージに記憶されている、前記部品を交換すべきか否かの判断材料となる情報は、交換すべき部品を識別する部品識別情報、故障予測時期、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間及び/または故障発生確率、もしくは部品を交換した場合の真空ポンプ運転期間及び/または故障発生確率であり、前記出力部における前記出力する情報は、部品識別情報、故障予測時期、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間及び/または故障発生確率、もしくは部品を交換した場合の真空ポンプ運転期間及び/または故障発生確率である。
【0010】
この構成によれば、故障または異常がある可能性が高い部品それぞれを、交換が必要な部品として特定することができるので、故障または異常がある可能性が高い部品を交換することができる。一方、故障または異常がある可能性が低い部品を交換しないようにすることができる。そのため、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることができる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第1または2の態様に係る情報処理システムであって、真空ポンプのパラメータの指令値もしくは当該パラメータの観測値のうち少なくとも一つに基づいて、当該真空ポンプのガス負荷条件、及び/または真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程を判別する判別部を備え、前記比較部は、前記周波数帯毎の比較を、前記判別されたガス負荷条件または運転工程毎に実行し、前記ストレージには、前記周波数帯と前記交換すべき部品を識別する部品識別情報との組に更に前記ガス負荷条件または前記運転工程が関連付けられて記憶されており、前記出力部は、前記比較部による比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、前記ストレージを参照して、当該周波数帯及び前記判別されたガス負荷条件または運転工程の組に対応する部品識別情報を出力する。
【0012】
この構成によれば、周波数帯と工程との組に対応する部品識別情報を出力することによって、故障または異常がある部品を、より高い精度で交換が必要な部品として特定することができる。一方、故障または異常がない部品を、より高い精度で交換しないようにすることができる。そのため、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度をより低下させるとともに、交換部品費用をより抑えることができる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第1から3のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記ストレージには、過去に故障した真空ポンプについて、機種毎に、真空ポンプ振動データの経年データ及び真空ポンプ駆動電流データの経年データと、使用開始から故障発生時までの経過時間とが関連付けられて記憶されており、前記ストレージを参照して、対象の真空ポンプの稼動時の真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データと、過去の同一機種における真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データとを比較することによって、前記対象の真空ポンプの故障時期を予測する予測部を更に備える。
【0014】
この構成によれば、対象の真空ポンプの使用者は、この対象の真空ポンプの故障予測時期を把握することができるので、真空ポンプが半導体製造プロセス中に停止する前に、メンテナンスに出したり新しい真空ポンプに交換したりして、真空ポンプが半導体製造プロセス中に停止する事態を回避することができる確率を向上させることができる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第1から4のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記比較部は、振動及び/または音の時系列データをフーリエ変換し、フーリエ変換後の振幅を周波数帯毎に比較する。
【0016】
この構成によれば、振動及び/または音の強度を比較することができる。
【0017】
本発明の第6の態様に係る情報処理システムは、第1から5のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記出力部は、部品を継続した場合のポンプ運転期間と故障発生確率の関係、及び/または部品を交換した場合のポンプ運転期間と故障発生確率の関係を出力する。
【0018】
この構成によれば、ユーザは、部品を交換した場合における当該部品の費用対効果を予測することができる。
【0019】
本発明の第7の態様に係る情報処理システムは、第1から6のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記基準データは、当該真空ポンプの納品前検査時、当該真空ポンプの初期稼動時、同一機種の他の真空ポンプのいずれかの振動もしくは音の強度、または当該振動もしくは当該音の強度の統計データである。
【0020】
本発明の第8の態様に係る情報処理方法は、稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、基準データもしくは基準範囲と、周波数帯毎に比較するステップと、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する情報を出力するステップと、を有し、前記ストレージには、周波数帯と、真空ポンプの部品交換に関する情報とが関連付けられて記憶されている。
【0021】
この構成によれば、故障または異常がある可能性が高い部品それぞれを、交換が必要な部品として特定することができるので、故障または異常がある可能性が高い部品を交換することができる。一方、故障または異常がある可能性が低い部品を交換しないようにすることができる。そのため、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることができる。
【0022】
本発明の第9の態様に係るプログラムは、周波数帯と、真空ポンプの部品交換に関する情報とが関連付けられて記憶されているストレージを参照可能なコンピュータを、稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、基準データもしくは基準範囲と、周波数帯毎に比較する比較部と、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、前記ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する情報を出力する出力部と、として機能させるためのプログラムである。
【0023】
この構成によれば、故障または異常がある可能性が高い部品それぞれを、交換が必要な部品として特定することができるので、故障または異常がある可能性が高い部品を交換することができる。一方、故障または異常がある可能性が低い部品を交換しないようにすることができる。そのため、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、故障または異常がある可能性が高い部品それぞれを、交換が必要な部品として特定することができるので、故障または異常がある可能性が高い部品を交換することができる。一方、故障または異常がある可能性が低い部品を交換しないようにすることができる。そのため、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図2】製造工程、稼働中、メンテナンス工程時のデータの流れの一例を示す模式図である。
図3】第1の実施形態に係る半導体製造システム10の概略構成図である。
図4】第1の実施形態に係る真空ポンプ3の概略機能構成図である。
図5】第1の実施形態に係る情報処理装置20の概略構成を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態に係る情報処理装置20の概略構成を示すブロック図である。
図7】同じ真空ポンプについて、初期とメンテナンス時の周波数帯毎の振動強度の違いを説明する模式図である。
図8】情報処理装置20のストレージ23に記憶されているテーブルの一例である。
図9】情報処理装置20のストレージ23に記憶されているテーブルの一例である。
図10】出荷前性能試験時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】真空ポンプ稼動中のポンプ故障時期の予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】メンテナンス時の交換部品の特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】第2の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図14】第2の実施形態に係る情報処理装置20bの概略構成を示すブロック図である。
図15】第2の実施形態に係る情報処理装置20bのストレージ23b記憶されているテーブルT3の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0027】
上述したように、真空ポンプのメンテナンス時に予め定められた標準交換部品以外の部品を新品部品に交換しなかった原因によって、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生するという問題がある。この問題は、真空ポンプのメンテナンス時に部品を再利用せずに新規部品と交換する基準は、外観寸法検査と出荷前の性能試験だけであり、他に定量的に判断する基準がないからである。また、新規出荷前の真空ポンプの状態データ、エンドユーザでの真空ポンプ稼働中の状態データから総合的に部品寿命を定量的に判断する基準または手段がないからである。
【0028】
第1の実施形態では、ポンプの振動データの分析結果によって部品の状態(例えば損傷状態)を推測する。真空ポンプの振動値(以下、ポンプ振動値ともいう)は真空ポンプの運転状態によって変化する。真空ポンプの運転状態をモータ電流値によって推測する。モータ電流値が高い状態はロータ回転を維持するための負荷条件が大きい状態である。第1の実施形態では、ポンプ振動値とモータ電流値をセットで測定し記録する。
【0029】
振動データは測定時の振幅、振動速度、振動加速度以外に、周波数分割データ処理(FFT処理)を行う。特定の周波数帯の振動に異常がある場合、当該特定の周波数帯に対応する部品をストレージから読み出すことにより、故障部品の特定が可能となる。
振動データは、具体的には例えば、(1)1軸の振幅データ、速度データ、加速度データ、(2)3軸の振幅データ、速度データ、加速度データ、(3)3軸の回転角速度データのいずれかであってもよい。
【0030】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る情報処理システムSは、半導体製造システム10−1、…、10−Nと、ネットワークNWを介して半導体製造システム10−1、…、10−Nに接続された情報処理装置20と、ネットワークNWに接続された試験者端末30と、ネットワークNWに接続されたユーザ端末40と、ネットワークNWに接続されたメンテナンス端末50を備える。試験者端末30は例えば、真空ポンプを製造する工場で、出荷前性能試験をする試験者が使用する端末である。ユーザ端末40は、半導体製造システム10−1、…、10−Nを利用するユーザが使用する端末である。メンテナンス端末50は例えば、真空ポンプをメンテナンスする工場で、メンテナンスする人が使用する端末である。
【0031】
半導体製造システム10−1、…、10−Nはそれぞれ真空ポンプ3を備える。以下、半導体製造システム10−1、…、10−Nを総称して半導体製造システム10という。
【0032】
図2は、製造工程、稼働中、メンテナンス工程時のデータの流れの一例を示す模式図である。図2に示すように、真空ポンプの製造工程において、真空ポンプの出荷前性能試験で真空ポンプの振動が計測される。半導体製造システム10の後述する制御装置4は、この振動量を示す振動データと真空ポンプの後述するモータ33の駆動電流を示す駆動電流データとを情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20は、この振動データ及び駆動電流データを用いて、真空ポンプ3の故障発生時期の予測をし、当該故障発生予測時期を示すデータを試験者端末30へ送信する。
【0033】
真空ポンプの稼働中において、稼働中に真空ポンプの振動が計測される。半導体製造システム10の後述する制御装置4は、この振動量を示す振動データと真空ポンプの後述するモータ33の駆動電流を示す駆動電流データとを情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20は、この振動データ及び駆動電流データを用いて、ポンプの故障発生時期を予測し、当該故障発生予測時期を示すデータをユーザ端末40へ送信する。
【0034】
真空ポンプは、メンテナンス(例えば、オーバーホール)のために工場に運ばれ、メンテナンスが完了後に返却される。
工場では、メンテナンス工程において、出荷前性能試験と同じメンテナンス試験が実施される。すなわち、真空ポンプのメンテナンス工程において、真空ポンプのメンテナンス試験で真空ポンプの振動が計測される。半導体製造システム10の後述する制御装置4は、この振動量を示す振動データと真空ポンプの後述するモータ33の駆動電流を示す駆動電流データとを情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20は、この振動データ及び駆動電流データを用いて、真空ポンプの故障時期を予測し、部品交換の要否を判断する。そして、情報処理装置20は、部品交換の要否を示す部品交換判断データと当該故障発生予測時期を示すデータをメンテナンス端末50へ送信する。
【0035】
図3は、第1の実施形態に係る半導体製造システム10の概略構成図である。図3に示すように、第1の実施形態に係る半導体製造システム10は、半導体製造装置1と、真空ポンプ3と、半導体製造装置1と真空ポンプ3とを繋ぐ配管2と、真空ポンプ3に接続された制御装置4と、制御装置4に接続された表示装置6を備える。半導体製造装置1は、チャンバー成膜炉11と、チャンバー成膜炉11を制御する制御部12とを備える。チャンバー成膜炉11と真空ポンプ3は、配管2を介して連通しており、真空ポンプ3が運転することによって、チャンバー成膜炉11内の気体(ガス)が排出され略真空にひかれる。制御装置4は、真空ポンプ3の運転を制御する。制御装置4は、情報(例えば、ポンプの故障予想を示すデータ、部品交換判断データ)を表示装置6に表示させる。
【0036】
図4は、第1の実施形態に係る真空ポンプ3の概略機能構成図である。図2に示すように、真空ポンプ3は、電源38と、入力が電源38に接続されたインバータ39と、入力がインバータ39の出力に接続されたモータ33と、モータ33の回転軸に連結されたロータ31とを備える。また、真空ポンプ3は、圧力計61と、温度計62と、真空ポンプ3の振動を検知する振動センサ63とを備える。なお、振動センサ63に替えて、または加えて音検出センサ(例えば、マイクロホン)が設けられていてもよい。また、真空ポンプ3は、プロセッサ64と、プロセッサ64により情報が蓄積されるメモリ65とを備える。メモリ65には、圧力計61、温度計62及び振動センサ63の測定データ、モータ33の駆動電流、ポンプ運転性能データ(例えば、到達圧力、及び/または規定圧力までの到達時間)が蓄積されていく。
【0037】
図4に示すように、モータ33の回転数を示す回転数信号が、モータ33からインバータ39に供給される。そして、駆動電流の電流実効値と、回転数信号から得られるモータ33の回転速度がインバータ39から制御装置4に供給される。また、圧力計61によって計測された真空ポンプ3内の圧力値を示す圧力信号が制御装置4に供給される。また、温度計62によって計測された温度を示す温度信号が制御装置4に供給される。また、振動センサ63によって検出された振動を示す振動データが制御装置4に供給される。
なお、本実施形態においては、制御装置4は真空ポンプ3とは別に配置されているが、別の実施形態においては、制御装置4は、真空ポンプ3に一体に組み込まれていてもよい。
【0038】
インバータ39は、電源38から供給された交流電流を周波数変換し、周波数変換して得られた駆動電流をモータ33に供給する。これにより、この駆動電流によってモータ33の回転軸が回転し、それに伴ってロータ31が回転することにより、配管2から吸入されたガスがロータ31の回転に伴って真空ポンプ3の外部へ排出される。
【0039】
上記構成の真空ポンプ3において、モータ33を駆動し一対のロータ31を回転することにより、吸込口(図示せず)から吸入されたガスがロータ31に従って排気側に移送され、排気口(図示せず)から排気される。そして、吸入側から排気側にガスが連続して移送されることにより、吸込口に接続されたチャンバー成膜炉11内のガスが真空排気される。
【0040】
第1の実施形態に係る真空ポンプ3のロータ31は一例として、ルーツ型である。なお、真空ポンプ3は、スクリュー型のロータを備えたものでもよい。また真空ポンプ3は、クロー型またはスクロール形の真空ポンプであってもよい。なお、真空ポンプ3は、一対のロータ31を備えないもの(例えば、ターボ分子ポンプ)であってもよい。また、第1の実施形態に係る真空ポンプ3は一例として複数段のポンプであるが、これに限らず、一段のポンプであってもよい。
【0041】
制御装置4は、対象の真空ポンプ3の運転を停止するときに、停止工程を実行するようロータの回転を制御する。ここで停止工程は、ポンプ停止開始後、ロータ31を正方向及び/又は逆方向に回転させた後に、該ロータ31を停止する工程である。
【0042】
図5は、第1の実施形態に係る情報処理装置20の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、情報処理装置20は、入力インタフェース21と、出力インタフェース22と、ストレージ23と、メモリ24と、通信回路25と、プロセッサ26とを備える。
入力インタフェース21は、情報処理装置20を操作する操作者からの入力を受け付ける。
出力インタフェース22は、外部へデータを出力するインタフェースである。
ストレージ23には、プロセッサ26が読み出して実行するための第1の実施形態に係るプログラム及び各種のデータが格納されており、例えば不揮発性メモリ(例えばハードディスクドライブ)である。
【0043】
メモリ24は、データ及びプログラムを一時的に保持し、例えば、揮発性メモリ(例えばRAM(Random Access Memory))である。
通信回路25は、通信ネットワークNWを介して半導体製造システム10−1、…、10−Nのそれぞれの制御装置4と通信する。この通信は、有線であっても無線であってもよいが、一例として有線であるものとして説明する。
プロセッサ26は、ストレージ23から第1の実施形態に係るプログラムをメモリ14にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行することにより、比較部251、出力部252、判別部253、予測部254として機能する。
【0044】
図6は、駆動電流の電流実効値の時間変化の一例を示すグラフである。図7に示すように、真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程には、準備工程と、成膜を実行する成膜工程と、後工程がある。このうち、準備工程と後工程には工程1が含まれ、準備工程には更に工程2が含まれる。成膜工程には、工程3〜5が含まれる。第1の実施形態では一例として、判別部253は、真空ポンプのモータの駆動電流に基づいて、当該真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程を判別する。このように、判別部253は、真空ポンプのモータの駆動電流に基づいて、当該真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程を判別する。このモータの駆動電流は、指令値であってもセンサによる観測値であってもよい。
なお、判別部253は、真空ポンプのモータの駆動電流に基づいて、当該真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程を判別するとしたが、これに限ったものではなく、真空ポンプのモータの駆動電流、当該モータの電力、当該真空ポンプのロータの回転数、当該真空ポンプの温度、当該真空ポンプの圧力、当該真空ポンプの振動、当該真空ポンプの騒音のうち少なくとも一つに基づいて、当該真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程を判別してもよい。ここで、真空ポンプのモータの駆動電流には、駆動電流値そのものだけに限らず、当該モータの電流の実効値、当該モータの電流のピーク値が含まれる。上述した、真空ポンプのモータの駆動電流、当該モータの電力、当該真空ポンプのロータの回転数、当該真空ポンプの温度、当該真空ポンプの圧力、当該真空ポンプの振動、当該真空ポンプの騒音といったパラメータは、指令値であってもよいし、観測値であってもよい。
このように、判別部253は、真空ポンプのパラメータの指令値もしくは当該パラメータの観測値のうち少なくとも一つに基づいて、当該真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程を判別してもよい。
【0045】
図7は、同じ真空ポンプについて、同じ工程において、初期と稼動時の周波数帯毎の振動強度の違いを説明する模式図である。図7において、初期(例えば、出荷前性能試験時またはポンプ出荷後の稼動初期時)における周波数帯毎の振動強度の模式的グラフと、メンテナンス時における周波数帯毎の振動強度の模式的グラフとが示されている。縦軸は、振動強度で、横軸が周波数である。本願の発明者は、過去のデータから、ある周波数帯における振動強度の変化量が基準を越える場合に、特定の部品の異常または故障に原因があることを発見した。同様に、本願の発明者は、過去のデータから、ある周波数帯における音強度の変化量が基準を越える場合に、特定の部品の異常または故障に原因があることを発見した。
【0046】
図7の例では、特定の工程において、メンテナンス時における周波数f3〜f4の周波数帯における振動強度と、初期における周波数f3〜f4の周波数帯における振動強度との差が閾値を超えていることが示されている。そして、過去のデータから、この周波数f3〜f4の周波数帯における振動強度の変化量が基準を超えている場合に、部品Aの異常または故障が関連していることが示されている。
【0047】
同様に、特定の工程において、メンテナンス時における周波数f5〜f6の周波数帯における振動強度から、初期における周波数f5〜f6の周波数帯における振動強度を減算した変化量が閾値を超えていることが示されている。そして、過去のデータから、この周波数f5〜f6の周波数帯における振動強度の変化量が基準を超える場合に、部品Bの異常または故障が関連していることが示されている。
【0048】
図8は、情報処理装置20のストレージ23に記憶されているテーブルの一例である。図8に示すように、テーブルT1には、真空ポンプの工程と、周波数帯と、当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に交換すべき部品を識別する部品識別情報である部品コードの組のレコードが蓄積されている。このように、第1の実施形態の情報処理装置20のストレージ23には、真空ポンプの工程と、周波数帯と、真空ポンプの部品であって当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に交換すべき部品を識別する部品識別情報である部品コードが関連付けられて記憶されている。例えば、図8に示すように、周波数f3〜f4の周波数帯は、部品コードAに関連付けられており、周波数f5〜f6の周波数帯は、部品コードBに関連付けられている。
【0049】
図9は、情報処理装置20のストレージ23に記憶されているテーブルの一例である。図9に示すように、テーブルT2には、過去に故障した真空ポンプについて、真空ポンプの機種を識別する情報である機種コード、真空ポンプ振動データの経年データのファイルパス、駆動電流データの経年データのファイルパス、使用開始から故障発生時までの経過時間の組のレコードが蓄積されている。このように、ストレージ23には、例えば、過去に故障した真空ポンプについて、機種毎に、真空ポンプ振動データの経年データ及び駆動電流データの経年データと、使用開始から故障発生時までの経過時間とが関連付けられて記憶されている。例えば、図9に示すように、機種コード00011の同一機種であっても、それぞれ毎に、真空ポンプ振動データの経年データ及び駆動電流データの経年データと使用開始から故障発生時までの経過時間が保存されている。
【0050】
図10は、出荷前性能試験時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(ステップS10)まず、特定の試験条件において、振動センサ63がポンプ振動を検出し、試験者は、真空ポンプ振動データを取得するとともに、その時の真空ポンプ3のモータ33の駆動電流値を示す駆動電流データをインバータ39から取得する。
【0051】
(ステップS20)次に試験者は、ポンプ運転性能データ(ここでは一例として到達圧力及び規定圧量までの到達時間)を測定する。
【0052】
(ステップS30)次に試験者は、出荷前性能試験時の測定データ(例えば、ポンプ運転性能データ、真空ポンプ振動データ、及び駆動電流データ)を真空ポンプのメモリ(内蔵メモリともいう)65に保存するように操作する。これにより、プロセッサ64は、当該測定データを、真空ポンプ3のメモリ65に保存する。
また、試験者は、この出荷前性能試験時の測定データを情報処理装置20のストレージ23に保存するように例えば情報処理装置20を操作する。これにより、情報処理装置20のプロセッサ26は、出荷前性能試験時の測定データをストレージ23に保存する。
【0053】
(ステップS40)次に情報処理装置20の予測部254は、ストレージ23を参照して、対象の真空ポンプ3の出荷前性能試験時の真空ポンプ振動データ及び駆動電流データと、過去の同一機種における真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データとを比較することによって、真空ポンプ3の故障発生時期を予測する。具体的には例えば、予測部254は、過去の同一機種における出荷前性能試験時の真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データのうち、対象の真空ポンプ3の出荷前性能試験時の真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データに最も類似するデータを抽出する。そして予測部254は例えば、抽出されたデータに関連付けられた、使用開始から故障発生時までの経過時間を対象の真空ポンプ3の故障予測時期として出力する。予測部254は、この対象の真空ポンプ3の故障予測時期を、通信回路25から試験者端末30へ送信するよう制御する。試験者端末30は、この対象の真空ポンプ3の故障予測時期を受信した場合、対象の真空ポンプ3の故障予測時期を表示してもよい。これにより、試験者は、対象の真空ポンプ3の故障予測時期を把握することができる。
【0054】
図11は、真空ポンプ稼動中のポンプ故障時期の予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0055】
(ステップS110)まず、真空ポンプ3のプロセッサ64は、真空ポンプ振動データ、その時の真空ポンプ駆動電流データ、部品使用時間の積算データをメモリ65に保存する。
【0056】
(ステップS120)次に、真空ポンプ3のプロセッサ64は、真空ポンプ振動データと真空ポンプ駆動電流データの組を制御装置4へ出力する。そして、制御装置4は、この真空ポンプ振動データと真空ポンプ駆動電流データの組を情報処理装置20へ送信する。
【0057】
(ステップS130)次に、情報処理装置20の予測部254は、ポンプ故障時期を予測する。例えば、予測部254は、ストレージ23を参照して、対象の真空ポンプ3の稼動時の真空ポンプ振動データ及び駆動電流データと、過去の同一機種における真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データとを比較することによって、真空ポンプ3の故障発生時期を予測する。具体的には例えば、予測部254は、過去の同一機種における出荷前性能試験時の真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データのうち、対象の真空ポンプ3の稼動時の真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データに最も類似するデータを抽出する。
【0058】
そして予測部254は例えば、抽出によりデータに関連付けられた、使用開始から故障発生時までの経過時間を対象の真空ポンプ3の故障予測時期として出力する。
【0059】
(ステップS140)次に情報処理装置20の予測部254は、この対象の真空ポンプ3の故障予測時期を、通信回路25からユーザ端末40へ送信するよう制御する。
【0060】
(ステップS150)ユーザ端末40は、この対象の真空ポンプ3の故障予測時期を受信した場合、対象の真空ポンプ3の故障予測時期を表示する。これにより、ユーザ端は、対象の真空ポンプ3の故障予測時期を把握することができる。
【0061】
図12は、メンテナンス時の交換部品の特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。前提として、対象の真空ポンプがメンテナンス(例えば、オーバーホール)のために工場に戻ってきているものとして説明する。
(ステップS210)比較部251は、真空ポンプ3のメモリ65に保存されている稼動時の対象の真空ポンプの振動の強度を、当該真空ポンプの納品前検査時の振動の強度と、工程毎、周波数帯毎に振動を比較する。
なお、比較対象の基準データは、当該真空ポンプの納品前検査時の振動の強度に限らず、当該真空ポンプの初期稼動時の振動の強度であってもよいし、同一機種の他の真空ポンプの振動の強度であってもよいし、同一機種の他の真空ポンプの振動の強度の統計データであってもよい。
【0062】
(ステップS220)出力部252は、ステップS210の比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データ(ここでは一例として当該真空ポンプの納品前検査時の振動の強度)との差が基準値を超える場合、当該部品交換に関する情報の一例として、当該周波数帯に対応する部品識別情報を出力する。これにより、交換すべき部品が特定される。なお、比較部251は、対象の真空ポンプの振動もしくは音の強度を、予め決められた基準範囲と比較し、比較の結果、対象の真空ポンプの振動もしくは音の強度が基準範囲から逸脱する場合、出力部252が当該周波数帯に対応する部品識別情報を出力してもよい。
【0063】
(ステップS230)次に出力部252は、当該特定した部品の交換をすすめるための情報を通信回路25からメンテナンス端末50へ送信するよう制御する。
【0064】
(ステップS240)次に出力部252は、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超えたときの真空ポンプ振動データ、その時の真空ポンプ駆動電流データをストレージ23に保存する。
【0065】
(ステップS250)メンテナンス端末50は、情報処理装置20から送信された情報を受信した場合、この特定した部品の交換をすすめるための情報を表示する。
【0066】
これにより、この情報を見たメンテナンスをする者は、この特定した部品を交換することができるので、故障または異常の原因となる部品を交換することができる。
【0067】
なお、図2の例において、振動データは、真空ポンプから発生する音を示す音データであってもよい。
【0068】
以上、第1の実施形態に係る情報処理システムSは、周波数帯と、真空ポンプの部品であって当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に交換すべき部品を識別する部品識別情報とが関連付けられて記憶されているストレージ23を備える。更に情報処理システムSは、稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、当該真空ポンプの納品前検査時、当該真空ポンプの初期稼動時、同一機種の他の真空ポンプのいずれかの振動もしくは音の強度または振動もしくは音の強度の統計データと、周波数帯毎に比較する比較部251を備える。更に情報処理システムSは、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージ23を参照して、当該周波数帯に対応する部品識別情報を出力する出力部252を備える。
【0069】
この構成により、故障または異常がある可能性が高い部品それぞれを、交換が必要な部品として特定することができるので、故障または異常がある可能性が高い部品を交換することができる。一方、故障または異常がある可能性が低い部品を交換しないようにすることができる。そのため、真空ポンプのメンテナンス時に標準交換部品以外の部品を新品部品に交換しなかった原因によって、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることができる。
【0070】
なお、判別部253が、真空ポンプのパラメータの指令値もしくは当該パラメータの観測値のうち少なくとも一つに基づいて判別する判別対象を運転工程に代えて、真空ポンプのガス負荷条件であってもよい。
ここで真空ポンプの運転状態は、パラメータ指令値もしくは観測値で表され、例えば、(1)「モータ駆動電流、モータの電力、ロータの回転数、ポンプの温度、ポンプ内の圧力、ポンプ振動値、ポンプ騒音値」などのガス負荷に応じて変動する状態量、(2)モータ電流実効値、モータ電流ピーク値、ポンプ騒音、(3)ポンプ停止から温度平衡までの過渡的な運転状態、または温度平衡状態などがある。
真空ポンプの運転条件は例えば、(1)排気側の圧力の条件(背圧条件ともいう)、(2)半導体製造装置からポンプ吸気口までの配管口径、配管長さ、配管レイアウト、(3)ポンプ運転開始からの運転時間のうちの少なくとも一つである。
真空ポンプのガス負荷条件は例えば、(1)ガス流量(例えば、ガス最大流量、ガス最小流量)、(2)ガス流量の時間変化、(3)積算ガス量のうちの少なくとも一つである。
【0071】
パラメータ指令値もしくは観測値で表されるポンプの運転状態は外部条件によって、その一部もしくは全てが変化する。外部条件は、ポンプ起動後の過渡的な期間、温度平衡到達後の安定期間の違い、ガス負荷(ガス流量)、ポンプ個体差(部品、組立)、及び/または運転中の変化(生成物付着、腐食による部品減肉、部品の摩耗、背圧等)である。
外部条件の全ての組合せにおける観測値それぞれの値がストレージ23に記憶されている場合、判別部253は、現在の観測値の値の組と、ストレージ23に記憶されているストレージの値の組とを比較することにより、例えば最も類似する観測値の組に対応する外部条件の組を判断してもよい。
【0072】
他のより現実的な方法としては、特定の外部条件に限定することが有効である。ここでは一例として、判別部253は、ポンプ個体差、ポンプ運転中の変化は無視(安定している)して、ガス負荷の変化によってポンプの運転状態が変化することを仮定し、同じガス負荷であれば、ポンプの運転状態は同じであると仮定する。
例えば判別部253は、真空ポンプが過渡的な期間に該当するか否か、温度平衡到達後かの判断はポンプ起動からの経過時間、及び/またはポンプ温度変化率から判断してもよい。
【0073】
<温度平衡到達後の状態>
ここで温度平衡到達後の状態では、真空ポンプのモータ電流が同じであれば、ガス負荷条件(ガス流量)が同じであると仮定する。その仮定の下で、例えば判別部253は、温度平衡到達後の状態で、出荷試験時のガス負荷条件ごとのモータ電流観測値と運転中の真空ポンプのモータ電流観測値を比較することで、運転中のポンプのガス負荷条件を判別してもよい。
例えば判別部253は、温度平衡到達後の状態で、運転中のポンプのモータ電流観測値を含めたポンプ運転観測値のデータファイルを有していれば、そのデータファイルと運転中ポンプの観測値を比較することで、運転状態が同じであるか、相違しているかが判断可能である。
【0074】
その場合、比較部251は、周波数帯毎の比較を、運転工程毎に代えて、判別されたガス負荷条件毎に実行してもよい。またその場合、ストレージ23には、前記周波数帯と前記交換すべき部品を識別する部品識別情報との組に更に前記運転工程に代えて、ガス負荷条件が関連付けられて記憶されていてもよい。またその場合、出力部252は、比較部251による比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージ23を参照して、当該周波数帯及び判別されたガス負荷条件の組に対応する部品を交換が必要な部品として特定してもよい。
【0075】
このように第1の実施形態では、情報処理システムSは、真空ポンプのパラメータの指令値もしくは当該パラメータの観測値のうち少なくとも一つに基づいて、当該真空ポンプのガス負荷条件、または真空ポンプが接続している半導体製造装置の運転工程のうち少なくとも1つを判別する判別部253を備える。比較部251は、前記周波数帯毎の比較を、前記判別されたガス負荷条件または運転工程毎に実行する。ストレージ23には、前記周波数帯と前記交換すべき部品を識別する部品識別情報との組に更にガス負荷条件または前記運転工程が関連付けられて記憶されている。出力部252は、比較部251による比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージ23を参照して、当該周波数帯及び前記判別されたガス負荷条件または運転工程の組に対応する部品識別情報を出力する。ここでガス負荷条件は例えばガス流量である。
なお、出力部252は、(1)部品を継続した場合のポンプ運転期間と故障発生確率の関係(例えばテーブル、グラフ、数値データなどの情報)、及び/または(2)部品を交換した場合のポンプ運転期間と故障発生確率の関係(例えばテーブル、グラフ、数値データなどの情報)を出力してもよい。これにより、ユーザは、部品を交換した場合における当該部品の費用対効果を予測することができる。
【0076】
この構成により、周波数帯と工程との組に対応する部品識別情報を出力することによって、故障または異常がある部品を、より高い精度で交換が必要な部品として特定することができる。一方、故障または異常がない部品を、より高い精度で交換しないようにすることができる。そのため、真空ポンプのメンテナンス時に標準交換部品以外の部品を新品部品に交換しなかった原因によって、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度をより低下させるとともに、交換部品費用をより抑えることができる。
【0077】
なお、本実施形態では、一例として判定基準は、一つの閾値である基準値(数値)として、ある周波数帯の強度の差と、基準値(数値)とを比較したが、これに限ったものではない。例えば比較部251は、周波数分析した波形の画像データ(もしくは数値データ)から特徴点を抽出し、基準の周波数分析波形の特徴点の値と、対象ポンプの周波数分析波形の特徴点の値を比較してもよい。ここで、周波数分析波形とは例えば、フーリエ変換後の横軸が周波数で縦軸が強度のグラフの波形である。また特徴点は、交換対象となる部品の固有周波数の整数倍の周波数の値であってもよい。
その場合、出力部252は、比較の結果、対象ポンプの周波数分析波形の特徴点の値が、基準の周波数分析波形の特徴点の値を基準に定められた範囲もしくは値から逸脱する場合、または対象ポンプの周波数分析波形の特徴点の値と基準の周波数分析波形の特徴点の値の差が基準値を超える場合、ストレージ23を参照して、当該逸脱する周波数帯に対応する情報を出力してもよい。
【0078】
この判定のための基準値(以下、判定基準という)は、新たなデータを用いて更により精緻化していくものであってもよい。例えば、基準値が平均値である場合には、新たなデータを用いることでこの基準値を随時更新してもよい。例えば、その他のタイミング(定期、不定期)で更新してもよい。基準値の更新方法としては、例えば、出荷試験のポンプデータと出荷後に部品劣化要因によって故障したか、しなかったかの結果及び当該ポンプの運転データ等の各データを見直して削除、または新規取得する等により更新することができる。
【0079】
なお、出力部252は、費用対効果を出力してもよい。ここで、費用対効果の「費用」は例えば、部品交換費用(例えば、部品価格及び/または交換作業費)である。費用対効果の「効果」は、交換しなかった場合のリスク(期待値の逆)金額を想定しており、例えば、真空ポンプ故障発生時の(製品損失金額)×(ポンプ故障確率)である。出力部252は、部品交換費用とリスク金額の比率で、費用対効果を出力してもよい。あるいは予めストレージ23に、過去の部品交換費用が記録されている場合には、出力部252は、過去の部品交換費用リスク金額の比率で、費用対効果を出力してもよい。
【0080】
また、第1の実施形態では、ストレージ23には、過去に故障した真空ポンプについて、機種毎に、真空ポンプ振動データの経年データ及び真空ポンプ駆動電流データの経年データと、使用開始から故障発生時までの経過時間とが関連付けられて記憶されている。更に情報処理システムSは、ストレージを参照して、対象の真空ポンプの稼動時の真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データと、過去の同一機種における真空ポンプ振動データ及び真空ポンプ駆動電流データとを比較することによって、前記対象の真空ポンプの故障時期を予測する予測部254を更に備える。
【0081】
この構成により、対象の真空ポンプの使用者は、この対象の真空ポンプの故障予測時期を把握することができるので、真空ポンプが半導体製造プロセス中に停止する前に、メンテナンスに出したり新しい真空ポンプに交換したりして、真空ポンプが半導体製造プロセス中に停止する事態を回避することができる確率を向上させることができる。
【0082】
本実施形態では、比較部251は例えば、振動及び/または音の時系列データをフーリエ変換し、フーリエ変換後の振幅を周波数帯毎に比較する。この構成により、振動及び/または音の強度を比較することができる。
【0083】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、判別部253が、真空ポンプの工程を判別し、出力部252は、比較部251による比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージ23を参照して、当該周波数帯及び前記判別された工程の組に対応する部品を交換が必要な部品として特定した。
それに対して、第2の実施形態では、真空ポンプの工程の判別を行わず、出力部252は、比較部251による比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージ23を参照して、当該周波数帯に対応する部品識別情報を出力する。つまり本実施形態では一例として、工程を特定せずに、比較部251が所定の時間範囲で、周波数帯毎の比較を実行する。
【0084】
図13は、第2の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。図13に示すように、第2の実施形態に係る情報処理システムでは、第1の実施形態に係る情報処理システムSに比べて、情報処理装置20が情報処理装置20bに変更になったものである。
【0085】
図14は、第2の実施形態に係る情報処理装置20bの概略構成を示すブロック図である。第2の実施形態に係る情報処理装置20bは、第1の実施形態に係る情報処理装置20と比べて、ストレージ23がストレージ23bに変更され、プロセッサ26がプロセッサ26bに変更されたものになっている。
ストレージ23bには、テーブルT1の代わりにテーブルT3が格納されている。また、プロセッサ26bは、ストレージ23から第2の実施形態に係るプログラムをメモリ14にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行することにより、比較部251、出力部252、予測部254として機能する。
【0086】
図15は、第2の実施形態に係る情報処理装置20bのストレージ23b記憶されているテーブルT3の一例である。図14に示すように、テーブルT3には、周波数帯と、当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に交換すべき部品を識別する部品識別情報である部品コードの組のレコードが蓄積されている。このように、第2の実施形態の情報処理装置20bのストレージ23bには、周波数帯と、真空ポンプの部品であって当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に交換すべき部品を識別する部品識別情報である部品コードが関連付けられて記憶されている。
【0087】
比較部251は、稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、当該真空ポンプの納品前検査時、当該真空ポンプの初期稼動時、同一機種の他の真空ポンプのいずれかの振動もしくは音の強度または振動もしくは音の強度の統計データと、例えば所定の時間範囲で、周波数帯毎に比較する。出力部252は、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージ23bを参照して、当該周波数帯に対応する部品識別情報を出力する。
【0088】
以上、第2の実施形態に係る情報処理システムSは、周波数帯と、真空ポンプの部品であって当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に交換すべき部品を識別する部品識別情報とが関連付けられて記憶されているストレージ23bを備える。更に情報処理システムS2は、稼動時の真空ポンプの振動または音の強度を、当該真空ポンプの納品前検査時、当該真空ポンプの初期稼動時、同一機種の他の真空ポンプのいずれかの振動もしくは音の強度または振動もしくは音の強度の統計データと、周波数帯毎に比較する比較部251を備える。更に情報処理システムS2は、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージ23bを参照して、当該周波数帯に対応する部品識別情報を出力する出力部252を備える。
【0089】
この構成により、故障または異常がある可能性が高い部品それぞれを、交換が必要な部品として特定することができるので、故障または異常がある可能性が高い部品を交換することができる。一方、故障または異常がある可能性が低い部品を交換しないようにすることができる。そのため、真空ポンプのメンテナンス時に標準交換部品以外の部品を新品部品に交換しなかった原因によって、運転中の真空ポンプに故障または異常が発生する頻度を低下させるとともに、交換部品費用を抑えることができる。
【0090】
なお、各実施形態では、ストレージに、当該部品を交換すべきか否かの判断材料となる情報として、交換すべき部品を識別する部品識別情報が記憶されているとして説明したが、当該部品を交換すべきか否かの判断材料となる情報はこれに限ったものではない。当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に出力する情報は故障予測時期、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間及び/または故障発生確率、もしくは部品を交換した場合の真空ポンプ運転期間及び/または故障発生確率であってもよい。
【0091】
この場合、出力部252は、比較の結果、ある周波数帯の強度の基準データとの差が基準値を超える場合もしくはある周波数帯の強度が基準範囲から逸脱する場合、ストレージを参照して、当該周波数帯に対応する、部品識別情報、故障予測時期、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間及び/または故障発生確率、もしくは部品を交換した場合の真空ポンプ運転期間及び/または故障発生確率を出力してもよい。
【0092】
例えば、当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に出力する情報が、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間及び故障発生確率の場合、具体的には、当該出力する情報は、例えば、部品を継続使用した場合の真空ポンプの運転期間と故障発生確率のテーブルであってもよい。
例えば、当該周波数帯の振動または音に異常がある場合に出力する情報が、部品を交換した場合のポンプ運転期間及び故障発生確率の場合、具体的には、当該出力する情報は、例えば、部品を交換した場合のポンプ運転期間と故障発生確率のテーブルであってもよい。
【0093】
なお、各実施形態によれば、ポンプメンテナンス時の部品交換を決定する判断基準を提供するだけではなく、プロセッサ26が故障ポンプ及び故障せずに返却されたポンプの稼働中の振動データをストレージ23に保存することによりライブラリを構築することによって、稼働中ポンプの部品劣化によるポンプの将来における故障を推測することができる。
【0094】
また各実施形態によれば、プロセッサ26が新規ポンプの振動データをストレージ23に保存することによりライブラリに追加することによって、ポンプ製造時に部品劣化によるポンプの将来における故障を推測することができる。
以下、上述した稼働中ポンプの部品劣化によるポンプ故障、及びポンプ製造時に部品劣化によるポンプ故障の推測方法の一例について説明する。例えば、ストレージ23の中には出荷試験のポンプデータと出荷後に部品劣化要因によって故障したか、しなかったかの結果及び当該ポンプの運転データが関連付けられて保存されている。
ライブラリのデータを4つにグループ分けして、それぞれのグループのポンプデータの共通条件及び/または共通傾向を抽出し、解析する。これによって、部品を交換すべきかどうかを判断するための情報が得られる。ここで4つのグループのデータは、(1)部品劣化要因によって故障したポンプの出荷試験データ、(2)部品劣化要因によって故障しなかったポンプの出荷試験データ、(3)部品劣化要因によって故障したポンプの運転データ、(4)部品劣化要因によって故障しなかったポンプの運転データである。
1:稼働中の対象ポンプの部品劣化要因による将来における故障可能性を推測する場合、プロセッサ26は、当該対象ポンプの運転データと上記(3)、(4)の情報を比較し、相関性を数値化することによって、稼働中ポンプの部品劣化要因によるポンプ故障の将来における発生可能性を表す情報を出力してもよい。
2:出荷試験中の対象ポンプの部品劣化要因による将来における故障可能性を推測する場合、プロセッサ26は、当該対象ポンプの出荷試験データと上記(1)、(2)の情報を比較し、相関性を数値化することによって、出荷試験中の対象ポンプの部品劣化要因によるポンプ故障の将来における発生可能性を表す情報を出力してもよい。
これら1、2の推測は(1)、(3)の情報からだけでも可能となるが、(2)、(4)を加えることで信頼性が向上する。
【0095】
なお、真空ポンプは、ロータと、前記ロータを回転させるモータと、前記モータを回転させる駆動力を与えるインバータと、を備えた真空ポンプであってもよい。真空ポンプは、稼動時の真空ポンプの振動を測定する振動計と、前記振動計により測定された測定データ、前記真空ポンプの稼働中における前記モータの駆動電流データ、およびポンプ運転性能データを関連付けて保存する記憶媒体と、を備えてもよい。
【0096】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理装置20の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0097】
また、情報処理装置20の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0098】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理装置20を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理装置20の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0099】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0100】
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 半導体製造装置
10 半導体製造システム
11 チャンバー成膜炉
12 制御部
14 メモリ
2 配管
20 情報処理装置
21 入力インタフェース
22 出力インタフェース
23 ストレージ
24 メモリ
25 通信回路
251 比較部
252 出力部
253 判別部
254 予測部
26 プロセッサ
3 真空ポンプ
30 試験者端末
31 ロータ
33 モータ
38 電源
39 インバータ
4 制御装置
40 ユーザ端末
50 メンテナンス端末
6 表示装置
61 圧力計
62 温度計
63 振動センサ
64 プロセッサ
65 メモリ
図1
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