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特開2020-200809真空ポンプ、真空ポンプの駆動装置及びその駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-200809(P2020-200809A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】真空ポンプ、真空ポンプの駆動装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   F04C 25/02 20060101AFI20201120BHJP
   F04B 37/16 20060101ALI20201120BHJP
   H02P 6/20 20160101ALI20201120BHJP
【FI】
   F04C25/02 B
   F04C25/02 M
   F04B37/16 A
   H02P6/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-109407(P2019-109407)
(22)【出願日】2019年6月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100144211
【弁理士】
【氏名又は名称】日比野 幸信
(72)【発明者】
【氏名】町家 賢二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏生
【テーマコード(参考)】
3H076
3H129
5H560
【Fターム(参考)】
3H076AA16
3H076AA21
3H076BB36
3H076CC07
3H129AA03
3H129AA18
3H129AB06
3H129BB54
3H129CC27
3H129CC58
3H129CC65
5H560AA10
5H560BB04
5H560BB12
5H560DC05
5H560EB01
5H560HA02
5H560SS07
5H560UA05
5H560UA06
(57)【要約】
【課題】回路構成を複雑化することなく、モータで高トルクを発生せることができる真空ポンプ、真空ポンプの駆動装置及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係る真空ポンプは、ポンプ本体と、モータと、第1の駆動回路と、第2の駆動回路とを具備する。前記ポンプ本体は、回転軸を有する。前記モータは、前記回転軸に取り付けられたロータコアと、コイルが巻装されたステータコアとを有する。前記第1の駆動回路は、交流電源を直流電源に変換する電源回路を有し、前記モータを回転させる駆動電流を前記コイルへ供給する。前記第2の駆動回路は、充放電可能な補助電圧源を有し、前記モータの始動時に前記駆動電流よりも高い電流値のインパルス電流を前記コイルへ供給することが可能に構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するポンプ本体と、
前記回転軸に取り付けられたロータコアと、コイルが巻装されたステータコアとを有するモータと、
交流電源を直流電源に変換する電源回路を有し、前記モータを回転させる駆動電流を前記コイルへ供給する第1の駆動回路と、
充放電可能な補助電圧源を有し、前記モータの始動時に前記駆動電流よりも高い電流値のインパルス電流を前記コイルへ供給することが可能に構成された第2の駆動回路と
を具備する真空ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の真空ポンプであって、
前記電源回路は、平滑用コンデンサを含み、
前記補助電圧源は、前記平滑用コンデンサよりも大容量の蓄電素子を含む
真空ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載の真空ポンプであって、
前記第2の駆動回路は、
前記電源回路と前記蓄電素子との間に接続された給電ラインと、
前記給電ラインに設けられ電源回路から前記蓄電素子への通電を制限する電流制限素子と、をさらに有する
真空ポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載の真空ポンプであって、
前記電流制限素子は、第1のスイッチ素子又は抵抗素子である
真空ポンプ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の真空ポンプであって、
前記第2の駆動回路は、前記補助電圧源と前記コイルとの間を接続可能な第2のスイッチをさらに有する
真空ポンプ。
【請求項6】
請求項5に記載の真空ポンプであって、
前記コイルは3相のコイル部を有し、
前記第2のスイッチは、前記3相のコイル部のうち任意の2相のコイル部間に前記インパルス電流を供給可能に構成される
真空ポンプ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の真空ポンプであって、
前記第2の駆動回路は、前記モータの定格電流値よりも高い電流値のインパルス電流を前記コイルへ供給する
真空ポンプ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の真空ポンプであって、
前記モータは、永久磁石同期型のブラシレスDCモータである
真空ポンプ。
【請求項9】
交流電源を直流電源に変換する電源回路を有し、真空ポンプのモータへ駆動電流を供給する第1の駆動回路と、
充放電可能な補助電圧源を有し、前記真空ポンプの始動時に前記駆動電流よりも高い電流値のインパルス電流を前記モータへ供給することが可能に構成された第2の駆動回路と
を具備する真空ポンプの駆動装置。
【請求項10】
真空ポンプの始動時に、前記真空ポンプのモータへ定格電流値よりも高い電流値のインパルス電流を供給することで、前記モータを振動させ、
前記モータへ前記定格電流値の駆動電流を供給することで、前記モータを回転させる
真空ポンプの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプ、真空ポンプの駆動装置及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メカニカルブースタポンプやスクリューポンプ等のドライポンプは、ケーシング内部のポンプ室に配置された二つのポンプロータを互いに反対方向に同期回転させて吸気口から排気口へ気体を移送する容積移送型の真空ポンプである。この種の真空ポンプは、両ポンプロータ間および各ポンプロータとケーシング等の間での接触がないため、機械的損失が非常に少なく、例えば油回転真空ポンプのような摩擦仕事の大きい真空ポンプに比べて、駆動に要するエネルギーを少なくできるという利点を有する。
【0003】
一方、真空ポンプの厳しい使用環境において、ポンプロータに固体生成物などが付着して真空ポンプの始動時に大きなトルクを必要とする場合がある。モータで高トルクを発生させる方法として、例えば、モータの巻線の結線を直列と並列との間で切り替えて始動トルクの大きさを制御する方法(特許文献1参照)、モータの印加電圧を可変とする方法(特許文献2参照)、3相交流で得られた回転磁界と6相交流で得られた回転磁界とを合成して低速高トルクと高速低トルクとを両立させる方法(特許文献3参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−344778号公報
【特許文献2】特開平6−276782号公報
【特許文献3】特開2016−171626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来の始動トルクの制御方法では、多くの接点の切り替えを必要とし、制御回路の複雑化、高コスト化を招くという問題がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、回路構成を複雑化することなく、モータで高トルクを発生せることができる真空ポンプ、真空ポンプの駆動装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る真空ポンプは、ポンプ本体と、モータと、第1の駆動回路と、第2の駆動回路とを具備する。
前記ポンプ本体は、回転軸を有する。
前記モータは、前記回転軸に取り付けられたロータコアと、コイルが巻装されたステータコアとを有する。
前記第1の駆動回路は、交流電源を直流電源に変換する電源回路を有し、前記モータを回転させる駆動電流を前記コイルへ供給する。
前記第2の駆動回路は、充放電可能な補助電圧源を有し、前記モータの始動時に前記駆動電流よりも高い電流値のインパルス電流を前記コイルへ供給することが可能に構成される。
【0008】
上記真空ポンプは、上記構成の第2の駆動回路を備えているため、回路構成を複雑化することなく、真空ポンプの始動時に瞬間的な高始動力をモータで発生させることができる。これにより、例えば固体生成物の付着等に起因するポンプロータの固着を効率よく解除することができる。
【0009】
前記電源回路は、平滑用コンデンサを含み、前記補助電圧源は、前記平滑用コンデンサよりも大容量の蓄電素子を含んでもよい。
【0010】
前記第2の駆動回路は、前記電源回路と前記蓄電素子との間に接続された給電ラインと、前記給電ラインに設けられ電源回路から前記蓄電素子への通電を制限する電流制限素子と、をさらに有してもよい。
【0011】
前記電流制限素子は、第1のスイッチ素子又は抵抗素子であってもよい。
【0012】
前記第2の駆動回路は、前記補助電圧源と前記コイルとの間を接続可能な第2のスイッチ素子をさらに有してもよい。
【0013】
前記コイルは3相のコイル部を有してもよい。この場合、前記第2のスイッチは、前記3相のコイル部のうち任意の2相のコイル部間に前記インパルス電流を供給可能に構成される。
【0014】
前記第2の駆動回路は、前記モータの定格電流値よりも高い電流値のインパルス電流を前記コイルへ供給するように構成されてもよい。
【0015】
前記モータは、永久磁石同期型のブラシレスDCモータであってもよい。
【0016】
本発明の一形態に係る真空ポンプの駆動装置は、第1の駆動回路と、第2の駆動回路とを具備する。
前記第1の駆動回路は、交流電源を直流電源に変換する電源回路を有し、真空ポンプのモータへ駆動電流を供給する。
前記第2の駆動回路は、充放電可能な補助電圧源を有し、前記真空ポンプの始動時に前記駆動電流よりも高い電流値のインパルス電流を前記モータへ供給することが可能に構成される。
【0017】
本発明の一形態に係る真空ポンプの駆動方法は、真空ポンプの始動時に、前記真空ポンプのモータへ定格電流値よりも高い電流値のインパルス電流を供給することで、前記モータを振動させ、
前記モータへ前記定格電流値の駆動電流を供給することで、前記モータを回転させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回路構成を複雑化することなく、モータで高トルクを発生せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る真空ポンプの横断面図である。
図2】上記真空ポンプにおける制御ユニットの構成を示すブロック図である。
図3】上記真空ポンプにおける第1の駆動回路及び第2の駆動回路の一構成例を示す回路図である。
図4】上記第2の駆動回路から供給されるインパルス電流の波形の模式図である。
図5】上記真空ポンプの運転方法の一例を示すフローチャートである。
図6】上記インパルス電流の印加によるロータコアの挙動を説明する模式図である。
図7】上記インパルス電流の印加によるロータコアの挙動を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
[真空ポンプの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る真空ポンプの横断面図である。
図においてX軸、Y軸及びZ軸は相互に直交する3軸方向を示しており、Z軸は高さ方向に相当する。
【0022】
本実施形態の真空ポンプ100は、スクリューポンプで構成される。真空ポンプ100は、第1のユニットU1と、第2のユニットU2とを備える。
【0023】
(第1のユニット)
第1のユニットU1は、真空ポンプ100のポンプ本体110を構成する。第1のユニットU1は、ポンプハウジング11と、ポンプロータである第1及び第2のスクリュー軸21,22(第1及び第2の回転軸)とを有する。
【0024】
ポンプハウジング11は、第1のハウジング部111と、第2のハウジング部112とを有する。第1及び第2のハウジング部111,112は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属材料で構成され、位置決めピンP1及び環状のシール部材S1を介して相互に連結される。位置決めピンP1は、シール部材S1の外周側の複数位置にそれぞれ設けられる。
【0025】
第1のハウジング部111は、第1及び第2のスクリュー軸21,22を回転可能に収容するポンプ室13と、図示しない真空チャンバの排気配管に接続される吸気口14とを有する。第2のハウジング部112は、第1及び第2のスクリュー軸21,22が貫通する一対の貫通孔Hと、ポンプ室13に連通する排気口15とを有する。排気口15には、例えば、消音器や排気ガスの無害化装置が接続されてもよい。
【0026】
第1及び第2のスクリュー軸21,22は、それぞれY軸方向に平行な軸心を有し、X軸方向に相互に隣接してポンプ室13に配置される。第1のスクリュー軸21は、螺旋状の歯21sを有し、第2のスクリュー軸22は、歯21sと噛み合う螺旋状の歯22sを有する。第1及び第2のスクリュー軸21,22はいずれも、一条のネジで構成される。
【0027】
歯21s,22sは、捩れ方向が互いに逆方向であるほかは、それぞれほぼ同一の形状を有する。歯21s,22sは、一方の歯が他方の歯の間(溝)に位置するように僅かな隙間をあけて相互に噛み合っている。歯21sの外周面は、ポンプ室13の内壁面及び第2のスクリュー軸22の軸部の外周面(歯22s間の溝の底部)に僅かな隙間をあけて対向している。一方、歯22sの外周面は、ポンプ室13の内壁面及び第1のスクリュー軸21の軸部の外周面(歯21s間の溝の底部)に僅かな隙間をあけて対向している。
【0028】
吸気口14及び排気口15は、ポンプ室13を介して相互に連通している。吸気口14は、第1及び第2のスクリュー軸21,22の吸入端側に設けられ、排気口15はそれらの排出端側に設けられる。第1及び第2のスクリュー軸21,22は、それらの吸入端側及び排出端側に設置された軸受B1,B2を介してポンプ室13内に回転自在に配置されている。
【0029】
吸気口14及び排気口15の位置は上述の例に限られず、適宜変更することが可能である。例えば、排気口15は、第1のハウジング部111に設けられてもよい。ポンプハウジング11も第1及び第2のハウジング部111,112を組み合わせて構成される場合に限られず、単一のハウジング部品で構成されてもよいし、3つ以上のハウジング部品を組み合わせて構成されてもよい。ポンプハウジング11が3つ以上のハウジング部品を組み合わせて構成される場合、吸気口14は、例えば、最も吸気側に位置するハウジング部に設けられる。
【0030】
第1のスクリュー軸21は、真空ポンプ100の駆動源であるモータ40と接続されている。第1のスクリュー軸21には、第2のスクリュー軸22の排出端側軸部に取り付けられた同期ギヤ24と噛み合う同期ギヤ23が取り付けられており、モータ40による第1のスクリュー軸21への回転駆動力が同期ギヤ23,24を介して第2のスクリュー軸22へ伝達される。モータ40は、吸気口14から吸入した上記真空チャンバ内の気体を排気口15へ向けて移送するように、第1及び第2のスクリュー軸21,22を回転させる。
【0031】
第1のユニットU1は、モータ40の一構成要素であるロータコア41をさらに有する。ロータコア41は、第1のスクリュー軸21の先端部(排出端側軸部の先端部)21aに支持(圧入)される。モータ40は、永久磁石同期型のブラシレスDCモータである。ロータコア41は、周方向にN極とS極とが交互に配列された円筒形状の永久磁石材料で構成されるが、電磁石で構成されてもよい。
【0032】
(第2のユニット)
続いて、第2のユニットU2について説明する。
【0033】
第2のユニットU2は、ポンプ本体を駆動するモータユニットとして構成される。第2のユニットU2は、モータハウジング31と、円筒部材32と、モータ40の一構成要素であるステータコア42と、モータハウジング31と円筒部材32との間に配置されたシールリングS3と、規制部材34とを有する。
【0034】
モータハウジング31は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属材料で構成され、位置決めピンP2及び環状のシール部材S2を介してポンプハウジング11(第2のハウジング部112)に連結される。位置決めピンP2は、シール部材S2の外周側の複数位置にそれぞれ設けられる。モータハウジング31には、冷却水等の冷却媒体が循環する内部通路313が設けられている。
【0035】
モータハウジング31は、ステータコア42を保持するモータ室311と、同期ギヤ23,24を収容するギヤ室312とを有する。
【0036】
モータ室311は、概略円筒状の空間部で形成される。モータ室311のギヤ室312とは反対側の開口端部は、モータハウジング31の先端部に複数のネジN1を介して取り付けられた保護板33によって被覆されている。保護板33は、例えば格子板やパンチメタルのような開口を有する板材で構成され、当該開口を介してモータ室311が外気(大気)と連通している。これにより、モータ室の放熱効果が高められる。
【0037】
ギヤ室312は、モータハウジング31とポンプハウジング11(第2のハウジング部112)との間に区画され、同期ギヤ23,24および軸受B2を潤滑する潤滑油(図示略)を貯留することが可能に構成される。ギヤ室312は、軸受B2及びポンプハウジング11の貫通孔Hを介してポンプ室13と連通可能に構成される。貫通孔Hには、ポンプ室13とギヤ室312とを仕切る接触式あるいは非接触式のシールが設けられてもよい。
【0038】
モータハウジング31は、モータ室311とギヤ室312との間に形成された環状の支持壁部314をさらに有する。支持壁部314は、モータ室311よりも径内方側へ突出し、その内周端部には円筒部材32の外周面に接するシールリングS3が装着される装着溝が形成される。支持壁部314は、シールリングS3を支持する装着部として構成される。
【0039】
ステータコア42は、モータ室311に収容される。ステータコア42は、環状に形成された複数の磁性鋼板の積層体で構成され、円筒部材32の周囲に配置される。ステータコア42には、電源(図示略)に接続されるU、V及びW各相の複数のコイル43が巻回されている。
【0040】
ステータコア42の外周面は、モータ室311の内周面に固定される。固定方法は特に限定されず、本実施形態では、焼嵌めにより、ステータコア42の外周面がモータ室311に固定される。ステータコア42の内周面は、円筒部材32を介して、ロータコア41の外周面に対向している。
【0041】
円筒部材32は、ロータコア41とステータコア42との間に配置され、内部にロータコア41を収容する。円筒部材32は、第1のスクリュー軸21と同心的な軸心を有し、その軸方向の長さ(円筒部材32の高さ)は、支持壁部314の厚みとモータ室311の軸方向長さとの総和にほぼ一致する。
【0042】
規制部材34は、モータ室311からの円筒部材32の離脱を防止するためのものである。規制部材34は、支持壁部314に複数のネジ部材N2を介して取り付けられ、円筒部材32の開口端部とY軸方向に対向する環状の板部材である。規制部材34は、円筒部材32の開口端部と接触し、ステータコア42に対する円筒部材32の軸方向への移動を規制する。規制部材34は、典型的には金属板で構成されるが、PPS等の合成樹脂材料で構成されてもよい。規制部材34の厚みは特に限定されず、弾性変形可能な厚みで構成されてもよい。
【0043】
(制御ユニット)
真空ポンプ100は、モータ40の駆動を制御する制御ユニット50をさらに有する。制御ユニット50は、真空ポンプ100の駆動装置として構成される。制御ユニット50は、第2のユニットU2に設けられ、本実施形態では、モータハウジング31に設置された金属製ケース内に収容された回路基板やその上に搭載された各種電子部品で構成される。
【0044】
図2は、制御ユニット50の構成を示すブロック図である。制御ユニット50は、第1の駆動回路51と、第2の駆動回路52と、制御部53とを有する。
【0045】
第1の駆動回路51は、図2に示すように、駆動部511と、温度センサ512を有する。図3は、第1の駆動回路51及び第2の駆動回路52の一構成例を示す回路図である。
【0046】
駆動部511は、図3に示すように、整流回路511aと、平滑回路511bと、インバータ回路511cとを有する。整流回路511aは、三相交流電源60に接続され、三相交流電源60から供給される交流電流を整流する。平滑回路511bは、整流回路511aの出力を平滑化するためのもので、チョークコイルLと平滑用コンデンサC1とを含むチョークコイルインプット型平滑回路で構成される。整流回路511a及び平滑回路511bは、第1の駆動回路51において交流電源を直流電源に変換する電源回路510として構成される。
【0047】
インバータ回路511cは、モータ40を所定の回転数(例えば5000rpm)で回転させる駆動電流を生成する複数の半導体スイッチング素子Trを有する。これら半導体スイッチング素子Trは、MOSFET、IGBT等のトランジスタで構成され、制御部53により開閉タイミングが個別に制御されることにより、ステータコア42に巻装されたコイル43(U相巻線、V相巻線およびW相巻線)へ供給される駆動電流(定格電流)をそれぞれ生成する。
【0048】
温度センサ512は、第1の駆動回路51の温度を検出する。第1の駆動回路51が所定温度(例えば90℃)以上の場合、インバータ回路511cは、コイル43への駆動電流の供給を停止する。これにより、モータ40をフリーランの状態にしてモータ40の更なる温度上昇を防ぐことができる。
【0049】
第2の駆動回路52は、図2に示すように、充放電可能な補助電圧源521と、給電ラインFと、スイッチ回路(SW回路)522とを有する。第2の駆動回路は、モータ40の始動時に上記駆動電流よりも高い電流値のインパルス電流をコイル43へ供給することが可能に構成される。
【0050】
補助電圧源521は、蓄電素子C2と、抵抗R2とを含む。
蓄電素子C2は、平滑用コンデンサC1よりも大容量のコンデンサであり、典型的には、電解コンデンサである。蓄電素子C2は、給電ラインFを介して電源回路510に接続される。蓄電素子C2は、制御ユニット50の金属製ケースの外部に設置されてもよい。
【0051】
蓄電素子C2は、図3に示すように、整流回路511aとモータ40(コイル43)との間に、平滑用コンデンサC1とは並列的に接続される。すなわち、蓄電素子C2の一方の電極は、給電ラインFを介して平滑用コンデンサC1の高圧側に、後述する第1のスイッチS1を介して接続される。蓄電素子C2の他方の電極は、平滑用コンデンサC1の低圧側(グラウンド電位)に接続される。
【0052】
蓄電素子C2の容量は特に限定されず、例えば、平滑用コンデンサC1の50倍以上の静電容量を有する。一例として、平滑用コンデンサC1の容量は1100μFであり、蓄電素子C2の容量は56000μFである。
【0053】
抵抗R2は、蓄電素子C2の一方の電極とモータ40のコイル43との間に接続される。抵抗R2は、蓄電素子C2の放電時にコイル43へ供給される電流の大きさを調整するためのものである。
【0054】
補助電圧源521からモータ40のコイル43へ供給されるインパルス電流は、瞬間的に発生する、あるいは、短時間だけ流れる大波電流(サージ電流)である。インパルス電流の波形は特に限定されず、図4(a)に示すように時間軸(横軸)方向に対称な波形でもよいし、図4(b)に示すような非対称な波形であってもよい。本実施形態では、補助電圧源521が蓄電素子C2と抵抗R2とにより構成されるため、図4(b)に示すように電流の立ち下がり時間が蓄電素子C2と抵抗R2の抵抗値との積(時定数)で決まる波形のインパルス電流が生成される。
【0055】
補助電圧源521で発生するインパルス電流は、第1の駆動回路51からモータ40へ供給される駆動電流よりも大きな電流ピーク値を有する。電流ピーク値は、抵抗R2の抵抗値が小さいほど大きくなり、本実施形態では、モータ40の定格電流の数倍程度の電流ピーク値に設定される。また、インパルス電流の供給時間は、蓄電素子C2の静電容量で調整でき、本実施形態では、インパルス電流の供給時間が数百ミリ秒〜1秒程度となるように蓄電素子C2の静電容量が設定される。
【0056】
スイッチ回路522は、図3に示すように、第1のスイッチS1と、第2のスイッチS2と、第3のスイッチS3とを有する。
【0057】
第1のスイッチS1は、給電ラインFに設けられ、電源回路510と蓄電素子C2との間を電気的に接続し又は遮断するスイッチ素子(第1のスイッチ素子)である。第1のスイッチS1は、メカニカルスイッチであってもよいし、トランジスタ等の半導体素子であってもよい。第1のスイッチS1の開閉は制御部53により制御され、蓄電素子C2の充電時に第1のスイッチS1がON(通電)状態に切り替えられる。第1のスイッチS1は、電源回路510から蓄電素子C2への通電を制限可能な電流制限素子として機能し、典型的には、ノーマリーオン(B接点)スイッチである。
【0058】
なお、第2の駆動回路52は、抵抗R1をさらに有する。抵抗R1は、電源回路510と蓄電素子C2との間に配置され、本実施形態では第1のスイッチS1と蓄電素子C2との間に接続される。抵抗R1は、整流回路511aを過電流から保護するための抵抗素子である。すなわち、抵抗R1は、第1のスイッチS1のON状態への切り替え時に電源回路510から蓄電素子C2へ向かう突入電流(過電流)から整流回路511aを保護することができる抵抗値を有する。したがって抵抗R1は、電源回路510から蓄電素子C2への通電を制限可能な電流制限素子としての機能をも有する。抵抗R1は、後述するように、整流回路511aの耐久性、第1のスイッチS1の構成によっては省略されてもよい。
【0059】
第2のスイッチS2は、蓄電素子C2(補助電圧源521)とモータ40のコイル43との間(本実施形態では抵抗R2とコイル43との間)に配置され、蓄電素子C2とコイル43との間を電気的に接続し又は遮断するスイッチ素子(第2のスイッチ素子)である。第2のスイッチS2は、メカニカルスイッチであってもよいし、トランジスタ等の半導体素子であってもよい。第2のスイッチS2の開閉は制御部53により制御され、蓄電素子C2の放電時に第2のスイッチS2がON状態(通電)に切り替えられる。第2のスイッチS2は、典型的には、ノーマリーオフ(A接点)スイッチである。
【0060】
ここで、モータ40のコイル43は、U、V及びWの3相のコイル部を有する。本実施形態において第2のスイッチS2は、上記3相のコイル部のうち任意の2相のコイル部間に蓄電素子C2の充電電圧を供給可能に構成される。典型的には、第2のスイッチS2は、各相のコイル部に対応する複数のスイッチ部を有する。例えば、U−V相間を通電する場合には、U相のコイル部に蓄電素子C2の一方の電極が接続され、V相のコイル部に蓄電素子C2の他方の電極が接続される。
【0061】
第3のスイッチS3は、インバータ回路511cとモータ40のコイル43との間に配置され、インバータ回路511cとコイル43との間を電気的に接続し又は遮断するスイッチ素子(第3のスイッチ素子)である。第3のスイッチS3は、メカニカルスイッチであってもよいし、トランジスタ等の半導体素子であってもよい。第3のスイッチS3は、U,V及びWの各相に対応する複数のスイッチ部を含み、これらは同時にON/OFFすることが可能に構成される。第3のスイッチS3の開閉は制御部53により制御され、第2のスイッチS2のON操作による蓄電素子C2の放電前に、第3のスイッチS3がOFF状態(非通電)に切り替えられる。これにより、蓄電素子C2からの放電電流をコイル43のみに与えることができる。第3のスイッチS3は、典型的には、ノーマリーオン(B接点)スイッチである。
【0062】
制御部53は、第1の駆動回路51及び第2の駆動回路52を制御するためのものである。制御部53は、典型的には、CPUと、真空ポンプ100の動作を制御するための各種プログラムや制御パラメータを記憶するメモリを含むコンピュータで構成される。
【0063】
[真空ポンプの動作]
以下、制御ユニット50の詳細につき、真空ポンプ100の動作と併せて説明する。
【0064】
真空ポンプ100の運転が開始されると、制御部53は、第1の駆動回路51において駆動電流を生成させ、これをモータ40のコイル43へ供給する。モータ40が始動すると、第1及び第2のスクリュー軸21,22が回転し、吸気口14より吸入された図示しない真空チャンバ内の気体を排気口15から排出する所定のポンプ作用が行われる。
【0065】
ここで、真空ポンプ100によって排気される真空チャンバ内の気体としては、成膜用あるいはエッチング用の各種プロセスガスが挙げられる。プロセスガスとしては、典型的には、アルゴン等の不活性ガス、酸素、窒素、フッ素、炭素等の反応性ガスのほか、成膜用の有機金属材料を含む気体、エッチング処理で生じた反応生成物を含む気体など、常温で固化、凝縮するものが含まれる場合がある。このような環境下で真空ポンプの使用を継続すると、ポンプ本体の内部に凝縮性気体の固体生成物が堆積し、スクリュー軸が固着して通常の始動トルクではモータを始動させることができなくなる場合がある。このため、過酷な使用環境下でも所望とするポンプ作用を安定に確保することが必要とされる。
【0066】
そこで本実施形態では、第1の駆動回路51によってモータ40を始動できない場合には、第2の駆動回路52からモータ40へ定格電流値よりも高い電流値のインパルス電流を供給し、モータ40を振動させることで、スクリュー軸21,22の固着を解除するようにしている。以下、その詳細について説明する。
【0067】
図5は、真空ポンプ100の運転方法(駆動方法)の一例を示すフローチャートである。
【0068】
真空ポンプ100の制御ユニット50に三相交流電源60が接続されると、電源回路510において直流電源が生成される(ステップ101)。第1のスイッチS1及び第3のスイッチS3はON状態であり、第2のスイッチS2はOFF状態である。したがって、制御ユニット50に電源が投入されると、給電ラインFを介して、蓄電素子C2が充電される。
【0069】
制御部53は、インバータ回路511cを制御して定格電流値である駆動電流をモータ40のコイル43へ供給する。モータ40が始動すると(ステップ102においてYes)、駆動電流の生成を継続してモータ40を所定の回転数(例えば5000rpm)で回転させる。
【0070】
一方、真空ポンプ100の運転が一時的に停止すると、上述のようにポンプ本体110の温度の低下によりポンプ室13内の固体生成物がスクリュー軸21,22とポンプハウジング11間で固着することで、運転の再開時にモータ40が始動しない場合がある。そこで、モータ40が始動しない場合(ステップ102においてNo)、制御部53は、第1のスイッチS1及び第3のスイッチS3をOFF状態に、第2のスイッチS2をON状態にそれぞれ切り替えることで、蓄電素子C2を放電させる(ステップ103)。これにより、モータ40へ定格電流値よりも高い電流値のインパルス電流がモータ40へ供給される。ここでは、第2のスイッチS2によってU相のコイル部からW相のコイル部へ蓄電素子C2からの放電電流が通電される。
【0071】
ロータコア41は、図6に示すように、珪素鋼板の積層体411と、積層体411の内部に埋め込まれた永久磁石412とを含む。ステータコア42の内周部には図示せずとも、各相のコイル部が巻装される複数のティース部(スロット部)を有する。U相のコイル部とW相のコイル部との間が通電されたときにロータコア41が図中時計まわりに回転トルクを受けるとした場合、高電流値のインパルス電流がコイル43へ瞬間的に供給されることで、ロータコア41は、図6に示すように、ステータコア42に対して時計まわりに大きな回転トルクを受ける。これによりモータ40は振動し、この振動がスクリュー軸21,22へ伝達される。
【0072】
蓄電素子C2の放電後、第1のスイッチS1及び第3のスイッチS3はON状態に、そして、第2のスイッチS2はOFF状態にそれぞれ復帰する。これにより、蓄電素子C2は再び充電される。制御部53は、再び第1の駆動回路51から駆動電流をモータ40へ供給する。前回の蓄電素子C2の放電によるモータ40の振動作用でスクリュー軸21,22間の固着が解除されていれば、モータ40は始動する(ステップ104においてYes)。
【0073】
一方、上述の処理でモータ40が始動しない場合(ステップ104においてNo)、制御部53は再び、第1のスイッチS1及び第3のスイッチS3をOFF状態に、そして、第2のスイッチS2をON状態にそれぞれ切り替え、蓄電素子C2を放電させて、モータ40へインパルス電流を再度供給することで、スクリュー軸21,22の固着の解除を試みる(ステップ105)。
【0074】
2回目の蓄電素子C2の放電処理は、前回と同一の相のコイル部間にインパルス電流を供給するようにしてもよいが、本実施形態では、前回とは異なる相のコイル部間にインパルス電流が供給される。ここでは、図7に示すように、ロータコア41に対して前回とは反対方向(反時計まわり)に回転トルクが作用するように、U相のコイル部とV相のコイル部との間にインパルス電流が供給される。これにより、スクリュー軸21,22を異なる方向に衝撃を付与することができるため、スクリュー軸21,22の固着状態の効率的な解消が期待される。
【0075】
以上の処理は、モータ40が始動するまで繰り返し実行される。本実施形態によれば、スクリュー軸21,22の固体生成物の付着等による固着等でモータ40が始動できない場合でも、通常の駆動電流よりも大きな電流値のインパルス電流をモータ40に供給することで当該固着を解除し得る高始動力(振動あるいは衝撃)をモータ40へ付与することができる。これにより、厳しい使用環境下においても所望とするポンプ性能を発揮させることができるため、真空ポンプ100の信頼性及び耐久性を向上させることができる。
【0076】
また、補助電圧源521からモータ40へ供給されるインパルス電流の印加時間は極短時間であるため、モータ40の発熱も抑えることができる。したがって、モータ40に過大な負荷を生じさせることなく、固体生成物の堆積によるスクリュー軸21,22の固着を解除することができる。
【0077】
さらに本実施形態によれば、補助電圧源521が給電ラインFを介して第1の駆動回路51の電源回路510に接続されているため、補助電圧源521に別途の電源を必要とすることなく、大電流のインパルス電流をモータ40へ供給することができる。しかも、給電ラインFに第1のスイッチS1及び抵抗R1のような電流制限素子が設けられているため、電源回路510として高度な耐久性を必要としない汎用の回路を採用でき、第1の駆動回路51の構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
【0079】
例えば以上の実施形態では、真空ポンプ100としてスクリューポンプを例に挙げて説明したが、メカニカルブースタポンプや多段ルーツポンプ等の他のドライポンプにも、本発明は適用可能である。
【0080】
また、以上の実施形態では、補助電圧源521が第1の駆動回路51における電源回路510の出力で充電可能に構成されたが、これに限られず、補助電圧源521に専用の電源回路が別途設置されてもよい。この場合、給電ラインF、第1のスイッチS1、抵抗R1の設置が省略される。
【0081】
また、以上の実施形態では、補助電圧源521からモータ40へのインパルス電流を直接供給するように構成されたが、インバータ回路511cの耐圧特性が高い場合には、インバータ回路511cを介してインパルス電流をモータ40へ供給するように構成されてもよい。
【0082】
また、整流回路511aのダイオードやチョークコイルLが所定以上の耐久性を有する場合には、抵抗R1の設置を省略することができる。あるいは、蓄電素子C2の放電時に電源回路510へ向かう電流を制限できる程に抵抗R1の抵抗値を大きくすることで、第1のスイッチS1の設置を省略することもできる。
【0083】
あるいは、第1のスイッチS1を所定の周波数でON/OFFを切り替えることで、電源回路510から蓄電素子C2へ供給される電流を制限してもよい。例えば本実施形態のように、スクリュー軸21,22の固着を解除するために蓄電素子C2を複数回充放電させる想定がある場合、上記固着の解除を行うのに有効な放電電流を確保したい(蓄電素子C2の容量が大きい)場合、回路構成を複雑化させないために第1の駆動回路51を汎用回路で構成する場合等においては、整流回路511aやチョークコイルLを通過している電流の単位時間あたりの積算量(つまり発熱量)を制限する必要があるため、抵抗R1の値をゼロにすることができない。一方、第1のスイッチS1をFET等のトランジスタ半導体スイッチ素子とし、図示しないパルス発生回路によりパルス幅変調方式(PWM方式)にて充電電流を制限可能であれば、抵抗R1を必要とすることなく整流回路511aを過電流から保護することができる。この場合、第1のスイッチS1は、電流制限素子として機能する。
【0084】
さらに以上の実施形態では、第1の駆動回路51によるモータの始動が失敗したときに、第2の駆動回路52(補助電圧源521)からモータ40へインパルス電流を供給するように構成されたが、これに限られない。例えば、ポンプ本体の温度を取得可能な温度センサをポンプ本体に設置し、ポンプ運転開始時(始動時)の当該温度センサの出力が所定温度以下の場合には凝縮性ガスの固着、堆積が生じていると判断し、第1の駆動回路51によるモータ始動の判断を行うことなく、第2の駆動回路52によるモータ始動を実行してもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…ポンプ本体
21…第1のスクリュー軸
22…第2のスクリュー軸
40…モータ
43…コイル
50…制御ユニット
51…第1の駆動回路
52…第2の駆動回路
100…真空ポンプ
510…電源回路
521…補助電圧源
522…スイッチ回路
C1…平滑用コンデンサ
C2…蓄電素子
F…給電ライン
S1…第1のスイッチ
S2…第2のスイッチ
S3…第3のスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7