特開2020-203817(P2020-203817A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アルバックの特許一覧
<>
  • 特開2020203817-シリコンナノチューブの製造方法 図000003
  • 特開2020203817-シリコンナノチューブの製造方法 図000004
  • 特開2020203817-シリコンナノチューブの製造方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-203817(P2020-203817A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】シリコンナノチューブの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/021 20060101AFI20201127BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20201127BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20201127BHJP
【FI】
   C01B33/021
   H05H1/46 L
   B82Y40/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-113398(P2019-113398)
(22)【出願日】2019年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】村山 貴英
(72)【発明者】
【氏名】森川 泰宏
【テーマコード(参考)】
2G084
4G072
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB02
2G084BB11
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD38
2G084FF27
2G084FF29
4G072AA01
4G072BB03
4G072BB12
4G072BB16
4G072FF09
4G072GG01
4G072GG03
4G072HH01
4G072JJ03
4G072JJ05
4G072JJ50
4G072KK20
4G072LL05
4G072MM02
4G072NN27
4G072RR01
4G072RR11
4G072RR13
4G072RR25
4G072SS04
4G072SS14
4G072TT30
4G072UU30
(57)【要約】
【課題】1ステップのエッチング工程でシリコンナノチューブを形成できるようにしたシリコンナノチューブ製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板Swの一方の面から起立した筒部Ptを有するシリコンナノチューブStを製造する本発明のシリコンナノチューブの製造方法は、シリコン基板の被エッチング面Sweにリング状のマスクMkを形成する工程と、マスクが形成されたシリコン基板を真空チャンバ1内に設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとを含むエッチングガスを導入してプラズマを生成し、シリコン基板の被エッチング面をエッチングするエッチング工程とを含み、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板の一方の面から起立した筒部を有するシリコンナノチューブの製造方法において、
シリコン基板の被エッチング面にリング状のマスクを形成する工程と、マスクが形成されたシリコン基板を真空チャンバ内に設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとを含むエッチングガスを導入してプラズマを生成し、シリコン基板の被エッチング面をエッチングするエッチング工程とを含み、
ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定することを特徴とするシリコンナノチューブの製造方法。
【請求項2】
前記エッチングガスは炭素原子を含有しないことを特徴とする請求項1記載のシリコンナノチューブの製造方法。
【請求項3】
前記プラズマとして、真空チャンバの外側に配置された磁場コイルにより真空チャンバ内に形成される環状の磁気中性線に沿って生成されるものを利用することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシリコンナノチューブの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンナノチューブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、細胞内にタンパク質等の生体物質や薬剤を効率的に輸送するために、シリコン基板の一方の面から起立した複数本の筒部を有するシリコンナノチューブを利用することが試みられている。このようなシリコンナノチューブの製造方法は、例えば非特許文献1で知られている。このものは、電子線リソグラフィ技術を用いて、シリコン基板の被エッチング面にリング状のHSQ製マスクを形成する工程と、マスクが形成されたシリコン基板をICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置を用いてエッチングする工程とを含む。エッチング工程では、真空チャンバ内のステージ上にシリコン基板を設置し、真空チャンバ内を所定圧力まで真空排気した後、真空チャンバ内にSFガスと酸素ガスとからなるエッチングガスを導入し、真空チャンバ外側のコイルに高周波電力を投入して真空チャンバ内にプラズマを生成する。そして、プラズマ中で電離したフッ素イオンや酸素イオンや、プラズマ中で活性化されたフッ素ラジカルや酸素ラジカルが被エッチング面に到達し、このとき、フッ素イオンやフッ素ラジカルと被エッチング面のシリコンとが反応して揮発性の高いSiFが生成され、真空チャンバ外に排気されることによってエッチングが進行する。
【0003】
上記のように、主としてフッ素ラジカルとの反応でエッチングを進行させると、シリコン基板の被エッチング面が等方性エッチングされ、これでは、エッチング側壁で区画される、シリコン基板の一方の面から起立した筒部を形成できない。このため、上記従来例のものでは、シリコン基板が設置されるステージを例えば液体窒素を用いて−100℃以下の極低温に冷却し、エッチング中、ステージからの熱交換でシリコン基板を極低温に冷却することで、その板厚方向へのエッチングがより進行する異方性エッチングされるようにしている。然し、液体窒素を用いてステージを冷却するのでは、シリコンナノチューブ製造のコストアップを招来するという問題がある。
【0004】
また、ドライエッチングによりシリコンナノチューブを製造する場合、所謂ボッシュプロセス(Bosch Process)を適用することが考えられる(例えば特許文献1参照)。このプロセスは、エッチング工程とエッチング側壁に保護膜を堆積させる堆積工程とを交互に繰り返すため、製造工程数が多くなって生産性を効果的に高めることができないという問題がある。そこで、ステージを極低温に冷却することなしに、1ステップのエッチング工程にてシリコンナノチューブを製造できるシリコンナノチューブ製造方法の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Fabrication of single-crystal silicon nanotubes with sub-10nm walls using cryogenic inductively coupled plasma reactive ion etching、Zhiqin Li、外8名、2016年8月、Nanotechnology、volume27、Number 36
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4414774号公報(例えば段落0033参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、1ステップのエッチング工程でシリコンナノチューブを形成できるようにしたシリコンナノチューブ製造方法を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、シリコン基板の一方の面から起立した筒部を有するシリコンナノチューブを製造する本発明のシリコンナノチューブの製造方法は、シリコン基板の被エッチング面にリング状のマスクを形成する工程と、マスクが形成されたシリコン基板を真空チャンバ内に設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとを含むエッチングガスを導入してプラズマを生成し、シリコン基板の被エッチング面をエッチングするエッチング工程とを含み、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定することで、ステージを極低温に冷却することなしに、1ステップのエッチング工程にてシリコンナノチューブを製造することができることが確認された。これは、次のことによるものと考えられる。即ち、真空チャンバ内に、例えばハロゲン含有ガスとしてのSFガスと酸素ガスとを含むエッチングガスを導入し、プラズマを生成すると、プラズマ中でエッチングガスが分解されてフッ素イオン、フッ素ラジカル、酸素イオン、酸素ラジカル等が生成する。その当初は、シリコン基板の被エッチング面は、等方性エッチングによりエッチングが進行し、エッチングの進行で形成されるエッチング底壁やエッチング側壁には、酸素イオンや酸素ラジカルがシリコンと反応してSiOx層が形成される。このとき、SFガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定しておけば、通常は、エッチング中、シリコン基板にはバイアス電位が印加されることで、エッチング底壁にはフッ素イオンや酸素イオンが積極的に引き込まれることで、そこに形成されるSiOx層が除去されてフッ素ラジカルやフッ素イオンとの反応でエッチングが進行する一方で、フッ素イオンや酸素イオンが比較的引き込まれ難いエッチング側壁に形成されるSiOx層が保護層として機能するようになる。これにより、板厚方向へのエッチングがより進行する異方性エッチングになり、エッチング側壁で区画される、シリコン基板の一方の面から起立した筒部が形成される。尚、流量比が上記範囲を外れると、筒部が形成されなかったり、エッチング残渣が発生したりするという不具合が生じる場合がある。また、エッチングガスとして炭素原子を含有しないものを用いることが好ましい。エッチングガスに炭素が含まれていると、シリコン基板の異方性エッチングが進行しない。
【0010】
本発明においては、前記プラズマとして、真空チャンバの外側に配置された磁場コイルにより真空チャンバ内に形成される環状の磁気中性線に沿って生成されるものを利用することが好ましい。これによれば、真空チャンバ内の圧力が1Pa以下であっても、真空チャンバ内に形成される磁気中性線に沿って形成されるプラズマの密度は上記従来例のICPプラズマよりも高密度のものとなり、高いエッチングレートでシリコン基板をエッチングすることができ、有利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)〜(c)は、本実施形態のシリコンナノチューブの製造方法を説明する図。
図2】本実施形態のシリコンナノチューブの製造方法のエッチング工程を実施するエッチング装置を説明する模式図。
図3】(a)〜(c)は、本発明の実験結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明のシリコンナノチューブの製造方法について、シリコン基板の一方の面から起立した筒部を有するシリコンナノチューブを製造する場合を例に説明する。
【0013】
先ず、図1(a)に示すように、シリコン基板(シリコンウエハ)Swの被エッチング面Sweに、リング状のマスクMkを形成する。マスクMkとしては、HSQ製のものを形成することができ、その形成方法は公知のEB(電子線)リソグラフィ技術を利用することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。マスクMkの内径d1、外径d2や厚さは、製造しようとする筒部及びシリコンナノチューブに対応させて適宜設定される。
【0014】
次に、図1(b)に示すように、マスクMkが形成されたシリコン基板Swをエッチングする(エッチング工程)。
【0015】
図2を参照して、エッチング工程を実施するエッチング装置EMとして、磁気中性線放電(NLD:Neutral Loop Discharge)プラズマエッチング装置を例に説明する。このエッチング装置EMは、真空チャンバ1を有し、真空チャンバ1には、ターボ分子ポンプやロータリーポンプ等で構成される真空ポンプ2に通じる排気管11が接続されている。真空チャンバ1は、互いに連通するプラズマ生成室12と処理室13とを有する。プラズマ生成室12にはガス導入管14が接続され、ガス導入管14はマスフローコントローラ15a,15bを介してハロゲン含有ガスのガス源16a及び酸素ガスのガス源16bに連通している。これにより、流量制御されたハロゲン含有ガスと酸素ガスとをエッチングガスとしてプラズマ生成室12内に導入できるようになっている。ハロゲン含有ガスとしては、六フッ化硫黄ガス(SFガス)や臭化水素ガス(HBrガス)といった炭素を含まないものを用いることができる。尚、エッチングガスとして、不活性ガス等の希釈ガスを更に含んでもよい。プラズマ生成室12の誘電体製の側壁の外側には、3つの磁場コイル21,22,23が上下方向に間隔を存して設けられ、これらの磁場コイル21,22,23に通電することで(このとき、流れる電流値は30.6/54.3/30.6A)、プラズマ生成室12内に環状の磁気中性線Lmが形成されるようになっている。また、磁場コイル21〜23と誘電体側壁との間には、プラズマ発生用のアンテナコイル3が配置され、アンテナコイル3には高周波電源E1からの出力が接続されている。磁気中性線Lmを形成した状態でアンテナコイル3に高周波電力を投入すると、プラズマ生成室12内に磁気中性線Lmに沿ってプラズマを発生(生成)させることができる。
【0016】
処理室13内の下部には、シリコン基板Swがセットされるステージ4が絶縁体40を介して設けられている。ステージ4は、円柱状の金属製の基台41と、この基台41上面に図示しない絶縁体を介して設けられた平面視円形の基板電極42とから構成され、基板電極42は、コンデンサ43を介して高周波電源E2に接続され、基板電極42に高周波電力を投入することで、シリコン基板Swにバイアス電位を印加できるようになっている。基台41には、図外のチラーから供給される冷媒が循環する循環路が形成されており、ステージ4ひいてはシリコン基板Swを所定温度(例えば−20℃)に冷却できるようになっている。
【0017】
上記エッチング装置EMを用いてエッチング工程を行うのに際しては、マスクMkが形成されたシリコン基板Swを、真空チャンバ1内のステージ4上にセットし、真空ポンプ2により真空チャンバ1内を真空排気する。このとき、冷媒を循環させてステージ4ひいてはシリコン基板Swを所定温度(例えば−20℃)に冷却する。そして、真空チャンバ1内の圧力が所定圧力(例えば0.1Pa)に達すると、エッチングガスとしてSFガスと酸素ガスとを後述の流量比で導入し(このとき真空チャンバ1内の圧力は1.0Pa)、高周波電源E1からアンテナコイル3に所定周波数(例えば、13.56MHz)の高周波電力を投入すると、プラズマ生成室12内に磁場コイル21,22,23に通電することによって形成された磁気中性線Lmに沿ってプラズマが発生する。それに併せて、高周波電源E2からステージ4に異なる周波数(例えば、12.56MHz〜256kHzの範囲における何れか)の高周波電力を投入することで、シリコン基板Swにバイアス電位が印加される。
【0018】
ここで、本発明者らの鋭意研究により、SFガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定することで、ステージ4を極低温に冷却することなしに、1ステップのエッチング工程にて筒部Ptを製造できることが確認された。これは、次のことによるものと考えられる。即ち、真空チャンバ1内に、SFガスと酸素ガスとを含むエッチングガスを導入し、プラズマを生成すると、プラズマ中でエッチングガスが分解されてフッ素イオン、フッ素ラジカル、酸素イオン、酸素ラジカル等が生成する。その当初は、シリコン基板Swの被エッチング面Sweは、等方性エッチングによりエッチングが進行し、エッチングの進行で形成されるエッチング底壁やエッチング側壁には、酸素イオンや酸素ラジカルがシリコンと反応してSiOx層が形成される。このとき、SFガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定しておけば、通常は、エッチング中、シリコン基板Swにはバイアス電位が印加されることで、エッチング底壁にはフッ素イオンや酸素イオンが積極的に引き込まれることで、その底壁に形成されるSiOx層が除去されてフッ素ラジカルやフッ素イオンとの反応でエッチングが進行する一方で、フッ素イオンや酸素イオンが比較的引き込まれ難いエッチング側壁に形成されるSiOx層が保護層Lpとして機能するようになる。これにより、板厚方向へのエッチングがより進行する異方性エッチングになり、エッチング側壁で区画される、シリコン基板Swの一方の面(上面)から起立した筒部Ptが形成される。尚、流量比が上記範囲を外れると、筒部Ptが形成されなかったり、エッチング残渣が発生したりするという不具合が生じる場合がある。また、エッチングガスに炭素が含まれていると、シリコン基板Swの異方性エッチングが進行しないか、著しくエッチングレートが低くなる虞がある。
【0019】
最後に、マスクMkを除去することにより、図1(c)に示すように、シリコン基板Swの上面から起立した筒部Ptを有するシリコンナノチューブStが製造される。マスクMkの除去方法としては、マスクMkの材料に応じて公知の薬液によるウェット除去法や酸素プラズマによるアッシングを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0020】
上記効果を確認するために、次の実験を行った。実験1では、Φ150mmのシリコン基板Swの被エッチング面Sweに外径が445nm、内径が275nmであるHSQ製のリング状のマスクMkをEB(電子線)リソグラフィ技術を用いて形成し、このマスクMkが形成されたシリコン基板Swを上記エッチング装置EMを用いて以下のエッチング条件でエッチングした。即ち、エッチングガスをSFガスと酸素ガスとの混合ガスとし、SFガス流量を30sccm、酸素ガス流量を25sccmとし(このとき、SFガスと酸素ガスとの流量比は6:5)、真空チャンバ1内の圧力を1.0Paとし、シリコン基板Swの冷却温度を−20℃とし、アンテナコイル3への投入電力を13.56MHz、200W、ステージ4への投入電力を400kHz、16Wとし、エッチング時間を30secとした。エッチング後、マスクMkを除去すると、図3(a)に示すように、筒部Ptを有するシリコンナノチューブStが得られた。
【0021】
次に、実験2では、エッチングガスのSFガス流量を28sccm、酸素ガス流量を27sccmとした点を除き、上記実験1と同様の製造方法を実施したところ、図3(b)に示すように、上記実験1よりも滑らかな側面を持つ筒部Ptを有するシリコンナノチューブStが得られた。
【0022】
次に、実験3では、エッチングガスのSFガス流量を25sccm、酸素ガス流量を30sccmとした点(このとき、SFガスと酸素ガスとの流量比は5:6)を除き、上記実験1と同様の製造方法を実施したところ、図3(c)に示すように、上記実験1及び実験2よりも高さが低い筒部Ptを有するシリコンナノチューブStが得られた。
【0023】
また、比較実験として、上記実験1よりもSFガスの流量を増加させてSFガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲外にすると、等方性エッチングを抑制する保護層Lpとして機能するのに十分なSiOx層が形成されず、所望のシリコンナノチューブが得られないことが確認された。一方、上記実験3よりも酸素ガスの流量を増加させてSFガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲外にすると、所望のシリコンナノチューブSt以外に針状のシリコンが残渣として生じることが確認された。
【0024】
以上の実験によれば、SFガスと酸素ガスとの流量比を6:5〜5:6の範囲に設定することにより、1ステップのエッチング工程で、筒部Ptを有するシリコンナノチューブStを形成できることが判った。また、図示していないが、筒部Ptの側面(即ち、エッチング側壁)が薄いSiOx層で覆われていることが確認された。
【0025】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。上記実施形態では、フッ素含有ガスとしてSFガスを用いる場合を例に説明したが、臭化水素ガスを用いる場合も本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
Lm…磁気中性線、Mk…マスク、Pt…筒部、St…シリコンナノチューブ、Sw…シリコン基板、Swe…被エッチング面、1…真空チャンバ、21,22,23…磁場コイル。
図1
図2
図3