【解決手段】粘着剤組成物は、樹脂、架橋剤、及びシラン化合物を含む。シラン化合物は、主鎖にSi−O−Si結合を含み、シラン化合物の主鎖の両末端は、加水分解性基以外の官能基を有し、シラン化合物の側鎖は、カルボキシル基以外の官能基を有する。
前記シラン化合物の主鎖の両末端は、それぞれ独立してアルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基である、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<粘着剤組成物>
本発明に係る粘着剤組成物は、樹脂と、架橋剤と、シラン化合物とを含む。粘着剤組成物は、樹脂、架橋剤、及びシラン化合物に加えてシランカップリング剤を含んでいてもよい。以下、上記の樹脂を「樹脂(A)」、上記の架橋剤を「架橋剤(B)」、上記のシラン化合物を「シラン化合物(C)」、上記シランカップリング剤を「シランカップリング剤(D)」ということがある。
【0010】
粘着剤組成物としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着剤組成物、ウレタン系粘着剤組成物、シリコーン系粘着剤組成物、ポリエステル系粘着剤組成物、ポリアミド系粘着剤組成物、ポリエーテル系粘着剤組成物、フッ素系粘着剤組成物、ゴム系粘着剤組成物等が挙げられる。上記した粘着剤組成物の中でも、透明性、粘着力、信頼性、リワーク性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤組成物が好ましく用いられる。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記についても同様である。
【0011】
(樹脂(A))
粘着剤組成物は、樹脂(A)を含む。樹脂(A)としては、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、フッ素系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等を挙げることができる。これらのうち、透明性、粘着力、信頼性、リワーク性等の観点から、樹脂(A)は、(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする(50質量%以上含有する)ことが好ましい。
【0012】
((メタ)アクリル系樹脂)
粘着剤組成物の樹脂(A)として好適に用いることができる(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、下記式(I):
【化1】
で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とする(50質量%以上含有する)重合体(以下、この重合体を「(メタ)アクリル系樹脂(a1)」ということがある。)である。
【0013】
上記式(I)において、R
1は水素原子又はメチル基を表し、R
2は炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜14のアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数7〜21のアラルキル基を表す。R
2は、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜14のアルキル基であることが好ましい。
【0014】
式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルの具体例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルのような直鎖状の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチルのような分枝状の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む。(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル部分の炭素数は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜6である。
【0015】
R
2がアルコキシ基で置換されたアルキル基である場合、すなわち、R
2がアルコキシアルキル基である場合における式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルの具体例は、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル等を含む。R
2が炭素数7〜21のアラルキル基である場合における式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルの具体例は、(メタ)アクリル酸ベンジル等を含む。
【0016】
式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチルを含むことがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(a1)は、これを構成する全単量体中、アクリル酸n−ブチルを50質量%以上含むことが好ましい。勿論、アクリル酸n−ブチルに加えて、それ以外の式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルを併用することもできる。
【0017】
(メタ)アクリル系樹脂(a1)は通常、上記式(I)の(メタ)アクリル酸エステルと、極性官能基を有する単量体に代表される少なくとも1つの他の単量体との共重合体である。極性官能基を有する単量体は、極性官能基を有する(メタ)アクリル酸系化合物であることが好ましい。極性官能基としては、遊離カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基をはじめとする複素環基等を挙げることができる。
【0018】
極性官能基を有する単量体の具体例は、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレートのような遊離カルボキシル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−又は3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのような水酸基を有する単量体;(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルピリジン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,5−ジヒドロフランのような複素環基を有する単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのような複素環とは異なるアミノ基を有する単量体等を含む。極性官能基を有する単量体は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
上記の中でも、(メタ)アクリル系樹脂(a1)の反応性の観点から、(メタ)アクリル系樹脂(a1)を構成する極性官能基含有単量体の1つとして、水酸基を有する単量体を用いることが好ましい。水酸基を有する単量体に加えて、他の極性官能基を有する単量体、例えば、遊離カルボキシル基を有する単量体を併用することも有効である。
【0020】
(メタ)アクリル系樹脂(a1)は、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の芳香環とを有する単量体(ただし、上記式(I)で表される単量体及び上記極性官能基を有する単量体に該当するものは除く。)に由来する構造単位をさらに含んでいてもよい。好適な例として芳香環を有する(メタ)アクリル酸系化合物を挙げることができる。芳香環を有する(メタ)アクリル酸系化合物の好適な例は、下記式(II):
【化2】
で表されるフェノキシエチル基含有(メタ)アクリル酸エステルのようなアリールオキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
【0021】
上記式(II)において、R
3は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜8の整数を表し、R
4は水素原子、アルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。R
4がアルキル基である場合、その炭素数は1〜9程度であることができ、アラルキル基である場合、その炭素数は7〜11程度、またアリール基である場合、その炭素数は6〜10程度であることができる。
【0022】
式(II)中のR
4を構成する炭素数1〜9のアルキル基としては、メチル、ブチル、ノニル等が、炭素数7〜11のアラルキル基としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が、炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル、トリル、ナフチル等が、それぞれ挙げられる。
【0023】
式(II)で表されるフェノキシエチル基含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例は、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−フェノキシエトキシ)エチル、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−(o−フェニルフェノキシ)エチル等を含む。フェノキシエチル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フェノキシエチル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(o−フェニルフェノキシ)エチル及び/又は(メタ)アクリル酸2−(2―フェノキシエトキシ)エチルを含むことが好ましい。
【0024】
(メタ)アクリル系樹脂(a1)は、その固形分全体量を基準に、上記式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を、好ましくは60〜99.9質量%、より好ましくは80〜99.6質量%の割合で含有し、極性官能基を有する単量体に由来する構造単位を、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.4〜10質量%の割合で含有し、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の芳香環とを有する単量体に由来する構造単位を、好ましくは0〜40質量%、より好ましくは6〜12質量%の割合で含有することができる。
【0025】
(メタ)アクリル系樹脂(a1)は、式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル、極性官能基を有する単量体、及び分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の芳香環とを有する単量体以外の単量体(以下、「その他の単量体」ともいう。)に由来する構造単位を含んでいてもよい。その他の単量体の具体例は、分子内に脂環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位、スチレン系単量体に由来する構造単位、ビニル系単量体に由来する構造単位、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する構造単位、(メタ)アクリルアミドモノマーに由来する構造単位等を含む。その他の単量体は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
脂環式構造は、炭素数が通常5以上、好ましくは5〜7程度である。脂環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例は、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルフェニル、α−エトキシ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等を含む。
【0027】
スチレン系単量体の具体例は、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンのようなアルキルスチレン;フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンのようなハロゲン化スチレン;ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼン等を含む。
【0028】
ビニル系単量体の具体例は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルのような脂肪酸ビニルエステル;塩化ビニル、臭化ビニルのようなハロゲン化ビニル;塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビニリデン;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールのような含窒素芳香族ビニル;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンのような共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を含む。
【0029】
分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の具体例は、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのような分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのような分子内に3個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体等を含む。
【0030】
(メタ)アクリルアミド化合物の具体例は、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−ヒドロキシペンチル)(メタ)アクリルアミド、N−(6−ヒドロキシヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、N−〔2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチル〕(メタ)アクリルアミド、2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、N−(メトキシメチル)アクリルアミド、N−(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルエトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルプロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−メチルプロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド〔別名:N−(イソブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド〕、N−(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチルエトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−エトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−プロポキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−〔2−(1−メチルエトキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミド、N−〔2−(1−メチルプロポキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミド、N−〔2−(2−メチルプロポキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミド〔別名:N−(2−イソブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド〕、N−(2−ブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−〔2−(1,1−ジメチルエトキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミド等を含む。
【0031】
(メタ)アクリル系樹脂(a1)は、その固形分全体の量を基準に、その他の単量体を、通常0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%の割合で含有する。
【0032】
粘着剤層と光学部材との密着性の観点から、(メタ)アクリル系樹脂(a1)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が50万以上であることが好ましく、60万以上であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(a1)のMwは、通常170万以下である。
【0033】
(メタ)アクリル系粘着剤組成物の樹脂(A)は、(メタ)アクリル系樹脂(a1)を2種以上含んでいてもよい。また、樹脂(A)は、(メタ)アクリル系樹脂(a1)に加えて、これとは異なる(メタ)アクリル系樹脂、例えば、式(I)の(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有し、かつ極性官能基を有さない(メタ)アクリル系樹脂(a2)や、上記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とし、Mwが0.5万〜12万の範囲にある(メタ)アクリル系樹脂(a3)等を含むことができる。
【0034】
(架橋剤(B))
粘着剤組成物は、架橋剤(B)を含む。粘着剤組成物が架橋剤(B)を含むことにより、粘着剤組成物に含まれる樹脂(A)に架橋構造を形成し、粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層に良好な耐久性やリワーク性を付与することができる。
【0035】
架橋剤(B)は、樹脂(A)中の特に極性官能基含有単量体に由来する構造単位と反応し、(メタ)アクリル系樹脂(a1)のような樹脂(A)を架橋させる化合物である。具体的には、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、金属キレート系化合物等が例示される。これらのうち、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物及びアジリジン系化合物は、樹脂(A)中の極性官能基と反応し得る官能基を分子内に少なくとも2個有する。架橋剤(B)は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
イソシアネート系化合物は、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有する化合物である。イソシアネート系化合物の具体例は、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等を含む。また、これらのイソシアネート化合物に、グリセロールやトリメチロールプロパンのようなポリオールを反応させたアダクト体や、イソシアネート化合物を二量体、三量体等にしたものも架橋剤(B)となり得る。
【0037】
エポキシ系化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物である。エポキシ系化合物の具体例は、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等を含む。
【0038】
アジリジン系化合物は、エチレンイミンとも呼ばれる1個の窒素原子と2個の炭素原子とからなる3員環の骨格を分子内に少なくとも2個有する化合物である。アジリジン系化合物の具体例は、ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、イソフタロイルビス−1−(2−メチルアジリジン)、トリス−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリメチロールプロパン−トリス−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリス−β−アジリジニルプロピオネート等を含む。
【0039】
金属キレート化合物の具体例は、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、及びジルコニウム等の多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物等を含む。
【0040】
架橋剤(B)は、粘着剤組成物の樹脂(A)の固形分100質量部に対して、通常0.05質量部以上5質量部以下、好ましくは0.1質量部以上5質量部以下の割合で含有される。架橋剤(B)の含有量が0.05質量部以上であると、粘着剤層の耐久性が向上する傾向にある。
【0041】
架橋剤(B)は、樹脂(A)(2種以上用いる場合はそれらの合計)の固形分100質量部に対して、通常0.05質量部以上5質量部以下、好ましくは0.1質量部以上5質量部以下の割合で含有される。架橋剤(B)の含有量が0.05質量部以上であると、粘着剤層の耐久性が向上する傾向にある。
【0042】
(シラン化合物(C))
粘着剤組成物は、シラン化合物(C)を含む。シラン化合物(C)は、粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層表面の平滑性を向上するためや、粘着剤組成物を塗工する際の塗工ムラを抑制するために用いることができる。
【0043】
シラン化合物(C)は、主鎖にSi−O−Si結合を含み、この主鎖の両末端が加水分解性基以外の官能基を有し、側鎖がカルボキシル基(−COOH)以外の官能基を有するものである。主鎖の両末端をなす官能基は、Si−O−Si結合の末端に位置するSiに結合する官能基をいう。加水分解性基とは、ケイ素原子に直接結合しており、加水分解反応や縮合反応によってシラノール基(−SiOH)を生じる置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。加水分解性基が炭素原子を有する場合、その炭素数は6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。側鎖をなす官能基は、主鎖に位置するSiに結合する官能基をいう。粘着剤組成物は、1種または2種以上のシラン化合物(C)を含むことができる。
【0044】
シラン化合物(C)の主鎖の両末端は、加水分解性基以外の官能基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、それぞれ独立して、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を有することが好ましい。
【0045】
アルキル基としては、例えば炭素数が1〜6のアルキル基を挙げることができる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、上記アルキル基が有する1以上の水素を、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換したものが挙げられる。アラルキル基としては、例えば炭素数が7〜16のアラルキル基を挙げることができる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フェニルプロピル基が挙げられる。シラン化合物(C)の主鎖の両末端は、それぞれ独立してアルキル基であることが好ましく、いずれもメチル基であることが好ましい。
【0046】
シラン化合物(C)の側鎖は、カルボキシル基以外の官能基以外の官能基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、それぞれ独立して、アルキル基又はアラルキル基を有することが好ましい。アルキル基及びアラルキル基としては、上記で例示したものを用いることができる。シラン化合物(C)の側鎖は、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。シラン化合物(C)の側鎖のうちのいずれかがメチル基を含むことが好ましい。
【0047】
シラン化合物(C)は、上記の構造を有するものであれば特に限定されないが、レベリング剤として用いられるものであることが好ましい。このようなシラン化合物(C)の温度25℃における粘度は、通常300mPa・s以上であることができる。シラン化合物(C)の上記粘度は、500mPa・s以上であることがより好ましく、800mPa・s以上であることがさらに好ましく、1000mPa・s以上であってもよく、1100mPa・s以上であってもよく、1200mPa・s以上であってもよく、2000mPa・s以上であってもよい。シラン化合物の温度25℃における粘度は、通常3000mPa・s以下であり、2500mPa・s以下であってもよい。シラン化合物(C)の温度25℃における粘度は、JIS Z8803の円錐−平板形回転粘度計による粘度測定方法に準拠して測定することができる。
【0048】
シラン化合物(C)は、市販品を用いてもよい。市販品としては、具体的には、ダウ・東レ株式会社製のアルキルアラルキル変性シリコーンオイル「SH203」、「SH230」、「SF−8410」、「SF−8416」、「SH−8400」、「L−7001」等が挙げられる。
【0049】
シラン化合物(C)は、粘着剤層表面の平滑性や、粘着剤組成物の塗工性の観点から、粘着剤組成物の樹脂(A)の固形分100質量部に対して、通常0.01質量部以上であり、0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、また、通常10質量部以下であり、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましい。
【0050】
(シランカップリング剤(D))
粘着剤組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。粘着剤組成物がシランカップリング剤(D)を含むことにより、粘着剤層の耐熱性を向上することができ、また、粘着剤層がガラス基板や導電層等に貼り合わされる場合、粘着剤層とガラス基板や導電層等との密着性を向上させやすくなり、耐剥がれ性等を向上することができる。
【0051】
シランカップリング剤(D)は、シラン化合物(C)以外の化合物であって、ケイ素原子に任意の官能基が結合した化合物であることが好ましい。ケイ素原子に結合した官能基としては、例えば、アルコキシ基等の加水分解性基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、(メタ)アクロイル基、メルカプト基等の反応性官能基を有する有機基等を挙げることができる。シランカップリング剤(D)は、主鎖にSi−O−Si結合を含むシロキサン化合物であることが好ましく、シロキサン化合物は、主鎖に加水分解性基を有することが好ましい。加水分解性基としては、上記したものが挙げられ、アルコキシ基であることが好ましい。粘着剤組成物は、1種または2種以上のシランカップリング剤(D)を含むことができる。
【0052】
シランカップリング剤(D)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン等が挙げられる。
【0053】
シランカップリング剤(D)は、シリコーンオリゴマータイプのものであってもよい。シリコーンオリゴマーを(単量体)オリゴマーの形式で示すと、例えば、次のようなものを挙げることができる。
【0054】
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
等のメルカプトプロピル基含有のコポリマー;
メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー等のメルカプトメチル基含有のコポリマー;
3−グリジドキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー等の3−グリジドキシプロピル基含有のコポリマー;
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
等のメタクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
等のアクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;
ビニルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
等のビニル基含有のコポリマー;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
等のアミノ基含有のコポリマー等。
【0055】
シランカップリング剤(D)の温度25℃における粘度は、通常250mPa・s以下であり、200mPa・s以下であることが好ましく、150mPa・s以下であってもよく、100mPa・s以下であってもよく、30mPa・sであってもよい。シランカップリング剤(D)の温度25℃における粘度は、JIS Z8803の円錐−平板形回転粘度計による粘度測定方法に準拠して測定することができる。
【0056】
シランカップリング剤(D)は、粘着剤組成物の樹脂(A)の固形分100質量部に対して、通常0.01質量部以上10質量部以下、好ましくは0.05質量部以上5質量部以下の割合で含有される。シランカップリング剤(D)の含有量が0.01質量部以上であると、粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層の耐熱性を向上させやすく、また、粘着剤層とガラス基板等との密着性を向上させやすい。シランカップリング剤(D)の含有量が10質量部以下であると、粘着剤層からのシランカップリング剤(D)のブリードアウトを抑制することができる。
【0057】
(その他の成分)
粘着剤組成物は、樹脂(A)、架橋剤(B)、シラン化合物(C)、及びシランカップリング剤(D)以外のその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、架橋触媒、紫外線吸収剤、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラー、光散乱性微粒子、粘着付与剤等の添加剤を、1種又は2種以上含むことができる。
【0058】
粘着剤組成物は通常、有機溶剤を含有させることによって配合成分を溶解又は分散させた粘着剤液として調製される。有機溶剤は、樹脂(A)の種類に応じて選択されることが好ましい。有機溶剤の具体例は、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、ペンタンのような脂肪族系炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類を含む。粘着剤液中の樹脂(A)の濃度は、通常3〜20質量%である。
【0059】
<粘着剤層>
本発明に係る粘着剤層は、上記した本発明に係る粘着剤組成物を含むものであり、典型的には本発明に係る粘着剤組成物からなる。粘着剤層は、例えば、粘着剤組成物を構成する各成分を溶剤に溶解又は分散して粘着剤液とし、この粘着剤液を光学層又は剥離フィルムの表面に塗布・乾燥することによって得ることができる。
【0060】
本発明に係る粘着剤層は、その両面における剥離フィルムへの密着力を互いに異ならせることができる。そのため、後述する、粘着剤層の両面に同じ剥離処理層を有する剥離フィルムを設けた粘着剤シートにおいても、剥離フィルムを剥離する際に、粘着剤層のある部分が一方の剥離フィルムとともに引き剥がされ、粘着剤層の他の部分は他方の剥離フィルムとともに引き剥がされて、粘着剤層が部分的に分離されるといった不具合を抑制することができる。これにより、均一な粘着剤層を光学層やガラス基板等の被着部材に形成することができる。
【0061】
<粘着剤シート>
本発明に係る粘着剤シートは、上記した本発明に係る粘着剤層の両面に、同じ離型処理層を有する剥離フィルムを設けたものである。剥離フィルムは、基材フィルムと基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられた離型処理層とを有し、離型処理層側が粘着剤層に貼合される。同じ離型処理層を有する剥離フィルムとは、同一の離型処理により同一基材上に離型処理層を設けた剥離フィルムの離型処理層側を、粘着剤層の同じ面に貼合したときに、剥離力が互いに同じである離型フィルムをいう。
【0062】
本発明に係る粘着剤シートは、粘着剤層の一方の面と剥離フィルムの離型処理層側との間の剥離力を第1剥離力とし、粘着剤層の一方の面とは反対側にある他方の面と剥離フィルムの離型処理層側との間の粘着力を第2剥離力とするとき、第1剥離力と第2剥離力とは同じではなく、互いに異なっている。上記した粘着剤層は、その両面において剥離フィルムへの密着力が互いに異なっている。そのため、異なる離型処理層を有する剥離フィルムを用意しなくても、同じ離型処理層を有する剥離フィルムを用いることにより、第1剥離力と第2剥離力とが異なる粘着剤シートを得ることができる。これにより、粘着剤シートから剥離フィルムを剥離する際に、粘着剤層が部分的に分離されるといった不具合を抑制することができる。第1剥離力及び第2剥離力は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
【0063】
粘着剤シートは、例えば、剥離フィルムの離型処理面側に上記粘着剤液を塗布・乾燥して粘着剤層を形成し、粘着剤層の剥離フィルムとは反対側の表面上に、剥離フィルムの離型処理面側を積層して得ることができる。この場合、粘着剤層上に積層された剥離フィルムと粘着剤層との間の剥離力は、粘着剤液が塗布された剥離フィルムと粘着剤層との間の剥離力よりも大きくなる傾向にある。
【0064】
第1剥離力及び第2剥離力はそれぞれ、0.010N/50mm以上であることが好ましく、0.020N/50mm以上であることがより好ましく、0.030N/50mm以上であることがさらに好ましく、また、0.1N/50mm以下であることが好ましく、0.08N/50mm以下であることがより好ましく、0.06N/50mm以下であってもよい。第1剥離力と第2剥離力との差の絶対値は、0.01N/50mm以上であることが好ましく、0.012N/50mm以上であることがより好ましく、0.015N/50mm以上であってもよく、また、0.09N/50mm以下であることが好ましく、0.08N/50mm以下であってもよく、0.06N/50mm以下であってもよい。
【0065】
粘着剤シートに用いる剥離フィルムとしては、樹脂を用いて形成された基材フィルムに離型処理が施されたフィルムを挙げることができる。基材フィルムをなす樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアレート等を挙げることができる。また、基材フィルムに施される離型処理としては、公知の離型処理を行えばよいが、フッ素化合物やシリコーン化合物等の離型剤を基材フィルムにコーティングする方法が好ましい。
【0066】
<光学積層体>
図1は、本発明に係る光学積層体の一例を示す概略断面図である。
図2及び
図3は、本発明に係る光学積層体が有する光学層の一例を示す概略断面図である。
図4〜
図8は、本発明に係る光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
【0067】
本発明に係る光学積層体は、光学層と、上記した本発明に係る粘着剤層とを含む。粘着剤層は、粘着剤シートとしたときにその両面における剥離フィルムへの密着力を互いに異ならせることができるため、粘着剤シートを用いることによって光学積層体に均一な粘着剤層を設けることができる。
【0068】
例えば
図1に示すように、光学積層体1は、光学層10の少なくとも一方の面に粘着剤層20を含むものであり、光学層10の両面に粘着剤層20を有していてもよい。粘着剤層20を光学層10の表面に設ける際には、光学層10の貼合面及び/又は粘着剤層20の貼合面にプライマー層の形成や、表面活性化処理、例えばプラズマ処理、コロナ処理等を施すことが好ましく、コロナ処理を施すことがより好ましい。
【0069】
光学層10は、偏光子の片面又は両面に樹脂フィルムを有する偏光板であってもよい。すなわち、光学層10は、
図2に示すように、偏光子2の片面に第1樹脂フィルム3を有する片面保護偏光板10aであってもよく、
図3に示すように、偏光子2の一方の面に第1樹脂フィルム3を有し、他方の面に第2樹脂フィルム4を有する両面保護偏光板10bであってもよい。
図2に示す片面保護偏光板10aでは、粘着剤層20は通常、偏光子面、すなわち、偏光子2における第1樹脂フィルム3とは反対側の面に積層される。粘着剤層20は、直接、偏光子2に積層されることが好ましい。
図3に示す両面保護偏光板10bでは、粘着剤層20は、第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4のうちのいずれかの外面に積層してもよく、両方の外面に積層してもよい。
【0070】
図1に示す光学積層体1は、粘着剤層20の外面に積層されるセパレータ(剥離フィルム)を含んでいてもよい。このセパレータは通常、粘着剤層20の使用時(例えば、導電層やガラス基板等の被着部材への積層時)に剥離除去される。セパレータは、上記した剥離フィルムと同じものを用いることができ、また、粘着剤シートが有する2つの剥離フィルムのうちの一方であってもよい。
【0071】
光学積層体1は、光学層10の表面に、上記した粘着剤液(粘着剤組成物を構成する各成分を溶剤に溶解又は分散したもの)を塗布・乾燥して粘着剤層20を形成することによって得ることができる。また、光学積層体1は、剥離フィルムの離型処理面に、上記と同様にして粘着剤層20を形成し、この粘着剤層20を光学層10の表面に積層(転写)することによっても得ることができる。
【0072】
また、
図4及び
図5に示す光学積層体5,6は、光学層10(片面保護偏光板10a,両面保護偏光板10b)、粘着剤層20、及び導電層30をこの順に有するものである。
図4に示す光学積層体5は、
図2に示す片面保護偏光板10aを光学層10として用いた例であり、
図5に示す光学積層体6は、
図3に示す両面保護偏光板10bを光学層10として用いた例である。
図4及び
図5に示す光学積層体5,6の粘着剤層20は、導電層30に直接接するように導電層30上に積層されている。光学積層体5,6は、導電層30の粘着剤層20とは反対側に、基板40を有していてもよい。基板40は、後述するように、例えばガラス基板や樹脂フィルムである。
【0073】
図6に示す光学積層体7は、
図1に示す光学積層体1が、樹脂層50を介して導電層30に積層されている。粘着剤層20は、樹脂層50に直接接している。光学積層体7は、導電層30の粘着剤層20とは反対側に、基板40を有していてもよい。
【0074】
図7に示す光学積層体8は、樹脂層50及び導電層30を有していないこと以外は、
図6に示す光学積層体7と同様である。この場合、粘着剤層20は、基板40に積層される。
【0075】
図8に示す光学積層体は、導電層30が所定の形状にパターニングされていること以外は、
図6に示す光学積層体7と同様である。
図8に示す光学積層体の導電層30は、例えば、タッチ入力式液晶表示装置が有するタッチ入力素子の金属配線層(すなわち電極層)として用いることができる。
図8に示される光学積層体において樹脂層50は省略されてもよい。パターニングされた導電層30上に粘着剤層20を積層する場合、粘着剤層20は導電層30に接触していない部分を有していてもよい。
【0076】
上記した光学積層体は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の画像表示装置に用いることができる。液晶表示装置や有機EL表示装置は、タッチパネル機能を有するタッチ入力式の表示装置であってもよい。
【0077】
(光学層)
光学層は、液晶表示装置等の画像表示装置に組み込まれ得る各種の光学フィルム(光学特性を有するフィルム)であってよい。光学層としては、例えば、偏光子、偏光板、位相差フィルム、輝度向上フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム、集光フィルム等が挙げられる。光学層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
【0078】
(偏光子)
偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有する層又はフィルムである。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着・配向させたフィルムが挙げられる。二色性色素としては、ヨウ素、二色性有機染料等が挙げられる。また、偏光子は、リオトロビック液晶状態の二色性染料を基材フィルムにコーティングし、配向・固定化した塗布型偏光フィルムであってもよい。これらの偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を吸収するため吸収型偏光子と呼ばれている。
【0079】
偏光子は、吸収型偏光子に限定されず、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を反射する反射型偏光子、又はもう一方向の直線偏光を散乱する散乱型偏光子でも構わないが、視認性に優れる点から吸収型偏光子が好ましい。中でも、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成されるポリビニルアルコール系偏光フィルムがより好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性色素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光フィルムがさらに好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光フィルムが特に好ましい。
【0080】
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0081】
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85モル%以上100モル%以下であり、98モル%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1000以上10000以下であり、1500以上5000以下が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726:1994に準拠して求めることができる。
【0082】
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成された偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは、例えば150μm以下であり、好ましくは100μm以下(例えば50μm以下)であり、5μm以上である。
【0083】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成された偏光フィルムは、公知の方法によって製造できる。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理(架橋処理)する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
【0084】
偏光子の厚みは、40μm以下とすることができ、好ましくは30μm以下(例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下又は8μm以下)である。特開2000−338329号公報や特開2012−159778号公報に記載の方法によれば、薄膜の偏光子をより容易に製造することができ、偏光子の厚みを、例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下又は8μm以下とすることがより容易になる。偏光子の厚みは、通常2μm以上である。偏光子の厚みを小さくすることは、偏光板を含む光学積層体、及びこれを含む画像表示装置の薄型化に有利である。
【0085】
(第1,第2樹脂フィルム)
第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4は、偏光子2上に設けられ、例えば、偏光子2を保護するための保護フィルムであってもよいし、後述する位相差フィルム等の光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4は、それぞれ、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。
【0086】
第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4はそれぞれ、延伸されていないフィルム、又は一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよい。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、第1方向に延伸した後でこれとは異なる第2方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。
【0087】
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
【0088】
環状ポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンやテトラシクロドデセン(別名:ジメタノオクタヒドロナフタレン)又はそれらの誘導体を代表例とする環状オレフィンを重合単位として含む樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂としては、環状オレフィンの開環(共)重合体及びその水素添加物、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等の鎖状オレフィン又はビニル基を有する芳香族化合物との共重合体、並びにこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性した変性(共)重合体等が挙げられる。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系単量体等のノルボルネン系単量体を用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
【0089】
セルロースエステル系樹脂は、セルロースにおけるヒドロキシル基の少なくとも一部が酢酸エステル化されている樹脂であり、一部が酢酸エステル化され、一部が他の酸でエステル化されている混合エステルであってもよい。セルロースエステル系樹脂は、好ましくはアセチルセルロース系樹脂である。アセチルセルロース系樹脂としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。
【0090】
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレート等が挙げられる。中でも、機械的性質、耐溶剤性、耐スクラッチ性、コスト等の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ポリエチレンテレフタレートとは、繰返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂をいい、他の共重合成分(イソフタル酸等のジカルボン酸成分;プロピレングリコール等のジオール成分等)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
【0091】
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又はビスフェノールとから形成されるポリエステルである。中でも、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐候性及び耐酸性の観点から好ましく使用される。ポリカーボネートとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネートが挙げられる。
【0092】
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を含む重合体であり、(メタ)アクリル系単量体としては、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルが挙げられる。
【0093】
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−、i−又はt−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0094】
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸n−、i−又はt−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0095】
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリルモノマー由来の構成単位のみからなる重合体であってもよいし、その他の構成単位を含んでいてもよい。
【0096】
1つの好ましい実施形態において(メタ)アクリル系樹脂は、共重合成分としてメタクリル酸メチルを含むか、又はメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとを含む。1つの好ましい実施形態において(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステルを主たる単量体とする(50質量%以上含有する)重合体であることができ、メタクリル酸エステルと他の共重合成分とが共重合されている共重合体であることが好ましい。
【0097】
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上160℃以下である。ガラス転移温度は、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体との重合比、それぞれのエステル基の炭素鎖長及びそれら有する官能基の種類、並びに単量体全体に対する多官能単量体の重合比の調整によって制御可能である。
【0098】
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高めるための手段として、高分子の主鎖に環構造を導入することも有効である。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造及びラクトン構造等の複素環構造であることが好ましい。具体的には、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造等の環状酸無水物構造;グルタルイミド構造、コハクイミド構造等の環状イミド構造;ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン環構造が挙げられる。主鎖中の環構造の含有量を大きくするほど(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高くすることができる傾向にある。環状酸無水物構造、環状イミド構造は、無水マレイン酸、マレイミド等の環状構造を有する単量体を共重合させることによって導入する方法;重合後脱水・脱メタノール縮合反応により環状酸無水物構造を導入する方法;アミノ化合物を反応させて環状イミド構造を導入する方法等によって導入することができる。ラクトン環構造を有する樹脂(重合体)は、高分子鎖にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を調製した後、得られた重合体におけるヒドロキシル基とエステル基とを、加熱により、必要に応じて有機リン化合物等の触媒の存在下に環化縮合させてラクトン環構造を形成する方法によって得ることができる。
【0099】
(メタ)アクリル系樹脂及びそれから形成される熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、界面活性剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂として、(メタ)アクリル系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を用いる場合にも使用することができる。
【0100】
(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムへの製膜性やフィルムの耐衝撃性等の観点から、衝撃性改良剤であるアクリル系ゴム粒子を含有していてもよい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を必須成分とする粒子であり、実質的にこの弾性重合体のみからなる単層構造のものや、この弾性重合体を1つの層とする多層構造のものが挙げられる。
【0101】
上記弾性重合体の例として、アクリル酸アルキルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニル系単量体及び架橋性単量体を共重合させた架橋弾性共重合体が挙げられる。弾性重合体の主成分となるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等、アルキル基の炭素数が1以上8以下程度のものが挙げられ、炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルが好ましく用いられる。
【0102】
上記アクリル酸アルキルに共重合可能な他のビニル系単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個有する化合物を挙げることができ、より具体的には、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;スチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル等のビニルシアン化合物等が挙げられる。
【0103】
上記架橋性単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する架橋性の化合物を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルケニルエステル;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0104】
ゴム粒子を含まない(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムと、ゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムとの積層体を、光学層10に貼合される熱可塑性樹脂フィルムとすることもできる。また、(メタ)アクリル樹脂とは異なる樹脂からなる位相差発現層の片面又は両面に、(メタ)アクリル系樹脂層が形成され、位相差が発現されたものを、光学層10に貼合される熱可塑性樹脂フィルムとすることもできる。
【0105】
第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4はそれぞれ、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される1以上の熱可塑性樹脂を含むフィルムであることが好ましく、セルロースエステル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、又は環状ポリオレフィン系樹脂フィルムであることがより好ましい。
【0106】
第1樹脂フィルム3及び/又は第2樹脂フィルム4は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、有機系染料、顔料、無機色素、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、滑剤、分散剤、熱安定化剤等を含有していてもよい。光学積層体を画像表示装置に適用する場合、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムを画像表示素子(例えば液晶セルや有機EL表示素子等)の視認側に配置することで、画像表示素子の紫外線による劣化を抑制することができる。紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
【0107】
第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4は、同じ熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよいし、互いに異なる熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよい。第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4は、厚み、添加剤の有無やその種類、位相差特性等において同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0108】
第1樹脂フィルム3及び/又は第2樹脂フィルム4は、その外面(光学層10とは反対側の表面)にハードコート層、防眩層、反射防止層、光拡散層、帯電防止層、防汚層、導電層等の表面処理層(コーティング層)、プロテクトフィルムを備えていてもよい。プロテクトフィルムは、偏光板等の光学層10の表面を傷や汚れから保護する目的で用いられるフィルムであり、
図1に示す光学積層体1を例えば、導電層やガラス基板上に貼合した後、剥離除去されるのが通例である。
【0109】
プロテクトフィルムは通常、基材フィルムと、その上に積層される粘着剤層とで構成される。基材フィルムは、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂等で構成することができる。
【0110】
第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4の厚みはそれぞれ、通常5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上120μm以下、より好ましくは10μm以上85μm以下、さらに好ましくは15μm以上65μm以下である。第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4の厚みはそれぞれ、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4の厚みを小さくすることは、光学積層体(偏光板)、及びこれを含む画像表示装置の薄型化に有利である。
【0111】
第1樹脂フィルム3及び第2樹脂フィルム4は、接着剤層や粘着剤層を介して偏光子2に貼合することができる。接着剤層を形成する接着剤として、水系接着剤又は活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることができる。
【0112】
水系接着剤としては、慣用の水系接着剤(例えば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤など)が挙げられる。これらのうち、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤を好適に用いることができる。なお、水系接着剤を使用する場合は、偏光子2と、第1樹脂フィルム3及び/又は第2樹脂フィルム4とを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するために乾燥させる工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20〜45℃程度の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
【0113】
活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物、光反応性樹脂を含む硬化性組成物、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む硬化性組成物等が挙げられ、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。
【0114】
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子2と、第1樹脂フィルム3及び/又は第2樹脂フィルム4とを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い、次いで活性エネルギー線を照射することにより活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましい。
【0115】
偏光子2と、第1樹脂フィルム3及び/又は第2樹脂フィルム4とを貼合する方法としては、これらの少なくともいずれか一方の貼合面にケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面活性化処理を施す方法等が挙げられる。偏光子2の両面に樹脂フィルムが貼合される場合、これらの樹脂フィルムを貼合するための接着剤は、同種の接着剤あってもよいし異種の接着剤であってもよい。
【0116】
(位相差フィルム)
位相差フィルムとしては、透光性を有する熱可塑性樹脂を一軸延伸又は二軸延伸した延伸フィルム;ディスコティック液晶又はネマチック液晶等の液晶性化合物が配向固定されたフィルム;基材フィルム上に上記の液晶層が形成されたもの等が挙げられる。また、本明細書においては、ゼロレタデーションフィルムも位相差フィルムに含まれる。基材フィルムは通常、熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、熱可塑性樹脂の一例は、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂である。透光性を有する熱可塑性樹脂としては、上記した第1樹脂フィルム3や第2樹脂フィルム4を構成する樹脂等が挙げられる。
【0117】
ゼロレタデーションフィルムとは、面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthがともに−15〜15nmであるフィルムをいう。この位相差フィルムは、IPSモードの液晶表示装置に好適に用いられる。面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthは、好ましくはともに−10〜10nmであり、より好ましくはともに−5〜5nmである。ここでいう面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthは、波長590nmにおける値である。
【0118】
面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthは、それぞれ下記式:
Re=(n
x−n
y)×d
Rth=〔(n
x+n
y)/2−n
z〕×d
で定義される。式中、n
xはフィルム面内の遅相軸方向(x軸方向)の屈折率であり、n
yはフィルム面内の進相軸方向(面内でx軸に直交するy軸方向)の屈折率であり、n
zはフィルム厚み方向(フィルム面に垂直なz軸方向)の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
【0119】
ゼロレタデーションフィルムには、例えば、セルロース系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂又は(メタ)アクリル系樹脂からなる樹脂フィルムを用いることができる。特に、位相差値の制御が容易で、入手も容易であることから、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂又は(メタ)アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
【0120】
液晶性化合物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムとしては、
第一の形態:棒状液晶化合物が支持基材に対して水平方向に配向した位相差フィルム、
第二の形態:棒状液晶化合物が支持基材に対して垂直方向に配向した位相差フィルム、
第三の形態:棒状液晶化合物が面内で螺旋状に配向の方向が変化している位相差フィルム、
第四の形態:円盤状液晶化合物が傾斜配向している位相差フィルム、
第五の形態:円盤状液晶化合物が支持基材に対して垂直方向に配向した二軸性の位相差フィルムが挙げられる。
【0121】
例えば、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに用いられる光学層としては、第一の形態、第二の形態、第五の形態が好適に用いられる。又は、これらを積層させて用いてもよい。
【0122】
位相差フィルムが、重合性液晶化合物の配向状態における重合体からなる層(以下、「光学異方性層」と称する場合がある)である場合、位相差フィルムは逆波長分散性を有することが好ましい。逆波長分散性とは、短波長での液晶配向面内位相差値の方が長波長での液晶配向面内位相差値よりも小さくなる光学特性であり、好ましくは、位相差フィルムが下記式(1)及び式(2)を満たすことである。なお、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。
Re(450)/Re(550)≦1 (1)
1≦Re(630)/Re(550) (2)
位相差フィルムが第一の形態でかつ逆波長分散性を有する場合、表示装置での黒表示時の着色が低減するため好ましく、式(1)において0.82≦Re(450)/Re(550)≦0.93であればより好ましい。さらに120≦Re(550)≦150が好ましい。
【0123】
位相差フィルムが、光学異方性層を有するフィルムである場合の重合性液晶化合物としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、並びに、特開2010−31223号公報、特開2010−270108号公報、特開2011−6360号公報、特開2011−207765号公報、特開2016−81035号公報、及び国際公開第2017/043438号に記載の重合性液晶化合物が挙げられる。
【0124】
重合性液晶化合物の配向状態における重合体から位相差フィルムを製造する方法は、例えば、特開2010−31223号公報に記載の方法が挙げられる。
【0125】
第二の形態の場合、面内位相差値Re(550)は0〜10nmの範囲に、好ましくは0〜5nmの範囲に調整すればよく、厚み方向の位相差値Rthは、−10〜−300nmの範囲に、好ましくは−20〜−200nmの範囲に調整すればよい。厚み方向の屈折率異方性を意味する厚み方向の位相差値Rthは、面内の進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定される位相差値R50と面内位相差値Reとから算出できる。すなわち、厚み方向の位相差値Rthは、面内の位相差値Re、進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定した位相差値R50、位相差フィルムの厚みd、及び位相差フィルムの平均屈折率n
0から、以下の式(4)〜(6)によりn
x、n
y及びn
zを求め、これらを式(3)に代入して、算出することができる。
【0126】
Rth=[(n
x+n
y)/2−n
z]×d (3)
Re =(n
x−n
y)×d (4)
R50=(n
x−n
y')×d/cos(φ) (5)
(n
x+n
y+n
z)/3=n
0 (6)
ここで、
φ=sin
−1〔sin(40°)/n
0〕
n
y'=n
y×n
z/〔n
y2×sin
2(φ)+n
z2×cos
2(φ)〕
1/2
【0127】
位相差フィルムは、二以上の層を有する多層フィルムであってもよい。例えば、位相差フィルムの片面又は両面に保護フィルムが積層されたものや、二以上の位相差フィルムが粘着剤又は接着剤を介して積層されたものが挙げられる。
【0128】
(導電層)
導電層30は、例えば、透明電極層又は金属層等が挙げられる。透明電極層としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム亜鉛、酸化ガリウム亜鉛、酸化アルミニウム亜鉛、及びこれらの混合物で構成される層が挙げられる。導電性及び可視光透過率の点で、ITOであることが好ましい。金属層としては、アルミニウム、銅、銀、鉄、スズ、亜鉛、ニッケル、モリブデン、クロム、タングステン、鉛からなる群より選択される1種の金属単体、及び、これらの群から選択される2種以上の金属元素を含む合金から選択される少なくとも1種のうちの少なくとも一方を含む層等が挙げられる。これらのうち、導電性の観点から、好ましくはアルミニウム、銅、銀及び金から選択される少なくとも1種の金属単体を含む金属層であり、より好ましくはアルミニウム、銅及び銀から選択される少なくとも1種の金属単体を含む層である。
【0129】
導電層30は、細線の金属配線層を基板上に配置したメタルメッシュや金属ナノ粒子、金属ナノワイヤーをバインダー中に添加した層であってもよい。
【0130】
導電層30の調製方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法により形成されたものであってもよい。導電層30は、透明電極層及びスパッタリング法、インクジェット印刷法又はグラビア印刷法により形成された金属層であることが好ましく、透明電極層及びスパッタリングにより形成された金属層であることがより好ましい。導電層30の厚みは、特に限定されないが、通常3μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.8μm以下であり、通常0.01μm以上である。さらに、導電層30が金属配線層(例えばメタルメッシュ)の場合、該金属配線の線幅は通常10μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下であり、通常0.5μm以上である。
【0131】
(基板)
基板40は、タッチ入力素子に含まれる透明基板であってもよく、好ましくはガラス基板又は樹脂フィルムである。該ガラス基板の材料として、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス等を用いることができる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば上記した第1樹脂フィルム3や第2樹脂フィルム4を構成する樹脂等が挙げられる。
【0132】
(樹脂層)
樹脂層50を形成する樹脂としては、例えば、上記した第1樹脂フィルム又は第2樹脂フィルムを構成する樹脂等が挙げられる。また、樹脂層50は、硬化性樹脂の硬化物層であってもよい。樹脂層50を形成し得る硬化性樹脂としては公知のものを用いることができ、例えば特開2009−217037号公報に記載のものが挙げられる。
【実施例】
【0133】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。実施例、比較例中の「%」及び「部」は、特記しない限り、質量%及び質量部である。
【0134】
[剥離状態の確認及び剥離力の測定]
各実施例及び比較例で得た粘着剤シートを用いて、次の手順で剥離状態の確認及び剥離力の測定を行った。
【0135】
(試験片の準備)
各実施例及び比較例で得た粘着剤シートを、温度23℃、湿度55%RHの条件下で1週間養生した。養生後の粘着剤シートから、スーパーカッターを用いて幅5cm×長さ12cmのサイズの試験片を切り出した。
【0136】
(粘着剤層と第1剥離フィルムの離型処理層側との間の第1剥離力の測定)
ガラス基板(EAGLE XG、コーニング社製)の片面の全面に幅25mm×長さ22cmの両面テープ(ナイスタック(商品名)、ニチバン(株)社製)を長辺方向に並行して貼りつけ、上記で準備した試験片の第2剥離フィルム(第1剥離フィルム上に塗布形成された粘着剤層を被覆するように設けた剥離フィルム)の粘着剤層とは反対側を貼合し、この両面テープとガラス基板とを貼合した。この状態で、オートグラフ(AGS−50NX、島津製作所製)を用いて、第1剥離フィルム(粘着剤シートを作製する際に粘着剤組成物を塗布した側の剥離フィルム)の長さ方向の一端(幅5cmの一辺)をつかみ、温度23℃、湿度55%RHの条件下、剥離速度300mm/minで180°方向に引っ張って粘着剤層から剥がし、そのときの剥離力をチャートに記録した。測定開始直後と測定終了直前はデータが安定しないため、測定開始後20%のデータと測定終了後20%のデータをカットし、比較的安定している中間部分60%の範囲のみから平均値を算出し、これを第1剥離力[N/50mm]とした。
【0137】
(粘着剤層と第2剥離フィルムの離型処理層側との間の第2剥離力の測定)
上記で準備した試験片から第1剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層とガラス基板(EAGLE XG、コーニング社製)とを貼合した。この状態で、第2剥離フィルムを剥離したこと以外は、上記第1剥離力の測定と同様の手順で剥離力をチャートに記録し、得られたデータに基づいて第2剥離力[N/50mm]を算出した。
【0138】
(剥離力差の算出)
上記で得た第1剥離力と第2剥離力との差の絶対値を、剥離力差[N/50mm]とした。
【0139】
(剥離状態の確認)
剥離力測定の際に、目視にて剥離状態の確認を行った。粘着剤層が部分的に分離することなく剥離フィルムを剥離することができた場合をAと評価し、剥離フィルムの剥離により粘着剤層が分離した場合をBと評価した。
【0140】
<製造例1及び2:(メタ)アクリル系樹脂の製造>
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、表1に示す組成(表1の数値は質量部である。)の単量体を酢酸エチル81.8部と混合して得られた溶液を仕込んだ。反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、内温を60℃にした。その後、アゾビスイソブチロニトリル0.12部を酢酸エチル10部に溶解させた溶液を添加した。アゾビスイソブチロニトリルの添加から12時間経過するまで内温を54〜56℃に保持した後、酢酸エチルを加えて重合体の濃度が20%となるように調整して、(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液を得た。
【0141】
製造例1で得た(メタ)アクリル系樹脂(A1)及び製造例2で得た(メタ)アクリル系樹脂(A2)の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、GPC装置にカラムとして、東ソー(株)製の「TSKgel XL」を4本、及び昭和電工(株)製の「Shodex GPC KF−802」を1本の計5本を直列につないで配置し、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、試料濃度5mg/mL、試料導入量100μL、温度40℃、流速1mL/分の条件で、標準ポリスチレン換算により測定した。
【0142】
【表1】
【0143】
表1の「単量体組成」の欄にある略称は、次のモノマーを意味する。
BA:アクリル酸n−ブチル
MA:アクリル酸メチル
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
AA:アクリル酸
BMAA:ブトキシメチルアクリルアミド
PEA:アクリル酸2−フェノキシエチル
【0144】
〔実施例1〜10、比較例1〕
(1)粘着剤組成物の調製
上記製造例で得られた(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)に、該溶液の固形分100部に対して、表2に示す架橋剤(B)、シラン化合物(C)、シランカップリング剤(D)、及び、その他の成分をそれぞれ表2に示す量(質量部)混合し、さらに固形分濃度が14%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物を得た。表2に示す各配合成分の配合量は、使用した商品が溶剤等を含む場合は、そこに含まれる有効成分としての質量部数である。
【0145】
【表2】
【0146】
表2において略称で示される各配合成分の詳細は次のとおりである。
(架橋剤(B))
B:コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液:固形分濃度75質量%、東ソー(株)社製)
(シラン化合物(C))
C1:アルキルアラルキル変性シリコーンオイル、ダウ・東レ(株)から入手した商品名「SH203」であり、主鎖にSi−O−Si結合を含み、主鎖の両末端はメチル基であり、側鎖はメチル基又はアルキル基である化合物(粘度:1208mPa・s)
C2:アルキルアラルキル変性シリコーンオイル、ダウ・東レ(株)から入手した商品名「SH230」であり、主鎖にSi−O−Si結合を含み、主鎖の両末端はメチル基であり、側鎖はメチル基又はアルキル基である化合物(粘度:1348mPa・s)
(シランカップリング剤(D))
D1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)から入手した商品名「KBM403」(粘度:4.2mPa・s)
D2:信越工業(株)から入手したX−41−1810(メルカプト等量450g/mol)(粘度:7.6mPa・s)
(その他の成分)
e1:新中村化学工業(株)より入手したM−130G
e2:N−ヘキシル−4−メチルピリジニウム6フッ化リン(60%トルエン溶液)
【0147】
(2)粘着剤シートの作製
上記(1)で調製した各粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型フィルム〔リンテック(株)から入手した商品名「PLR−382051」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層を作製した。この粘着剤層の離型フィルムと反対側に、上記と同じ離型フィルムの離型処理面側を積層して、粘着剤シートを得た。得られた粘着剤シートを用いて、剥離状態の確認及び剥離力の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0148】
【表3】