【解決手段】合分波素子10は、可視光を導波する第1導波路と11a、可視光を導波する第2導波路11bと、可視光を導波する第3導波路11d、11eと、長手方向に延伸し、可視光を導波する多モード干渉導波路11cと、を備え、第1導波路および第2導波路は、多モード干渉導波路の長手方向における一方の端部に光学的に接続されており、第3導波路は、多モード干渉導波路の長手方向における他方の端部に光学的に接続されており、多モード干渉導波路は、長手方向における両端部11ca1、11ca2と、両端部よりも幅が狭い狭幅部11ca5を有する単位導波路11caを少なくとも一つ含む。
前記第1導波路、前記第2導波路、前記第3導波路および前記多モード干渉導波路は、前記第1導波路および前記第2導波路のそれぞれから入力された互いに波長が異なる可視光が、前記多モード干渉導波路において合波されて、前記第3導波路から出力する構成を有することを特徴とする請求項1に記載の合分波素子。
前記複数の単位導波路は、前記多モード干渉導波路の前記一方の端部から前記他方の端部に向かって、幅が一旦狭くなり、その後広くなる順番で配列されていることを特徴とする請求項3に記載の合分波素子。
前記第1導波路および前記第2導波路のそれぞれから入力される前記可視光は、赤色光、緑色光および青色光のいずれか2つ以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の合分波素子。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0017】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る合分波素子の模式的構成図である。
図1(a)に示す合分波素子10は、石英系ガラスからなるPLCで構成されている。
【0018】
合分波素子10は、第1導波路11aと、第2導波路11bと、多モード干渉(Multi-Mode Interference:MMI)導波路11cと、第3導波路11d、11eと、クラッド12とを備えている。
【0019】
クラッド12は、第1導波路11a、第2導波路11b、多モード干渉導波路11cと、第3導波路11d、11eを取り囲んでいる。
図2ではクラッド12が多モード干渉導波路11cを取り囲んでいる状態を示している。クラッド12は、各導波路の下方に位置する下部クラッド12aと、各導波路の上方および側方に位置する上部クラッド12bとを備えている。クラッド12は、たとえば不図示のシリコン基板やガラス基板上に形成されている。
【0020】
多モード干渉導波路11cは、長手方向に延伸している。第1導波路11aおよび第2導波路11bは、多モード干渉導波路11cの長手方向における一方の端部に光学的に接続されている。第3導波路11d、11eは、多モード干渉導波路11cの長手方向における他方の端部に光学的に接続されている。
【0021】
第1導波路11a、第2導波路11b、多モード干渉導波路11cおよび第3導波路11d、11eは、屈折率を高めるドーパントであるジルコニア(ZrO
2)を含む石英系ガラスからなる。一方、クラッド12はたとえば純石英ガラスからなる。ここで、純石英ガラスとは、不純物を含まない石英ガラスと、不純物を含むが石英ガラスの屈折率を変化させる不純物を含まない石英ガラスとを含むものと規定する。第1導波路11a、第2導波路11b、多モード干渉導波路11cおよび第3導波路11d、11eの、クラッド12に対する比屈折率差Δは特に限定されないが、本実施形態では0.45%であり、ゲルマニア(GeO
2)をドーパントして使用する場合よりも低濃度で高比屈折率差を実現できる。
【0022】
第1導波路11a、第2導波路11bおよび第3導波路11d、11eは、所定の波長の可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されている。ただし、断面サイズと比屈折率差Δとの関係は、所定の波長の可視光をマルチモードで導波する条件に設定されていてもよい。多モード干渉導波路11cは、所定の波長の可視光を所定のマルチモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係および長さが設定されている。
【0023】
図3は、比屈折率差Δとコアサイズとの関係の一例を示す図である。コアサイズとは、導波路の長手方向に垂直な断面における断面形状を正方形とした場合の、正方形の一辺の長さである。コアサイズは波長λの光をシングルモードで導波することができる値を示している。波長λとして、通信において使用される1550nmの場合と、可視光領域のうち比較的短波である460nmの場合を示している。
図3に示すように、1550nmの場合と比較して、460nmの場合、コアサイズを大幅に小さくする必要がある。たとえば、比屈折率差Δが0.45%の場合、コアサイズは波長1550nmでは一辺が7.5μmであるものが、波長460nmでは一辺が3μmである。
図3はシングルモード導波の場合を示すが、マルチモード導波の場合も、コアサイズの大小の波長依存性は同様の傾向を示す。
【0024】
図1に戻って、本実施形態では、第1導波路11aは、青色光L2をシングルモードで導波する構成を有する。青色光L2の波長はたとえば450nm〜495nmである。第2導波路11bは、赤色光L1をシングルモードで導波する構成を有する。赤色光L1の波長はたとえば620nm〜750nmである。多モード干渉導波路11cは、第1導波路11aおよび第2導波路11bのそれぞれから入力された青色光L2と赤色光L1とがそれぞれマルチモードで、互いに干渉しながら導波し、第3導波路11dとの接続位置においてシングルモードで結像する構成を有する。これにより、多モード干渉導波路11cは、赤色光L1と青色光L2とを合波し、第3導波路11dに出力する。第3導波路11dは、入力された赤色光L1と青色光L2とを導波し、出力する。
【0025】
多モード干渉導波路11cについてより具体的に説明する。多モード干渉導波路11cは、破線で互いの境界を示すように6個の単位導波路を含んでいる。これらの単位導波路は長手方向に配列している。
【0026】
図1(b)は、単位導波路のうちの1つを示している。この単位導波路11caは、長手方向における両端部として、端部11ca1、11ca2を有する。単位導波路11caは、その側面11ca3、11ca4の間の距離である導波路幅が、長手方向において変化している。具体的には、単位導波路11caは、端部11ca1から端部11ca2に向かって、幅が一旦狭くなり、その後広くなるバタフライ形状を有している。これにより、単位導波路11caは、端部11ca1、11ca2よりも幅が狭い狭幅部11ca5を有する形状となっている。狭幅部11ca5は、本実施形態では単位導波路11caの長手方向における中央付近に位置する。すなわち、単位導波路11caは長手方向において中央付近が窪んでいる。ただし、窪みの位置は中央付近に限られない。また、後述するように本実施形態では端部11ca1、11ca2の幅は互いに異なる。また、本実施形態では側面11ca3、11ca4がいずれも曲面状であり、単位導波路11caの幅は滑らかに変化している。ただし、少なくとも一方の側面が2つの平面を組み合わせた形状でもよい。また、本実施形態では側面11ca3、11ca4の曲面の稜線は図面と垂直方向に延びており、これらの稜線は単位導波路11caの長手方向において同じ位置にあるが、長手方向においてずれた位置にあってもよい。
【0027】
また、
図1(a)に示すように、6個の単位導波路は、多モード干渉導波路11cの一方の端部である第1導波路11a側の端部から、他方の端部である第3導波路11d側の端部に向かって、幅が一旦狭くなり、その後広くなる順番で配列されている。具体的には、破線BL1は、多モード干渉導波路11cの両端部に位置する単位導波路の、幅が広い方の端部の幅であるW1aを示している。なお、多モード干渉導波路11cの両端部に位置する単位導波路の、幅が狭い方の端部の幅をW2aとする。一方、破線BL2は、多モード干渉導波路11cの長手方向において配列する単位導波路の端部の幅を示している。破線BL2が示すように、6個の単位導波路は、幅が一旦狭くなり、その後広くなる順番で配列されている。破線BL1から破線BL2の最も幅が狭い部分までの最短距離をdaとする。本実施形態では、破線BL1から破線BL2の最も幅が狭い部分は、多モード干渉導波路11cの長手方向における中央付近にある。配列した6個の単位導波路の長手方向における長さはLaである。また、本実施形態では、多モード干渉導波路11cは、長手方向に垂直な中心面に対して面対称な形状を有している。
【0028】
合分波素子10は、多モード干渉導波路が単位導波路を含むことによって、小型化が可能であり、特に長手方向における長さを短くできる。以下、ビーム伝搬法(Beam Propagation Method:BPM)を用いたシミュレーション計算結果を参照して説明する。
【0029】
はじめに、比較計算例1として、平面視で矩形の多モード干渉導波路を備えた合分波素子について、その大きさを計算した。なお、比屈折率差Δは0.45%とした。第1〜第4導波路のコアサイズは3μm×3μmとした。多モード干渉導波路の幅は6μmとした。その結果、波長455nmの青色光と波長645nmの赤色光とを合波する設計では、多モード干渉導波路の長さが4.5mmであった。
【0030】
つづいて、計算例1として、合分波素子10について、その大きさを計算した。なお、比屈折率差Δは0.45%とした。第1〜第4導波路のコアサイズは3μm×3μmとした。daは1μm以下0.1μm以上程度で調整した。その結果、波長455nmの青色光と波長645nmの赤色光とを合波する設計では、幅W1aが6μm、幅W2aが5.2μmであり、Laが0.9mmであり、比較計算例1に対して長さを1/5とできた。
【0031】
以上説明したように、本実施形態1に係る合分波素子10は、小型化が可能であり、特に長手方向における長さを短くできる。
【0032】
なお、合分波素子10と、第1導波路11aに光学的に接続され、第1導波路11aに青色光L2を出力する可視光源と、第2導波路11bに光学的に接続され、第2導波路11bに赤色光L1を出力する可視光源と、によって、小型の光源モジュールを構成することができる。
【0033】
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る合分波素子の模式的構成図である。
図4に示す合分波素子10Aは、石英系ガラスからなるPLCで構成されている。
【0034】
合分波素子10Aは、第1導波路11Aaと、第2導波路11Abと、多モード干渉導波路11Acと、第3導波路11Ad、11Aeと、クラッド12Aとを備えている。
【0035】
クラッド12Aは、第1導波路11Aa、第2導波路11Ab、多モード干渉導波路11Acおよび第3導波路11Ad、11Aeを取り囲んでいる。
【0036】
多モード干渉導波路11Acは、長手方向に延伸している。第1導波路11Aaおよび第2導波路11Abは、多モード干渉導波路11Acの長手方向における一方の端部に光学的に接続されている。第3導波路11Ad、11Aeは、多モード干渉導波路11cの長手方向における他方の端部に光学的に接続されている。
【0037】
第1導波路11Aa、第2導波路11Ab、多モード干渉導波路11Acおよび第3導波路11Ad、11Aeは、ジルコニアを含む石英系ガラスからなる。一方、クラッド12Aはたとえば純石英ガラスからなる。第1導波路11Aa、第2導波路11Ab、多モード干渉導波路11Acおよび第3導波路11Ad、11Aeの、クラッド12に対する比屈折率差Δは特に限定されないが、本実施形態では0.45%である。
【0038】
第1導波路11Aa、第2導波路11Abおよび第3導波路11Ad、11Aeは、所定の波長の可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されている。ただし、断面サイズと比屈折率差Δとの関係は、所定の波長の可視光をマルチモードで導波する条件に設定されていてもよい。多モード干渉導波路11cは、所定の波長の可視光を所定のマルチモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係および長さが設定されている。
【0039】
本実施形態では、第1導波路11Aaは、赤色光L1および青色光L2をシングルモードで導波する構成を有する。第2導波路11Abは、緑色光L3をシングルモードで導波する構成を有する。緑色光L3の波長はたとえば495nm〜570nmである。多モード干渉導波路11Acは、第1導波路11Aaおよび第2導波路11Abのそれぞれから入力された赤色光L1と青色光L2と緑色光L3とがそれぞれマルチモードで、互いに干渉しながら導波し、第3導波路11Aeとの接続位置においてシングルモードで結像する構成を有する。これにより、多モード干渉導波路11Acは、赤色光L1と青色光L2と緑色光L3とを合波し、第3導波路11Aeに出力する。第3導波路11Aeは、入力された赤色光L1と青色光L2と緑色光L3とを導波し、RGB光L4として出力する。
【0040】
多モード干渉導波路11Acは、12個の単位導波路を含んでいる。これらの単位導波路は長手方向に配列している。これらの単位導波路は、実施形態1の単位導波路と同様に、導波路幅が、長手方向において変化しており、両端部の一方から他方に向かって、幅が一旦狭くなり、その後広くなるバタフライ形状を有している。これにより、単位導波路は、両端部よりも幅が狭い狭幅部を有する形状となっている。狭幅部は、本実施形態では単位導波路の長手方向における中央付近に位置する。すなわち、単位導波路は長手方向において中央付近が窪んでいる。ただし、窪みの位置は中央付近に限られない。また、後述するように本実施形態では両端部の幅は互いに異なる。また、本実施形態では単位導波路の幅は滑らかに変化している。ただし、少なくとも一方の側面が2つの平面を組み合わせた形状でもよい。また、本実施形態では単位導波路の側面の曲面の稜線は図面と垂直方向に延びており、これらの稜線は単位導波路の長手方向において同じ位置にあるが、長手方向においてずれた位置にあってもよい。
【0041】
また、12個の単位導波路は、多モード干渉導波路11Acの一方の端部である第1導波路11Aa側の端部から、他方の端部である第3導波路11Ae側の端部に向かって、幅が一旦狭くなり、その後広くなる順番で配列されている。具体的には、破線BL3は、多モード干渉導波路11Acの両端部に位置する単位導波路の、幅が広い方の端部の幅であるW1bを示している。なお、多モード干渉導波路11Acの両端部に位置する単位導波路の、幅が狭い方の端部の幅をW2bとする。一方、破線BL4は、多モード干渉導波路11Acの長手方向において配列する単位導波路の端部の幅を示している。破線BL4が示すように、12個の単位導波路は、幅が一旦狭くなり、その後広くなる順番で配列されている。破線BL3から破線BL4の最も幅が狭い部分までの最短距離をdbとする。本実施形態では、破線BL3から破線BL4の最も幅が狭い部分は、多モード干渉導波路11Acの長手方向における中央付近にある。配列した12個の単位導波路の長手方向における長さはLbである。また、本実施形態では、多モード干渉導波路11Acは、長手方向に垂直な中心面に対して面対称な形状を有している。
【0042】
実施形態1と同様に、合分波素子10Aは、多モード干渉導波路が単位導波路を含むことによって、小型化が可能であり、特に長手方向における長さを短くできる。以下、ビーム伝搬法を用いたシミュレーション計算結果を参照して説明する。
【0043】
はじめに、比較計算例2として、平面視で矩形の多モード干渉導波路を備えた合分波素子について、その大きさを計算した。なお、比屈折率差Δは0.45%とした。第1〜第4導波路のコアサイズは3μm×3μmとした。多モード干渉導波路の幅は6μmとした。その結果、波長455nmの青色光と波長645nmの赤色光と波長525nmの緑色光とを合波する設計では、多モード干渉導波路の長さが10mmであった。
【0044】
つづいて、計算例2として、合分波素子10について、その大きさを計算した。なお、比屈折率差Δは0.45%とした。第1〜第4導波路のコアサイズは3μm×3μmとした。daは1μm以下0.1μm以上程度で調整した。その結果、波長465nmの青色光と波長630nmの赤色光と波長520nmの緑色光とを合波する設計では、幅W1bが6μm、幅W2bが5.3μmであり、Lbが2mmであり、比較計算例2に対して長さを1/5とできた。
【0045】
以上説明したように、本実施形態2に係る合分波素子10Aは、小型化が可能であり、特に長手方向における長さを短くできる。
【0046】
なお、合分波素子10Aと、第1導波路11Aaに光学的に接続され、第1導波路11Aaに青色光L2と赤色光L1とを出力する可視光源と、第2導波路11Abに光学的に接続され、第2導波路11Abに緑色光L3を出力する可視光源と、によって、小型の光源モジュールを構成することができる。
【0047】
(実施形態3)
図5は、実施形態3に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100は、合分波素子10Bと、可視光源21、22および23とを備えている。合分波素子10Bは、実施形態1の第1導波路11a、第2導波路11b、多モード干渉導波路11cおよび第3導波路11d、11eと、実施形態2の第1導波路11Aa、第2導波路11Ab、多モード干渉導波路11Acおよび第3導波路11Ad、11Aeと、これらの導波路を取り囲むクラッド12Bとを備えている。
【0048】
第3導波路11eは、第1導波路11Aaと光学的に接続している。
【0049】
可視光源22は、第1導波路11aと光学的に接続しており、第1導波路11aに青色光L2を出力する。可視光源21は、第2導波路11bと光学的に接続しており、第2導波路11bに赤色光L1を出力する。可視光源23は、第2導波路11Abと光学的に接続しており、第2導波路11Abに緑色光L3を出力する。可視光源21、22、23は、合分波素子10Bにバットジョイント接続されていてもよい。
【0050】
合分波素子10Bは、第1導波路11aに入力された青色光L2、第2導波路11bに入力された赤色光L1および第2導波路11Abに入力された緑色光L3を合波して、第3導波路11AeからRGB光L4として出力する。すなわち、可視光源22は、第1導波路11a、11Aaに対して第1可視光源として機能し、可視光源21は、第2導波路11bに対して第2可視光源として機能し、かつ、第1導波路11Aaに対して第1可視光源として機能し、可視光源23は、第2導波路11Abに対して第2可視光源として機能する。
【0051】
光源モジュール100は、合分波素子10Bを備えており、合分波素子10Bは、実施形態1の多モード干渉導波路11cと実施形態2の多モード干渉導波路11Acとを備えているので、小型化が可能であり、特に長手方向における長さを短くできる。
【0052】
本実施形態3の合分波素子10Bの構成を有する合分波素子を作製したところ、そのサイズは幅が0.5mm、長さが5mmであり、きわめて小型であった。
【0053】
図6は、作製した合分波素子の透過特性を示す図である。領域R1は、矢印で示す波長455nmを中心として±10nmの青色領域を示している。領域R2は、矢印で示す波長525nmを中心として±10nmの緑色領域を示している。領域R3は、矢印で示す波長645nmを中心として±10nmの赤色領域を示している。凡例におけるR→Cは第2導波路(
図5では11b)から第3導波路(
図5では11Ae)までの透過特性を示している。凡例におけるB→Cは第1導波路(
図5では11a)から第3導波路(
図5では11Ae)までの透過特性を示している。凡例におけるG→Cは第2導波路(
図5では11Ab)から第3導波路(
図5では11Ae)までの透過特性を示している。
【0054】
作製した合分波素子では、光損失が、領域R1の青色領域において0.3dB〜0.7dB、領域R2の緑色領域において0.3dB〜0.7dB、領域R3の赤色領域において0.3dB〜0.8dBであり、実用上好ましい値であった。
【0055】
なお、上記実施形態では、多モード干渉導波路は複数の単位導波路を含むが、1つの単位導波路を含むものでもよい。また、複数の単位導波路が同じ形状であってもよい。この場合、配列した複数の単位導波路は、前記多モード干渉導波路の長手方向において幅が一定であり、たとえば
図1に示すdaはゼロである。
【0056】
また、第1導波路および第2導波路のそれぞれから入力される可視光は、上記実施形態の組み合わせに限られず、赤色光、緑色光および青色光のいずれか2つ以上とできる。
【0057】
また、上記実施形態では、各導波路はジルコニアを含んでいるが、ゲルマニアを含んでいてもよい。屈折率を高めるドーパントよらず合分波素子の小型化が実現される。
【0058】
また、上記実施形態に係る合分波素子は、可視光の合波機能と分波機能とを有する。たとえば、実施形態3に係る合分波素子は、第3導波路11AeからRGB光L4をすると、第1導波路11aから青色光L2を出力し、第2導波路11bから赤色光L1を出力し、第2導波路11Abから緑色光L3を出力する。
【0059】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。