特開2020-205295IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

この発明は、炭化珪素半導体装置

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】活性化アニール前後での不純物のドーズ量の減少を抑制することができる炭化珪素半導体装置を提供すること。
【解決手段】n-型炭化珪素層内にp型領域を形成するにあたって、SiC基板のおもて面からn-型炭化珪素層に、1段もしくは異なる加速電圧で複数段に分けて所定の総ドーズ量となるようにp型不純物であるアルミニウムをイオン注入する。このイオン注入は、SiC基板のおもて面から0.18μm以上0.35μm未満の深さ位置を飛程として行う。このイオン注入によるp型不純物の総ドーピング濃度分布60は、飛程の深さ位置の範囲内でピーク濃度を示す。その後の活性化アニールにおいてSiC基板中のp型不純物はほぼ移動しない。活性化アニール後のp型領域の、イオン注入面から0.1μm以下の部分60a中に存在するp型ドーパントのドーズ量は、n-型炭化珪素層にイオン注入されたp型不純物の総ドーズ量の10%未満である。
【選択図】図3

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

炭化珪素半導体装置の実際の製造工程では、SiCにイオン注入しただけでは不純物は活性化されないため、不純物のイオン注入後、不純物をドーパント(ドナーまたはアクセプタ)として活性化させるための高温度の活性化アニール(熱処理)を行う。従来よりSiC中の不純物はほぼ移動しないと言われているが、特定の条件(不純物種、結晶面方位、ドーピング量)では、活性化アニール時にSiC中の不純物の移動量が従来知られているよりも大きくなることが発明者の鋭意研究により判明した。 この問題は、SiCにイオン注入される不純物の総ドーズ量が少なくなるほど、不純物のイオン注入を行うエピタキシャル層のドーパント濃度が低いほど、また、イオン注入する不純物がアルミニウムである場合や、イオン注入面がSiCの(0001)面、いわゆるSi面である場合に、顕著にあらわれることが確認されている。具体的には、これらSiC中の不純物の移動量が大きくなる条件で形成される構造として、例えば、炭化珪素半導体装置のエッジ終端領域に配置される接合終端拡張(JTE:Junction Termination Extension)構造が挙げられる。 また、SiC中の不純物の移動量が大きくなることで、活性化アニール後にSiC中に残る不純物のドーズ量がイオン注入した不純物のドーズ量よりも少なくなることが判明した。この現象がJTE構造で起きた場合は、設計通りの耐圧が得られない。また、JTEを構成するp型領域中の不純物のドーズ量の減少による耐圧低下分を見越して、設計上の耐圧が所望の耐圧以上となるように、SiC基板(半導体チップ)の面積に対するエッジ終端領域の占有面積を広くした場合、1枚の半導体ウエハから得られるチップ数が減少するため、1チップあたりの作製(製造)コストが上昇する。 この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、活性化アニール前後での不純物のドーズ量の減少を抑制することができる炭化珪素半導体装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる炭化珪素半導体装置は、炭化珪素からなる第1導電型炭化珪素層と、第2導電型領域と、を備え、次の特徴を有する。前記第2導電型領域は、前記第1導電型炭化珪素層の表面から所定深さに達する。前記第2導電型領域は、第2導電型ドーパントを所定ドーズ量で含む。前記第2導電型ドーパントはアルミニウムである。
【発明の効果】
本発明にかかる炭化珪素半導体装置によれば、イオン注入後に行う活性化アニール時に第2導電型領域中の第2導電型ドーパントが半導体基板から外部へ拡散されることを抑制することができるため、活性化アニール前後での第2導電型領域中の不純物のドーズ量の減少を抑制することができるという効果を奏する。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。

【図2】図1の切断線A−A’における断面構造を示す断面図である。

【図3】図1のJTE構造を構成するp型領域を形成するためにイオン注入されるp型不純物のドーピング濃度分布の一例を示す特性図である。

【図4】図3の総ドーピング濃度分布を形成するためのイオン注入条件の一例を示す図表である。

【図5】実施例のp型領域中のp型不純物のドーズ量と耐圧との関係を示す特性図である。

【図6】従来例のp型領域のドーパント濃度分布を示す特性図である。

【図7】BOX型のドーパント濃度分布を有するp型領域を形成するための一般的なイオン注入条件の一例を示す図表である。

選択図 図3出願人が指定した本件の代表的な図

1 n+型ドレイン領域   2 n-型ドリフト領域   3 n型電流拡散領域   4 p型ベース領域   5 n+型ソース領域   6 p++型コンタクト領域   7,7a トレンチ   8 ゲート絶縁膜   9 ゲート電極   10 活性領域   11,11a,12,13 p+型領域   14 層間絶縁膜   15 ソース電極   16 ドレイン電極   20 エッジ終端領域   21 SiC基板のおもて面の段差   22 フィールド酸化膜   30 JTE構造   31,32 JTE構造を構成するp型領域(第1,2JTE領域)   33 n+型ストッパ領域   40 SiC基板   40a〜40c SiC基板のおもて面の第1〜3面   41 n+型出発基板   42 n-型炭化珪素層   43 p型炭化珪素層   50 炭化珪素半導体装置   60 p型不純物の活性化アニール前の総ドーピング濃度分布   60a,60b p型不純物の活性化アニール前の総ドーピング濃度分布の一部分   61,62 イオン注入ごとのp型不純物の活性化アニール前のドーピング濃度分布   100 従来例のp型領域   101 従来例の活性化アニール後のp型領域の、SIMS分析で測定されたドーパント濃度分布   101a 従来例の活性化アニール後のp型領域のドーパント濃度分布の、SiC基板のイオン注入面付近から0.1μm以下の深さまでの部分   101b 従来例の活性化アニール後のp型領域のドーパント濃度分布の、SiC基板のイオン注入面から0.1μmを超える部分   101c 従来例の活性化アニール後のp型領域のドーパント濃度分布のピーク濃度の深さ位置の範囲   101d 従来例の活性化アニール後のp型領域のドーパント濃度分布のピーク深さ   110 従来例のp型不純物の活性化アニール前の総ドーピング濃度分布   111〜115 従来例の、イオン注入ごとのp型不純物の活性化アニール前のドーピング濃度分布

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