特開2020-205338(P2020-205338A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-205338半導体製造装置システムを制御するための制御システム、および半導体製造装置システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-205338(P2020-205338A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】半導体製造装置システムを制御するための制御システム、および半導体製造装置システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20201127BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   H01L21/02 Z
   H01L21/304 651B
   H01L21/304 621D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-112190(P2019-112190)
(22)【出願日】2019年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100117411
【弁理士】
【氏名又は名称】串田 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】武田 晃一
【テーマコード(参考)】
5F057
5F157
【Fターム(参考)】
5F057AA36
5F057BA11
5F057CA12
5F057DA03
5F057EA01
5F057FA01
5F057FA36
5F057GA27
5F157AA03
5F157AA70
5F157AA96
5F157AB46
5F157AB62
5F157AC53
5F157CF44
5F157CF70
5F157CF74
5F157DC01
(57)【要約】
【課題】供給可能な用力量を有効活用できる半導体製造装置システムを制御するための制御システム、および半導体製造装置システムの制御方法を提供する。
【解決手段】制御システム102は、複数の半導体製造装置170を有して半導体を製造するように構成された半導体製造装置システム101を制御する。制御システム102は、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量に関する供給用力量データ182を保持する供給用力量データ保持部172と、複数の半導体製造装置170が消費する消費用力量に関する消費用力量データ180を保持する消費用力量データ保持部174と、供給用力量データ172と消費用力量データ180に基づいて、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量の範囲内で、複数の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定するスケジューリング部176とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体製造装置を有して半導体を製造するように構成された半導体製造装置システムを制御するための制御システムにおいて、
前記半導体製造装置システムに供給可能な用力量に関する供給用力量データを保持するように構成された供給用力量データ保持部と、
複数の前記半導体製造装置が消費する消費用力量に関する消費用力量データを保持するように構成された消費用力量データ保持部と、
前記供給用力量データと前記消費用力量データに基づいて、前記半導体製造装置システムに供給可能な用力量の範囲内で、複数の前記半導体製造装置の動作スケジュールを決定するように構成されたスケジューリング部とを有することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記消費用力量データ保持部は、少なくとも一つの前記半導体製造装置に関する前記消費用力量データについて、前記少なくとも一つの前記半導体製造装置の同一の製造工程についての複数の異なる前記消費用力量データを保持するように構成されることを特徴とする請求項1記載の制御システム。
【請求項3】
前記スケジューリング部は、前記動作スケジュールを、前記半導体の種類ごとに、及び/または前記半導体製造装置が収容される施設ごとに決定するように構成されることを特徴とする請求項1または2記載の制御システム。
【請求項4】
前記消費用力量データを取得して、取得した前記消費用力量データを前記消費用力量データ保持部に出力するように構成された消費用力量取得部を有し、
前記消費用力量データ保持部は、入力された前記消費用力量データを保持するように構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記動作スケジュールに従って複数の前記半導体製造装置の動作が行われるときに、前記消費用力量取得部は前記消費用力量データを取得し、
前記制御システムは、取得された該消費用力量データに基づいて、前記消費用力量データ保持部が保持する前記消費用力量データを修正するように構成されるデータ修正部を有することを特徴とする請求項4記載の制御システム。
【請求項6】
前記供給用力量データは、少なくとも一つの前記半導体製造装置の動作状況に応じて、及び/または前記半導体製造装置システムの外部に配置された外部装置の動作状況に応じて、変化することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記供給用力量データを取得して、取得した前記供給用力量データを前記供給用力量データ保持部に出力するように構成された供給用力量取得部を有し、
前記供給用力量データ保持部は、入力された前記供給用力量データを保持するように構成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
前記動作スケジュールに従って複数の前記半導体製造装置の動作を制御するように構成された制御部を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項9】
複数の半導体製造装置を有して半導体を製造するように構成された半導体製造装置システムの制御方法において、
前記システムに供給可能な用力量に関する供給用力量データを保持する工程と、
複数の前記半導体製造装置が消費する消費用力量に関する消費用力量データを保持する工程と、
前記供給用力量データと前記消費用力量データに基づいて、前記半導体製造装置システムに供給可能な用力量の範囲内で、複数の前記半導体製造装置の動作スケジュールを決定する工程とを有することを特徴とする半導体製造装置システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置システムを制御するための制御システム、および半導体製造装置システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路(多数のトランジスタなどを接続した回路)等を製造するために用いられる半導体製造装置にはさまざまな種類のものがある。たとえば各種の材料膜を形成する装置、写真蝕刻技術を利用して材料膜を形状加工する装置、微量不純物を添加する装置、化学的・機械的研磨装置(CMP装置)、組立て装置、検査装置などである。半導体とは、シリコンなどの材料のことである。半導体製造装置の技術分野では、このような半導体を用いた集積回路等も、慣用的に“半導体”と呼ばれている。以下では、半導体とは集積回路等を意味する。
【0003】
半導体製造装置、例えば研磨装置を稼動させるためには、超純水や電力や冷却水などの消耗的資源(用力、またはユーティリティと呼ばれる。)を消費する。複数の半導体製造装置を有して半導体を製造するように構成された半導体製造装置システムにおいて、システムに供給可能な用力量と、複数の半導体製造装置が消費する消費用力量との関係は最適化されていない場合がある。すなわち、システムに供給可能な用力量が、複数の半導体製造装置が消費する消費用力量より多くて、システムの効率が低い場合がある。逆に、システムに供給可能な用力量が、複数の半導体製造装置が消費する消費用力量より少なくて、複数の半導体製造装置を同時に運転することができない場合がある。システムに供給可能な用力量が少なくて、半導体製造装置が正常に動作できない場合もある。
【0004】
特開2014-187367号公報には、研磨装置においてリンス水の水量制御を行うときに、各研磨装置の稼働時には、各研磨装置にリンス水を連続的に供給し、各研磨装置の非稼働時には、各研磨装置にリンス水を間欠的に供給することが記載されている。すなわち、各研磨装置の稼働/非稼働に応じて用力量を増減して、用力量をできるだけ低減することが記載されている。しかし、供給可能な用力量を有効活用すること、例えば、供給可能な用力の範囲内で、半導体の生産量を向上させる方法等(一例として、供給可能な用力の範囲内で、できるだけ多くの台数の半導体製造装置を正常に動作させる)については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-187367
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一形態は、このような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、供給可能な用力量を有効活用できる半導体製造装置システムを制御するための制御システム、および半導体製造装置システムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、形態1では、複数の半導体製造装置を有して半導体を製造するように構成された半導体製造装置システムを制御するための制御システムにおいて、前記半導体製造装置システムに供給可能な用力量に関する供給用力量データを保持するよ
うに構成された供給用力量データ保持部と、複数の前記半導体製造装置が消費する消費用力量に関する消費用力量データを保持するように構成された消費用力量データ保持部と、前記供給用力量データと前記消費用力量データに基づいて、前記半導体製造装置システムに供給可能な用力量の範囲内で、複数の前記半導体製造装置の動作スケジュールを決定するように構成されたスケジューリング部とを有することを特徴とする制御システムという構成を採っている。
【0008】
本実施形態では、供給用力量データと消費用力量データに基づいて、半導体製造装置システムに供給可能な用力量の範囲内で、複数の半導体製造装置の動作スケジュールを決定するため、供給可能な用力量を有効活用することができる。たとえば、半導体の生産量を向上させることができる。従来は、供給できる用力量を最大限利用するように各装置の稼働/非稼働を決定すること、言い換えると、用力量に応じて各装置の稼働/非稼働をスケジューリングすることは行われていなかった。本実施形態では、製造ライン全体または工場全体の用力量を考慮して、各装置の稼働/非稼働および/または各装置が実行する複数の動作の実行/非実行をスケジューリングすることができる。
【0009】
半導体製造装置システムに供給可能な用力量に関する供給用力量データとしては、工場単位および/または製造ライン単位および/または処理プロセス単位ごとに供給可能な流量、圧力、電力、回転速度等がある。半導体製造装置の動作スケジュールとしては、半導体製造装置170の稼働と非稼働のスケジュール、稼働時に複数可能な動作があるときに、どの動作を行わせるかに関するスケジュール等が含まれる。稼働時に複数可能な動作には、同じ処理を異なる動作パラメータで行う場合等が含まれる。動作パラメータとして稼働および/または非稼働における流量の値、圧力の値、電力の値、回転速度の値等がある。
【0010】
製造ライン全体または工場全体の用力の利用に関しては、例えば以下の要求(すなわち制限)がある。なお、これらの要求は、すべてが同時に要求されるわけではない。
・製造ラインごとに許容できる各用力(電力、純水、排気量等)の許容値がある。
例えば用力源のメンテナンス等で、設備として供給可能な最大値を常に用力源が供給できるとは限らないため、各用力(電力、純水、排気量等)の許容値は変動する。また省エネ運転したい等の理由から、設備として供給可能な最大値を用力源は供給できない場合がある。
・供給可能な各用力の許容値という制約により半導体製造装置の動作タイミングやスピード等を変更する場合、特に、動作タイミングやスピードの低減により、用力を減少させることには限度がある。なぜならば半導体製造装置に求められる最低限必要な生産量があるからである。
・供給可能な各用力の許容値という制約により半導体製造装置のレシピ(すなわち半導体製造装置の運転条件やパラメータ等の内容)を変更して運転する場合、運転条件やパラメータ等の変更範囲には許容レンジが存在する。
・生産に使用できる半導体製造装置を選択するときの制約
例えば、半導体製造装置に求められる最低限必要な生産量を守るという制約があるときに、半導体の生産で使用しなければならない半導体製造装置の台数が決まる。使用する半導体製造装置を選択するときに、「生産で使用できる装置」のランキングが低い装置はなるべく使用したくない。ここで「生産で使用できる装置」のランキングとは、処理結果が良い半導体製造装置(調子の良い半導体製造装置)のランキングを意味する。処理結果が基準以下の半導体製造装置は使用できない。「処理結果が良い」とは、研磨装置の場合、例えば研磨した結果得られた基板の研磨面の均一度が良好であることを意味する。
【0011】
・共通の用力源に接続されている複数の半導体製造装置が同時にその用力を使用する動作を行った場合、工場の用力が不足し半導体製造装置が正常に動作できないという制約があ
る場合
例えば、半導体製造装置が研磨装置である場合、不足する用力の例としては、以下がありうる。これらの詳細については後述する。
・アトマイザに供給する窒素ガス(N2)の不足
・基板をトップリングに吸着するための真空圧の不足
・ダミーディスペンス(DDSP)に必要な純水(DIW)の供給量の不足
【0012】
本実施形態によれば、上記の複数の要求(すなわち制限)のうちの少なくとも一つを満たすことができる。本実施形態では、供給可能な用力の量に合わせて、半導体製造装置の動作を決める。供給可能な用力の量に合わせて、生産量を増やすように(例えば、動作させる半導体製造装置の台数を増やすように)、半導体製造装置の動作を決定することもできるから用力を有効活用できる。従来は、動作している半導体製造装置の動作(稼働、非稼働)に合わせて用力の量を決めていた。そのため、用力を有効活用していなかった。用力が余っている場合でも、稼働させる半導体製造装置の台数を増やして、用力の量の範囲内で生産量を増やすことをまったく考えていなかった。従来は用力の量を減らすことのみを考えていた。
【0013】
形態2では、前記消費用力量データ保持部は、少なくとも一つの前記半導体製造装置に関する前記消費用力量データについて、前記少なくとも一つの前記半導体製造装置の同一の製造工程についての複数の異なる前記消費用力量データを保持するように構成されることを特徴とする形態1記載の制御システムという構成を採っている。
【0014】
形態3では、前記スケジューリング部は、前記動作スケジュールを、前記半導体の種類ごとに、及び/または前記半導体製造装置が収容される施設ごとに決定するように構成されることを特徴とする形態1または2記載の制御システムという構成を採っている。「施設ごとに」とは、例えば「工場ごとに」及び/または「製造ラインごとに」及び/または「処理プロセスごとに」という意味である。
【0015】
形態4では、前記消費用力量データを取得して、取得した前記消費用力量データを前記消費用力量データ保持部に出力するように構成された消費用力量取得部を有し、前記消費用力量データ保持部は、入力された前記消費用力量データを保持するように構成されることを特徴とする形態1ないし3のいずれか1項に記載の制御システムという構成を採っている。
【0016】
消費用力量データを取得する方法としては、種々可能である。たとえば消費用力量取得部は消費用力量データを、半導体製造装置システム全体を管理する上位のコンピュータシステムから取得する、及び/または消費用力量データを半導体製造装置について測定して取得することができる。測定器として電圧計、電流計、流量計、圧力計等の計測器を用いて、消費用力量データとして、電力、水量、ガス量等を得ることができる。
【0017】
形態5では、前記動作スケジュールに従って複数の前記半導体製造装置の動作が行われるときに、前記消費用力量取得部は前記消費用力量データを取得し、前記システムは、取得された該消費用力量データに基づいて、前記消費用力量データ保持部が保持する前記消費用力量データを修正するように構成されるデータ修正部を有することを特徴とする形態4記載の制御システムという構成を採っている。
【0018】
形態6では、前記供給用力量データは、少なくとも一つの前記半導体製造装置の動作状況に応じて、及び/または前記半導体製造装置システムの外部に配置された外部装置の動作状況に応じて、変化することを特徴とする形態1ないし5のいずれか1項に記載の制御システムという構成を採っている。
【0019】
形態7では、前記供給用力量データを取得して、取得した前記供給用力量データを前記供給用力量データ保持部に出力するように構成された供給用力量取得部を有し、前記供給用力量データ保持部は、入力された前記供給用力量データを保持するように構成されることを特徴とする形態1ないし6のいずれか1項に記載の制御システムという構成を採っている。
【0020】
形態8では、前記動作スケジュールに従って複数の前記半導体製造装置の動作を制御するように構成された制御部を有することを特徴とする形態1ないし7のいずれか1項に記載の制御システムという構成を採っている。
【0021】
形態9では、複数の半導体製造装置を有して半導体を製造するように構成された半導体製造装置システムの制御方法において、前記システムに供給可能な用力量に関する供給用力量データを保持する工程と、複数の前記半導体製造装置が消費する消費用力量に関する消費用力量データを保持する工程と、前記供給用力量データと前記消費用力量データに基づいて、前記半導体製造装置システムに供給可能な用力量の範囲内で、複数の前記半導体製造装置の動作スケジュールを決定する工程とを有することを特徴とする半導体製造装置システムの制御方法という構成を採っている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、研磨装置の平面図である。
図2図2は、第1研磨ユニットの斜視図である。
図3A図3Aは、洗浄ユニットの平面図である。
図3B図3Bは、洗浄ユニットの側面図である。
図4図4は、本発明の実施形態による研磨装置の概念図である。
図5図5は、半導体製造装置システムと制御システムを示すブロック図である。
図6図6は、制御システムの動作フローを示す説明図である。
図7図7は、スケジューリング部176が複数の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定した結果の動作スケジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同一または相当する部材には同一符号を付して重複した説明を省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0024】
本発明の実施形態として、複数の研磨装置(半導体製造装置)を有して半導体を研磨(製造)するように構成された研磨装置システム(半導体製造装置システム)を制御するための制御システムを説明する。本発明の実施形態として、研磨装置以外の半導体製造装置を有する半導体製造装置システムも可能である。また、半導体製造装置システムは、異なる種類の半導体製造装置を含んでもよい。
【0025】
なお、複数の半導体製造装置とは、複数台の半導体製造装置に限られない。すなわち、1台の半導体製造装置が、半導体を製造するように構成された複数のユニットから構成されている場合、複数の半導体製造装置とは複数のユニットを意味してもよい。
【0026】
最初に研磨装置の概要について説明する。
<研磨装置>
図1は、研磨装置の平面図である。図1に示すように、研磨装置1000は、EFEM(Equipment Front End Module)200と、研磨ユニット300と、洗浄ユニット400と、
を備える。また、研磨装置1000は、EFEM200、研磨ユニット300、及び、洗浄ユニット400、の各種動作を制御するための制御ユニット500を備える。
【0027】
研磨ユニット300は、基板(ウェハ)を研磨するように構成された研磨部である。洗浄ユニット400は、研磨された基板を洗浄するように構成された洗浄部である。EFEM200は、基板を複数枚収納して搬送するための容器であるキャリア内の基板を研磨装置1000内へ搬送する処理と処理後の基板を研磨装置1000からキャリアへ搬送するように構成された搬送部である。以下、EFEM200、研磨ユニット300、及び、洗浄ユニット400、について説明する。
【0028】
<EFEM>
EFEM200は、研磨及び洗浄などの処理が行われる前の基板を研磨ユニット300へ渡すとともに、研磨及び洗浄などの処理が行われた後の基板を洗浄ユニット400から受け取るためのユニットである。EFEM200は、複数(本実施形態では4台)のフロントロード部220を備える。フロントロード部220にはそれぞれ、基板をストックするためのカセット222が搭載される。
【0029】
EFEM200は、筐体100の内部に設置されたレール230と、レール230上に配置された複数(本実施形態では2台)の搬送ロボット240と、を備える。搬送ロボット240は、研磨及び洗浄などの処理が行われる前の基板をカセット222から取り出して研磨ユニット300へ渡す。また、搬送ロボット240は、研磨及び洗浄などの処理が行われた後の基板を洗浄ユニット400から受け取ってカセット222へ戻す。
【0030】
<研磨ユニット>
研磨ユニット300は、基板の研磨を行うためのユニットである。研磨ユニット300は、第1研磨ユニット300A、第2研磨ユニット300B、第3研磨ユニット300C、及び、第4研磨ユニット300D、を備える。第1研磨ユニット300A、第2研磨ユニット300B、第3研磨ユニット300C、及び、第4研磨ユニット300D、は、互いに同一の構成を有する。従って、以下、第1研磨ユニット300Aについてのみ説明する。
【0031】
第1研磨ユニット300Aは、研磨テーブル320Aと、トップリング330Aと、を備える。研磨テーブル320Aは、図示していない駆動源によって回転駆動される。研磨テーブル320Aには、研磨パッド310Aが貼り付けられる。トップリング330Aは、基板を保持して研磨パッド310Aに押圧する。トップリング330Aは、図示していない駆動源によって回転駆動される。基板は、トップリング330Aに保持されて研磨パッド310Aに押圧されることによって研磨される。
【0032】
次に、基板を搬送するための搬送機構について説明する。搬送機構は、リフタ370と、第1リニアトランスポータ372と、スイングトランスポータ374と、第2リニアトランスポータ376と、仮置き台378と、を備える。
【0033】
リフタ370は、搬送ロボット240から基板を受け取る。第1リニアトランスポータ372は、リフタ370から受け取った基板を、第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、及び、第4搬送位置TP4、の間で搬送する。第1研磨ユニット300A及び第2研磨ユニット300Bは、第1リニアトランスポータ372から基板を受け取って研磨する。第1研磨ユニット300A及び第2研磨ユニット300Bは、研磨した基板を第1リニアトランスポータ372へ渡す。
【0034】
スイングトランスポータ374は、第1リニアトランスポータ372と第2リニアトラ
ンスポータ376との間で基板の受け渡しを行う。第2リニアトランスポータ376は、スイングトランスポータ374から受け取った基板を、第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、及び、第7搬送位置TP7、の間で搬送する。第3研磨ユニット300C及び第4研磨ユニット300Dは、第2リニアトランスポータ376から基板を受け取って研磨する。第3研磨ユニット300C及び第4研磨ユニット300Dは、研磨した基板を第2リニアトランスポータ376へ渡す。研磨ユニット300によって研磨処理が行われた基板は、スイングトランスポータ374によって仮置き台378へ置かれる。
【0035】
<洗浄ユニット>
洗浄ユニット400は、研磨ユニット300によって研磨処理が行われた基板の洗浄処理及び乾燥処理を行うためのユニットである。洗浄ユニット400は、第1洗浄室410と、第1搬送室420と、第2洗浄室430と、第2搬送室440と、乾燥室450と、を備える。
【0036】
仮置き台378へ置かれた基板は、第1搬送室420を介して第1洗浄室410又は第2洗浄室430へ搬送される。基板は、第1洗浄室410又は第2洗浄室430において洗浄処理される。第1洗浄室410又は第2洗浄室430において洗浄処理された基板は、第2搬送室440を介して乾燥室450へ搬送される。基板は、乾燥室450において乾燥処理される。乾燥処理された基板は、搬送ロボット240によって乾燥室450から取り出されてカセット222へ戻される。
【0037】
<第1研磨ユニットの詳細構成>
次に、第1研磨ユニット300Aの詳細について説明する。図2は、第1研磨ユニット300Aの斜視図である。第1研磨ユニット300Aは、研磨パッド310Aに研磨液又はドレッシング液を供給するための研磨液供給ノズル340Aを備える。研磨液は、例えば、スラリである。ドレッシング液は、例えば、純水である。また、第1研磨ユニット300Aは、研磨パッド310Aのコンディショニングを行うためのドレッサ350Aを備える。また、第1研磨ユニット300Aは、液体、又は、液体と気体との混合流体、を研磨パッド310Aに向けて噴射するためのアトマイザ360Aを備える。液体は、例えば、純水である。気体は、例えば、窒素ガスである。
【0038】
トップリング330Aは、トップリングシャフト332Aによって支持される。トップリング330Aは、図示していない駆動部によって、矢印ABで示すように、トップリングシャフト332Aの軸心周りに回転するようになっている。研磨テーブル320Aは、テーブルシャフト322Aに支持される。研磨テーブル320Aは、図示していない駆動部によって、矢印ACで示すように、テーブルシャフト322Aの軸心周りに回転するようになっている。
【0039】
基板WFは、トップリング330Aの研磨パッド310Aと対向する面に真空吸着によって保持される。研磨時には、研磨液供給ノズル340Aから研磨パッド310Aの研磨面に研磨液が供給される。また、研磨時には、研磨テーブル320A及びトップリング330Aが回転駆動される。基板WFは、トップリング330Aによって研磨パッド310Aの研磨面に押圧されることによって研磨される。
【0040】
<洗浄ユニットの詳細構成>
次に、洗浄ユニット400の詳細について説明する。図3Aは洗浄ユニット400の平面図である。図3Bは洗浄ユニット400の側面図である。
【0041】
第1搬送室420内には、鉛直方向に延びる支持軸424、及び、支持軸424に移動自在に支持された第1搬送ロボット422、が配置される。第1搬送ロボット422は、
モータなどの駆動機構によって、支持軸424に沿って鉛直方向に移動できるようになっている。第1搬送ロボット422は、仮置き台378に置かれた基板WFを受け取る。第1搬送ロボット422は、仮置き台378から受け取った基板WFを第1洗浄室410又は第2洗浄室430へ搬送する。
【0042】
第1洗浄室410内には、上側一次洗浄モジュール412A及び下側一次洗浄モジュール412Bが鉛直方向に沿って配置される。同様に、第2洗浄室430内には、上側二次洗浄モジュール432A及び下側二次洗浄モジュール432Bが鉛直方向に沿って配置される。上側一次洗浄モジュール412A、下側一次洗浄モジュール412B、上側二次洗浄モジュール432A、及び、下側二次洗浄モジュール432B、は、洗浄液を用いて基板を洗浄する洗浄機である。上側二次洗浄モジュール432Aと下側二次洗浄モジュール432Bとの間には、基板の仮置き台434が設けられる。
【0043】
第1搬送ロボット422は、仮置き台378、上側一次洗浄モジュール412A、下側一次洗浄モジュール412B、仮置き台434、上側二次洗浄モジュール432A、及び、下側二次洗浄モジュール432B、の間で基板WFを搬送することができる。第1搬送ロボット422は、上側ハンド及び下側ハンドを有する。洗浄前の基板にはスラリが付着しているので、第1搬送ロボット422は、洗浄前の基板を搬送するときには下側ハンドを用いる。一方、第1搬送ロボット422は、洗浄後の基板を搬送するときには上側ハンドを用いる。
【0044】
第2搬送室440内には、鉛直方向に延びる支持軸444、及び、支持軸444に移動自在に支持された第2搬送ロボット442、が配置される。第2搬送ロボット442は、モータなどの駆動機構によって、支持軸444に沿って鉛直方向に移動できるようになっている。第2搬送ロボット442は、第2洗浄室430から基板WFを受け取って乾燥室450へ搬送する。
【0045】
乾燥室450内には、上側乾燥モジュール452A及び下側乾燥モジュール452Bが鉛直方向に沿って配置される。上側乾燥モジュール452Aは、基板WFの乾燥処理を行う乾燥ユニット456Aと、乾燥ユニット456Aに清浄な空気を供給するためのファンフィルタユニット454Aと、を備える。下側乾燥モジュール452Bは、基板WFの乾燥処理を行う乾燥ユニット456Bと、乾燥ユニット456Bに清浄な空気を供給するためのファンフィルタユニット454Bと、を備える。
【0046】
第2搬送ロボット442は、上側二次洗浄モジュール432A、下側二次洗浄モジュール432B、仮置き台434、上側乾燥モジュール452A、及び、下側乾燥モジュール452B、の間で基板WFを搬送することができる。第2搬送ロボット442は、洗浄された基板を搬送するので、1つのハンドのみを備えている。
【0047】
基板WFは、上側乾燥モジュール452A又は下側乾燥モジュール452Bによって乾燥処理が行われた後、図1に示した搬送ロボット240の上側ハンドによって乾燥室450から取り出される。搬送ロボット240は、乾燥室450から取り出した基板WFをカセット222へ戻す。
【0048】
次に、用力量の制御系の一例を図4により説明する。図4は、用力量の制御系を説明するための本実施形態による研磨装置の概念図である。本図では、説明の簡略化のために、制御対象となる用力量のうち、排気量と純水量の制御系のみを示す。他の用力量も類似の方法で制御される。
【0049】
図4では、複数ある研磨ユニット300のうちの第1研磨ユニット300Aと、複数あ
る洗浄室のうちの第1洗浄室410と、基板WFを収容するカセット222(222a、222b、…)とを設けていて外部との間で基板WFを搬送するEFM200とを備えている。これら第1研磨ユニット300Aと第1洗浄室410とEFM200とは、例えばクリーンルーム等の、研磨装置1000の外部周囲環境に対して気密に仕切られたルームとして互いに分離した状態で区画されている。
【0050】
そして、第1研磨ユニット300Aと第1洗浄室410とはそれぞれ排気ダクト106、107に個別に連通しており、各排気ダクト106、107は排気流量調整弁108、109を介して図示しない共通排気ラインに接続され、共通排気ラインは図示しない排気装置に接続されている。なお、EFM200にも排気ダクトを接続してもよい。
【0051】
排気ダクト106及び排気流量調整弁108は第1研磨ユニット300A内で研磨中に研磨液のミストや研磨粉等が発生して空気中に飛散しても外部に流出しないように第1研磨ユニット300A内の圧力を外部圧力(例えば大気圧)より低圧、ここでは負圧に制御する。排気ダクト107及び排気流量調整弁109は第1洗浄室410内で気化する有機溶剤や酸性の洗浄液が外部に流出しないように第1洗浄室410内の圧力を外部圧力(ここでは大気圧)より低圧、ここでは負圧に制御する。
【0052】
同様に、第1研磨ユニット300Aと第1洗浄室410とはそれぞれ洗浄用の純水または超純水(以下、これらをまとめて超純水という)のリンス水を供給するリンス水供給管111、112が接続されている。各リンス水供給管111、112は、流量と開閉を調整するリンス水流量調整弁113、114を介して図示しない共通供給ラインに接続されてリンス水供給源に連通している。リンス水供給管111は、アトマイザ360Aであり、窒素ガスと純水を混合して研磨テーブル320Aに供給することもある。
【0053】
また、テーブルシャフト322A及び研磨テーブル320A内には冷却水管121が例えば螺旋状または格子状等に配設され、冷却水管121を流れる冷却水によって研磨テーブル320Aの表面温度を制御する。冷却水管121には冷却水流量調整弁122が設けられ、テーブルシャフト322A及び研磨テーブル320A内に流れる冷却水の流量と開閉を調整している。
【0054】
研磨パッド310A上にはアトマイザ360Aの供給口11aが設けられ、インナリンス水等を研磨パッド310A上に連続してまたは間欠的に供給する。また、第1研磨ユニット300Aの天井面には上述した排気ダクト106が接続されている。第1研磨ユニット300A内には第1研磨ユニット300A内の気圧を検知する圧力センサとして圧力変換器124が配設され、第1研磨ユニット300A内の圧力が外部雰囲気の圧力(例えば大気圧)よりどの程度低圧(負圧)であるかを検知する。なお、第1研磨ユニット300A内には研磨前後の基板WFを取り扱う図示しない搬送ロボットが配設されている場合もある。
【0055】
そして、第1洗浄室410には第1研磨ユニット300Aで研磨された基板WFを洗浄するための洗浄手段として一対の洗浄用スポンジローラ126、127が上下に対向して配設され、これら洗浄用スポンジローラ126、127間に基板Wを挟持して搬送しながら洗浄する。各洗浄用スポンジローラ126、127の近傍にはリンス水供給管112(符号112a、112bを付す)がそれぞれ配設され、各洗浄用スポンジローラ126、127に超純水を供給して基板WFを洗浄する。
【0056】
基板WFを第1洗浄室410に搬入及び搬出するための第1搬送ロボット422が設けられている。第1洗浄室410内にも第1洗浄室410内の圧力を検知する圧力センサとして圧力変換器129が配設され、第1洗浄室410内の圧力が外部雰囲気の圧力(例え
ば大気圧)よりどの程度低圧(負圧)であるかを検知する。
【0057】
第1研磨ユニット300Aや第1洗浄室410やEFM200の外部には、既述の制御ユニット500が配設されている。制御ユニット500には第1研磨ユニット300Aや第1洗浄室410内の圧力を検知する圧力変換器124、129の検知信号が入力される。制御ユニット500は、検知された第1研磨ユニット300Aや第1洗浄室410内の圧力に基づいて排気ダクト106,107の排気流量調整弁108,109の流量や開閉を制御する。また、制御ユニット500にはリンス水流量調整弁113,114、冷却水流量調整弁122が電気的に接続されていてこれらの流量と開閉をそれぞれ制御する。
【0058】
基板Wを研磨するための研磨装置1000では、その停止中において、研磨パッド310A及び洗浄用スポンジローラ126,127の乾燥を防ぎ湿潤状態を保持するために、研磨装置1000の待機時において、制御ユニット500は、リンス水流量調整弁113、114を間欠的に開弁する。制御ユニット500は、例えば、30分毎に20秒開弁してインナリンス水をリンス水供給管111、112a、112bから研磨パッド310Aと洗浄用スポンジローラ126,127に供給して乾燥を防ぐ。
【0059】
その際、制御ユニット500は、研磨パッド310Aにはリンス水流量調整弁113を開弁してリンス水を例えば1L/分供給し、洗浄用スポンジローラ126,127にはリンス水流量調整弁114、114を開弁してリンス水をそれぞれ例えば0.6L/分供給する。これにより制御ユニット500は、乾燥の防止と湿潤状態の維持を達成する。
【0060】
また、制御ユニット500は圧力変換器124、129から入力される第1研磨ユニット300A内の圧力信号と第1洗浄室410内の圧力信号とをそれぞれ個別に識別する。そして、圧力変換器124、129で検知した第1研磨ユニット300A内の圧力信号と第1洗浄室410内の各圧力が外部雰囲気の圧力、例えば大気圧よりも−30Pa(パスカル)〜−12.5Pa低い圧力の範囲にあるか否かを判別する。制御ユニット500は、第1研磨ユニット300A内の圧力信号と第1洗浄室410内の圧力が大気圧よりも好ましくは−30Pa(パスカル)〜−12.5Paの範囲の圧力差を有する低圧に維持されるように制御する。
【0061】
次に、複数の半導体製造装置170を有して半導体を製造するように構成された半導体製造装置システム101を制御するための制御システムの構成について、図5により説明する。図5は、半導体製造装置システムと制御システムを示すブロック図である。半導体製造装置システム101としては、半導体製造装置170が1台のみの場合と、半導体製造装置170が複数台の場合が可能である。また、制御システム102は半導体製造装置170の一部として、例えば記述の制御ユニット500内に配置することができる。また、制御システム102は、半導体製造装置170の外部の装置として、半導体製造装置170の外部に配置することもできる。さらに、1台の制御システム102で、複数の半導体製造装置170を制御してもよい。以下の図5に示す実施形態は、1台の制御システム102で、複数の半導体製造装置170を制御する制御システムである。
【0062】
半導体製造装置170としては、既述の研磨装置1000に限られない。半導体の製造に係わる装置であれば、どのような半導体製造装置170でもよい。半導体製造装置170は、例えば露光装置、ドライエッチング装置、CVD装置等である。
【0063】
半導体製造装置システム101は、制御システム102と、複数の半導体製造装置170とを有する。複数の半導体製造装置170は、複数の製造ライン104−1,104−2,・・・、104−Nに配置されている。各製造ライン104−1,104−2,・・・、104−Nの各々には、半導体製造装置である露光装置、ドライエッチング装置、CV
D装置、研磨装置1000等が複数配置されている。
【0064】
なお、図5の実施形態においては、1台の制御システム102が半導体製造装置システム101全体を制御している。他の実施形態として、制御システム102が製造ライン104ごとに配置されてもよい。さらに、制御システム102は、半導体製造装置システム101が配置されている工場の外部に設置されたコンピュータ内に配置されてもよい。工場の外部に設置されたコンピュータとしては、クラウド等も可能である。工場の外部に設置されたコンピュータを用いる場合、コンピュータは、インターネットや専用回線等の通信手段により半導体製造装置システム101と接続される。
【0065】
半導体製造装置170には、製造ライン104の通し番号を示す数字と、当該製造ライン104内における通し番号が「N−2」のように付されている。図4では、各製造ライン104−1,104−2,・・・、104−Nには、同数の半導体製造装置170があるとしている。しかし、各製造ライン104における半導体製造装置170の数は、製造ライン104ごとに異なってもよい。
【0066】
制御システム102は、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量に関する供給用力量データを保持するように構成された供給用力量データ保持部172と、複数の半導体製造装置170が消費する消費用力量に関する消費用力量データを保持するように構成された消費用力量データ保持部174と、供給用力量データと消費用力量データに基づいて、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量の範囲内で、複数の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定するように構成されたスケジューリング部176とを有する。
【0067】
保持される供給用力量データは、工場全体、もしくは製造ライン104ごとに、もしくは製造工程ごとに、供給可能な用力量に関する供給用力量を示すデータである。具体的には供給用力量データは、供給可能な純水(DIW: DE-IONIZED WATER)の総量(l/h)、供給可能なガスの総量(l/h)、供給可能な圧縮空気(CDA: Compressed Dry Air)の総量(l/h)、供給可能な電力の総量(kw/h)、供給可能な薬液の総量(l/h)、供給可能なスラリの総量(l/h)、処理可能な排水の総量(l/h)、処理可能な排気の総量(l/h)、真空を維持するために供給可能な真空装置の排気速度の総量(l/min)等である。ここで、「l」は「リットル」、「h」は「時間」、「min」は「分」である。供給用力量データは、これらのデータのすべてを含む場合に限られず、これらのデータの一部を含んでもよい。また、供給用力量データは、これら以外のデータを含んでもよい。
【0068】
ガス、薬液等のように複数種類の用力がある場合は、種類ごとに供給用力量データは保持される。例えばガスとしては、窒素ガス(N2)、酸素ガス(O2)等がある。真空装置の排気速度についても、低真空用排気速度、高真空用排気速度等がある。
【0069】
消費用力量データは、半導体製造装置170ごとに、半導体の製造に消費する用力を示すデータである。具体的には消費用力量データは、純水の量(l/h)、ガスの量(l/h)、圧縮空気の量(l/h)、電力の量(kw/h)、薬液の量(l/h)、スラリの量(l/h)、排水の量(l/h)、排気の量(l/h)、真空を維持するために必要な真空装置の排気速度(l/min)等である。消費用力量データは、これらのデータのすべてを含む場合に限られず、これらのデータの一部を含んでもよい。また、消費用力量データは、これら以外のデータを含んでもよい。
【0070】
さらに、消費用力量データは、動作スケジュールを決定したい半導体製造装置170の複数の処理動作ごとに設定することもできる。例えば個々の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定したいときと、個々の半導体製造装置170が行う複数の処理動作ご
との動作スケジュールを決定したいときでは、消費用力量データは異なる。個々の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定したいときは、個々の半導体製造装置170が行う複数の動作のうち最大となる用力を消費用力量データとしてもよい。個々の半導体製造装置170が行う複数の処理動作ごとの動作スケジュールを決定したいときは、複数の処理動作ごとに消費する用力を消費用力量データとしてもよい。半導体製造装置170の複数の処理動作としては、半導体製造装置170が研磨装置であるときは、基板の研磨処理、洗浄処理、乾燥処理、搬送処理等がある。
【0071】
消費用力量データ保持部174は、少なくとも一つの半導体製造装置170に関する消費用力量データについて、少なくとも一つの半導体製造装置170の同一の処理動作(製造工程)についての複数の異なる消費用力量データを保持してもよい。すなわち、どの製造ライン104に半導体製造装置170が配置されるか、もしくは、どのような種類の半導体の製造プロセスに半導体製造装置170が用いられるか、等によって、半導体製造装置170の消費用力量データは異なる可能性があるため、同一の半導体製造装置170について、同一の処理動作について複数の異なる消費用力量データを保持してもよい。
【0072】
スケジューリング部176は、動作スケジュールを、半導体製造装置170ごとに、、及び/または製造ライン104ごとに、及び/または半導体の種類ごとに、及び/または半導体製造装置170が収容される施設ごとに決定することができる。ここで動作スケジュールを、例えば製造ライン104ごとに決定するとは、指定された製造ライン104に含まれる半導体製造装置170について動作スケジュールを決定するという意味である。
【0073】
制御システム102は、個々の半導体製造装置170から消費用力量データを取得して、取得した消費用力量データ180を消費用力量データ保持部174に出力するように構成された消費用力量取得部178を有する。消費用力量データ保持部174は、入力された消費用力量データ180を保持する。消費用力量データ180は、例えば、製造ライン104ごとに蓄積することができる。消費用力量データ180は、例えば、表形式のデータである。
【0074】
消費用力量データ180には、例えば運転状況データと用力使用量データがある。運転状況データは、半導体製造装置170ごとの処理すべきロットの進捗状況データと、処理レシピである。運転状況データは、半導体製造装置170ごとに設けられている制御部から消費用力量取得部178に出力される。
【0075】
用力使用量データは、半導体製造装置170において、データの種類ごとに設けられた図示しない測定器によって例えば半導体製造装置170ごとに測定される。例えば、純水の量(l/h)、ガスの量(l/h)、圧縮空気の量(l/h)は流量計により、電力の量(kw/h)は電圧計及び/または電流計により測定される。消費用力量取得部178は測定器から送られてくる用力使用量データを入力されて、消費用力量データ保持部174に出力する。
【0076】
消費用力量取得部178は、スケジューリング部176が決定した動作スケジュールに従って複数の半導体製造装置170の動作が行われるときに、消費用力量データ180を取得してもよい。消費用力量取得部178は、取得された消費用力量データ180に基づいて、消費用力量データ保持部174が保持する消費用力量データ180を修正するように構成されるデータ修正部の機能を有してもよい。なお、消費用力量取得部178とは別にデータ修正部を設けてもよい。
【0077】
供給用力量データ182は、少なくとも一つの半導体製造装置170の動作状況に応じて、及び/または半導体製造装置システム101の外部に配置された外部装置の動作状況
に応じて、変化してもよい。例えば、供給用力量データ182が製造ライン104ごとに設定されているときに、複数の製造ライン104のうちの一部が停止した時に、余った用力を、動作している製造ライン104に振り分けることができる。これを実行するために、動作している製造ライン104に対応する供給用力量データ182を変更して、余った用力を、動作している製造ライン104に振り分ける。
【0078】
半導体製造装置システム101の外部に配置された外部装置の動作状況が変化したときも、それに応じて、半導体製造装置システム101の供給用力量データ182を変更して、半導体製造装置システム101に供給する用力を増減することができる。
【0079】
制御システム102は、供給用力量データ182を取得して、取得した供給用力量データ182を供給用力量データ保持部172に出力する供給用力量取得部184を有してもよい。供給用力量データ保持部172は、入力された供給用力量データ182を保持する。供給用力量取得部184は、制御システム102の外部に設けられた工場内及び/または工場外のホストコンピューター186から供給用力量データ182を受信する。ホストコンピューター186はクラウドでもよい。
【0080】
制御システム102は、スケジューリング部176が決定した動作スケジュールに従って複数の半導体製造装置170の動作を制御する指令部188(制御部)を有する。指令部188は、半導体製造装置170が、その内部に制御ユニットを有する場合は、例えば、既述の制御ユニット500を有する場合は、制御ユニット500に対して、動作を制御するための指令を送る。指令は、例えば動作スケジュールを表す表形式のデータである。指令には、半導体製造装置170が行う複数の動作1〜動作Nについて、動作可/動作不可を示す情報、動作1〜動作Nについての動作開始許可時刻、動作1〜動作Nのそれぞれの動作に関する複数の動作パラメータの設定値等が含まれる。
【0081】
本発明の実施形態の動作は、以下のソフトおよび/またはシステムを用いて行うことも可能である。例えば、各半導体製造装置170は、各半導体製造装置170を制御するメインコントローラ(例えば研磨装置1000の制御ユニット500)と、各半導体製造装置170の各々のユニット(研磨装置の場合、EFEM200,研磨ユニット300,洗浄ユニット400等)の動作をそれぞれ制御する複数のユニットコントローラとを有してもよい。メインコントローラおよびユニットコントローラは、それぞれ、CPU,メモリ、記録媒体と、各々のユニットを動作させるために記録媒体に格納されたソフトウェアを有する。
【0082】
制御システム102は、CPUとメモリと記録媒体と、記録媒体に記録されたソフトウェア等とを有する。制御システム102は、半導体製造装置システム101の制御を行い、そのための信号の授受、情報記録、演算を行う。ソフトウェアは更新可能である。なお、ソフトウェアは更新可能でなくてもよい。供給用力量データ保持部172と消費用力量データ保持部174は記憶装置を有し、記憶装置は半導体メモリ、ハードディスク等を有する。供給用力量データ保持部172と消費用力量データ保持部174は、クラウド等に設けられてもよい。
【0083】
次に、図6により、制御システム102の動作について説明する。図6は、制御システム102の動作フローを示す説明図である。制御システム102は、図6(a)に示すステップ、すなわち、工場要求確認190、装置群データ収集192、許容動作割出194、動作指令196、装置群データ収集198を繰り返す。工場要求確認190は、工場からの用力に対する要求(制約)を供給用力量取得部184が受信して、要求を確認するステップである。装置群データ収集192は、消費用力量取得部178が、半導体製造装置システム101の個々の半導体製造装置170から消費用力量データを取得して、取得し
た消費用力量データ180を消費用力量データ保持部174に出力するステップである。
【0084】
許容動作割出194は、スケジューリング部176が供給用力量データ182と消費用力量データ180に基づいて、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量の範囲内で、複数の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定するステップである。動作指令196は、指令部188が、スケジューリング部176が決定した動作スケジュールに従って複数の半導体製造装置170の動作を制御するステップである。
【0085】
装置群データ収集198は、消費用力量取得部178が、半導体製造装置システム101の個々の半導体製造装置170から消費用力量データ180を取得して、取得した消費用力量データ180を消費用力量データ保持部174に出力するステップである。装置群データ収集198と装置群データ収集192との違いは、装置群データ収集198では、動作スケジュールに従って複数の半導体製造装置170の動作を制御した後の消費用力量データ180を取得して、消費用力量データ180を更新することである。装置群データ収集198のステップは省略して、工場要求確認190に戻ってもよい。
【0086】
次に、工場要求確認190、装置群データ収集192、許容動作割出194、動作指令196、装置群データ収集198の各ステップについて図6(b)により、さらに説明する。図6(b)は、図6(a)に示す各ステップの内容を具体化したものである。工場要求確認190では、工場からの用力に対する最新の要求(制約条件)を供給用力量取得部184が受信して(最新要求取得ステップ202)、供給用力量データ保持部172に保持する。
【0087】
装置群データ収集192では、消費用力量取得部178が、半導体製造装置システム101の個々の半導体製造装置170から消費用力量データ180を取得する。消費用力量データ180には、例えば既述のように運転状況データと用力使用量データがある。消費用力量取得部178が運転状況データを取得して、取得した運転状況データを消費用力量データ保持部174に出力して、消費用力量データ保持部174が、そのデータを保持する(運転状況取得ステップ204)。
【0088】
消費用力量取得部178が用力使用量データを取得して、取得した用力使用量データを消費用力量データ保持部174に出力して、消費用力量データ保持部174が、そのデータを保持する(用力使用量取得ステップ206)。
【0089】
許容動作割出194では、スケジューリング部176が供給用力量データ182と消費用力量データ180に基づいて、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量の範囲内で、複数の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定する(許容動作割出ステップ208)。許容動作割出194では、スケジューリング部176が供給用力量データ182と消費用力量データ180に基づいて、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量の余力も算出する(用力余力算出ステップ210)。
【0090】
算出される用力量の余力データは、工場全体、もしくは製造ライン104ごとに、もしくは製造工程ごとに、供給可能な用力量の余力を示すデータである。具体的には余力データは、純水(DIW)の総量(l/h)、ガスの総量(l/h)、圧縮空気(CDA)の総量(l/h)、電力の総量(kw/h)、薬液の総量(l/h)、スラリの総量(l/h)、排水の総量(l/h)、排気の総量(l/h)、真空を維持するために可能な真空装置の排気速度の総量(l/min)等である。
【0091】
許容動作割出ステップ208についてさらに説明する。許容動作割出194ではスケジューリング部176は、工場全体もしくは製造ラインごとに算出された供給可能な用力と
消費用力量データ180を用いて、工場全体もしくは製造ラインの用力の範囲内で複数の装置の動作を組み合わせる。すなわちスケジューリング部176は、供給可能な用力と消費用力量データ180を用いて、組み合わせてもよい複数の装置の動作(すなわち、同時に動作させてもよい複数の装置の動作、または同時に動作させてはいけない複数の装置の動作)を選択する。
【0092】
組み合わせを算出する際の制約条件としては、用力、製造手順、・・・、等がある。これらの制約条件の下でスケジューリング部176は、動作スケジュールを決定する。研磨装置1000を例に説明する。研磨装置1000の各動作の搬送時間(処理時間含む。装置運転データ180に記憶されている。)により、処理中の基板の処理の終了時刻がわかると、スケジューリング部176は、次に基板を搬送するための時間がわかる。研磨装置1000の各動作の搬送時間により、次の各動作の開始時刻が決まると、スケジューリング部176は、各動作の終了時刻を割り出すことが可能である。このようにして、スケジューリング部176は、次の各動作の開始時刻と終了時刻を割り出すことが可能である。スケジューリング部176は、各装置の各動作に優先順を付けて、かつ同じ用力を使用する動作が重ならないようにする。製造プロセス(すなわち半導体の品質)に影響を与える可能性があるため、連続して実施すべき動作の優先度が高い。
【0093】
許容動作割出ステップ208の出力として、スケジューリング部176は半導体製造装置170毎に、
動作1 動作許可時刻 動作情報 動作パラメータ1 動作パラメータ2 ・・・動作パラメータN
動作2 動作許可時刻 動作情報 動作パラメータ1 動作パラメータ2 ・・・動作パラメータN
・・・
動作N 動作許可時刻 動作情報 動作パラメータ1 動作パラメータ2 ・・・動作パラメータN
を用力削減案212に出力する。ここで、半導体製造装置170が有する動作の数、すなわち、動作1、・・・、動作Nの個数は、半導体製造装置170ごとに異なる。動作情報とは、各動作の動作タイミングや、動作パラメータ(流量、圧力、モーター軸動作スピード等)であり、これらを、動作パラメータ1、動作パラメータ2、・・・、動作パラメータNと呼ぶ。
【0094】
「許容動作割出の出力」は、用力の範囲内での「複数の半導体製造装置170の動作の組み合わせ」、例えば、「装置1に動作1をさせ、同時に、装置3に動作5をさせ、・・・・」というものである。
【0095】
共通の用力源に接続されている複数の半導体製造装置が同時にその用力を使用する動作を行った場合、工場の用力が不足し、半導体製造装置が正常に動作できないという制約がある場合は、スケジューリング部176は、用力不足の原因に応じて以下のような許容動作の割り出しを行う。以下では、研磨装置を例として説明する。
(1)解消したい用力不足の現象がガス不足、例えば、研磨装置1000の窒素ガス不足の場合、アトマイザ360Aに窒素ガスを供給するタイミングが複数の研磨装置1000で重なることが原因と考えられる。そこで、スケジューリング部176は、用力削減案として、H.Pリセットのタイミングを装置間でずらす。H,Pのタイミングが同じであると、ダミーディスペンス(DDSP)のタイミングが重なる、すなわちアトマイザへの窒素ガス供給のタイミングが重なるからである。
【0096】
ここで、「H.Pリセット」とは、ホームポジションリセットの略である。半導体製造機器の業界団体SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)が定めた
半導体製造装置の規格文書であるSEMI規格で、半導体製造装置170のステータスが決められていて、半導体製造装置170の電源ON直後、故障が発生した後に故障を解除した状態,メンテナンス終了した直後等を”SettingUp”という。また半導体製造装置170が運転可能な状態を”Ready”という。”SettingUp”から”Ready”に半導体製造装置170の状態を移行させるための所定の動作がホームポジションリセットである。モジュール(ユニット)ごとに各機器がホームポジションに移動しアイドル運転を開始する。また半導体製造装置170の制御ユニット500と接続している研磨の終点検知装置や砥液供給装置等の状態を確認するための通信を制御ユニット500は行うなどの動作をする。ホームポジションリセットが終了し、アイドル状態になるとダミーディスペンスがスタートする。Ready状態からホームポジションリセットを行うこともある。
【0097】
(2)解消したい用力不足の現象が排水能力の不足である場合、研磨ユニット300で実施する大流量での基板WFやトップリング330の洗浄が原因と考えられる。そこで、スケジューリング部176は用力削減案として、大量にDIWを消費する動作タイミングをずらす。
(3)解消したい用力不足の現象が排水能力の不足である場合、大量にDIWを使用する(2)以外の他のプロセスもある。そこで、スケジューリング部176は用力削減案として、当該他のプロセスでの大量にDIWを消費する動作におけるDIW供給流量を小さくする。ただし、DIW供給流量を小さくすることは、プロセス(半導体の品質)に影響するので、用力削減案を実施するかどうかは、工場要求確認190で得られた供給可能な用力に依存する。
【0098】
(4)解消したい用力不足の現象が電力不足の場合、研磨のタイミングが重なることが原因と考えられる。そこでスケジューリング部176は、用力削減案として、研磨装置1000間で、もしくは、研磨ユニット間で研磨のタイミングをずらす。具体的には、最も電力を消費する、負荷をかけた状態(すなわち研磨中)での研磨テーブル320の回転のタイミングが研磨装置1000間で、もしくは、研磨ユニット間で重ならないように、スケジューリング部176は動作スケジュールを決定する。
【0099】
(5)解消したい用力不足の現象が薬液供給量の不足の場合、研磨装置1000間の洗浄処理のタイミングが重なることが原因と考えられる。そこで、スケジューリング部176は、用力削減案として、洗浄処理のタイミングをずらす。
【0100】
(6)解消したい用力不足の現象がスラリ供給量不足の場合、研磨装置1000間の研磨処理のタイミングが重なることが原因と考えられる。そこで、スケジューリング部176は、用力削減案として、研磨処理のタイミングをずらす。(5)、(6)におけるタイミングのずらし方としては、リニアトランスポータ372等の搬送機器のスピードを調整することや、処理終了ユニットで基板WFを待機させ、次の基板WFに対する当該ユニットでの動作の処理開始時刻を遅くする等が可能である。
【0101】
次に図7を参照して、許容動作割出194においてスケジューリング部176が行う許容動作割出ステップ208について、さらに説明する。本図は、スケジューリング部176が供給用力量データ182と消費用力量データ180に基づいて、半導体製造装置システム101に供給可能な用力量の範囲内で、複数の半導体製造装置170の動作スケジュールを決定した結果の動作スケジュールを示す図である。複数の半導体製造装置170のうちの1台の研磨装置1000に関する動作スケジュールのみを例示として示す。他の半導体製造装置170についても同様の動作スケジュールをスケジューリング部176は、消費用力量データ保持部174に出力する。消費用力量データ保持部174は、動作スケジュールを用力削減案212として保持する。
【0102】
ここで動作スケジュールを用力削減案と呼ぶ理由は、用力が不足している場合、供給される用力内で決定された動作スケジュールは、用力の削減案と考えられるからである。用力が不足していない場合は、供給される用力内で決定された動作スケジュールは、用力の削減案である場合と、用力の増加案である場合がある。
【0103】
本図は、4枚の基板WF1〜WF4を処理するときの1台の研磨装置1000に関する動作スケジュールを示す図である。なお、基板の枚数は、4枚より多くても少なくてもよい。本図の横軸は時間(s)、縦軸は、4枚の基板WF1〜WF4の識別名を示す。
【0104】
本図において「RD」は、ロボット等の搬送機構による基板WFを搬送する動作を示す。「TA」,「TB」,「TC」,「TD」は、それぞれ第1研磨ユニット300A、第2研磨ユニット300B、第3研磨ユニット300C、第4研磨ユニット300Dでの研磨動作を示す。「C1A」、「C2A」,「C3A」は、それぞれ上側一次洗浄モジュール412A、上側二次洗浄モジュール432A、上側乾燥モジュール452Aでの洗浄動作と、乾燥動作を示す。「C1B」、「C2B」,「C3B」は、それぞれ下側一次洗浄モジュール412B、下側二次洗浄モジュール432B、下側乾燥モジュール452Bでの洗浄動作と、乾燥動作を示す。
【0105】
「RD」、「TA」,「TB」等の符号で示される各期間は、「RD」、「TA」,「TB」等の符号示される各動作が行われる期間を示す。例えば基板WF4の「TA」については、時刻214に第1研磨ユニット300Aでの研磨動作が開始し、時刻216に研磨動作が終了する。
【0106】
各基板WF1〜WF4の動作スケジュールの最初の「RD1」が、ロボットによりカセット222から基板WFを取り出して研磨装置1000内に運んだことを示す。最後の「RD2」がカセット222に基板WFを戻した動作である。各動作の幅が処理(動作)時間の長さを示す。本図において、「RD」等の動作を示す記載が無い空白の部分は、動作待ちの時間を示す。基本的に研磨装置1000内に入った基板WFは待ち時間なく処理されて222に戻ることが望ましい。しかし用力量の総量に対する制約条件を参照して、あえて待ち時間を発生させてでも生産を可能にする場合もある。
【0107】
それぞれの動作に必要な用力は、消費用力量データ180に保存されている。消費用力量データ180には、基板WFの搬送ルート等の搬送方法を示す搬送レシピも保存されている。搬送レシピで示された基板の処理ルートにより基板WFの処理に必要な時間が分かっている。基板WF1〜WF4の処理の順番は、基板WF1、基板WF2、基板WF3、WF4の順とする。
【0108】
搬送機構の制約で同時に動作できない部分があるため、2枚目以降の基板WFはその動作がかち合わないように最短、且つ待ち時間が、できるだけ発生しないように搬送動作の開始時刻を決定する。スケジューリング部176は、搬送動作の開始時刻を求める際に各動作の用力の和が、供給用力量データ182に示されている各用力ごとの総和を超えないように動作スケジュールを決定する。優先度に関しては、その時点において、相対的に下流にあたる製造工程を行うことになる基板WFの処理を優先する。下流にあたる製造工程を優先する方が、通常、基板WFの品質を向上させることになると考えられるからである。製造工程間の優先度を事前にデータとして指定してもよい。
【0109】
また研磨装置1000間で優先される研磨装置1000は優先ロットを処理中の研磨装置1000である。優先ロットであるかどうかの情報は、既述の運転状況取得ステップ204で取得して、消費用力量データ180内に保持されている。ユーザは、優先順をプロセスや生産状況により、ホストコンピューター186やスケジューリング部176を介し
て変更することができる。
【0110】
次に、スケジューリング部176が動作スケジュールを決定したのちの動作について説明する。図6の動作指令196において、指令部188は、スケジューリング部176が決定して用力削減案212に格納されている動作スケジュールに従って複数の半導体製造装置170の動作を制御する(動作指令ステップ218)。
【0111】
その後、装置群データ収集198において、消費用力量取得部178が、半導体製造装置システム101の個々の半導体製造装置170から消費用力量データ180を取得して、取得した消費用力量データ180を消費用力量データ保持部174に出力する。装置群データ収集198では、消費用力量取得部178は、動作スケジュールに従って複数の半導体製造装置170の動作を制御した後の消費用力量データ180を取得する(現用力使用量取得ステップ224)。消費用力量取得部178は、消費用力量データ180を更新する。スケジューリング部176は、更新された消費用力量データ180に基づいて用力削減案212を修正してもよい(用力削減案修正ステップ226)。装置群データ収集198により、用力削減案の効果を測定することができる。装置群データ収集198のステップが終了したのちに、工場要求確認190に戻る。
【0112】
以上、本発明の実施形態の例について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0113】
WF…基板
16…研磨パッド
101…半導体製造装置システム
102…制御システム
170…半導体製造装置
172…供給用力量データ保持部
174…消費用力量データ保持部
176…スケジューリング部
178…消費用力量取得部
180…装置運転データ
180…消費用力量データ
182…供給用力量データ
184…供給用力量取得部
194…許容動作割出
196…動作指令
202…最新要求取得ステップ
204…運転状況取得ステップ
206…用力使用量取得ステップ
208…許容動作割出ステップ
210…用力余力算出ステップ
212…用力削減案
500…制御ユニット
1000…研磨装置
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7