【実施例】
【0080】
実施例
CMPポリッシャー:アプライドマテリアルズ社製の200mmウエハポリッシャーMirra、ダウ社製Polishing Pad IC1010パッドをCMPプロセスに使用した。
【0081】
商品名EK−1で販売されている花王ケミカルズから購入したポリアクリル酸アンモニウム(分子量15000〜18000)。
【0082】
水酸化アンモニウムを用いてCMP配合物のpHを5に調整した。
【0083】
粒子サイズ分布測定は、ディスク遠心分離粒子サイズ分析器(CPS InstrumentsのDC24000UHR)を用いて行った。粒子サイズ分布曲線は、複合材粒子の粒子サイズ密度が粒子の組成に基づいて計算して3.64g/cm
3であるという仮定に基づいて生成した。
【0084】
例1
4種類の異なるセリア被覆シリカ研磨粒子をJGC&C Corporation(日本)から入手した。これらの4種の粒子の粒子サイズ分布を表Iに要約した。
【表1】
【0085】
図1はこれらの粒子の粒子サイズ分布を示した。
【0086】
図1に示すように、粒子サイズ分布プロットに複数のピークが存在した。各ピークは、2つ以上の単一の一次粒子の凝集体によって形成されるクラスタに対応する。粒子B、C及びDは、ほとんどのクラスタが2つ以下の一次粒子を有することを示す2つの粒子サイズピークに粒子サイズ分布を厳密に制御する方法を用いて製造された。一方、異なる方法を使用して製造された粒子Aは、2つ以上の一次粒子を含む粒子サイズクラスタの存在を示す4つのピークを有する非常に広いサイズ分布を有していた。
【0087】
例2
研磨はアプライドマテリアルズ社製のミラポリッシャーで行った。研磨は、3.7psiで、87RPMのテーブル速度、93RPMのヘッド速度、200ml/分のスラリー流速、6ポンドのダウンフォースでの現場パッド状態調節で行った。
【0088】
例1に記載のこれらの粒子を、0.185wt%の研磨粒子、0.14wt%のポリアクリル酸アンモニウム(MW約16000〜18000)を含み、水酸化アンモニウムを用いて5.45に調整したpHを有するCMP研磨スラリーに個々に研磨材として配合した。
【0089】
表2は、CMP研磨スラリーで研磨することによって得られた様々なフィルムの除去速度をまとめたものである。
【表2】
【0090】
両方のフィルムが本質的に酸化ケイ素フィルムを含んでいても、粒子サイズ及び粒子サイズ分布がHDP二酸化ケイ素フィルム及びTEOSフィルムに異なる影響を与えたことは明らかである。
【0091】
より大きい粒子サイズ分布を有する粒子Aは、より狭い粒子サイズ分布を有する同様のサイズの粒子と比較して、HDP二酸化ケイ素フィルムのはるかに高い除去速度を提供したようである。
【0092】
より小さい粒子サイズを有する粒子Dは、同様に、TEOSフィルムと比較して、HDP二酸化ケイ素フィルムのより高い除去速度を提供したようである。
【0093】
粒子B及びCは、HDP二酸化ケイ素フィルム又はTEOSフィルムの研磨に対して比較的に鈍感であった。
【0094】
したがって、より小さな粒子サイズと広いサイズ分布との組み合わせは、HDP二酸化ケイ素フィルムを優先的に研磨するのに役立ちうる。
【0095】
例3
この例では、ラインディッシング又はオーバーポリッシュの感度に対する研磨粒子の効果を決定した。
【0096】
MIT864パターンを有するパターン化されたウエハを研磨に使用した。ウエハは、フィールド領域からHDP酸化物を完全に除去するために焼成セリアスラリー(Versum MaterialsのSTI2100)で最初に研磨された。次いで、ウエハを60秒の研磨時間で2回研磨した。各研磨工程の後に、エリプソメトリック技術を用いて、フィールド領域の残留SiN厚さとトレンチ領域のHDP酸化物厚さを測定した。このデータに基づいて、トレンチ酸化物損失速度(パターン除去速度)をHDP酸化物ブランケット酸化物除去速度で割ることにより、オーバーポリッシュ感度を計算した。ブランケット酸化物速度に対するトレンチ損失がより高いことは、ディッシングのオーバーポリッシュ感度が高いことに対応し、それは望ましくない。
【0097】
図2は、研磨の前、研磨後のウエハスタックを示し、パターン除去速度をいかに計算するかを説明している。
【0098】
図3は、異なる粒子を含むCMPスラリーのD50/(D90−D50)の関数としての、トレンチ酸化物損失速度/ブランケット酸化物除去速度の比をプロットしたものである。
【0099】
より小さい粒子(D50/(D90−D50)=1.27のサイズ分布を有する粒子Dなど)は、より低いオーバーポリッシュ感度を生じることが明らかである。さらに、粒子サイズが増加するにつれて、より大きな100ミクロンの特徴部に対するディッシングがさらに悪化する。
【0100】
より広い粒子分布(D50/(D90−D50)= 1.07を有する粒子Aなど)も同様のサイズの粒子Bと比較して有意に低いオーバーポリッシュ感度を示した。粒子Aを用いて製造されたCMPスラリーでのディッシングも、ライン幅に影響されないようであった。
【0101】
広い100ミクロンの特徴部に対するトレンチ損失は、50ミクロンの特徴部と同等であり、それは非常に望ましい。
【0102】
上述の実施例及び実施形態の説明は、特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するものではなく、例示として取られるべきである。容易に理解されるように、特許請求の範囲に記載された本発明から逸脱することなく、上述した特徴の多くの変更及び組み合わせを利用することができる。そのような変更は以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
本開示は以下の態様も包含する。
[1] 化学機械平坦化(CMP)研磨組成物であって、
(1)シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ポリマー粒子及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるコア粒子、及び、ジルコニウム、チタン、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタン、ストロンチウムナノ粒子の酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるナノ粒子を含む複合材粒子0.01wt%〜20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99−D50)≦1.85の粒子サイズ分布を有し、 D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズである、
(2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
(3)CMP組成物のpHは約2〜約12の範囲にあり、
及び、場合により、
(4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%〜約5wt%、
(5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミドカルボン酸(amid carboxylic acids)、N−アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学的添加剤0.000001wt%〜5wt%、
(6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%〜約10wt%、
(7)キレート化剤0.01wt%〜3.0wt%、
(8)腐食防止剤、
(9)酸化剤、及び、
(10)生物学的成長阻害剤、
を含む、化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[2] 前記複合材粒子はシリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、そして前記複合材粒子はセリア被覆シリカ粒子である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[3] 前記複合材粒子は、20nm〜200nmのD50を有する、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[4] 前記複合材粒子は、D50/(D99−D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有する、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[5] 前記複合材粒子は、D50/(D99−D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[6] CMP研磨組成物は、セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[7] CMP研磨組成物は、D50/(D99−D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[8] CMP研磨組成物は、D50/(D99−D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[9] 少なくとも1つの酸化物層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体基材の化学機械的平坦化(CMP)のための研磨方法であって、
a)少なくとも1つの酸化物層を研磨パッドと接触させること、
b)化学機械平坦化(CMP)研磨組成物であって、
1)シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ポリマー粒子及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるコア粒子、及び、ジルコニウム、チタン、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタン、ストロンチウムナノ粒子の酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるナノ粒子を含む複合材粒子0.01wt%〜20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99−D50)≦1.85の粒子サイズ分布を有し、 D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズである、
2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
3)CMP組成物のpHは約2〜約12の範囲にあり、
及び、場合により、
4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%〜約5wt%、
5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N−アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学添加剤0.000001wt%〜5wt%、
6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%〜約10wt%、
7)キレート化剤0.01wt%〜3.0wt%、
8)腐食防止剤、
9)酸化剤、及び、
10)生物学的成長阻害剤、
を含む、化学機械平坦化(CMP)研磨組成物を送達させること、及び、
c)前記少なくとも1つの酸化物層を前記CMP研磨組成物で研磨すること、
の工程を含む、方法。
[10] 前記複合材粒子はシリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、前記複合材粒子はセリア被覆シリカ粒子である、上記態様9記載の研磨方法。
[11] 前記複合材粒子はD50/(D99−D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有する、上記態様9記載の研磨方法。
[12] 前記複合材粒子はD50/(D99−D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、上記態様9記載の研磨方法。
[13] 前記CMP研磨組成物はセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様8記載の研磨方法。
[14] 前記CMP研磨組成物はD50/(D99−D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様9記載の研磨方法。
[15] 前記CMP研磨組成物は、D50/(D99−D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様9記載の研磨方法。
[16] TEOSの除去速度/高密度プラズマ(HDP)二酸化ケイ素フィルムの除去速度の比は<1である、上記態様9記載の研磨方法。
[17] 化学的機械平坦化のためのシステムであって、
少なくとも1つの酸化物層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体基材、
研磨パッド、及び、
CMP研磨組成物であって、
1)シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ポリマー粒子及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるコア粒子、及び、ジルコニウム、チタン、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタン、ストロンチウムナノ粒子の酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるナノ粒子を含む複合材粒子0.01wt%〜20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99−D50)≦1.85の粒子サイズ分布を有し、 D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズである、
2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
3)CMP組成物のpHは約2〜約12の範囲にあり、
及び、場合により、
4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%〜約5wt%、
5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N−アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学的添加剤0.000001wt%〜5.0wt%、
6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%〜約10wt%、
7)キレート化剤0.01wt%〜3.0wt%、
8)腐食防止剤、
9)酸化剤、及び、
10)生物学的成長阻害剤、
を含む、CMP研磨組成物、
を含み、
ここで、前記少なくとも1つの酸化物層は前記研磨パッド及び前記研磨組成物と接触している、システム。
[18] 前記複合材粒子はシリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、又は、前記複合材粒子はセリア被覆シリカ粒子である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[19] 前記複合材粒子はD50/(D99−D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有する、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[20] 前記複合材粒子はD50/(D99−D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、上記態様16記載の化学機械平坦化システム。
[21] 前記CMP研磨組成物はセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[22] 前記CMP研磨組成物はD50 /(D99−D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[23] 前記CMP研磨組成物はD50/(D99−D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000〜18000)を含み、pHは4〜7である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。