特開2020-23141(P2020-23141A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-23141積層体、積層体の製造方法、及び積層体の製造装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-23141(P2020-23141A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】積層体、積層体の製造方法、及び積層体の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20200121BHJP
   B32B 27/24 20060101ALI20200121BHJP
   B32B 29/00 20060101ALI20200121BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20200121BHJP
   B32B 27/42 20060101ALI20200121BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20200121BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20200121BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20200121BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20200121BHJP
   B05D 3/02 20060101ALI20200121BHJP
   B05D 7/06 20060101ALI20200121BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20200121BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20200121BHJP
   B05C 3/132 20060101ALI20200121BHJP
【FI】
   B32B27/00 E
   B32B27/24
   B32B29/00
   B32B7/02 105
   B32B27/42 102
   B05D7/24 301M
   B05D1/26 Z
   B05D7/00 F
   B05D3/12 C
   B05D3/02 Z
   B05D7/00 B
   B05D7/06 E
   B05D1/36 Z
   B05C5/00 101
   B05C3/132
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-185369(P2018-185369)
(22)【出願日】2018年9月28日
(31)【優先権主張番号】特願2017-219676(P2017-219676)
(32)【優先日】2017年11月15日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2018-141823(P2018-141823)
(32)【優先日】2018年7月27日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己
(72)【発明者】
【氏名】梁川 宜輝
【テーマコード(参考)】
4D075
4F040
4F041
4F100
【Fターム(参考)】
4D075AB01
4D075AB32
4D075AB35
4D075AC06
4D075AC09
4D075AC88
4D075AE03
4D075BB05Z
4D075BB16X
4D075BB21Z
4D075BB24Z
4D075BB33Z
4D075CA13
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA06
4D075DB18
4D075DB21
4D075DC02
4D075DC31
4D075EA05
4D075EA06
4D075EA33
4D075EB19
4D075EB32
4D075EB47
4D075EC07
4D075EC11
4D075EC30
4D075EC31
4D075EC35
4D075EC51
4F040AA22
4F040AB04
4F040AC04
4F040BA50
4F040CC19
4F040DB12
4F040DB30
4F041AA12
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F100AA37
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100AK01D
4F100AK21
4F100AK35B
4F100AK35D
4F100AK36
4F100AT00A
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100BA10D
4F100CA13
4F100DG10B
4F100GB07
4F100HB31C
4F100JA06
4F100JB12C
4F100JK06
4F100YY00C
(57)【要約】
【課題】本発明は、壁材、床材等に使用される化粧板等に使用される積層体であって、層間の接着性に優れた積層体を提供することを課題とする。
【解決手段】基材、化粧板原紙及び印刷層を有する積層体であって、前記印刷層は沸点が180℃以上のアルコールを含み、前記積層体は架橋した樹脂を有する積層体。架橋した樹脂は、印刷層に含まれていたアルコールを架橋成分として化粧板原紙又はオーバーレイ層等に含まれる樹脂が架橋構造を形成することによって得られる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材、化粧板原紙及び印刷層を有する積層体であって、前記印刷層は沸点が180℃以上のアルコールを含み、前記積層体は架橋した樹脂を有する積層体。
【請求項2】
前記架橋した樹脂は前記印刷層に含まれていた前記アルコールを架橋成分として樹脂が架橋したものである請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記化粧板原紙が、樹脂を含有する請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体がオーバーレイ層を有し、該オーバーレイ層が樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項5】
前記化粧板原紙に含まれる樹脂がアミノ樹脂である請求項3に記載の積層体。
【請求項6】
前記オーバーレイ層に含まれる樹脂がアミノ樹脂である請求項4に記載の積層体。
【請求項7】
前記アルコールの沸点が230℃以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項8】
化粧板原紙にインクジェット方式により溶媒として沸点が180℃以上のアルコールを含有するインクを吐出して印刷層を形成する工程と、
前記印刷層を形成した化粧板原紙に樹脂含有液を付与する工程と、
前記樹脂含有液を付与した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る工程と、
前記積層物を加熱及び加圧して積層体を得る工程と
を含む積層体の製造方法。
【請求項9】
前記印刷層の表面にオーバーレイ層を積層する工程を含む請求項8に記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
化粧板原紙にインクジェット方式により溶媒として沸点が180℃以上のアルコールを含有するインクを吐出して印刷層を形成する工程と、
前記印刷層の表面にオーバーレイ層を積層する工程と、
前記オーバーレイ層を積層した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る工程と、
前記積層物を加熱及び加圧して積層体を得る工程と
を含む積層体の製造方法。
【請求項11】
化粧板原紙を搬送経路に沿って搬送する手段、前記化粧板原紙に印刷層を形成するインクジェット手段、前記印刷層を有する化粧板原紙に樹脂を含有する樹脂含有液を付与する手段、前記樹脂含有液を付与した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る手段、及び前記積層物を加熱加圧して積層体を得る手段、を有する積層体の製造装置であって、前記インクジェット手段、及び、印刷層を有する化粧板原紙に前記樹脂含有液を付与する手段は、前記搬送経路に沿って連続して設けられている積層体の製造装置。
【請求項12】
化粧板原紙を搬送経路に沿って搬送する手段、前記化粧板原紙に印刷層を形成するインクジェット手段、前記印刷層の表面に樹脂を含有するオーバーレイ層を積層する手段、前記オーバーレイ層を積層した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る手段、及び前記積層物を加熱加圧して積層体を得る手段、を有する積層体の製造装置であって、前記インクジェット手段、及び、前記印刷層の表面に前記樹脂を含有するオーバーレイ層を積層する手段は、前記搬送経路に沿って連続して設けられている積層体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体、積層体の製造方法、及び積層体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
壁材、床材等に使用される化粧板として低圧メラミン化粧板、高圧メラミン化粧板等が知られている。低圧メラミン化粧板は、例えば、メラミン樹脂を含浸させた化粧板原紙および中密度繊維板(MDF)等の基材を積層し、熱および圧力を加えてメラミン樹脂を介して各層を接着することで製造される。高圧メラミン化粧板は、例えば、メラミン樹脂を含浸させた化粧板原紙およびフェノール樹脂を含浸させたコア原紙等を積層し、熱および圧力を加えて得られた成形体を基材上に接着剤で接着することによって製造される。
【0003】
これらの化粧板に用いられる化粧板原紙は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の方式により意匠性が調整されることが知られている。また、上記印刷方式と異なり、版を用いないインクジェット印刷の方式により、少量印刷を可能とする技術も知られている。
【0004】
特許文献1には、化粧板原紙にインクジェット方式で印刷を施した後、印刷物をメラミン樹脂含浸液に含浸させる工程を経て化粧板を作製することが開示されている。
【0005】
特許文献2には、化粧紙に熱硬化性樹脂を担持させ、これを加熱して水や有機溶剤を除去した後でインクジェット印刷により印刷層を形成する工程を経て化粧板を作製することが開示されている。
【0006】
特許文献3には、メラミン樹脂を含有する化粧材原紙の表面にプライマー層を設け、インクジェット印刷でプライマー層と作用可能な重合性インクを塗布する工程を経て化粧材を作製することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、層間の接着性が高い積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る積層体は以下に記載する通りのものである。
基材、化粧板原紙及び印刷層を有する積層体であって、前記印刷層は沸点が180℃以上のアルコールを含み、前記積層体は架橋した樹脂を有する積層体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積層体は層間の接着性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1-1】図1−1は、本発明の一実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。
図1-2】図1−2は、本発明の他の実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。
図2-1】図2−1は、本発明の他の実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。
図2-2】図2−2は、本発明の他の実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。
図3図3は、本発明の他の実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は下記(1)の積層体にかかるものであるが、下記(2)〜(12)を実施形態として含む。
(1)基材、化粧板原紙及び印刷層を有する積層体であって、前記印刷層は沸点が180℃以上のアルコールを含み、前記積層体は架橋した樹脂を有する積層体。
(2)前記架橋した樹脂は前記印刷層に含まれていた前記アルコールを架橋成分として樹脂が架橋したものである上記(1)に記載の積層体。
(3)前記化粧板原紙が、樹脂を含有する上記(1)又は(2)に記載の積層体。
(4)前記積層体がオーバーレイ層を有し、該オーバーレイ層が樹脂を含有する上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の積層体。
(5)前記化粧板原紙に含まれる樹脂がアミノ樹脂である上記(3)に記載の積層体。
(6)前記オーバーレイ層に含まれる樹脂がアミノ樹脂である上記(4)に記載の積層体。
(7)前記アルコールの沸点が230℃以上である上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の積層体。
(8)化粧板原紙にインクジェット方式により溶媒として沸点が180℃以上のアルコールを含有するインクを吐出して印刷層を形成する工程と、
前記印刷層を形成した化粧板原紙に樹脂含有液を付与する工程と、
前記樹脂含有液を付与した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る工程と、
前記積層物を加熱及び加圧して積層体を得る工程と
を含む積層体の製造方法。
(9)前記印刷層の表面にオーバーレイ層を積層する工程を含む上記(8)に記載の積層体の製造方法。
(10)化粧板原紙にインクジェット方式により溶媒として沸点が180℃以上のアルコールを含有するインクを吐出して印刷層を形成する工程と、
前記印刷層の表面にオーバーレイ層を積層する工程と、
前記オーバーレイ層を積層した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る工程と、
前記積層物を加熱及び加圧して積層体を得る工程と
を含む積層体の製造方法。
(11)化粧板原紙を搬送経路に沿って搬送する手段、前記化粧板原紙に印刷層を形成するインクジェット手段、前記印刷層を有する化粧板原紙に樹脂を含有する樹脂含有液を付与する手段、前記樹脂含有液を付与した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る手段、及び前記積層物を加熱加圧して積層体を得る手段、を有する積層体の製造装置であって、前記インクジェット手段、及び、印刷層を有する化粧板原紙に前記樹脂含有液を付与する手段は、前記搬送経路に沿って連続して設けられている積層体の製造装置。
(12)化粧板原紙を搬送経路に沿って搬送する手段、前記化粧板原紙に印刷層を形成するインクジェット手段、前記印刷層の表面に樹脂を含有するオーバーレイ層を積層する手段、前記オーバーレイ層を積層した化粧板原紙を基材に積層して積層物を得る手段、及び前記積層物を加熱加圧して積層体を得る手段、を有する積層体の製造装置であって、前記インクジェット手段、及び、前記印刷層の表面に前記樹脂を含有するオーバーレイ層を積層する手段は、前記搬送経路に沿って連続して設けられている積層体の製造装置。
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<<積層体>>
本発明の積層体は、基材、化粧板原紙及び印刷層を有する積層体であり、前記印刷層は沸点が180℃以上のアルコールを含み、架橋した樹脂を有する積層体である。
本発明の積層体は、壁材、床材等に使用される化粧板に用いることができる。
【0013】
化粧板などの積層体に用いられる基材は、積層体に機械的強度、良好な取扱性等の機能を付与するものである。基材の例としては、例えば、木材を主とした一般的な材料を用いることができ、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等各種素材の突板、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、配向性ストランドボード(OSD)などが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、価格、入手容易性に優れるパーティクルボードやMDFが好ましい。なお、基材としては、上記機能を付与することができるものであれば、木材を主とした材料に限定されない。
【0014】
(化粧板原紙)
化粧板原紙としては、例えば、繊維状の構造物、多孔質の構造物のように内部に樹脂含有液を保持できる構造物が挙げられる。具体的には、従来のグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等のプロセスにおいて用いられている一般的な化粧板原紙を用いることができる。化粧板原紙は、公知の通り、パルプ、合成繊維等を含有する。更に、該化粧板原紙は、酸化チタン、タルク、クレイ、カオリン、炭酸カルシウム、着色色剤、湿潤紙力増強剤、凝結剤、pH調整剤等の添加剤を適宜含有する紙料であって、長網抄紙機等の抄紙機で抄造されることが好ましい。また、化粧板原紙の灰分は一般的に20質量%以上40質量%以下の範囲が好ましい。また、化粧板原紙の坪量は、特に限定しないが、50g/m以上150g/m以下であることが好ましい。なお、化粧板原紙は、樹脂含有液を保持できるものであればよいので、繊維状の構造、多孔質の構造などを有するフィルム等であってもよい。
【0015】
(印刷層)
印刷層は、沸点が180℃以上であるアルコールを含有し、更に、その他の成分として、色材を含み、その他の有機溶剤、添加剤等を含有しても良い。
沸点が180℃以上であるアルコールを含む印刷層を形成する場合、印刷層を形成する液体(インク)に沸点が180℃以上であるアルコールを含ませる。印刷層が、沸点が180℃以上であるアルコールを含有することで、樹脂が架橋した架橋構造を有する積層体を得ることができる。また、液体(インク)に沸点が180℃以上であるアルコールを含むことにより長時間の吐出を行ったとしても、インクジェットヘッドのノズル近傍における急激な乾燥と、それに伴うノズル詰まりを抑制することができ、良好な吐出安定性と画像品質を実現することができる。加えて、沸点が180℃以上であるアルコールであれば、後述の加熱および加圧して化粧板を作製する工程において、気化による気泡発生を抑制することができる。そのため、化粧板における接着性の低下を抑制することができる、という効果も得られる。
【0016】
(樹脂)
本発明の積層体を構成する化粧板原紙は、樹脂や、架橋した樹脂を有しても良い。樹脂や、樹脂の前駆体を含有する樹脂含有液を化粧板原紙などの媒体に付与することで、樹脂や、架橋した樹脂を有する化粧板原紙を得ることができる。
該樹脂として、アミノ樹脂を用いると、化粧板原紙と隣接する部材との接着性の点で良好であり、また印刷層に含まれるアルコールと反応性を有していることから十分な架橋を行うことができ優れた接着性が実現できるという点で良い。
樹脂含有液が印刷層に浸透し、印刷層中に含まれるアルコールと架橋反応し、印刷層中及び印刷層と化粧板原紙とのその界面に架橋構造が形成され、印刷層と化粧板原紙との接着性を高めるものと考えられる。
【0017】
(オーバーレイ層)
オーバーレイ層は、化粧板原紙の印刷層の耐久性を向上させる保護層であり、目的に応じて良好に用いることが可能である。オーバーレイ層を設けることで、化粧板の表面に機械的強度、耐熱性、又は耐薬品性などを付与することができる。オーバーレイ層としては、例えば、メラミン樹脂などの樹脂を、紙やフィルムに含浸したものを用いることができる。紙は、灰分をほとんど又は全く含まない透明な紙を用いることが好ましい。紙としては、例えば、α−セルロース成分の多い木材パルプ繊維抄造紙、リンター綿繊維紙、ポリエステルフィルムなどが挙げられる。
オーバーレイ層にメラミン樹脂が含まれていると、メラミン樹脂は加熱加圧の過程で印刷層に浸透して印刷層中に含まれるアルコールと架橋反応し、印刷層とオーバーレイ層との界面に架橋構造が形成され、印刷層とオーバーレイ層との接着性を高めると考えられる。
【0018】
<<積層体の製造方法>>
本発明の積層体は、樹脂が架橋した架橋構造を有する積層体であり、沸点が180℃以上であるアルコールを含有する印刷層を設けた化粧板原紙に樹脂を付与して、化粧板原紙が樹脂を有する構成とし、これに、基材を積層した積層物を、加熱および加圧することで得ることができる。化粧板原紙への樹脂の付与は樹脂含有液を化粧板原紙に含浸させることにより行うことができる。
前記印刷層は、インクジェット方式によりインクを吐出して形成することができる。
【0019】
また、前記印刷された前記化粧板原紙に樹脂含有液に含まれていた溶媒等の液体が含まれている場合、この液体を乾燥除去する工程を有しても良い。更に、積層体は、オーバーレイ層を積層し、オーバーレイ層を積層した後、加熱および加圧しても良い。
また、オーバーレイ層として、メラミン樹脂などの樹脂を、紙やフィルムに含侵させたオーバーレイ層を用いる場合、樹脂含有液を化粧板原紙に含浸させる工程を設けても良いが、樹脂含有液を化粧板原紙に含浸させる工程を設けずに積層体を得ることもできる。この場合、印刷層に含まれる沸点が180℃以上であるアルコールと、オーバーレイ層に含まれるメラミン樹脂などの樹脂が、架橋構造を形成し、本発明の積層体となる。
【0020】
加熱および加圧する方法としては、ホットプレスなどの加熱加圧手段を用い、70℃以上220℃以下の温度で、10kg/cm以上180kg/cm以下の圧力を、3分以上60分以下加えることが好ましい。加熱および加圧する工程を行うことにより、各層が接着して一体化した化粧板などの積層体を得ることができる。なお、化粧板印刷紙(原紙+印刷層)などの印刷媒体層、基材層、オーバーレイ層の各層の間に、従来使用されているフェノール樹脂が含浸されたコア紙を用いて成形してもよい。なお、積層体は、優れた層間の接着性、製造効率を有するので、建材用途などで用いることが好ましい。以下、積層体の一例である化粧板の製造方法を例に説明する。
【0021】
<印刷する工程>
本発明の積層体の製造方法は、化粧板原紙にインクを付与する、印刷する工程を有する。印刷する工程によって形成される印刷層は、化粧板原紙紙上または化粧板原紙内部に設けられる層であって、沸点が180℃以上であるアルコールを含有する。インクとしては、沸点が180℃以上であるアルコール、その他、色材、水等の成分を含むインクを用いることで、本発明の印刷層を設けることができる。
【0022】
<インクの成分>
・有機溶剤
本発明に用いるインクは、有機溶剤として沸点が180℃以上のアルコールを含み、必要に応じて、色材、水、添加剤等を含む。また、アルコール以外の、その他の有機溶剤を併用しても良い。
【0023】
アルコールは、樹脂含有液又はオーバーレイ層に含まれる樹脂と架橋(反応)する官能基であるヒドロキシ基を有している。架橋(反応)とは、樹脂含有液に含まれる樹脂および樹脂の前駆体の少なくとも一方と有機溶剤(アルコール)とが共有結合を形成することをいう。このようにして、架橋構造を有する積層体を得ることができる。
【0024】
沸点が180℃以上のアルコールは、例えば、樹脂含有液にメラミン樹脂、グアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂の前駆体を含有させた場合、官能基であるヒドロキシ基が樹脂と反応して架橋構造を形成する。
【0025】
本発明に用いられる沸点が180℃以上のアルコールとしては、例えば、次のものを挙げることができる。
本発明におけるアルコールはヒドロキシ基を有して有機溶媒として用いられる化合物であれば良く、分子内にエーテル結合等を有するものであっても良い。
印刷層には沸点が180℃以上のアルコールに加え、沸点が180℃未満のアルコールも含有しても良い。
【0026】
ラウリルアルコール(沸点:259℃)、セチルアルコール(沸点:190℃)、ステアリルアルコール(沸点:210℃)、ベヘニルアルコール(沸点:180℃)、ミリスチルアルコール(沸点:260℃以上)、オレイルアルコール(沸点:207℃)、セトステアリルアルコール(約350℃)等の直鎖アルコール;
モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール、沸点:471℃)、2−デシルテトラデシノール(沸点:271℃)、ラノリンアルコール、コレステロール(沸点:360℃)、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール(沸点:223℃)等の分枝鎖アルコール等の高級アルコール;
【0027】
エチレングリコール(沸点:197℃)、プロピレングリコール(沸点:188℃)、トリメチレングリコール(沸点:287℃)、1,2−ブタンジオール(沸点:194℃)、1,3−ブタンジオール(沸点:207℃)、テトラメチレングリコール、テトラエチレングリコール(沸点:328℃)、2,3−ブタンジオール(沸点:183℃)、ペンタメチレングリコール(沸点:239℃)、2−ブテン−1,4−ジオール(沸点:235℃)、ヘキシレングリコール(沸点:197℃)、オクチレングリコール等の2価のアルコール;
グリセリン(沸点:290℃)、トリメチロールプロパン(沸点:295℃)等の3価のアルコール;
ペンタエリスリトール(沸点:276℃)等の4価アルコール;
キシリトール(沸点:216℃)等の5価アルコール;
ソルビトール(沸点:296℃)、マンニトール(沸点:290℃)等の6価アルコール;
【0028】
ジエチレングリコール(沸点:244℃)、ジプロピレングリコール(沸点:231℃)、トリエチレングリコール(沸点:276℃)、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール(沸点:328℃)、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール重合体;
【0029】
エチレングリコールモノフェニルエーテル(沸点:237℃)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点:205℃)、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル(沸点:229℃)、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル(沸点:256℃)等の2価のアルコールアルキルエーテル類;
【0030】
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:193℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:196℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:230℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:248℃)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:255℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:121℃)、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(沸点:188℃)、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル(沸点:222℃)等の2価アルコールアルキルエーテル類;
ソルビトール(沸点:296℃)、マンニトール(沸点:290℃)、エリトリトール(沸点:329℃)等の糖アルコール;
【0031】
また、上記アルコールとしては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:230℃)、1,3−ブタンジオール(沸点:207℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。上記アルコールは、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。2種類以上用いる場合における組み合わせ、及び組み合わせの比率は目的に応じて適宜選択できる。
【0032】
上記アルコールは、インク全量に対して60質量%以上含有されることが好ましく、65質量%以上含有されることがより好ましく、80質量%以上含有されることが更に好ましく、90質量%以上含有されることが特に好ましい。アルコールを60質量%以上含有させることで、架橋構造の割合を高めることができる。これにより、後述の加熱および加圧して積層体を作製する工程において、架橋しなかった液体が気化することによって生じる気泡発生を抑制することができ、結果として積層体における、層間の接着性の低下を抑制することができる。従って、インクに含まれる有機溶剤成分の全てがアルコールであってもよい。
【0033】
また、アルコールとしては、沸点が180℃以上であるものを用いるが、好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上、さらに好ましくは290℃以上である。沸点が180℃以上であるアルコールをインク中に含有することで、長時間の吐出を行ったとしても、インクジェットヘッドのノズル近傍における急激な乾燥と、それに伴うノズル詰まりを抑制することができ、良好な吐出安定性と画像品質を実現することができる。加えて、沸点が180℃以上であるアルコールであれば、後述の加熱および加圧して積層体を作製する工程において、気化による気泡発生を抑制することができる。そのため、積層体における接着性の低下を抑制することができる。
また、沸点が180℃以上のアルコールがインク全量に対して60質量%以上含有されることがより好ましい。
【0034】
また、本発明のインクに含有されるアルコールとしては、室温(25℃)における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、15mPa・s以下であることがより好ましい。粘度が40mPa・s以下である場合、調合したインクの粘度がインクジェットヘッドにおける吐出に適した粘度帯に属し、良好な吐出安定性と画像品質を実現することができる。
【0035】
・色材
色材は、顔料や染料を用いることができ、化粧板印刷紙上において良好な発色性を有する機能、後工程の加熱加圧工程を経ても良好な発色性を有する機能等が要求されることを考慮すると公知の無機顔料および有機顔料が好ましい。
無機顔料および有機顔料としては、例えば、ファーネス法又はチャネル法で製造されたカーボンブラック等や、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等の無機顔料や、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、イソインドリノン系有機顔料、ピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、天然染料系顔料等の有機顔料が挙げられる。
【0036】
印刷層を形成する方法としては、グラビア方式、フレキソ方式、オフセット方式、インクジェット方式などの公知の方法を用いることができ、これらの方法により色材を含有するインクを原紙に付与する。印刷層を形成する方法としては、インクジェット方式が好ましい。
【0037】
−水−
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0質量%以上90質量%以下にすることができる。また、インクにおける水の含有量は、0質量%以上40質量%以下が好ましく、0質量%以上30質量%以下がより好ましく、0質量%以上25質量%以下が更に好ましい。水の含有量を少量にすることで、アルコールの含有量を増加させることができるため、長時間の吐出を行ったとしても、インクジェットヘッドのノズル近傍における急激な乾燥と、それに伴うノズル詰まりを抑制することができ、良好な吐出安定性と画像品質を実現することができる。また、水の含有量を少量にすることで、加熱および加圧して積層体を作製する工程において、水が気化することによって生じる気泡発生を抑制することができ、結果として積層体における接着性の低下を抑制することができる。従って、水の含有量は上記範囲であることが好ましいが、水を含有しなくても良い。
【0038】
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
【0039】
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
【化1】
一般式(S−1)
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
【0041】
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
【化2】
一般式(F−1)
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F-2)
2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
【0042】
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
【0043】
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
【0044】
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
【0045】
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0046】
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
【0047】
<樹脂含有液を原紙に付与する工程>
本発明の積層体の製造方法は、前記の通り印刷を行った後に、樹脂を含有する樹脂含有液を化粧板原紙に付与する工程を有しても良い。樹脂含有液を付与する方法としては、例えば、樹脂含有液に化粧板原紙を浸漬させる方法、樹脂含有液を化粧板原紙にスプレー塗工する方法などが挙げられるが、樹脂含有液に化粧板原紙を浸漬させる方法が好ましい。
浸漬させることで化粧板原紙に対する樹脂含有液の付与が均一に行われ、後述の樹脂含有液中の成分と、インク中の成分の相互作用が良好になるためである。また、浸漬させることで化粧板原紙内部まで十分に樹脂含有液が浸透し、化粧板用途として適当な強度を有する化粧板原紙を得ることができるためである。
【0048】
(樹脂含有液)
樹脂含有液は、樹脂もしくは樹脂の前駆体を含有し、必要に応じて他の成分を含有してもよい。なお、本願において「樹脂含有液」とは、樹脂を含む場合だけでなく、樹脂の前駆体を含むが樹脂を含まない場合も表す。また、本願において「樹脂の前駆体」とは、重合反応により樹脂となる成分であり、樹脂に対応するモノマー、オリゴマー(ダイマー、トリマー等を含む)、プレポリマー等である。例えば、メラミン樹脂の前駆体は、下記一般式(1)等のメラミン化合物と、ホルムアルデヒド等の分子内にアルデヒド基(−CHO)を有するアルデヒド化合物と、を含む組成物などが挙げられる。
【0049】
【化3】
一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上4以下の炭化水素基であり、R、RおよびRがいずれも水素原子であることが好ましい。
【0050】
樹脂および樹脂の前駆体は、水系の樹脂および水系の樹脂の前駆体であることが好ましい。水系とは、樹脂が水に溶解している状態、樹脂の前駆体が水に溶解している状態、樹脂が水に分散または懸濁している状態、樹脂の前駆体が水に分散または懸濁している状態をいう。樹脂としては、例えば、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂などが挙げられる。
また、樹脂の前駆体としては、例えば、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂などの前駆体が挙げられる。これらの樹脂および樹脂の前駆体は、単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
【0051】
また、樹脂および樹脂の前駆体は、後述の加熱および加圧して積層体を作製する際において、原紙と、その他の部材(例えば、後述する基材、オーバーコートなど)とを接着する役割を担うことが好ましい。そのため、架橋性を有する樹脂および樹脂の前駆体が好ましく、アミノ樹脂の前駆体がより好ましく、メラミン樹脂の前駆体が更に好ましい。なお、本願において架橋性を有するとは、樹脂自体または樹脂の前駆体自体が架橋する場合と、樹脂自体または樹脂の前駆体自体が架橋性を有していなくても架橋剤を含有させることで架橋する場合と、を含むが、樹脂自体または樹脂の前駆体自体が架橋する場合が好ましい。
【0052】
なお、樹脂含有液は、溶媒または分散媒を含んでも良い。溶媒は、樹脂含有液に含まれる樹脂および樹脂の前駆体の少なくとも一方を溶解する液体溶媒である。また、分散媒は、樹脂含有液に含まれる樹脂および樹脂の前駆体の少なくとも一方を分散する液体分散媒である。溶媒および分散媒としては、例えば、アルコール、ケトン等の有機溶剤、水などが挙げられるが、水が好ましい。
【0053】
樹脂含有液における、樹脂および樹脂の前駆体の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5.0質量%以上60.0質量%以下が好ましい。また、樹脂含有液における、溶媒または分散媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30.0質量%以上98.0質量%以下が好ましい。
また、樹脂含有液は他の成分として、前記したインクの添加剤として挙げた成分を含んでいても良い。
【0054】
<積層体を形成する工程>
本発明の積層体の製造方法は、原紙に印刷を行った後に、樹脂を含有する樹脂含有液を化粧板原紙に付与する工程を有しても良い。
【0055】
原紙に付与された樹脂および樹脂の前駆体の少なくとも一方が、インクの液体成分である沸点が180℃以上のアルコールと反応して共有結合を形成して架橋(固化)し、積層体を得ることができる。
【0056】
化粧板原紙に含まれる液体を除去(乾燥)する方法としては、例えば、化粧板原紙を加熱手段により加熱する方法、紫外線照射手段により紫外線を照射する方法、電子線照射手段により電子線を照射する方法などが挙げられ、加熱手段により加熱する方法が好ましい。加熱手段により加熱する方法であれば、従来の一般的な製造工程に対して新たな追加工程が加わらないため生産性を損なわないためである。また、加熱手段により加熱する方法であれば、化粧板原紙に含まれる液体(溶剤、水)を気化させて除去することができ、化粧板の接着性を向上させることができる。なお、加熱手段は、公知の手段であれば特に制限されないが、例えば、温風加熱を行う加熱送風手段、赤外ランプを用いて行う赤外乾燥手段、加熱されたロール上を通過させる加熱ロール手段、及び誘電加熱を利用した誘電加熱手段などが挙げられる。
【0057】
上記のように化粧板原紙に含まれる液体を乾燥することで、基材やオーバーレイ層などの部材と積層した場合に、積層体の界面に存在する液体を減らし、積層体(化粧板)における接着性の低下を抑制することができる。また、「架橋」により固化する過程で、化粧板原紙に付与されたインクに含まれる色材が同時に取り込まれる。これにより、色材の位置が固定され、画像濃度の高い印刷層を有する積層体(化粧板印刷紙、化粧板)を得ることができる。また、架橋構造を有する積層体とすることで、沸点が180℃以上のアルコールは、化粧板原紙に付与された樹脂および樹脂の前駆体の少なくとも一方と共有結合を形成して架橋(固化)されるので、後述の加熱および加圧して積層体を作製する工程において、気化による気泡発生を抑制することができる。そのため、積層体における接着性の低下を抑制することができる。
【0058】
<<積層体の製造装置>>
本発明の積層体の製造装置は、原紙(化粧板原紙などの媒体)に印刷する手段と、樹脂を含有する樹脂含有液を原紙(化粧板原紙などの媒体)に付与する手段とを有しても良く、加熱手段などの乾燥手段を有しても良い。以下、積層体の製造装置を例に説明する。
【0059】
図1−1は、本発明の一実施形態に係る積層体の製造装置を示す概略図である。図1−1に示す積層体の製造装置1は、化粧板原紙供給装置10と、搬送ローラ11と、樹脂含有液浸漬槽12と、液体吐出ヘッド13と、基体を付与する手段16と、を有する。
【0060】
化粧板原紙供給装置10は、回転駆動することにより、矢印Aの表す搬送方向に化粧板原紙を供給する。なお、化粧板原紙供給装置10は、それ自身が駆動することで搬送する方式に限らず、ほかの駆動部に追随して連れ回ることで搬送する方式であっても構わない。
搬送ローラ11は、回転駆動することにより、積層体の製造装置1に供給された化粧板原紙を、製造装置1内の搬送経路100に沿って搬送する。なお、搬送ローラ11はいずれもそれ自身が駆動することで搬送する方式に限らず、ほかの駆動部に追随して連れ回ることで搬送する方式であっても構わない。
【0061】
樹脂含有液浸漬槽12は、内部に樹脂含有液110を保持しており、化粧板原紙が樹脂含有液110に浸漬する搬送経路100を通過する。これにより、化粧板原紙に樹脂含有液110が付与される。これは樹脂を含有する樹脂含有液を化粧板原紙などの媒体に付与する場合に用いることができるが、樹脂含有液を化粧板原紙などの媒体に付与しない場合は樹脂含有液110を用いなくても良い。この場合、積層物を加熱加圧して積層体を得る手段の前に、印刷層の表面に樹脂を含有するオーバーレイ層を積層する手段および前記オーバーレイ層を積層した化粧板原紙を基材に積層する手段を設けることができる。
【0062】
液体吐出ヘッド13は、複数のノズルが配列された複数のノズル列を有しており、ノズルからの液体の吐出方向が、化粧板原紙の搬送経路100に向くように設けられている。
これにより、各液体吐出ヘッドは、化粧板原紙に、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、及びイエロー(Y)などの液体であるインクを順に吐出し、印刷層を形成する。
液体吐出ヘッド13は、圧力発生手段によって発生させた圧力により液体を吐出してもよい。液体吐出ヘッド13において液体を吐出させる手段としては、特に限定されないが、例えば、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどが例示される。
【0063】
図1−2は図1−1に示した装置において、基体を付与する手段16の前に加熱装置14を設けた実施形態を示す。
加熱装置14は、印刷層が形成された化粧板原紙を加熱する。これにより、化粧板原紙に含まれる液体を乾燥することができる。
【0064】
図2−1に示した積層体の製造装置1は、図1−1に示した装置において、オーバーレイ層を積層する手段15と、原紙、基材、オーバーレイ層等を積層して加熱および加圧する加熱加圧手段17とを更に設けたものである。
図2−2は図2−1に示した装置において加熱手段14を設けたものである。
図3図2−1に示した装置において、樹脂含有液浸漬槽12を設けない実施形態を示す。樹脂を含むオーバーレイを積層する場合には図3に示した装置を使用することができる。
【実施例】
【0065】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、「部」は質量部を示し、「%」は「質量%」を示す。
【0066】
<インクの製造例>
以下にインクの作製例を記載する。
また、インクの作製に用いたインク成分の商品名及び製造会社名は下記表1に示したとおりである。
【0067】
【表1】
【0068】
(インク1の作製)
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散した後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインク1を作製した。
・カーボンブラック顔料: 6.0%
・顔料分散剤: 2.5%
・アニオン性界面活性剤: 0.5%
・非イオン性界面活性剤: 1.0%
・アルコール(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル): 90.0%
・イオン交換水: 0.0%
【0069】
(インク2〜7の作製)
インク1の作製において、下記表2の組成及び含有量(質量%)に変更した以外は、インク1の作製と同様にして、インク2〜7を作製した。
【0070】
【表2】
【0071】
<化粧板原紙>
化粧板原紙は、KSH−801P(坪量80g/m、灰分32%、KJ特殊紙製)を用いた。
【0072】
<樹脂含有液の製造例>
(樹脂含有液1の作製)
ポリビニルアルコール樹脂(日本酢ビ・ポバール社製、ポバールJP−03)を固形分濃度が15%となるように水と混合し、樹脂含有液1を作製した。
【0073】
(樹脂含有液2の作製)
メラミン樹脂前駆体である水溶性メラミン(メチロールメラミン、日本カーバイド社製、ニカレジンS−176)を固形分濃度が20%となるように水と混合し、樹脂含有液2を作製した。
【0074】
(樹脂含有液3の作製)
水溶性レゾールフェノール樹脂(DIC社製製、IG−1002)とメラミン樹脂前駆体である水溶性メラミン(メチロールメラミン、日本カーバイド社製、ニカレジンS−176)がモル比で5:4の比率になるように、かつ固形分濃度が25%となるように水と混合し、樹脂含有液3を作製した。
【0075】
<化粧板の製造例>
(実施例1)
化粧板原紙に対し、MH5420(リコー製インクジェットヘッド)を搭載したTritek社製OnePassJETを用い、1200dpi、印字速度30m/分にてベタ画像を印刷した。また、印刷の際、インクの粘度が10〜12mPa・sの範囲になるようにヘッド内温、インク供給部を保温することで調整し、化粧板原紙上でのドット径が90〜95μmとなるように駆動電圧波形を調整した。
その後、熱風乾燥(110℃、2分)した後に、化粧板原紙を樹脂含有液に浸漬させ、目視で十分に樹脂含有液が浸透したことを確認し、その後、化粧板原紙を再度熱風乾燥(110℃、2分)させ、樹脂を含む化粧板原紙を得た。
次いで、厚さ15mmのMDF集成材、得られた樹脂を含む化粧板原紙、及びオーバーレイ原紙(太田産業社製、OL−25、メラミン樹脂を含む)を順に積層させ、ホットプレスに挿入して温度190℃、圧力40kg/cm、プレス時間30秒で加熱加圧することで化粧板1を得た。
【0076】
(実施例2〜9、比較例1〜4)
実施例1において、下記表3のインク、樹脂含有液、オーバーレイ原紙の有無に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9、比較例1〜4の化粧板を作製した。得られた実施例1〜9、比較例1〜4の化粧板について、下記に示す方法、評価基準に従い接着性およびインクジェット吐出安定性を評価した。
【0077】
[接着性の評価]
得られた化粧板に対し、JIS K5400の碁盤目試験(旧規格)に準じて、接着性を評価した。次の評価基準において接着性が100とは、100個にカットした碁盤目部分のうち、剥がれが一箇所もない状態を意味する。接着性が70とは、剥がれていない部分の面積が70%の状態を意味する。なお、B以上であった場合を実用可能であるとした。結果を下記表3に示した。
(評価基準)
A:接着性80以上100以下
B:接着性70以上80未満
C:接着性70未満
【0078】
[インクジェット吐出安定性の評価]
MH5420(リコー製インクジェットヘッド)を搭載したTritek社製OnePassJETに作製したインクを充填し、20kHz、30分間連続で吐出を行い、その後、インクジェットヘッドのノズル面をキャップすることなく室温環境(温度:23℃、相対湿度:55%)下で30分静置した後、以下の評価基準に基づき、吐出の状況について目視で確認した。なお、C以上であった場合を実用可能であるとした。結果を下記表3に示した。
(評価基準)
A:異常吐出(ノズル詰まり、曲がり、速度異常)が全く認められない
B:ノズル詰まりはないが若干の曲がり、速度異常が認められる
C:若干のノズル詰まりがあり、曲がりや速度異常が認められる
D:ノズル詰まりが多数あり、曲がりや速度異常も多数認められる
【0079】
【表3】
【0080】
実施例1〜9に記載の化粧板において良好な接着性を有することが確認された。接着性に関しては架橋性の樹脂を用いた実施例2〜7が良好であることが確認された。また、沸点が200℃以上のアルコール系溶剤を含有させることで吐出安定性を向上でき、沸点が290℃以上のアルコール系溶剤であるポリエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた実施例1、2、3、8、9は特に吐出安定性に優れている。また、樹脂含有液の処理を行わず、オーバーレイ層を積層した化粧板(実施例9)においても良好な接着性が実現できている。比較例1〜3の化粧板においては接着性については実用性が見込まれるが、吐出安定性についてはノズル詰まりが多数あり、曲がりや速度異常も多く実用性が見込めないことが確認された。比較例4においてはアルコール系溶剤を含有していないことから樹脂含有液との反応性が確保できず十分な接着性が得られていない。
実施例において評価結果が優れる理由としては、化粧板原紙上でのドット形成および化粧板原紙への樹脂の浸透が良好であることから、優れた接着性が実現できていると考えられる。また吐出安定性については、インクに含まれる溶剤として沸点が200℃以上のアルコール系溶剤を選定することで、ノズル内の空気界面近傍での溶剤揮発を抑制することができ、ノズル詰まりなどの不具合が起こりにくいものと推定される。
【0081】
[印刷層に架橋構造を含むことの確認]
実施例1〜9および比較例1〜4の化粧板について印刷層0.1gを取り出し、テトラヒドロフラン4gを加えた10mlのガラス製サンプル瓶の中に入れた。温度が23℃、湿度が55%の環境下で24時間静置した。その後、不溶分である残渣が確認できたことから、実施例1〜9および比較例1〜4のいずれにおいても印刷層に架橋構造が含まれることが確認できた。
このように、印刷層を取り出し、テトラヒドロフランを加えて不溶分を検出することで、架橋した樹脂の存在を確認することができる。
【0082】
[アルコールとメラミン(アミノ樹脂)との反応性の確認]
メラミン樹脂前駆体を含む樹脂含有液2を用いた実施例2に関連して、メラミンと実施例2でアルコールとして用いたポリエチレングリコールモノメチルエーテルとの反応性について以下の試験を行ってその反応性を確認した。
水溶性メラミン(メチロールメラミン、日本カーバイド社製、ニカレジンS−176)を10部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点290〜310℃、東邦化学工業株式会社製 ハイモールPM)を0.2部およびイオン交換水10部をよく攪拌し、80℃で2週間保存した。得られた固形物0.1gを取り出し、テトラヒドロフラン4gを加えた10mlのガラス製サンプル瓶の中に入れた。温度が23℃、湿度が55%の環境下で24時間静置した後、液体クロマトグラフィーによりポリエチレングリコールモノメチルエーテルの存在が確認できなかったことから、水溶性メラミンとポリチレングリコールモノメチルエーテルの反応性が確認できた。
【0083】
[印刷層が沸点180°以上のアルコールを含むことの確認]
実施例1〜9および比較例1〜3の化粧板について印刷層0.1gを取り出し、テトラヒドロフラン4gを加えた10mlのガラス製サンプル瓶の中に入れた。温度が23℃、湿度が55%の環境下で24時間静置した後、液体クロマトグラフィーによりアルコールの存在を確認した。下記の表4に検出されたアルコールを示す。実施例1〜9のいずれにおいても沸点180°以上のアルコールの存在が確認できた。
比較例1〜3については、沸点180°以上のアルコールは検出されなかった。
【0084】
【表4】
【符号の説明】
【0085】
1 積層体の製造装置
10 化粧板原紙供給装置
11 搬送ローラ
12 樹脂含有液浸漬槽
13 液体吐出ヘッド
14 加熱装置
15:オーバーレイ層を積層する手段
16:基体を付与する手段
17:加熱加圧手段
100 搬送経路
110 樹脂含有液
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】国際公開第2014/084280号
【特許文献2】特開2005−1146号公報
【特許文献3】特開2015−86373号公報
図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3