特開2020-23173(P2020-23173A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧
特開2020-23173画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム
<>
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000003
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000004
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000005
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000006
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000007
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000008
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000009
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000010
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000011
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000012
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000013
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000014
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000015
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000016
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000017
  • 特開2020023173-画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-23173(P2020-23173A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20200121BHJP
   B41J 25/20 20060101ALI20200121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20200121BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20200121BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20200121BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20200121BHJP
【FI】
   B41J29/393 107
   B41J25/20
   B41J29/38 Z
   B41J2/01 451
   B41J2/01 401
   H04N1/12 Z
   G06T1/00 400E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-134898(P2019-134898)
(22)【出願日】2019年7月22日
(31)【優先権主張番号】特願2018-144605(P2018-144605)
(32)【優先日】2018年7月31日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】木崎 修
(72)【発明者】
【氏名】藤井 正幸
(72)【発明者】
【氏名】升永 傑
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
5B047
5C072
【Fターム(参考)】
2C056EB27
2C056EB47
2C056EC12
2C056EC35
2C056FA10
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS06
2C061HJ02
2C061HJ05
2C061HK11
2C061HN15
2C061KK04
2C061KK18
2C061KK28
2C061KK32
5B047AA01
5B047AB04
5B047BA01
5B047BB04
5B047BC18
5B047BC20
5B047BC23
5B047CB22
5B047CB23
5C072AA01
5C072BA04
5C072BA17
5C072EA08
5C072NA01
5C072NA04
5C072RA04
5C072RA18
5C072UA13
5C072UA18
5C072XA01
5C072XA05
(57)【要約】
【課題】画像形成装置における被記録材の搬送精度の調整を不要とする。
【解決手段】被記録材に記録された複数の測色パッチを備える測色パターンを撮像装置で読み取り、読み取った撮像画像に基づいて測色を行う測色機能を備えた画像形成装置であって、搬送部が、被記録材を搬送し、印字部が、被記録材に、マーカパターンを、1行目の測色パターンよりも下流側、かつ、測色パターンのサイドに複数、かつ、マーカパターン同士の距離がそれぞれ予め定められた距離となるように、かつ、測色パターンの一行目より下流側に位置する下流側マーカパターンを含むように記録する。制御部は、被記録材の搬送方向における複数のマーカパターンと測色パターンとの距離に基づいて、被記録材上の測色パターンが撮像装置による読み取り位置に位置するまで、被記録材を搬送するように搬送部を搬送制御し、搬送された被記録材の測色パターンを読み取り制御する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録材に記録された複数の測色パッチを備える測色パターンを撮像装置で読み取り、読み取った撮像画像に基づいて測色を行う測色機能を備えた画像形成装置であって、
前記被記録材を搬送する搬送部と、
前記被記録材に、マーカパターンを、前記測色パターンのサイドに複数、かつ、マーカパターン同士の距離がそれぞれ予め定められた距離となるように、かつ、前記測色パターンの一行目より下流側に位置する下流側マーカパターンを含むように記録する印字部と、
前記被記録材の搬送方向における、複数の前記マーカパターンと前記測色パターンとの距離に基づいて、被記録材上の前記測色パターンが前記撮像装置による読み取り位置に位置するまで、前記被記録材を搬送するように搬送部を搬送制御すると共に、搬送された前記被記録材の前記測色パターンを読み取るように前記撮像装置を制御する制御部と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
複数の前記マーカパターンのいずれかが、読み取り位置に位置するまで前記被記録材を搬送するように前記搬送部を搬送制御し、また、撮像装置で読み取り、いずれかのマーカパターンを検出し、また、検出結果に基づき、前記測色パターンの下流側に記録された前記マーカパターンが読み取り位置に位置するまで前記被記録材を搬送するように前記搬送部を搬送制御すること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の前記マーカパターンは、パターン形状、及び前記印字部の走査方向である主走査方向に対する配置位置により、前記測色パターンに対する識別が可能であること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記測色パターンの下流側に記録された前記マーカパターンが、読み取り位置に位置するまで前記被記録材を搬送した後、前記被記録材を印刷方向に搬送するように前記搬送部を搬送制御することで、前記測色パターンの中心と前記撮像装置の撮像範囲の位置合せを行うこと
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、1回目の搬送制御で、前記マーカパターンを前記撮像装置の読み取り位置に、前記被記録材を搬送するように前記搬送部を搬送制御し、前記撮像装置で撮像された撮像画像から検出される複数のマーカパターンのうち、いずれかのマーカパターンから前記測色パターンの下流側に記録されたマーカパターンまでの距離を算出し、2回目の搬送制御で、算出された前記距離に基づいて、前記撮像装置で前記測色パターンを撮像する位置に前記被記録材を搬送するように前記搬送部を搬送制御すること
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記2回目の搬送制御の搬送速度よりも、前記1回目の搬送制御の搬送速度の方が速い速度となるように前記搬送部を搬送制御すること
を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
被記録材に記録された複数の測色パッチを備える測色パターンを撮像装置で読み取り、読み取った撮像画像に基づいて測色を行う測色機能を備えた画像形成装置の搬送制御方法であって、
搬送部が、前記被記録材を搬送する搬送ステップと、
印字部が、前記被記録材に、マーカパターンを、前記測色パターンのサイドに複数、かつ、マーカパターン同士の距離がそれぞれ予め定められた距離となるように、かつ、前記測色パターンの一行目より下流側に位置する下流側マーカパターンを含むように記録する印字ステップと、
制御部が、前記被記録材の搬送方向における、複数の前記マーカパターンと前記測色パターンとの距離に基づいて、被記録材上の前記測色パターンが前記撮像装置による読み取り位置に位置するまで、前記被記録材を搬送するように搬送部を搬送制御すると共に、搬送された前記被記録材の前記測色パターンを読み取るように前記撮像装置を制御する制御ステップと
を有する搬送制御方法。
【請求項8】
被記録材に記録された複数の測色パッチを備える測色パターンを撮像装置で読み取り、読み取った撮像画像に基づいて測色を行う測色機能を備えた画像形成装置において、前記被記録材の搬送制御をコンピュータに実行させるための搬送制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記被記録材を搬送する搬送部と、
前記被記録材に、マーカパターンを、前記測色パターンのサイドに複数、かつ、マーカパターン同士の距離がそれぞれ予め定められた距離となるように、かつ、前記測色パターンの一行目より下流側に位置する下流側マーカパターンを含むように記録する印字部と、
前記被記録材の搬送方向における、複数の前記マーカパターンと前記測色パターンとの距離に基づいて、被記録材上の前記測色パターンが前記撮像装置による読み取り位置に位置するまで、前記被記録材を搬送するように搬送部を搬送制御すると共に、搬送された前記被記録材の前記測色パターンを読み取るように前記撮像装置を制御する制御部として機能させること
を特徴とする搬送制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印字媒体(紙、PVC等の各種メディア)を下流側への搬送方向と上流側への戻し方向に搬送して測色パターンを印字して測色する測色装置を備えた印字装置が知られている(例えば、特許文献1:特許第4978278号公報)。この印字装置は、測色処理を行う際、印字媒体へ測色パターンの印字を行った後、乾燥装置部(加熱、送風など)まで下流側に印字媒体を搬送する。そして、乾燥後、測色装置で測色パターンの先頭位置まで印字媒体を上流側に巻き戻し、測色を順次行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来は、印字媒体の搬送時において、給紙ローラと巻き取りローラの巻き取り状態によって搬送性能が変動するため、搬送精度の調整処理が必要となる。搬送精度の調整は、搬送方向や印字媒体の種類に応じて異なり、非常に煩雑である。
【0004】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、印字媒体の搬送精度を向上させる画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被記録材に記録された複数の測色パッチを備える測色パターンを撮像装置で読み取り、読み取った撮像画像に基づいて測色を行う測色機能を備えた画像形成装置であって、被記録材を搬送する搬送部と、被記録材に、マーカパターンを、測色パターンのサイドに複数、かつ、マーカパターン同士の距離がそれぞれ予め定められた距離となるように、かつ、測色パターンの一行目より下流側に位置する下流側マーカパターンを含むように記録する印字部と、被記録材の搬送方向における、複数のマーカパターンと測色パターンとの距離に基づいて、被記録材上の測色パターンが撮像装置による読み取り位置に位置するまで、被記録材を搬送するように搬送部を搬送制御すると共に、搬送された被記録材の測色パターンを読み取るように撮像装置を制御する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印字媒体の搬送精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態のインクジェット記録装置の外観構成を示す図である。
図2図2は、インクジェット記録装置に設けられているキャリッジの走査機構を示す平面図である。
図3図3は、インクジェット記録装置100の駆動制御系の構成を示すブロック図である。
図4図4は、印刷時における搬送路の断面図である。
図5図5は、巻き取り時における搬送路の断面図である。
図6図6は、測色時に印字媒体上に印字される画像の一例を示す図である。
図7図7は、巻き戻し時の搬送誤差を説明するための図である。
図8図8は、第1の実施の形態のインクジェット記録装置における位置調整用のマーカパターンの印字例を示す図である。
図9図9は、第1の実施の形態のインクジェット記録装置における位置調整用のマーカパターンの他の印字例を示す図である。
図10図10は、第1の実施の形態の搬送制御の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、第2の実施の形態のインクジェット記録装置における位置調整マーカパターンの印字例を示す図である。
図12図12は、第2の実施の形態のインクジェット記録装置におけるマーカパターンの撮像例を示す図である。
図13図13は、第2の実施の形態のインクジェット記録装置における測色時の撮像例を示す図である。
図14図14は、第2の実施の形態のインクジェット記録装置における搬送制御の流れを示すフローチャートである。
図15図15は、第3の実施の形態のインクジェット記録装置における位置調整マーカパターンの印字例を示す図である。
図16図16は、第3の実施の形態の搬送制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、画像形成装置、搬送制御方法及び搬送制御プログラムを適用した実施の形態のインクジェット記録装置の説明をする。
【0009】
(インクジェット記録装置の構成)
図1は、実施の形態のインクジェット記録装置100の外観構成を示す図である。また、図2は、インクジェット記録装置100に設けられているキャリッジの走査機構を示す平面図である。この図1及び図2からわかるように、インクジェット記録装置100は、内部の両側板に掛け渡されたガイドロッド1に、キャリッジ5が、矢印A方向(主走査方向)に移動可能に保持されている。
【0010】
キャリッジ5は、駆動プーリ9と加圧プーリ10に掛け渡されたタイミングベルト11が接続されている。このタイミングベルト11が、駆動プーリ9を介した主走査モータ8で駆動されることで、キャリッジ5が主走査方向Aに往復移動するようになっている。タイミングベルト11には、加圧プーリ10によって張力が掛けられており、たるむことなくキャリッジ5を駆動させることができる。
【0011】
印字媒体M(被記録材の一例)は、キャリッジ5が往復移動する下部を、矢印B方向(副走査方向)に沿って間欠的に搬送される。印字媒体Mに対しては、プラテン16上でキャリッジ5に設けられた記録ヘッド6(6k、6c、6m、6y)のノズルから液滴であるインクを吐出し、所定の画像を形成する。なお、「k」は、キープレート(ブラックでもよい)、「c」は、シアン、「m」は、マゼンタ「y」は、イエローの各色を意味している。画像が形成された印字媒体Mは、乾燥ヒータ17により乾燥処理される。
【0012】
また、インクジェット記録装置100には、記録ヘッド6にインクを供給するカートリッジ2と、キャリッジ5に設けられた記録ヘッド6の維持メンテナンスを実行する維持機構26が備えられている。キャリッジ5内にはエンコーダセンサ13が配置されており、両側板に掛け渡されたエンコーダシート14を連続的に読み取ることで、主走査方向位置を検知しながら2つの側板間を駆動する。
【0013】
撮像制御ユニット20は、キャリッジ5上に設けられ、印字媒体上の印字データを撮像することが可能な撮像処理装置を有し、撮像した画像データから画像の位置検出、測色処理が可能である。
【0014】
(駆動制御機構の構成)
図3は、インクジェット記録装置100の駆動制御系の構成を示すブロック図である。この図3に示すように、インクジェット記録装置100は、駆動制御系として、上述のキャリッジ5及び主走査モータ8と共に、制御部61、搬送部62、副走査モータ63、巻き取り部64、巻き取りモータ65、給紙部66及び給紙モータ67を有している。
【0015】
制御部61は、CPU(中央演算部)41、FPGA(Field Programmable Gate Array)42及びモータドライバ43を有している。制御部61は、CPU制御、メモリ制御、インク吐出制御、センサ制御及びモータ制御等を行う。
【0016】
主走査モータ8により駆動されるキャリッジ5は、記録ヘッド45、主走査エンコーダセンサ46、二次元センサ47(二次元イメージセンサ:撮像装置の一例)を有している。二次元センサ47は、二次元センサ用のCPU48と撮像部49を有している。
【0017】
副走査モータ63で駆動される搬送部62は、副走査エンコーダセンサ50と、搬送ローラ51を有している。巻き取りモータ65で駆動される巻き取り部64は、巻き取りエンコーダセンサ52と巻き取りローラ53を有している。給紙モータ67で駆動される給紙部66は、給紙エンコーダセンサ54と給紙ローラ55を有している。なお、記録ヘッド45、制御部61、搬送部62及び巻き取り部64は、印字部の一例となっている。
【0018】
(印刷時における印字媒体の搬送動作)
図4は、印刷時における搬送路の断面図である。この図4において、印字媒体Mは、給紙ローラ35に設置し、給紙ガイド32、搬送ローラ33、プラテン30、排紙ガイド31上を順に介して巻き取りローラ34に固定される。巻き取りローラ34、搬送ローラ33、給紙ローラ35は、それぞれ巻き取りモータ65、副走査モータ(搬送モータ)63、給紙モータ67で回転駆動され、印刷時において、副走査方向Bの方向に印字媒体Mを搬送する。この際、搬送経路上で印字媒体Mに、たわみが発生しないように、給紙ローラ35は、トルクの方向が搬送方向に対して逆方向となるように、給紙モータ67の速度制御を行う。
【0019】
プラテン上で印刷処理が行われた後、排紙ガイド31の乾燥ヒータ17によりインクの乾燥処理を行う。なお、乾燥ヒータ17による乾燥処理は、必ずしも必要ではなく、測定パターンを記録した後、所定時間放置することで乾燥させてもよい。
【0020】
ここで、巻き取りローラ34及び給紙ローラ35は、印字媒体Mの巻き取り量に応じてロール径が変動する。図4の例は、巻き取りロール径が小さく、給紙ロール径が大きい状態である。印刷時における副走査方向の搬送では、巻き取りロール径が小さいほど搬送ローラ33への印字媒体Mの食い込みが小さくなる。また、給紙ロール径は大きいほど搬送ローラ33への印字媒体Mの食い込みが小さくなる。搬送ローラ33への印字媒体Mの食い込みは、食い込みが大きいほど見かけ上、搬送ローラ径が小さくなるため、搬送量が小さくなり、反対に、食い込みが小さいほど搬送ローラ径が大きくなるため、搬送量が大きくなる。印刷時は、搬送量の変動を一定にするために、巻き取り及び給紙のロール径の状態に応じて、搬送ローラ33の回転量を調整して搬送量を一定に保っている。
【0021】
なお、給紙ロール径は、給紙エンコーダシート35e及び給紙エンコーダセンサ54による回転速度から算出可能である。また、巻き取りロール径は、エンコーダシート34e及び巻き取りエンコーダセンサ52の回転速度から算出可能である。
【0022】
このようなロール径の条件に加え、搬送ローラ33への印字媒体Mの食い込みは、印字媒体Mの種類に応じて差異があり、印字媒体M毎に補正処理を行う必要がある。これらの補正処理は非常に煩雑である。
【0023】
また、搬送ローラ33が金属ローラである場合、ローラの山に印字媒体Mを食い込ませることで、搬送時のグリップ力を得ることができるが、食い込み量の差が搬送誤差を生じさせる不都合を生ずる。これに対して、搬送ローラ33として、セラミックローラ又はゴムローラを用いた場合、搬送ローラ33への食い込みの差による搬送誤差は発生しない。しかし、印字媒体Mが、搬送ローラ33上をスリップする場合があり、結果的に搬送誤差が生じる。
【0024】
(巻き取り時における印字媒体の搬送動作)
図5は、巻き取り時における搬送路の断面図である。巻き取り時は、搬送ローラ33の回転方向が印刷時に対して逆方向となる。給紙ローラと巻き取りローラの回転方向は変わらないが、回転速度を調整することにより副走査方向Cの方向に印字媒体Mを搬送する。図5の例は、巻き取りロール径が小さく、給紙ロール径が大きい状態である。
【0025】
巻き取り方向時の搬送では、巻き取りロール径が小さいほど、搬送ローラ33に対する印字媒体Mの食い込みが大きくなり、搬送量は小さくなる方向に変動する。また、給紙ロール径は大きいほど、搬送ローラ33に対する印字媒体Mの食い込みが大きくなるため、搬送量が小さくなる方向に変動する(印刷方向時とは逆の特性)。
【0026】
搬送速度を一定に保つには、印刷時と同様に、印字媒体Mの種類および巻き取りローラ径と給紙ローラ径の状態に応じて搬送ローラ33の回転量を調整する必要がある。しかし、これらの調整は条件が多く、非常に煩雑である。また、印刷時には搬送精度が要求されるが、巻き戻し時に対しては、それほど搬送精度は要求されない。
【0027】
(測色時に印字媒体上に印字される画像の例)
図6は、測色時に印字媒体上に印字される画像の一例を示す図である。この図5に示すように、測色パターンPは、P1−1〜Pm−nのm行×n列個のパッチ群で構成される。1行目のパッチ中心からm行目のパッチ中心までの距離をDとする。マーカパターンXは、位置調整用のパターンであり、パッチの下流側に1行目のパッチと一意の距離Lの間隔で印字される。
【0028】
(巻き戻し時の搬送誤差)
図7は、巻き戻し時の搬送誤差を説明するための図である。この図7において、搬送誤差ΔSは、狙いの『搬送量−実際の搬送量』であり、搬送誤差の範囲は、狙いの搬送量に比例して大きくなる。また、搬送誤差の範囲の傾きは、印字媒体Mの種類によって変化する。搬送誤差ΔSがプラス側の値となる条件は、狙いの巻き戻し搬送量に対して実際の巻き戻し搬送量が不足していることが条件となる。反対に、搬送誤差ΔSがマイナス側の値となる条件は、狙いの巻き戻し搬送量より実際のまき戻し搬送量が大きくなることが条件となる。
【0029】
ここで、搬送誤差ΔSのプラス側の最大値ΔSmaxは、巻き戻し搬送時の搬送量マージンとする。搬送量マージンは、印字媒体Mの種類に応じて変化するため、制御部61のCPU41で、予め設計値として算出する。
【0030】
(位置調整マーカパターンの印字例)
図8及び図9は、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100における位置調整マーカパターンの印字例を示す図である。第1の実施の形態の場合、例えばマーカパターンX1〜X5等の複数のマーカパターン、及び、測色パターンPを、印字媒体Mに印刷する。
【0031】
マーカパターンX1〜X5は、主走査方向の測色パターンPの範囲外に印刷する。また、マーカパターンX1〜X5の中央のX3のマーカパターンは、1行目の測色パターンPの中心21aより下流側に配置させる。各マーカパターンX1〜X5の副走査方向間は均等間隔とし、その間隔は、二次元センサ20の撮影範囲20aの副走査方向の長さ以下とする。これにより二次元センサ20の撮影範囲20a内に1個以上のマーカパターンを印刷することができる。測色パターンPと各マーカパターンX1〜X5を印刷した後、乾燥ヒータ17でインクの乾燥処理を行う。
【0032】
続いて、巻き戻し時の搬送については、狙いとする搬送量Sと、最大搬送誤差ΔSmaxを加味して、二次元センサ20の撮像範囲20aが、測色パターンPの位置より最近傍の下流のマーカパターンX3を狙い、印字媒体Mを「巻き戻し方向C」に搬送誤差を含めた分搬送する。巻き戻しで測色パターンPの位置より最近傍の下流のマーカパターンX3を狙う理由は、マーカパターンX3が検知できれば印刷媒体を下流方向(印刷時の印刷媒体送り方向B)の搬送をすることで、精度良く、かつ、最短搬送回数で、キャリッジ5を1行目の測色パターンPの中心へ移動できるためである。
【0033】
また、マーカパターンX1及びマーカパターンX2を、マーカパターンX3の下流に、マーカパターンX4及びマーカパターンX5を上流に配置しているのは、マーカパターンX3を中心として、それぞれ戻し精度が出ない場合でも、マーカパターンX1〜X5のいずれかのマーカパターンを検知できるように、搬送戻し制御へのマージンを確保するためである。
【0034】
巻き戻し完了後は、キャリッジ5の主走査位置を調整し、二次元センサ20による撮像範囲20a内にマーカパターン群の中心となるマーカパターン(この例の場合は、マーカパターンX3)の中心位置に入るようにキャリッジ5を移動させる。マーカパターンX3〜X5としては、例えば十字マークが複数配置される。奇数個の十字マークが配置される場合は、中央の十字マークの交点を中心位置とする。偶数個の十字マークが配置される場合は、両端の十字マークの中間点を中心位置とする。
【0035】
このように、キャリッジ5の主走査位置を調整後、二次元センサ20で印字媒体Mを撮像し、マーカパターンX1〜X5のいずれかの検出を行う。マーカパターンX1〜X5では「+」の個数及び主走査方向の位置を異ならせて配置しており、その差分でマーカパターンX1からマーカパターンX5のいずれかを認識する。図9の例では、撮像範囲20aの中心P1より右側にマーカパターンが検出されているため、検出されたマーカパターンは、マーカパターンX2又はマーカパターンX4であると判別できる。同様に、撮像範囲20aの左側であればマーカパターンX1、マーカパターンX3及びマーカパターンX5であると判別できる。最終的なマーカパターンX1〜X5の識別は、主走査方向の位置(撮像範囲20aの左右位置)と十字パターンの個数により行われる。
【0036】
マーカパターンX1〜X3のいずれかが検出された場合、二次元センサ20の中心座標から測色パターン1行目の中心座標までの距離を算出し、印字媒体を印刷方向Bに搬送する(マーカパターンのナンバーに応じて、1行目の測色パターンPの中心座標までの距離を算出する)。その後、測色パターンPを順次読み取り、全パッチ分測色を行う。
【0037】
また、マーカパターンX4〜X5のいずれのマーカパターンが検出された場合、該当するマーカパターンの中心座標から、測色パッチ1行目に最も近い下流マーカパターンX3の中心座標までの距離を算出し、印字媒体Mを巻き戻し方向Cに搬送する(マーカパターンのナンバーに応じて、マーカパターンX3の中心座標までの距離を算出する)。以降はマーカパターンX1からマーカパターンX3が検知された処理に従う。
【0038】
一度、測色パッチ1行目に最も近い下流マーカパターンX3に搬送するのは、副走査方向の送り精度は「印字媒体Mを印刷方向Bに搬送する」時の方が戻し搬送よりも高精度となっている。その為、一度測色パターンPの下流にあるマーカパターンへ、巻き戻し搬送で移動し、印字媒体Mを印刷方向Bに送ることで測色パターンPの一行目の中心21aと二次元センサ20の撮像範囲20aの位置が最適になるように位置調整することができる。
【0039】
マーカパターンX1の場合は、マーカパターンの中心座標から測色パッチの1行目までの距離はL1となる。この例では撮像範囲20aの中心より上側にマーカパターンが配置されていることから、撮像範囲20aの中心から測色パッチの1行目までの距離は「L1+Y×α」となる。印字媒体Mを上述の演算で算出した長さ分、印刷方向Bに搬送することで、二次元センサ20の撮像範囲20aに測色パッチの1行目を収めることができる。
【0040】
図10は、このような第1の実施の形態の搬送制御の流れを示すフローチャートである。図10のフローチャートの各処理は、図3に示す制御部61のCPU41が、メモリ68に記憶されている搬送制御プログラムに基づいて実行する。
【0041】
ステップS21:測色パターンの印刷と同時に、マーカパターンX1〜X5の印刷を、主走査方向Aの測色パターン範囲外に行う。そして、印刷完了までの印字媒体の搬送と印刷を繰り返し実行する。
ステップS22:乾燥ヒータ17で、インク乾燥処理を行う。
ステップS23:二次元センサ20の撮像範囲20aが測色パターンPの位置より下流となるまで、搬送誤差を含めた分、印字媒体Mを巻き戻し方向に搬送する。
ステップS24:二次元センサ20でマーカパターンの検出処理を行う。
ステップS25:測色パッチ1行目の副走査方向中心から下流に位置するマーカパターンであるか否かを判別する。
ステップS26:測色パッチ1行目の副走査方向中心から下流に位置するマーカパターンであると判別したため(ステップS25:Yes)、二次元センサ20の撮像範囲20aの中心座標から測色パッチ1行目の中心座標までの距離を算出し、印字媒体Mを印刷方向に搬送する(マーカパターンのナンバーに応じて距離を算出)。
ステップS27:測色パターンを順次読み取りし、全パッチ分の測色を行う。
ステップS28:測色パッチ1行目の副走査方向中心から上流に位置するマーカパターンであると判別したため(ステップS25:No)、該当するマーカパターンの中心座標から、測色パッチ1行目に最も近い下流マーカパターン(X3)の中心座標までの距離を算出し、印字媒体を巻き戻し方向に搬送する(マーカパターンのナンバーに応じて距離を算出)。この後、ステップS24に処理を戻す。
【0042】
(第1の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100は、測色パターンから副走査方向に沿って距離L1だけ離れた下流側の位置に、マーカパターンXを印字する。これにより、マーカパターンの検出位置から測色パターンの開始位置を算出して、測色パターンの開始位置に、二次元センサ20の撮像範囲20a(測色範囲)の位置を合わせることができる。
【0043】
マーカパターンは、測色パターンPのサイドに配置されているため、巻き戻しによる測色パターンとの位置決め処理に使用する印字媒体Mを、最小限に抑える事ができる。また、位置決め処理に使用する印字媒体Mの消費増大を気にすることなく、サイドにマーカパターンの数を増やすことができ、制御マージンを確保して印字媒体Mの搬送精度を向上させることができる。また、制御マージンを確保できるため、高速で印字媒体Mの巻き戻しを可能とすることができ、処理の高速化を図ることができる。
【0044】
また、測色パターンPのサイド(主走査方向の測色パターン画像範囲外)にマーカパターンを配置することで、主走査方向に長いマーカパターンを多く配置でき、搬送の戻し制御のマージンを確保できる。また、制御マージンを確保しつつ、調整のために消費するメディア量を最小に抑えることができる(マーカパターンの配置は、測色パターン下流に最小限の配置で済む)。
【0045】
また、マーカパターンは、副走査方向に一定間隔で印字しているため、検出したマーカパターンが、撮像範囲の主走査位置から数えて何番目のマーカパターンであるかを判断できる。そして、検出したマーカパターンの中心点の座標から測色パターンの座標までの距離は、一意に決まっているため、測色パターンの位置間での算出が可能になる。
【0046】
すなわち、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100は、印字媒体Mの巻き戻しの搬送精度を不要とすることができ、搬送機構の簡素化が図ることができる。また、パターン位置検知用に使用する記録材量を最小にすることができる。さらに、少ない回数の位置調整用の撮像で位置検出可能となるため、処理の高速化を図ることができる。
【0047】
また、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100は、測色パターンPのサイド(主走査方向の測色パターン画像範囲外)にマーカパターンX1〜X5を配置することで、主走査方向に長いマーカパターンを多く配置でき、搬送の戻し制御のマージンを確保して印字媒体Mの搬送精度を向上させることができる。また、制御マージンを確保しつつ、調整のために消費するメディア量を最小に抑えることができる(マーカパターンの配置は、測色パターン下流に最小限の配置で済む)。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100の説明をする。なお、重複説明を省略するため、以下、上述の第1の実施の形態に対する差異の部分の説明のみを行う。
【0049】
(位置調整マーカパターンの印字例)
に、図11に、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100における位置調整マーカパターンの印字例を、図12に、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100におけるマーカパターンの撮像例を、図13に、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100における測色時の撮像例を示す。図6の例で説明したように、印字媒体M上にマーカパターンX及び測色パターンPを印刷する。測色パターンを全て印刷した後は、インクの乾燥処理を行う。排紙ガイドの乾燥ヒータ17で乾燥処理を行う場合は、排紙ガイドまで印字媒体Mを搬送する。測色パターンを、記録位置に所定時間放置しておくことで、乾燥させる場合は、最終行の測色パターンを印刷後に、印刷方向への搬送は行わなくてもよい。
【0050】
第2の実施の形態のインクジェット記録装置100は、巻き戻し搬送時には搬送量調整を行わない代りに、測色パターン印刷及び乾燥処理が完了した印字媒体Mを、上述の搬送量マージンを含めて巻き戻す。搬送量マージンは、狙いとする巻き戻し量から最大搬送誤差ΔSmaxを算出し、ΔSmaxを含めて、マーカパターンXが撮像範囲20aの開始位置(下流側)より上流側になるように巻き戻す。
【0051】
巻き戻しが完了後は、キャリッジの位置を調整し、二次元センサ20による撮像範囲20a内にマーカパターンXの主走査位置が入るように移動させる。キャリッジの主走査位置を調整後、二次元センサ20で印字媒体を撮像し、マーカパターンXの検出を行う。
【0052】
マーカパターンを検出できない場合は、上流側が撮像範囲になるように印字媒体Mを印刷方向Bに搬送する。なお、二次元センサ20と印字媒体Mまでの距離については、印字媒体Mの厚さが無視できる程度の距離が保たれていることを前提とし、撮像範囲の幅はおおよその値が判明している。
【0053】
印字媒体Mを印刷方向Bに搬送後は、上述の撮像処理を再度実施し、マーカパターンXが検出されるまで、撮像と印字媒体の搬送を交互に実施する。
【0054】
マーカパターンXが検出された場合、図12に示すように、撮像範囲20aの中心位置P1と、マーカパターンXの中心位置P2との、印字媒体の搬送方向のずれ画素数Yを求める。
【0055】
ここで、マーカパターンXの印字サイズをa(mm)、マーカパターンXの画素数をA(画素)とすると、1画素あたりの長さαは「α=a/A」で算出可能である(単位はmm)。なお、上述のように二次元センサ20と印字媒体Mの距離がおおよそ判明していることから、1画素当たりの長さαも、おおよその値で判明しているため、詳細な長さの算出は省略してもよい。図13に測色時の撮像例として示すように、測色パターンのパッチサイズは、測色処理用の撮像範囲よりも大きいため、多少の搬送誤差があっても測色処理に影響はない。
【0056】
ずれ画素数Yの値と1画素あたりの長さαの値から、マーカパターンXは「Y×α」だけ、撮像範囲20aの中心から外れていることになる(単位はmm)。
【0057】
ここで、マーカパターンXが撮像範囲20aの中心から下流側に撮像されている場合、撮像範囲20aの中心から測色パッチの1行目までの距離は「L−Y×α」となる。逆に、撮像範囲20aの中心から上流側で撮像されている場合は、撮像範囲の中心から測色パッチの1行目のパッチまでの距離は「L+Y×α」となる。この演算で算出された長さ分、印字媒体Mを印刷方向Bに搬送することにより、二次元センサ20で1行目の測色パッチを撮像することができる。
【0058】
(搬送制御の流れ)
図14は、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100における搬送制御の流れを示すフローチャートである。このフローチャートの各ステップの処理は、図3に示す制御部61のCPU41が、メモリ68に記憶されている搬送制御プログラムに基づいて実行する。
【0059】
ステップS1:マーカパターンを1つ印字する。
ステップS2:印字媒体を印刷方向に搬送する。
ステップS3:測色パターンを印刷する。印刷完了まで、印字媒体Mの搬送と印刷を繰り返す。
ステップS4:乾燥ヒータ17(又は自然乾燥)でインクの乾燥処理を行う。
ステップS5:二次元センサ20の撮像範囲20aが測色パターンの位置より下流側となるまで印字媒体Mを巻き戻し方向に搬送誤差のマージンを含めた分、搬送する。
ステップS6:二次元センサ20で撮像を行い、マーカパターンの検出処理を行う。
ステップS7:マーカパターンが検出されたか否かを判別する。
ステップS8:マーカパターンが検出されたため(ステップS7:Yes)、マーカパターンの中心点座標を検出する。
ステップS9:二次元センサ20の撮像範囲20aの中心座標から測色パッチ1行目の中心座標までの距離を算出し、印字媒体Mを印字方向に搬送する。
ステップS10:測色パターンを順次読み取りし、全パッチ分の測色を行い、フローチャートの処理を終了する。
ステップS11:マーカパターンが検出されなかったため(ステップS7:No)、撮像範囲20aに相当する分、印字媒体Mを印刷方向に搬送して、ステップS6に処理を戻す。
【0060】
(第2の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100は、測色パターンから副走査方向に沿って距離Lだけ離れた下流側の位置に、マーカパターンXを印字する。これにより、マーカパターンの検出位置から測色パターンの開始位置を算出して、測色パターンの開始位置に、二次元センサ20の撮像範囲20a(測色範囲)の位置を合わせることができる。
【0061】
すなわち、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100は、印字媒体Mの巻き戻しの搬送精度を不要とすることができ、搬送機構の簡素化が図ることができる。また、パターン位置検知用に使用する記録材量を最小にすることができる。さらに、少ない回数の位置調整用の撮像で位置検出可能となるため、処理の高速化を図ることができる。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態のインクジェット記録装置100の説明をする。なお、重複説明を省略するため、以下、上述の各実施の形態に対する差異の部分の説明のみを行う。
【0063】
図15は、第3の実施の形態のインクジェット記録装置100における位置調整マーカパターンの印字例を示す図である。第3の実施の形態の場合、例えばマーカパターンX1〜X7の7個のマーカパターン、及び、測色パターンPを、印字媒体Mに印刷する。
【0064】
マーカパターンX1〜X7は、主走査方向の測色パターン範囲外に印刷する。また、X1〜X7のマーカパターンのうち、マーカパターンX1のみ、測色パターン1行目の中心21aより下流側に配置させる。各マーカパターンX1〜X7の間は均等間隔とし、その距離は、二次元センサ20の撮影範囲20aの主走査方向距離以下とする。これにより二次元センサ20の撮影範囲20a内に1個以上のマーカパターンを印刷することが可能となる。測色パターンPとマーカパターンX1〜X7を全て印刷した後は、乾燥ヒータ17でインクの乾燥処理を行う。
【0065】
続いて、巻き戻し時の搬送については、上述の第1の実施の形態と同様に、狙いとする搬送量Sと、最大搬送誤差ΔSmaxを加味して、撮像装置の範囲が、マーカパターンX1〜X7のうち中央に位置するマーカパターンX4を狙い、搬送誤差を含めた分、「巻き戻し方向C」に印字媒体Mを搬送する。
【0066】
巻き戻しでマーカパターンX1〜X7の中央のマーカパターンX4を狙うのは、マーカパターンX4が検知できれば、X4の上限に、それぞれマーカパターンX1,マーカパターン2及びマーカパターン3と、マーカパターンX5,マーカパターンX6及びマーカパターンX7で、それぞれ上下方向に3パターンの検出用の制御マージンを確保できるためである。この場合、巻き戻し制御を粗い制御で対応できるため(ラフな制御でよいため)、通常のパターン位置検出の戻し制御時の搬送速度よりも高速で印字媒体Mを搬送可能とすることができる。このため、巻き戻し距離が大きい場合、短時間で戻し処理を行うことができる。
【0067】
巻き戻し速度としては、X4狙いへ搬送の巻き戻し速度V1、及び、マーカパターン「「X2〜7」→X1」へ搬送の巻き戻し速度V2の2つの巻き戻し速度が設定されている。巻き戻し速度V1、V2の関係は、「V1>V2」となっている。これにより、巻き戻し時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0068】
巻き戻し完了後は、キャリッジ5の主走査位置を調整し、二次元センサ20による撮像範囲20a内にマーカパターン群の中心のパターン(この例の場合、マーカパターンX4)の中心位置になるように移動させる。マーカパターンX2、マーカパターンX3、マーカパターンX5、マーカパターンX6及びマーカパターンX7としては、十字マークが配置される。奇数個の十字マークが配置された場合は、中央の十字マークの交点を中心とする。また、偶数個の十字マークが配置された場合は、両端の十字マークの中間点を中心とする。
【0069】
キャリッジ5の主走査位置を調整後、二次元センサ20で印字媒体Mを撮像し、マーカパターンX1〜X7のいずれかを検出する。マーカパターンX1〜X7は、「+」の個数及び主走査方向の位置を異ならせて配置しており、その差分で、第2の実施の形態で説明したように、マーカパターンX1からマーカパターンX7のいずれかを認識する。
【0070】
マーカパターンX2〜X7のいずれかが検出されると、検出されたマーカパターンの中心座標と、「測色パターン1行目の中心21aより下流側に配置されたマーカパターンX1の中心座標までの距離を算出し、印字媒体を巻き戻し方向Cに搬送する(マーカパターンのナンバーに応じてそれぞれ距離を算出)。
【0071】
一度、マーカパターンX1(測色パターン1行目の中心21aより下流側に配置)に搬送するのは、以下の理由による。副走査方向の送り精度は、「印字媒体を印刷方向Bに搬送する」時の方が戻し搬送よりも高精度となっている。このため、一度測色パターンPの下流にあるマーカパターンへ巻き戻し搬送で移動し、印字媒体を印刷方向Bに送る。これにより、測色パターンの一行目の中心21aと、二次元センサ20の撮像範囲20aの位置が最適になるように位置調整することができる。
【0072】
マーカパターンX1が検出された場合において、マーカパターンX1の中心座標から測色パッチの1行目までの距離はL1となる。上述の第2の実施の形態で説明したように、撮像範囲の中心から測色パッチの1行目までの距離を算出する。そして、印字媒体Mを、算出した距離分、印刷方向Bに搬送することで、二次元センサ20の撮像範囲20aに測色パッチの1行目を収めることができる。その後、測色パターンを順次読み取り、全パッチ分測色を行う。
【0073】
図16は、このような第3の実施の形態の搬送制御の流れを示すフローチャートである。図16のフローチャートの各処理は、図3に示す制御部61のCPU41が、メモリ68に記憶されている搬送制御プログラムに基づいて実行する。
【0074】
ステップS31:測色パターンの印刷と同時に、マーカパターンX1〜X5の印刷を主走査方向Aの測色パターン範囲外に行う。印刷完了まで印字媒体Mの搬送と印刷を繰り返し実行する。
ステップS32:乾燥ヒータ17でインク乾燥処理を行う。
ステップS33:二次元センサ20の範囲がマーカパターン(X1〜X7)の中央パターンX4となるまで、印字媒体Mを巻き戻し方向に搬送誤差を含め、戻し速度V1で搬送する(戻し速度V1>X1へ移動戻し速度V2)。
ステップS34:二次元センサ20でマーカパターンの検出処理を行う。
ステップS35:測色パッチ1行目副走査中心から下流に位置するマーカパターン(X1)であるか否かを判別する。
ステップS36:測色パッチ1行目副走査中心から下流に位置するマーカパターン(X1)であると判別したため(ステップS35:Yes)、二次元センサ20の撮像範囲20aの中心座標から測色パッチ1行目の中心座標までの距離を算出し、印字媒体Mを印刷方向に搬送する(マーカパターンのナンバーに応じて距離を算出)。
ステップS37:測色パターンを順次読み取りし、全パッチ分の測色を行い、図16のフローチャートの処理を終了する。
ステップS38:測色パッチ1行目副走査中心から上流に位置するマーカパターン(X2〜X7)であると判別したため(ステップS35:No)、検出されたマーカパターンの中心座標と、「測色パターン1行目の中心座標より下流側に配置されたマーカパターンX1」の中心座標までの距離を算出する。そして、印字媒体を巻き戻し方向に戻し速度V2で搬送する(戻し速度V1>X1へ移動戻し速度V2)。この後、ステップS34に処理を戻す。
【0075】
(第3の実施の形態の効果)
このように、測色パターンPのサイド(主走査方向の測色パターン画像範囲外)にマーカパターン(X1〜X7)を配置することで、主走査方向に長いマーカパターンを多く配置でき、搬送の戻し制御のマージン確保でき、印字媒体Mの搬送精度を向上させることができる。また、制御マージンを確保しつつ、調整のために消費するメディア量を最小に抑えることができる(マーカパターンの配置は、測色パターン下流に最小限の配置で済む)。
【0076】
また、この第3の実施の形態の場合、上述の第2の実施の形態と比較して、調整のためのマージンをより多く取ることができる。これにより、高精度な巻き戻し制御を不要とすることができ(ラフな制御で対応可能となり)、通常のパターン位置検出の戻し制御時の搬送速度よりも高速で印字媒体Mを搬送可能とすることができる。このため、巻き戻し距離が大きい場合、短時間で戻し処理を行うことができる。
【0077】
最後に、上述の実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。例えば、上述の各実施の形態は、本発明をインクジェット記録装置に適用した例であったが、本発明は、電子写真装置に適用することも可能である。また、実施の形態及び実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 ガイドロッド
5 キャリッジ
6 記録ヘッド
8 主走査モータ
9 駆動プーリ
10 加圧プーリ
11 タイミングベルト
45 記録ヘッド
47 二次元センサ
61 制御部
62 搬送部
63 副走査モータ
64 巻き取り部
65 巻き取りモータ
66 給紙部
67 給紙モータ
68 メモリ
100 インクジェット記録装置
M 印字媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特許第4978278号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16